JP2006154343A - ファラデー回転子とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度特性に優れるガーネット単結晶を複数枚組み合わせることにより、所要のファラデー回転角を持ち温度特性が優れたファラデー回転子を提供する。
【解決手段】複数のガーネット単結晶の表面を、真空中にてイオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかを行うことによりエッチングして、清浄及び活性化し、前記表面同士を前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガス以外の雰囲気にさらすことなく接触させて直接接合することによってファラデー回転子を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のガーネット単結晶の表面を、真空中にてイオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかを行うことによりエッチングして、清浄及び活性化し、前記表面同士を前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガス以外の雰囲気にさらすことなく接触させて直接接合することによってファラデー回転子を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ファラデー効果を利用した光アイソレータや光センサ等に用いられるファラデー回転子とその製造方法に係り、特に温度特性が優れたファラデー回転子とその製造方法に関する。
光通信や光計測に広く使用されている半導体レーザは、その出射光が光ファイバの端面などから反射されて戻ってくると発振が不安定になってしまう。そのため、半導体レーザの出射側に光アイソレータを設置し、戻り光を遮断している。
このような光アイソレータの一般的な構造を図7に示す。図7において符号101は半導体レーザであり、その出射側に設けられる光アイソレータ100は偏光子102、ガーネット単結晶からなるファラデー回転子103、検光子104、ファラデー回転子103を磁気飽和させるマグネット105からなる。検光子104の偏光面透過方向は、偏光子102の偏光面透過方向に対し45度異なるように設置されている。
半導体レーザ101から出射した光は、偏光子102の偏光面と一致する直線偏光成分のみ透過し、ファラデー回転子103に入射する。ファラデー回転子103はマグネット105によって磁気的に飽和しており、また前記直線偏光の偏光面を45度回転するように光軸方向の厚さが調整されているため、ファラデー回転子103に入射した直線偏光は前記所定方向に45度回転する。検光子104は偏光子102に対して45度傾けて設置しているため、ファラデー回転子103で45度回転した光は損失無く検光子104を透過する。
一方、戻り光が光アイソレータ100に入射すると、まず検光子104において透過偏光面と一致する直線偏光成分のみ透過し、偏光面と直交する成分は遮断される。次に、透過した直線偏光はファラデー回転子103を透過することで45度の回転を受ける。この直線偏光は偏光子102の透過偏光面と直交しているため、偏光子102によって遮断され、半導体レーザ101に到達できない。
ファラデー回転子103のファラデー回転角は通常45度からわずかにずれるため、アイソレータを組み立てる際には上記の戻り光が最小になるよう、偏光子102と検光子104の角度を調整する。しかしファラデー回転子103を構成するガーネット単結晶は、環境温度の変化に伴ってファラデー回転角が変化する特性を持つ。ファラデー回転角がずれると、戻り光の偏光面が偏光子102の偏光面透過方向に対して正確に90度とならず、そのずれ角度に応じて光アイソレータ100の反射戻り光の遮断能力(以下、アイソレーションと記す)が低下してしまう。すなわち、環境温度の変化により光アイソレータの特性が劣化するという問題がある。
光アイソレータ100が使用又は設置される環境の温度は、光アイソレータ100の使用システムや地域、或いは、目的によって変わるため一概には言えないが、厳しい環境として、-40℃以上85℃以下が設定される。一方、現在の光アイソレータのアイソレーションとしては30dB以上が要求されるケースもある。従って、温度条件とアイソレーションとを考慮し、光アイソレータ100の組立温度を23℃として、30dBのアイソレーションを満足させるためには、この温度範囲でのファラデー回転角の変化が±1.8度、言い換えれば温度1℃当たりのファラデー回転角の変化幅(以下、温度特性と記す)が絶対値でおよそ0.030度/℃以下でなければならない。目的や用途によって光アイソレータに要求される特性は異なるものの、要求仕様によっては低温度特性のファラデー回転子が必要となる。
又、ファラデー回転子の別用途として、微小領域の磁界を検出する磁界センサが考案されている(特許文献1参照)。
この磁界センサは磁界によるプローブのファラデー回転を光強度として検出し、磁界に応じた出力を得ることができる。プローブのファラデー回転を光強度に変換するため、22.5度のファラデー回転子をバイアスファラデー素子として使用し、往復させることで入射偏光に対して45度回転させている。このようなバイアスファラデー素子にも、使用される環境によって低温度特性のものが要求される。
光アイソレータや磁界センサと云った光装置が、制御されていない環境下で使用される場合や、光吸収による熱が問題となる場合には、ファラデー回転子の温度特性はより低いものが要求される(例えば、光アイソレータの場合は前述から0.030度/℃以下)。しかしながら、ファラデー回転子はその温度特性を減少させると、所要のファラデー回転角が得られるガーネット単結晶の厚みが増加してしまい、結晶育成が困難になってしまう。
現在、ガーネット単結晶製造方法の主流は液相エピタキシャル法(以下、LPE法と記す)である。簡単にLPE法を説明すると、まず白金坩堝に、ガーネット成分を酸化鉛と酸化ホウ素、及び、酸化ビスマスからなる融剤成分に溶解させ、ガーネット単結晶成長用の融液を形成する。次いで、融液の温度を降下させて過飽和状態に保つ。この状態の融液に基板を接触させると、融液から基板にガーネット単結晶が成長する。LPE法では成長するガーネット単結晶の厚みが増加するのに従い、単結晶の特性が劣化するという問題がある。現状では成長するガーネット単結晶の厚みが0.5mmを超えると、結晶欠陥が著しく増加するため、成長させる厚みは一般的に0.5mm程度が限度である。以上から、LPE法ではファラデー回転子の温度特性を減少させるほど、所要のファラデー回転角を有するファラデー回転子の製造が困難になって行く。
45度のファラデー回転子で、絶対値で温度特性0.030度/℃以下を実現しようとすると、ガーネット単結晶の厚みは0.5mm超になり、LPE法では育成が困難になる。又、前記磁界センサの場合は、ファラデー回転子に要求されるファラデー回転角は22.5度なので、温度特性0.020度/℃超まではファラデー回転子の厚みは0.5mm未満となるので育成可能であるが、更なる低温度特性が求められる場合には、厚みが0.5mm超となるため、やはり育成が困難になる。
これに対し、所要の角度よりも小さなファラデー回転角を持つガーネット単結晶であっても、複数のそれらガーネット単結晶を組み合わせることにより所要のファラデー回転角を得られることが期待される。これまでに、ファラデー回転子における発熱部を分散することを目的に、複数のガーネット単結晶を組み合わせて所要のファラデー回転角を持つ光アイソレータ用ファラデー回転子を構成することが行われている(特許文献2参照)。
また、温度特性の符号が異なる2枚のガーネット単結晶を組み合わせて1つのファラデー回転子を形成し、ファラデー回転子全体の温度特性をほぼ0度/℃まで減少させた光アイソレータ用ファラデー回転子が考案されている(特許文献3参照)。この場合、個々のガーネット単結晶のファラデー回転角は必ずしも所要のファラデー回転角である45度よりも小さいとは限らないが、複数のガーネット単結晶を組み合わせた状態でのファラデー回転角は、所要値である45度程度となっている。
複数のガーネット単結晶を組み合わせて用いる場合には、それらを光入射方向に対し位置を調整し機械的に保持することも可能であるが、保持位置のずれによる信頼性の低下や、部品点数や製造工程が増加して製造コストが大きくなるという問題がある。これに対して、複数のガーネット単結晶を接合により一体化すれば、製造工程が簡略化し信頼性も向上することが期待される。ガーネット単結晶等の光学素子同士の接合には、一般的に透光性の樹脂、特にエポキシ系、アクリル系の有機系光学接着剤が使用されたり、ガーネット単結晶の表面同士を接触させ、機械的圧力により密着保持する方法等が考案されている(特許文献4参照)。
或いは、樹脂の代わりに透光性の低融点ガラスを用いて、その低融点ガラスが溶融する温度において各光学素子を接合することもある。
しかしながら、有機系光学接着剤は耐湿性が劣り、特に高温高湿条件下での使用が制限されるといった課題がある。更に、長時間或いは高出力のレーザ光に対して使用すると変質を来すおそれがあり、信頼性に課題があった。
又、有機接着剤を使用した光アイソレータをレーザモジュール等に組み込んだ場合、レーザチップの発光面に有機接着剤からのアウトガスが付着し、光学特性の劣化を招くという課題もあった。
又、機械的圧力を加えて密着保持する方法では、圧力を加えることによりガーネット単結晶の光学特性が劣化する、ガーネット単結晶が破損する、保持力の低下によりガーネットの間に隙間が発生する等の問題があるため実用的な方法では無い。
一方、低融点ガラスで接合した場合は、低融点ガラスのガラス転移温度が数百度と高いので、これを溶融させる際の熱によりガーネット単結晶の特性が劣化するおそれや、ガーネット単結晶同士を固着させた後に室温まで冷却する際、ガラスの冷却固化に伴いガーネット単結晶内部で熱応力が発生・増加してクラック等が発生するおそれがある。また、熱応力が加わると透過光の消光比が劣化し、光アイソレータの逆方向損失特性が劣化するという課題があった。
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は接合箇所に発生していた上記各課題を解消すると共に、所要のファラデー回転角が得られ、且つ、温度特性も改善されたファラデー回転子とその製造方法を提供することである。
本発明の請求項1記載の発明は、複数のガーネット単結晶が互いの光透過面で合わせられるように積層されて構成されると共に、前記光透過面の間が中間材を介することなく直接接合されて構成されることを特徴とするファラデー回転子である。
本発明の請求項2記載の発明は、前記直接接合される表面を、真空中にてイオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかを行うことによりエッチングして、清浄及び活性化し、前記表面同士を前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガス以外の雰囲気にさらすことなく接触させて直接接合することによって形成されることを特徴とするファラデー回転子である。
更に、本発明の請求項3記載の発明は、前記ガーネット単結晶が、波長1.3μm帯域又は波長1.5μm帯域で、前記ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて、絶対値で0.030度/℃以下の温度特性を有することを特徴とするファラデー回転子である。
又、本発明の請求項4記載の発明は、前記ガーネット単結晶が、波長1.3μm帯域で、前記ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて、絶対値で0.0050度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とするファラデー回転子である。
又、本発明の請求項5記載の発明は、前記ガーネット単結晶が、波長1.5μm帯域で、前記ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて、絶対値で0.010度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とするファラデー回転子である。
更に、本発明の請求項6記載の発明は、前記複数のガーネット単結晶の表面粗さがRaで1nm以下であることを特徴とするファラデー回転子である。
又、本発明の請求項7記載の発明は、複数のガーネット単結晶の互いの光透過面を直接接合して、前記光透過面の間に中間材を介することなく積層することによりファラデー回転子を形成することを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
又、本発明の請求項8記載の発明は、前記直接接合される表面を、真空中にてイオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかを行うことによりエッチングして、清浄及び活性化し、前記表面同士を前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガス以外の雰囲気にさらすことなく接触させて直接接合することによって形成することを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
又、本発明の請求項9記載の発明は、前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガスを、アルゴンとすることを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
更に、本発明の請求項10記載の発明は、前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかによるエッチング量が、0.5nm以上40nm以下であることを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
又、本発明の請求項11記載の発明は、波長1.3μm帯域又は波長1.5μm帯域で前記ファラデー回転子のファラデー回転角が45度相当となる厚みにおいて、前記ガーネット単結晶が絶対値で0.030度/℃以下の温度特性を有することを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
又、本発明の請求項12記載の発明は、波長1.3μm帯域で前記ファラデー回転子のファラデー回転角が45度相当となる厚みにおいて、前記ガーネット単結晶が絶対値で0.0050度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
又、本発明の請求項13記載の発明は、波長1.5μm帯域で前記ファラデー回転子のファラデー回転角が45度相当となる厚みにおいて、前記ガーネット単結晶が絶対値で0.010度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
更に、本発明の請求項14記載の発明は、前記複数のガーネット単結晶の表面を平滑化する工程を含み、且つ、前記ガーネット単結晶の表面粗さをRaで1nm以下にすることを特徴とするファラデー回転子の製造方法である。
更に、本発明の請求項15記載の発明は、前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射またはプラズマ処理の何れかを行う際、及び前記ガーネット基板を接触させ直接接合する際の、イオンビーム、高速原子ビーム又はプラズマの動作ガス以外の真空雰囲気中の残留ガス圧力が、1×10-4Pa以下であることを特徴とする請求項7乃至13の何れかに記載のファラデー回転子の製造方法である。
更に、本発明の請求項16記載の発明は、前記請求項1乃至6の何れかに記載のファラデー回転子を用いることを特徴とする、光アイソレータである。
請求項1及び7記載の発明に依れば、複数のガーネット結晶を直接接合することにより、接合箇所の信頼性が向上すると共に、低融点ガラスの冷却固化に伴うガーネット単結晶内部での熱応力や機械的な加圧保持によるガーネット単結晶内部の応力が発生しないので、消光比・挿入損失の劣化を防止して高性能なファラデー回転子が実現できる。更に、複数のガーネット単結晶を接合することにより、所要のファラデー回転角を得ながら、温度特性も改善されたファラデー回転子を実現することが出来る。
請求項2及び8記載の発明に依れば、請求項1及び7記載の発明が有する効果に加えて、真空中での表面の清浄及び活性化処理により、直接接合による接合強度が大幅に向上しファラデー回転子の信頼性が向上する。また、接合強度を向上させるための熱処理の必要がなくなるか、若しくは熱処理の温度を大幅に低下できるため、熱処理によるガーネット単結晶の光学特性劣化を防止することが出来る。
請求項3及び11記載の発明に依れば、請求項1乃至2及び7乃至10記載の発明が有する効果に加えて、ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて温度特性が絶対値で0.030度/℃以下のガーネット単結晶を用いることにより、温度特性の優れたファラデー回転子が得られる。
請求項4又は5、及び12又は13記載の発明に依れば、請求項1乃至3及び11記載の発明が有する効果に加えて、波長帯域に応じて、ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて温度特性が絶対値で、0.0050度/℃以下又は0.010度/℃以下のガーネット単結晶を用いることにより、更に温度特性の優れたファラデー回転子を得ることが出来る。
請求項6及び14記載の発明に依れば、請求項1乃至5及び7乃至13記載の発明が有する効果に加えて、ガーネット単結晶の表面粗さRaで1nm以下とすることにより、接合時の荷重を大幅に低下することが可能となるとともに、ガーネット接合体に発生する応力が低減することにより、ガーネット単結晶の光学特性の劣化や破損の発生と云った問題が解消され、ファラデー回転子の性能が向上する。また、接合強度が向上してファラデー回転子の信頼性が向上する。
請求項9記載の発明に依れば、請求項8記載の発明が有する効果に加えて、表面原子との反応性が低い不活性ガスであるアルゴンを動作ガスとして用いることにより、ガーネット単結晶表面の清浄及び活性化が非常に良好に行われる。これにより接合強度が増大しファラデー回転子の信頼性を向上できる。
請求項10記載の発明に依れば、請求項8又は9記載の発明が有する効果に加えて、エッチング量を0.5nm以上40nm以下とすることにより、ガーネット単結晶表面を十分に清浄及び活性化できると共に、スパッタエッチングによる表面粗さRaの増加を接合に影響が出ない範囲に抑えることが出来る。
請求項15記載の発明に依れば、請求項8乃至14記載の発明が有する効果に加えて、残留ガスの少ない高真空雰囲気で接合を行うことにより、前記清浄及び活性化された表面が残留ガス分子により再汚染されることを防止し、接合強度を向上することが出来る。
請求項16記載の発明に依れば、優れた温度特性及び高い信頼性を有するファラデー回転子を用いることにより、光アイソレータの温度特性及び信頼性が向上するとともに、ファラデー回転子が接合により一体化しているため、光アイソレータの小型化と構造の単純化、更に製造コストの低減が可能となる。
以下、本発明に係るファラデー回転子とその製造方法の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のファラデー回転子1を示す斜視図である。図1に示すように、ファラデー回転子1は、2つのガーネット単結晶1a,1bを直接接合により光透過面で合わせるように積層して一体化形成したものである。接合面では、各光透過面の表面の原子同士が直接接合されているため、光学接着剤等の中間材は存在しない。2つのガーネット単結晶1a,1bの互いの磁化回転方向は、光入射方向(図中、z軸方向)から見たときに、同一回転方向となるように面接合されている。
ガーネット単結晶(以下、必要に応じて、単結晶と記す)1a,1bには公知の材料を用いることができ、例えば、ビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶が望ましいが、これに限定されるものではない。更に、2つの単結晶1a,1bの厚みの合計は、所定の波長の光が入射したときに、その偏光面が所要の角度だけ回転する様に設定する。それぞれの単結晶1a,1bの温度特性は、ファラデー回転子1がファラデー回転角45度を得られる厚み(以下、ファラデー回転角45度相当の厚み、と云う)において、絶対値で0.030度/℃以下であることが望ましい。
光アイソレータに組み込む場合は、45度のファラデー回転角が得られるように複数の単結晶を組み合わせて直接接合すれば良い。また、本発明の最終的なファラデー回転角は45度に限定されるものではなく、例えば磁界センサと云った22.5度のファラデー回転角が必要な場合には、ファラデー回転角が22.5度となるように単結晶を複数組み合わせて直接接合すれば良く、その他の所要値のファラデー回転角が欲しいのならば、その所要値のファラデー回転角が得られるように単結晶を複数組み合わせて直接接合すれば良い。
前記ガーネット単結晶1a,1bは、LPE法により別々の基板上に成長させることが出来る。例えば白金製の坩堝に得たい単結晶の原料と融剤とを投入し、加熱コイルに通電して、加熱、溶融して融液を形成する。単結晶の原料と融剤は、ファラデー回転角45度相当の厚みにおける温度特性が絶対値で0.030度/℃以下となるように事前にガーネット成分の組成もしくは格子定数等を設定し、これらを基に決定する。融液の温度を下げて過冷却状態にして、成長用の基板を回転させながら融液に接触させ、基板上に単結晶を成長させる。その後でそれぞれ基板を除去する。LPE法による単結晶は、前記のように厚く成長させられないため、単板では所要のファラデー回転角は得られていない。LPE法によって得たガーネット単結晶は、最終的に得たいガーネット単結晶1a又は1bの厚さよりも若干厚く形成されるので、所定の波長の光を設定しその光が入射し、更にガーネット単結晶1aと1bとを積層した時に所要のファラデー回転角を有する厚さまでそれぞれ研磨を行う必要がある。研磨工程は後述の図2を参照して説明する。
次に、図2〜図4を用いてガーネット単結晶同士の直接接合方法について説明する。
LPE法により形成された2枚の大型のガーネット単結晶板(以下、必要に応じて、単結晶板と記す)2を直接接合すべく、それぞれの単結晶板2の光透過面となる表面を研磨して平滑化する。始めに単結晶板2をダイシングやワイヤーカット等の方法によって所定の大きさに切断する。次に、研削によって前記基板を除去し、研磨代を含めた所定の厚さに仕上げた後、研磨を行う。
図2に研磨装置の構成を概略的に示す。2は切断・研削された単結晶板、3は研磨板もしくは研磨パッド、4は研磨液を示す。まず荒研磨を行う。樹脂製の研磨板3を使用し、セラミックス砥粒を純水とその他の溶剤に混合した研磨液4を使用する。中研磨は同じく樹脂製の研磨板3を使用し、荒研磨よりもセラミックス砥粒が小さい研磨液4で行う。最後に発泡ポリウレタン製の研磨パッド3を使用し、コロイダルシリカスラリーを研磨液4としたCMP(Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる方法で仕上げ研磨を行う。なお、荒研磨・中研磨・仕上げ研磨ともに同じ図を使用した。
CMPは数nm単位で研磨が可能で研磨層の下部に殆どダメージを与えない。前記研磨工程において砥粒の混入を防ぐため、工程間で装置の共用はしない。この一連の工程によって、単結晶板2の厚さを所定の寸法に仕上げ、かつ表面の加工変質層を除去する。直接接合において接合時の荷重による単結晶へのダメージを減少し、接合後の単結晶に残留する歪みによる光学特性の劣化を防止するため、上記研磨工程はガーネット単結晶の表面粗さがRaで1nm以下の超平滑面となるように行うことが望ましい。ガーネット単結晶1a、1bの表面粗さをRaで1nm以下とすることにより、接合時の荷重を大幅に低下することが可能となるとともに、ガーネット接合体に発生する応力が低減することにより、ガーネット単結晶の光学特性の劣化や破損の発生と云った問題が解消され、ファラデー回転子の性能を向上することが可能となる。
なお、上記の接合には表面の微細な凹凸の影響が重要であるため、表面粗さRaは面内方向に高い分解能を持つ手法を用いて測定を行うことが必要である。本発明では表面粗さRaは、原子間力顕微鏡により、先端の曲率半径が50nm以下の探針を用いて、サンプリング間隔を20nm以下として、1μm以上10μm以下の範囲を走査して測定される値として定義される。
洗浄は超音波バスを使用して行う。洗浄液は各工程によって異なり、研削工程ではアルコールで洗浄し、荒研磨・中研磨工程では炭化水素系洗浄液、純水の順に洗浄し、仕上げ研磨工程ではアルカリ系洗浄液、純水、アルコールの順に洗浄する。
このように研磨及び洗浄されたガーネット単結晶板2の表面は、非常に平坦であるとともに表面は水酸基で終端され親水性を示しており、それらを重ね合わせることにより直接接合が可能である。このように直接接合した状態では接合強度が不十分な場合には、熱処理により接合強度を改善する。また、熱処理以外の方法によっても接合強度を改善させることは可能で、例えば接合前の表面処理として、研磨したウェハを硫酸過酸化水素混合液などで処理すること等も、接合強度の向上に有効である。
更に、ガーネット単結晶板2の直接接合される表面を真空中で清浄及び活性化し、真空中にて接触させて接合することが望ましい。これにより接合強度を向上させるための熱処理が不要となるか、若しくは熱処理の温度を大幅に低下でき、ファラデー回転子1の光学特性劣化を防止することが出来る。
具体的には、研磨及び洗浄工程の後、図3に示すようにガーネット単結晶板2の表面をスパッタによりエッチングし、清浄及び活性化する。大型のガーネット単結晶板2を真空槽5内に置き、イオンビーム若しくは高速原子ビームを各単結晶板2に照射する、又は各単結晶基板2をプラズマ処理することにより、スパッタにより単結晶板2の表面をエッチングして表面層を除去する。このとき、イオンビーム、高速原子ビーム又はプラズマの動作ガスとして、不活性ガスであるアルゴンを用いることが、ガーネット単結晶板2の表面原子との反応性が低く、清浄及び活性化が良好に行われるため望ましい。また、スパッタによるエッチング量は、ガーネット単結晶板2表面の吸着分子や変質層を除去するためには0.5nm以上であることが望ましい。一方、研磨されたガーネット単結晶板2の表面粗さはスパッタエッチングにより増加するため、接合に必要な表面粗さを維持するためにはスパッタによるエッチング量は40nm以下であることが望ましい。すなわち、スパッタによるエッチング量は0.5nm以上40nm以下であることが望ましい。エッチング量をこの範囲とすることにより、ガーネット単結晶1a、1b表面を十分に清浄及び活性化できると共に、スパッタエッチングによる表面粗さRaの増加を接合に影響が出ない範囲に抑えることが出来る。
ここで真空槽5は真空ポンプ6によって排気される。真空雰囲気中の残留ガスは清浄及び活性化処理後の接合面に再付着し、接合面の清浄度ひいては接合力に影響を与えるため、イオンビーム、高速原子ビーム又はプラズマの動作ガス以外の残留ガス圧力は、1×10-4Pa以下であることが望ましい。残留ガスの少ない高真空雰囲気で接合を行うことにより、前記清浄及び活性化された表面が残留ガス分子により再汚染されることが防止され、接合強度を向上させることが出来る。
また、図3中で7はビーム源、8はガス導入装置を示す。
上記工程を経た後、残留ガス圧力1×10-4Pa以下の真空中で、常温下(例.-20度以上且つ70度以下の温度下)にて、各単結晶板2の表面同士を面全体で密着するように接触させると、活性化された表面の結合力により直接接合されてガーネット単結晶板接合体9が形成される。このように真空中での表面の清浄及び活性化処理により、直接接合による接合強度が大幅に向上しファラデー回転子1の信頼性を向上することが可能となる。又、接合強度を向上させるための熱処理の必要がなくなるか、若しくは熱処理の温度を大幅に低下できるため、熱処理によるガーネット単結晶1a、1bの光学特性の劣化を防止することも出来る。
最後に、図4の様に直接接合されたガーネット単結晶板接合体9をダイシングやワイヤーカット等の方法によって、前記ファラデー回転子1として得たい大きさに切断して、多数個のファラデー回転子1を得る。
本実施形態のファラデー回転子は、ファラデー回転角45度相当の厚みにおける温度特性が絶対値で0.030度/℃以下を呈する複数のガーネット単結晶によって形成されるため、45度のファラデー回転子1全体での温度特性を、絶対値で0.030度/℃以下とすることが出来る。従って、温度特性が著しく改善され、環境温度の変化に対してファラデー回転角が影響を受けにくく安定な特性が得られる。
更に、複数のガーネット単結晶を直接接合することにより、接着剤の使用による信頼性の低下や、低融点ガラスの冷却固化に伴うガーネット単結晶内部での熱応力や機械的な加圧保持によるガーネット単結晶内部の応力が発生しないので、消光比・挿入損失の劣化を防止することが可能となり、信頼性の向上とファラデー回転子としての性能が向上する。
<実施例>
以下に、ガーネット単結晶の実施例を説明する。LPE法における融剤として、酸化鉛(PbO)、酸化ホウ素(B2O3)を、又、ガーネット単結晶を形成させる金属酸化物として、ガーネット原料の酸化テルビウム(Tb4O7)、酸化ビスマス(Bi2O3)、及び酸化鉄(Fe2O3)の各粉末を混合して白金坩堝内に入れて加熱溶融する。溶融液の組成は種々の異なるものを用いるが、組成比は通常、原料の組成比を示すRパラメータで示され、本実施形態で用いた溶融液の組成範囲は、R1=Fe2O3/Tb4O7=10〜30、R3=PbO/Bi2O3=5〜8.5、R4=Bi除くガーネット成分/全成分=0.1〜0.15、R6=PbO/Bi2O3=1.4〜2.2であった。
以下に、ガーネット単結晶の実施例を説明する。LPE法における融剤として、酸化鉛(PbO)、酸化ホウ素(B2O3)を、又、ガーネット単結晶を形成させる金属酸化物として、ガーネット原料の酸化テルビウム(Tb4O7)、酸化ビスマス(Bi2O3)、及び酸化鉄(Fe2O3)の各粉末を混合して白金坩堝内に入れて加熱溶融する。溶融液の組成は種々の異なるものを用いるが、組成比は通常、原料の組成比を示すRパラメータで示され、本実施形態で用いた溶融液の組成範囲は、R1=Fe2O3/Tb4O7=10〜30、R3=PbO/Bi2O3=5〜8.5、R4=Bi除くガーネット成分/全成分=0.1〜0.15、R6=PbO/Bi2O3=1.4〜2.2であった。
この融液の液面に組成(GdCa)3(GaMgZr)5O12を持つ非磁性ガーネット結晶基板(以下、SGGG基板という)を浸し、LPE法によってこの基板の(111)面上にビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶を大気雰囲気中で成長させた。
成長したガーネット単結晶の厚みは約22.5度のファラデー回転角を示すほどであった。又、成長されたガーネット単結晶の結晶格子定数は、SGGG基板の格子定数と融液の組成に依存し、12.4633〜12.4832Åであった。これらの格子定数を有する(TbBi)3(Fe)5O12で示される組成のガーネット単結晶の基板を除去して研磨を行った。そのガーネット単結晶に関して、波長1.31μm若しくは波長1.55μmでの温度特性を測定したところ、表1及び図5に示すような結果が得られた。表1及び図5中の温度特性は波長1.31μm若しくは波長1.55μmに対して、ファラデー回転角45度相当の厚みで計算したガーネット単結晶における-10〜80℃範囲内での温度特性を示したものである。温度と共に回転角が増大する場合は+、減少する場合は-の符号で表す。
図5の近似曲線から分かるように、波長1.31μmではガーネット単結晶の格子定数12.464Å以上且つ12.485Å以下の範囲において、ファラデー回転角45度相当の厚みで、絶対値で温度特性0.030度/℃以下が得られ、波長1.55μmでは前記格子定数12.460Å以上且つ12.480Å以下の範囲において、同じくファラデー回転角45度相当の厚みで、絶対値で温度特性0.030度/℃以下が得られた。
更に、波長1.31μmではガーネット単結晶の格子定数12.469Å以上且つ12.472Å以下の範囲において、ファラデー回転角45度相当の厚みで、絶対値で温度特性0.0050度/℃以下が得られ、波長1.55μmでは前記格子定数12.464Å以上且つ12.471Å以下の範囲において、同じくファラデー回転角45度相当の厚みで、絶対値で温度特性0.010度/℃以下が得られた。
このガーネット単結晶に図2〜図4を用いて前述したような、研磨・接合工程を施して、切断することにより、多数個のファラデー回転子を得た。接合時の真空槽中の残留ガスの圧力は5×10-6Paで、表面の清浄及び活性化処理は、加速電圧約1.2kVのアルゴン高速原子ビームによりガーネット単結晶の表面を約4nmエッチングした。
前記のような格子定数の範囲に限定したガーネット単結晶同士を直接接合して所要のファラデー回転角を有するファラデー回転子を形成することにより、波長1.31μm又は波長1.55μmで何れもファラデー回転角45度相当の厚みで、絶対値で温度特性0.030度/℃以下が達成されるので温度特性が著しく改善され、環境温度の変化に対してファラデー回転角が影響を受けにくく安定な特性が得られるファラデー回転子が実現可能となる。なお、前記ガーネット単結晶を、Tbの一部を他の希土類元素に置換した組成に変更しても良い。
上記の方法で製造されたファラデー回転子を用い、実際に光アイソレータを作製した例を以下に示す。
育成したガーネット単結晶の格子定数は12.477Å、波長1.31μmにおいてファラデー回転角22.5°が得られる厚みは0.430mmであった。この単結晶のファラデー回転角45度相当における厚みでの温度特性は絶対値で0.019度/℃である。この結晶の1枚あたりの挿入損失は0.1dB、消光比は46dBである。
この単結晶2つを前記条件で常温接合し、ファラデー回転角45°のファラデー回転子を作製した。次に光学面に対空気のARコートを行い、ダイシングによって1.4mm角に切断してファラデー回転子を作製した。この接合ファラデー回転子の挿入損失は0.21dB、消光比は45dBであることから、接合による特性劣化はほぼ無視できる。またリフレクトメータで接合面境界の反射を測定したところ約60dBであることから、光学的に良好な接合がなされていることを確認できた。
前記接合ファラデー回転子で1段型光アイソレータを製作し、アイソレーションの温度特性について測定を行った。ファラデー回転角45度相当における厚みでの温度特性が絶対値で0.06度/℃である、通常のファラデー回転子による1段型光アイソレータも作製して同じく測定し、比較したグラフを図6に示す。図6より、温度特性は前記0.019度/℃のファラデー回転子を用いることにより、温度変化によるアイソレーションの劣化が大きく改善されていることが分かる。
このように、優れた温度特性及び高い信頼性を有するファラデー回転子を用いることにより、光アイソレータの温度特性及び信頼性が向上すると共に、ファラデー回転子が接合により一体化形成されているため、光アイソレータの小型化と構造の単純化、更に製造コストの低減が可能となる。
なお、本発明のファラデー回転子を形成するガーネット単結晶の個数は2つに限定されることは無く、所要のファラデー回転角に応じて、そのファラデー回転角が得られるように複数のガーネット単結晶を組み合わせて直接接合すれば良い。
又、常温の一例として、-20度以上且つ70度以下の温度範囲を提示したが、本発明における常温とは、この範囲に限定されるものでは無い。
本発明によるガーネット単結晶は、ファラデー回転角の温度依存が小さく、低挿入損失であることから、光アイソレータや光センサ等の光学素子として利用することが可能である。
1 ファラデー回転子
2 ガーネット単結晶板
3 研磨板または研磨パッド
4 研磨液
5 真空槽
6 真空ポンプ
7 ビーム源
8 ガス導入装置
9 ガーネット単結晶板接合体
100 光アイソレータ
101 半導体レーザ
102 偏光子
103 ファラデー回転子
104 検光子
105 マグネット
2 ガーネット単結晶板
3 研磨板または研磨パッド
4 研磨液
5 真空槽
6 真空ポンプ
7 ビーム源
8 ガス導入装置
9 ガーネット単結晶板接合体
100 光アイソレータ
101 半導体レーザ
102 偏光子
103 ファラデー回転子
104 検光子
105 マグネット
Claims (16)
- 複数のガーネット単結晶が互いの光透過面で合わせられるように積層されて構成されると共に、前記光透過面の間が中間材を介することなく直接接合されて構成されることを特徴とするファラデー回転子。
- 前記直接接合される表面を、真空中にてイオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかを行うことによりエッチングして、清浄及び活性化し、前記表面同士を前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガス以外の雰囲気にさらすことなく接触させて直接接合することによって形成されることを特徴とする請求項1に記載のファラデー回転子。
- 前記ガーネット単結晶が、波長1.3μm帯域又は波長1.5μm帯域で、前記ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて、絶対値で0.030度/℃以下の温度特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のファラデー回転子。
- 前記ガーネット単結晶が、波長1.3μm帯域で、前記ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて、絶対値で0.0050度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とする請求項3に記載のファラデー回転子。
- 前記ガーネット単結晶が、波長1.5μm帯域で、前記ファラデー回転子がファラデー回転角45度相当となる厚みにおいて、絶対値で0.010度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とする請求項3に記載のファラデー回転子。
- 前記複数のガーネット単結晶の表面粗さがRaで1nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のファラデー回転子。
- 複数のガーネット単結晶の互いの光透過面を直接接合して、前記光透過面の間に中間材を介することなく積層することによりファラデー回転子を形成することを特徴とするファラデー回転子の製造方法。
- 前記直接接合される表面を、真空中にてイオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかを行うことによりエッチングして、清浄及び活性化し、前記表面同士を前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガス以外の雰囲気にさらすことなく接触させて直接接合することによって形成することを特徴とする請求項7に記載のファラデー回転子の製造方法。
- 前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の動作ガスを、アルゴンとすることを特徴とする請求項8に記載のファラデー回転子の製造方法。
- 前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射又はプラズマ処理の何れかによるエッチング量が、0.5nm以上40nm以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載のファラデー回転子の製造方法。
- 波長1.3μm帯域又は波長1.5μm帯域で前記ファラデー回転子のファラデー回転角が45度相当となる厚みにおいて、前記ガーネット単結晶が絶対値で0.030度/℃以下の温度特性を有することを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載のファラデー回転子の製造方法。
- 波長1.3μm帯域で前記ファラデー回転子のファラデー回転角が45度相当となる厚みにおいて、前記ガーネット単結晶が絶対値で0.0050度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とする請求項11に記載のファラデー回転子の製造方法。
- 波長1.5μm帯域で前記ファラデー回転子のファラデー回転角が45度相当となる厚みにおいて、前記ガーネット単結晶が絶対値で0.010度/℃以下の温度特性を有するビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶であることを特徴とする請求項11に記載のファラデー回転子の製造方法。
- 前記複数のガーネット単結晶の表面を平滑化する工程を含み、且つ、前記ガーネット単結晶の表面粗さをRaで1nm以下にすることを特徴とする請求項7乃至13の何れかに記載のファラデー回転子の製造方法。
- 前記イオンビーム照射、高速原子ビーム照射またはプラズマ処理の何れかを行う際、及び前記ガーネット基板を接触させ直接接合する際の、イオンビーム、高速原子ビーム又はプラズマの動作ガス以外の真空雰囲気中の残留ガス圧力が、1×10-4Pa以下であることを特徴とする請求項8乃至14の何れかに記載のファラデー回転子の製造方法。
- 請求項1乃至6の何れかに記載のファラデー回転子を用いることを特徴とする、光アイソレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004345294A JP2006154343A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | ファラデー回転子とその製造方法 |
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ID=36632737
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302490A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Namiki Precision Jewel Co Ltd | ビスマス置換型テルビウム−鉄−ガーネット単結晶とその製造方法 |
CN110687696A (zh) * | 2019-09-16 | 2020-01-14 | 中国科学院福建物质结构研究所 | 一种集成式光隔离器的封装方法以及集成式光隔离器 |
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2004
- 2004-11-30 JP JP2004345294A patent/JP2006154343A/ja not_active Withdrawn
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