JP2019012004A - 電流検出装置および測定装置 - Google Patents

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和延 林
憲一 関
Kenichi Seki
憲一 関
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元 依田
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Abstract

【課題】磁気コアに巻回された巻線に並列に共振防止抵抗を接続する構成を採用しつつ、温度が変化したときにも高い精度で測定対象電線に流れる電流を検出する。【解決手段】測定対象電線64が挿通される環状の磁気コア2の外表面に巻回された帰還巻線4、および帰還巻線4に直列に接続されて測定対象電線64に電流Iが流れることに起因して帰還巻線4に流れる電流Isを電圧Vdに変換する検出抵抗7を備え、帰還巻線4は、同じ巻回数に形成されて直列に接続された巻線4a,4bで構成され、巻線4a,4bのそれぞれに同じ抵抗値の共振防止抵抗9が並列に接続されると共に、この共振防止抵抗9の温度係数は巻線4a,4bを構成する導線の温度係数と同等に規定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気コアに形成された巻線を有して構成されて、磁気コア内に挿通された測定対象電線に流れる電流を検出する電流検出装置、およびこの電流検出装置を備えた測定装置に関するものである。
この構成を備えた電流検出装置として、本願出願人は下記特許文献1に開示された電流検出装置を既に提案している。この電流検出装置は、円環状の磁気コアと、この磁気コアに挿通された測定対象電線に流れる電流(測定電流)の電流値に比例して振幅が変化する検出信号を出力するフラックスゲート型磁気センサと、磁気コアの外表面に導線を巻回して構成された帰還巻線と、フラックスゲートセンサ素子に励磁信号を出力する信号生成部と、検出信号を入力すると共に検出信号の振幅を低下させる駆動電流を帰還巻線に供給する駆動部と、駆動電流の電流路内に配設されて駆動電流を電圧に変換して出力する検出抵抗とを備えて、磁気センサを使用したゼロフラックス方式の電流検出装置として構成されている。また、帰還巻線は、中間の部位において巻始め端側の第1帰還巻線(一端部側の第1巻線部)と巻き終わり端側の第2帰還巻線(他端部側の第2巻線部)とに分割されている。また、第1帰還巻線と第2帰還巻線との間に、検出抵抗が接続されている。この帰還巻線には、駆動電流の一部(巻線電流)が巻始め端および巻き終わり端のうちの一方から他方に向かう向きで供給される。
また、この電流検出装置は、低周波領域ではゼロフラックス方式で動作して測定対象電線に流れる電流を検出し、また高周波領域では帰還巻線がCT(カレントトランス)として機能することで測定対象電線に流れる電流を検出する。また、この電流検出装置では、帰還巻線がCTとして機能するこの高周波領域において、帰還巻線の寄生容量に起因して生じる共振を防止して、周波数特性を改善するため(作動周波数帯域をより高域まで伸ばすため)に、第1帰還巻線と第2帰還巻線のそれぞれに並列に共振防止抵抗を接続する構成を採用している。また、この特許文献1には開示されていないが、各共振防止抵抗の抵抗値は、これらが並列に接続される第1帰還巻線および第2帰還巻線の各巻線抵抗値が同じ値に揃えられている(一致させられている)のに対応させて、同じ値に揃えられている(一致させられている)。
特許第5710380号公報(第5−9頁、第1−4図)
ところで、この電流検出装置では、ゼロフラックス方式で動作する低周波領域において、測定対象電線に流れる電流の電流値をIp(一次電流値)とし、帰還巻線の巻回数をNターンとしたときに、駆動部は磁気コア内の磁束がゼロになるような電流値で駆動電流を帰還巻線に供給する。この場合、駆動電流はその一部が共振防止抵抗にも流れるため、駆動電流のうちの実際に帰還巻線に流れる電流(以下では、帰還電流ともいう)の電流値(二次電流値)をIsとしたときに、各電流値Ip,Is間には、Ip=N×Isの関係式が成り立つ。
また、電流値Isの帰還電流が帰還巻線に流れているときには、帰還巻線の巻線抵抗値をRwとしたときに、帰還巻線の両端間には電圧値(Is×Rw)の電圧が発生する。また、この電圧に起因して、帰還巻線に並列に接続されている各共振防止抵抗には、共振防止抵抗の抵抗値をRとしたときに、電流値Ir(=Is×Rw/R)の電流が流れる。
これにより、検出抵抗には、帰還電流(電流値Is)と共振防止抵抗に流れる電流(電流値Ir)の合計電流が流れることから、検出抵抗はこの合計電流(電流値(Is+Ir))を電圧に変換する。また、この合計電流の電流値(Is+Ir)は、以下のように表される。
Is+Ir=Is+Is×Rw/R=Is(1+Rw/R)
また、上記の式(Ip=N×Is)を考慮することにより、電流値(Is+Ir)は、以下の式(1)のように表される。
Is+Ir=Ip(1+Rw/R)/N ・・・(1)
この式(1)は、検出抵抗で電圧に変換される電流、つまり駆動部から供給される駆動電流の電流値(Is+Ir)は、帰還巻線の巻線抵抗値Rwと共振防止抵抗の抵抗値Rの比率(Rw/R)が一定であれば、測定対象電線に流れる電流の電流値Ipに比例した電流値となることを示している。つまり、共振防止抵抗を使用しつつ、検出抵抗で変換された電圧の電圧値に基づいて、測定対象電線に流れる電流の電流値Ipを高精度で検出することが可能となることを示している。
しかしながら、抵抗値だけを考慮して共振防止抵抗を選定した構成の電流検出装置においては、共振防止抵抗や帰還巻線に使用されている導線(通常は、銅線)の各温度係数が互いに異なる値となることがあり、この構成の電流検出装置では、温度(装置の内部温度や周囲温度)が変化したときに、帰還巻線の巻線抵抗値Rwと共振防止抵抗の抵抗値Rの比率(Rw/R)が変動する。したがって、この電流検出装置には、温度が変化したときに巻線抵抗値Rwと抵抗値Rとの比率が変化することがあるため、検出抵抗で電圧に変換される駆動電流の電流値(Is+Ir)が測定対象電線の電流値Ipに比例した電流値にならないことがあり、この場合には測定対象電線に流れる電流の電流値Ipを高精度で測定することが難しいという改善すべき課題が存在している。
本発明は、かかる課題を改善すべくなされたものであり、磁気コアに巻回された巻線に並列に共振防止抵抗を接続する構成を採用しつつ、温度が変化したときにも高い精度で測定対象電線に流れる電流を検出し得る電流検出装置、およびこの電流検出装置を備えた測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電流検出装置は、測定対象電線が内部に挿通される環状の磁気コア、当該磁気コアの外表面に巻回された巻線、および前記磁気コアに挿通された前記測定対象電線に測定電流が流れることに起因して前記巻線に流れる電流を電圧に変換する検出抵抗を当該巻線に直列に接続するために当該巻線に配設された一対の抵抗接続端子を備えている電流検出装置であって、前記巻線は、一端部側の第1巻線部と、当該第1巻線部と同じ巻回数に形成されて当該第1巻線部に直列に接続された他端部側の第2巻線部とを備えて構成され、前記第1巻線部および前記第2巻線部のそれぞれに同じ抵抗値の共振防止抵抗が並列に接続されると共に、当該共振防止抵抗の温度係数は前記第1巻線部および前記第2巻線部を構成する導線の温度係数と同等に規定されている。
また、請求項2記載の電流検出装置は、請求項1記載の電流検出装置において、前記一対の抵抗接続端子間に前記検出抵抗が接続されている。
また、請求項3記載の電流検出装置は、測定対象電線が内部に挿通される環状の磁気コア、当該磁気コアの外表面に巻回された巻線、および当該巻線に直列に接続されると共に前記磁気コアに挿通された前記測定対象電線に測定電流が流れることに起因して当該巻線に流れる電流を電圧に変換する検出抵抗を備えている電流検出装置であって、前記巻線は、一端部側の第1巻線部と、当該第1巻線部と同じ巻回数に形成されて当該第1巻線部に直列に接続された他端部側の第2巻線部とを備えて構成され、前記第1巻線部および前記第2巻線部のそれぞれに同じ抵抗値の共振防止抵抗が並列に接続されると共に、当該共振防止抵抗の温度係数は前記第1巻線部および前記第2巻線部を構成する導線の温度係数と同等に規定されている。
また、請求項4記載の測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の電流検出装置と、前記検出抵抗によって変換された前記電圧に基づいて前記測定電流の電流値を測定する処理部と、前記測定された電流値を出力する出力部とを備えている。
請求項1,2,3記載の電流検出装置および請求項4記載の測定装置では、磁気コアに巻回された複数の巻線のそれぞれに、巻線に使用されている導線と同じ温度係数の共振防止抵抗が並列に接続されている。したがって、これらの電流検出装置および測定装置によれば、高周波領域での共振の発生を共振防止抵抗で確実に防止しつつ、ゼロフラックス方式の電流検出装置として機能する低周波領域では、温度が変化した場合においても巻線の巻線抵抗値と共振防止抵抗の抵抗値の比率をほぼ一定に維持でき、これにより、検出抵抗(請求項1記載の電流検出装置では、一対の抵抗接続端子間に接続された検出抵抗)に流れる電流の電流値を測定対象電線に流れる電流の電流値と比例する状態に維持できる結果、温度が変化する環境下においても、測定対象電線に流れる電流の電流値を高精度で測定することができる。
請求項1記載の電流検出装置および請求項4記載の測定装置によれば、例えば、巻線に流れる電流の電流値(つまり、測定対象電線に流れる測定電流の電流値)に応じて適切な抵抗値の検出抵抗を適宜選択して一対の抵抗接続端子に接続することができるため、測定電流の電流値についての測定範囲を広げることができる。
請求項2,3記載の電流検出装置および請求項4記載の測定装置によれば、巻線に流れる電流を電圧に変換するための検出抵抗が予め巻線に接続されているため、検出抵抗を別途用意する手間を省くことができる。
電流検出装置61および測定装置MSの構成図である。 図1におけるW−W線断面図である。 駆動部6、帰還巻線4、検出抵抗7、差動検出部8および共振防止抵抗9の回路図である。 駆動部6A、帰還巻線4、検出抵抗7、差動検出部8および共振防止抵抗9の回路図である。
以下、添付図面を参照して、電流検出装置および測定装置の実施の形態について説明する。
測定装置MSは、図1に示すように、電流検出装置としての電流検出装置61、処理部62および出力部63を備え、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipを測定可能に構成されている。
電流検出装置61は、図1に示すように、環状(本例では一例として円環状であるが、楕円形やロ字形などの非円形の環状であってもよい)の磁気コア2、磁気センサとしてのフラックスゲート型磁気センサ3(以下、「磁気センサ3」ともいう)、帰還巻線4、信号生成部5、駆動部6、検出抵抗7、差動検出部8および共振防止抵抗9を備え、磁気コア2に挿通された測定対象電線64に流れる電流(測定電流)Iの電流値Ipに比例して電圧値V1が変化する電圧信号Soを出力する。
磁気コア2は、一例として図1,2に示すように、磁気コア2の周方向に沿って磁気コア2の内部に形成された空隙21を備え、空隙21内には、磁気センサ3を構成する後述のフラックスゲートセンサ素子31が収納されている。
磁気センサ3は、一例として図1,2に示すように、2つのフラックスゲートセンサ素子31a,31b(以下、特に区別しないときには「センサ素子31」ともいう)、差動増幅部32、および同期検波部33を備えている。各センサ素子31は、図示はしないが、一例として、同一形状に形成された円環状の絶縁基材の表面に検出巻線が同じ巻回数だけ巻回されてそれぞれ構成されている。また、各センサ素子31は、互いの検出巻線の巻線方向が互いに逆向きとなるように直列に接続され、かつ、図2に示すように、互いに重ね合わされた状態で磁気コア2の空隙21内に配設されている(磁気コア2に組み込まれている)。また、直列に接続された2つの検出巻線の各非接続端部(互いに接続されない側の端部)には引き出し線31c,31dがそれぞれ接続されると共に、各検出巻線の接続端部(互いに接続さる側の端部)には引き出し線31eが接続されて、2つの検出巻線は、各引き出し線31c,31d,31eを介して差動増幅部32に接続されている。
この構成により、各センサ素子31a,31bは、信号生成部5から出力される後述の励磁電流I2(一定の周波数fの交流電流)が供給されているときに、互いの位相が反転する検出電圧Va,Vbをそれぞれの検出巻線間に発生させると共に、各検出電圧Va,Vbを各引き出し線31c,31d,31eを介して差動増幅部32に出力する。
差動増幅部32は、図1に示すように、各センサ素子31に各引き出し線31c,31d,31eを介して接続されて、各センサ素子31から出力される検出電圧Va,Vbを入力すると共に、その差分電圧(Va−Vb)を検出する。また、差動増幅部32は、検出した差分電圧(Va−Vb)を増幅して、差分信号S1として出力する。磁気コア2に挿通されている測定対象電線64に電流Iが流れているときには、測定対象電線64の周囲に発生している磁界によって磁気コア2内の磁束が変化し、これに伴って各検出電圧Va,Vbの振幅が変化する。このため、差分電圧(Va−Vb)および差分信号S1は、励磁電流I2の2倍の周波数(2f)の信号成分が電流Iの振幅によって変調された振幅変調信号となる。
同期検波部33は、差動増幅部32から出力される差分信号S1を、信号生成部5から出力される後述の同期信号S2(励磁電流I2に同期した周波数(2f)の矩形波信号)で同期検波することにより、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipに比例して振幅が変化する検出信号S3を出力する。
帰還巻線4は、図1に示すように、センサ素子31を覆うようにして磁気コア2の外表面に磁気コア2の周方向に沿って配設された複数の巻線部(本例では一例として、第1巻線部4aおよび第2巻線部4bの2つ。以下では、単に巻線4a,4bともいう)が直列に接続されて構成されている。各巻線4a,4bは、図2に示すように、磁気コア2の外表面に導線41を、同じ巻回方向で、かつ同じ巻回数(N/2ターン)だけ巻回して構成されている。この構成により、各巻線4a,4bは、同じ巻線抵抗値Rwに規定されている。また、帰還巻線4は、全体の巻回数がNターンに規定される。なお、図2は、巻線4b、および磁気コア2の内部構造を示すための磁気コア2における巻線4bが配設された部位の周方向と直交する平面での断面図であるが、図示はしないが、磁気コア2における巻線4aが配設された部位の断面も同様の断面図となる。
また、図1に示すように、巻線4aは、その一端部42が駆動部6に接続されると共に、その他端部43が検出抵抗7の一端に接続されている。巻線4bは、その一端部44が検出抵抗7の他端に接続されると共に、その他端部45が基準電位(回路グランドG)に接続されている。この構成により、各巻線4a,4bは検出抵抗7を介して直列に接続されている。
信号生成部5は、一定周波数fの交流電流である励磁信号としての励磁電流I2を生成して、センサ素子31に出力する。また、信号生成部5は、励磁電流I2に同期した周波数(2f)の信号を生成して同期信号S2として同期検波部33に出力する。
駆動部6は、磁気センサ3の同期検波部33から出力される検出信号S3を入力すると共に駆動信号S4に増幅して、帰還巻線4を構成する巻線4aの一端部42に出力する。本例では、一例として、駆動部6は、図3に示すように、ボルテージフォロワ回路で構成されて、増幅した検出信号S3を非反転の状態で駆動信号S4に増幅して出力する。この場合、駆動部6は、磁気センサ3から出力される検出信号S3の振幅を低下させる(ゼロに近づける)ように、つまり、磁気コア2内の磁束がゼロになるように駆動信号S4の振幅(電圧)を制御する。この制御下で、磁気コア2内の磁束がゼロになっている状態においては、駆動部6から帰還巻線4への駆動信号S4の出力に起因して、駆動部6から帰還巻線4側に供給される駆動電流Idのうちの帰還巻線4に実際に流れる帰還電流Id1の電流値Isと、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipとの間には、帰還巻線4全体のターン数がNであることを考慮すると、背景技術で説明した関係式と同じ次の関係式が成り立つ。
Ip=N×Is
また、電流値Isの帰還電流Id1が巻線抵抗値Rwの各巻線4a,4bに流れるため、各巻線4a,4bの両端間には、電圧値(Is×Rw)の電圧が発生する。また、このようにして発生する電圧が後述するように巻線4a,4bのそれぞれに並列に接続された共振防止抵抗9に印加されるため、共振防止抵抗9(抵抗値R)には、背景技術で説明した式と同じ下記式で表される電流値Irの電流Id2が流れる。
Ir=Is×Rw/R
検出抵抗7は、図1,3に示すように、帰還巻線4に直列に接続(この例では、帰還巻線4を構成する2つの巻線4a,4b間に接続)されて、駆動電流Id(帰還巻線4に流れる帰還電流Id1と共振防止抵抗9に流れる電流Id2の合計電流であり、その電流値は(Is+Ir))を電圧Vdに変換する。なお、本例では一例として、検出抵抗7は、帰還巻線4を構成する巻線4aと巻線4bとの間に配設されているが、検出抵抗7の配設位置はこれに限定されるものではなく、例えば、図示はしないが、巻線4aの他端部43と巻線4bの一端部44とを直接接続して、巻線4bの他端部45と基準電位(回路グランドG)との間に検出抵抗7を配設する構成を採用することもできる。
また、検出抵抗7に流れる上記の合計電流の電流値(Is+Ir)については、背景技術で説明した上記式(1)、つまり、Is+Ir=Ip(1+Rw/R)/Nのように表される。
差動検出部8は、検出抵抗7に接続されて、この検出抵抗7に両端間電圧として発生する電圧Vdを検出すると共に、増幅して電圧信号Soとして出力する。共振防止抵抗9は、図1,3に示すように、同じ抵抗値Rの固定抵抗器で構成されて、帰還巻線4を構成するすべての巻線(本例では、2つの巻線4a,4b)のそれぞれに並列に接続されている。また、共振防止抵抗9には、その温度係数が帰還巻線4を構成する導線41の温度係数(導線41の材料として一般的に使用される銅の抵抗についての温度係数は約+4000ppm/℃)に揃う固定抵抗器が使用されている。これにより、この電流検出装置61では、上記式(1)での帰還巻線の巻線抵抗値Rwと共振防止抵抗の抵抗値Rの比率(Rw/R)が、温度が変化する環境下においても一定となるように構成されている。
以上のようにして構成された電流検出装置61は、測定対象電線64に流れる電流Iを、この電流Iが低周波領域に含まれる周波数の信号のときには、磁気センサ3を使用したゼロフラックス方式の電流検出装置として機能して検出し、この電流Iが高周波領域に含まれる周波数の信号のときには、帰還巻線4をCTとして使用する電流検出装置として機能して検出する。
また、この電流検出装置61では、共振防止抵抗9の温度係数が帰還巻線4を構成する導線41の温度係数に予め揃えられていて、温度が変化した場合においても、検出抵抗7には、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipに比例した上記の電流値(Is+Ir)の駆動電流Id(=Id1+Id2)が流れ得るように構成されている。これにより、検出抵抗7は、この駆動電流Idを電圧に変換することにより、電流値Ipに比例して電圧値V1が変化する電圧信号Soを生成して処理部62に出力する。また、電流検出装置61では、帰還巻線4がCTとして機能する高周波領域において発生し易い共振については、共振防止抵抗9によってその発生が確実の防止されている。
処理部62は、例えば、A/D変換器、メモリおよびCPU(いずれも図示せず)を備えて構成されて、電流検出装置61から出力される電圧信号Soの電圧値V1を測定すると共に、この測定した電圧値V1に基づいて測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipを算出(測定)する。また、処理部62は、測定した電流値Ipを出力部63に出力する。
出力部63は、一例として、LCDなどのディスプレイ装置で構成されて、処理部62から出力された電流値Ipを画面に表示する。なお、出力部63は、ディスプレイ装置に代えて、種々のインターフェース回路で構成してもよく、例えば、メディアインターフェース回路としてリムーバブルメディアに電流値Ipを記憶させたり、ネットワークインターフェース回路としてネットワーク経由で外部装置に電流値Ipを伝送させたりする構成を採用することもできる。
次に、電流検出装置61および測定装置MSの各動作について、図面を参照して説明する。
上記したように、電流検出装置61では、低周波領域においては、信号生成部5が、帰還巻線4に対して周波数fの励磁電流I2を出力すると共に、フラックスゲート型の磁気センサ3における同期検波部33に同期信号S2を出力する。
この状態において、磁気センサ3では、この励磁電流I2の供給を受けて作動する2つのセンサ素子31a,31bが、互いの位相が反転すると共に、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipに応じて振幅が変化する検出電圧Va,Vbをそれぞれ出力する。差動増幅部32は、この検出電圧Va,Vbの差分電圧(Va−Vb)を検出して、差分信号S1を出力する。同期検波部33は、この差分信号S1を同期信号S2で同期検波することにより、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipに比例して振幅が変化する検出信号S3を出力する。
次いで、駆動部6は、磁気センサ3から出力される検出信号S3を入力すると共に、駆動信号S4に増幅して、帰還巻線4に出力することで、帰還巻線4に駆動電流Idを供給する。また、駆動部6は、検出信号S3の振幅(電圧)が低下する(ゼロに近づく)ように、駆動信号S4の振幅(電圧)を制御する(つまり、駆動電流Idの電流値を制御する)。この場合、検出信号S3の振幅(電圧)がゼロになっている状態では、磁気コア2に発生している全磁束がゼロになっている状態、つまり、測定対象電線64に電流Iが流れることによって磁気コア2に発生する磁束が、駆動電流Idのうちの帰還電流Id1が帰還巻線4に流れることによって磁気コア2に発生する磁束を打ち消している状態(ゼロフラックス状態)となっている。また、このゼロフラックス状態では、上記したように、検出抵抗7には、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipに比例した上記の電流値(Is+Ir)の駆動電流Id(=Id1+Id2)が流れている。
続いて、帰還巻線4を構成する2つの巻線4a,4b間に配設された検出抵抗7が、この駆動電流Idを電圧Vdに変換し、差動検出部8が、この電圧Vdを検出して電圧信号Soとして出力する。また、駆動電流Idの電流値(Is+Ir)は、上記したように、共振防止抵抗9の温度係数が帰還巻線4を構成する導線41の温度係数に揃えられたことで、温度が変化した場合においても比率(Rw/R)がほぼ一定に維持されることから、温度が変化する環境下においても、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipと比例した状態に維持されている。このため、電流検出装置61から出力される電圧信号Soも、温度が変化したとしても、その電圧値V1(振幅)が電流Iの電流値Ipに比例した信号となっている。
処理部62は、電流検出装置61から出力される電圧信号Soの電圧値V1を測定すると共に、この測定した電圧値V1に基づいて測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipを算出(測定)して出力部63に出力する。出力部63は、この電流値Ipを画面に表示する。これにより、測定装置MSによる電流Iの電流値Ipの測定が完了する。
また、電流検出装置61では、高周波領域においては、帰還巻線4がCTとして動作する。この状態においては、帰還巻線4には、測定対象電線64に電流Iが流れることによって磁気コア2に発生する磁束に比例した電圧が誘起され、検出抵抗7には、この誘起された電圧に比例した電流が流れる。検出抵抗7は、この電流を電圧Vdに変換し、差動検出部8が、この電圧Vdを検出して電圧信号Soとして出力する。上記したように、検出抵抗7に流れる電流の電流値は電流Iの電流値Ipと比例しているため、電流検出装置61から出力される電圧信号Soもまた、その電圧値V1(振幅)が電流Iの電流値Ipに比例した信号となっている。
処理部62は、電流検出装置61から出力される電圧信号Soの電圧値V1を測定すると共に、この測定した電圧値V1に基づいて測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipを算出(測定)して出力部63に出力する。出力部63は、この電流値Ipを画面に表示する。これにより、測定装置MSによる電流Iの電流値Ipの測定が完了する。
帰還巻線4がCTとして動作する高周波領域では、共振防止抵抗9により、寄生容量に起因して帰還巻線4(巻線4a,4b)に生じる虞のある共振が確実に防止される。
このようにして、この電流検出装置61および測定装置MSでは、帰還巻線4を構成する複数の巻線(上記の例では、2個の巻線4a,4b)のそれぞれに、帰還巻線4に使用されている導線41と同じ温度係数の共振防止抵抗9が並列に接続されている。したがって、この電流検出装置61および測定装置MSによれば、高周波領域での共振の発生を共振防止抵抗9で確実に防止しつつ、電流検出装置61がゼロフラックス方式の電流検出装置として機能する低周波領域では、温度が変化した場合においても帰還巻線4の巻線抵抗値Rwと共振防止抵抗9の抵抗値Rの比率(Rw/R)をほぼ一定に維持でき、これにより、検出抵抗7に流れる駆動電流Idの電流値(Is+Ir)を測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipと比例する状態に維持できる結果、温度が変化する環境下においても、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値Ipを高精度で測定することができる。
なお、上記した駆動部6については上記した構成に限定されるものではない。例えば、図4に示すように、ボルテージフォロワ回路および反転増幅回路を使用した駆動部6Aを採用することもできる。この駆動部6Aでは、ボルテージフォロワ回路と反転増幅回路の双方に検出信号S3を入力し、ボルテージフォロワ回路の出力を帰還巻線4の一方の端部(巻線4aの一端部42)に接続し、反転増幅回路の出力を帰還巻線4の他方の端部(巻線4bの他端部45)に接続する。この駆動部6Aを有する電流検出装置61および測定装置MSにおいても、上記した駆動部6を有する電流検出装置61および測定装置MSと同等の効果を奏することができる。なお、上記した電流検出装置61の各構成要素と同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
また、磁気センサ3の一例としてフラックスゲート型磁気センサを挙げて説明したが、フラックスゲート型磁気センサに限定されず、ホール素子などの他の磁気センサを使用することもできる。
また、上記の電流検出装置61では、検出抵抗7が帰還巻線4に予め接続されて、検出抵抗7を別途用意する手間を省き得る構成を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、測定対象電線64に流れる電流Iの電流値I1をおおよそ予測し得る場合であって、かつこの電流値I1が広い範囲に亘る場合には、検出抵抗7に発生する電圧Vdの電圧値が差動検出部8の入力定格に合致するような抵抗値の検出抵抗7を適宜選択し得る構成とするのが望ましい。このため、図1に示すように、電流検出装置61において、駆動電流Idの電流路内に一対の抵抗接続端子46,46を配設して、所望の抵抗値の検出抵抗7をこの一対の抵抗接続端子46,46間に接続し得る構成とすることもできる。
また、2個の巻線4a,4bを直列接続して帰還巻線4を構成する例を挙げて説明したが、図示はしないが、3つ以上の巻線を直列接続して帰還巻線を構成する構成においても、各巻線のそれぞれに、上記のようにして温度係数が巻線を構成する導線の温度係数に揃えられた共振防止抵抗9を並列に接続することにより、上記した効果と同等の効果を奏することできる。また、電流検出装置61を備えた測定装置MSとして、電流測定装置を例に挙げて説明したが、電流検出装置61を備えた測定装置MSとしては、電流測定装置以外に電力測定装置など種々の測定装置とすることができる。
2 磁気コア
3 磁気センサ
4 帰還巻線
4a,4b 巻線
7 検出抵抗
9 共振防止抵抗
61 電流検出装置
62 処理部
63 出力部
64 測定対象電線
I 電流
Id 駆動電流
Ip 電流値
Is 帰還電流
MS 測定装置
Vd 電圧

Claims (4)

  1. 測定対象電線が内部に挿通される環状の磁気コア、当該磁気コアの外表面に巻回された巻線、および前記磁気コアに挿通された前記測定対象電線に測定電流が流れることに起因して前記巻線に流れる電流を電圧に変換する検出抵抗を当該巻線に直列に接続するために当該巻線に配設された一対の抵抗接続端子を備えている電流検出装置であって、
    前記巻線は、一端部側の第1巻線部と、当該第1巻線部と同じ巻回数に形成されて当該第1巻線部に直列に接続された他端部側の第2巻線部とを備えて構成され、
    前記第1巻線部および前記第2巻線部のそれぞれに同じ抵抗値の共振防止抵抗が並列に接続されると共に、当該共振防止抵抗の温度係数は前記第1巻線部および前記第2巻線部を構成する導線の温度係数と同等に規定されている電流検出装置。
  2. 前記一対の抵抗接続端子間に前記検出抵抗が接続されている請求項1記載の電流検出装置。
  3. 測定対象電線が内部に挿通される環状の磁気コア、当該磁気コアの外表面に巻回された巻線、および当該巻線に直列に接続されると共に前記磁気コアに挿通された前記測定対象電線に測定電流が流れることに起因して当該巻線に流れる電流を電圧に変換する検出抵抗を備えている電流検出装置であって、
    前記巻線は、一端部側の第1巻線部と、当該第1巻線部と同じ巻回数に形成されて当該第1巻線部に直列に接続された他端部側の第2巻線部とを備えて構成され、
    前記第1巻線部および前記第2巻線部のそれぞれに同じ抵抗値の共振防止抵抗が並列に接続されると共に、当該共振防止抵抗の温度係数は前記第1巻線部および前記第2巻線部を構成する導線の温度係数と同等に規定されている電流検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電流検出装置と、
    前記検出抵抗によって変換された前記電圧に基づいて前記測定電流の電流値を測定する処理部と、
    前記測定された電流値を出力する出力部とを備えている測定装置。
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