JP2006156165A - 燃料電池システムの制御装置及び制御方法 - Google Patents

燃料電池システムの制御装置及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池スタックから電力を取り出す際の電流値を変えることによって、燃料ガスの圧力を早く下げる燃料電池システムの制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池スタックに要求される発電量を検知する要求発電量検知部31と、要求発電量検知部31が検知する発電量を燃料電池スタックが発電するために必要な燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力値を演算する圧力制御演算部32と、圧力制御演算部32が演算する酸化剤ガスの圧力値に基づいて酸化剤ガスの圧力を制御する酸化剤極圧力制御部33と、酸化剤極圧力制御部33が酸化剤ガスの圧力を下げる場合、酸化剤ガスの圧力又は圧力制御演算部32が演算する酸化剤ガスの圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタックから取り出す電流量を決定する取り出し電流制御部34とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は燃料電池システムの制御装置及び制御方法に関し、特に、燃料電池スタックへの要求発電量が変化した際の燃料電池システムの制御技術に関する。
燃料電池は、水素ガス等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、燃料のもつ化学エネルギを直接電気エネルギに変換する装置である。その変換効率は非常に高いため、燃料電池の利用用途は広く、モータを備えた自動車のエネルギ供給源としても利用されている。
燃料電池の発電量を増加させるためには、単電池を数多く積層させる方法がある。しかし、自動車などでは搭載スペースが限られているため、単電池の数を増やすことに限界がある。したがって発電量を増加させるためには、単電池あたりの変換効率を高める必要があり、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧化して燃料電池に供給することにより、発電量を増加することができる。
酸化剤ガスを燃料電池へ高圧化して供給するためには、コンプレッサなどを用いて空気を加圧する。燃料電池への要求発電量が高い状態から低い状態へ遷移した場合には、燃料電池内への空気供給量を少なくし、空気の圧力を下げる。これによりコンプレッサの消費電力を下げることができる。しかし、燃料ガスは、その利用率を上げるために、燃料電池の出口からの排ガスを燃料電池の入口へ循環させて利用する。したがって、燃料ガス極側は密閉状態であり、燃料ガスの圧力を下げようとしても、燃料ガスの量を減らさない限り圧力を下げることができない。そこで、燃料極と酸化剤極との圧力差を所定圧以内に保つために、コンプレッサを動かして酸化剤極側の圧力を上げている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、コンプレッサを動かすことにより、消費電力が増加してしまうため、実際に燃料電池から取り出して利用できる電力に比べ、発電に要する電力が高くなってしまう。よって燃料極側の圧力を早く下げるために、燃料極内のガスを外部に排出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−217631号公報 特開2003−109627号公報
しかし、特許文献2に開示された方法では、燃料極内のガスを外部に放出する際に、燃料ガスを外部に放出してしまうため、燃料ガスを無駄にしてしまう。つまり、燃料ガスを外部に放出することなく、燃料極内の圧力を下げることができない。
本発明の第1の特徴は、燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電する燃料電池スタックを備える燃料電池システムの制御装置であって、燃料電池スタックに要求される発電量を検知する要求発電量検知部と、要求発電量検知部が検知する発電量を燃料電池スタックが発電するために必要な燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力値を演算する圧力制御演算部と、圧力制御演算部が演算する酸化剤ガスの圧力値に基づいて酸化剤ガスの圧力を制御する酸化剤極圧力制御部と、酸化剤極圧力制御部が酸化剤ガスの圧力を下げる場合、酸化剤ガスの圧力又は圧力制御演算部が演算する酸化剤ガスの圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタックから取り出す電流量を決定する取り出し電流制御部とを有することを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電する燃料電池スタックを備える燃料電池システムの制御方法であって、燃料電池スタックに要求される発電量を検知し、検知した発電量を燃料電池スタックが発電するために必要な燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力値を演算し、酸化剤ガスの圧力値に基づいて酸化剤ガスの圧力を制御し、酸化剤ガスの圧力を下げる場合、酸化剤ガスの圧力又は酸化剤ガスの圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタックから取り出す電流量を決定することを要旨とする。
本発明によれば、燃料電池スタックから電力を取り出す際の電流量を変えることによって、燃料ガスの圧力を早く下げる燃料電池システムの制御装置及び制御方法を提供することが出来る。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係わる燃料電池システムは、燃料極(アノード)に供給される燃料ガスとしての水素ガスと酸化剤極(カソード)に供給される酸化剤ガスとしての空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1へ空気を圧縮して供給するコンプレッサ9と、燃料電池スタック1から排出される空気(排空気)の流量を調整する空気調圧弁10と、マフラー23と、燃料電池スタック1の水素導入口へ水素ガスを供給する水素タンク2と、水素タンク2に接続された水素タンク元弁3と、水素タンク元弁3を通過した水素ガスの圧力を減圧する減圧弁26と、減圧弁26を通過した水素ガスの圧力を調整する水素供給弁4と、燃料電池スタック1の水素排出口から排出される水素ガスを再び燃料電池スタック1の水素導入口へ循環させる水素循環ポンプ8と、燃料電池スタック1の水素排出口に接続されたパージ弁7と、燃料電池スタック1を冷却する冷却水を冷却するラジエタ17と、ラジエタ17へ通風を送るラジエタファン18と、燃料電池スタック1とラジエタ17との間に冷却水を循環させる冷却水ポンプ15と、冷却水の循環路上に配置された三方弁16と、燃料電池スタック1から取り出される電力を管理するパワーマネージャ21と、燃料電池スタック1から取り出される電圧を測定する電圧センサ22と、燃料電池スタック1から取り出される電力を充電する2次電池5と、上記の各構成要素の動作を制御するコントローラ30とを備える。本発明の第1の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御装置は、コントローラ30に相当する。
燃料電池スタック1は、水素ガスが供給されるアノード12と、空気が供給されるカソード11と、アノード12とカソード11により挟持された電解質膜19と、アノード12及びカソード11へ水素ガス及び空気をそれぞれ供給するセパレータ(ソリッドプレート)25と、燃料電池スタック1を冷却する冷却水が流れる冷却水流路24とを備える。
アノード12に水素ガスが供給され、カソード11に空気が供給されると、(1)式及び(2)式に示す電極反応が進行され、電力が発電される。このときカソード11で生成された水(H2O)は水蒸気となって、電解質膜19を透過してアノード12側へ侵入する。

アノード(水素極):H2→2H++2e- (1)
カソード(酸素極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)

アノード12へ供給される水素ガスは、水素タンク2から水素タンク元弁3、減圧弁26、水素供給弁4を通じてなされる。なお、水素タンク元弁3及び減圧弁26は、閉じた状態と開いた状態の2つの状態のみを取りうるオン/オフ弁であるのに対し、水素供給弁4はその開度を連続的に調整することができる可変弁である。水素タンク2から供給される高圧水素ガスは、減圧弁26で機械的に所定の圧力まで減圧され、水素供給弁4で燃料電池スタック1での水素ガス圧力が所望の水素圧に制御される。アノード12で消費されなかった水素ガスは水素循環ポンプ8により再循環させる。パージ弁7は、次の役割を果たす。
・水素循環機能を確保するために、水素系内に蓄積した窒素を排出する。
・セル電圧を回復させるために、ガス流路に詰まった水詰まりを吹き飛ばす。
カソード11へ供給される空気は先ずコンプレッサ9に圧送される。この空気量を外気環境が変わった場合にでも目標の空気流量を満たすように、コンプレッサ9の回転数センサ14、大気圧センサ20の測定値を参照しながらコンプレッサ9を制御する。カソード11の空気圧は、圧力センサ6bの検出値を用いながら、空気調圧弁10の開口面積(開度)を変化させることによって制御される。なお、空気調圧弁10は可変弁である。
燃料電池スタック1内の冷却水流路24は、冷却水ポンプ15、ラジエタ17及び三方弁16が配置された冷却水が流通する冷却水路に接続されている。冷却水は、冷却水ポンプ15により冷却水流路24及び冷却水路を循環する。三方弁16を切り替えることにより、冷却水をラジエタ17へ流すか、或いはラジエタ17をバイパスさせて冷却水流路24と冷却水ポンプ15の間を循環させるかを切り替えることができる。つまり、三方弁16は、冷却水の流路をラジエタ17方向とラジエタバイパス方向に切り替えや分流を行う。冷却水の温度は三方弁16とラジエタファン18を駆動することによって調整される。
パワーマネージャ21は、燃料電池スタック1から電力を取り出して、移動体を駆動する駆動モータ(図示しない)へ電力を供給する。バッテリ又はキャパシタからなる2次電池5は、燃料電池スタック1の発電が要求発電量を満たせない場合に補助電源としてエネルギを供給する。或いは、燃料電池スタック1が発電した電力を一時的に蓄えることもできる。
コントローラ30は、起動、発電、停止する際に燃料電池システム内の各アクチュエータを、センサ信号を用いて制御する。
図2に示すように、図1のコントローラは、燃料電池スタック1に要求される発電量を検知する要求発電量検知部31と、要求発電量検知部31が検知する発電量を燃料電池スタック1が発電するために必要な水素ガス及び空気の圧力値を演算する圧力制御演算部32と、圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値に基づいて空気の圧力を制御する酸化剤極圧力制御部33と、酸化剤極圧力制御部33が空気の圧力を下げる場合、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する取り出し電流制御部34と、圧力制御演算部32が演算する水素ガスの圧力値に基づいて燃料ガスの圧力を制御する燃料極圧力制御部35と、取り出し電流制御部34が決定する燃料電池スタック1から取り出す電流量に基づいて、水素ガスの圧力の挙動を予測する燃料極圧力予測部36と、燃料電池スタック1から取り出すエネルギ量が外部装置により吸収可能なエネルギ量よりも小さいか否かを判断する取り出しエネルギ演算部37とを備える。更に圧力制御演算部32は、酸化剤ガスの圧力の挙動を予測する酸化剤極圧力予測演算部38を有する。
要求発電量検知部31は、燃料電池スタック1を発電機のように直接エネルギ供給源として用いる、若しくは移動体の駆動力へのエネルギ供給源のように間接的に燃料電池をエネルギ供給源として用いる際の燃料電池スタック1への要求発電量を検知する。圧力制御演算部32は、この燃料電池スタック1への要求発電量に基づき、燃料電池スタックの目標圧力を設定する「燃料電池圧力制御演算」を行う。酸化剤極圧力制御部33は、この燃料電池圧力制御演算の結果に従い、カソード11の空気の圧力を変化させる。取り出しエネルギ演算部37は、水素ガスの圧力と燃料極圧力予測部36が予測する水素ガスの圧力値との差と、燃料電池スタック1の内部温度とから、燃料電池スタック1から取り出すエネルギ量を演算し、演算したエネルギ量が外部装置により吸収可能なエネルギ量よりも小さいか否かを判断する。酸化剤極圧力予測演算部38は、現在の要求発電量に応じた圧力から、要求発電量が下がり、酸化剤極圧力を酸化剤極圧力制御部により下げる場合に、圧力が要求発電量相当へ下がる際の圧力の挙動値を推定する。
図3を参照して、図1の燃料電池システムの制御装置を用いた燃料電池システムの制御方法の概要を説明する。
(イ)先ず、S10段階において、要求発電量検知部31は、パワーマネージャ21を介して燃料電池スタック1に要求される発電量を検知する。
(ロ)S20段階において、圧力制御演算部32は、要求発電量検知部31が検知した発電量を燃料電池スタック1が発電するために必要な水素ガス及び空気の圧力値を演算する。
(ハ)S30段階において、酸化剤極圧力制御部33は、圧力制御演算部32が演算した空気の圧力値に基づいて、コンプレッサ9の回転数及び空気調圧弁10の開度の少なくとも一方を操作して空気の圧力を制御する。
(ニ)最後に、S40段階において、酸化剤極圧力制御部33が空気の圧力を下げる場合、取り出し電流制御部34は、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。決定された電流量がパワーマネージャ21により燃料電池スタック1から取り出される。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法の詳細を示すフローチャートであって、図3のフローチャートをより具体的に示すものである。
(A)先ず、S101段階において、要求発電量検知部31がユーザからの要求発電量の低下を検知する。この場合、S102段階において、圧力制御演算部32は、要求発電量検知部31が検知した発電量の低下に応じて、これまでよりも低い水素ガス及び空気の圧力値(目標運転圧力)を設定する。S103段階において、酸化剤極圧力制御部33は、圧力センサ6bの測定値を用いて、空気圧力を目標運転圧力にするために空気調圧弁10の開口面積を広げて、空気の圧力の減圧を開始する。
(B)S104段階において、取り出し電流制御部34は、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値の変化量(低下量)を計算し、S105段階において、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。即ち、空気圧力の変化分の水素圧力を落とすために消費しなければならない水素量を計算する。S106段階において、パワーマネージャ21により、燃料電池スタック1からの電流取り出しが開示される。
(C)一方、水素圧を早く下げるため、水素供給弁4を早く閉じて、供給を早く停止したい。そのため、空気の圧力の減圧を開始するS103段階の後、S108段階において、水素供給弁4の動作変化量を、供給時に対して大きくするように切り替える。換言すれば、燃料極圧力制御部35は、水素ガスの圧力を上げる際と下げる際とで動作変化量を切り替えて、水素ガスの圧力を下げる際は上げる際よりも早く変化させて水素ガスの供給を停止する。
(D)S107段階において、コントローラ30は、圧力センサ6aの測定値(水素圧力)が圧力制御演算部32が演算する水素ガスの圧力値(目標運転圧力)以下であるか否かを判断する。水素圧力が目標運転圧力以下である場合(S107段階においてYES)S111段階に進み、水素圧力が目標運転圧力よりも高い場合(S107段階においてNO)S109段階に進む。
(E)S109段階において、S104段階と同様に、取り出し電流制御部34は、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値の変化量を計算し、S110段階において、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量を変更する。その後、S107段階に進む。S107段階においてYESとなるまで、S109及びS110段階を繰り返し実施する。
(F)目標電流を繰り返し修正して、水素圧力が目標運転圧力以下になった時点で、S111段階において、取り出し電流制御部34は、取り出し電流量を要求発電量相当に設定する。
なお、S104及びS105段階における空気圧力の変化量を△Pとし、取り出し電流量をIとし、取り出し電流の設定を所定時間△t毎に変更するとした場合、(3)式に従って、取り出し電流制御部34は取り出し電流量Iを決定する。ここで、α(T)は、体積、温度Tの関数である。また水素の温度Tの変化は圧力変動に対して遅いために一定値として扱うことができ、温度センサ13dの測定値を用いて係数を計算してもよい。

△P=α(T)×△t×I (3)

図5は図4の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示す。要求発電量の低下により取り出し電流量の目標値も一度は同様に低下するが、直ぐに増加し、徐々に低下していく。よって、取り出し電流量の実測値も同様にして徐々に減少していく。したがって、水素ガス及び空気の圧力を下げる場面において、取り出し電流を空気圧力に基づいて変化させることによって、水素圧力を早く下げることができる。これにより水素圧の実測値と空気圧の実測値の差を小さく抑えることができる。
本発明の第1の実施の形態によれば、燃料電池スタック1内の運転圧力を下げる場合に、酸化剤極圧力検出値もしくは酸化剤極目標圧力のどちらか一方の変化量に応じて、取り出し電流の大きさを決定することにより、酸化剤極の圧力の下がり方に応じて、取り出し電流を決定し、燃料極圧力を酸化剤極圧力との差圧を守りながら下げることができ、かつ電流を取り出すため、エネルギを回収することエネルギ利用効率を上げることができる。
本発明の第1の実施の形態によれば、燃料極圧力制御部35が、目標燃料極圧力が上がる際と下がる際とで動作量を切り替えることによって、燃料極圧力を下げる場合に、燃料の供給を早く停止させることによって、制御開始直後の燃料極圧力と酸化剤極圧力との圧力差を小さくすることができる。
(比較例)
図17を参照して、比較例に係わる燃料電池システムの制御方法を説明する。
(A)先ず、S001段階において、ユーザからの要求発電量の低下を検知する。この場合、S002段階において、コンプレッサ9の消費電力を抑えるために、検知した発電量の低下に応じて、これまでよりも低い水素ガス及び空気の圧力値(目標運転圧力)を設定する。S003段階において、酸化剤極圧力制御部33は、圧力センサ6bの測定値を用いて、空気圧力を目標運転圧力にするために空気調圧弁10の開口面積を広げて、空気の圧力の減圧を開始する。
(B)S001段階の後に、S002段階と並行してS004〜S005段階を実施する。即ち、S004段階において、検知した発電量の低下量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。即ち、燃料電池スタック1から取り出すエネルギ量を減少させるため、取り出し電流量を小さく設定する。S005段階において、パワーマネージャ21により、小さく設定された取り出し電流量にしたがって、燃料電池スタック1からの電流取り出しの制御が開示される。このときの水素圧力は、燃料電池スタック1からの取り出し電流量に応じて下がっていく。
図18及び図19は、図17の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化の例を示すタイムチャートであって、図18は要求発電量が低下して零になった場合を示し、図19は要求発電量が低下して零でない場合を示す。
図18に示すように、要求発電量が零になると、取り出し電流量(目標値)も零になる。そして、目標運転圧力(目標値)も同様に低下する。空気圧力(実測値)は目標値に対し、ある遅れ時間を持って下がり、最終的には目標値となる。しかし、電流の取り出しがなくなった後、即ち取り出し電流量(実測値)が零になった後は、水素ガスは消費されないため、水素圧力(実測値)は下がらなくなり、定常的に空気と水素ガスとの差圧が発生してしまう。このため、コンプレッサ9を回して空気を供給することにより、空気圧を上げなくてはならない。
図19に示すように、要求発電量が低下するが零にならない場合、取り出し電流量(目標値)も零にならない。要求発電量が低下した後も電流の取り出しがなくならず、水素ガスは少しずつ消費されて水素圧力(実測値)は徐々に低下していく。しかし、取り出し電流量が小さい場合、水素圧力の低下速度は空気圧力に比べて遅くなり、空気と水素ガスの差圧が過渡的に大きくなってしまう。そこで、水素ガスを装置外部に放出することによって、水素圧をさげなくてはならない。
これに対して、上述した本発明の第1の実施の形態によれば、図4のS105段階において、取り出し電流制御部34が、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値の変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。即ち、圧力を下げる場面において、取り出し電流を空気圧力に基づいて変化させることによって、図5に示すように水素圧力を早く下げて、空気と水素ガスの差圧を小さく保つことができる。
(第2の実施の形態)
図6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法を説明する。
(A)先ず、S201段階において、要求発電量検知部31がユーザからの要求発電量の低下を検知する。この場合、S202段階において、圧力制御演算部32は、要求発電量検知部31が検知した発電量の低下に応じて、これまでよりも低い水素ガス及び空気の圧力値(目標運転圧力)を設定する。S203段階において、酸化剤極圧力制御部33は、圧力センサ6bの測定値を用いて、空気圧力を目標運転圧力にするために空気調圧弁10の開口面積を広げて、空気の圧力の減圧を開始する。
(B)S201段階の後に、S202段階と並行してS204段階を実施する。酸化剤極圧力予測演算部38は、S204段階において、現在の空気圧力から目標空気圧力への挙動を予測し、取り出し電流制御部34は酸化剤極圧力予測演算部38で予測した空気の圧力の挙動から所定時間経過後の空気の圧力の予測変化量を求め、S205段階において、所定時間経過後の空気の圧力の予測変化量に基づいて燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。目標圧力を設定する際(S202段階)に、予め空気圧力の挙動を予測して、初期の目標電流を決定する。S206段階において、パワーマネージャ21により、燃料電池スタック1からの電流取り出しが開示される。その後、S208段階に進む。
(C)更に、S201段階の後に、S202段階と並行してS207段階を実施する。水素供給弁4の動作変化量を、供給時に対して大きくするように切り替える。換言すれば、燃料極圧力制御部35は、水素ガスの圧力を上げる際と下げる際とで動作変化量を切り替えて、水素ガスの圧力を下げる際は上げる際よりも早く変化させて水素ガスの供給を停止する。水素供給弁4を早く閉じて、水素圧を早く下げることができる。
(D)S208段階において、コントローラ30は、圧力センサ6aの測定値(水素圧力)が圧力制御演算部32が演算する水素ガスの圧力値(目標運転圧力)以下であるか否かを判断する。水素圧力が目標運転圧力以下である場合(S208段階においてYES)S209段階に進み、水素圧力が目標運転圧力よりも高い場合(S208段階においてNO)S210に進む。
(E)S210段階において、コントローラ30は、水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以上であるか否かを判断する。当該差圧が所定圧以上である場合(S210段階においてYES)S213段階に進み、当該差圧△Pahが所定圧よりも大きい場合(S210段階においてNO)S211段階に進む。S210段階で水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以内であると判断される場合、圧力制御演算部32で設定された目標運転圧力で、酸化剤極圧力制御部33は制御を行う。その後S212段階乃至S213段階に進む。
(F)S212段階において、取り出し電流制御部34は、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値(酸化剤極圧力予測演算部38の挙動予測値を含む)の変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量ΔInを決定する。即ち、空気圧力の変化分の水素圧力を落とすために消費しなければならない水素量を計算する。
(G)S212段階と並行して、S213段階において、取り出し電流制御部34は、圧力センサ6b及び圧力センサ6aにより測定された空気の圧力及び水素ガスの圧力との差に基づいて、S212段階で決定した電流量に対する補正量ΔIhを決定する。そして、S217段階において、取り出し電流制御部34は、当該補正量に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流量Iを変更する。その後、S208段階に戻る。
(H)S214段階では、S210段階で水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以上であると判断される場合には、空気の圧力が水素ガスの圧力より早く下がりすぎて、スタックの耐圧を超える可能性があるため、目標空気圧力を水素ガスの圧力を用いてスタックの耐圧を守るように変更し、変更された空気目標運転圧力に応じて、酸化剤極圧力制御部33は制御を行う。その後S215段階乃至S216段階に進む。
(I)S215段階では、取り出し電流制御部34は、S214段階で設定された空気目標運転圧力を用いて変化量を計算し、燃料電池スタック1から取り出す電流量ΔInを決定する。S215段階と並行してS216段階では、S214段階で設定された空気目標運転圧力と水素ガスとの圧力差に基づいて、S215段階で決定した電流量に対する補正量ΔIhを決定する。そして、S217段階において、取り出し電流制御部34は、当該補正量に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流量Iを変更する。その後、S208段階に戻る。
(J)S208段階においてYESとなるまで、S210〜217段階を繰り返し実施する。目標電流を繰り返し修正して、水素圧力が目標運転圧力以下になった時点で、S209段階において、取り出し電流制御部34は、取り出し電流量を要求発電量相当に設定する。
図7は図6の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示す。要求発電量の低下により、取り出し電流量の要求発電量相当も同様に低下する。しかし、目標圧力を設定する際(S205段階)に、S204段階において、予め空気圧の挙動を予測して、初期の目標電流を決定する。したがって、図5のタイムチャートで示したように圧力の変化量が0である制御開始直後の初期の目標電流が零になることがなくなり、制御の遅れを回避することができ、迅速に水素ガスの圧力を低下させることができる。
水素圧力が目標運転圧力を下回らなかった場合(S208段階でNO)には、空気圧の変化量もしくは空気圧予測値を用いて目標電流△Inを計算する(S212段階)。そして、図7に示すように、S213段階では実際の空気圧力と水素圧力との差△Pah1、△Pah2を計算し、この圧力差分の水素圧を下げるために消費すべき水素量からもとまる電流値△Inとして、これと前述の電流値を足し合わせて、パワーマネージャ21の目標電流とする。これを水素圧が燃料電池スタック1の目標運転圧力以下になるまで繰り返す。
なお、△Inを差分のみから電流値を決定すると、必ず水素圧力は空気圧力に比較して遅く下がることになるため、圧力差分より大きく設定したほうがよい。
また、水素圧力に比べ、空気圧力の下がり方が早く、空気と水素ガスの差圧がパワーマネージャ21の目標電流に対する実際に取り出す電流の遅れを考慮した場合に大きくなってしまう場合には、コンプレッサ9を回すことにより空気圧力を上げることが望ましい。
酸化剤極圧力予測演算部38がS204段階において空気の圧力の挙動を予測するために、図8(a)に示すように、予め、制御開始時の圧力から目標圧力へ下がる際の空気圧力の挙動を実験的に調べ、目標電流の変更周期△t秒後の圧力の変化分△Pを求めておく。そして、このとき水素圧力を点線のように下げたいための目標電流Iを(3)式を用いて求める。したがって、この電流Iをマップ上にならべ、図8(b)に示すような制御開始時の空気圧力検出値41と目標空気圧力42から電流を求める目標電流マップ40を作成することが望ましい。
△tは一定の値であっても可変であっても構わない。△tを可変にしたい場合には、制御開始時の空気圧力と目標運転圧力ごとに、時系列データを蓄えておき、Δt秒後の圧力変動を時系列データから検索して求めることによって、Δtを固定にした場合と同じ計算ができる。
上記の時系列データを空気の圧力ごとに保存するのは、大容量の記憶装置が必要となるため、そのかわりに数式モデルを用いて逐次計算しても構わない。例えば、図9のように、空気調圧弁10上流の体積を「V」とおいて、燃料電池スタック1内部の圧力を「Pin」とし、温度センサ13a〜13cの何れか1つで検出される温度をTで代表する。そして空気調圧弁10の開口面積「A」と大気圧センサ20で検出される大気圧「Pout」から、体積Vから排出されるガスの流速Qを(4)式に従って求め、体積V内の圧力の下がり方を計算する。ρは空気のガス密度を示す。

Q=cA√{2(Pin−Pout)/ρ} (4)

上記の数式モデルを用いて計算を行う場合には、演算量が増加するため、そのかわりに近似式モデルをもちいて計算を行ってもよい。近似モデルは一次遅れとむだ時間のモデルを(5)式に示すように設定する。各パラメータ(K、Ts、Ls)を、制御開始時圧力や、燃料電池スタック1の温度Tや外気圧Poutの応じて変えてもよいし、パラメータ(K、Ts、Ls)の値を、圧力検出値から推定して変更してもよい。近似モデルは(5)式のモデルでも良いし、演算装置への負荷を上げてもよいのであれば、より高次のモデルにしてもよい。

P=K/(Ts+1)・exp(-Ls) (5)

本発明の第2の実施の形態によれば、酸化剤極圧力の圧力挙動を予測し、予測結果から、所定時間経過後の圧力変化量より、圧力変化量に基づき取り出し電流目標値を決定することによって、目標値を予測して与えることができるため、制御遅れを減らし、制御精度を上げることができる。
本発明の第2の実施の形態によれば、酸化剤圧力検出値と燃料極圧力検出値との差に応じて、取り出し電流目標値を補正するため、燃料極圧力と酸化剤極との差圧を小さくするよう、燃料極の圧力を変化させて、差圧を所定圧力以内にすることができる。
本発明の第2の実施の形態では、酸化剤圧力予測値を酸化剤温度、外気圧力に応じて補正しても構わない。酸化剤圧力予測値を演算する基準運転時と、酸化剤極温度、および外気圧力が異なる場合に、予め予測値を修正することにより、燃料極圧力と酸化剤極との差圧を所定圧力以内にすることができる。
本発明の第2の実施の形態によれば、酸化剤圧力検出値と燃料極圧力検出値との差が生じた場合、酸化剤供給手段であるコンプレッサ9の動作を変化させる、もしくは空気調圧弁10の開口面積を狭めることで、酸化剤圧力を維持もしくは高める。これにより、酸化剤極圧力の低下が、燃料極圧力の低下と比較して、急激に下がってしまった場合に、酸化剤を供給して、圧力を上げて、燃料極圧力と酸化剤極との差圧を所定圧力以内にすることができる。
(第3の実施の形態)
図10を参照して、本発明の第3の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法を説明する。
(A)先ず、S301段階において、要求発電量検知部31がユーザからの要求発電量の低下を検知する。この場合、S302段階において、圧力制御演算部32は、要求発電量検知部31が検知した発電量の低下に応じて、これまでよりも低い水素ガス及び空気の圧力値(目標運転圧力)を設定する。S303段階において、酸化剤極圧力制御部33は、圧力センサ6bの測定値を用いて、空気圧力を目標運転圧力にするために空気調圧弁10の開口面積を広げて、空気の圧力の減圧を開始する。
(B)S301段階の後に、S302段階と並行してS304段階を実施する。酸化剤極圧力予測演算部38は、S304段階において、現在の空気圧力から目標空気圧力への挙動を予測し、取り出し電流制御部34は酸化剤極圧力予測演算部38で予測した空気の圧力の挙動から所定時間経過後の空気の圧力の予測変化量を求め、S305段階において、所定時間経過後の空気の圧力の予測変化量に基づいて燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。目標圧力を設定する際(S302段階)に、予め空気圧力の挙動を予測して、初期の目標電流を決定する。S306段階において、パワーマネージャ21により、燃料電池スタック1からの電流取り出しが開示される。
(C)一方、S301段階の後に、S302段階と並行してS307段階を実施する。水素供給弁4の動作変化量を、供給時に対して大きくするように切り替える。換言すれば、燃料極圧力制御部35は、水素ガスの圧力を上げる際と下げる際とで動作変化量を切り替えて、水素ガスの圧力を下げる際は上げる際よりも早く変化させて水素ガスの供給を停止する。水素供給弁4を早く閉じて、水素圧を早く下げることができる。
(D)S308段階において、コントローラ30は、圧力センサ6aの測定値(水素圧力)が圧力制御演算部32が演算する水素ガスの圧力値(目標運転圧力)以下であるか否かを判断する。水素圧力が目標運転圧力以下である場合(S308段階においてYES)S309段階に進み、水素圧力が目標運転圧力よりも高い場合(S308段階においてNO)S310に進む。
(E)S310段階において、コントローラ30は、水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以上であるか否かを判断する。当該差圧が所定圧以上である場合(S310段階においてYES)S313段階に進み、当該差圧△Pahが所定圧よりも大きい場合(S310段階においてNO)S311段階に進む。S310段階で水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以内であると判断される場合、圧力制御演算部32で設定された目標運転圧力で、酸化剤極圧力制御部33は制御を行う。その後S312段階乃至S313段階に進む。
(F)S312段階において、取り出し電流制御部34は、空気の圧力又は圧力制御演算部32が演算する空気の圧力値(酸化剤極圧力予測演算部38の挙動予測値を含む)の変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量△Inを決定する。即ち、空気圧力の変化分の水素圧力を落とすために消費しなければならない水素量を計算する。
(G)S312段階と並行して、S313段階において、取り出し電流制御部34は、水素圧挙動推定値と実際の水素圧力とを比較する。前回の目標電流から推定される水素圧の予測値と実際の値がずれた分△Phだけ、余計に水素ガスを消費しなければならないため、S312段階で決定した電流量に対する補正量として消費分の電流△Ihを計算する。そして、S317段階において、取り出し電流制御部34は、当該補正量に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流量Iを変更する。その後、S308段階に戻る。
(H)S314段階では、S310段階で水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以上であると判断される場合には、空気の圧力が水素ガスの圧力より早く下がりすぎて、スタックの耐圧を超える可能性があるため、目標空気圧力を水素ガスの圧力を用いてスタックの耐圧を守るように変更し、変更された空気目標運転圧力に応じて、酸化剤極圧力制御部33は制御を行う。その後S315段階乃至S316段階に進む。
(I)S315段階では、取り出し電流制御部34は、S314段階で設定された空気目標運転圧力を用いて変化量を計算し、燃料電池スタック1から取り出す電流量△Inを決定する。S315段階と並行してS316段階では、S314段階で設定された空気目標運転圧力と水素ガスとの圧力差に基づいて、S315段階で決定した電流量に対する補正量ΔIhを決定する。そして、S317段階において、取り出し電流制御部34は、当該補正量に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流量Iを変更する。その後、S308段階に戻る。
(J)S308段階においてYESとなるまで、S310〜S317段階を繰り返し実施する。目標電流を繰り返し修正して、水素圧力が目標運転圧力以下になった時点で、S309段階において、取り出し電流制御部34は、取り出し電流量を要求発電量相当に設定する。
図11は図10の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示す。図7と同様に、予め空気圧の挙動を予測して、初期の目標電流を決定する。したがって、図11のタイムチャートで示したように圧力の変化量が零である制御開始直後の初期の目標電流が零になることがなくなり、制御の遅れを回避することができ、迅速に水素ガスの圧力を低下させることができる。
水素圧力が目標運転圧力を下回らなかった場合(S308段階でNO)には、空気圧の変化量もしくは空気圧予測値を用いて目標電流△Inを計算する(S312段階)。そして、S313段階において、取り出し電流制御部34は、前回の目標電流から推定される水素圧の予測値と実際の値がずれた分△Phだけ、余計に水素ガスを消費しなければならないため、消費分の電流△Ihを計算する。S317段階では△Ih+△Inを最終的なパワーマネージャ21の目標電流としている。図11では実際の水素圧力が予測値を上回った場合を現しているが、逆の場合は余分に消費してしまった水素分相当の電流を、次の目標電流更新時に引かないようにすればよい。
第2及び第3の実施の形態では、空気の目標圧力を要求発電量から決定される運転圧力としていたが、酸化剤極圧力制御部33が、空気の目標圧力と実測値を等しくするように空気調圧弁10の開口面積を変化させる制御演算を実施し、この制御演算の目標圧力に酸化剤極圧力予測演算部38で求めた空気圧挙動推測値を用いてもよい。空気圧挙動推測値を目標圧力にすることによって、空気圧実測値が空気圧挙動推測値に近い状態へ制御されて、S212、およびS312の取り出し目標電流を空気圧挙動推測値に基づいて設定した場合でも、差圧を所定圧以内にすることができる。
本発明の第3の実施の形態によれば、燃料極圧力予測部36が、取り出し目標電流から燃料極圧力の挙動を予測し、燃料極圧力検出値と燃料極圧力予測値との差に応じて取り出し電流目標値を変化させる。したがって、取り出し目標電流と実際に燃料電池から取り出す電流とに差が生じて、燃料極圧力予測値と実際の圧力値とがずれた場合でも、そのずれ量に応じて、取り出し目標電流を補正することができ、燃料極圧力の制御精度を上げることができる。
(第4の実施の形態)
図12を参照して、本発明の第4の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法を説明する。
(A)先ず、S401段階において、要求発電量検知部31がユーザからの要求発電量の低下を検知する。この場合、S402段階において、圧力制御演算部32は、要求発電量検知部31が検知した発電量の低下に応じて、これまでよりも低い水素ガス及び空気の圧力値(目標運転圧力)を設定する。S403段階において、酸化剤極圧力制御部33は、圧力センサ6bの測定値を用いて、空気圧力を目標運転圧力にするために空気調圧弁10の開口面積を広げて、空気の圧力の減圧を開始する。
(B)S401段階の後に、S402段階と並行してS404段階を実施する。酸化剤極圧力予測演算部38は、S404段階において、現在の空気圧力から目標空気圧力への挙動を予測し、取り出し電流制御部34は酸化剤極圧力予測演算部38で予測した空気の圧力の挙動から所定時間経過後の空気の圧力の予測変化量を求め、S405段階において、所定時間経過後の空気の圧力の予測変化量に基づいて燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。目標圧力を設定する際(S402段階)に、予め空気圧力の挙動を予測して、初期の目標電流を決定する。S406段階において、パワーマネージャ21により、燃料電池スタック1からの電流取り出しが開示される。
(C)一方、S401段階の後に、S402段階と並行してS407段階を実施する。水素供給弁4の動作変化量を、供給時に対して大きくするように切り替える。換言すれば、燃料極圧力制御部35は、水素ガスの圧力を上げる際と下げる際とで動作変化量を切り替えて、水素ガスの圧力を下げる際は上げる際よりも早く変化させて水素ガスの供給を停止する。水素供給弁4を早く閉じて、水素圧を早く下げることができる。
(D)S408段階において、コントローラ30は、圧力センサ6aの測定値(水素圧力)が圧力制御演算部32が演算する水素ガスの圧力値(目標運転圧力)以下であるか否かを判断する。水素圧力が目標運転圧力以下である場合(S408段階においてYES)S409段階に進み、水素圧力が目標運転圧力よりも高い場合(S408段階においてNO)S410に進む。
(E)S410段階において、コントローラ30は、水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以上であるか否かを判断する。当該差圧が所定圧以上である場合(S410段階においてYES)S413段階に進み、当該差圧△Pahが所定圧よりも大きい場合(S410段階においてNO)S411段階に進む。S410段階で水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以内であると判断される場合、圧力制御演算部32で設定された目標運転圧力で、酸化剤極圧力制御部33は制御を行う。その後S412段階乃至S413段階に進む。
(F)S412段階において、酸化剤極圧力予測演算部38は、空気の圧力から再度挙動予測値を求め、その変化量に応じて、燃料電池スタック1から取り出す電流量△Inを決定する。即ち、実際の空気の圧力変動に応じて、挙動予測値を修正し、その変化分の水素圧力を落とすために消費しなければならない水素量を計算する。
(G)S412段階と並行して、S413段階において、取り出し電流制御部34は、S404段階での空気圧挙動推定値と実際の空気圧力とを比較する。前回の目標電流から推定される空気圧の予測値と実際の値がずれた分△Pdだけ、余計に水素ガスを消費しなければならないため、S412で決定した電流量に対する補正量として消費分の電流△Idを計算する。そして、S417段階において、取り出し電流制御部34は、当該補正量に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流量Iを変更する。その後、S408段階に戻る。
(H)S414段階では、S410段階で水素ガスの圧力から空気の圧力を引いた差圧△Pahが所定圧以上であると判断される場合には、空気の圧力が水素ガスの圧力より早く下がりすぎて、スタックの耐圧を超える可能性があるため、目標空気圧力を水素ガスの圧力を用いてスタックの耐圧を守るように変更し、変更された空気目標運転圧力に応じて、酸化剤極圧力制御部33は制御を行う。その後S415段階乃至S416段階に進む。
(I)S415段階では、取り出し電流制御部34は、S414段階で設定された空気目標運転圧力を用いて変化量を計算し、燃料電池スタック1から取り出す電流量△Inを決定する。S415段階と並行してS416段階では、S414段階で設定された空気目標運転圧力と水素ガスとの圧力差に基づいて、S415段階で決定した電流量に対する補正量△Ihを決定する。そして、S417段階において、取り出し電流制御部34は、当該補正量に基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流量Iを変更する。その後、S408段階に戻る。
(J)S408段階においてYESとなるまで、S410〜S417段階を繰り返し実施する。目標電流を繰り返し修正して、水素圧力が目標運転圧力以下になった時点で、S409段階において、取り出し電流制御部34は、取り出し電流量を要求発電量相当に設定する。
以上説明したように、図12のフローチャートは、図10に比べてS412とS312、S413とS313とが異なり、その他の段階は総て同じである。即ち、制御開始時において空気圧の予測値を用いて取り出し目標電流を計算する(S405)。つぎに電流を変更する際(S414)に、空気圧予測値と実際の空気圧力とを比較する(S413)。このとき予測値と実際の値がずれた分△Pdだけ、余計に水素を消費しなければならないため、消費分の電流△Idを計算する。また予測値がずれているので、新たに予測値を計算し、この予測値に基づき電流△Inを計算し(S412)、両者を足し合わせて最終的なパワーマネージャ21の目標電流とする。
図13は図11の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示す。図7と同様に、予め空気圧の挙動を予測して、初期の目標電流を決定する。したがって、図13のタイムチャートで示したように圧力の変化量が零である制御開始直後の初期の目標電流が零になることがなくなり、制御の遅れを回避することができ、迅速に水素ガスの圧力を低下させることができる。
また、S413段階において、取り出し電流制御部34は、前回の目標電流から推定される空気圧の予測値と実際の値がずれた分△Pdだけ、余計に水素ガスを消費しなければならないため、消費分の電流△Idを計算する。そして、S412段階において、酸化剤極圧力予測演算部38は、空気の圧力を用いて再度圧力挙動を推測し、取り出し電流制御部34は、空気圧挙動推測値に基づく電流△Inを計算し、S417で△Id+△Inを最終的なパワーマネージャ21の目標電流としている。図13では実際の空気圧力が予測値を下回った場合を現しているが、逆の場合は余分に消費してしまった水素分相当の電流を、次の目標電流更新時に引かないようにすればよい。
なお、第2乃至第4の実施の形態のS213、S313、S412,S413において、それぞれ異なる補正方法を1つずつ示したが、これらを組み合わせて使用しても構わない。
また、第2乃至第4の実施の形態において、空気圧予測値を空気の温度、外気圧力に応じて変化させても構わない。
本発明の第4の実施の形態によれば、酸化剤目標圧力と酸化剤圧力検出値との偏差を零にするように、酸化剤極圧力制御部33の動作を決定する制御演算を実施し、その制御演算の目標圧力として、酸化剤極圧力予測値を用いる。これにより、実際の酸化剤極圧力は予測値どおりに制御されるため、取り出し電流目標値に予測値を与えても、燃料極圧力を酸化剤極との差圧を所定圧力以内にすることができる。
本発明の第4の実施の形態によれば、酸化剤圧力検出値と酸化剤圧力予測値との差に応じて、取り出し電流目標値を変化させるために、酸化剤極圧力予測値に対し設定された取り出し目標電流を、実際の酸化剤極圧力の変動に応じて補正することができ、予測値と実際の圧力とがずれた場合にも、燃料極圧力と酸化剤極との差圧を所定圧力以内にすることができる。
(第5の実施の形態)
第1乃至第4の実施の形態では、取り出し電流を要求発電量相当以上に取り出していたが、第5の実施の形態では、2次電池5の空き容量、ユーザの消費電力、そして発電に必要な補機類を動かすために必要な消費電力など、外部装置での消費電力が、水素圧力を下げるために消費する水素ガスによる発電量より少なく、電流をある値以上に上げられない場合について示す。
図14は、第5の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法における要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示す。空気予測値から決定される目標電流(所望とする水素圧を満たすための電流)に対し、外部装置の条件から制限される電流(外部装置が受け入れ可能な電流)が小さい場合には、水素圧の落ち方は所望の挙動に対して遅くなってしまう。そこで、取り出し電流が制限された場合には、目標となる空気圧を修正する。
図15を参照して、本発明の第5の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法を説明する。
(A)先ず、S501段階において、要求発電量検知部31がユーザからの要求発電量の低下を検知する。この場合、S502段階において、圧力制御演算部32は、要求発電量検知部31が検知した発電量の低下に応じて、これまでよりも低い水素ガス及び空気の圧力値(目標運転圧力)を設定する。酸化剤極圧力予測演算部38は、S503段階において、空気の圧力の挙動を予測し、取り出し電流制御部34は予測した空気の圧力の挙動から所定時間経過後の空気の圧力の変化量を求め、S505段階において、所定時間経過後の空気の圧力の変化量に基づいて燃料電池スタック1から取り出す電流量を決定する。圧力を下げるために消費すべき水素量から決定される目標電流Iを計算する。
(B)S502段階の後に、S503段階と並行してS504段階を実施する。即ち、S504段階において、水素供給弁4の動作変化量を、供給時に対して大きくするように切り替える。換言すれば、燃料極圧力制御部35は、水素ガスの圧力を上げる際と下げる際とで動作変化量を切り替えて、水素ガスの圧力を下げる際は上げる際よりも早く変化させて水素ガスの供給を停止する。水素供給弁4を早く閉じて、水素圧を早く下げることができる。
(C)S502段階の後に、S503段階と並行してS506段階を実施する。即ち、S506段階において、外部装置が受け入れ可能な電流、つまり外部装置とのバランスにより決定する制限電流I’を計算する。その後、S507段階に進む。
(D)S507段階において、S505段階で求めた目標電流IがS506段階で求めた制限電流I’以下であるか否かを判断する。目標電流Iが制限電流I’以下である場合(S507段階においてYES)S508段階に進み、目標電流Iが制限電流I’を上回っている場合(S507段階においてNO)S510段階に進む。
(E)S508段階において、推定から求められた目標電流Iをそのままパワーマネージャ21の目標電流とし、空気目標圧は、S503段階で求めた推定値とする。一方、S510段階において、制限電流I’をパワーマネージャ21の目標電流とし、S511段階において、制限電流I’を引いた際の所定時間Δt経過後の水素圧の変化分△Pを計算し、空気目標圧を現在の圧力から△P分引いたものを目標空気圧として用いる。
(F)S512において、制御を開始して最初の操作であるか否かを判断する。最初の操作である場合(S512段階においてYES)S514段階に進み、酸化剤極圧力制御部33は、圧力センサ6bの測定値を用いて、空気圧力を目標運転圧力にするために空気調圧弁10の開口面積を広げて、空気の圧力の減圧を開始する。これと並行して、S515段階において、パワーマネージャ21により、燃料電池スタック1からの電流取り出しが開示される。その後、S516段階に進む。
(G)S516段階において、コントローラ30は、圧力センサ6aの測定値(水素圧力)が圧力制御演算部32が演算する水素ガスの圧力値(目標運転圧力)以下であるか否かを判断する。水素圧力が目標運転圧力以下である場合(S516段階においてYES)S517段階に進み、水素圧力が目標運転圧力よりも高い場合(S516段階においてNO)S503乃至S506段階に戻る。
(H)S516段階においてYESとなるまで、S503〜S515段階を繰り返し実施する。目標電流を繰り返し修正して、水素圧力が目標運転圧力以下になった時点で、S517段階において、取り出し電流制御部34は、取り出し電流量を要求発電量相当に設定する。
以上説明したように、要求発電量が下がることに従い、空気の目標圧を低い値に設定する(S502)。空気の目標圧力と現在の圧力から、所定時間△t経過後の空気圧力の変化量△Pを推定する。そして水素の圧力を下げるために消費すべき水素量から決定される目標電流Iと、外部装置とのバランスにより決定する制限電流I’とを比較し、制限電流I’が上回った場合には、推定から求められた目標電流Iをそのままパワーマネージャ21の目標電流とし、空気目標圧は推定値とする。制限電流I’が下回った場合には、制限電流I’をパワーマネージャ21の目標電流とし、制限電流I’を引いた際の所定時間△t経過後の水素圧の変化分△Pを計算する。そして空気目標圧を、現在の圧力から△P分引いたものを目標圧として用いる。
なお、S503段階の空気圧の挙動推定からS505段階の目標電流を計算する部分については、第1乃至第4の実施の形態を利用しても構わない。
図16を参照して、制限電流I’を求める方法について説明する。2次電池5の受け入れ可能電力、ユーザの消費電力(要求発電量)、そして発電に必要な補機類など、外部装置での消費電力を全て加算し、この電力(外部装置受け入れ可能電力)から燃料電池スタック1から取り出すのに必要な電流を計算する。このときの計算は燃料電池スタック1の電流/電圧特性を用いて計算する。電流/電圧特性は温度によって変化するので、温度センサ13a〜13eの値を用いて切り替える。
そして、電流/電圧特性から計算した上記の電流を引いたときに消費する水素量△P’を、(3)式を元に計算する。こうして決定した水素量△P’と、水素圧力を下げるために消費しなければならない水素量△Pとを比較し、△P’の方が小さい場合には制限電流I’を用いる。なお電流/電圧特性は、圧力や燃料電池スタック1内の湿度によっても変化するため、これを考慮してもよい。
本発明の第5の実施の形態では、燃料極圧力検出値と燃料極圧予測値との差と、燃料電池スタック1の内部温度から、燃料電池スタック1から取り出すエネルギ量を演算し、この演算結果と、外部装置により吸収可能なエネルギ量とを比較する。そして、吸収可能なエネルギ量のほうが小さい場合には、燃料電池スタック1での電気化学的反応により得るエネルギの総てを、外部装置により取り出せずに燃料極圧力を下げられないため、酸化剤極圧力を高く維持するように、酸化剤極目標圧力を補正することにより、燃料極圧力を下げられない場合にも燃料極圧力と酸化剤極との差圧を所定圧力以内にすることができる。
上記のように、本発明は、第1乃至第5の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の実施の形態に係わる燃料電池システム全体を示すブロック図である。 図1のコントローラの詳細な構成を示すブロック図である。 図1の燃料電池システムの制御装置を用いた燃料電池システムの制御方法の概要を示すフローチャートである。 図3のフローチャートをより具体的に示すフローチャートであって、本発明の第1の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法の詳細を示す。 図4の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示すタイムチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法の詳細を示すフローチャートである。 図6の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示すタイムチャートである。 図8(a)は要求発電量が低下し始める時に予測する空気圧の挙動を示すグラフであり、図8(b)は目標圧力へ下がる際の空気圧力の挙動を実験的に調べて作成されるマップを示すブロック図である。 空気調圧弁から排出されるガスの流速から燃料電池スタック内部の空気の圧力の下がり方を計算する方法を説明するブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法の詳細を示すフローチャートである。 図10の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示すタイムチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法の詳細を示すフローチャートである。 図12の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示すタイムチャートである。 第5の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法における要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化を示すタイムチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係わる燃料電池システムの制御方法の詳細を示すフローチャートである。 外部装置が受け入れ可能な電力と取り出し可能制限電流の関係を温度をパラメータとして示すグラフである。 比較例に係わる燃料電池システムの制御方法の詳細を示すフローチャートである。 図17の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化の例を示すタイムチャートである(その1)。 図17の制御方法に係わる要求発電量、取り出し電流量、及び空気及び水素ガスの圧力の時間変化の例を示すタイムチャートである(その2)。
符号の説明
1…燃料電池スタック
2…水素タンク
3…水素タンク元弁
4…水素供給弁
5…2次電池
6a、6b…圧力センサ
7…パージ弁
8…水素循環ポンプ
9…コンプレッサ
10…空気調圧弁
11…カソード
12…アノード
13a〜13e…温度センサ
14…回転数センサ
15…冷却水ポンプ
16…三方弁
17…ラジエタ
18…ラジエタファン
19…電解質膜
20…大気圧センサ
21…パワーマネージャ
22…電圧センサ
23…マフラー
24…冷却水流路
26…減圧弁
30…コントローラ
31…要求発電量検知部
32…圧力制御演算部
33…酸化剤極圧力制御部
34…取り出し電流制御部
35…燃料極圧力制御部
36…燃料極圧力予測部
37…エネルギ演算部
40…目標電流マップ
41…空気圧力検出値
42…目標空気圧力

Claims (11)

  1. 燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電する燃料電池スタックを備える燃料電池システムの制御装置であって、
    前記燃料電池スタックに要求される発電量を検知する要求発電量検知部と、
    前記要求発電量検知部が検知する前記発電量を前記燃料電池スタックが発電するために必要な前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの圧力値を演算する圧力制御演算部と、
    前記圧力制御演算部が演算する前記酸化剤ガスの圧力値に基づいて前記酸化剤ガスの圧力を制御する酸化剤極圧力制御部と、
    前記酸化剤極圧力制御部が前記酸化剤ガスの圧力を下げる場合、前記酸化剤ガスの圧力又は前記圧力制御演算部が演算する前記酸化剤ガスの圧力値の変化量に応じて、前記燃料電池スタックから取り出す電流量を決定する取り出し電流制御部
    とを有することを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 圧力制御演算部は、前記酸化剤ガスの圧力の挙動を予測する酸化剤ガス圧力予測演算部を更に有し、前記取り出し電流制御部は、予測した前記酸化剤ガスの圧力の挙動値から所定時間経過後の前記酸化剤ガスの圧力の予測変化量を求め、前記圧力の予測変化量に基づいて前記燃料電池スタックから取り出す電流量を決定することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 前記圧力制御演算部が演算する前記燃料ガスの圧力値に基づいて前記燃料ガスの圧力を制御する燃料極圧力制御部を更に有し、
    前記燃料極圧力制御部は、前記燃料ガスの圧力を上げる際と下げる際とで動作変化量を切り替えて、前記燃料ガスの圧力を下げる際は上げる際よりも早く変化させて前記燃料ガスの供給を停止することを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 前記取り出し電流制御部は、前記酸化剤ガスの圧力と前記燃料ガスの圧力との差に基づいて、前記燃料電池スタックから取り出す電流量を補正することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 前記取り出し電流制御部が決定する前記燃料電池スタックから取り出す電流量に基づいて、前記燃料ガスの圧力の挙動を予測する燃料極圧力予測部を更に有し、
    前記取り出し電流制御部は、前記燃料ガスの圧力と前記燃料極圧力予測部が予測する前記燃料ガスの圧力値との差に基づいて、前記燃料電池スタックから取り出す電流量を補正することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の燃料電池システムの制御装置。
  6. 酸化剤極圧力制御部は、前記圧力制御演算部が演算する前記酸化剤ガスの圧力値と前記酸化剤ガスの圧力との差が無くなるように、前記酸化剤ガスの圧力を制御し、前記圧力制御演算部が演算する前記酸化剤ガスの圧力値として、前記酸化剤ガス圧力予測演算部が予測する酸化剤ガスの圧力挙動値を用いることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の燃料電池システムの制御装置。
  7. 前記取り出し電流制御部は、前記圧力制御演算部が演算する前記酸化剤ガスの圧力値と前記酸化剤ガスの圧力との差に応じて、前記燃料電池スタックから取り出す電流量を補正することを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の燃料電池システムの制御装置。
  8. 前記酸化剤ガスの圧力と前記燃料ガスの圧力との差が前記燃料電池スタックの耐圧を超える場合、前記酸化剤極圧力制御部は、前記酸化剤ガスの圧力を高めることを特徴とする請求項1乃至7何れか1項記載の燃料電池システムの制御装置。
  9. 前記燃料ガスの圧力と前記燃料極圧力予測部が予測する前記燃料ガスの圧力値との差と、前記燃料電池スタックの内部温度とから、前記燃料電池スタックから取り出すエネルギ量を演算し、演算したエネルギ量が外部装置により吸収可能なエネルギ量よりも小さいか否かを判断する取り出しエネルギ演算部を更に有し、
    演算したエネルギ量が外部装置により吸収可能なエネルギ量よりも小さい場合、前記酸化剤極圧力制御部は、前記酸化剤ガスの圧力の変化量を緩めることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項記載の燃料電池システムの制御装置。
  10. 前記圧力制御演算部は、前記酸化剤ガスの温度及び外気圧力に応じて、前記酸化剤ガスの圧力値を補正することを特徴とする請求項1乃至9何れか1項記載の燃料電池システムの制御装置。
  11. 燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電する燃料電池スタックを備える燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池スタックに要求される発電量を検知し、
    前記発電量を前記燃料電池スタックが発電するために必要な前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの圧力値を演算し、
    前記酸化剤ガスの圧力値に基づいて前記酸化剤ガスの圧力を制御し、
    前記酸化剤ガスの圧力を下げる場合、前記酸化剤ガスの圧力又は前記酸化剤ガスの圧力値の変化量に応じて、前記燃料電池スタックから取り出す電流量を決定する
    ことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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