JP2006156097A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の起動停止運転の際に生じる燃料電池の正負の圧力変化、特に負圧力によるガスシール部材の倒れこみを防止し、燃料電池への酸素の侵入および触媒劣化、ならびに起動停止の繰り返し運転による燃料電池の効率低下を防ぐ。
【解決手段】 燃料電池のアノード側ガスシール部材およびカソード側ガスシール部材のいずれか一方に、ベース部と、ベース部からアノードまたはカソードを囲むように突出して高分子電解質膜に接する頂部を有する突部とを含む線接触シール部材であって、突部が、頂部を上辺としベース部側を底辺とする略台形の断面を有し、略台形の幾何学的重心が上辺を二等分する垂線より膜電極接合体側に位置する線接触シール部材を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポータブル電源および家庭内コージェネレーションシステムなどに使用する燃料電池、特に高分子電解質型燃料電池に関する。
陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものである。図7は、従来の燃料電池の第一実施形態の基本構成(単電池)を示す概略断面図である。また、図8は、図7に示す燃料電池の要部(部分II)、即ち、従来の燃料電池におけるガスシール部材120および130付近を拡大した概略断面図を示す。
図7に示すように、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜101の両面には、アノード104およびカソード105がそれぞれ密着して配置されている。高分子電解質膜101、アノード104およびカソード105によって膜電極接合体(MEA)106が構成される。このMEA106は、当該MEA106を機械的に固定するとともに隣接するMEA106同士を直列に接続し、さらにアノード104およびカソード105に反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ供給するためのアノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113に挟持される。
高分子電解質膜101は固定電荷を有しており、固定電荷の対イオンとして水素イオンが存在する。高分子電解質膜101には水素イオンを選択的に透過させる機能が求められ、当該機能を発揮するために高分子電解質膜101は水分を保持することが必要である。水分を含むことにより、高分子電解質膜101内に固定されている固定電荷を電離し、固定電荷の対イオンである水素をイオン化させる。これにより、高分子電解質膜101中の水分を移動経路として水素がアノード104からカソード105へ移動し、高分子電解質膜101がイオン伝導性を発現するのである。
アノード104およびカソード105は、それぞれ電極触媒(例えば白金金属)を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層102aおよび102c、ならびに通気性と導電性とを兼ね備えた炭素繊維不織布やカーボンペーパーなどの導電性多孔質基材を含むガス拡散層103aおよび103cで構成される。アノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113は、それぞれアノード104およびカソード105と対向する面に、アノード104およびカソード105に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するためのガス流路114および115を有し、反対側の面には冷却水を流すための流路116および117を有する。
ガス流路114および115は、アノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113の表面に溝を設けて形成されるのが一般的であるが、アノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113と別に設けることもある。なお、アノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113に設けられる溝は、燃料ガスや酸化剤ガスを供給するポンプなどの装置の高効率化のため、低圧損(約20kPa以下)となるように設計されるのが一般的である。
また、アノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113は、それぞれOリング111を嵌合する凹部118および119を有する。アノード104およびカソード105の周囲には、高分子電解質膜101を挟んでそれぞれガスケットなどのガスシール部材130および120が配置される。これらのガスシール部材130、120は、アノード104に供給される燃料ガスおよびカソード105に供給される酸化剤ガスが外部へ漏れたり、両者が互いに混合したりすること(クロスリーク)を防止する役割を有する。なお、これらのガスシール部材130、120と、アノード104、カソード105と、高分子電解質膜101との接合体をMEAと呼ぶこともある。
上記のように、アノード側セパレータ板112、MEA106およびカソード側セパレータ板113によって単電池110が構成される。そして、2以上の単電池110が積層されて燃料電池のスタックが構成される。一般的には、充分な電池電圧を得るために、単電池110を10〜200個積層してスタックを得、当該スタックを、集電板と絶縁板とを介して端板で挟み、締結ボルトで両端から固定し、まわりを断熱材で囲んで使用される。
上記のスタック内のアノード側セパレータ板112またはカソード側セパレータ板113のガス流路114または115に、それぞれ反応ガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)を供給するためには、反応ガスを供給する配管を、スタックに含まれるアノード側セパレータ板112またはカソード側セパレータ板113の枚数に分岐し、その分岐先を直接アノード側セパレータ板112またはカソード側セパレータ板113上の溝(ガス流路114または115)につなぎ込む配管治具が必要となる。
このような配管治具をマニホールドと呼び、上記のような反応ガスの供給配管から直接つなぎ込むタイプを外部マニホールドと呼ぶ。また、マニホールドには、構造をより簡単にした内部マニホールドと呼ぶ形式のものもある。内部マニホールドとは、ガス流路を形成したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流路の出入り口をこの孔に連絡し、この孔から直接反応ガスを供給するものである。
即ち、上記のスタックには、図7には表していないが、燃料ガス用の入口側マニホールドおよび出口側マニホールド、酸化剤ガス用の入口側マニホールドおよび出口側マニホールド、ならびに冷却水用の入口側マニホールドおよび出口側マニホールドが形成される。燃料ガスおよび酸化剤ガスは、それぞれの入口側マニホールドからガス流路114および115を経由してアノード104およびカソード105に供給され、余剰のガスおよび生成物は出口側マニホールドから排出される。
また、燃料電池は運転中に発熱するので、燃料電池を良好な温度状態に維持するため、冷却水などの冷却流体で冷却する必要がある。通常、単電池1〜3個毎に冷却水を流すための冷却部がアノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113の間に設けられる。通常は、図7に示すように、アノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113の背面に設けた流路116および117により形成される1組の流路を冷却部とする場合が多い。冷却水は、入口側マニホールドから供給され、流路116および117により形成される1組の流路を流れて、発電部(電極部)を冷却し、出口側マニホールドより排出される。
上述のような従来の高分子電解質型燃料電池におけるガスシール部材としては、アノード側セパレータ板112およびカソード側セパレータ板113とアノード104およびカソード105とをそれぞれ接触させて、電気的導通を保持しつつガスシールを行うため、高い寸法精度や十分な弾性および締め代が必要である。そのため、従来は、樹脂またはゴム製のシート状平ガスケットや、ゴム製のOリングなどが用いられていた。
これに対し、高い寸法精度や十分な弾性および締め代を確保することを目的として、最近では、半円形状の断面形状を持ったOリングを用いることや、図7に示すように、三角形状の断面構造を持ったガスケットからなるガスシール部材120を用いること(特許文献1)、スタックの締結機構の小型化を意図し、ガスシール部材の面圧を低くして締結荷重を低減すること(特許文献2)、スタックの小型化および軽量化を意図してシール部材の厚みを低減すること(特許文献3)、面圧の均一化を意図して凹凸を持った一対のガスシール部材を用いること(特許文献4)などが提案されている。これらはすべて、燃料電池(またはスタック)の組み立て時に生じる問題に対処することを意図したガスシール材の提案である。
また、燃料電池の高効率発電を実現させることを意図して、ガスシール部材とMEAのクリアランスを低減して発電時の圧損を均一化することも提案されている(特許文献5)。
特開平11−233128公報 特開2002-141082公報 特開2004−39341公報 特開2003−157867公報 特開2003−285313公報
しかしながら、高分子電解質型燃料電池の使用においては、一般的に発電と停止のサイクルが繰り返される。特に、家庭用コージェネレーションシステムに用いられる高分子電解質型燃料電池においては、光熱費削減の点から日常生活の電力消費量の多寡に応じて燃料電池の発電および停止を頻繁に反復させることが望まれる。具体的には、電力消費の増加する昼間には発電をし、電力消費の減少する夜間には発電を停止するDSS(Daily Start-up & Shut-down)運転が光熱費の有効利用の点で優れている。
ところが、このDSS運転を行う場合、発電から停止への移行過程で、燃料電池の温度が室温まで低下する。このとき、反応ガスの体積および反応ガス中の水蒸気の凝縮が生じ、燃料電池の内部は負圧(約−50〜約−100kPa)となる。起動と停止を繰り返す運転において、発電時の正圧(約20kPa以下)と停止時の負圧との圧力変化(約−100〜+20kPa)が繰り返される。特に、停止時では発電時の少なくとも1.5倍の圧力がガスシール部材120、130にかかり、外部の空気(酸素)が燃料電池内部に流入し、燃料電池内部に流入した空気(酸素)は電極まで達し、触媒を酸化また溶出させ、燃料電池の効率低下を招いてしまうという問題がある。
ここで、上記の負圧による問題について説明する。図8は、図7におけるII部分、即ち、従来のカソード105側のガスシール部材120付近を拡大した概略断面図を示す。図8の(a)に示すように、カソード側のガスシール部材120は、ベース部121と、カソード105を囲むようにベース部121から高分子電解質膜101の側に突出した断面が略台形の突部122とからなる。突部122の幾何学的重心gは、突部122の頂部を二等分するように引いた垂線l上にある。このような構成であると、電池内部が負圧となったとき、図8の(b)に示すように、突部122は矢印で示される外部からの圧力により容易に内側に倒れ込んでしまう。その結果、電池内へ外気が侵入することとなる。そのため、起動停止運転の繰り返しにより電極触媒の劣化が進行するという不都合が生じるのである。
即ち、従来の燃料電池に用いられる三角形の断面形状を有するガスシール部材120は、反応ガスの漏れ防止に加え、組み立て時および発電時における問題に対処することを意図していたため、上記のような起動停止運転に関する問題の解決は困難であった。また、燃料電池の起動停止運転で生じる正負の圧力変化は、運転シーケンスで回避することは可能であるが、運転シーケンスは、停電やガス停止など予期しないトラブルが発生した場合、正常に作動しない可能性もある。
以上のような問題点に鑑み、本発明は、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に生じる、燃料電池への酸素侵入を充分に阻止することができ、触媒劣化を充分に防止し、効率低下を生じさせない信頼性の高い燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、
高分子電解質膜ならびに高分子電解質膜を挟むアノードおよびカソードを有する膜電極接合体と;膜電極接合体を挟持するように配置されたアノード側セパレータ板およびカソード側セパレータ板と;アノード側セパレータ板およびカソード側セパレータ板の間の領域において、膜電極接合体の外周部に配置されたアノード側ガスシール部材およびカソード側ガスシール部材と;を具備する単電池を含む燃料電池であって、
アノード側ガスシール部材およびカソード側ガスシール部材のいずれか一方は、高分子電解質膜に面接触する面接触シール部材であり、
アノード側ガスシール部材およびカソード側ガスシール部材の他方は、高分子電解質膜に線接触する線接触シール部材であり、
線接触シール部材は、ベース部と、ベース部からアノードまたはカソードを囲むように突出して高分子電解質膜に接する頂部を有する突部とを含み、
突部は、頂部を上辺としベース部側を底辺とする略台形の断面を有し、略台形の幾何学的重心が、上辺を二等分する垂線より膜電極接合体側に位置すること、を特徴とする燃料電池を提供する。
ここで、本発明における「面接触シール部材」とは、高分子電解質膜と面接触することによって、反応ガスのリークを防止する機能を発揮するシール部材をいう。また、本発明における「線接触シール部材」とは、上記面接触シール部材に対して、高分子電解質膜と線状に接触することによって、反応ガスのリークを防止する機能を発揮するシール部材をいう。したがって、線接触シール部材が高分子電解質膜と接触する線状接触部分の幅は、面接触シール部材が高分子電解質膜と接触する面状接触部分の幅よりも狭い。
線接触シール部材の線状接触部分の幅および面接触シール部材の面状接触部分の幅は、線接触シール部材および面接触シール部材の材質や寸法、燃料電池スタックの締結圧、運転条件などによって変化するため一義的に決定することはできないが、線状接触部分の幅が面状接触部分の幅より狭ければ、本発明の効果を損なわない範囲で設定可能である。
また、線接触シール部材は、ベース部と、ベース部からアノードまたはカソードを囲むように突出して高分子電解質膜に接する頂部を有する突部とを含むが、ベース部は上記突部を安定的に保持し得る形状を有していればよく、例えば上記面接触シール部材を薄くして得られる形状を有していればよい。
上記突部は、上記ベース部からアノードまたはカソードを囲むように突出して高分子電解質膜に接する頂部を有し、当該頂部において高分子電解質膜と線接触する。即ち、当該頂部が上述した線状接触部分に相当する。したがって、当該頂部の幅は上記の面状接触部分の幅より狭いことが必要である。
また、本発明における「略台形」とは、上記の頂部からなる上辺と、上記ベース部側の底辺とで構成される台形であり、上記上辺と上記底辺とは必ずしも平行でなくても本発明の効果を損なわない範囲で実質的に平行(略平行)であればよく、換言すると、上記上辺および上記底辺はアノード、高分子電解質膜およびカソードの主面に対して略平行であればよい。ただし、上記略台形の幾何学的重心が、上記の上辺を二等分する垂線(即ち、アノード、高分子電解質膜およびカソードの主面に対して略垂直な線)より膜電極接合体側に位置することが必要である。
本発明の燃料電池においては、いずれか一方のガスシール部材を上記のような構成を有する線接触シール部材とすることにより、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力により、上記の突部がアノード側またはカソード側に倒れこむことがなく、外部から燃料電池内への酸素侵入を充分に阻止することができ、触媒劣化を充分に防止し、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
また、上記課題を解決すべく、本発明は、
面接触シール部材と、線接触シール部材との組合せで構成され、
線接触シール部材は、面接触状部分を有するリング状でかつ平板状のベース部と、ベース部から上方に突出した頂部を有するリブ状の突部とを含み、
突部は、頂部を上辺としベース部側を底辺とする略台形の断面を有し、略台形の幾何学的重心が、上辺を二等分する垂線より内側に位置すること、を特徴とする燃料電池用のガスシール部材をも提供する。
即ち、本発明の上記ガスシール部材を燃料電池に用いれば、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力により、上記の線接触シール部材における突部がアノード側またはカソード側に倒れこむことがなく、外部から燃料電池内への酸素侵入を充分に阻止することができ、触媒劣化を充分に防止し、効率低下を生じさせずに信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
本発明によれば、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力が生じても、ガスシール部材が燃料電池の内側、即ちアノード側またはカソード側に倒れこむことがなく、これにより、外部から燃料電池内への酸素侵入を充分に阻止することができるとともに触媒劣化を充分に防止することができ、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
[第一実施形態]
図1は、本発明の燃料電池の第一実施形態の基本構成(単電池)を示す概略断面図である。図1に示すように、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜1の両面には、アノード4およびカソード5がそれぞれ密着して配置されている。高分子電解質膜1、アノード4およびカソード5によって膜電極接合体(MEA)6が構成される。このMEA6は、当該MEA6を機械的に固定するとともに隣接するMEA6同士を直列に接続し、さらにアノード4およびカソード5に反応ガスである燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ供給するためのアノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13に挟持される。
高分子電解質膜1は固定電荷を有しており、固定電荷の対イオンとして水素イオンが存在する。高分子電解質膜1には水素イオンを選択的に透過させる機能が求められ、当該機能を発揮するために高分子電解質膜1は水分を保持することが必要である。水分を含むことにより、高分子電解質膜1内に固定されている固定電荷を電離し、固定電荷の対イオンである水素をイオン化させる。これにより、高分子電解質膜1中の水分を移動経路として水素がアノード4からカソード5へ移動し、高分子電解質膜1がイオン伝導性を発現するのである。このような高分子電解質膜1としては、例えば米国DuPont社のNafion112膜を用いることができる。
アノード4およびカソード5は、それぞれ電極触媒(例えば白金金属)を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層2aおよび2c、ならびに通気性と導電性とを兼ね備えた導電性多孔質基材を含むガス拡散層3aおよび3cで構成される。触媒層2aおよび2bは、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質と、分散媒と、を含む触媒層形成用インクを用いて、当該分野で公知の方法により形成することができる。
また、ガス拡散層3aおよび3cを構成する導電性多孔質機材としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができ、例えば炭素繊維不織布、カーボンクロスまたはカーボンペーパーなどの導電性多孔質基材を用いることができる。そして、MEA6は、上記のような高分子電解質膜1、触媒層2aおよび2cならびにガス拡散層3aおよび3cから、当該分野で公知の技術によって作製することができる。
アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13の材質としては、金属製、カーボン製、黒鉛と樹脂を混合した材料などがあり、幅広く使用することができる。例えばカーボン粉末とバインダーとの混合物を射出成形して得られるセパレータ板や、チタンやステンレス鋼製セパレータ板の表面に金メッキを施したものなども使用することができる。
アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13は、それぞれアノード4およびカソード5と対向する面(第1の面)に、アノード4およびカソード5に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するためのガス流路14および15を有し、反対側の面(第2の面)には冷却水を流すための流路16および17を有する。
ガス流路14および15は、アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13の表面に溝を設けて形成されている。ここで、アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13に設けられた溝は、燃料ガスや酸化剤ガスを供給するポンプなどの装置の高効率化のため、低圧損(約20kPa以下)となるように設計されている。なお、アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13と別に設けることも可能である。
また、アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13は、それぞれOリング11を嵌合する凹部18および19を有する。アノード4およびカソード5の周囲には、高分子電解質膜1を挟んでそれぞれガスシール部材(ガスケット)30および20が配置される。本発明の燃料電池は、後述するように、これらのガスシール部材30および20の形状に最大の特徴を有する。
上記のように、アノード側セパレータ板12、MEA6およびカソード側セパレータ板13によって単電池10が構成される。そして、2以上の単電池10が積層されて燃料電池のスタックが構成される。一般的には、充分な電池電圧を得るために、単電池10を10〜200個積層してスタックを得、当該スタックを、集電板と絶縁板とを介して端板で挟み、締結ボルトで両端から固定し、まわりを断熱材で囲んで使用される。
また、図示しないが、上記のスタック内のアノード側セパレータ板12またはカソード側セパレータ板13のガス流路14または15に、それぞれ反応ガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)を供給するためには、反応ガスを供給する配管を、スタックに含まれるアノード側セパレータ板12またはカソード側セパレータ板13の枚数に分岐し、その分岐先を直接アノード側セパレータ板12またはカソード側セパレータ板13上の溝(ガス流路14または15)につなぎ込むマニホールドが用いられる。このマニホールドとしては内部マニホールドおよび外部マニホールドのいずれを用いることもできる。
したがって、本発明の燃料電池においては、図示しないが、燃料ガス用の入口側マニホールドおよび出口側マニホールド、酸化剤ガス用の入口側マニホールドおよび出口側マニホールド、ならびに冷却水用の入口側マニホールドおよび出口側マニホールドが形成される。燃料ガスおよび酸化剤ガスは、それぞれの入口側マニホールドからガス流路14および15を経由してアノード4およびカソード5に供給され、余剰のガスおよび生成物は出口側マニホールドから排出される。
また、燃料電池は運転中に発熱するので、燃料電池を良好な温度状態に維持するため、冷却水などの冷却流体で冷却する必要がある。通常、単電池1〜3個毎に冷却水を流すための冷却部がアノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13の間に設けられる。図1に示すように、アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13の背面に設けた流路16および17により形成される1組の流路を冷却部とする。冷却水は、入口側マニホールドから供給され、流路16および17により形成される1組の流路を流れて、発電部(電極部)を冷却し、出口側マニホールドより排出される。
ここで、以下においては、本発明の燃料電池に用いられるガスシール部材30および20(本発明のガスシール部材の第一実施形態)について図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図2は、図1に示す燃料電池の要部(部分I)、即ち本実施形態の燃料電池におけるガスシール部材付近を拡大した概略断面図である。特に、図3の(a)は、カソード側セパレータ板13上に位置するカソード側のガスシール部材20、即ち、線接触シール部材の要部を、アノード4、高分子電解質膜1およびカソード5(図示せず)の主面に略垂直な方向に沿って切断した場合の要部拡大断面図である。
本実施形態におけるガスシール部材20および30の材料としては、従来のガスシール部材に用いられている材料を用いることができ、例えばフッ素ゴム、ポリイソブレン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、テレフタルアミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリサルホン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。
本実施形態においては、アノード側のガスシール部材30は、リング状でかつ平板状のガスシール部材、即ち面接触シール部材からなり、アノード側セパレータ板12および高分子電解質膜1と面接触する。一方、図3の(a)に示すように、本実施形態におけるガスシール部材20を構成する線接触シール部材は、カソード側セパレータ板13に接するリング状でかつ平板状のベース部21と、カソード5を囲むようにベース部21から高分子電解質膜1の側に突出して、高分子電解質膜1に接する頂部tを有し、断面が略台形のリブ状の突部22からなる。突部22は、その頂部tを上辺、ベース部側bを底辺とする略台形の断面を有し、その幾何学的重心gは、頂部tを二等分するように引いた垂線lよりカソード側(図3における右側)にある。
上記のように、アノード4およびカソード5の周囲に、高分子電解質膜1を挟んで平板状のガスシール部材(即ち面接触シール部材)30、および高分子電解質膜1に接する突部22を有するガスシール部材(即ち線接触シール部材)20が配置された構造の燃料電池においては、スタックを締結する締結圧が印加されたとき、ガスシール部材20およびガスシール部材30から高分子電解質膜1に対する圧力は、ガスシール部材20の突部22と、ガスシール部材30における突部22に対応する部分とで挟まれた部分に集中する。
このように、一方のガスシール部材20にマクロ的には高分子電解質膜1に線状に接触する突部22を設けると、突部22と高分子電解質膜1との間、および突部22に対応する他方のガスシール部材30の部分と高分子電解質膜1との間で、良好なシール効果が得られる。したがって、両ガスシール部材20、30に平板状のガスシール部材を用いた場合に比べて、スタックを締結する締結力を低減しても同等のシール効果を得ることができ、これによって各種部材の破損防止およびコスト低減が可能となる。
燃料電池の起動と停止を繰り返し運転する際、発電を停止しているときには、燃料電池の内部が負圧となる。この場合、従来のようにガスシール部材の突部の幾何学的重心がカソードから遠い方にあると、図8を用いて上述したように、その突部は外部からの圧力により容易に内側に倒れ込んで外気の侵入を許すこととなる。しかしながら、本実施形態におけるガスシール部材20によれば、突部22の幾何学的重心gが、頂部tを二等分するように引いた垂線lよりカソード側にあることから、燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力により、突部22がカソード側、即ち内側に倒れこむことがない。
そのため、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力が生じても、ガスシール部材20の突部22が燃料電池の内側、即ちカソード側に倒れこむことがなく、これにより、外部から燃料電池内への酸素侵入を充分に阻止することができるとともに触媒劣化を充分に防止することができ、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
また、本実施形態におけるカソード側のガスシール部材20は、図3の(b)および(c)に示すような構造を有していてもよい。即ち、図3の(b)および(c)は、それぞれ本実施形態におけるカソード側のガスシール部材の第1の変形例および第二の変形例を示す。
第1の変形例によるカソード側のガスシール部材20Bにおいては、図3の(b)に示すように、突部22Bは、断面が略台形であり、その頂部tとベース部21とを結ぶカソード側の辺が外側に膨らんでカーブしている。その他は、図3の(a)に示すカソード側のガスシール部材20と同様である。突部22Bの幾何学的重心gは、頂部tを二等分するように引いた垂線lよりカソード側に位置する。
また、第2の変形例によるカソード側のガスシール部材20Cにおいては、図3の(c)に示すように、突部22Cは、断面が略台形であり、その頂部tとベース部21とを結ぶカソード側の辺が2つのこぶを有するように外側に膨らんでいる。その他は、図3の(a)に示すカソード側のガスシール部材20と同様である。突部22Cの幾何学的重心gは、頂部を二等分するように引いた垂線lよりカソード側に位置する。
これらの変形例におけるカソード側のガスシール部材20B、20Cも、燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力により、突部22がカソード側、即ち内側に倒れこむことがない。そのため、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力が生じても、ガスシール部材20の突部22が燃料電池の内側、即ちカソード側に倒れこむことがなく、これにより、外部から燃料電池内への酸素侵入を充分に阻止することができるとともに触媒劣化を充分に防止することができ、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の燃料電池の第二実施形態について説明する。この第二実施形態の燃料電池(図示せず)は、図1に示した第一実施形態の単電池10におけるカソード側のガスシール部材20を異なる構成に代えたものであり、カソード側のガスシール部材20以外の構成は第一実施形態の燃料電池と同様である。
以下、第二実施形態の燃料電池に備えられるカソード側のガスシール部材(本発明のガスシール部材の第二実施形態)について説明する。
図4は、本実施形態の燃料電池におけるガスシール部材付近を拡大した概略断面図である。特に、図5の(a)は、カソード側セパレータ板13上に位置するカソード側のガスシール部材40、即ち、線接触シール部材の要部を、アノード4、高分子電解質膜1およびカソード5(図示せず)の主面に略垂直な方向に沿って切断した場合の要部拡大断面図である。
本実施形態においては、アノード側のガスシール部材30は面接触シール部材からなり、カソード側のガスシール部材40が線接触シール部材からなる。図5の(a)に示すように、本実施形態におけるガスシール部材40を構成する線接触シール部材は、カソード側セパレータ板13に接するリング状でかつ平板状のベース部41と、カソード5を囲むようにベース部41から高分子電解質膜1の側に突出する上記第一実施形態と同様のリブ状の突部(第1の突部)42に加えて、リブ状の第2の突部43を有する。
カソード5から遠い方に位置する第1の突部42は、上記第一実施形態と同様に、高分子電解質膜1に接する頂部t1を有し、その頂部t1を上辺、ベース部側b1を底辺とする略台形の断面を有し、その幾何学的重心g1は、頂部t1を二等分するように引いた垂線l1よりカソード5側(図5における右側)に位置する。一方、第2の突部43は、同様に、高分子電解質膜1に接する頂部tを有し、その頂部tを上辺、ベース部側bを底辺とする略台形の断面を有し、その幾何学的重心gは、頂部tを二等分するように引いた垂線lより第1の突部42側(図5における左側)に位置する。
上記のように、アノード4およびカソード5の周囲に、高分子電解質膜1を挟んで平板状のガスシール部材(即ち面接触シール部材)30、および高分子電解質膜1に接する第1の突部42および第2の突部43を有するガスシール部材(即ち線接触シール部材)40が配置された構造の燃料電池においては、スタックを締結する締結圧が印加されたとき、ガスシール部材40およびガスシール部材30から高分子電解質膜1に対する圧力は、ガスシール部材40の第1の突部42および第2の突部43と、ガスシール部材30における第1の突部42および第2の突部43に対応する部分とで挟まれた部分に集中する。
このように、一方のガスシール部材40にマクロ的には高分子電解質膜1に線状に接触する第1の突部42および第2の突部43を設けると、第1の突部42および第2の突部43と高分子電解質膜1との間、ならびに第1の突部42および第2の突部43に対応する他方のガスシール部材30の部分と高分子電解質膜1との間で、良好なシール効果が得られる。したがって、両ガスシール部材40、30に平板状のガスシール部材を用いた場合に比べて、スタックを締結する締結力を低減しても同等のシール効果を得ることができ、これによって各種部材の破損防止およびコスト低減が可能となる。
また、燃料電池の起動と停止を繰り返し運転する際、発電を停止しているときには、燃料電池の内部が負圧となる。この場合、従来のようにガスシール部材の突部の幾何学的重心がカソードから遠い方にあると、図8を用いて上述したように、その突部は外部からの圧力により容易に内側に倒れ込んで外気の侵入を許すこととなる。しかしながら、本実施形態におけるガスシール部材40によれば、第1の突部42の幾何学的重心g1が、頂部t1を二等分するように引いた垂線l1よりカソード側にあることから、燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力により、第1の突部42がカソード側、即ち内側に倒れこむことがない。
そのため、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力が生じても、ガスシール部材40の第1の突部42が燃料電池の内側、即ちカソード側に倒れこむことがなく、これにより、外部から燃料電池内への酸素侵入を充分に阻止することができるとともに触媒劣化を充分に防止することができ、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
さらに本実施形態においては、上記のような第2の突部43を設けることにより、特に、燃料電池を繰り返して起動運転した際に燃料電池の内部が正圧になったとき、燃料電池の内部から外部へ作用する圧力が生じても、ガスシール部材40の第2の突部43が燃料電池の外側、即ち第1の突部側に倒れこむことがなく、これにより、燃料電池の内部と外部とが連通することを好適に防止し、内部への酸素侵入を充分に阻止することができるとともに触媒劣化を充分に防止することができ、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
また、本実施形態におけるカソード側のガスシール部材40は、図5の(b)および(c)に示すような構造を有していてもよい。即ち、図5の(b)および(c)は、それぞれ本実施形態におけるカソード側のガスシール部材40の第1の変形例および第二の変形例を示す。
第1の変形例によるカソード側のガスシール部材40Bにおいては、図5の(b)に示すように、第1の突部42Bおよび第2の突部43Bが設けられている。第1の突部42Bおよび第2の突部43Bは、断面が略台形であり、その頂部t1とベース部41とを結ぶ辺のうち、互いに向き合う側の辺が外側に膨らんでカーブしている。その他は、図5の(a)に示すカソード側のガスシール部材40と同様である。第1の突部42Bの重心gは、頂部t1を二等分するように引いた垂線lよりカソード側に位置し、第2の突部43Bの重心g2は、頂部t1を二等分するように引いた垂線l2より第1の突部42B側に位置する。
また、第2の変形例によるカソード側のガスシール部材40Cにおいては、図5の(c)に示すように、断面が略台形である第1の突部42Cおよび第2の突部43Cが設けられている。第1の突部42Cおよび第2の突部43Cは、断面が略台形であり、その頂部t1とベース部41とを結ぶ辺のうち、互いに向き合う側の辺が2つのこぶを有するように外側に膨らんでいる。その他は図5の(a)に示すカソード側のガスシール部材40と同様である。第1の突部42Cの重心gは、頂部t1を二等分するように引いた垂線l1よりカソード側に位置し、第2の突部43Cの重心g2は、頂部t1を二等分するように引いた垂線l2より第1の突部42B側に位置する。
これらの変形例におけるカソード側のガスシール部材40B、40Cにおいても、燃料電池を繰り返して起動停止運転した際に燃料電池の内部が負圧になったとき、燃料電池の外部から内部へ作用する圧力が生じても、ガスシール部材40の第1の突部42B、42Cが燃料電池の内側、即ちカソード側に倒れこむことがなく、これにより、外部から燃料電池内への酸素侵入を充分に阻止することができるとともに触媒劣化を充分に防止することができ、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
さらに本実施形態においては、上記のような第2の突部43B、43Cを設けることにより、特に、燃料電池を繰り返して起動運転した際に燃料電池の内部が正圧になったとき、燃料電池の内部から外部へ作用する圧力が生じても、ガスシール部材40B、40Cの第2の突部43B、43Cが燃料電池の外側、即ち第1の突部42B、42C側に倒れこむことがなく、これにより、燃料電池の内部と外部とが連通することを好適に防止し、内部への酸素侵入を充分に阻止することができるとともに触媒劣化を充分に防止することができ、効率低下を生じない信頼性の高い燃料電池を容易かつ確実に実現することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の各実施形態においては、アノード側のガスシール部材として面接触シール部材を用い、カソード側のガスシール部材として線接触シール部材を用いたが、逆に、アノード側のガスシール部材として線接触シール部材を用い、カソード側のガスシール部材として面接触シール部材を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、アノード側セパレータ板と隣接するカソード側セパレータ板との間に、冷却水の入口側マニホールドと出口側マニホールドとを連絡するように、冷却水の流路を有するよう構成したが、各単電池間すべてには冷却水の流路を設けず、例えば単電池2個毎に冷却水の流路を設けてもよい。そのような場合、一方の面に燃料ガスの流路を有し、他方の面に酸化剤ガスの流路を有するアノード側セパレータ板とカソード側セパレータ板とを兼ねる単一のセパレータ板を併用することも可能である。
さらにまた、ガス拡散層を得る場合には、上記の導電性多孔質基材を撥水処理を施したり、触媒層側の面に撥水カーボン層を形成したりしてもよい。撥水処理は、例えばポリエチレンテレフタレート(PTFE)やテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を含むフッ素樹脂ディスパージョンからなる撥水インクに上記の導電性多孔質基材を浸漬し、乾燥して分散媒などを除去することによって行うことができる。また、撥水カーボン層(いわゆるC層)は、例えば導電性炭素粒子、水、PTFEおよび界面活性剤(TritonX−100)を含むC層用インクを上記の導電性多孔質基材上に塗布し、焼成することによって形成することができる。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
《実施例1》
導電性炭素粒子であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD1)と混合し、乾燥重量としてPTFEを20重量%含む撥水インクを調製した。得られた撥水インクを、導電性多孔質基材であるカーボンペーパー(東レ(株)製のTGPH060H)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、ガス拡散層(厚さ約200μm)を作製した。
一方、導電性炭素粒子であるケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製のKetjen Black EC、粒径30nm)上に白金触媒を50質量%担持させた触媒体66質量部を、水素イオン伝導性を有する結着剤であるパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(米国Aldrich社製の5質量%Nafion分散液)33質量部(高分子乾燥重量)と混合し、得られた混合物を成形して触媒層(厚さ10〜20μm)を作製した。
上述のようにして得たガス拡散層と触媒層とを、ホットプレスを用いて高分子電解質膜(米国DuPont社のNafion112膜)の両面に接合し、図1に示すように、ガス拡散層3aおよび触媒層2aを含むアノード4、高分子電解質膜1、ならびにガス拡散層3cおよび触媒層2cを含むカソード5からなるMEA6を作製した。
次に、フェノール樹脂を含浸させた黒鉛板からなり、20cm×32cm×1.3mmの外寸を有し、かつ深さ0.5mmのガス流路14ならびに冷却水の流路16および17を有するアノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13を用意した。また、アノード側セパレータ板12およびカソード側セパレータ板13に、冷却水、燃料ガスおよび酸化剤ガスを流通させるためのマニホールド孔を設けた(図示せず)。
ついで、上記の各マニホールド孔の外周部に、フッ素ゴム製のガスシール部材(デュポン社製のViton(商品名))を配置した(図示せず)。また、図1および図2に示すように、面接触シール部材からなるアノード側のシール部材30と、図3の(a)〜(c)のいずれかの断面を有する線接触シール部材からなるカソード側のガスシール部材20とで、それぞれアノード4およびカソード5の周囲を囲むように高分子電解質膜1を挟持し、本発明の第一実施形態による燃料電池(単電池)を作製した。
即ち、本実施例においては、カソード側のガスシール部材20として、図3の(a)〜(c)のいずれかに示した断面構造を有する線接触シール部材を用い、頂部tを上辺としベース部21側を底辺とする略台形の断面を有する突部22、22B、22Cの幾何学的重心gを、上辺tを二等分する垂線lよりMEA6側に位置させた。
《実施例2》
本実施例においては、面接触シール部材からなるアノード側のガスシール部材30と、図5の(a)〜(c)のいずれかの断面を有する線接触シール部材からなるカソード側のガスシール部材40とで、それぞれアノード4およびカソード5の周囲を囲むように高分子電解質膜1を挟持した他は、実施例1と同様にして本発明の第二実施形態による燃料電池(単電池)を作製した。
即ち、カソード側のガスシール部材40として、図5の(a)〜(c)のいずれかに示した断面構造を有する線接触シール部材を用い、頂部t1を上辺としベース部41側を底辺とする略台形の断面を有する第1の突部42、42B、42Cの幾何学的重心g1を、上辺tを二等分する垂線l1よりMEA6側に位置させた。また、頂部t2を上辺としベース部41側を底辺とする略台形の断面を有する第2の突部43、43B、43Cの幾何学的重心g2を、上辺t2を二等分する垂線l2より第1の突部42、42B、42C側に位置させた。
《比較例1》
本比較例においては、面接触シール部材からなるアノード側のガスシール部材30と、図8の(a)の断面を有する線接触シール部材からなるカソード側のガスシール部材120とで、それぞれアノード4およびカソード5の周囲を囲むように高分子電解質膜1を挟持した他は、実施例1と同様にして比較用の燃料電池(単電池)を作製した。即ち、カソード側のガスシール部材120として、図8の(a)に示した断面構造を有する線接触シール部材を用い、頂部を上辺としベース部側を底辺とする略台形の断面を有する突部の幾何学的重心を、上辺を二等分する垂線上に位置させた。
[評価試験]
上記実施例1、実施例2および比較例1で作製した燃料電池について耐圧試験を行った。図6の(a)は、燃料電池へ燃料ガスを送る場合、即ち燃料電池内部から外部へ圧力がかかる場合(正圧:発電状態模擬)の耐圧試験用測定装置の構成を示し、図6の(b)は、ポンプによって燃料電池から燃料ガスを吸いだす場合、即ち燃料電池外部から内部へ圧力がかかる場合(負圧:停止状態模擬)の耐圧試験用測定装置の構成を示した。試験結果は下記の表1に示した。
(1)耐圧試験1(内部から外部への圧力試験)
燃料電池の発電時の圧力影響を、図6の(a)に示す構成を有する測定装置を用いて評価した。燃料電池100において、燃料ガス用の入口側マニホールド65、燃料ガス用の出口側マニホールド66および酸化剤ガス用の出口側マニホールド68を密栓し、酸化剤ガスの入口側マニホールド67のみを開放した。そして、酸化剤ガスを圧送するためのポンプ61、圧力を制御する圧力計62、およびガス漏れ量を測定する流量計63からなる測定装置を、開放状態にある酸化剤ガス用の入口側マニホールド67に接続した。
この状態で、ポンプ61より、圧力10kPa、50kPa、100kPaの三段階に調節し、燃料電池100へ酸化剤ガスを圧送した。酸化剤ガスを圧送し、流量計63がゼロを示した場合にはガスシール性が正常(1)であり、流量計63が2cc/min以上の値を示した場合にはガスシール性が不良(2)であると判断した。
(2)耐圧試験2(外部から内部への圧力試験)
燃料電池の停止時の圧力影響を、図6の(b)に示す構造を有する測定装置を用いて評価した。上記耐圧試験1と同様に、燃料電池100において、燃料ガス用の入口側マニホールド65、燃料ガス用の出口側マニホールド66および酸化剤ガス用の出口側マニホールド68を密栓し、酸化剤ガスの入口側マニホールド67のみを開放した。そして、酸化剤ガスを吸引するためのポンプ61、圧力を測定する差圧計64、および燃料電池100の内部を封止するためのボールバルブ69からなる測定装置を、開放状態にある酸化剤ガス用の入口側マニホールド67に接続した。
この状態で、ポンプ61より、燃料電池100の内部圧力が差圧計64で-10kPa、-50kPa、-100kPaとなるように三段階に調節し、ボールバルブ69を閉め、24時間その状態で放置した。24時間後、差圧計64が設定圧力-10kPa、-50kPa、-100kPaを維持した場合にはガスシール性が正常(1)であり、ポンプ61が設定圧力まで吸引できない場合および24時間に差圧計64が設定圧力より正圧方向へ0.5kPa以上変化した場合にはガスシール性が不良(2)であると判断した。
Figure 2006156097
表1の結果より、本発明の実施例1および実施例2の燃料電池は、比較例の燃料電池より、正圧条件においてそのガスシール性(耐圧性)に優れている。また、負圧条件において、比較例では10kPaの低い圧力において外部よりガスの侵入が発生するのに対し、本発明の実施例1および実施例2では、100kPaの高い圧力条件においても外部よりガスの侵入は発生しないことが示された。
上記の結果から、本発明の実施例1および実施例2の燃料電池は、発電時にかかる正圧(内部から外部へ)の作用および停止時にかかる負圧(外部から内部へ)の作用に対しより優れたガスシール性(耐圧性)を発揮することが可能でき、ガスシール部材本来の課題であるガス漏れの防止に加え、停止時に発生する燃料電池内部への酸素の侵入を阻止するこが可能となり、起動停止運転において、より信頼性のある高効率な燃料電池を実現することができる。また、これにより、燃料電池の作動条件に対する設計領域を拡大することが可能である。
以上のように本発明の燃料電池は、ガスシール部材本来の課題であるガス漏れの防止に加え、停止時に発生する燃料電池内部への酸素の侵入を阻止するこが可能となり、起動停止運転において、より信頼性のある高効率な燃料電池を提供することができる。このような燃料電池は、ポータブル電源、携帯機器用電源、電気自動車用電源および家庭内コージェネレーションシステムなどに好適に利用することができる。
本発明の燃料電池の第一実施形態の基本構成(単電池)を示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態の燃料電池におけるガスシール部材付近(図1における燃料電池の要部I)を拡大した概略断面図である。 本発明の第一実施形態におけるカソード側のガスシール部材付近を、アノード、高分子電解質膜およびカソードの主面に略垂直な方向に沿って切断した場合の要部拡大断面図である。 本発明の第二実施形態の燃料電池におけるガスシール部材付近(図1における燃料電池の要部I)を拡大した概略断面図である。 本発明の第二実施形態におけるカソード側のガスシール部材付近を、アノード、高分子電解質膜およびカソードの主面に略垂直な方向に沿って切断した場合の要部拡大断面図である。 本発明の実施例において用いた耐圧試験用測定装置の構成を示す図である。 従来の燃料電池の基本構成(単電池)を示す概略断面図である。 従来の燃料電池におけるガスシール部材付近(図7における燃料電池の要部II)を拡大した概略断面図である。
符号の説明
1、101・・・高分子電解質膜、2a、2c、102a、102c・・・触媒層、3a、3c、103a、103c・・・ガス拡散層、4、104・・・アノード、5、105・・・カソード、6、106・・・膜電極接合体(MEA)、10、110・・・単電池、11、111・・・Oリング、12、112・・・アノード側セパレータ板、13、113・・・カソード側セパレータ板、14、15、114、115・・・ガス流路、16、17、116、117・・・流路、18、19、118、119・・・凹部、20、40、120・・・カソード側のガスシール部材、30、130・・・アノード側のガスシール部材、21、41、121・・・ベース部、22、122・・・突部、42、42B、42C・・・第1の突部、43、43B、43C・・・第2の突部、61・・・ポンプ、62・・・圧力計、63・・・流量計、64・・・差圧計、65・・・燃料ガス用の入口側マニホールド、66・・・燃料ガス用の出口側マニホールド、67・・・酸化剤ガス用の入口側マニホールド、68・・・酸化剤ガス用の出口側マニホールド、69・・・ボールバルブ、100・・・燃料電池、t、t1、t2・・・頂部、l、l1・・・垂線

Claims (3)

  1. 高分子電解質膜ならびに前記高分子電解質膜を挟むアノードおよびカソードを有する膜電極接合体と;前記膜電極接合体を挟持するように配置されたアノード側セパレータ板およびカソード側セパレータ板と;前記アノード側セパレータ板および前記カソード側セパレータ板の間の領域において、前記膜電極接合体の外周部に配置されたアノード側ガスシール部材およびカソード側ガスシール部材と;を具備する単電池を含む燃料電池であって、
    前記アノード側ガスシール部材および前記カソード側ガスシール部材のいずれか一方は、前記高分子電解質膜に面接触する面接触シール部材であり、
    前記アノード側ガスシール部材および前記カソード側ガスシール部材の他方は、前記高分子電解質膜に線接触する線接触シール部材であり、
    前記線接触シール部材は、ベース部と、前記ベース部から前記アノードまたは前記カソードを囲むように突出して前記高分子電解質膜に接する頂部を有する突部とを含み、
    前記突部は、前記頂部を上辺とし前記ベース部側を底辺とする略台形の断面を有し、前記略台形の幾何学的重心が、前記上辺を二等分する垂線より前記膜電極接合体側に位置すること、を特徴とする燃料電池。
  2. 前記線接触シール部材は、前記突部と前記膜電極接合体との間に設けられ、かつ、前記ベース部から前記アノードまたは前記カソードを囲むように突出して前記高分子電解質膜に接する頂部を有する第二の突部を有し、
    前記第二の突部は、前記頂部を上辺とし前記ベース部側を底辺とする略台形の断面を有し、前記略台形の断面の幾何学的重心が、前記上辺を二等分する垂線より前記突部側に位置すること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記単電池を2以上積層してなる請求項1または2に記載の燃料電池。
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