JP2006153653A - 温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて信頼性、応答性に優れた温度センサを提供する。
【解決手段】温度センサ100は、絶縁性セラミックから円柱状に形成された温度センサ本体10を具備している。この温度センサ本体10の先端部分には、感温抵抗体21が埋設され、感温部11とされている。温度センサ本体10の基端側には、金属製のフランジ40からなる取り付け部材が設けられている。温度センサ本体10の感温部11は、その断面形状が略マイナス形状(板状)に形成され、取り付け部材が配置された部分の温度センサ本体10の断面積Aiに比べて、感温部11の断面積Aが小さくなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の排気ガスの温度等、被検出流体の温度を検出するための温度センサに関する。
従来から、例えば自動車の排気ガスの温度等、被検出流体の温度を検出するための温度センサとして、熱電対やサーミスタ素子等の感温素子を利用した各種の温度センサが知られている。
例えば、金属線熱電対をアルミナ碍管に通し、さらにこれをステンレスあるいはアルミナの保護管内にセットし、起電力を温度に換算する温度センサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、アルミナ基板表面に白金やタングステン等の金属抵抗体を印刷あるいはスパッタなどにより形成した感温素子を金属製プロテクタ内にセットし、感温素子の抵抗変化を温度換算する温度センサが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、サーミスタから電極を取り出し、これをステンレス等の金属製チューブ内にセットし、サーミスタの抵抗変化を温度換算する温度センサが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
上記のような温度センサでは、金属あるいはセラミック製の保護管が必要になる。このような温度センサの応答性を改善する手法として、保護管の先端部分を小径化する方法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、保護管の先端部分を小径化する場合、保護管内に収容されるサーミスタ等の感温素子も小型化する必要がある。また、保護管とサーミスタ等の感温素子の隙間に配置される絶縁粉末や樹脂の充填性の問題や配線の引き回し等の問題がある。このため、現実には保護管の外形を2mm以下に小径化することは困難であり、応答性の向上には限界がある。
例えば、温度センサの応答時間の評価方法として、温度センサを室温の状態から600℃の温風ガス中に曝してその時の抵抗値変動を測定し、室温における抵抗値を0%、200秒後の抵抗値が100%飽和であるとして、63%飽和となった時の時間を応答時間 (63%応答性時間)とする評価方法がある。この評価方法によれば、従来の温度センサの応答時間としては10秒を切る程度のものであり、応答時間として5秒以下とすること、さらに3秒程度とすることは困難であった。
また、導電性セラミックからなる感温部を有するグロープラグ型の温度センサも知られている(例えば、特許文献5参照。)。この温度センサは、絶縁性のセラミック層の外側に導電性のセラミック材料で感温抵抗体を形成したもので、感温抵抗体自体の耐蝕性が高いので、金属製の保護管等を用いることなく感温抵抗体を検出領域中に配置することができる。これによって応答性を高めることができる。しかしながら、このようにセラミック製の感温抵抗体を直接排気ガスの還元雰囲気に曝すと、セラミック製の感温抵抗体の表面上に煤等の排気ガス成分が付着することによって抵抗値変動が生じ、温度の検出精度が低下することがある。また、排気ガスの状態が酸化雰囲気となると、導電性セラミック材料は酸化したり昇華したりして、抵抗値変動を生じさせてしまう。一方、このような問題を避けるために、金属あるいはセラミック製の保護管等を用いると応答性が低下してしまうという問題が生じる。
特開平10−325759号公報 特開2002−1687005号公報 特開2000−266609号公報 特開平9−257594号公報 特表2003−521118号公報
上述したとおり、従来から温度センサにおいては、信頼性、応答性の向上が図られているが、さらに温度センサにおける信頼性、応答性の向上を図ることが求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明は、従来に比べて信頼性、応答性に優れた温度センサを提供することを目的とする。
(請求項1)
上記目的を達成するために本発明の温度センサは、柱状に形成された絶縁性セラミック基体及び当該絶縁性セラミック基体の先端部分に埋設された感温抵抗体を有する温度センサ本体と、前記温度センサ本体の基端側に設けられた取り付け部材とを具備する温度センサであって、前記温度センサ本体の前記感温抵抗体が埋設された位置の周囲に対応する感温部の断面積が、前記温度センサ本体の前記取り付け部材が配置された部分の断面積より小さいことを特徴とする。
本発明の温度センサでは、温度センサ本体が、絶縁性セラミック基体の先端部分に感温抵抗体を埋設した構造となっているので、感温抵抗体と絶縁性セラミック基体との間に空気層が形成されない。このため外部の温度変化が断熱層として作用する空気層により阻害されることなく感温抵抗体に伝わる。また、温度センサ本体の感温部の断面積が、取り付け部材が配置された部分の断面積より小さくなっているので、全体としての強度を確保しつつ、外部の温度変化が速やかに感温抵抗体へ伝わるようになっている。これによって、従来に比べて応答性を向上させることができる。さらに、感温抵抗体が絶縁性セラミック基体内に埋設されて外部に直接露出していないので、感温抵抗体に煤等が付着して抵抗値が変動したり、酸化雰囲気によって感温抵抗体が酸化したり昇華したりすることで抵抗値が変動することを防止できる。なお、本明細書において、温度センサ本体の感温部および取り付け部材が配置された部分の「断面積」とは、軸線方向に延びる柱状の温度センサ本体に対し、同軸線方向に直行する向きに断面をとったときの断面積を指すものとする。また、感温抵抗体は、温度変化によって自身の抵抗値が変化するものであればよく、その材質としては導電性セラミックや白金等の金属材料が挙げられる。
(請求項2)
また、本発明の温度センサは、前記温度センサ本体の前記感温部の断面形状が略マイナス状とされていることを特徴とする。このような形状とすることにより、複雑な加工等を要することなく、感温部の断面積を取り付け部材が配置された部分の断面積より小さくして応答性を向上させることができる。
(請求項3)
また、本発明の温度センサは、前記温度センサ本体の前記感温部に、前記断面形状が略マイナス状とされた部分と直交する方向に突出する1又は複数のリブが設けられたことを特徴とする。このような構成とすることにより、強度を高めることができるとともに、感温部の表面積を増大させて感温部へ外部の熱が伝わり易くすることができ、応答性を向上させることができる。
(請求項4)
また、本発明の温度センサは、前記感温抵抗体が板状に形成され、前記温度センサ本体の前記感温部の断面形状が、前記感温抵抗体の形状に応じた形状とされていることを特徴とする。このように、感温抵抗体を板状にし、感温部の断面形状もこれに応じた形状とすることにより、効率良く感温部の断面積を小さくすることができ、応答性を向上させることができる。
(請求項5,6)
また、本発明の温度センサは、前記温度センサ本体の前記感温部の断面積をA、前記温度センサ本体の前記取り付け部材が配置された部分の断面積をAiとして、A/Ai≦0.86であることを特徴とし、また、A/Ai≧0.08であることを特徴とする。A/Ai≦0.86とすることにより、A/Ai=1の場合に比べて10%程度以上応答性を向上させることができる。さらに、A/Ai≧0.08とすることにより、実用的に充分な強度を確保することができる。
(請求項7)
また、本発明の温度センサは、前記温度センサ本体に、前記取り付け部材が配置された部分の断面積から、前記感温部の断面積となるように徐々に断面積が小さくなる部分が設けられていることを特徴とする。このような構成とすることにより、温度センサ本体の一部に応力が集中して破損し易くなることを防止することができ、感温部の断面積を小さくしつつ実用上必要とされる強度を確保することができる。
本発明によれば、従来に比べて信頼性、応答性に優れた温度センサを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る温度センサ100の概略構成を示す部分断面図である。図1に示すように、本実施形態の温度センサ100は、絶縁性セラミックから柱状(本実施形態では円柱状)に形成された温度センサ本体10を具備している。この軸線方向に沿って延びる温度センサ本体10の先端部分(図1中下側部分)には、後述する感温抵抗体21が埋設され、外部の温度を検出するための感温部11とされている。一方、温度センサ本体10の基端側(図1中上側)には、その周囲を囲むように金属製のフランジ40が設けられている。なお、このフランジ40が、温度センサ100を図示しない排気管等に装着させるための取り付け部材に相当する。
上記フランジ40は、径方向外側に向けて突出する突出部41と、温度センサ本体10の外側部に沿って延在する鞘部42とを具備している。突出部41の先端側は、図示しない排気管等の取り付け部のテーパ面に対応したテーパ状の座面43とされている。
上記鞘部42の外側には、ステンレス製で管状の継手50が、その内周面と鞘部42の外周面が重なり合うように配置されており、これらは、レーザ溶接等により気密状態で固着されている。また、フランジ40の周囲には、六角ナット部61及びねじ部62を有するナット60が回動自在に嵌挿されている。温度センサ100は、排気管等の取り付け部のテーパ面にフランジ40の座面43を当接させ、ナット60により固定される。
フランジ40の鞘部42の内周には、温度センサ本体10が密着保持されており、温度センサ本体10の基端側に設けられた2つの電極リング12,13が継手50内に露出されている。これらの2つの電極リング12,13のそれぞれに、外部回路(例えば車両のECU等)接続用のリード線14,15が接合されており、継手50内で保護されている。これらのリード線14,15は、ステンレス合金製の導線と銅製の導線とからなる撚り線を絶縁性の被覆材にて被覆したものであり、継手50の後端側開口に設けられた耐熱ゴム製の補助リング(図示せず)に挿通されている。
次に、図2を参照して温度センサ本体10の構成について説明する。温度センサ本体10は、絶縁性セラミックを柱状(本実施形態では円柱状)に形成した絶縁性セラミック基体20を具備している。この絶縁性セラミック基体20内部の先端部分には、導電パターンとして印刷された感温抵抗体21が設けられている。また、絶縁性セラミック基体20の内部の基端側には電極取り出し部24,25が設けられ、これらの電極取り出し部24,25と感温部21とを接続する導電部22,23が設けられている。電極取り出し部24の外側には電極リング13が設けられ、電極取り出し部25の外側には電極リング12が設けられている。
絶縁性セラミック基体20は、窒化珪素あるいはサイアロン(Si−Al−O−N:窒化珪素とアルミナから合成されるセラミック材料)を主成分とする熱伝導性が高く耐蝕性が良好な絶縁性セラミックからなる。感温抵抗体21を構成する導電パターンは、窒化珪素あるいはサイアロンと、金属のホウ化物、炭化物、窒化物、珪化物のうち少なくとも一種以上の物質とからなる導電性複合材料を主成分とする導電性セラミックからなる。そして、絶縁性セラミック基体20の先端側においてジグザグ状に印刷されている。なお、本実施形態において、「主成分」とは、その成分が、含有される全成分のうち70質量%以上を占める成分であることを示す。
また、導電部22,23は、タングステン等の金属線、または感温抵抗体21と同様の導電性複合材料を主成分とする導電性セラミックからなる。導電部22,23は感温抵抗体21の両端にそれぞれ接続されており、絶縁性セラミック基体20の基端側まで延設されている。
ここで、本実施の形態では、感温抵抗体21の抵抗値と、導電部22,23の抵抗値との間に差を設けることによって、周囲の温度変化に応じて抵抗値が変動した場合に、その抵抗値変動が感温抵抗体21にて生じたものであるとの判断を行えるようしている。つまり、感温抵抗体21の抵抗値が導電部22,23の抵抗値よりも大きくなるように設定している。こうすることで、周囲の温度変化に対応して感温抵抗体21のみならず導電部22,23にて抵抗値変動が発生したとしても、導電部22,23における抵抗値変動を無視することが可能となる。具体的に、本実施の形態では、感温抵抗体21および導電部22,23のそれぞれの材料や、印刷パターンや線径(電流が流れる方向に対する断面積)に差を設け、感温抵抗体21および導電部22,23の合計の抵抗値に対し、感温抵抗体21の抵抗値が少なくとも0.99倍以上(室温条件下)となるようにしている。
電極取り出し部24,25についても感温抵抗体21と同様の導電性複合材料を主成分とする導電性セラミックからなる。電極取り出し部24は絶縁性セラミック基体20の基端側にて導電部22に接続されている。電極取り出し部24よりも軸線方向先端側位置にて、電極取り出し部25が、導電部23に接続されている。電極取り出し部24,25は、それぞれ絶縁性セラミック基体20の外周表面上に露出されている。
また、電極リング12,13は、絶縁性セラミック基体20の基端側にて軸方向に互いにずらして嵌められた導電性の金属部材である。電極リング13は、その内周にて電極取り出し部24に接触され、電極リング12は、その内周にて電極取り出し部25に接触されている。これらの電極リング12,13の外周に、図1に示した外部回路接続用のリード線14,15が接合され、外部回路より感温抵抗体21への電流印加が可能となる。そして、外部回路において温度センサ100に電流を印加した際の抵抗値変動を感温抵抗体21の周囲の温度変化とみなすことにより、温度センサ100による温度の測定が行われる。
本実施形態において、上記温度センサ本体10の感温部11は、図1のZ−Z断面形状を示す図3に示すように、その断面形状が略マイナス形状(板状)に形成されている。これによって、図1に示した取り付け部材が配置された部分の温度センサ本体10の断面積Aiに比べて、感温部11の断面積Aが小さくなるように構成されている。なお、感温部11の断面形状を略マイナス形状としたのは一例であり、後述するように略プラス形状等の直交方向に突出するリブを有する形状としても良く、この感温部11の断面形状はどのようにしても良い。
上記の断面積の比は、A/Ai≦0.86とすることが好ましい。このようにすることによって、A/Ai=1の場合に比べて10%程度以上応答性を向上させることができる。また、A/Ai≧0.08とすることが更に好ましく、これによって実用的に充分な強度を確保することができる。
上記構成の温度センサ本体10は、以下のように作製する。まず、窒化珪素あるいはサイアロンを主成分とする原料粉末に焼結助剤を添加した絶縁性セラミック基体20の材料となる絶縁性セラミックを、金型を用いてプレス加工し、絶縁性セラミック基体20を軸線方向に半分の大きさとした半割成形体を作製する。焼結助剤としては、イットリウム、ランタン、セリウム、エルビウム、イッテルビウム等の希土類の酸化物を1〜30質量%と、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、4a,5a,6a族元素酸化物のうちの少なくとも1種以上が1〜10質量%とが含有されたものを用いる。
次に、感温抵抗体21および電極取り出し部24,25を形成するため、導電性セラミックよりなるペースト状のインクを作製し、これを半割成形体の一方の面に印刷する。さらに、金属線を配置し、あるいは導電性セラミックから作製したペースト状のインクを印刷し、先に印刷した感温抵抗体21と電極取り出し部24,25とを電気的に接続する導電部22,23を形成する。そして、この半割成形体を、感温抵抗体21、導電部22,23および電極取り出し部24,25を形成した面が内側となるように金型にセットし、上記同様の絶縁性セラミックを用いてプレス加工を行う。これにより、感温抵抗体21、導電部22,23および電極取り出し部24,25が埋設された絶縁性セラミック基体20の原型となる一体成形体が得られる。
次いで、この一体成形体を焼結し、感温抵抗体21と導電部22,23とを同時焼結した焼結体を形成する。焼結方法としては、公知のホットプレス焼結(HP)、常圧焼結 (PLS)、ガス圧焼結(GPS)、熱間等方圧加圧焼結(HIP)、あるいはこれらの組み合わせによる焼結が利用できる。なお、焼結体の粒界相に、希土類元素(以下、「RE」とする。)−Si−O−Nの結晶相が析出していないことが望ましい。すなわち、焼結体の粒界相には、非結晶、または、窒素を含有しない、RE−Si−O、RE−Si−Al−Oのいずれかの結晶相が析出していることが望ましい。このようにすれば、焼結体の耐酸化性を向上することができ、温度センサ100を長時間使用しても絶縁性セラミック基体20が、酸化腐食することがないので、絶縁性セラミック基体20が肉薄となって感温抵抗体21が露出するといったトラブルが防止される。
また、上記のように焼結を行うことによって、絶縁性セラミック基体20を緻密体として形成することができる。緻密体とは、絶縁性セラミック基体20の全体において気孔がほとんど存在しないものをいうが、その気孔の存在率は、少なくとも5%以下であることが好ましい。絶縁性セラミック基体20に気孔が存在すると耐久性が劣化し、また、気孔の部分で熱伝導性が悪くなるが、緻密体であれば耐衝撃性が高く、気孔により熱伝導性に与える影響が少ない。特に絶縁性セラミック基体20の全体に対する気孔の存在率が、少なくとも5%以下であれば、優れた耐衝撃性及び熱伝導性を示すことが実験により明らかとなっている。
焼結後、焼結体にセンタレス研磨を行って、丸棒形状に成形し、先端部は一旦半球状に成形する。次に、温度センサ本体10の先端部分の感温部11を、断面形状が例えば略マイナス形状(板状)となるよう感温抵抗体21の埋設位置を考慮して研磨することによって、丸棒形状とされた部分(取り付け部材が配置される部分)の断面積より感温部11の断面積が小さくなるようにする。そして、温度センサ本体10の基端側に電極リング12,13を圧入し、電極取り出し部25,24にそれぞれ接触させて感温抵抗体21との導通をとることにより、温度センサ本体10が完成する。
実施例として、以下に説明する条件により温度センサ本体10を作製し、これを用いた温度センサ100を作製した。
(第1工程)
まず、平均粒径1.0μmの窒化珪素原料粉末86質量%に対し、焼結助剤として酸化エルビウム8質量%、酸化バナジウム1質量%、酸化タングステン2質量%、2珪化モリブデン3質量%を加え、ボールミル中で40時間湿式混合した。そして、バインダを加えた後、スプレードライにより、絶縁性セラミック基体20の原料粉末を得た。
(第2工程)
次に、平均粒径0.5μmの炭化タングステン原料粉末65質量%、平均粒径1.0μmの窒化珪素原料粉末35質量%、および焼結助剤として酸化エルビウム4質量%、二酸化珪素2質量%をボールミル中で40時間湿式混合した。そして、バインダを添加して、感温抵抗体21を形成するための印刷用のインクを得た。
(第3工程)
次いで、第1工程で得た絶縁性セラミック基体20の原料粉末を、金型を用いてプレス加工し、絶縁性セラミック基体20を軸線方向に半分の大きさとした半割成形体を作製した。そして、半割成形体の一方の面に、第2工程で得た印刷用のインクを用いてパターン印刷を行い、感温抵抗体21および電極取り出し部24,25を形成した。さらに、タングステン線を配置して、感温抵抗体21と電極取り出し部24,25とを電気的に接続する導電部22,23を形成した。先に印刷したインクの乾燥後、この半割成形体を、感温抵抗体21等の印刷面が内側となるように金型にセットし、第1工程で得た絶縁性セラミック基体20の原料粉末を用いてプレス加工を行うことで、絶縁性セラミック基体20の原型を成形した。このようにして、絶縁性セラミック基体20の内部に、感温抵抗体21、導電部22,23および電極取り出し部24,25を埋設した。この絶縁性セラミック基体20の原型に、窒素雰囲気下、800℃、1時間の脱バインダ処理を施した。
(第4工程)
次に、第3工程で得た絶縁性セラミック基体20の原型を、プレス圧力30MPa、1750℃、60分の条件で、ホットプレスにより焼結した。焼結後にセンタレス研磨を施し、先端を半球状に仕上げた丸棒状の形状とした。この後、更に先端部(感温部11)を研磨して、図3に示すように、先端部の断面形状がマイナス形状の薄板状とした。なお、図1に示すように、基端側の断面形状が円形の部分から、先端部分の断面形状がマイナス形状の部分に至る途中の部分は、テーパが付けられ、徐々に断面積が減少する部分が設けられている。これによって、一部分に応力が集中して破損し易くなることを防止できる。
(第5工程)
次に、第4工程で得られた絶縁性セラミック基体20の成形体の後端より電極リング12,13を圧入し、それぞれセラミック基体20より露出された電極取り出し部25,24と電気的に接続することで温度センサ本体10を完成させた。そして、電極リング12,13にそれぞれリード線14,15を溶融結合し、温度センサ本体10に図1に示したフランジ40を圧入やろう付けによって組み付け、継手50の溶接、ナット60の取り付け等を行って、温度センサ100の完成品を得た。
このようにして得られた温度センサ100について、感温抵抗体21と、感温抵抗体21および導電部22,23との合計の抵抗値との比について評価した。まず、温度センサ100に室温にて電流を印加して抵抗値を測定したところ、その抵抗値は5Ωであった。次に、センサ本体10の先端部分を切断し、露出させた感温抵抗体21に電流を印加して抵抗値を測定したところ、その抵抗値は4.985Ωであった。その結果、感温抵抗体21の抵抗値は、感温抵抗体21および導電部22,23との合計の抵抗値に対し、電極取り出し部24,25やリード線14,15の抵抗値を無視しても0.997倍となり、好適条件とする0.99倍以上を満たしていた。従って、導電部22,23の抵抗値変動が生じても、その抵抗値変動を無視することができる。
次に、耐久性についての評価を行った。まず、室温にて温度センサ100の抵抗値を測定し、次に温度センサ100の先端部を1分間バーナで加熱し、1分間室温で冷却する1つのサイクルを10万サイクル繰り返して行った後、室温にて抵抗値を測定した。これらの抵抗値はいずれも5Ωで変化が生じなかった。また、絶縁性セラミック基体20上に煤等が付着しても、感温抵抗体21の抵抗値には影響がなかった。この結果から、十分な耐久性を有することが分かった。
次に、温度センサ100について、応答性についての評価を行った。応答性の評価は、温度センサを室温の状態から600℃の温風ガス(air)中に、感温部を含めた先端部分約15mmを曝し、抵抗値変化を測定した。室温における初期抵抗値を0%、200秒後の抵抗値を100%飽和であるとみなし、63%飽和時の時間を応答時間とした。この応答性の評価については、温度センサ本体10の先端部の断面積(厚さ)を変更した実施例1〜4及び、図4及び図4のZ−Z断面形状を示す図5に示すように、感温部11に厚さ方向に突出するリブを有する形状とした実施例5(実施例5の場合略プラス形状)について、それぞれ応答性の評価を行った。また、比較例1として、感温部11の形状を断面円形のままで基端部側の断面積と同一の場合についても評価を行った。この結果を表1及び図6のグラフに示す。
Figure 2006153653
表1及び図6のグラフに示されるように、実施例1では、センサ本体10の先端部の形状を略マイナス形状として、面積比A/Aiを0.86とすることにより、応答時間を6.80秒とすることができ、比較例1(A/Ai=1、応答時間7.47秒)に比べて10%程度改善することができた。また、面積比A/Aiを0.64とした実施例2では、応答時間を5.00秒と5秒以下にすることができた。さらに、応答時間を、実施例3では、2.72秒、実施例4では1.32秒と非常に短くすることができた。
また、センサ本体10の先端部の形状を略プラス形状とした実施例5では、実施例2と同じ面積比A/Ai=0.64で、応答時間を3.84秒とすることができた。このようにセンサ本体10の先端部の形状を略プラス形状のようにリブを有する形状とすると、マイナス形状の場合に比べて、強度を向上させることができる。また、同一の断面積の場合、表面積も拡大できるので、外部の熱を受けやすくして応答性を高めることができる。但し、マイナス形状の場合に比べ、加工が難しくなるという欠点もある。
上記のとおり、各実施例の温度センサは、信頼性、応答性に優れたものであることを確認することができた。
本発明の一実施形態に係る温度センサの概略構成を示す図。 図1の温度センサの温度センサ本体内部の概略構成を示す図。 図1の温度センサの感温部のZ−Z断面形状を拡大して示す図。 本発明の他の実施形態に係る温度センサの概略構成を示す図。 図4の温度センサの感温部のZ−Z断面形状を拡大して示す図。 面積比A/Aiと応答時間との関係を示すグラフ。
符号の説明
100……温度センサ、10……温度センサ本体、11……感温部、12,13……電極リング、14,15……リード線、40……フランジ(取り付け部材)、50……継手、60……ナット。

Claims (7)

  1. 柱状に形成された絶縁性セラミック基体及び当該絶縁性セラミック基体の先端部分に埋設された感温抵抗体を有する温度センサ本体と、
    前記温度センサ本体の基端側に設けられた取り付け部材とを具備する温度センサであって、
    前記温度センサ本体の前記感温抵抗体が埋設された位置の周囲に対応する感温部の断面積が、前記温度センサ本体の前記取り付け部材が配置された部分の断面積より小さいことを特徴とする温度センサ。
  2. 請求項1記載の温度センサにおいて、
    前記温度センサ本体の前記感温部の断面形状が略マイナス状とされていることを特徴とする温度センサ。
  3. 請求項2記載の温度センサにおいて、
    前記温度センサ本体の前記感温部に、前記断面形状が略マイナス状とされた部分と直交する方向に突出する1又は複数のリブが設けられたことを特徴とする温度センサ。
  4. 請求項2又は3記載の温度センサにおいて、
    前記感温抵抗体が板状に形成され、前記温度センサ本体の前記感温部の断面形状が、前記感温抵抗体の形状に応じた形状とされていることを特徴とする温度センサ。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の温度センサにおいて、
    前記温度センサ本体の前記感温部の断面積をA、前記温度センサ本体の前記取り付け部材が配置された部分の断面積をAiとして、
    A/Ai≦0.86
    であることを特徴とする温度センサ。
  6. 請求項5項記載の温度センサにおいて、
    前記温度センサ本体の前記感温部の断面積をA、前記温度センサ本体の前記取り付け部材が配置された部分の断面積をAiとして、
    A/Ai≧0.08
    であることを特徴とする温度センサ。
  7. 請求項1〜6いずれか1項記載の温度センサにおいて、
    前記温度センサ本体に、前記取り付け部材が配置された部分の断面積から、前記感温部の断面積となるように徐々に断面積が小さくなる部分が設けられていることを特徴とする温度センサ。
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