JPH1166911A - 車両用可変配光装置 - Google Patents
車両用可変配光装置Info
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- JPH1166911A JPH1166911A JP9229967A JP22996797A JPH1166911A JP H1166911 A JPH1166911 A JP H1166911A JP 9229967 A JP9229967 A JP 9229967A JP 22996797 A JP22996797 A JP 22996797A JP H1166911 A JPH1166911 A JP H1166911A
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- distribution device
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Abstract
(57)【要約】
【課題】光利用率の低下を招くことなく、配光パターン
の変更自由度が高く、装置の小型軽量化により車両前面
の美観低下を回避でき、更にその上、狭小領域に光を照
射する場合にはその照度向上が容易であるという各種利
点を有する車両用可変配光装置を提供すること。 【解決手段】光源となるバルブ101から放射された光
は導光手段102及びレンズ系104、J、105を通
じて車両前方へ照射される。本発明では特に、レンズ系
が液体封入式可変焦点レンズJを含む点をその特徴とし
ている。この液体封入式可変焦点レンズJは、内部に充
填された作動流体の圧力に応じてその焦点距離を変え、
これによりバルブ101から放射され、導光手段102
で導光された光の照射パターンすなわち配光パターンが
変更される。
の変更自由度が高く、装置の小型軽量化により車両前面
の美観低下を回避でき、更にその上、狭小領域に光を照
射する場合にはその照度向上が容易であるという各種利
点を有する車両用可変配光装置を提供すること。 【解決手段】光源となるバルブ101から放射された光
は導光手段102及びレンズ系104、J、105を通
じて車両前方へ照射される。本発明では特に、レンズ系
が液体封入式可変焦点レンズJを含む点をその特徴とし
ている。この液体封入式可変焦点レンズJは、内部に充
填された作動流体の圧力に応じてその焦点距離を変え、
これによりバルブ101から放射され、導光手段102
で導光された光の照射パターンすなわち配光パターンが
変更される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドライトの配
光を変化させる車両用可変配光装置に関する。
光を変化させる車両用可変配光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用可変配光装置の従来技術として、
本出願人の出願になる特開平5ー266701号公報
は、機械式シャッタを有する光学系により構成された配
光装置を用いた車両用前照灯装置(以下、機械シャッタ
式車両用可変配光装置ともいう)を提案している。この
機械シャッタ式車両用可変配光装置は、光路を遮断可能
なシェードと集光レンズとを有する集中光源方式を採用
するとともに、走行状態によりシェードで調節して車両
前照灯の配光を調節する。
本出願人の出願になる特開平5ー266701号公報
は、機械式シャッタを有する光学系により構成された配
光装置を用いた車両用前照灯装置(以下、機械シャッタ
式車両用可変配光装置ともいう)を提案している。この
機械シャッタ式車両用可変配光装置は、光路を遮断可能
なシェードと集光レンズとを有する集中光源方式を採用
するとともに、走行状態によりシェードで調節して車両
前照灯の配光を調節する。
【0003】この種類の車両用可変配光装置の別の従来
技術として、日経メカニカル、1997.4.10、N
o.504,pp.27に、複数のバルブを切り替える
ことにより、配光パターンを可変にするマルチバルブ型
ヘッドランプ装置(以下、バルブ切替式車両用可変配光
装置ともいう)が記載されている。このバルブ切替式車
両用可変配光装置では1つのヘッドランプユニットが複
数のバルブ及びミラーのセットを内蔵しており、車両の
走行状態に応じて点灯させるべきバルブが切り替えられ
る。
技術として、日経メカニカル、1997.4.10、N
o.504,pp.27に、複数のバルブを切り替える
ことにより、配光パターンを可変にするマルチバルブ型
ヘッドランプ装置(以下、バルブ切替式車両用可変配光
装置ともいう)が記載されている。このバルブ切替式車
両用可変配光装置では1つのヘッドランプユニットが複
数のバルブ及びミラーのセットを内蔵しており、車両の
走行状態に応じて点灯させるべきバルブが切り替えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
機械シャッタ式車両用可変配光装置では、シェードの変
位により遮光する機械式シャッタによりただ非照射領域
へ向かう光を遮断するだけであるので、車両前方の照射
領域を狭小化する場合において狭小化した照射領域に光
を集中してその視認性を向上することができなかった。
更に説明すると、たとえば歩行者やワインディングロー
ドなどのように広い視野を必要とするような走行状況下
で広い領域に光を分散させる以外に、雨や霧といった走
行状況下で視認重要度の高い領域に光を集中してその視
認性をできるだけ向上させたりする。
機械シャッタ式車両用可変配光装置では、シェードの変
位により遮光する機械式シャッタによりただ非照射領域
へ向かう光を遮断するだけであるので、車両前方の照射
領域を狭小化する場合において狭小化した照射領域に光
を集中してその視認性を向上することができなかった。
更に説明すると、たとえば歩行者やワインディングロー
ドなどのように広い視野を必要とするような走行状況下
で広い領域に光を分散させる以外に、雨や霧といった走
行状況下で視認重要度の高い領域に光を集中してその視
認性をできるだけ向上させたりする。
【0005】また、原理的に照射領域狭小化時の光利用
率が低く、その分、シェードで反射された光はヘッドラ
ンプユニット内で反射を繰り返してその大部分が熱に転
換し、ヘッドランプユニットの冷却負担が大きくなると
いう問題、バッテリーの利用効率も低下するという問題
もあった。一方、後者のマルチバルブ型車両用可変配光
装置では、バルブの点灯パターンを制御することにより
配光を可変にする方式を採用するため、配光パターンを
増やすにはヘッドランプユニット内に多数のバルブや反
射鏡や配線やソケットなどを内蔵させねばならず、ヘッ
ドランプユニットが通常のものより格段に大形化してし
まい、経済性の低下の他、車両前面の美観を低下させる
という問題があった。
率が低く、その分、シェードで反射された光はヘッドラ
ンプユニット内で反射を繰り返してその大部分が熱に転
換し、ヘッドランプユニットの冷却負担が大きくなると
いう問題、バッテリーの利用効率も低下するという問題
もあった。一方、後者のマルチバルブ型車両用可変配光
装置では、バルブの点灯パターンを制御することにより
配光を可変にする方式を採用するため、配光パターンを
増やすにはヘッドランプユニット内に多数のバルブや反
射鏡や配線やソケットなどを内蔵させねばならず、ヘッ
ドランプユニットが通常のものより格段に大形化してし
まい、経済性の低下の他、車両前面の美観を低下させる
という問題があった。
【0006】また、機械シャッタ式車両用可変配光装置
の場合と同じく原理的に、狭小化した照射領域に光を集
中してその視認性を向上するということができないとい
う不具合があった。本発明は、上記問題点に鑑みなされ
たものであり、光利用率の低下を招くことなく、配光パ
ターンの変更自由度が高く、装置の小型軽量化により車
両前面の美観低下を回避でき、更にその上、狭小領域に
光を照射する場合にはその照度向上が容易であるという
各種利点を有する車両用可変配光装置を提供すること
を、その解決すべき課題としている。
の場合と同じく原理的に、狭小化した照射領域に光を集
中してその視認性を向上するということができないとい
う不具合があった。本発明は、上記問題点に鑑みなされ
たものであり、光利用率の低下を招くことなく、配光パ
ターンの変更自由度が高く、装置の小型軽量化により車
両前面の美観低下を回避でき、更にその上、狭小領域に
光を照射する場合にはその照度向上が容易であるという
各種利点を有する車両用可変配光装置を提供すること
を、その解決すべき課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明
した。本発明の第1の構成によれば、光源となるバルブ
から放射された光は導光手段及びレンズ系を通じてヘッ
ドランプユニットから車両前方へ照射される。本発明で
は特に、レンズ系が液体封入式可変焦点レンズを含む点
をその特徴としている。この液体封入式可変焦点レンズ
は、内部に充填された作動流体の圧力に応じてその焦点
距離を変え、これによりバルブから放射され、導光手段
で導光された光の照射パターンすなわち配光パターンが
変更される。
記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明
した。本発明の第1の構成によれば、光源となるバルブ
から放射された光は導光手段及びレンズ系を通じてヘッ
ドランプユニットから車両前方へ照射される。本発明で
は特に、レンズ系が液体封入式可変焦点レンズを含む点
をその特徴としている。この液体封入式可変焦点レンズ
は、内部に充填された作動流体の圧力に応じてその焦点
距離を変え、これによりバルブから放射され、導光手段
で導光された光の照射パターンすなわち配光パターンが
変更される。
【0008】本構成によれば、上述した従来の車両用可
変配光装置に比べて、光利用率が高く、配光パターンを
所定範囲で無段階に調節でき、装置の体格増大を必要と
しないので車両前面の美観低下を回避でき、更にその
上、狭小領域に光を照射する場合にはその照度向上が容
易であるという優れた利点をもつ車両用可変配光装置を
実現することができる。
変配光装置に比べて、光利用率が高く、配光パターンを
所定範囲で無段階に調節でき、装置の体格増大を必要と
しないので車両前面の美観低下を回避でき、更にその
上、狭小領域に光を照射する場合にはその照度向上が容
易であるという優れた利点をもつ車両用可変配光装置を
実現することができる。
【0009】更に詳しく説明すると、本構成の装置で
は、配光パターン言い換えれば照射領域は可変焦点レン
ズの焦点距離の変更により調節され、具体的には液体封
入式可変焦点レンズの液圧制御により調節される。たと
えば液圧を増大すれば、そのレンズ面の曲率が縮小して
焦点距離が短くなり、逆に液圧を減少すれば、そのレン
ズ面の曲率が増加して焦点距離が長くなり、これらの制
御により光は広い照射領域に拡散したり、狭小な照射領
域に集中したりする。したがって、雨や霧といった特定
の走行条件下で視認重要度の高い領域に光を集中してそ
の最低限の視認性をなんとか確保するといったことが可
能となる。
は、配光パターン言い換えれば照射領域は可変焦点レン
ズの焦点距離の変更により調節され、具体的には液体封
入式可変焦点レンズの液圧制御により調節される。たと
えば液圧を増大すれば、そのレンズ面の曲率が縮小して
焦点距離が短くなり、逆に液圧を減少すれば、そのレン
ズ面の曲率が増加して焦点距離が長くなり、これらの制
御により光は広い照射領域に拡散したり、狭小な照射領
域に集中したりする。したがって、雨や霧といった特定
の走行条件下で視認重要度の高い領域に光を集中してそ
の最低限の視認性をなんとか確保するといったことが可
能となる。
【0010】また液圧制御により可変焦点レンズの厚
さ、曲率、焦点距離を自由に制御できるため配光パター
ンを大きく変更することができる。請求項2記載の構成
によれば請求項1記載の構成において更に、検出した車
速に応じて圧力を制御し、可変焦点レンズの焦点距離を
変え、配光パターンすなわち照射領域を変更する。
さ、曲率、焦点距離を自由に制御できるため配光パター
ンを大きく変更することができる。請求項2記載の構成
によれば請求項1記載の構成において更に、検出した車
速に応じて圧力を制御し、可変焦点レンズの焦点距離を
変え、配光パターンすなわち照射領域を変更する。
【0011】このようにすれば、車速に応じてその最適
な照射領域を照射できるので、都合がよい。たとえば、
高速走行時には運転者の視野は狭小かつ遠方となってい
るので、その部分に光を集中して視認領域の視認性を向
上し、低速走行時には運転者の視野は広くかつ近くなっ
ているので、その部分に光を広く拡散して視認領域の視
認性を向上する。
な照射領域を照射できるので、都合がよい。たとえば、
高速走行時には運転者の視野は狭小かつ遠方となってい
るので、その部分に光を集中して視認領域の視認性を向
上し、低速走行時には運転者の視野は広くかつ近くなっ
ているので、その部分に光を広く拡散して視認領域の視
認性を向上する。
【0012】このようにすれば、車速に応じて最適な配
光パターンを得ることができる。本発明の第3の構成に
よれば、請求項1記載の車両用可変配光装置において更
に、径方向中央部に貫通孔が形成されたリング状の圧電
変形素子(バイモルフまたはユニモルフ)が積層され、
外周連結材によりそれらの外周部が、内周連結部材によ
りそれらの内周部が互いに連結されて貫通孔付きの積層
型圧電アクチュエータが形成される。このようにすれ
ば、貫通孔により中央部に円筒状の光路用空間が確保で
きるので、単一の積層型圧電アクチュエータで可変焦点
レンズを駆動することができる。また、外周連結部材お
よび内周連結部材により、発生力は各圧電変形素子の総
和になるので、発生力の必要に応じて圧電変形素子を積
層すれば、十分な発生力が得られる。また、積層型圧電
アクチュエータをレンズと同軸に配設することができる
ので、可変焦点レンズ全体をコンパクトに軽量にまとめ
ることができる。また、単一の積層型圧電アクチュエー
タであるので、部品点数も少なくて済み、信頼性が向上
する上にコストダウンにもなる。更に、積層された圧電
変形素子のうちの一枚に不具合があっても、積層型圧電
アクチュエータ全体の発生力は少し減少するだけで非対
称性は生じないので、レンズにゆがみが生じることがな
い。
光パターンを得ることができる。本発明の第3の構成に
よれば、請求項1記載の車両用可変配光装置において更
に、径方向中央部に貫通孔が形成されたリング状の圧電
変形素子(バイモルフまたはユニモルフ)が積層され、
外周連結材によりそれらの外周部が、内周連結部材によ
りそれらの内周部が互いに連結されて貫通孔付きの積層
型圧電アクチュエータが形成される。このようにすれ
ば、貫通孔により中央部に円筒状の光路用空間が確保で
きるので、単一の積層型圧電アクチュエータで可変焦点
レンズを駆動することができる。また、外周連結部材お
よび内周連結部材により、発生力は各圧電変形素子の総
和になるので、発生力の必要に応じて圧電変形素子を積
層すれば、十分な発生力が得られる。また、積層型圧電
アクチュエータをレンズと同軸に配設することができる
ので、可変焦点レンズ全体をコンパクトに軽量にまとめ
ることができる。また、単一の積層型圧電アクチュエー
タであるので、部品点数も少なくて済み、信頼性が向上
する上にコストダウンにもなる。更に、積層された圧電
変形素子のうちの一枚に不具合があっても、積層型圧電
アクチュエータ全体の発生力は少し減少するだけで非対
称性は生じないので、レンズにゆがみが生じることがな
い。
【0013】したがって、本構成の貫通孔付きの積層型
圧電アクチュエータにより可変焦点レンズを駆動する構
成を採用すれば、小型化、高信頼性化および低廉化する
ことができ、小型軽量の可変焦点レンズ装置を実現する
ことができる。請求項4記載の構成によれば請求項第3
記載の車両用可変配光装置において更に、外周連結部材
または内周連結部材が導電性の材料からなり、各圧電変
形素子の圧電板の電極に給電する構成が採用される。こ
の直接接続構成によればその分だけリ−ド線などによる
配線を省略できるので、配線工数の低減の他、断線など
による導通不良の発生確率を低減できるので信頼性が向
上する。
圧電アクチュエータにより可変焦点レンズを駆動する構
成を採用すれば、小型化、高信頼性化および低廉化する
ことができ、小型軽量の可変焦点レンズ装置を実現する
ことができる。請求項4記載の構成によれば請求項第3
記載の車両用可変配光装置において更に、外周連結部材
または内周連結部材が導電性の材料からなり、各圧電変
形素子の圧電板の電極に給電する構成が採用される。こ
の直接接続構成によればその分だけリ−ド線などによる
配線を省略できるので、配線工数の低減の他、断線など
による導通不良の発生確率を低減できるので信頼性が向
上する。
【0014】請求項5記載の構成によれば請求項3記載
の車両用可変配光装置において更に、以下の構成を採用
する。透明封止部材は円盤状の透明板で、積層型圧電ア
クチュエータのパイプ状の内周連結部材に接合されてお
り、内周連結部材を介して積層型圧電アクチュエータに
よりその軸方向へ駆動される。容器は、外周部が外周連
結部材に接合され、円形のレンズ孔が中央を軸方向に貫
通しているリング部材と、可撓性を有してこのリング部
材と透明板とを油密に接続しているリング状の可撓性部
材とを有している。そして、透明弾性膜は、レンズ孔の
周囲のリング部分に全周にわたって接合されている。な
お、透明封止部材を構成する透明板は、好ましくは透明
弾性膜よりも大きな剛性をもつことが好ましいが、透明
封止部材を上述した透明弾性膜と同じ構造の透明弾性膜
で構成することも可能である。
の車両用可変配光装置において更に、以下の構成を採用
する。透明封止部材は円盤状の透明板で、積層型圧電ア
クチュエータのパイプ状の内周連結部材に接合されてお
り、内周連結部材を介して積層型圧電アクチュエータに
よりその軸方向へ駆動される。容器は、外周部が外周連
結部材に接合され、円形のレンズ孔が中央を軸方向に貫
通しているリング部材と、可撓性を有してこのリング部
材と透明板とを油密に接続しているリング状の可撓性部
材とを有している。そして、透明弾性膜は、レンズ孔の
周囲のリング部分に全周にわたって接合されている。な
お、透明封止部材を構成する透明板は、好ましくは透明
弾性膜よりも大きな剛性をもつことが好ましいが、透明
封止部材を上述した透明弾性膜と同じ構造の透明弾性膜
で構成することも可能である。
【0015】積層型圧電アクチュエータが内周連結部材
を介して透明封止部材すなわち透明板を軸方向に駆動す
ると、透明板とともにその周囲の可撓性部材も変位して
作動流体に圧力変動が生じ、この作動流体の圧力変動に
より透明弾性膜は押し引きされてその曲率が変化する。
その結果、透明板と透明弾性膜とこれら両者の間に介在
している作動流体とによって形成されるレンズの焦点位
置が変化する。すなわち、本構成では、積層型圧電アク
チュエータにより駆動されるのは透明弾性膜よりも頑丈
に形成できる透明板であり、この透明板はその曲率変化
を必要としないので破損しにくい。一方、透明弾性膜
は、静止しているリング部材に全周囲が接合されている
ので、積層型圧電アクチュエータからの衝撃や加速度が
直接かかることがなく、ただ作動流体の圧力に応じて変
形するだけであるから、破損しにくい。したがって、本
構成によれば頑丈で信頼性に富む可変焦点レンズ装置を
実現することができる。
を介して透明封止部材すなわち透明板を軸方向に駆動す
ると、透明板とともにその周囲の可撓性部材も変位して
作動流体に圧力変動が生じ、この作動流体の圧力変動に
より透明弾性膜は押し引きされてその曲率が変化する。
その結果、透明板と透明弾性膜とこれら両者の間に介在
している作動流体とによって形成されるレンズの焦点位
置が変化する。すなわち、本構成では、積層型圧電アク
チュエータにより駆動されるのは透明弾性膜よりも頑丈
に形成できる透明板であり、この透明板はその曲率変化
を必要としないので破損しにくい。一方、透明弾性膜
は、静止しているリング部材に全周囲が接合されている
ので、積層型圧電アクチュエータからの衝撃や加速度が
直接かかることがなく、ただ作動流体の圧力に応じて変
形するだけであるから、破損しにくい。したがって、本
構成によれば頑丈で信頼性に富む可変焦点レンズ装置を
実現することができる。
【0016】請求項6記載の構成によれば請求項5記載
の車両用可変配光装置において更に、可変焦点レンズの
透明弾性膜に石英ガラスを含むガラス材料を用いる点を
その特徴とする。このようにすれば、透明弾性膜を形成
している材料は石英ガラス(SiO2 )を含む無機ガラ
スであるので、合成樹脂などを用いるのに比べて、本構
成の透明弾性膜は、傷がつきにくく、光透過率に優れ、
かつ、化学的、機械的に安定であり、更に熱及び湿度に
対しても安定とすることができる。更に、封入液体の圧
力に応じて曲率が変化する重要な構成要素であるこの透
明弾性膜は、長期ストレスにより塑性変形しやすい樹脂
材ではなく、長期ストレスに対して塑性変形しにくい無
機ガラスで構成したので、装置特性の経時変化を減らす
こともできる。
の車両用可変配光装置において更に、可変焦点レンズの
透明弾性膜に石英ガラスを含むガラス材料を用いる点を
その特徴とする。このようにすれば、透明弾性膜を形成
している材料は石英ガラス(SiO2 )を含む無機ガラ
スであるので、合成樹脂などを用いるのに比べて、本構
成の透明弾性膜は、傷がつきにくく、光透過率に優れ、
かつ、化学的、機械的に安定であり、更に熱及び湿度に
対しても安定とすることができる。更に、封入液体の圧
力に応じて曲率が変化する重要な構成要素であるこの透
明弾性膜は、長期ストレスにより塑性変形しやすい樹脂
材ではなく、長期ストレスに対して塑性変形しにくい無
機ガラスで構成したので、装置特性の経時変化を減らす
こともできる。
【0017】請求項7記載の構成によれば請求項5記載
の車両用可変配光装置において更に、作動流体としてシ
リコ−ンオイルを採用している。このようにすれば、光
透過性、化学的安定性に優れ、粘性などの特性の経年変
化も少なく温度などの環境による変化も比較的少なくす
ることができる。また、透明弾性膜および透明封止材が
ガラス製であるとすると、シリコ−ンオイルの屈折率が
ガラスの屈折率に近いので、境界面での反射が少なくな
り、より良い光学特性が得られる。さらにシリコ−ンオ
イルの成分を選定することにより、適正な粘性を作動流
体に持たせることができる。
の車両用可変配光装置において更に、作動流体としてシ
リコ−ンオイルを採用している。このようにすれば、光
透過性、化学的安定性に優れ、粘性などの特性の経年変
化も少なく温度などの環境による変化も比較的少なくす
ることができる。また、透明弾性膜および透明封止材が
ガラス製であるとすると、シリコ−ンオイルの屈折率が
ガラスの屈折率に近いので、境界面での反射が少なくな
り、より良い光学特性が得られる。さらにシリコ−ンオ
イルの成分を選定することにより、適正な粘性を作動流
体に持たせることができる。
【0018】請求項8記載の構成によれば請求項5記載
の車両用可変配光装置において更に、透明板及び透明弾
性膜の非作動流体側表面に透光性の樹脂を貼付した点を
その特徴としている。更に説明すると、本構成では透明
板および透明弾性膜の表面に樹脂を張り合わせているの
で、走行中の振動により万が一、該透明板、透明弾性膜
が破損しても、その破損片の飛散、および作動流体の漏
洩を防止できる。また、樹脂は透明板、および、透明弾
性膜の表面のうち、作動流体に触れない側の表面に張り
合わせているので、作動流体が樹脂にとけ込むことを防
止することができる。
の車両用可変配光装置において更に、透明板及び透明弾
性膜の非作動流体側表面に透光性の樹脂を貼付した点を
その特徴としている。更に説明すると、本構成では透明
板および透明弾性膜の表面に樹脂を張り合わせているの
で、走行中の振動により万が一、該透明板、透明弾性膜
が破損しても、その破損片の飛散、および作動流体の漏
洩を防止できる。また、樹脂は透明板、および、透明弾
性膜の表面のうち、作動流体に触れない側の表面に張り
合わせているので、作動流体が樹脂にとけ込むことを防
止することができる。
【0019】したがって、本手段によれば、走行中の振
動などにより透明板、透明弾性膜が破損しても、その破
損片の飛散防止、および作動流体の漏洩防止が可能な可
変焦点レンズ装置を提供できるという効果がある。請求
項9記載の構成によれば請求項5記載の車両用可変配光
装置において更に、透明板及び透明弾性膜の非作動流体
側表面に透光性の樹脂をコーティングした点をその特徴
としている。更に説明すると、本構成では透明板および
透明弾性膜の表面に樹脂をコーティングしているので、
上述した請求項8記載の構成と同じく、走行中の振動に
より万が一、透明板、透明弾性膜が破損しても、その破
損片の飛散、および作動流体の漏洩を防止できる。ま
た、樹脂は透明板、および、透明弾性膜の表面のうち、
作動流体に触れない側の表面にコーティングしているの
で、作動流体が樹脂にとけ込むことを防止することがで
きる。
動などにより透明板、透明弾性膜が破損しても、その破
損片の飛散防止、および作動流体の漏洩防止が可能な可
変焦点レンズ装置を提供できるという効果がある。請求
項9記載の構成によれば請求項5記載の車両用可変配光
装置において更に、透明板及び透明弾性膜の非作動流体
側表面に透光性の樹脂をコーティングした点をその特徴
としている。更に説明すると、本構成では透明板および
透明弾性膜の表面に樹脂をコーティングしているので、
上述した請求項8記載の構成と同じく、走行中の振動に
より万が一、透明板、透明弾性膜が破損しても、その破
損片の飛散、および作動流体の漏洩を防止できる。ま
た、樹脂は透明板、および、透明弾性膜の表面のうち、
作動流体に触れない側の表面にコーティングしているの
で、作動流体が樹脂にとけ込むことを防止することがで
きる。
【0020】したがって、本構成によれば、前述の第7
手段と同様に、走行中の振動などにより透明板、透明弾
性膜が破損しても、その破損片の飛散防止、および作動
流体の漏洩防止が可能な可変焦点レンズ装置を実現する
ことができる。
手段と同様に、走行中の振動などにより透明板、透明弾
性膜が破損しても、その破損片の飛散防止、および作動
流体の漏洩防止が可能な可変焦点レンズ装置を実現する
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の可変焦点レンズを用いた
車両用配光装置について、以下の実施例により更に詳細
に説明する。 (実施例1) (構成)この実施例の車両用可変配光装置の透視俯瞰図
を図1に示す。
車両用配光装置について、以下の実施例により更に詳細
に説明する。 (実施例1) (構成)この実施例の車両用可変配光装置の透視俯瞰図
を図1に示す。
【0022】この車両用可変配光装置は、放電灯などか
らなる集中光源101、光ケーブル(本発明でいう導光
手段)102、入射レンズ、可変焦点レンズ装置、出射
レンズなどから構成されるレンズ系装置(本発明でいう
レンズ系)103及びコントロ−ラ(制御手段)104
から構成される。コントロ−ラ(制御手段)104は、
マイコン構成を有し、入力指令に応じて後述する積層型
圧電アクチュエータAに印加する電圧を制御する。
らなる集中光源101、光ケーブル(本発明でいう導光
手段)102、入射レンズ、可変焦点レンズ装置、出射
レンズなどから構成されるレンズ系装置(本発明でいう
レンズ系)103及びコントロ−ラ(制御手段)104
から構成される。コントロ−ラ(制御手段)104は、
マイコン構成を有し、入力指令に応じて後述する積層型
圧電アクチュエータAに印加する電圧を制御する。
【0023】レンズ系装置103の横断面図を図2に示
す。光ケーブル102の前方には、光ケーブル102か
らの出射光の光軸と同軸上に配設された入射レンズ10
4が配置されている。入射レンズ104の前方には、入
射レンズ104の出射光の光軸と同軸上に配設された可
変焦点レンズ装置Jが配置されている。可変焦点レンズ
装置Jの焦点F1よりも更に前方に位置して、可変焦点
レンズ装置Jからの出射光の光軸と同軸上に配設され
た、コリメータレンズなどからなる出射レンズ105が
配設されている。
す。光ケーブル102の前方には、光ケーブル102か
らの出射光の光軸と同軸上に配設された入射レンズ10
4が配置されている。入射レンズ104の前方には、入
射レンズ104の出射光の光軸と同軸上に配設された可
変焦点レンズ装置Jが配置されている。可変焦点レンズ
装置Jの焦点F1よりも更に前方に位置して、可変焦点
レンズ装置Jからの出射光の光軸と同軸上に配設され
た、コリメータレンズなどからなる出射レンズ105が
配設されている。
【0024】可変焦点レンズ装置Jの詳細を図3に示
す。可変焦点レンズ装置Jは、積層型圧電アクチュエー
タAと、その一端に接合されている可変焦点レンズLと
から構成されている。積層型圧電アクチュエータAは、
図4(a)、(b)に示すように、4枚の積層された圧
電バイモルフ(本発明でいう圧電変形素子)1と、各圧
電バイモルフ1の外周部および内周をそれぞれ互いに連
結している外周連結部材2および内周連結部材3とから
構成されている。
す。可変焦点レンズ装置Jは、積層型圧電アクチュエー
タAと、その一端に接合されている可変焦点レンズLと
から構成されている。積層型圧電アクチュエータAは、
図4(a)、(b)に示すように、4枚の積層された圧
電バイモルフ(本発明でいう圧電変形素子)1と、各圧
電バイモルフ1の外周部および内周をそれぞれ互いに連
結している外周連結部材2および内周連結部材3とから
構成されている。
【0025】すなわち、それぞれ中央部に貫通孔10を
有する4枚のバイモルフ1がそれぞれ径方向に延設され
た姿勢で軸方向に一定間隙を隔てて配列されており、そ
れらの各貫通孔10に面する内周には内周接続部材5を
介してパイプ状の内周連結部材3が接合されている。ま
た、6本の棒状の外周連結部材2が各圧電バイモルフ1
の外周に隣接しつつ互いに60度ずつ離れて軸方向へ延
設され、外周連結部材4を介して各圧電バイモルフ1の
外周部に接合されている。
有する4枚のバイモルフ1がそれぞれ径方向に延設され
た姿勢で軸方向に一定間隙を隔てて配列されており、そ
れらの各貫通孔10に面する内周には内周接続部材5を
介してパイプ状の内周連結部材3が接合されている。ま
た、6本の棒状の外周連結部材2が各圧電バイモルフ1
の外周に隣接しつつ互いに60度ずつ離れて軸方向へ延
設され、外周連結部材4を介して各圧電バイモルフ1の
外周部に接合されている。
【0026】各圧電バイモルフ1は、図5に示すよう
に、中央部に貫通孔10を有するリング状の弾性板11
と、弾性板11の表裏両方の表面にそれぞれ接合されて
いるリング状の圧電板12、13とからなる。弾性板1
1は、ばね弾性を有するステンレス薄板から形成されて
おり、圧電板12、13の共通電極を兼ねている。圧電
板12、13は圧電材料PZTからなる薄板であり、分
極方向Pは軸方向とされている。圧電板12、13の表
面には、銀の微細粉末を主成分とする導電ペーストが印
刷された後、焼成されて形成された膜状の表面電極1
4、15が形成されている。
に、中央部に貫通孔10を有するリング状の弾性板11
と、弾性板11の表裏両方の表面にそれぞれ接合されて
いるリング状の圧電板12、13とからなる。弾性板1
1は、ばね弾性を有するステンレス薄板から形成されて
おり、圧電板12、13の共通電極を兼ねている。圧電
板12、13は圧電材料PZTからなる薄板であり、分
極方向Pは軸方向とされている。圧電板12、13の表
面には、銀の微細粉末を主成分とする導電ペーストが印
刷された後、焼成されて形成された膜状の表面電極1
4、15が形成されている。
【0027】外周連結部材2は、図4(a)、(b)に
示すように、ステンレス鋼からなる細い棒状部材であ
る。外周連結部材2は、ステンレス鋼製のクリップ状の
外周接続部材4を介して圧電バイモルフ1の弾性板11
の外周部に銀鑞づけまたはレーザー溶接で接合され、そ
の結果、外周連結部材2は弾性板11に電気的に導通し
ている。
示すように、ステンレス鋼からなる細い棒状部材であ
る。外周連結部材2は、ステンレス鋼製のクリップ状の
外周接続部材4を介して圧電バイモルフ1の弾性板11
の外周部に銀鑞づけまたはレーザー溶接で接合され、そ
の結果、外周連結部材2は弾性板11に電気的に導通し
ている。
【0028】内周連結部材3は、ステンレス鋼製の薄板
からなるパイプ材であり、図6に示すように、内周接続
部材5を介して圧電バイモルフ1の内周部に接合されて
いる。更に説明すると、内周連結部材3の外周面は、各
絶縁リング52を介して各圧電バイモルフ1の内周面に
当接しており、圧電バイモルフ1の弾性板1と内周連結
部材3とは互いに絶縁されている。キャップ型の導電ス
ペーサ部材51が圧電バイモルフ1の内周近傍部位の表
裏両側に個別に当接しており、各圧電バイモルフ1の内
周部はそれぞれ2つの対向する導電スペーサ部材51に
よって挟持されている。導電スペーサ部材51の内周面
は内周連結部材3の外周面に銀鑞付けまたはレーザー溶
接で接合されている。導電スペーサ部材51は、それぞ
れ各圧電バイモルフ1の表面電極14、15に導通可能
に当接している。それゆえ、内周連結部材3は、導電ス
ペーサ部材51を通じて各圧電バイモルフ1の表面電極
14、15に給電可能となっている。
からなるパイプ材であり、図6に示すように、内周接続
部材5を介して圧電バイモルフ1の内周部に接合されて
いる。更に説明すると、内周連結部材3の外周面は、各
絶縁リング52を介して各圧電バイモルフ1の内周面に
当接しており、圧電バイモルフ1の弾性板1と内周連結
部材3とは互いに絶縁されている。キャップ型の導電ス
ペーサ部材51が圧電バイモルフ1の内周近傍部位の表
裏両側に個別に当接しており、各圧電バイモルフ1の内
周部はそれぞれ2つの対向する導電スペーサ部材51に
よって挟持されている。導電スペーサ部材51の内周面
は内周連結部材3の外周面に銀鑞付けまたはレーザー溶
接で接合されている。導電スペーサ部材51は、それぞ
れ各圧電バイモルフ1の表面電極14、15に導通可能
に当接している。それゆえ、内周連結部材3は、導電ス
ペーサ部材51を通じて各圧電バイモルフ1の表面電極
14、15に給電可能となっている。
【0029】可変焦点レンズLは、図3に示すように、
その径方向中央部の軸方向一方側に配設されて径方向へ
延在している円盤状の透明板(透明封止部材)6と、そ
の径方向中央部の軸方向他方側に配設されて径方向へ延
在している透明弾性膜7と、両者6、7とともに密閉さ
れた内部空間を形成する容器8と、この内部空間に隙間
なく封入されているシリコ−ンオイルからなる作動流体
9とから構成されている。容器8は、中空円筒状の外周
部分を有し、中央にレンズ孔80が形成されているリン
グ部材81と、可撓性を有してリング部材81と透明板
6をそれぞれ油密に全周接続しているリング状の弾性膜
(本発明でいう可撓性部材)82と、リング状の接合部
材83から構成されている。
その径方向中央部の軸方向一方側に配設されて径方向へ
延在している円盤状の透明板(透明封止部材)6と、そ
の径方向中央部の軸方向他方側に配設されて径方向へ延
在している透明弾性膜7と、両者6、7とともに密閉さ
れた内部空間を形成する容器8と、この内部空間に隙間
なく封入されているシリコ−ンオイルからなる作動流体
9とから構成されている。容器8は、中空円筒状の外周
部分を有し、中央にレンズ孔80が形成されているリン
グ部材81と、可撓性を有してリング部材81と透明板
6をそれぞれ油密に全周接続しているリング状の弾性膜
(本発明でいう可撓性部材)82と、リング状の接合部
材83から構成されている。
【0030】接合部材83は、弾性膜82の内周部表面
に全周にわたって接着されており、積層型圧電アクチュ
エータAの内周連結部材3の一端と整合して連動する。
透明板6は本発明でいう透明封止部材であって、その外
周部はリング状の弾性膜82の内周部の裏側に全周にわ
たって接着されており、弾性膜82を介して接合部材8
3と接合している。
に全周にわたって接着されており、積層型圧電アクチュ
エータAの内周連結部材3の一端と整合して連動する。
透明板6は本発明でいう透明封止部材であって、その外
周部はリング状の弾性膜82の内周部の裏側に全周にわ
たって接着されており、弾性膜82を介して接合部材8
3と接合している。
【0031】積層型圧電アクチュエータAの貫通孔10
と、可変焦点レンズLの透明板6、透明弾性膜7、およ
び容器8のレンズ孔80とは、いずれも互いに同軸に配
設されている。透明板6および透明弾性膜7と、両者
6、7の間に介在する透明な作動流体9とで、焦点距離
が調節可能な光学レンズすなわち可変焦点レンズが構成
されている。透明板6および透明弾性膜7はいずれも石
英ガラス製であり、作動流体9は所定の成分のシリコ−
ンオイルであって、上記三者6、7、9の屈折率はほぼ
同一である。
と、可変焦点レンズLの透明板6、透明弾性膜7、およ
び容器8のレンズ孔80とは、いずれも互いに同軸に配
設されている。透明板6および透明弾性膜7と、両者
6、7の間に介在する透明な作動流体9とで、焦点距離
が調節可能な光学レンズすなわち可変焦点レンズが構成
されている。透明板6および透明弾性膜7はいずれも石
英ガラス製であり、作動流体9は所定の成分のシリコ−
ンオイルであって、上記三者6、7、9の屈折率はほぼ
同一である。
【0032】容器8の外形は回転対称形をしており、容
器8のリング部材81の外周部には60度毎に小さな貫
通孔が6ケ所で形成されている。この貫通孔には、積層
型圧電アクチュエータAの一端に突出している外周連結
部材2の端部が挿入されていて接着固定されている。す
なわち、可変焦点レンズLの外周側の部分をなす容器8
のリング部材81の外周部には、積層型圧電アクチュエ
ータAの外周連結部材2が接合されている。一方、可変
焦点レンズLの内周側の部分をなす透明板6には、容器
8の弾性膜82および接合部材83を介して、積層型圧
電アクチュエータAの内周連結部材3の一端が接合され
ている。 (作動)以上のように構成されたこの実施例の車両用可
変配光装置の動作を説明する。
器8のリング部材81の外周部には60度毎に小さな貫
通孔が6ケ所で形成されている。この貫通孔には、積層
型圧電アクチュエータAの一端に突出している外周連結
部材2の端部が挿入されていて接着固定されている。す
なわち、可変焦点レンズLの外周側の部分をなす容器8
のリング部材81の外周部には、積層型圧電アクチュエ
ータAの外周連結部材2が接合されている。一方、可変
焦点レンズLの内周側の部分をなす透明板6には、容器
8の弾性膜82および接合部材83を介して、積層型圧
電アクチュエータAの内周連結部材3の一端が接合され
ている。 (作動)以上のように構成されたこの実施例の車両用可
変配光装置の動作を説明する。
【0033】容器8を固定して積層型圧電アクチュエー
タAに印加電圧を加えると、各圧電バイモルフ1の外周
に対してその内周が軸方向に変位することにより透明板
6が内周連結部材3と連動して、積層型圧電アクチュエ
ータAの軸方向へ変位される。すると、透明板6、透明
弾性膜7及び容器8で形成されている密閉空間の容積が
変化するため、この密閉空間に封入されている作動流体
9の圧力が変動し、この圧力変動によって透明弾性膜7
の曲率が変化する。透明弾性膜7、透明板6および作動
流体9は光学レンズを形成しているので、この透明弾性
膜7が突出したり陥没したりするたびに、同レンズが形
成する焦点位置は変動する。すなわち、本実施例の可変
焦点レンズ装置によれば、積層型圧電アクチュエータA
への印加電圧の制御により、レンズの焦点位置が任意に
調整される。
タAに印加電圧を加えると、各圧電バイモルフ1の外周
に対してその内周が軸方向に変位することにより透明板
6が内周連結部材3と連動して、積層型圧電アクチュエ
ータAの軸方向へ変位される。すると、透明板6、透明
弾性膜7及び容器8で形成されている密閉空間の容積が
変化するため、この密閉空間に封入されている作動流体
9の圧力が変動し、この圧力変動によって透明弾性膜7
の曲率が変化する。透明弾性膜7、透明板6および作動
流体9は光学レンズを形成しているので、この透明弾性
膜7が突出したり陥没したりするたびに、同レンズが形
成する焦点位置は変動する。すなわち、本実施例の可変
焦点レンズ装置によれば、積層型圧電アクチュエータA
への印加電圧の制御により、レンズの焦点位置が任意に
調整される。
【0034】その結果、可変焦点レンズ装置Jからの出
射光は、出射レンズ105を通して前方に照射される。
そのため、車速あるいは走行状態などに応じて積層型圧
電アクチュエータAの印加電圧を制御して可変焦点レン
ズLの焦点位置を調整することにより、車両ヘッドラン
プからの出射光の配光パターンを調整できる。 (作用効果)この実施例の車両用可変配光装置の作用効
果を説明する。
射光は、出射レンズ105を通して前方に照射される。
そのため、車速あるいは走行状態などに応じて積層型圧
電アクチュエータAの印加電圧を制御して可変焦点レン
ズLの焦点位置を調整することにより、車両ヘッドラン
プからの出射光の配光パターンを調整できる。 (作用効果)この実施例の車両用可変配光装置の作用効
果を説明する。
【0035】第1に、作動流体9が透明液体であるため
レンズを通過する光の損失が低い。また、装置を従来よ
り格段に小型軽量化でき、バッテリーの利用効率も高く
できる。更に液圧制御により可変焦点レンズLの厚さ、
曲率、焦点距離を自由に制御できるため配光パターンを
無段階かつ大きく変更することができる。第2に、従来
装置に比べて相対的に体格増大が格段に少ないので車両
前面の美観低下を回避することができる。
レンズを通過する光の損失が低い。また、装置を従来よ
り格段に小型軽量化でき、バッテリーの利用効率も高く
できる。更に液圧制御により可変焦点レンズLの厚さ、
曲率、焦点距離を自由に制御できるため配光パターンを
無段階かつ大きく変更することができる。第2に、従来
装置に比べて相対的に体格増大が格段に少ないので車両
前面の美観低下を回避することができる。
【0036】第3に、狭小領域に光を照射する場合には
その照度向上を実現することができ、このため、雨や霧
といった特定の走行条件下で視認重要度の高い領域に光
を集中してその視認性を向上するといった重要な効果を
奏する。第4に、図2に示すように出射レンズ10が可
変焦点レンズLの焦点よりも遠い位置に配置されている
ので、可変焦点レンズLを通過する光ケーブル102か
らの出射光は、焦点位置F1で一度絞られ、出射レンズ
105を介して焦点位置F1の光像が出射される。その
ため、可変焦点レンズLの焦点位置F1を積層型圧電ア
クチュエータLの印加電圧制御を通して制御することに
より、前述の効果に加えて、さらに多様な配光パターン
を作ることができる。すなわち、本実施例のレンズ系装
置を用いることにより多様な配光パターンを作成するこ
とができる。
その照度向上を実現することができ、このため、雨や霧
といった特定の走行条件下で視認重要度の高い領域に光
を集中してその視認性を向上するといった重要な効果を
奏する。第4に、図2に示すように出射レンズ10が可
変焦点レンズLの焦点よりも遠い位置に配置されている
ので、可変焦点レンズLを通過する光ケーブル102か
らの出射光は、焦点位置F1で一度絞られ、出射レンズ
105を介して焦点位置F1の光像が出射される。その
ため、可変焦点レンズLの焦点位置F1を積層型圧電ア
クチュエータLの印加電圧制御を通して制御することに
より、前述の効果に加えて、さらに多様な配光パターン
を作ることができる。すなわち、本実施例のレンズ系装
置を用いることにより多様な配光パターンを作成するこ
とができる。
【0037】第5に、可変焦点レンズLの透明弾性膜7
を形成している材料は石英ガラスであるので、合成樹脂
などにくらべて比較的硬度が高く、光学的な特性も良好
なうえ、化学的により安定であり、弾性率などの特性の
経年変化などの環境による変化も少ない。また、石英ガ
ラスは、優れた透明度(光線の透過性)と、適度な弾性
係数を、良好な加工性を備えているので、透明弾性膜の
材料として好適である。すなわち、本実施例の可変焦点
レンズ装置を用いることにより、光損失が低く、かつ良
好な光学特性を持つ車両用可変配光装置を実現すること
ができる。
を形成している材料は石英ガラスであるので、合成樹脂
などにくらべて比較的硬度が高く、光学的な特性も良好
なうえ、化学的により安定であり、弾性率などの特性の
経年変化などの環境による変化も少ない。また、石英ガ
ラスは、優れた透明度(光線の透過性)と、適度な弾性
係数を、良好な加工性を備えているので、透明弾性膜の
材料として好適である。すなわち、本実施例の可変焦点
レンズ装置を用いることにより、光損失が低く、かつ良
好な光学特性を持つ車両用可変配光装置を実現すること
ができる。
【0038】第6に、可変焦点レンズLの作動流体9が
シリコ−ンオイルであるので、作動流体9の透明度が高
く、また化学的により安定であり、粘性などの特性の経
年変化も少なく、温度などの環境により変化も比較的少
ない。また、透明板6および透明弾性膜7が石英ガラス
製であり、シリコ−ンオイルの屈折率がガラスの屈折率
に近いので、両者6、7と作動流体9との各界面での反
射が少なくなり、より良好な光学特性が得られる。すな
わち、本実施例の可変焦点レンズ装置を用いることによ
り、前述の第5の効果に加えて、より光損失が少なく、
より良好な光学特性を持つ車両用可変配光装置を実現す
ることができる。
シリコ−ンオイルであるので、作動流体9の透明度が高
く、また化学的により安定であり、粘性などの特性の経
年変化も少なく、温度などの環境により変化も比較的少
ない。また、透明板6および透明弾性膜7が石英ガラス
製であり、シリコ−ンオイルの屈折率がガラスの屈折率
に近いので、両者6、7と作動流体9との各界面での反
射が少なくなり、より良好な光学特性が得られる。すな
わち、本実施例の可変焦点レンズ装置を用いることによ
り、前述の第5の効果に加えて、より光損失が少なく、
より良好な光学特性を持つ車両用可変配光装置を実現す
ることができる。
【0039】第7に、貫通孔10が光路をなす単一の積
層型圧電アクチュエータAを可変焦点レンズLと一体化
しているので可変焦点レンズ装置全体の小型化が可能に
なると同時に、信頼性の向上、コストダウンも可能にな
る。第8に、単一の積層型圧電アクチュエータAを可変
焦点レンズLと同軸に配設しているので、可変焦点レン
ズ装置全体をコンパクトにまとめることができる。これ
により圧電バイモルフ1と同程度の直径に可変焦点レン
ズ装置をまとめることができ、一層の小型化を実現する
ことができる。
層型圧電アクチュエータAを可変焦点レンズLと一体化
しているので可変焦点レンズ装置全体の小型化が可能に
なると同時に、信頼性の向上、コストダウンも可能にな
る。第8に、単一の積層型圧電アクチュエータAを可変
焦点レンズLと同軸に配設しているので、可変焦点レン
ズ装置全体をコンパクトにまとめることができる。これ
により圧電バイモルフ1と同程度の直径に可変焦点レン
ズ装置をまとめることができ、一層の小型化を実現する
ことができる。
【0040】第9に、単一の積層型圧電アクチュエータ
Aだけで可変焦点レンズLを駆動できるので部品点数も
少なくて済み、信頼性が向上するうえに、コストダウン
にもなる。また、積層された圧電変形素子のうち一枚に
不具合であっても、積層型圧電アクチュエータ全体の発
生力は少し減少するだけで非対称は生じないので、レン
ズに歪が生じることなく、使用し続けることができる。
それゆえ、本実施例の積層型圧電アクチュエータAによ
れば、信頼性に優れる車両用可変配光装置を実現するこ
とができる。
Aだけで可変焦点レンズLを駆動できるので部品点数も
少なくて済み、信頼性が向上するうえに、コストダウン
にもなる。また、積層された圧電変形素子のうち一枚に
不具合であっても、積層型圧電アクチュエータ全体の発
生力は少し減少するだけで非対称は生じないので、レン
ズに歪が生じることなく、使用し続けることができる。
それゆえ、本実施例の積層型圧電アクチュエータAによ
れば、信頼性に優れる車両用可変配光装置を実現するこ
とができる。
【0041】第10に、積層型圧電アクチュエータAの
内周連結部材3はパイプ材で構成されているので、最も
単純な鋼製で部品点数が少なく組立が容易であり、破損
しにくい。また、圧電バイモルフ1上に埃などが溜まり
にくい。すなわち、本実施例の積層型圧電アクチュエー
タAによれば、組立が容易で工数が少なく低価格である
うえ、頑丈で歪にくく、埃も溜まりにくい光路をもつ車
両用可変配光装置を実現することができる。
内周連結部材3はパイプ材で構成されているので、最も
単純な鋼製で部品点数が少なく組立が容易であり、破損
しにくい。また、圧電バイモルフ1上に埃などが溜まり
にくい。すなわち、本実施例の積層型圧電アクチュエー
タAによれば、組立が容易で工数が少なく低価格である
うえ、頑丈で歪にくく、埃も溜まりにくい光路をもつ車
両用可変配光装置を実現することができる。
【0042】以上をまとめると、本実施例によれば、小
型軽量、高信頼性、かつ、低光損失で多様な配光パター
ンを持つ車両用可変配光装置を実現することができる。 (実施例2)他の実施例を図8を参照して説明する。こ
の実施例は、上述した実施例1の車両用可変配光装置に
おいて、可変焦点レンズ装置Jの焦点F1よりも近い位
置に可変焦点レンズ装置Jからの出射光の光軸と同軸に
コリメータレンズなどからなる出射レンズ105を配設
したものである。
型軽量、高信頼性、かつ、低光損失で多様な配光パター
ンを持つ車両用可変配光装置を実現することができる。 (実施例2)他の実施例を図8を参照して説明する。こ
の実施例は、上述した実施例1の車両用可変配光装置に
おいて、可変焦点レンズ装置Jの焦点F1よりも近い位
置に可変焦点レンズ装置Jからの出射光の光軸と同軸に
コリメータレンズなどからなる出射レンズ105を配設
したものである。
【0043】この実施例では、出射レンズ105が可変
焦点レンズLの焦点F1よりも近い位置に配置されてい
るので、可変焦点レンズLを通過する光ケーブル102
からの出射光は、焦点F1で絞られる前に、出射レンズ
105を通過する。これにより、出射レンズ105と可
変焦点レンズLとの距離を実施例1より短くすることが
でき、体格を小型化することができる。 (実施例3)他の実施例を図9を参照して説明する。
焦点レンズLの焦点F1よりも近い位置に配置されてい
るので、可変焦点レンズLを通過する光ケーブル102
からの出射光は、焦点F1で絞られる前に、出射レンズ
105を通過する。これにより、出射レンズ105と可
変焦点レンズLとの距離を実施例1より短くすることが
でき、体格を小型化することができる。 (実施例3)他の実施例を図9を参照して説明する。
【0044】この実施例は、上述した実施例1の車両用
可変配光装置において、透明板6及び透明弾性膜7の表
面のうちシリコ−ンオイル9に接しない側の表面にそれ
ぞれ樹脂フィルム16、樹脂フィルム17を貼付したも
のである。この実施例によれば、透明板6及び透明弾性
膜7の耐振性を向上してそれらが走行中の振動などによ
り破損するのを防止できるとともに、それらが破損して
も破損片が飛散したり、透明作動流体が漏洩したりする
のを防止することができる。
可変配光装置において、透明板6及び透明弾性膜7の表
面のうちシリコ−ンオイル9に接しない側の表面にそれ
ぞれ樹脂フィルム16、樹脂フィルム17を貼付したも
のである。この実施例によれば、透明板6及び透明弾性
膜7の耐振性を向上してそれらが走行中の振動などによ
り破損するのを防止できるとともに、それらが破損して
も破損片が飛散したり、透明作動流体が漏洩したりする
のを防止することができる。
【0045】なお、透明板6及び透明弾性膜7の表面の
うち、シリコ−ンオイル9に接しない側の表面に樹脂層
をコーティングしても同様の効果を奏する。 (実施例4)他の実施例を図10を参照して説明する。
この実施例は、上述した実施例1の車両用可変配光装置
において、車速センサ105を追加し、この車速センサ
105から出力される車速信号をコントロ−ラ(制御手
段)104に入力し、コントロ−ラ104が車速信号に
応じて圧電バイモルフ1へ印加する電圧を変更する構成
を採用したものである。
うち、シリコ−ンオイル9に接しない側の表面に樹脂層
をコーティングしても同様の効果を奏する。 (実施例4)他の実施例を図10を参照して説明する。
この実施例は、上述した実施例1の車両用可変配光装置
において、車速センサ105を追加し、この車速センサ
105から出力される車速信号をコントロ−ラ(制御手
段)104に入力し、コントロ−ラ104が車速信号に
応じて圧電バイモルフ1へ印加する電圧を変更する構成
を採用したものである。
【0046】コントロ−ラ104の制御動作の一例を図
11のフロ−チャ−トを参照して説明する。まず、運転
者からの配光パターン手動選択信号が入力されているか
どうかを調べ(S100)、入力されていればそれに応
じて配光パターンを選択し、選択された配光パターンに
対応する電圧を圧電バイモルフ1に印加する(S10
1)。配光パターン手動選択信号が入力されていなけれ
ば、車速Vを読み込み(S102)、車速Vとしきい値
V1、V2とを比較する(S103、S105)。車速
Vが所定値V1未満であれば圧電バイモルフ1への印加
電圧Voを最低電圧VLとし(S104)、車速Vが所
定値V1〜V2であれば圧電バイモルフ1への印加電圧
Voを中間電圧VMとし(S106)、車速Vが所定値
V2以上であれば圧電バイモルフ1への印加電圧Voを
最高電圧VHとする(S107)。
11のフロ−チャ−トを参照して説明する。まず、運転
者からの配光パターン手動選択信号が入力されているか
どうかを調べ(S100)、入力されていればそれに応
じて配光パターンを選択し、選択された配光パターンに
対応する電圧を圧電バイモルフ1に印加する(S10
1)。配光パターン手動選択信号が入力されていなけれ
ば、車速Vを読み込み(S102)、車速Vとしきい値
V1、V2とを比較する(S103、S105)。車速
Vが所定値V1未満であれば圧電バイモルフ1への印加
電圧Voを最低電圧VLとし(S104)、車速Vが所
定値V1〜V2であれば圧電バイモルフ1への印加電圧
Voを中間電圧VMとし(S106)、車速Vが所定値
V2以上であれば圧電バイモルフ1への印加電圧Voを
最高電圧VHとする(S107)。
【0047】このようにすれば、車速に応じて、最適な
配光パターンを実現することができる。たとえば、本実
施例の可変焦点レンズ装置によれば、走行状態に応じ
て、図7(a)に示すように低速、中速、高速に対して
出射光の配光パターン(P低:低速パターン、P中:中
速パターン、P高:高速パターン)を調整することがで
きる。なお、中速時の配光パターン「P中」は、図7
(b)に示すようにレンズの曲率を全く変化させない状
態で得られる。このときの焦点位置を「F中」とする。
次に、低速時の配光パターン「P低」は、作動流体の圧
力を中速時よりも低下させ、図7(c)のようにレンズ
の曲率を凹状態にし、焦点位置を「F中」よりも出射レ
ンズよりに設定することにより得られる。また、高速時
の配光パターン「P高」は、作動流体の圧力を中速時よ
りも高くし、図7(d)のようにレンズの曲率を凸状態
にし、焦点位置を「F中」よりも可変焦点レンズよりに
設定することで得られる。
配光パターンを実現することができる。たとえば、本実
施例の可変焦点レンズ装置によれば、走行状態に応じ
て、図7(a)に示すように低速、中速、高速に対して
出射光の配光パターン(P低:低速パターン、P中:中
速パターン、P高:高速パターン)を調整することがで
きる。なお、中速時の配光パターン「P中」は、図7
(b)に示すようにレンズの曲率を全く変化させない状
態で得られる。このときの焦点位置を「F中」とする。
次に、低速時の配光パターン「P低」は、作動流体の圧
力を中速時よりも低下させ、図7(c)のようにレンズ
の曲率を凹状態にし、焦点位置を「F中」よりも出射レ
ンズよりに設定することにより得られる。また、高速時
の配光パターン「P高」は、作動流体の圧力を中速時よ
りも高くし、図7(d)のようにレンズの曲率を凸状態
にし、焦点位置を「F中」よりも可変焦点レンズよりに
設定することで得られる。
【図1】一実施例としての車両用可変配光装置を示す透
視斜視図である。
視斜視図である。
【図2】一実施例としてのレンズ系装置103の構成を
示す水平横断面図である。
示す水平横断面図である。
【図3】一実施例としての可変焦点レンズ装置Jの構成
を示す分解斜視図である。
を示す分解斜視図である。
【図4】一実施例としての積層型圧電アクチュエータA
の構成を示す組図であり、(a)はその平面図、(b)
はその断面図(b−b断面)である。
の構成を示す組図であり、(a)はその平面図、(b)
はその断面図(b−b断面)である。
【図5】本実施例の圧電バイモルフ1の断面斜視図であ
る。
る。
【図6】本実施例の内周連結部材の周囲の接合部の構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図7】(a)は実施例4の装置による車速に応じた配
光パターン制御例を示す配光パターン図であり、(b)
はレンズの曲率を全く変化させない状態時の配光パター
ン図、(c)は低速時の配光パターン図、(d)は高速
時の配光パターン図である。
光パターン制御例を示す配光パターン図であり、(b)
はレンズの曲率を全く変化させない状態時の配光パター
ン図、(c)は低速時の配光パターン図、(d)は高速
時の配光パターン図である。
【図8】実施例2の車両用可変配光装置のレンズ系装置
の構成を示す水平横断面図である。
の構成を示す水平横断面図である。
【図9】実施例3の車両用可変配光装置の可変焦点レン
ズの構成を示す水平横断面図である。
ズの構成を示す水平横断面図である。
【図10】実施例4の車両用可変配光装置の制御系の構
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
【図11】図10のコントロ−ラ104の制御動作を示
すフロ−チャ−トである。
すフロ−チャ−トである。
1:圧電バイモルフ 2:外周連結部材
3:内周連結部材 4:外周接合部材 5:内周接合部
6:透明板 7:透明弾性膜 8:容器
9:シリコ−ンオイ ル 10:貫通孔 11:弾性板
12…圧電板 13:圧電板 14…表面電極 1
5:表面電極 16:樹脂フィルム 17:樹脂フィルム 51:導電スペーサ部材 52:絶縁リング 80:レンズ孔 81:リング部材 8
2:弾性膜 83:接合部材 101:集中光源 102:光ケーブル 10
3:レンズ系装置 104:入射レンズ 105:出射レンズ A:積層型圧電アクチュエータ F1:焦点面 J:可変焦点レンズ装置 L:可変焦点レ
ンズ
3:内周連結部材 4:外周接合部材 5:内周接合部
6:透明板 7:透明弾性膜 8:容器
9:シリコ−ンオイ ル 10:貫通孔 11:弾性板
12…圧電板 13:圧電板 14…表面電極 1
5:表面電極 16:樹脂フィルム 17:樹脂フィルム 51:導電スペーサ部材 52:絶縁リング 80:レンズ孔 81:リング部材 8
2:弾性膜 83:接合部材 101:集中光源 102:光ケーブル 10
3:レンズ系装置 104:入射レンズ 105:出射レンズ A:積層型圧電アクチュエータ F1:焦点面 J:可変焦点レンズ装置 L:可変焦点レ
ンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 岳史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 奥地 弘章 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内
Claims (9)
- 【請求項1】光源となるバルブと、 前記バルブの光を車両前部に配設されたヘッドランプユ
ニットまで伝送する導光手段と、 内部に充填された光透過性液体の圧力により変形して焦
点距離が変化する可変焦点レンズを有して前記導光手段
と前記ヘッドランプユニットとの間又は前記ヘッドラン
プユニット内部に配設されるレンズ系と、 入力信号に応じて前記可変焦点レンズに印加する圧力を
制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする車両用可変配光装置。 - 【請求項2】請求項1記載の車両用可変配光装置におい
て、 車速を検出する車速検出手段を備え、 前記制御手段は、検出された前記車速に応じて前記圧力
を制御することを特徴とする車両用可変配光装置。 - 【請求項3】請求項1記載の車両用可変配光装置におい
て、 前記可変焦点レンズは、 弾性を有する輪板状の弾性板の表面に輪板状の圧電板を
接合してそれぞれ構成されるとともに互いに軸方向に所
定間隙を隔てて配列される複数の圧電変形素子と、各前
記圧電変形素子の外周部を連結する外周連結部材と、各
前記圧電変形素子の内周部を連結する内周連結部材と、
中央部に形成されて光路をなす貫通孔とを有する積層型
圧電アクチュエータと、 透光性及び弾性を有するとともに外周部が前記内周連結
部材及び外周連結部材の一方に直接または間接に接合さ
れて略径方向に延在する円盤状の透明弾性膜と、 透光性を有するとともに前記内周結部材及び外周連結部
材の他方に直接または間接に接合されて前記透明弾性膜
に対面する透明封止部材と、 前記透明弾性膜および透明封止部材とともに密閉空間を
形成する容器と、 前記密閉空間に封入される透光性の作動流体と、 を有することを特徴とする車両用可変配光装置。 - 【請求項4】請求項3記載の車両用可変配光装置におい
て、 前記外周連結部材および内周連結部材のうち少なくとも
一方は前記各圧電変形素子の圧電板の電極に接続される
導電部材からなることを特徴とする車両用可変配光装置 - 【請求項5】前記請求項3記載の車両用可変配光装置に
おいて、 前記透明封止部材は、前記内周連結部材に接合されて前
記積層型圧電アクチュエータの軸方向へ駆動される円盤
状の透明板からなり、 前記容器は、外周部が前記外周連結部材に接合されレン
ズ孔が中央に形成されるリング部材と、可撓性を有して
前記透明板及び前記リング部材を油密に接続する可撓性
部材とを有し、 前記透明弾性膜は、前記レンズ孔を覆って前記リング部
材に接合されていることを特徴とする車両用可変配光装
置 - 【請求項6】請求項5記載の車両用可変配光装置におい
て、 前記透明弾性膜は、石英ガラスを含むガラス材料により
形成されることを特徴とする車両用可変配光装置 - 【請求項7】請求項5記載の車両用可変配光装置におい
て、 前記作動流体はシリコンオイルからなることを特徴とす
る車両用可変配光装置 - 【請求項8】請求項5記載の車両用可変配光装置におい
て、 前記透明板及び透明弾性膜の非作動流体側表面に透光性
の樹脂が貼付されていることを特徴とする車両用可変配
光装置 - 【請求項9】請求項5記載の車両用可変配光装置におい
て、 前記透明板及び透明弾性膜の非作動流体側表面は樹脂コ
ーティングされていることを特徴とする車両用可変配光
装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9229967A JPH1166911A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 車両用可変配光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9229967A JPH1166911A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 車両用可変配光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1166911A true JPH1166911A (ja) | 1999-03-09 |
Family
ID=16900522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9229967A Pending JPH1166911A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 車両用可変配光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1166911A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009152213A (ja) * | 2001-12-19 | 2009-07-09 | Philips Solid-State Lighting Solutions Inc | 制御された発光の方法および装置 |
WO2014006923A1 (ja) * | 2012-07-05 | 2014-01-09 | 株式会社タムロン | 照明装置及び撮像システム |
WO2014006925A1 (ja) * | 2012-07-05 | 2014-01-09 | 株式会社タムロン | 照明装置 |
KR101431200B1 (ko) * | 2012-10-09 | 2014-08-21 | 에스엘 주식회사 | 유체 렌즈를 이용한 차량용 테일 램프 및 제어 방법 |
US9260057B2 (en) | 2014-01-17 | 2016-02-16 | Sl Corporation | Vehicle lamp using fluid lens and control method of the vehicle lamp |
JP2022521639A (ja) * | 2019-02-27 | 2022-04-11 | ヴァレオ ビジョン | 光パターンを補正するための方法および自動車両の照明装置 |
-
1997
- 1997-08-26 JP JP9229967A patent/JPH1166911A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009152213A (ja) * | 2001-12-19 | 2009-07-09 | Philips Solid-State Lighting Solutions Inc | 制御された発光の方法および装置 |
WO2014006923A1 (ja) * | 2012-07-05 | 2014-01-09 | 株式会社タムロン | 照明装置及び撮像システム |
WO2014006925A1 (ja) * | 2012-07-05 | 2014-01-09 | 株式会社タムロン | 照明装置 |
KR101431200B1 (ko) * | 2012-10-09 | 2014-08-21 | 에스엘 주식회사 | 유체 렌즈를 이용한 차량용 테일 램프 및 제어 방법 |
US9260057B2 (en) | 2014-01-17 | 2016-02-16 | Sl Corporation | Vehicle lamp using fluid lens and control method of the vehicle lamp |
JP2022521639A (ja) * | 2019-02-27 | 2022-04-11 | ヴァレオ ビジョン | 光パターンを補正するための方法および自動車両の照明装置 |
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