JP2006154227A - 焦点距離可変レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】 焦点距離可変レンズを小型化するとともに信頼性を高める。
【解決手段】 軸方向に所定の隙間をもって配置され、中空部が共通の光路となる超磁歪素子11a,11bと、光路上に配置された弾力性を有する封止部材14と、封止部材によって第1及び第2の超磁歪素子11a,11bの中空部及び前記隙間に封入された流動体15と、コイル12とを備える。コイル12に流す電流を変化させると隙間の距離が変化し、流動体15にかかる圧力が変化する結果、封止部材14の第1及び第2の部分14a,14bが変形する。このように、本発明の焦点距離可変レンズは、超磁歪素子11に与える磁界の変化によって焦点距離が変化することから、液体の移動が伴わない。このため、焦点距離可変レンズ全体を小型化することが可能となるばかりでなく、液漏れなどが生じにくくなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は焦点距離可変レンズに関し、特に、磁歪材料を利用した焦点距離可変レンズに関する。
通常、光学機器において焦点距離を可変とするためには、複数枚のレンズを用い、これらレンズ間の距離を変化させる方法が一般的である。しかしながら、この方法では、レンズを駆動するためのモータが必要であるばかりでなく、レンズの移動を考慮したスペースを設けておく必要があることから、光学機器全体を小型化することは困難であった。
このような問題を解決する方法として、特許文献1には、液体を利用した焦点距離可変レンズが提案されている。特許文献1に記載された焦点距離可変レンズは、枠の上下に弾性膜が設けられ、これら弾性膜間に液体が充填された構造を有している。焦点距離を変化させる場合、封入調整器を用いて弾性膜間の液体量を増減させ、これにより弾性膜を膨らませる(又は縮ませる)ことによって、弾性膜の曲率を変化させる。
特開平4−67001号公報
しかしながら、特許文献1に記載された焦点距離可変レンズは、弾性膜間の液体量を増減させる封入調整器や、液体を移動させるためのパイプが必要であることから、焦点距離可変レンズ全体を十分に小型化することは困難である。しかも、焦点距離を変化させる際に液体の移動が伴うことから、液漏れなどが生じやすく、これを組み込む光学機器の信頼性を損なうおそれもあった。
したがって、本発明の目的は、小型化が容易であり且つ信頼性に優れた焦点距離可変レンズを提供することである。
本発明者は、焦点距離可変レンズを改良すべく鋭意検討を重ねる中で、いわゆる「磁歪素子」、特に「超磁歪素子」に着目した。磁界の印加に応じて伸縮する磁歪素子は古くから知られているが、これまでの磁歪素子は変位が小さく、このため実用的に使用されることはほとんどなかった。しかしながら、近年、1500ppm〜2000ppmといった非常に変位の大きな磁歪素子(超磁歪素子)が知られるようになり、本発明者は、これを焦点距離可変レンズの駆動に応用することに思い至ったのである。
本発明は、このような着想に基づきなされたものであって、本発明による焦点距離可変レンズは、軸方向に所定の隙間をもって配置され、中空部が共通の光路となる第1及び第2の筒状部材であって、少なくとも一方が磁歪材料を含む第1及び第2の筒状部材と、少なくとも一部が前記光路上に配置された封止部材と、前記封止部材によって前記第1及び第2の筒状部材の前記中空部及び前記隙間に封入された流動体と、磁界の印加によって前記隙間の距離を変化させる手段とを備え、前記封止部材の前記光路上に配置された部分の少なくとも一部は、変形可能な弾力性を有していることを特徴とする。
本発明の焦点距離可変レンズによれば、磁歪材料を含む筒状部材に与える磁界の変化によって焦点距離が変化することから、液体の移動が伴わない。このため、焦点距離可変レンズ全体を小型化することが可能となるばかりでなく、液漏れなどが生じにくくなる。ここで「軸方向」とは、筒状部材の中空部を貫通する方向を意味し、焦点距離可変レンズの光路となる方向と一致する。尚、本発明において「筒状」とは、貫通孔を有する形状を指し、環状又はドーナツ状などの形状も含まれる概念である。
本発明による焦点距離可変レンズは、封止部材の一部を隙間に保持する固定部材をさらに備えることが好ましい。これによれば、第1及び第2の筒状部材の隙間に確実に流動体を位置させることが可能となる。
本発明による焦点距離可変レンズは、第1及び第2の筒状部材の両方が磁歪材料を含んでいることが好ましい。これによれば、隙間の変化量が大きくなることから、焦点距離の可変範囲を拡大することが可能となる。
本発明による焦点距離可変レンズは、第1及び第2の筒状部材の全体が磁歪材料によって構成されていることが好ましい。これによれば、大きな変位を得ることができることから焦点距離の可変範囲が広がるばかりでなく、正しいレンズ形状を得ることができることから良好な光学特性を得ることが可能となる。
本発明の焦点距離可変レンズは、第1及び第2の筒状部材の少なくとも軸方向に配置された枠体をさらに備え、封止部材が枠体に固定されていることが好ましい。これによれば、磁歪材料を含む筒状部材の変位による力が、封止部材の光路上に配置された部分に直接印加されず、流動体を介して力が印加されることになることから、封止部材を正しく変形させることが可能となる。
また、本発明の焦点距離可変レンズは、第1の筒状部材の少なくとも軸方向に配置された枠体が第2の筒状部材を構成しており、封止部材が枠体に固定されていることもまた好ましい。これによれば、焦点距離可変レンズの構成部品数を大幅に減らすことが可能となる。
変位させる手段は、第1及び第2の筒状部材の少なくとも一方の円周方向に巻回されたコイルを含んでいることが好ましい。これによれば、コイルにより生じる磁束の方向が第1及び第2の筒状部材の軸方向となることから、磁歪材料を含む第1及び第2の筒状部材の少なくとも一方を主として軸方向に変位させることが可能となる。
本発明の焦点距離可変レンズは、第1及び第2の筒状部材の少なくとも一方に磁気バイアスを印加する磁気バイアス印加手段をさらに備えることが好ましい。磁歪材料を含む素子に磁界を印加すると通常は伸張するだけであるが、このような磁気バイアス印加手段を設ければ、磁歪材料を含む筒状部材を伸張及び収縮させることが可能となる。ここで、磁気バイアス印加手段としては、永久磁石を用いても構わないし、コイルに直流バイアス電流を印加する回路を用いても構わない。
封止部材は、変形可能領域が第1及び第2の筒状部材の少なくとも一部の内径未満に設定されていることが好ましい。これによれば、磁歪材料を含む筒状部材の変位に応じた封止部材の変形量が非常に大きくなることから、焦点距離の可変範囲をより拡大することが可能となる。具体的には、枠体によって封止部材の変形可能領域を制限することによって、変形可能領域を第1及び第2の筒状部材の少なくとも一部の内径未満に設定することができる。
このように、本発明による焦点距離可変レンズは、従来の焦点距離可変レンズのように液体の量を増減させるのではなく、筒状部材の中空部及びこれらの隙間に流動体を封入した構造を有していることから、焦点距離を変化させる際に、中空部の内部に流動体を注入したり、流動体を中空部の外部に排出させる必要がない。このため、従来必要であった封入調整器やパイプなどの機構が不要となり、焦点距離可変レンズ全体を小型化することが可能となる。しかも、焦点距離を変化させる際に液体の移動を伴わないことから、液漏れなどが生じにくく、このため、本発明による焦点距離可変レンズを組み込む光学機器の信頼性を高めることも可能となる。
また、本発明による焦点距離可変レンズは、筒状部材に与える磁界の変化によって焦点距離が変化することから、レンズ間の距離を変化させることによって焦点距離を変化させる一般的な機構と比べて応答速度が極めて速い。また、機械的に作動する部分を有していないことから、機械的故障などが発生しにくいという利点も有している。しかも、レンズ間の距離を変化させる機構では、その性質上、光路に沿った方向のサイズが大きくなりやすいが、本実施形態による焦点距離可変レンズでは、光路に沿った方向(=軸方向)のサイズを非常に小さくすることが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましいいくつかの実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10の構造を概略的に示す図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すA−A線に沿った略断面図である。
図1(a),(b)に示すように、本実施形態による焦点距離可変レンズ10は、断面がコの字である筒状の枠体2と、枠体2の軸方向における一方の端部2a側に収容され、いずれも筒状構造を有する超磁歪素子11a、コイル12a及び永久磁石13aと、枠体2の軸方向における他方の端部2b側に収容され、いずれも筒状構造を有する超磁歪素子11b、コイル12b及び永久磁石13bとを備えている。これら超磁歪素子11a、コイル12a及び永久磁石13aは、内側から外側へこの順に同心円状に配置されており、同様に、超磁歪素子11b、コイル12b及び永久磁石13bについても、内側から外側へこの順に同心円状に配置されている。
また、筒状部材である超磁歪素子11a,11bの中空部、さらには、超磁歪素子11aと超磁歪素子11bとの軸方向における隙間11cには、袋状の封止部材14が嵌め込まれており、封止部材14の内部には、レンズの本体となる流動体15が封入されている。超磁歪素子11a,11bの中空部は、使用時において共通の光路となる部分である。
超磁歪素子11a,11bは、磁界の印加に応じて伸縮する超磁歪材料によって構成されており、使用する超磁歪材料としては、特に限定されるものではないがTb0.34−Dy0.66−Fe1.90を中心組成とする超磁歪材料等を用いることができる。超磁歪素子のサイズについては、目的とする焦点距離可変レンズ10のサイズや、目的とする焦点可変量に応じて適宜選択すれば良い。本実施形態では、超磁歪素子11aの径と超磁歪素子11bの径がほぼ同じであり、このため隙間11cは軸方向に垂直に形成されることになる。
コイル12a,12bは、それぞれ超磁歪素子11a,11bに与える磁界を変化させるために用いられ、図示しない制御回路によりコイル12a,12bに流す電流を変化させると、超磁歪素子11a,11bに与えられる磁界が変化する。コイル12aは超磁歪素子11aの円周方向に巻回されており、コイル12bは超磁歪素子11bの円周方向に巻回されているため、コイル12a,12bを流れる電流により生じる磁束の方向は、超磁歪素子11a,11bの軸方向となる。つまり、コイル12a,12bに流す電流を変化させると、超磁歪素子11a,11bに印加される磁界は主として軸方向に変化することになる。これにより、コイル12a,12bに流す電流を変化させることによって、超磁歪素子11a,11bを主として軸方向に変位させることが可能となる。
永久磁石13a,13bは、それぞれ超磁歪素子11a,11bに磁気バイアスを印加する磁気バイアス印加手段として機能する。超磁歪素子11a,11bは、磁界が印加されていない状態が最もサイズが小さく、磁界が強くなるにしたがって伸張する性質を有している。つまり、磁界が印加されていない状態からは超磁歪素子11a,11bを収縮させることはできず、単に、伸張させることができるのみである。したがって、超磁歪素子11a,11bを「伸縮」させるためには、通常時(ニュートラルな状態)において超磁歪素子11a,11bに所定の「磁気バイアス」を印加する必要があり、永久磁石13a,13bはかかる目的のために設けられている。
本実施形態では、永久磁石13a,13bが超磁歪素子11a,11bに対してそれぞれ同心円状に配置されており、軸方向における一端13a,13bを例えばN極、軸方向における他端13a,13bを例えばS極とすれば、永久磁石13a,13bにより生じる磁束の方向は、超磁歪素子11a,11bの軸方向となる。このため、主として軸方向に変位する超磁歪素子11a,11bに対して、効果的に磁気バイアスを与えることが可能となる。
封止部材14は、超磁歪素子11a,11bの中空部、並びに、超磁歪素子11aと超磁歪素子11bとの隙間11cに嵌め込まれており、レンズの本体となる流動体15を密封する役割を果たす。封止部材14は、使用時において光路となることから、可視光線に対して透過率の高い材料を用いる必要がある。また、封止部材14のうち、光路上に位置する第1及び第2の部分14a,14bの少なくとも一方は、流動体15の圧力変化に応答して変形可能な弾力性を有している必要がある。したがって、第1及び第2の部分14a,14bの一方については、ガラスのように、流動体15の圧力変化に応じた変形がほとんど無い材料を用いても構わない。
また、封止部材14のうち、隙間11cに嵌め込まれた第3の部分14cは、固定部材6によって枠体2に固定されており、これによって、封止部材14の第3の部分14cは、この隙間11cに保持されている。第3の部分14cは、超磁歪素子11a,11bの軸方向への変位に連動する弾力性を有している必要がある。固定部材6としては、例えば接着剤などを用いることができる。
さらに、封止部材14は、固定部材8によって枠体2に固定された第4の部分14dを有している。枠体2と封止部材14の第4の部分14dとを固定する固定部材8についても、接着剤などを用いることが可能である。
流動体15の漏れを防止するためには、封止部材14は、流動体15や空気などを透過しない性質を有している必要がある。これは、封止部材14が流動体15や空気などを透過する性質を有していると、流動体15が封止部材14を透過して外部に漏れ出したり、空気などが封止部材14を透過して内部に侵入するおそれがあるからである。流動体15が漏れ出すような場合はもちろんのこと、空気などが内部に侵入する場合にも、レンズの曲率が変わってしまうという問題が生じる。
流動体15は、レンズの本体となる部材であり、使用時においては光路となることから可視光線に対して透過率の高い材料を用いる必要がある。流動体15の材料としては、圧力や温度による体積変化の少ない液体やゲル状体の材料を用いることができ、一例として、水を用いることができる。焦点距離の可変範囲を大きくするためには、流動体15の材料として、できるだけ屈折率の高い材料を用いることが好ましい。
以上が、本実施形態による焦点距離可変レンズ10を構成する各要素である。本実施形態による焦点距離可変レンズ10を駆動する駆動回路としては、図2に示すように、焦点距離可変レンズ10を構成するコイル12a,12bの並列回路12(直列回路であっても構わない)に、直流電源16及び可変抵抗17を直列に接続した回路を用いることができる。このような回路を用いた場合、図示しない制御回路によって可変抵抗17の抵抗値を変化させることにより、コイル12a,12bに流れる電流を変化させることができる。
また、本実施形態による焦点距離可変レンズ10を駆動する駆動回路としては、図3に示す回路を用いることも可能である。図3に示す回路は、焦点距離可変レンズ10を構成するコイル12a,12bの並列回路12(直列回路であっても構わない)、に可変直流電源18及び抵抗19を直列に接続した構成を有しており、図示しない制御回路によって可変直流電源18の電圧を変化させることにより、コイル12a,12bに流れる電流を変化させることができる。
次に、本実施形態による焦点距離可変レンズ10の動作について説明する。
まず、通常時、つまり、超磁歪素子11a,11bに磁気バイアスのみが印加されているニュートラルな状態においては、超磁歪素子11a,11bの軸方向の長さL0はある一定の長さを保っており、これにより、超磁歪素子11aと超磁歪素子11bとの隙間11cの距離G0もある一定の長さを保っている。この状態では、封止部材14の第1及び第2の部分14a,14bの表面はほぼ平坦面となっており(図1(b)参照)、したがって、この状態で流動体15を介して光を透過させてもレンズ作用は実質的に生じない。
しかし、コイル12a,12bに電流を流すことによって超磁歪素子11a,11bに与えられる磁界を増大させると、磁界の強さに応じて超磁歪素子11a,11bが軸方向に伸張する。図4は、この状態を示す略断面図であり、超磁歪素子11a,11bの長さがL1(>L0)に変化することによって、超磁歪素子11aと超磁歪素子11bとの隙間11cの距離G1は、
G1=G0−2(L1−L0)
に変化する。その結果、流動体15にかかる圧力が増大し、封止部材14の第1及び第2の部分14a,14bの表面は凸状に膨らむ。したがって、この状態で流動体15を介して光を透過させると、流動体15は凸レンズとして作用することになる。
一方、コイル12a,12bに磁気バイアスを打ち消す方向の電流を流すことによって、超磁歪素子11a,11bに与えられる磁界を減少させると、磁界の減少度合いに応じて超磁歪素子11a,11bが軸方向に収縮する。図5は、この状態を示す略断面図であり、超磁歪素子11a,11bの長さがL2(<L0)に変化することによって、超磁歪素子11aと超磁歪素子11bとの隙間11cの距離G2は、
G2=G0+2(L0−L2)
に変化する。その結果、流動体15にかかる圧力が減少し、封止部材14の第1及び第2の部分14a,14bの表面は内側へ凹む。したがって、この状態で流動体15を介して光を透過させると、流動体15は凹レンズとして作用することになる。
第1及び第2の封止部材14a,14bの曲率は、コイル12に流す電流の大きさ及び方向によって調整することが可能であり、これによって、焦点距離を可変とすることが可能となる。
このように、本実施形態による焦点距離可変レンズ10は、従来の焦点距離可変レンズのように液体の量を増減させるのではなく、筒状の超磁歪素子11a,11bの中空部及びこれらの隙間11cに流動体15を封入した構造を有していることから、焦点距離を変化させる際に、枠体2の内部に流動体15を注入したり、流動体15を枠体2の外部に排出させる必要がない。このため、従来必要であった封入調整器やパイプなどの機構が不要となり、焦点距離可変レンズ全体を小型化することが可能となる。しかも、焦点距離を変更する際に液体の移動を伴わないことから、液漏れなどが生じにくく、このため、本実施形態による焦点距離可変レンズ10を組み込む光学機器の信頼性を高めることも可能となる。
また、超磁歪素子11a,11bに与える磁界の変化によって焦点距離を変化させていることから、レンズ間の距離を変化させることによって焦点距離を変化させる一般的な機構と比べても、応答速度が極めて速いという特徴を有している。また、機械的に作動する部分を有していないことから、機械的故障などが発生しにくいという利点も有している。しかも、レンズ間の距離を変化させる機構では、その性質上、光路に沿った方向のサイズが大きくなりやすいが、本実施形態による焦点距離可変レンズ10では、光路に沿った方向(=軸方向)のサイズを非常に小さくすることが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態による焦点距離可変レンズ20の構造を概略的に示す図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すB−B線に沿った略断面図である。
図6(a),(b)に示すように、本実施形態による焦点距離可変レンズ20は、永久磁石13が枠体として用いられている点において第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と異なっている。その他は、第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と同様であることから、同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。本実施形態においては、永久磁石13のうち、軸方向に位置する一方の部分(図6(b)では上側)の端部13が例えばN極、軸方向に位置する他方の部分(図6(b)では下側)の端部13が例えばS極とされている。
本実施形態では、永久磁石13が枠体として用いられていることから、焦点距離可変レンズ20の径方向におけるサイズをより小型化することが可能となる。また、本実施形態では、永久磁石13が超磁歪素子11a,11bの径方向外側及び軸方向における上下両側に配置されていることから、第1の実施形態に比べ、超磁歪素子11a,11bに与える磁気バイアスをより強力且つ均一とすることが可能となる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態による焦点距離可変レンズ30の構造を概略的に示す図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すC−C線に沿った略断面図である。
図7(a),(b)に示すように、本実施形態による焦点距離可変レンズ30は、永久磁石13が省略されている点において第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と異なっている。その他は、第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と同様であることから、同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、図2又は図3に示した駆動回路によって、コイル12a,12bに所定の直流バイアス電流が流されており、かかる直流バイアス電流により生じる磁界を「磁気バイアス」として超磁歪素子11a,11bに印加している。このため、本実施形態では、超磁歪素子11a,11bに磁気バイアスを与えるための永久磁石が不要となることから、焦点距離可変レンズ30のサイズを非常に小型化することが可能となる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態による焦点距離可変レンズ40の構造を概略的に示すす略断面図である。平面図については、図1(a)とほぼ同様であることから図示を省略する。
図8に示すように、本実施形態による焦点距離可変レンズ40は、超磁歪素子11b、コイル12b及び永久磁石13bが省略されている点において第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と異なっている。その他は、第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と同様であることから、同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、超磁歪素子11aと枠体2の端部2bとの隙間11cの距離を軸方向に変化させることによって、焦点距離を変えることができる。このように、本発明において隙間11cを形成する2つの筒状部材としては、その両方が超磁歪素子である必要はなく、本実施形態のように、一方のみが超磁歪素子であり、他方が固定端であっても構わない。かかる構成によれば、隙間11cの変化量は小さくなるものの、構成部品数を大幅に減らすことが可能となる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第5の実施形態による焦点距離可変レンズ50の構造を概略的に示す略断面図である。平面図については図示を省略する。
図9に示すように、本実施形態による焦点距離可変レンズ50は、枠体2の端部2a,2bにおける内径が、超磁歪素子11の内径未満に設定されている点において第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と異なっている。その他は、第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10と同様であることから、同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態においては、封止部材14の変形可能領域が、超磁歪素子11a,11bの内径未満となることから、第1の実施形態と比べ、超磁歪素子11a,11bの変位に応じた封止部材14の変形量がより大きくなる。したがって、本実施形態によれば、焦点距離の可変範囲をより拡大することが可能となる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態では、超磁歪素子11a,11bの全体が超磁歪材料によって構成されているが、本発明において超磁歪素子11a,11bの全体が超磁歪材料によって構成することは必須でなく、超磁歪素子11a,11bの一部のみを超磁歪材料によって構成しても構わない。したがって、図10(a)〜(c)に示すように、超磁歪材料からなる部分81と超磁歪材料とは異なる材料からなる部分82とが軸方向に混在していても構わないし、図11(a)〜(c)に示すように、超磁歪材料からなる部分81と超磁歪材料とは異なる材料からなる部分82とが径方向に混在していても構わないし、図12(a),(b)に示すように、超磁歪材料からなる部分81と超磁歪材料とは異なる材料からなる部分82とが円周方向に混在していても構わない。但し、上記各実施形態のように超磁歪素子11a,11bの全体を超磁歪材料によって構成すれば、より大きな変位が得られるとともに、正しいレンズ形状が得ることができることから、この点を考慮すれば、超磁歪素子11a,11bの全体を超磁歪材料によって構成することが好ましい。
また、上記各実施形態では、コイル12a,12bを超磁歪素子11a,11bに対して径方向外側に配置しているが、これらを超磁歪素子11a,11bに対して径方向内側に配置しても構わないし、超磁歪素子11a,11bに対して軸方向に配置することも可能である。
さらに、上記各実施形態では、永久磁石13a,13b等を用いて超磁歪素子11a,11bに磁気バイアスを与えているが、本発明において超磁歪素子11a,11bに磁気バイアスを与えることは必須でなく、これを省略しても構わない。
また、上記実施形態では、超磁歪素子11a,11bに磁気バイアスのみが印加されているニュートラルな状態においては、封止部材14の第1及び第2の部分14a,14bの表面がほぼ平坦面となっている場合について説明したが(図1(b)参照)、ニュートラルな状態における第1及び第2の部分14a,14bの形状はどのような形状であってもかまわない。すなわち、第1及び第2の部分14a,14bがニュートラルな状態において凸レンズとしての形状を有し、凸レンズとしての形状の範囲内で超磁歪素子を伸張及び収縮させることにより、曲率を変化させても構わない。また、第1及び第2の部分14a,14bがニュートラルな状態において凹レンズとしての形状を有し、凹レンズとしての形状の範囲内で超磁歪素子を伸張及び収縮させることにより、曲率を変化させても構わない。
さらに、本発明において、超磁歪素子11aの軸方向における長さと超磁歪素子11bの軸方向における長さが一致している必要はなく、長さが異なっていても構わない。また、軸方向に隙間11cが形成される限り、超磁歪素子11aの形状と超磁歪素子11bの形状が異なっていても構わない。
また、上記各実施形態ではいずれも超磁歪素子を用いた場合を説明したが、封止部材を変形し得る程度の変位可能なものであれば、磁歪素子も用いても構わない。
本発明の第1の実施形態による焦点距離可変レンズ10の構造を概略的に示す図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すA−A線に沿った略断面図である。 焦点距離可変レンズ10を駆動する駆動回路の一例を示す回路図である。 焦点距離可変レンズ10を駆動する駆動回路の別の例を示す回路図である。 超磁歪素子11a,11bを軸方向に伸張させた状態を示す略断面図である。 超磁歪素子11a,11bを軸方向に収縮させた状態を示す略断面図である。 本発明の第2の実施形態による焦点距離可変レンズ20の構造を概略的に示す図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すB−B線に沿った略断面図である。 本発明の第3の実施形態による焦点距離可変レンズ30の構造を概略的に示す図であり、(a)は略平面図、(b)は(a)に示すC−C線に沿った略断面図である。 本発明の第4の実施形態による焦点距離可変レンズ40の構造を概略的に示す略断面図である。 本発明の第5の実施形態による焦点距離可変レンズ50の構造を概略的に示す略断面図である。 超磁歪材料からなる部分81と超磁歪材料とは異なる材料からなる部分82とが軸方向に混在した超磁歪素子11a,11bの構造を示す略斜視図である。 超磁歪材料からなる部分81と超磁歪材料とは異なる材料からなる部分82とが径方向に混在した超磁歪素子11a,11bの構造を示す略斜視図である。 超磁歪材料からなる部分81と超磁歪材料とは異なる材料からなる部分82とが円周方向に混在した超磁歪素子11a,11bの構造を示す略斜視図である。
符号の説明
2 枠体
2a 枠体の軸方向における一方の端部
2b 枠体の軸方向における他方の端部
4 腕部
4a,4b 腕部の端部
6,8 固定部材
10,20,30,40,50 焦点距離可変レンズ
11a,11b 超磁歪素子
11c 隙間
12 並列回路
12a,12b コイル
13,13a,13b 永久磁石
13a,13b 永久磁石の軸方向における一端
13a,13b 永久磁石の軸方向における他端
14 封止部材
14a 封止部材の第1の部分
14b 封止部材の第2の部分
14c 封止部材の第3の部分
14d 封止部材の第4の部分
15 流動体
16 直流電源
17 可変抵抗
18 可変直流電源
19 抵抗
81 超磁歪材料からなる部分
82 超磁歪材料とは異なる材料からなる部分

Claims (9)

  1. 軸方向に所定の隙間をもって配置され、中空部が共通の光路となる第1及び第2の筒状部材であって、少なくとも一方が磁歪材料を含む第1及び第2の筒状部材と、少なくとも一部が前記光路上に配置された封止部材と、前記封止部材によって前記第1及び第2の筒状部材の前記中空部及び前記隙間に封入された流動体と、磁界の印加によって前記隙間の距離を変化させる手段とを備え、前記封止部材の前記光路上に配置された部分の少なくとも一部は、変形可能な弾力性を有していることを特徴とする焦点距離可変レンズ。
  2. 前記封止部材の一部を前記隙間に保持する固定部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の焦点距離可変レンズ。
  3. 前記第1及び第2の筒状部材の両方が磁歪材料を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の焦点距離可変レンズ。
  4. 前記第1及び第2の筒状部材の全体が磁歪材料によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の焦点距離可変レンズ。
  5. 前記第1及び第2の筒状部材の少なくとも軸方向に配置された枠体をさらに備え、前記封止部材が前記枠体に固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の焦点距離可変レンズ。
  6. 前記第1の筒状部材の少なくとも軸方向に配置された枠体が第2の筒状部材を構成しており、前記封止部材が前記枠体に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の焦点距離可変レンズ。
  7. 前記変位させる手段は、前記第1及び第2の筒状部材の少なくとも一方の円周方向に巻回されたコイルを含んでいることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の焦点距離可変レンズ。
  8. 前記第1及び第2の筒状部材の少なくとも一方に磁気バイアスを印加する磁気バイアス印加手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の焦点距離可変レンズ。
  9. 前記封止部材は、変形可能領域が前記第1及び第2の筒状部材の少なくとも一部の内径未満に設定されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の焦点距離可変レンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020135041A1 (zh) * 2018-12-26 2020-07-02 维沃移动通信有限公司 摄像装置及电子设备

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