JP2006154921A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小さい押圧力であってもタッチパネル額縁部の確実な防水を可能にする部材を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】 タッチパネル10と筐体30との間には、電子機器1の内部への水分及び塵埃等の進入を防止するためのシート状の部材40が配置される。より詳細にはシート状部材40は、タッチパネル10の額縁部14の励振部18と筐体30のフレーム34との間に挟まれて、タッチパネル10の操作面12に付着した水分や汚れ、又は雰囲気中の塵埃等が直接、タッチパネルの額縁部14さらには電子機器1の内部に進入することを防止する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、タッチパネルが実装された電子機器に関する。
従来、電子機器等へのタッチパネルの実装においては、特にタッチパネル額縁部に防水性が要求される場合、弾性のパッキン又は両面粘着テープ等のシール材を介して額縁部を電子機器の筐体に押付ける方法が採られている。例えば特許文献1には、ケースとタッチパネル入力部との間に挟持されたゴム又はゴム発泡体等の弾性のシール材を備えた電子機器が開示されている。また特許文献2には、タッチパネル周囲の防水、防滴及び防塵機能を高めるために、独立気泡を有するスポンジ状のパッキンを筐体とタッチパネルとの間に挟んで潰すことを含む固定方法が開示されている。
特開平8−6503号公報 特開平10−207630号公報
特許文献1及び2に記載されるように、タッチパネル額縁部と筐体との間にゴム又はスポンジ状の弾性のシール材を挿入する場合は、確実な防水性を得るために相当に大きな力を加えてシール材を圧縮しなければならない。このことは、タッチパネルの損傷又は撓みの原因となり得る。逆にシール材にかかる押圧力が小さければ、タッチパネル額縁部から内部への水分の進入が生じやすくなり、故障の原因となる。また弾性のシール材の代わりに両面テープを使用した場合は、両面テープを一度貼り合わせた後に剥離することが容易でなく、故にタッチパネル交換時の作業効率が悪い。
また、使用されるタッチパネルが座標検出に表面弾性波(以降、SAWと略称する)を利用する種類のもの(いわゆるSAW方式タッチパネル)であるときは、タッチパネル額縁部にはSAWを送受信するための励振部又はトランスデューサ、及びSAWを反射するリフレクタが配置され、多くの場合シール材はトランスデューサ及びリフレクタの上に押付けられる。一般に、トランスデューサ及びリフレクタに押付けられたゴムパッキンや両面テープ等のシール材はSAWをいくらか吸収してSAWを減衰させてしまうので、SAWの効率的な伝播が行えなくなる場合がある。
そこで本発明は、小さい押圧力であってもタッチパネル額縁部の確実な防水を可能にする部材を備えた電子機器を提供する。さらに本発明は、タッチパネルがSAW方式である場合にSAWの不都合な吸収を従来よりも大幅に低減できる電子機器を提供する。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、額縁部を備えたタッチパネルと、前記額縁部を覆うフレームと、前記タッチパネルの前記額縁部と前記フレームとの間に設けられる防水構造体と、を備えた電子機器において、前記防水構造体の前記額縁部に当接する面は、微細な凹凸を有するとともに撥水性を有することを特徴とする、電子機器を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、前記フレームと前記タッチパネルの前記額縁部との間に、前記防水構造体より柔軟性の低いシール材をさらに有する、電子機器を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子機器において、前記タッチパネルは、表面弾性波のための励振部及び伝送部を前記額縁部に備えた表面弾性波方式のタッチパネルである、電子機器を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項2に従属するときの請求項3に記載の電子機器において、前記シール材は、前記励振部が形成されていない前記タッチパネルの前記額縁部の部分と前記フレームとの間に配置される、電子機器を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の電子機器において、前記フレームと前記タッチパネルの前記額縁部の前記励振部との間にキャビティを備える、電子機器を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電子機器において、前記キャビティは、前記フレームに一体的に形成された凸部が前記タッチパネルの表面に当接することにより画定される、電子機器を提供する。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の電子機器において、前記フレーム部と、前記励振部が形成されていない前記タッチパネルの前記額縁部との間に、表面弾性波を吸収する吸音材をさらに有する、電子機器を提供する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子機器において、前記防水構造体は、前記タッチパネルの前記額縁部と前記フレームとの間に挟持されたシート状部材である、電子機器を提供する。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電子機器において、前記シート状部材は織布又は不織布から形成され、該織布又は不織布の前記額縁部に当接する面には撥水処理が施される、電子機器を提供する。
本発明によれば、微小な凹凸を備えた撥水性の表面を備えた部材をタッチパネル表面に当接させることにより、比較的小さい押圧力であってもタッチパネル額縁部の防水を確実にする、電子機器が提供される。
またタッチパネルがSAW方式である場合には、部材の表面が凹凸を備えることによりSAWの不都合な吸収を大きく抑制することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1(a)に示す本発明に係る電子機器1は、操作面12及び額縁部14を備えたタッチパネル10と、タッチパネル10の額縁部14を把持してタッチパネル10を電子機器1の所定位置に保持する上蓋又は筐体30を有する。多くの場合、タッチパネル10の操作面の裏側には図示しない適当なディスプレイ装置が配置される。以降は、タッチパネル10はSAW方式タッチパネルであるとして説明する。従ってタッチパネル10の額縁部14は、図1(b)に示すように、例えば山形の歯16を複数備えたシェブロン電極等の励振部18と、励振部18のさらに外側に設けられる配線電極等の伝送部20とを有する。
図1(a)の2−2断面を示す図2に示されるように、筐体30は、タッチパネル10の操作面12を外部に露出させるための開口部32を有し、さらにタッチパネル10の額縁部14に形成されたシェブロン電極18を覆って保護するためのフレーム34を有する。なお図2に示すように、フレーム34は、額縁部14近傍の操作面12への操作者によるアプローチ性向上等のために、また、タッチパネル表面に付着した水滴がフレーム34上に留まりにくくするために、フレーム34の周縁から開口部32に向かう方向に下り勾配を備えたテーパ形状を有することが好ましい。
図2に示されるように、タッチパネル10の額縁部14と筐体30との間には、電子機器1の内部への水分及び塵埃等の進入を防止するための防水構造体すなわちシート状の部材40が配置される。より詳細にはシート状部材40は、タッチパネル10の額縁部14と筐体30のフレーム34との間に挟まれて、タッチパネル10の操作面12に付着した水分や汚れ、又は雰囲気中の塵埃等が直接、タッチパネル10の額縁部14さらには電子機器1の内部に進入することを防止する。
シート状部材40は、好ましくは0.2〜1mmの厚さを有し、図2に誇張して示すように、タッチパネル10側に接するその第1表面42に微細な凹凸を有する。この凹凸により、タッチパネル実装時の状態において、部材40とタッチパネル10の表面又はシェブロン電極18との間に50μm程度の隙間dが多数形成される。このような寸法の隙間dには、そこに接触した水分を表面張力により保持する作用があるため、図2における右側すなわち電子機器1内部への望ましくない水分等の進入を効果的に防止することができる。さらにシート状部材40を撥水性材料から作製するか又はシート状部材40の第1表面42に撥水処理を施すことにより、表面張力をさらに高めることができ、より高い防水効果を得ることができる。また部材40は上述のように50μm程度の隙間ができるように比較的弱い力で挟持されるので、従来のように強い力で押圧されることはなく、故にタッチパネル10に過大なストレスがかかるリスクも回避できる。
またシート状部材40の第1表面42の凹凸のピッチp2は、図1(b)に示すシェブロン電極18の複数の山形の歯16のピッチp1(例えば約150μm)より短いことが好ましい。このような凹凸であれば、シート状部材40の第1表面42が電極18に押付けられたときでも1つの凸部が複数の歯16にわたって接するような場合は殆どない。SAWの不都合な吸収が生じるのは複数の歯16にわたって接触するような部位が多く存在する場合であるので、本発明に係るシート状部材を用いることによりSAWの不都合な吸収は大きく低減することができる。このような凹凸表面を備えかつ上述の隙間dを形成可能なシート状部材40を構成する好適な材料は、フッ素系又はシリコン系コーティング等の撥水処理を表面に施した織布又は不織布である。しかし部材40は、上述の凹凸表面を備えかつ上述の隙間dを形成可能な材料であれば他の材料でもよいし、可能であればフレーム34と一体成形されてもよい。
図3は、図2と同様に断面で示した、本発明に係るタッチパネルを備えた電子機器の第2の実施形態を示す図である。本実施形態においては、シート状部材40は第1の実施形態と同様に額縁部14の概ね全体を覆うように配置されるが、図3に示すように、シート状部材40と筐体30のフレーム34との間にゴム状又はスポンジ状のシール材52がさらに配置される。シール材52は弾性材料ではあるが部材40よりは柔軟性が低い。フレーム34とタッチパネル10の操作面12との間隔tは、電子機器の組立誤差等を考慮して少なくとも1mm程度は確保されていることが好ましいが、シート状部材40は非常に可撓性が高いので、シート状部材40のみではフレーム34全体(全周)にわたって正確な間隔tを得ることが難しい。図3のような構成を用い、例えばシート状部材40の厚さを0.2〜0.3mm、シール材52の厚さを0.7〜0.8mmとすることにより、フレーム全体にわたって比較的正確に約1mmの間隔tを得ることができる。
図4は、図2と同様に断面で示した、本発明に係るタッチパネルを備えた電子機器の第3の実施形態を示す図である。本実施形態は第2の実施形態と類似するが、シール部材52は伝送部20を覆う部材40の部分と筐体30のフレーム34との間にのみ配置される。このような構成によれば、第2の実施形態の特徴に加え、シェブロン電極18を含む伝送部20はSAWの吸収を抑制するためにシート状部材40のみで比較的弱い力で押圧され、一方比較的強い力で押圧されてもその機能に影響しない伝送部20は、機器内部への水分等の進入を確実に防止するために、シール材52を利用してより強い力で押圧することができる。
図5は、図2と同様に断面で示した、本発明に係るタッチパネルを備えた電子機器の第4の実施形態を示す図である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、上述のシート状部材40の防水効果を維持できる範囲で、部材40がタッチパネル10の額縁部14に接する面積を小さくしたことである。すなわち、部材40は筐体30のフレーム34における開口部32に近接する端部36付近にのみ設けられ、筐体30のフレーム34とタッチパネル10のシェブロン電極18との間にはシート状部材40が存在せず、代わりにキャビティ60が形成される。従ってシェブロン電極18の表面にはその一部にしかあるいは全く接触するものがなく、このことは本実施形態のようにタッチパネル10がSAW方式のタッチパネルである場合には特に大きな長所となる。シェブロン電極18の表面に殆どあるいは全く部材を接触させないことにより、SAWの不都合な吸収すなわち減衰は殆どあるいは全く生じないからである。なお本実施形態においては、タッチパネル10の額縁部14の配線電極20上には、シール性をより確実にするためにゴムパッキン等の弾性のシール材54が配置されることが好ましい。
図6は、図2と同様に断面で示した、本発明に係るタッチパネルを備えた電子機器の第5の実施形態を示す図である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、伝送部20を含む額縁部14を覆うがシェブロン電極18は覆わない吸音材56を有する点である。吸音材56を使用する目的は、タッチパネル10からシェブロン電極18より外側の部分へのSAWの不要な伝播すなわち漏洩を防ぐこと、及び一度外部に漏洩したSAWが電子機器1の他の部分で反射して再びタッチパネル10に戻ってくることを防止することである。好適な吸音材は、例えばレジスト用樹脂から作製される。また吸音材56の厚さは、シート状部材40の厚さ未満であって上記目的を達するものであればいくらでもよいが、好ましくは部材40の厚さの約1/3〜1/2である。
図7(a)は、本発明に係るタッチパネルを備えた電子機器の第6の実施形態を示す図である。本実施形態は、図5の第4の実施形態と同様にキャビティ60を有するが、図5の部材40に相当する部分を、フレーム34側に一体的に形成された凸部41に置換したことを特徴とする。他の構成については第4の実施形態と同様であってよい。凸部41は、タッチパネルに実装する筐体を作製する際に、モールド、キャスト等の適当な方法により、タッチパネル10が実装されるフレーム34の端部36のタッチパネル10側に、タッチパネル10に当接してタッチパネル10を押さえるように形成される。さらに図7(b)に示すように、凸部41のタッチパネル10に当接する部分41aの表面には、撥水処理を施された微小な凹凸が設けられる。この微小な凹凸は、上述のシート状部材40と同様に水分の進入を防止するために、タッチパネル10の表面との間に50μm程度の隙間dを形成することが好ましい。
上述の実施形態においては、タッチパネルはSAW方式として説明されているが、本発明の範囲はSAW方式のタッチパネルに限定されるものではない。また上述の実施形態はいずれもタッチパネルの額縁部の防水を確実にするシート状部材を含む電子機器として説明されているが、本発明に係る構成はタッチパネルを含む電子機器に限定されるものではなく、液晶ディスプレイ等の他の表示装置を含む電子機器にも適用可能である。
(a)本発明の第1の実施形態の電子機器の概略の分解斜視図であり、(b)(a)のb部においてタッチパネルのみを拡大した図である。 図1(a)の2−2線における部分断面図である。 図2と同様の断面で示した、本発明の第2の実施形態の電子機器の部分断面図である。 図2と同様の断面で示した、本発明の第3の実施形態の電子機器の部分断面図である。 図2と同様の断面で示した、本発明の第4の実施形態の電子機器の部分断面図である。 図2と同様の断面で示した、本発明の第5の実施形態の電子機器の部分断面図である。 (a)図2と同様の断面で示した、本発明の第6の実施形態の電子機器の部分断面図であり、(b)(a)をb方向に見た図である。
符号の説明
1 電子機器
10 タッチパネル
14 額縁部
18 励振部
20 伝送部
30 筐体
34 フレーム
40 シート状部材
52、54 シール材
56 吸音材
60 キャビティ

Claims (9)

  1. 額縁部を備えたタッチパネルと、
    前記額縁部を覆うフレームと、
    前記タッチパネルの前記額縁部と前記フレームとの間に設けられる防水構造体と、を備えた電子機器において、
    前記防水構造体の前記額縁部に当接する面は、微細な凹凸を有するとともに撥水性を有することを特徴とする、電子機器。
  2. 前記フレームと前記タッチパネルの前記額縁部との間に、前記防水構造体より柔軟性の低いシール材をさらに有する、請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記タッチパネルは、表面弾性波のための励振部及び伝送部を前記額縁部に備えた表面弾性波方式のタッチパネルである、請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記シール材は、前記励振部が形成されていない前記タッチパネルの前記額縁部の部分と前記フレームとの間に配置される、請求項2に従属するときの請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記フレームと前記タッチパネルの前記額縁部の前記励振部との間にキャビティを備える、請求項3又は4に記載の電子機器。
  6. 前記キャビティは、前記フレームに一体的に形成された凸部が前記タッチパネルの表面に当接することにより画定される、請求項5に記載の電子機器。
  7. 前記フレーム部と、前記励振部が形成されていない前記タッチパネルの前記額縁部との間に、表面弾性波を吸収する吸音材をさらに有する、請求項3〜6のいずれか1項に記載の電子機器。
  8. 前記防水構造体は、前記タッチパネルの前記額縁部と前記フレームとの間に挟持されたシート状部材である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子機器。
  9. 前記シート状部材は織布又は不織布から形成され、該織布又は不織布の前記額縁部に当接する面には撥水処理が施される、請求項8に記載の電子機器。
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