以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の外観構成例を示す斜視図を示している。
図1に示される写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせる代わりに、利用者より代金を受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)であり、通常、ゲームセンターや観光地等の店舗等に設置される。つまり、写真シール作成装置1は、後述するように、写真シール作成ゲームを利用者に提供する。利用者(主に複数人のグループである場合が多い)は、その写真シール作成ゲームにおいて、硬貨投入後に筐体内に設置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラで利用者自身を撮影し、記録された利用者の画像を液晶パネル上で付属のペン等を用いて所定または任意の文字や図形等を書き込んで編集を行い、個性的な画像を作成してシール紙に分割印刷させる。このように作成され利用者に提供されたシール紙は、例えば、利用者によって、利用者の友人や知人と交換されたり、手帳に貼り付けてアルバムのようにしたり、ポストカードに貼り付けたりされる。
図1の写真シール作成装置1の筐体10は、複数のユニット等により構成されており、第1ユニット11と第2ユニット12が、所定の距離をおいて、フレーム14A、フレーム14B並びに床部13により接続されるように構成されている。
図1に示されるように、直方体の形状の第1ユニット11の、地上面(床部13の上面)に対して垂直な4側面の内、第2ユニット12に対向する面を正面11−1と称し、その正面11−1の右側に隣接する側面を右側面11−2と称し、正面11−1に対向する側面を背面11−3と称し、正面11−1の左側に隣接する側面(右側面11−2に対向する側面)を左側面11−4と称する。各面の構成については後述する。
第1ユニット11と第2ユニット12は、図1に示されるように、それらの左右上部において、フレーム14Aとフレーム14Bにより所定の距離を保つように連結されている。また、第1ユニット11と第2ユニット12は、その下部において、床部13により所定の距離を保つように連結されている。床部13は、第1ユニット11と第2ユニット12とを連結する部材であり、利用者が第1ユニット11と第2ユニット12との間において後述するように撮影を行う場合の床(撮影空間の床)となる部材であり、かつ、所定の部位が格納される筐体である。床部13には例えば、第1ユニット11と第2ユニットを電気的に接続するケーブル等が格納される。もちろん、それ以外にも、どのような部材が格納されてもよい。この床部13の上面(撮影空間の床面)は水平な平面であってもよいし、水平方向に対して角度を有する(傾きのある)平面であってもよいし、凹凸のある曲面であってもよい。
なお、第1ユニット11と第2ユニット12の形状は直方体でなくてももちろんよい。また、第1ユニット11と第2ユニット12とが1つのユニット(1個の筺体)として構成されるようにしてももちろんよい。
図2は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
図2において、第1ユニット11と第2ユニット12の上部には、図1の場合に加えて、フレーム14Aとフレーム14Bの上に天井部21が覆うように設けられており、フレーム14Aおよびフレーム14Bとともに天井部21によって第1ユニット11と第2ユニット12が連結されている。これにより、図1の場合よりも、第1ユニット11と第2ユニット12との間の(床部13上の空間)空間である撮影空間の閉鎖性を向上させることができ、より快適な撮影空間を利用者に提供することができる。なお、天井部21の左右(撮影空間の出入り口となる側面)からは、さらに閉鎖性を向上させるためのカーテン24−1およびカーテン24−2が吊設されている。このように撮影空間の閉鎖性を高めることにより、写真シール作成装置1は、環境の安定した撮影空間を形成することができるだけでなく、撮影空間の外部に位置する人物から撮影の様子を閲覧されることを抑制することができる。
第1ユニット11の背面11−3側の上部には、コの字型のカーテンフレーム22が設けられている。この背面11−3の前面近傍には、後述するように編集空間が設けられるが、その編集空間とその周囲の空間とを区切るように(編集空間を囲むように)、カーテン23−1乃至カーテン23−4が設けられている。これにより、編集空間の外に位置する人物により編集作業内容が閲覧されることを抑制することができる。
第1ユニット11の右側面11−2側の上部には、コの字型のカーテンフレーム25が設けられている。この右側面11−2の前面近傍には、後述するように事後接客空間が設けられるが、その事後接客空間とその周囲の空間とを区切るように(事後接客空間を囲むように)、カーテン26−1乃至カーテン26−4が設けられている。これにより、事後接客空間の外に位置する人物により事後接客における入力作業内容等が閲覧されることを抑制することができる。
なお、このカーテンフレーム22およびカーテンフレーム25は、それぞれ、第1ユニット11に対して可動したり、着脱したりするように設けられているようにしてもよい。例えば、カーテンフレーム22が、カーテン23−1乃至カーテン23−4毎スライドされたり、外されたりして、この編集空間を消去する(省略する)ようにしてもよい。なお、カーテンフレーム22並びにカーテン23−1乃至カーテン23−4の一部または全部が第1ユニット11内に格納されるようにしてももちろんよい。カーテンフレーム25、並びにカーテン26−1乃至カーテン26−4についても同様である。
図3は、図1の第1ユニット11の正面11−1の構成例を示す図である。
正面11−1には、撮影処理に関する構成が設けられており、例えば、照明部31−1乃至照明部31−6が設けられている。
照明部31−1乃至照明部31−6は、ストロボ発光可能な照明装置により構成され、CCDカメラ33が利用者を撮影する(CCDカメラ33が取り込む動画像(取り込み画像)のあるフレーム画像(静止画像)を撮影画像として取り出す(キャプチャする))撮影タイミングに対応するタイミング(キャプチャされるフレーム画像が発光の影響を受けているようなタイミング)でストロボ発光し、撮影を行う利用者に光を照射する。また、後述するように、各照明部31−1乃至照明部31−6は撮影を行うCCDカメラ33の位置に応じてその発光量を変化させる。なお、以下において、照明部31−1乃至照明部31−6を互いに分けて説明する必要の無い場合、照明部31と称する。
正面11−1の略中央には、利用者を撮影するための撮影ユニット32が設けられている。撮影ユニット32は、CCDカメラ33およびリアルタイムライブビューモニタ34を備え、正面11−1に設けられたガイドレール35Aおよびガイドレール35Bに設置されている。撮影ユニット32は、モータやギア等の図示せぬ駆動部により制御されて、両矢印36に示されるように、ガイドレール35Aおよびガイドレール35Bに沿って移動する。
CCDカメラ33は、利用者を撮像し、画像を得るためのCCDを利用した撮像素子等により構成される。なお、CCDカメラ33の代わりに、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いるようにしてもよい。さらに、利用者を撮像し、デジタル画像データを得られるものであればどのようなものであってもよい。CCDカメラ33近傍の、図中下側にあるリアルタイムライブビューモニタ34は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)により構成され、CCDカメラ33により撮像された利用者のリアルタイムライブビュー画像(CCDカメラ33により取り込まれ、リアルタイムビューとして表示される確認用の動画像)を表示する。具体的には、リアルタイムライブビューモニタ34は、利用者により設定されている合成用動画像を、CCDカメラ33の取り込み画像に適宜合成した動画像をリアルタイムライブビューとして表示する。このCCDカメラ33近傍に設けられたリアルタイムライブビューモニタ34に表示されるリアルタイムビュー画像により利用者は、撮影直前の自分自身の画像を、CCDカメラ33より大幅に視線をずらすことなく確認することができる。
また、リアルタイムビューモニタ34が、撮影結果を確認するために、撮影直後に撮影画像(静止画像)をプレビュー画像として表示するようにしてもよい。このようにすることにより、利用者は、撮影画像を簡易的に確認することができるだけでなく、撮影の瞬間まで動画像が表示されているリアルタイムビューモニタ34に静止画像のプレビュー画像が表示されることにより、撮影が終了した(撮影画像が得られた)ことを確認することができる。
ガイドレール35Aおよびガイドレール35Bはともに円弧状のレールであり、互いに並行となるように配置されている。つまり、ガイドレール35Aおよびガイドレール35Bは、撮影ユニット32の位置が上下方向に変化し、その位置に応じてCCDカメラ33の向き(撮影方向)が上下に(円弧に沿って)変化するように、撮影ユニット32の移動をガイドする。以下において、特にガイドレール35Aとガイドレール35Bを互いに区別して説明する必要の無い場合、例えば「ガイドレール35Aおよびガイドレール35B」のように両方を指して説明するような場合、単にガイドレール35と称することもある。
詳細については後述するが、撮影ユニット32(CCDカメラ33)は、ガイドレール35に対する位置によって、その撮影方向が変化する。この撮影ユニット32(CCDカメラ33)の位置は、例えば利用者の指示に従って(或いは、利用者により指示された設定に基づいて実行されるプログラムに従って)決定(制御)される。このとき、撮影ユニット32(CCDカメラ33)の位置は、ガイドレール35上の移動可能範囲内の予め定められた複数の位置から選択的に決定されるようにしてもよい。つまり、例えば、ガイドレール35上を移動可能な撮影ユニット32(CCDカメラ33)が、ガイドレール35の一番上、中央、または一番下の3箇所の中から選択された位置で停止して撮影を行うようにし、それ以外の位置では撮影することができない(停止できない)ようにしてもよい。もちろん、撮影位置として(撮影ユニット32の停止位置として)任意の位置を利用者が指定することができるようにしてもよい。
また、以上においては、撮影ユニット32がガイドレール35上を移動するように説明した。つまり、この場合、CCDカメラ33とリアルタイムライブビューモニタ34を一緒に移動させる。このようにすることにより、どの位置からの撮影であっても、CCDカメラ33とリアルタイムライブビューモニタ34の互いの相対位置が変化しないので、利用者はCCDカメラ33に対して常に同じ角度でリアルタイムライブビューモニタ34に表示されるリアルタイムビューを閲覧することができる。つまり、CCDカメラ33とリアルタイムライブビューモニタ34が常に互いに近傍に位置するので、利用者は、どの位置からの撮影であっても、常に、撮影直前の自分自身の画像を、CCDカメラ33より大幅に視線をずらすことなく確認することができる。
また、このように撮影ユニット32ごと移動させることにより、CCDカメラ33の移動に対してリアルタイムライブビューモニタ34が邪魔になることがなく、リアルタイムライブビューモニタ34を容易に設置することができる。例えば、CCDカメラ33のみを移動させるようにした場合、その移動の邪魔にならないようにリアルタイムライブビューモニタ34の設置位置を決定する必要がある。ただし、あまりCCDカメラ33の位置と離れた位置にリアルタイムライブビューモニタ34を設置するようにすると、利用者がリアルタイムビューを見辛くなってしまう。従って、CCDカメラ33の移動を邪魔せず、さらに利用者が見易い位置にリアルタイムライブビューモニタ34を設置する必要がある。このように、CCDカメラ33のみを移動させるようにすると、リアルタイムライブビューモニタ34の設置可能な場所が限定されてしまう。これに対して写真シール作成装置1は、撮影ユニット32ごと移動させるので、リアルタイムライブビューモニタ34の設置場所を容易に決定することができ、製造コスト(開発コスト)の増加(換言すると収益率の低下)を抑制することができる。
また、図3に示されるように、正面11−1には撮影用モニタ37が設けられている。撮影用モニタ37は、CRTディスプレイやLCDにより構成され、撮影作業の設定を行う画面や設定内容の確認画面等が表示されるモニタである。なお、後述するように、撮影用モニタ37の表示面には無色透明の感圧式のタッチパネルが重畳されており、利用者は、画面上を指等によりタップ(接触)することにより、撮影用モニタ37に表示されているGUI(Graphical User Interface)画面を操作することができる。なお、上述の感圧式のタッチパネルの代わりに、電磁誘導式のタッチペンおよびタッチパネルを用いるようにしても良いし、撮影用モニタ37の近傍等に、スイッチ等の入力デバイスを撮影用モニタ37とは別に設けるようにしてもよい。もちろんそれ以外の入力デバイスを用いるようにしてもよい。
また、撮影用モニタ37には、撮影直後に、その撮影により得られた撮影画像(静止画像)がプレビュー画像として確認入力用のGUI等とともに表示される。つまり、CCDカメラ33が取り込んでいた取り込み画像(動画像)の撮影タイミングのフレーム画像が撮影画像として保持されると、その撮影画像がプレビュー画像として撮影用モニタ37に表示される。利用者は、その撮影用モニタ37に表示されたプレビュー画像を確認することにより、得られた撮影画像が満足のいくものであったか否か(取り直しを行うか否か)を確認する。利用者が撮影用モニタ37のタッチパネルを操作し、撮影用モニタ37に表示されたプレビュー画像の保存を許可した場合、その撮影画像が保存され、利用者が許可しなかった場合、その撮影画像は削除される。つまり、この機能により、利用者はより満足する画像を撮影画像として選択することができる。
なお、このプレビュー画像は、上述したように、同時に、リアルタイムライブビューモニタ34にも表示されるようにしてもよい。
さらに、正面11−1には、音声出力部38A、音声出力部38B、硬貨投入排出口39、ファン部40A、並びにファン部40Bが設けられている。音声出力部38Aおよび音声出力部38Bは、スピーカにより構成され、左右2チャンネル(互いに異なるチャンネル)の音声(例えば、撮影作業案内用音声やBGM(Back Ground Music))を出力する。以下において、音声出力部38Aおよび音声出力部38Bを区別して説明する必要の無い場合、それらをまとめて音声出力部38と称する。
硬貨投入排出口39は、利用者が写真シール作成のゲーム(後述するように撮影作業や編集作業等の、写真シールを写真シール作成装置1より提供されるまでの一連の作業)を開始するための、予め定められた所定の料金の硬貨を投入する開口部を有している。また、硬貨投入排出口39は、例えば、誤った金額の硬貨を投入された場合や、投入途中で利用者が料金の払い戻しを要求した場合に投入した硬貨が排出される排出口となる開口部も有している。なお、この硬貨投入排出口39は、正面11−1以外の面に設けるようにしてももちろんよいが、正面11−1に硬貨投入排出口39が設けられることにより、利用者が硬貨を投入した直後から、写真シール作成装置1は、ゲームに関する処理(撮影作業に関する処理)を開始することができる。なお、硬貨投入排出口39の代わりに、利用者が紙幣によって代金を支払うことができるように紙幣を投入可能な紙幣投入(排出)口を設けるようにしてももちろんよい。その紙幣投入(排出)口と上述の硬貨投入排出口39とを併用するようにしてももちろんよい。また、利用者が例えば、プリペイドカードやクレジットカード等により(現金以外の方法で)代金を支払うことができるような機構を設けるようにしてももちろんよい。
ファン部40Aおよびファン部40Bは、撮影作業を行う利用者に対して風を送る送風機により構成される。上述した照明部31−1乃至照明部31−6等、利用者が撮影作業を行う撮影空間には照明部が多数存在するため撮影空間の気温が上昇してしまう。そこで、撮影空間の気温上昇を低減させ、利用者が快適に撮影作業を行うことができるようにするために(利用者の満足度を向上させ、収益率を向上させるために)、ファン部40Aおよびファン部40Bは送風し、撮影空間の風を循環させる。なお、このファン部40Aおよびファン部40Bによる送風を、撮影作業時における撮影効果に用いるようにしてももちろん良い。ファン部40Aおよびファン部40Bの送風を、このような使い方をすることにより、撮影作業の娯楽性が増加するので、写真シール作成装置1は、利用者の満足度をさせ、収益率を向上させることができる。なお、以下において、特にファン部40Aとファン部40Bを互いに区別して説明する必要の無い場合、例えば「ファン部40Aおよびファン部40B」のように両方を指して説明するような場合、単にファン部40と称することもある。
図4は、照明部31−1乃至照明部31−6の配置姿勢について説明する図である。
図4Aは、第1ユニット11の上側から見た場合の照明部31の配置関係を示す図である。図4Aに示されるように照明部31−1乃至照明部31−6は、第1ユニット11の中央(点線50)を軸に線対称に配置されている。すなわち、左側の照明部31−1、照明部31−3、および照明部31−5(図示せず)と、右側の照明部31−2、照明部31−4、および照明部31−6(図示せず)は、互いに対称に(左右対称に)配置されている。また、各照明部31−1乃至照明部31−6は、それぞれ、撮影作業により得られる撮影画像の中心位置に向かって配置されている(光軸が設定されている)。
つまり、照明部31−1は、所定の角度で内側(右側)に向けられて配置されており、照明部31−1の光軸51は、第1ユニット11の中央を示す点線50と点Pで交差する。同様に、照明部31−2は、所定の角度で内側(左側)に向けられて配置されており、照明部31−2の光軸52は、第1ユニット11の中央を示す点線50と点Pで交差する。照明部31−3は、所定の角度で内側(右側)に向けられて配置されており、照明部31−3の光軸53は、第1ユニット11の中央を示す点線50と点Pで交差する。同様に、照明部31−4は、所定の角度で内側(左側)に向けられて配置されており、照明部31−4の光軸54は、第1ユニット11の中央を示す点線50と点Pで交差する。照明部31−5は、照明部31−1と重なっており、図4Aに図示されていない。つまり、この照明部31−5の光軸は、照明部31−1の光軸51と重なっており、光軸51と同様に点線50と点Pで交差する。照明部31−6は、照明部31−2と重なっており、図4Aに図示されていない。つまり、この照明部31−6の光軸は、照明部31−2の光軸52と重なっており、光軸52と同様に点線50と点Pで交差する。
図4Bは、第1ユニット11の横側(右側面11−2)から見た場合の照明部31の配置関係(高さ方向に関する配置関係)を示す図である。図4Bにおいて、照明部31−1、照明部31−3、および照明部31−6は、それぞれ、照明部31−2、照明部31−4、および照明部31−5に重なっている。
図4Bに示されるように、上段の照明部31−2(照明部31−1)は、所定の角度で斜め下方向に向けて配置され、中段の照明部31−4(照明部31−3)は、水平方向に向けて配置され、下段の照明部31−6(照明部31−5)は、所定の角度で斜め上方向に向けて配置されている。具体的には、照明部31−2の光軸52、照明部31−4の光軸54、および照明部31−6の光軸56は、所定の点Pにおいて互いに交差する。
つまり、照明部31−1乃至照明部31−6は、それぞれ、高さ方向においては照明部31−3の中心および照明部31−4の中心と同じ高さに位置し、横方向においては第1ユニット11の中心線50上に位置し、第1ユニット11の正面11−1から所定の距離離れた点Pに向かうように配置されている(光軸が設定されている)。
これにより、照明部31は、利用者(の顔)が位置する撮影空間の中央付近を、撮影ユニット32の位置に応じて上方向、中方向、または下方向から照射することができ、撮影画像に最適な光効果を与えることができる。
図5に示されるように、撮影ユニット32は、その位置に応じて撮影方向が変化する。つまり、例えば、図5Aに示されるように、ガイドレール35の移動方向に対して中央に位置する撮影ユニット32Aは、点線62Aのように水平方向(高さ方向に垂直な方向)に撮影を行う。また、図5Bに示されるように、ガイドレール35の移動方向に対して最も高い位置の撮影ユニット32B(撮影ユニット32Aの位置に対して両矢印61のように移動した撮影ユニット32B)は、点線62Aに対して所定の角度を有する点線62Bの方向(斜め下方向)に撮影を行う。さらに、図5Cに示されるように、ガイドレール35の移動方向に対して最も低い位置の撮影ユニット32C(撮影ユニット32Aの位置に対して両矢印63のように移動した撮影ユニット32C)は、点線62Aに対して所定の角度を有する点線62Cの方向(斜め上方向)に撮影を行う。
このようにすることにより、利用者は、このような撮影位置や撮影角度の変化に合わせた撮影時のポーズ(姿勢)の変化を楽しむことができるようになるので(例えば、上方に向かったポーズと下方に向かったポーズとの違いを楽しむことができるようになるので)、写真シール作成装置1は、撮影作業の娯楽性を増加させ、利用者の満足度を向上させることができる。
また、このような撮影作業により得られる撮影画像は、通常の水平方向の撮影画像だけでなく、上方からの撮影画像や、下方からの撮影画像等、変化に富んだ画像になるので、写真シール作成装置1は、提供する写真シールに対する利用者の満足度も向上させることができる。
また、照明部31は、図5に示されるように、撮影ユニット32の撮影時の位置によって発光方法が制御される。例えば、図5Aに示されるように、撮影ユニット32Aが点線62Aのように水平方向(高さ方向に垂直な方向)に撮影を行う場合(撮影ユニット32がガイドレール35の移動方向に対して中央の位置から撮影を行う場合)、中段の照明部31−3(および照明部31−4)は、予め設定された3段階の明るさの内、最大の明るさ(一番上の段階の明るさ)で発光するように制御され、上段の照明部31−1(照明部31−2)と、下段の照明部31−5(照明部31−6)は、その予め設定された3段階の明るさの内、中間の明るさ(2番目の段階の明るさ)で発光するように制御される。
これに対して、図5Bに示されるように、撮影ユニット32Bが点線62Aに対して所定の角度を有する点線62Bの方向(斜め下方向)に撮影を行う場合(撮影ユニット32がガイドレール35の移動方向に対して最も高い位置から撮影を行う場合)、この撮影ユニット32Bを囲む、上段の照明部31−1(および照明部31−2)、並びに、中段の照明部31−3(および照明部31−4)は、予め設定された3段階の明るさの内、最大の明るさ(一番上の段階の明るさ)で発光するように制御され、撮影ユニット32Bから遠い下段の照明部31−5(および照明部31−6)は、その予め設定された3段階の明るさの内、最小の明るさ(3番目の段階の明るさ)で発光(または非発光)するように制御される。
これに対して、図5Cに示されるように、撮影ユニット32Cが点線62Aに対して所定の角度を有する点線62Cの方向(斜め上方向)に撮影を行う場合(撮影ユニット32がガイドレール35の移動方向に対して最も高い位置から撮影を行う場合)、この撮影ユニット32Cを囲む、中段の照明部31−3(および照明部31−4)、並びに、下段の照明部31−5(および照明部31−6)は、予め設定された3段階の明るさの内、最大の明るさ(一番上の段階の明るさ)で発光するように制御され、撮影ユニット32Cから遠い上段の照明部31−1(および照明部31−2)は、その予め設定された3段階の明るさの内、最小の明るさ(3番目の段階の明るさ)で発光(または非発光)するように制御される。
このように、照明部31の発光を撮影ユニット32(CCDカメラ33)による撮影位置や撮影角度に応じて制御することにより、写真シール作成装置1は、より高画質な(綺麗な)撮影画像を得ることができる。これにより、写真シール作成装置1は、より高品質な写真シール(より高画質な撮影画像を用いて作成された写真シール)を利用者に提供することができるので、利用者の満足度を向上させ収益率を向上させることができる。
なお、照明部31の数は、6個に限らず、5個以下であっても7個以上であっても勿論良い。また、各照明部の発光タイミングは互いに同時でなくてもよい。
このように撮影位置および撮影角度を変化可能な撮影ユニット32により撮影を行う場合、撮影作業の娯楽性が向上する等の効果が生じるとともに、例えば天井や床等、背景画像に本来想定していない不要なものが撮影画像に写ってしまうという弊害も発生する。そこで、写真シール作成装置1は、この不要な背景画像に対して画像処理を行うが、その際の画像処理を容易にするために、撮影ユニット32の位置に応じて処理を行う。その詳細については後述する。
図6は、図1の第1ユニット11の背面11−3の構成例を示す図である。
図6において、背面11−3には、利用者が編集作業を行う際に利用するアイテムがまとめられた編集ユニット71が設置されている。編集ユニット71は、編集入力用モニタ72、2本のタッチペン73−1および73−2、並びに、2つの音声出力部74−1および74−2を有している。
編集入力用モニタ72は、CRTディスプレイやLCDにより構成され、後述するように、撮影空間における撮影作業により得られた撮影画像を編集するためのGUI画像(編集画面)等を表示する。この編集入力用モニタ72の画面上には無色透明のタッチパネル(電磁誘導式)が重畳されている。また、この編集入力用モニタ72の左右近傍には、このタッチパネルに対応するタッチペン73−1とタッチペン73−2が左右1本ずつ所定のアタッチメントにより編集ユニット71に着脱可能に固定されており、2人の利用者が同時に編集作業を行うことができるようになされている。
以下において、左右のタッチペン73−1およびタッチペン73−2を互いに区別して説明する必要の無い場合、それらをまとめてタッチペン73と称する。
タッチペン73は、編集ユニット71と有線(または無線)により電気的にも接続されている。タッチペン73は、編集入力用モニタ72の画面上に重畳された無色透明のタッチパネル(電磁誘導式)と連携して動作する。利用者がこれらのタッチペン73を操作して、編集入力用モニタ72に重畳されるタッチパネルをタップする(タッチペン73とタッチパネルを接触(または近接)させる)ことにより、これらは、利用者からの入力を受け付ける入力手段として動作する。
また、編集入力用モニタ72の下側近傍には、左右に並ぶように、音声出力部74−1および音声出力部74−2が設けられている。音声出力部74−1および音声出力部74−2は、それぞれスピーカにより構成され、左右2チャンネル(互いに異なるチャンネル)の音声(例えば、編集作業案内用音声やBGM)を出力する。以下において、音声出力部74−1および音声出力部74−2を区別して説明する必要の無い場合、それらをまとめて音声出力部74と称する。
図7は、第1ユニット11の右側面11−2の構成例を示す図である。
図7において、右側面11−2には、事後接客ユニッ80が設けられている。事後接客ユニット80には、事後接客用モニタ81、音声出力部82−1、および音声出力部82−2が設けられている。事後接客用モニタ81は、ゲームや付加サービスに対する個人設定等の入力に関するGUI画像を表示し、それに対する入力を受け付ける。音声出力部82−1および音声出力部82−2は、スピーカにより構成され、左右2チャンネル(互いに異なるチャンネル)の音声(例えば、事後接客用音声やBGM)を出力する。以下において、音声出力部82−1および音声出力部82−2を区別して説明する必要の無い場合、それらをまとめて音声出力部82と称する。
このような事後接客ユニット80を設けることにより、編集作業を終了し、印刷処理が終了してシールシートが排出されるまでの間待機する利用者は、この事後接客ユニット80による事後接客処理(ゲームや追加サービス等)によって、退屈せずに時間を過ごすことができる。これにより利用者の満足度が向上する。また、その利用者の満足度の向上が集客数の上昇に繋がることが期待できるので、店舗側としては収益性の向上を見込むことができる。
右側面11−2の事後接客ユニット80の下には、メンテナンス用ドア部83が設けられている。メンテナンス用ドア部83は、蝶番84−1および蝶番84−2を軸として回転するように開閉する。メンテナンス用ドア部83には、またドアノブ85も設けられており、メンテナンス用ドア部83の開閉を容易にしている。また、このドアノブ85に鍵機構を設けることにより、利用者等による不必要なメンテナンス用ドア部83の開閉を抑制することができる。
メンテナンス用ドア部83には、さらに、シール紙排出口86が設けられている。シール紙排出口86には、内部のプリンタで印刷された後排出されたシール紙がシール紙排出口86より飛び出さないようにする止め部87も設けられている。
図8は、第2ユニット12の外観を示す斜視図である。
図8において、第2ユニット12は、第1ユニット11に対する面(面11−1に対向する面)である正面12−1側をくり貫いたような構造になっている。すなわち、正面12−1のほぼ全体が開口しており、第2ユニット12の内部の一部も撮影空間として利用できるようになされている。
第2ユニット12の上部には、斜線で示されるように背景カーテンユニット91が設けられている。背景カーテンユニット91は、複数の背景カーテン92(利用者を撮影時にその背景として利用されるカーテン)の出し入れを制御するユニットであり、図9に示されるように、複数の背景カーテン92が巻きとられた状態で格納されている。図9の場合、背景カーテンユニット91には、軸111乃至軸115が設けられており、それぞれに互いに異なる色または模様の背景カーテン92が巻かれた状態で格納されている。
図示せぬ駆動部は、軸111乃至軸115のそれぞれを各軸の長手方向の中心軸を中心に回転させ、その軸に巻かれた背景カーテン92を上下させる。すなわち、カーテン出力穴93A乃至カーテン出力穴93Eのそれぞれより、互いに異なる色または模様のカーテンが、利用者の指示等に基づいて下ろされ出力される。
このとき、駆動部は背景カーテンユニット91に格納されている複数の背景カーテン92の内、いずれか1つを下ろすように制御する。例えば、図9に示されるように、利用者などにより軸111に巻かれている背景カーテンが背景として選択されると、駆動部は、軸111を回転させ、その背景カーテンを矢印92Aのように下ろすとともに、軸115を回転させ、それまで下ろしていた軸115の背景カーテンを矢印92Bのように巻き上げる。
これによって、利用者は、様々な色または模様の背景の撮影画像を容易に得ることができる。なお、この背景カーテンユニット91が出力を制御する背景カーテン92の数はいくつであってもよい(カーテン出力穴の数もいくつであってもよい)。
また、図8に示されるように、範囲101−1乃至範囲101−4で示される、第2ユニット12の背景カーテンユニット91より前方(第1ユニット11側)の部分には、撮影時に発光し、利用者のやや後方(の上方および側方)より光を照射する背景照明部102が構成されている。背景照明部102は、第2ユニット12の正面12−1の内側の面103、面104、および面105が発光する照明装置である。
面103は、撮影空間の天井の一部(背景カーテンユニット91の前方の一部分)を構成する面であり、面に垂直な方向が真下方向に対して所定の角度でやや前方を向くように、天井の他の部分に対して傾きを有している。すなわち、面103が発光することにより、撮影空間の面103のやや前方の位置で撮影作業を行う利用者は、そのやや後方の上側より照射される。
面104および面105は、撮影空間の側壁の一部(背景カーテンユニット91の前方の一部分)を構成する面であり、面に垂直な方向が真横方向に対して所定の角度でやや前方を向くように、側壁の他の部分に対して傾きを有している。すなわち、面104および面105が発光することにより、撮影空間の面104および面105のやや前方の位置で撮影作業を行う利用者は、そのやや後方の左右より照射される。
背景照明部102は、照明部31と同様に撮影処理部により制御されて、撮影タイミングに応じたタイミングで発光する。なお、このとき、撮影処理部は、背景照明部102が、面103、面104、および面105を、互いに同じタイミングで発光させるように制御してもよいし、互いに異なるタイミングで発光させるように制御してもよい。
以上のような筐体10を有する写真シール作成装置1は、上述した各部を利用者に利用させ、利用者に自分自身等の撮影作業、その撮影作業によりキャプチャされた撮影画像の編集入力作業、その編集入力作業に基づいて編集された撮影画像の印刷に関する設定入力作業、およびその他の作業をゲームとして行わせ、ゲームの結果として編集済みの撮影画像が印刷されたシール紙等を出力し、利用者に提供する。
その際、写真シール作成装置1は、このような撮影や編集の各作業を、利用者に、図2に示されるようにカーテンや筐体等で仕切られて形成される各空間を利用させて行わせる。後述するように写真シール作成装置1は、撮影空間、編集空間、および事後接客空間を1つずつ有しており、利用者を各空間に適宜案内し、作業を行わせることにより、複数組の利用者を同時に接客する(複数のゲームを同時に実行する)ことができる。
図10は、ゲーム中に利用者が、写真シール作成装置1が有する空間を移動する様子について説明する図である。
図10に示されるように、写真シール作成装置1は、撮影空間121、編集空間122、および事後接客空間123を有する。
撮影空間121は、図2において、筐体10の第1ユニット11、第2ユニット12、床部13および天井部21により囲まれる空間である(第2ユニット12内も一部含む)。この撮影空間121は、ゲーム中の利用者が、CCDカメラ33を用いて、自分自身を撮影する撮影作業をこの撮影空間121で行うための空間である。利用者は、写真シール作成装置1の案内等に従って、この撮影空間121に入場し、例えば代金を支払うことによってゲームを開始する。そして、ゲームを開始した利用者は、CCDカメラ33を用いて、自分自身を撮影する撮影作業をこの撮影空間で行う。なお、写真シール作成装置1は、この撮影空間121を形成し、この撮影空間121において撮影作業を行わせることにより、利用者に好適な撮影環境を提供することができるので、利用者の満足度を向上させることができる。なお、撮影空間121の広さは、少なくとも、数人の利用者が任意のポーズをとりながら撮影作業を行う(例えば、CCDカメラ33に近づいて顔中心の撮影を行ったり、CCDカメラ33より遠ざかり全身姿勢の撮影を行ったりする)ことができる程度の広さである。
編集空間122は、第1ユニット11の背面11−3と、カーテン23−1乃至カーテン23−4によりある程度囲まれて形成される背面11−3近傍の空間である。この編集空間122は、ゲーム中の利用者が、背面11−3に設置されている編集ユニット71を利用して編集入力作業を行うための空間である。編集作業の場合、利用者は編集ユニット71の前から移動する必要がない(編集作業は同じ位置で行うことができる)ので、この編集空間122は、撮影空間121と比較して狭く形成される。これにより、写真シール作成装置1の設置スペースが不要に増大するのを抑制することができる。
事後接客空間123は、第1ユニット11の右側面11−2と、カーテン26−1乃至カーテン26−4によりある程度囲まれて形成される右側面11−2近傍の空間である。この事後接客空間123は、ゲーム中の編集作業を終了した利用者が、案内に従って移動し、印刷が完了するまでの間に行われる事後接客に対する作業を行うための空間である。例えば、ゲームや撮影画像の電子メール転送等の設定入力作業が行われる。また、利用者は、この事後接客空間123において、シール紙排出口86より排出される写真シール紙(編集された撮影画像が印刷されたシール紙)を取得する。
次に、この図10を参照して、利用者が案内される様子(写真シール作成装置1の接客方法)を説明する。
上述したように、1つのゲームは、大きく分けて、利用者を撮影する撮影作業、撮影作業により得られた利用者の画像を編集する編集作業、および編集作業により編集した利用者の画像をシール紙に印刷する印刷作業(その待ち時間に行う事後接客も含む)の3つの行程により構成される。
まず、1組目の2人の利用者(A0およびB0)は、順番が回ってくると、案内に従うなどして撮影空間121に入場し、代金を支払ってゲームを開始し、撮影ユニット32の位置を上下させる等して撮影方向を設定したり、ポーズを取ったりして、撮影準備を行った後、その撮影ユニット32(CCDカメラ33)を利用して自分自身の撮影を行う(A1およびB1)。撮影作業が終了すると、この写真シール作成装置1は、撮影空間121の利用者(A1およびB1)に対して編集空間122への移動案内の画像を表示したり、移動を促すメッセージを音声出力したりする。利用者はその案内に従い、撮影空間121から退出して編集空間122に移動する。編集空間122に入場した利用者(A2およびB2)は、編集ユニット71を利用して撮影画像に対する編集作業を行う。そして、編集作業が終了すると、写真シール作成装置1は、編集空間122の利用者(A2およびB2)に対してシール紙排出口86近傍(事後接客ユニット80近傍)への移動案内(画像表示および音声出力による移動案内)を行う。利用者はその案内に従い、編集空間122から退出して事後接客空間123に移動する(A3およびB3)。事後接客空間123に移動した利用者(A3およびB3)は、事後接客ユニット80を操作して画像転送処理の設定作業等を行いながら、印刷されたシール紙が排出されるまで待機する。シール紙が排出されると、利用者はそのシール紙を受け取り、ゲームが終了する。
なお、1組目の利用者が撮影空間121から退出して編集空間122に移動すると、撮影空間121が空くので、その時点で、次に順番待ちをしていた利用者(A0およびB0)は、撮影空間121に入場し、ゲームを開始することができる(A1およびB1)。撮影空間121に入場した2組目の利用者(A1およびB1)は、1組目の利用者と同様に代金を支払ってゲームを開始し、撮影ユニット32(CCDカメラ33)を利用して自分自身の撮影を行う。撮影作業が終了すると、この写真シール作成装置1は、この時点で、編集空間122が使用中であるか否かを判定し、編集空間122が未使用である場合(1組目の利用者による編集作業が既に終了している場合)、撮影空間121の利用者(A1およびB1)に対して編集空間122への移動案内の画像を表示したり、移動を促すメッセージを音声出力したりする。利用者はその案内に従い、撮影空間121から退出して編集空間122に移動する。編集空間122に入場した2組目の利用者(A2およびB2)は、1組目の利用者と同様に、編集ユニット71を利用して撮影画像に対する編集作業を行う。
このように、写真シール作成装置1においては、撮影空間121と編集空間122を用いて、2組の利用者がそれぞれ撮影作業と編集作業を同時に行うことができる(2組の利用者による2つのゲームを並行して進行させることができる)。すなわち、写真シール作成装置1は、編集空間と撮影空間のそれぞれにおいて互いに異なる組の利用者を接客することができる。つまり写真シール作成装置1は、最大2組の利用者を同時に接客することができる。このことを以下において「2重接客」と称する。なお、写真シール作成装置1は、正確には、事後接客空間123の利用者も含めると3組の利用者を同時接客可能であるが、事後接客空間123の接客処理は後述するように短く、印刷待ち時間中の接客(所謂「おまけ処理」)であるので、ここでは同時接客数に含めないことにして説明を続ける。
図10の説明に戻り、2組目の利用者が編集空間122における編集作業を終了すると、写真シール作成装置1は、事後接客空間123の使用状況を調査し、事後接客空間123が未使用の場合、編集空間122の2組目の利用者(A2およびB2)に対して事後接客空間123への移動案内(画像表示および音声出力による移動案内)を行う。2組目利用者はその案内に従い、編集空間122から退出し、事後接客空間123に移動する(A3およびB3)。事後接客空間123に移動した利用者(A3およびB3)は、事後接客空間123を操作して画像転送処理の設定作業等を行いながら、印刷されたシール紙が排出されるまで待機する。シール紙がシール紙排出口86より排出されると、利用者はそのシール紙を受け取って事後接客空間123より退出し、ゲームが終了する。
つまり、この写真シール作成装置1によるゲーム処理のタイミングチャートは図11に示されるようになる。なお、図11において、1つのゲームは、3分間の撮影(撮影設定を含む)、3分間の編集(印刷設定を含む)、および1分間の印刷(事後接客)の行程(合計7分)からなるものとして説明する。
図11に示されるように、この写真シール作成装置1においては、基準時刻よりゲームを開始した1組目の利用者131が、タイミングチャート141のようにゲームを行い、1組目の利用者131の次に順番待ちをしていた2組目の利用者132が、タイミングチャート142のようにゲームを行い、2組目の利用者132の次に順番待ちをしていた3組目の利用者133が、タイミングチャート143のようにゲームを行う。つまり、各ゲームは7分間ずつ行われるものの、撮影空間121が使用可能になる度に新たなゲームが開始可能であるので、写真シール作成装置1は、1組目の利用者のゲームが開始されてから、3組目の利用者のゲームが終了するまでの処理を13分間で行うことができる(13分間で3組の利用者の接客を完了することができる)。
このように、複数の空間を用いて複数のグループの利用者を同時に接客する(複数のプレイを並行して進行させる)ことにより、写真シール作成装置1は、各利用者のゲームの作業時間(プレイ時間)を確保したまま回転率を向上させることができる。すなわち、写真シール作成装置1は、1つの空間において利用者を1組ずつ接客する装置と比較して、より効率良く接客することができ、ユーザの満足度を低下させずに回転率を向上させることができるので、写真シール作成装置1が設置された店舗の経営者は収益率の向上を望むことができる。
図12は、図1の写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。以上において説明した部分と同じ部分については、同じ番号を付し、その説明を省略する。
図12において、写真シール作成装置1は、バス151を介して互いに接続された、制御部161、制御情報記憶部162、画像データ保持部163、プレイ情報記憶部164、利用者情報記憶部165、硬貨部171、撮影部172、背景部173、編集部174、印刷部175、事後接客部176、通信部177、およびドライブ178により構成される。
制御部161は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する処理部であり、ゲーム管理部181、硬貨処理部182、撮影処理部183、編集処理部184、印刷処理部185、事後接客処理部186、および計時部187により構成される。
ゲーム管理部181は、写真シールを作成し利用者に提供するゲーム(写真シール作成ゲーム)の開始や終了等、進行状況の管理やデモンストレーション画面の制御に関する処理を実行する。硬貨処理部182は、利用者による硬貨投入に関する制御処理を行う。撮影処理部183は、主に第1ユニット11の正面11−1に設けられた各部や第2ユニット12に設けられた各部(撮影部172や背景部173)を制御し、ゲーム処理中の利用者の撮影作業に関する処理を実行する。編集処理部184は、主に編集部174を制御し、ゲーム処理中の利用者の編集作業に関する処理を実行する。印刷処理部185は、主に印刷部175を制御する等して、写真シール作成ゲーム中の印刷作業に関する処理を制御する。事後接客処理部186は、主に事後接客部176を制御して、利用者が印刷終了まで待機している間に行うサブゲームや追加サービスに関する処理を実行する。計時部187は、各部の要求に基づいて、あらゆる時刻情報を生成し、供給する等、時間制御に関する処理を行う。
制御情報記憶部162は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等により構成され、写真シール作成装置1全体を制御するプログラム(例えば、写真シール作成ゲームを実行するプログラム)やデータ等を記憶する。画像データ保持部163は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、またはRAM(Random Access Memory)等により構成され、CCDカメラ33により撮影されて得られた画像データを保持する。また、画像データ保持部163は、その保持している画像データを他の処理部に供給したり、他の処理部より供給された編集後の画像データを保持したりする。プレイ情報記憶部164は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、またはRAM等により構成され、写真シール作成ゲームの実行中(プレイ中)に発生した各種の情報(例えば、利用者が設定した、画像の明るさやサイズ等に関する設定情報)をプレイ情報としてそのプレイ毎に記憶し、管理する。つまり、プレイ情報記憶部164には、どのようなプレイが行われているかを示す情報(プレイ情報)と、各プレイにおいて必要な設定情報(プレイ情報ごとに管理される設定情報)が記憶される。利用者情報記憶部165は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、またはRAM等により構成され、例えば、事後接客処理において利用者が入力したメールアドレス等の個人情報をセキュアに記憶する。
なお、これらの記憶部の一部または全部が1つの記憶媒体により構成されるようにしてももちろんよいし、上述した各記憶部のそれぞれが複数の記憶媒体により構成されるようにしてもよい。
硬貨部171は、硬貨処理部182に制御され、硬貨投入排出口39における硬貨投入や硬貨排出等の処理を実行する。撮影部172は、撮影処理部183に制御されて、CCDカメラ33による撮影処理を行ったり、撮影により得られた画像データを表示したり、得られた画像データを、バス151を介して画像データ保持部163に供給したりする。背景部173は、撮影処理部183に制御されて、背景カーテンユニット91を駆動させて指定された背景カーテン92を下ろしたり、背景照明部102の発光部を発光させたりする。編集部174は、編集処理部184に制御され、編集ユニット71の各部を用いて画像表示、音声出力、および入力受付等の、撮影により得られた画像データに対する編集入力に関する処理を行う。
印刷部175は、プリンタを有しており、印刷処理部185等に制御され、所定のシール紙に、供給された編集済みの撮影画像等を含む印刷用データを印刷する処理等を行う。事後接客部176は、事後接客ユニット80を含み、事後接客処理部186に制御され、シール紙の印刷中に待機している利用者に対してゲームや追加サービス等を提供する。通信部177は、外部のネットワーク191(例えば、インターネット等)に接続され、例えば、撮影画像の配信等の際に、必要に応じて外部の装置と通信処理を行う。ドライブ178には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア192が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御情報記憶部162に保存されたり、インストールされたりする。
図13は、図12の撮影部172の詳細な構成例を示すブロック図である。
図13において、撮影部172は、音声出力制御部201、音声出力部38、照明制御部202、撮影ユニット32、表示制御部203、VRAM(Video Random Access Memory)204、撮影用モニタ37、タッチパネル205、タッチパネル制御部206、ファン部40、およびファン制御部207を有している。
音声出力制御部201は、バス151を介して撮影処理部183より供給される音声データに基づいてアナログ音声信号を生成し、それを音声出力部38に供給することによって、音声出力部38より音声を出力させる。照明制御部202は、照明部31の発光や蓄電を制御し、バス151を介して撮影処理部183より供給される制御データに基づいて、撮影タイミング(フレーム画像をキャプチャするタイミング)に応じた所定のタイミングで照明部31をストロボ発光させる。
表示制御部203は、バス151を介して撮影処理部183より供給されるGUI画像データ、画像データ保持部163より供給される撮影画像データ、または、CCDカメラ33より供給される取り込み動画像データに対して、適宜、VRAM204を用いて合成等の画像処理を行い、その画像処理により得られた画像(例えば、プレビュー画像)を撮影用モニタ37に表示させる。また、撮影用モニタ37の画面上には、タッチパネル205が重畳されている。そのタッチパネル205を制御するタッチパネル制御部206は、タッチパネル205を介して利用者が指定した位置を検知し、その位置情報を必要に応じてバス151を介して撮影処理部183に供給することによって利用者により入力された指示情報を撮影用モニタ37に表示される画像に反映させる。また、タッチパネル制御部206は、利用者により入力された位置情報により制御される情報が例えばカーソルの移動等のように簡易的な画像処理のみの場合、利用者により入力された位置情報を直接表示制御部203に供給することもできる。その場合、表示制御部203は、供給された位置情報に基づいてVRAM204に保持されている画像データを処理し、利用者の入力を簡易的に反映させた画像を撮影用モニタ37に表示させる。
ファン制御部207は、バス151を介して撮影処理部183に制御され、ファン部40を駆動させ(回転軸を軸として羽を回転させ)、撮影空間内に送風させる。
また撮影ユニット32に示されるように、CCDカメラ制御部211、CCDカメラ33、表示制御部212、リアルタイムライブビューモニタ34、VRAM213、および撮影ユニット駆動部214を有している。
CCDカメラ制御部211は、CCDカメラ33の動作を制御し、フォーカス位置を制御して画像を1フレームずつ取り込ませ、取り込んだフレーム画像を、動画像として表示制御部212に順次供給させたり、特定のフレーム画像を、撮影により得られた静止画像としてバス151を介して画像データ保持部163に供給させたりする。
表示制御部212は、リアルタイムライブビューモニタ34の表示を制御する。その際、表示制御部212は、バス151を介してCCDカメラ33より供給される画像データを1フレームずつVRAM213に蓄積させ、必要に応じて撮影処理部183より供給される合成用動画像データの1フレームの画像と合成させ、その合成画像をリアルタイムライブビューとしてリアルタイムライブビューモニタ34に表示させる。また、表示制御部212は、さらに、撮影直後に撮影画像をリアルタイムライブビューモニタ34にプレビューとして表示させるようにしてもよい。
撮影ユニット駆動部214は、バス151を介して撮影処理部183に制御され、撮影ユニット32を駆動してその位置を制御する。すなわち、撮影ユニット駆動部214は、ユーザ指示等に基づいて撮影処理部183より供給される制御情報を、バス151を介して取得し、その制御情報に従って撮影ユニット32をガイドレール35に沿って(両矢印36のように)駆動させる。このように撮影ユニット駆動部214が撮影ユニット32の位置を制御することにより、写真シール作成装置1は、上述したように被写体(利用者)を並行に撮影するだけでなく、上方から撮影したり、下方から撮影したりすることができる。
図14は、図12の背景部173の詳細な構成例を示すブロック図である。
図14において、背景部173は、背景照明部102、背景制御部211、および背景カーテンユニット91を有している。
背景制御部211は、バス151を介して撮影処理部183に制御され、背景照明部102の蓄電や発光、並びに背景カーテンユニット91の駆動(背景カーテン92の上下)を制御する。背景カーテンユニット91は、背景カーテン駆動部212および背景カーテン92を有している。背景カーテン駆動部212は、背景制御部211に制御されて駆動し、背景カーテン92の上げ下げを行う。このように、背景制御部211が撮影処理部183の制御に基づいて背景部173の各部の動作を制御することにより、写真シール作成装置1は、撮影の際に表現力豊かな背景を含む、高画質な撮影画像を得ることができ、その撮影画像を用いた写真シールを利用者に提供することができる。
図15は、図12の撮影処理部183の詳細な構成例を示すブロック図である。
図15において撮影処理部183は、撮影制御部221、設定入力対応処理部222、背景画像処理部223、リアルタイムライブビュー画像表示処理部224、撮影画像取得処理部225、プレビュー画像表示処理部226、画像保存処理部227、および移動案内処理部228を有している。
撮影制御部221は、撮影処理部183を構成する各部を制御し、写真シールを作成するゲームの一連の処理の内、撮影空間121において利用者により行われる利用者自身を被写体とする撮影作業に対する処理の進行を制御する。
設定入力対応処理部222は、撮影制御部221に制御されて、必要に応じてバス151を介して撮影部172を制御し、入力された各種の設定入力に関する対応処理を行う。例えば、設定入力対応処理部222は、タッチパネル205を介して入力された情報を受け付け、その入力情報を撮影制御部221に供給する等の処理を行う。
背景画像処理部223は、撮影制御部221に制御されて、得られた取り込み画像または撮影画像(すなわち、リアルタイムライブビュー画像(動画像)、または、プレビュー画像(静止画像)および撮影画像(静止画像))に含まれる背景画像に対する画像処理(不要な背景画像を除去する画像処理)を行う。背景画像処理部223は、カメラ位置情報取得部231、不要領域特定部232、不要画像特徴情報取得部233、不要画像特定部234、合成用背景画像取得部235、および背景画像合成部236を有している。
カメラ位置情報取得部231は、撮影制御部221を介して、撮影部172の撮影ユニット駆動部214が制御した撮影ユニット32(すなわちCCDカメラ33)の位置に関する情報を取得し、そのカメラ位置情報を不要領域特定部232に供給する。不要領域特定部232は、撮影制御部221を介して画像データ(取り込み画像または撮影画像のデータ)を取得し、その取得した画像(画像データ)と、カメラ位置情報取得部231より供給されたカメラ位置情報に基づいて、取り込み画像または撮影画像の、背景カーテン92以外の背景画像(ユーザが意図していない背景画像)が含まれる領域(以下、不要領域と称する)を特定する。また、不要領域特定部232は、その特定した領域の情報と画像データを不要画像特定部234に供給し、さらに、カメラ位置情報を不要画像特徴情報取得部233に供給し処理を開始させる。
なお、このカメラ位置情報と不要領域の範囲の関係は例えばテーブル情報等として予め用意されているようにしてもよい。
不要画像特徴情報取得部233は、撮影画像制御部221に対してカメラ位置情報を供給し、撮影画像制御部221から画像(撮影画像または取り込み画像)における背景カーテン92以外の背景画像(ユーザが意図していない背景画像)(以下、不要画像と称する)の特徴に関する情報を取得する。不要画像特徴情報取得部233は、取得した特徴情報を不要画像特定部234に供給する。
不要画像特定部234は、不要画像特徴情報取得部233より供給された特徴情報に基づいて、画像(取り込み画像または撮影画像)の不要領域特定部232より供給された不要領域内における不要画像を特定し、その特定結果と撮影画像データを背景画像合成部236に供給し、合成用背景画像取得部235に処理を開始させる。
合成用背景画像取得部235は、撮影制御部221を介して合成用の背景画像を必要に応じて取得し、取得した合成用背景画像を背景画像合成部236に供給する。背景画像合成部236は、不要画像特定部234より供給された撮影画像(撮影画像データ)の、同じく不要画像特定部234より供給された特定結果の位置に、合成用背景画像を合成し、合成結果を撮影制御部221に供給する。
撮影制御部221は、その合成結果をリアルタイムライブビュー画像表示処理部224に供給して、リアルタイムライブビューモニタ34に表示させたり、プレビュー画像表示処理部226に供給して、撮影用モニタ37に表示させたり、画像保存処理部227に供給して、画像データ保持部163に保持させたりする。
リアルタイムライブビュー画像表示処理部224は、撮影制御部221に制御されて、撮影部172を制御する等して、CCDカメラ33より取り込まれた取り込み画像(動画像)をリアルタイムビューとして逐次リアルタイムライブビューモニタ34に表示させる処理を行う。
撮影画像取得処理部225は、撮影制御部221に制御され、撮影部172を制御する等して、撮影画像の取得に関する処理を行う。つまり、撮影画像取得処理部225は、CCDカメラ33が取り込む取り込み画像の内、撮影タイミングの1枚のフレーム画像を静止画像の撮影画像として取り出し(キャプチャし)、その撮影画像のデータ(撮影画像データ)を、バス151を介して取得する。
プレビュー画像表示処理部226は、撮影制御部221に制御されて、撮影部172を制御する等して、撮影画像取得処理225によって取得された撮影画像をプレビューとして撮影用モニタ37(およびリアルタイムライブビューモニタ34)に表示させる。タッチパネル205を介した、この撮影用モニタ37に表示された画像に対する入力の受け付けに関する処理は設定入力対応処理部222により行われる。
画像保存処理部227は、撮影制御部221に制御されて、撮影制御部221に制御されて、撮影部172を制御する等して、撮影画像データを画像データ保持部163に保持させる処理を行う。移動案内処理部228は、撮影作業を終了させた撮影空間121の利用者を編集空間122に移動させるように案内する処理を実行する。
以下において、撮影画像の背景に関する処理の流れについて説明するために、写真シール作成装置1により実行される主な処理の流れを説明する。
写真シール作成装置1に電源が投入されると、最初に制御部161のゲーム管理部181は、ゲーム管理処理を実行して営業を開始し、写真シールを作成するゲームの受け付けを行う。
図16のフローチャートを参照して、ゲーム管理処理を説明する。
ゲーム管理処理を開始したゲーム管理部181は、ステップS1において、プレイ情報記憶部164に記憶されているプレイ情報等に基づいて、新たなプレイを開始可能であるか否かを判定する。前の利用者が撮影作業を終了させており、撮影空間121が未使用であり、新たなプレイを開始可能であると判定した場合、ゲーム管理部181は、処理をステップS2に進め、空いている撮影空間121の撮影用モニタ37にゲームの開始方法を案内するゲーム開始案内画面を表示させる。
ゲーム管理部181は、ステップS3において、事後接客中であるか否かを判定し、現在、事後接客作業を行っている利用者がおらず、事後接客中でないと判定した場合、ステップS4において、事後接客部176を制御し、筐体10の外部にいる利用者を撮影空間121内に誘導する(入場するように案内する)入場案内画面を事後接客用モニタ81に表示させる。ステップS4において入場案内画面を事後接客用モニタ81に表示させたゲーム管理部181は、処理をステップS5に進める。また、ステップS3において、事後接客作業中であると判定した場合、ゲーム管理部181は、ステップS4の処理を省略し、ステップS5に処理を進める。
ステップS5において、硬貨処理部182は、硬貨部171を制御して、ゲームの代金が投入されたか否かを判定し、投入されたと判定した場合、処理をステップS6に進める。ステップS6において、ゲーム管理部181は、写真シールを作成するゲームを利用者に行わせる写真シール作成ゲーム処理を開始し、処理をステップS7に進める。写真シール作成ゲーム処理については後述する。
また、ステップS5の処理において、代金が投入されていないと判定した場合、硬貨処理部182は、ステップS6の処理を省略し、ステップS7に処理を進める。
ステップS7において、ゲーム管理部181は、営業を終了する(写真シール作成装置1の開始受け付けを終了する)か否かを判定し、例えば管理者の指示により営業を終了すると判定した場合、ステップS8に処理を進め、終了処理を行い、各部の処理を停止し、電源を切断するなどして、ゲーム管理処理を終了する。ステップS7において、営業を終了しないと判定した場合、ゲーム管理部181は、ステップS1に処理を戻し、それ以降の処理を繰り返す。
また、ステップS1の処理において、例えば、前の利用者が撮影作業中であり、撮影空間121が使用中であるので新たなプレイを開始することができない場合など、新たなプレイを開始することができないと判定した場合、ゲーム管理部181は、処理をステップS9に進め、例えば、事後接客中であるか否かを判定し、事後接客中ではないと判定した場合、ステップS10において、事後接客部176を制御し、筐体10の外部にいる利用者に対して、撮影空間121への入場を禁止する(入場しないように案内する)入場案内画面を事後接客用モニタ81に表示させる。ステップS10において入場案内画面を事後接客用モニタ81に表示させたゲーム管理部181は、処理をステップS7に進め、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS9において、事後接客作業中であると判定した場合、ゲーム管理部181は、ステップS10の処理を省略し、ステップS7に処理を進める。
以上のように、ゲーム管理部181がこのようなゲーム管理処理を実行して、ゲームの進行を管理することにより、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの受け付けを正常に行うことができる。
次に、以上のようにして制御されて実行される写真シール作成ゲーム処理の主な流れを、図17のフローチャートを参照して説明する。
上述したように、この写真シール作成ゲーム処理は、利用者の各組に対して実行される。つまり、写真シール作成装置1は、「2重接客」が可能であるので、この写真シール作成ゲーム処理を最大3つ並行して実行することができる。この1つの写真シール作成ゲーム処理の実行をプレイと称する。図10や図11を参照して説明したように、利用者がプレイにおいて、撮影空間121、編集空間122、および事後接客空間123を移動しながら各空間で行う撮影作業、編集作業、および事後接客作業等に合わせて、この写真シール作成ゲーム処理を実行し、撮影、画像編集、印刷、および事後接客等の処理を行う。
写真シール作成ゲーム処理が開始されると、撮影処理部183は、ステップS31において、撮影部172の各部を制御し、撮影処理に必要な設定を行う撮影設定処理を行う。そして、撮影処理部183は、ステップS32において、撮影部172の各部を制御し、利用者に撮影作業を行わせるための撮影処理を実行する。撮影処理の詳細については後述する。
撮影作業が終了すると、ゲーム管理部181は、ステップS33において、撮影部172の撮影用モニタ37等を制御し、撮影空間121において撮影作業を終了した利用者に対して画像や音声等で編集空間122への移動を促す移動案内処理を行う。このとき、編集空間122において前の組の利用者が編集作業中であるか否かを判定し、編集中と判定した場合、ゲーム管理部181は、撮影用モニタ37等の撮影部172の各部を制御してミニゲーム等を利用者にプレイさせ、利用者を飽きさせないように待機させる。
編集空間122が未使用であり、編集空間122への移動が可能である場合においてゲーム管理部181が行う移動案内処理が終了すると、編集処理部184は、ステップS34において、編集空間122へ移動した利用者に、例えば、落書きやスタンプ等の、撮影画像に対する編集作業を行わせる編集処理を行う。
編集処理が完了すると、印刷処理部185は、ステップS35において、利用者にシール紙の分割数(印刷画像のレイアウト)を選択的に設定させる等の印刷設定処理を行う。印刷設定処理が終了すると、ゲーム管理部181は、ステップS36において、編集空間122の利用者を事後接客空間123に移動させるための移動案内処理を行う。移動案内処理が終了すると、印刷処理部185は、ステップS37において、印刷部175を制御し、印刷設定処理において設定された印刷設定に基づいて印刷処理を実行させ、編集された撮影画像を写真シール紙に印刷し、それを利用者に提供する処理を行う。
印刷処理が終了するまでの間、事後接客処理部186は、ステップS38において、事後接客空間123で印刷処理の終了を待つ利用者に対して事後接客処理を行い、編集済み画像の電子メール転送やミニゲーム等を実行する。
そして、印刷処理が終了すると印刷処理部185は、ステップS39において、印刷部175を制御し、シール紙を排出させ、写真シール作成ゲーム処理を終了する。
写真シール作成装置1の各部は、利用者の各組に対して、それぞれ、以上のような写真シール作成ゲーム処理を実行する。
次に、図17のステップS32において実行される撮影処理の流れを図18のフローチャートを参照して説明する。写真シール作成装置1は、この撮影処理において得られる撮影画像に含まれる不要な背景画像を除去する画像処理を行う。
撮影処理が開始されると撮影処理部183の撮影制御部221は、ステップS51において、ファン制御処理を開始し、バス151を介して撮影部172のファン制御部207を制御し、ファン部40のファンを回転させ、撮影空間121への送風を開始させる。
ステップS52において、撮影処理部183の設定入力対応処理部222は、設定入力対応処理を行って、撮影部172の各部を制御し、利用者が設定情報を入力するためのGUI画像を撮影用モニタ32に表示させたり、そのGUI画像に基づいて利用者により入力された入力情報を、タッチパネル205を介して取得したりする。例えば、撮影ユニット32の位置や向き等は、この設定入力対応処理において利用者等により指定されて、決定される。もちろん、撮影ユニット32は、撮影ユニット駆動部214等の制御により、その決定位置に位置するように必要に応じて移動される。
設定入力対応処理が完了し、撮影ユニット32による撮影位置および撮影方向等、撮影に関する各種の情報が決定されると、その位置での取り込み画像に対して(撮影制御部221の制御により撮影部172において得られた取り込み画像に対して)、背景画像処理部223は、背景画像処理を実行する。背景画像処理の詳細は後述する。
背景画像処理が終了すると、リアルタイムライブビュー画像表示処理部224は、撮影制御部221に制御され、ステップS54において、撮影部172の表示制御部212を制御してリアルタイムライブビュー画像表示処理を行い、撮影制御部221の制御により取り込まれ、背景画像処理が施された取り込み画像をリアルタイムライブビュー画像としてリアルタイムライブビューモニタ34に表示させる。
ステップS55において、撮影制御部221は、利用者の指示等に基づいて撮影を実行するか否かを判定し、撮影を実行しないと判定した場合、処理をステップS52に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS55において、利用者がGUI画像等に基づいて撮影指示を入力しており、撮影を実行すると判定した場合、撮影制御部221は、処理をステップS56に進める。
ステップS56において、撮影画像取得処理部225は、撮影制御部221に制御されて、撮影の準備を行う。例えば、撮影画像取得処理部225は、撮影部172の表示制御部203を制御し、利用者にポーズを取らせるように促すメッセージや、撮影タイミングを利用者に通知するカウントダウンインジケータを撮影用モニタ37等に表示させたり、音声出力部201を制御して音声出力部38よりBGMや音声メッセージを出力したり、照明制御部202を制御して照明部31に蓄電させたりする。また、撮影画像取得処理部225は、背景部173の背景制御部211を制御し、背景照明部102に蓄電させたり、背景カーテンユニット91の背景カーテン駆動部212を、選択された背景カーテン92を下ろし、それ以外のカーテンを巻き上げるように駆動させたりする。
そして、撮影画像取得処理部225は、撮影制御部221に制御され、ステップS57において、撮影画像取得処理を行い、撮影部172のCCDカメラ33により取り込まれる取り込み画像を静止画像としてキャプチャし、撮影画像データを取得する。つまり、撮影画像取得処理部225は、撮影部172を制御し、撮影タイミングに応じた所定のタイミングで音声や画像で撮影タイミングを利用者に告知し、照明部31を発光させる。また、撮影画像取得処理部225は、背景部173を制御し、撮影タイミングに応じた所定のタイミングで背景照明部102を発光させる。そして、撮影画像取得処理部225は、その撮影タイミングにおける取り込み画像を静止画像としてキャプチャして撮影画像としてキープするために、その撮影タイミングの取り込み画像に対応する画像データを撮影画像データとして撮影制御部221に供給し、保持させる。
ステップS58において、背景画像処理部223は、撮影制御部221に制御されて、その撮影画像取得処理部225により取得された撮影画像(撮影画像データ)に対してステップS53の処理と同様の背景画像処理を実行する。
背景画像処理が終了するとプレビュー画像表示処理部226は、ステップS59において、撮影制御部221に制御されて、プレビュー画像表示処理を行う。つまり、プレビュー画像表示処理部226は、撮影制御部221より背景画像処理が施された撮影画像データを取得し、それを撮影部172の表示制御部203に供給し、その撮影画像をプレビュー画像としてGUI画像とともに撮影用モニタ37に表示させる。利用者は、この撮影用モニタ37に表示されたプレビューを参照し、このプレビューとして表示された撮影画像を編集して印刷するために保存するか否かの指示を、プレビューの(撮影画像とともに表示された)GUI画像に従って(タッチパネル205を用いて)入力する。
ステップS60において、画像保存処理を行う。つまり、画像保存処理部227は、利用者に保存を指示された撮影画像データを撮影制御部221から取得し、それを、バス151を介して画像データ保持部163に供給し、保持させる。
ステップS61において、撮影制御部221は、撮影作業を終了するか否かを判定し、終了しないと判定した場合、処理をステップS52に戻し、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS61において、例えば、撮影作業の全工程が終了したり、所定の時間が経過したり、利用者により終了指示が入力されたりして、撮影作業を終了すると判定した場合、撮影処理部221は、処理をステップS62に進める。
ステップS62において、移動案内処理部228は、撮影制御部221に制御されて、移動案内処理を行う。つまり、移動案内処理部228は、例えば、撮影部172の表示制御部203を制御して利用者に対して編集空間への移動を促す移動案内画面を撮影用モニタ37に表示させたり、音声出力制御部201を制御して利用者に対して編集空間への移動を促す移動案内音声メッセージを音声出力部38より出力させたりする。
移動案内処理が終了すると、撮影制御部221は、撮影処理を終了し、図17のステップS32に処理を戻し、ステップS33以降の処理を実行させる。
以上のように撮影処理が行われる。つまり、写真シール作成装置1は、撮影処理において得られた取り込み画像(リアルタイムライブビュー画像)および撮影画像(プレビュー画像を含む)の両方に対して背景画像処理を行い、背景画像の不要な部分を除去する。このようにすることにより、編集作業後にシール紙に印刷される撮影画像の背景画像に不要な部分(例えば背景カーテン以外の、天井や床等の画像)が含まれないようにする(撮影画像(静止画像)を高画質化する)ことができるだけでなく、リアルタイムライブビューモニタ34に表示されるリアルタイムライブビュー画像の背景画像に不要な部分(例えば背景カーテン以外の、天井や床等の画像)が含まれないようにする(リアルタイムライブビュー画像(動画像)を高画質化する)ことができる。また、リアルタイムライブビューモニタ34に表示されるリアルタイムライブビュー画像、および、リアルタイムライブビューモニタ34や撮影用モニタ37に表示されるプレビュー画像と編集を行う撮影画像との差を小さくすることができるので、利用者はリアルタイムライブビュー画像やプレビュー画像で確認したのと同様の画像を撮影画像として得ることができる。
これにより写真シール作成装置1は、利用者に高画質な撮影画像を用いた高品質の写真シールを提供するとともに、利用者がその高画質なリアルタイムライブビュー画像やプレビュー画像(撮影画像と同じ画像のリアルタイムライブビュー画像やプレビュー画像)で確認しながら撮影作業を行うことができるようにするので、利用者の満足度を向上させ、再度利用したいと思わせるようにし、収益率を向上させることができる。
次に、図18のステップS53およびステップS58において実行される背景画像処理の詳細を図19のフローチャートを参照して説明する。
背景画像処理が開始されると、背景画像処理部223のカメラ位置情報取得部231は、ステップS81において、撮影ユニット32(CCDカメラ33)の位置に関する情報であるカメラ位置情報を撮影制御部221より取得する。つまり、カメラ位置情報取得部231は、設定入力対応処理部222が実行する設定入力対応処理により設定され、撮影制御部221に保持されているカメラ位置情報を、撮影制御部221に対して要求する。そして、そのカメラ位置情報(撮影ユニット32がガイドレール35のどの位置にあるかを示す情報)を取得すると、そのカメラ位置情報を不要領域特定部232に供給する。
カメラ位置情報を供給された不要領域特定部232は、ステップS82において、撮影制御部221より画像(取り込み画像または撮影画像)を取得すると、カメラ位置情報取得部231より供給されたカメラ位置情報に基づいて、その画像(取り込み画像または撮影画像)の不要領域(画像における、撮影空間121の天井や床等の不要画像が含まれる可能性のある領域)を特定する。
つまり、撮影ユニット32(CCDカメラ33)はガイドレール35に沿って移動するため、その位置に応じて撮影方向も決定される。天井や床等と背景カーテンの位置関係は固定されているので、取り込み画像や撮影画像の不要領域は、撮影ユニット32(CCDカメラ33)の位置によって決定される。
なお、上述したように背景カーテンユニット91が複数の背景カーテン92を選択的に背景として提供することができる場合、正確には、各背景カーテン92が出力されるカーテン出力穴93が互いに異なるので、各背景カーテン92の位置は互いに異なる。従って、背景として選択された背景カーテン92の種類によって不要領域の位置が大きく異なる場合も考えられるので、その場合、背景として使用されている背景カーテン92の位置に関する情報も不要領域の特定要素に含めるようにしてもよい。逆に、その背景カーテン92による不要領域の変化が誤差程度であれば、不要領域特定部232が背景カーテン92の位置を無視して不要領域を特定するようにしてもよい。
不要領域を特定すると不要領域特定部232は、画像(取り込み画像または撮影画像)と、その不要領域に関する情報を不要画像特定部234に供給し、カメラ位置情報を不要画像特徴情報取得部232に供給し、処理をステップS83に進める。不要画像特徴情報取得部233は、ステップS83において、不要領域特定部232より供給されたカメラ位置情報に基づいて、撮影制御部221より不要画像特徴情報を取得する。
上述したように撮影ユニット32(CCDカメラ33)の位置によって不要領域が特定される。つまり、撮影ユニット32(CCDカメラ33)の位置によって何が写るかも決定され、また、各不要画像の特徴(色や模様等)も予め決まっているので、不要画像特徴情報取得部233は、不要領域特定部232より供給されたカメラ位置情報を撮影制御部221に提供し、不要画像の特徴(色や模様等)を示す情報である不要画像特徴情報を撮影制御部221より取得する。不要画像特徴情報を取得した不要画像特徴情報取得部233は、その不要画像特徴情報を不要画像特定部234に供給し、処理をステップS84に進める。
ステップS84において、不要画像特定部234は、不要画像特徴情報取得部233より供給された不要画像特徴情報に基づいて、不要領域特定部232より供給された不要領域内における不要画像の部分を特定し、その特定結果と画像データを背景画像合成部236に供給し、処理をステップS85に進める。
ステップS85において、合成用背景画像取得部235は、撮影制御部221を介して合成用の背景画像を必要に応じて取得し、用意した合成用背景画像を背景画像合成部236に供給する。背景画像合成部236は、ステップS86において、不要画像特定部234より供給された画像(画像データ)の、同じく不要画像特定部234より供給された特定結果の位置(不要画像の部分)に、合成用背景画像を合成し、合成結果を撮影制御部221に供給する。画像を合成することにより、取り込み画像または撮影画像に含まれる不要画像(撮影空間121の天井や床等の背景カーテン92以外の本来意図していない画像)を画像データより除去した背景画像合成部236は、背景画像処理を終了し、処理を図18のステップS53またはステップS58に戻し、それ以降の処理を実行させる。
つまり、ステップS53において実行された背景画像処理が終了すると、ステップS54以降の処理が実行され、ステップS58において実行された背景画像処理が終了すると、ステップS59以降の処理が実行される。
以上の背景画像処理について具体的な例を説明する。図20Aに示されるように、撮影ユニット32B(ガイドレール35に沿った可動範囲の一番上に位置する撮影ユニット32)は、被写体である利用者241を(被写体241の上方から)水平方向より下方向に向かって両矢印242で示される範囲の画像を撮影する(取り込む)。従って、撮影ユニット32BのCCDカメラ33により得られる画像(取り込み画像および撮影画像)には、背景カーテン92の他に、撮影空間121の床である床部13も撮影範囲242内に含まれてしまう。つまり、図20Bに示されるように、この撮影ユニット32Bにより撮影された(取り込まれた)画像251には、利用者241の背景として、背景カーテン92より下の部分(床部13等)が含まれてしまう。この画像251における背景カーテン92より下の部分が不要領域252である。そして図21Aに示されるように、この不要領域252の利用者241以外の部分(つまり、背景の部分)が不要画像253(不要画像253A乃至不要画像253C)である。
上述したように背景画像処理部223は、図19のステップS81乃至ステップS84の処理を実行して、この不要画像253を特定する。そして、背景画像処理部223は、図21Bに示されるように、ステップS85およびステップS86の処理を実行して、この不要画像253の部分に合成用画像254(合成用画像254A乃至合成用画像254C)を合成する(不要画像253を合成用画像254に置き換える)。このとき、合成用画像254の色や模様を背景カーテン92の色や模様と同じものにすることにより、画像251の背景は、図21Cに示されるように、1つの背景画像255となる。
このように背景画像処理部223が背景画像の不要画像を画像処理することにより、取り込み画像または撮影画像は、図21Cの画像251のように不要画像を含まない画像となる。従って、利用者は不要画像を含まない高画質なリアルタイムライブビュー画像、プレビュー画像、および撮影画像(さらにその撮影画像が印刷された写真シール)を得ることができる。このように、写真シール作成装置1は、利用者の満足度を向上させ、収益率を向上させることができる。
また、上述したような背景処理により不要画像を除去するので、写真シール作成装置1は、細かな撮影範囲の設定やズーム等の特殊な機能が不要であり、かつ、容易な処理により不要画像を取り込み画像や撮影画像より除去することができる(不要画像の除去に複雑な演算処理を必要としない)。つまり、写真シール作成装置1は、開発コストや製造コストの増大を抑制しながら、利用者の満足度を向上させ、収益率を向上させることができる。さらに、背景画像処理が容易であり複雑でないため、処理の負荷が軽減でき、製造コストや運用コストを低減できるだけでなく、背景画像処理による処理時間の増大を抑制することもできる。つまり、写真シール作成装置1は、この背景画像処理による、ゲームの代金の上昇を抑制するだけでなく、回転率の低下も抑制することができる。
以上の結果として、本発明の写真シール作成装置1は、顕著に利用者の満足度を向上させることができ、集客数を上昇させることが期待できるので、店舗側としては収益性の向上を見込むことができる。
なお、例えば、図21Dに示されるように、図21Cの背景画像255の部分に、さらに他の色や模様の背景画像256を合成するようにしてもよい。また、以上の図20および図21においては、背景画像の模様として規則的な柄を用いて説明したが、背景画像はどのような絵柄であってもよく、不規則な柄の画像であっても良いし、複数の色や柄により構成されるようにしてもよい。例えば、図21Eに示されるように、不要画像253に背景カーテン92と異なる色や模様の背景画像257(背景画像257A乃至背景画像257C)を合成するようにしてもよい。例えば、不要画像253に特定色(例えば黒色)の背景画像257(背景画像257A乃至背景画像257C)が合成されるようにしてもよい。つまり、この場合の背景画像は、不要領域252と背景カーテン92の領域とで色や模様が互いに異なる、2色(2柄)の画像となる。なお、合成される画像は、柄のない塗りつぶし画像や半透明の画像であってももちろんよい。
以上においては、撮影ユニット32B(ガイドレール35に沿った可動範囲の一番上に位置する撮影ユニット32)による撮影(画像の取り込み)について説明したが、撮影ユニット32が他の位置に位置する場合であっても背景画像は基本的に同様に処理される。ただし、撮影ユニット32の位置によって、取り込み画像や撮影画像である画像251における不要画像253が存在する不要領域252の場所(範囲)が異なる。
例えば、図22Aに示されるように、撮影ユニット32A(ガイドレール35に沿った可動範囲の中央に位置する撮影ユニット32)による撮影(画像の取り込み)の場合、撮影ユニット32A(のCCDカメラ33)は、水平方向を向き、その水平方向を上下方向の中心とする両矢印261で示される範囲の画像を撮影する(取り込む)。従って、撮影ユニット32AのCCDカメラ33により得られる画像251(取り込み画像および撮影画像)には、図22Bに示されるように、利用者241の背景として、背景カーテン92より上の部分と下の部分が含まれてしまう。この画像251における背景カーテン92より上の部分が不要領域271であり、背景カーテン92の下の部分が不要領域272である。つまりこの場合、画像251には不要領域が2つ(複数)存在する。これらの不要領域271および不要領域272の利用者241以外の部分が不要画像であり、その部分には背景画像処理部223の処理により、図19乃至図21を参照して説明した場合と同様に合成用画像等が合成される。
また、図23Aに示されるように、撮影ユニット32C(ガイドレール35に沿った可動範囲の一番下に位置する撮影ユニット32)による撮影(画像の取り込み)の場合、撮影ユニット32C(のCCDカメラ33)は、水平方向に対して所定の角度上(斜め上)を向き、その斜め上方向の中心とする両矢印281で示される範囲の画像を撮影する(取り込む)。従って、撮影ユニット32CのCCDカメラ33により得られる画像251(取り込み画像および撮影画像)には、図23Bに示されるように、利用者241の背景として、背景カーテン92より上の部分(例えば天井等)が含まれてしまう。この画像251における背景カーテン92より上の部分が不要領域291である。この不要領域291の利用者241以外の部分が不要画像であり、その部分には背景画像処理部223の処理により、図19乃至図21を参照して説明した場合と同様に合成用画像等が合成される。
なお、以上においては、背景画像処理部223が、画像251において不要領域252を特定してから不要画像253を特定するように説明したが、不要領域252の特定(図15の不要領域特定部232および図19のステップS82の処理)を省略するようにしてもよい。その場合、背景画像処理部223は、画像251の全体から、不要画像特徴情報に該当する色や模様等の特徴を有する部分を不要画像255として特定する。
また、背景画像処理部223は、この不要画像の特徴情報として、利用者がいない状態で予め撮影され保持されている、処理対象の画像と同じ範囲の画像(すなわち、撮影ユニット32の位置や方向が同じ状態で取り込まれた背景画像)を用いるようにしてもよい。そして、背景画像処理において、この予め用意された背景画像と、処理対象の画像の特徴を比較し、一致または近似する画素を背景画像(背景カーテン92以外の部分は不要画像)とするようにしてもよい。
さらに、これ以外にも、例えば、不要領域を削除する(画像サイズを小さくする)ことにより、不要画像を画像から削除するようにしてもよい。つまり、この場合、背景画像処理部223は、図19のステップS82において取り込み画像や撮影画像の不要領域を特定した後、ステップS83乃至ステップS86の処理を実行する代わりに、その特定した不要領域以外の部分(背景画像として背景カーテン92が写っている領域)を切り出し、その部分画像を取り込み画像や撮影画像として採用する(不要領域の画像を削除する)。例えば、CCDカメラ33により図24Aに示されるような画像251が取り込まれた場合、背景画像処理部223は、この画像251について、背景画像として背景カーテン92以外のものが写っている領域を不要領域302として特定して削除し、不要領域302以外の部分、すなわち、背景画像として背景カーテン92が写っている領域301を取り込み画像や撮影画像として切り出す(図24B)。つまり、この場合、リアルタイムライブビュー画像として表示される取り込み画像や、プレビュー画像として表示されたり落書き編集されたりする撮影画像は、図24Bに示される、領域301の画像により構成される画像311となる。
この場合の、撮影処理部183の構成例を示すブロック図を図25に示す。図25において、撮影処理部183の背景画像処理部223は、カメラ位置情報取得部231、不要領域特定部232、および不要領域削除部321により構成される。
不要領域削除部321は、撮影制御部221に制御され、不要領域特定部232より供給される不要領域の特定結果と、画像データに基づいて、CCDカメラ33により取り込まれた画像から不要領域を削除し、切り出した不要領域以外の部分の画像(画像データ)を取り込み画像や撮影画像として、撮影制御部221に供給する。
この場合の、背景画像処理の流れの例を、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップS111において、カメラ位置情報取得部231は、撮影制御部221よりカメラ位置情報取得すると、その情報を不要領域特定部232に供給する。不要領域特定部232は、ステップS112において、撮影制御部221よりCCDカメラ33により取り込まれた画像の画像データを取得すると、その画像データの画像の不要領域を、カメラ位置情報に基づいて特定する。不要領域を特定すると、不要領域特定部232は、その特定結果と画像データを不要領域削除部321に供給する。不要領域削除部321は、ステップS113において、不要領域特定部232より供給される不要領域の特定結果と、画像データに基づいて、CCDカメラ33により取り込まれた画像から不要領域を削除し、切り出した不要領域以外の部分の画像(画像データ)を取り込み画像や撮影画像として、撮影制御部221に供給する。不要領域を削除した不要領域削除部321は、背景画像処理を終了し、図18のステップS53またはステップS58に処理を戻し、それ以降の処理を実行させる。
以上のようにすることにより、背景画像処理部223は、さらに容易に背景画像処理を実行することができ、処理の負荷を軽減させることができる。これにより、写真シール作成装置1は、開発や運用のコストを増大させずに利用者の満足度を向上させ、収益率を向上させることができる。
なお、図24にしめされるように、画像311の画像サイズは、当然、画像251の画像サイズより小さくなる。従って、この場合、CCDカメラ33の画素数が多い方が、切り出し前の画像(CCDカメラ33において取り込まれた時点の画像251)の画像サイズを大きくすることができ、結果として、切り出し後の画像311の画像サイズが小さくなりすぎることを抑制することができる(すなわち、高画質な取り込み画像や撮影画像を提供することができる)ので望ましい。
また、不要領域の削除により画像の中心位置がずれることが想定されるが、リアルタイムライブビュー画像やプレビュー画像も撮影画像と同様に切り出された画像が使用されるので、利用者は、そのリアルタイムライブビュー画像やプレビュー画像で中心位置を確認しながら撮影作業を行うことができる(画像の切り出しにより利用者の顔画像が削除されてしまうことを抑制することができる)。すなわち、リアルタイムライブビュー画像(取り込み画像)やプレビュー画像と撮影画像を同様に背景画像処理するので、写真シール作成装置1は、利用者に負荷をかけることなく、この切り出しを行うことができる。この結果として、写真シール作成装置1は、利用者の満足度を向上させることができ、収益率を向上させることができる。
さらに、撮影ユニット32の撮影位置や撮影方向によって不要領域の大きさが異なり、切り出された画像の画像サイズが変化してしまうことも考えられる。その場合、切り出された画像サイズを調整(リサイズ)するようにしてもよい。その場合、写真シール作成装置1は、画像の縦横比を保つようにサイズ変更してもよいし、画像の縦横比を考慮せずにサイズ変更するようにしてもよい。
以上のような写真シール作成装置1において、撮影空間や編集空間の数はいくつであってもよく、最大同時接客数も3重以上にすることも可能である。また、各空間を1つの空間で兼用するようにしてももちろんよい。また、1つの編集ユニットに複数のモニタや3本以上のタッチペンが設けられるようにしてももちろんよい。また、各編集ユニットが有する機能(または各編集画面のパレットの内容)が互いに異なるようにしてもよい。
さらに、例えば、事前入力部等、写真シール作成装置1が上述した以外の構成を有するようにしてもよい。また、筐体10を構成するユニット数もいくつであってもよい。
また、以上においてはガイドレール35が円弧状の一部のように湾曲しているように説明したがガイドレール35の形状はどのようなものであってもよく、撮影ユニット32を、縦方向、横方向、および回転方向等、どのように移動させる(ガイドする)ようにしてもよいし、移動に伴う撮影方向の変化も任意である。また、撮影ユニット32の撮影位置と撮影方向が互いに独立して変更可能であるようにしてももちろんよい。
さらに、以上において、背景画像処理部223は、不要領域か否かを画像の縦方向で分割するようにしたが、これに限らず、例えば、横方向で分割するようにしてもよいし、縦方向および横方向の両方で分割するようにしてもよいし、斜め方向等他の方向も分割可能な方向としてもよい。さらに、不要領域は矩形でなくてもよく、その境界線が曲線を含むようにしてももちろんよい。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークやリムーバブルメディア等の記録媒体からインストールされる。
以上において、印刷媒体は、シール紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙や、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
従って、例えば、図17のフローチャートにおいて、印刷設定処理(ステップS35の処理)を撮影処理(ステップS32の処理)の前に行うようにしてもよい。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。