JP2006153367A - 熱交換器及び熱交換器のコーティング層形成方法 - Google Patents

熱交換器及び熱交換器のコーティング層形成方法 Download PDF

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    • F28F9/0224Header boxes formed by sealing end plates into covers

Abstract

【課題】 コーティング液によるチューブの閉塞等の不具合を回避して、熱交換性能の悪化を防止することができる熱交換器およびそのコーティング層形成方法を提供する。
【解決手段】 内壁に樹脂コーティングが施される複数のチューブ5と、これらチューブ5の長手方向X両端部5aに接続されるタンク部構成部材8,9とを有する熱交換器4において、各上記チューブ5の長手方向X両端部5aにおける幅方向Y両端部5bと、上記タンク部構成部材8,9とが接触するようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば燃料電池自動車の冷却系で用いられる熱交換器及び熱交換器のコーティング層形成方法に関し、特に、内面に樹脂などの材料がコーティングされた熱交換器及び熱交換器のコーティング層形成方法に適して好適なものである。
例えば、駆動源として燃料電池を搭載した燃料電池自動車であるFCEV車(fuel cell electric vehicle)の冷却系には、電極等の導電性部材が燃料電池内部に多く存在するため、感電防止の観点より冷媒の導電性を低レベルにする必要があり、極めて導電性の小さい純水が使用されている。また、冷却系システムの構成部品としては、導電率を悪化させないようにするために極力ステンレスを使用し、熱交換器は軽量小型化のためにアルミニウムを使用している。
しかし、熱交換器をアルミニウムで形成した場合、純水によってアルミニウムが腐食したり、その腐食したアルミニウム金属が純水に混入して純水導電率が悪化したりすることがある。これを防止するべく、純水の流通路となるチューブおよびタンク部材の内表面に熱硬化型有機樹脂(フェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系)のコーティング層を形成する技術が考案されている(例えば、特許文献1など参照)。
このコーティング層は、チューブおよびタンク部材の内表面にコーティング液を塗布する塗布工程と、塗布したコーティング液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥したコーティング液を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程とからなるコーティング法によって形成される。
特開2001−167782号公報(第4頁および第5頁、第1図および第2図など参照)
しかしながら、このように熱交換器の内表面にコーティング液を塗布した場合、図14に示すように、チューブ101と冷却フィン102とを交互に積層してなるコア103の両端にヘッダタンク104、105を取り付けてなる熱交換器106では、チューブ105の両端部間に当る中央部分において、その内表面に形成されたコーティング層107の一部に溶剤洗浄されたような被覆不良個所108が生じる場合がある。すなわち、チューブ101の内面に形成されたコーティング層107の一部が剥がれてアルミニウムの地肌が露出してしまうことがある。
これは、塗布工程において、コーティング液が熱交換器106の内部から外部へと抜け難いため、膜厚が局所的に厚くなることで半乾き状態になり易いコーティング層107をコーティング液の溶剤蒸気が再溶解して塗膜不良を起こすものと考えられる。
また、図15に示すように、チューブ101の端部において、液溜まり109が発生し易いことから、通路抵抗の増加を招いたり、液溜まり109が半乾きとなって最悪の場合、チューブ101の通路を塞いでしまうことがある。すなわち、コーティング液は、チューブ101の内表面をその自重によって流動するが、半乾き状態となるとチューブ101の端部に溜まり、その場で硬化することによって、このチューブ101の通路を閉塞することがある。
あるいは、チューブ101の通路を閉塞するに至らなくても、形成されるコーティング層107の膜厚が、例えば100〔μm〕程度と他の部分に較べて非常に厚くなり、通路抵抗の増加を招くことになりかねない。
そもそも、コーティング層107の膜厚が50〔μm〕以上になると、ヒートショック性が劣化して塗膜剥がれ等の不具合が発生するとともに熱交換性能の悪化も懸念されている。
このように、コーティング層107の被覆不良個所108やコーティング液の液溜まり109が発生すると、熱交換器106の内面の純水に対する防錆性を確保するのが困難になってしまうことになりかねない。
そこで、本発明は、チューブからコーティング液を速やかに排出させることによって、コーティング液によるチューブの閉塞等の不具合を回避することができ、かくして、熱交換性能の悪化を防止することができる熱交換器およびそのコーティング層形成方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数のチューブと、これらチューブの長手方向両端部に接続されるタンク部構成部材とを有し、内壁に樹脂コーティングが施される熱交換器において、各上記チューブの長手方向両端部における幅方向両端部と、上記タンク部構成部材とが接触することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、上記タンク部構成部材が、タンクカバーの側壁であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、上記タンク部構成部材が、座板の側壁であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、上記タンク部構成部材が、タンクカバー内に上記チューブに向けて突設された突出部であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器であって、各上記チューブの長手方向両端部における幅方向両端部が、上記タンク部構成部材と接触するように突出して延在されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、複数の並設されたチューブと、これら各チューブの両端をそれぞれ内部に挿入した状態で連結される一対のタンク部構成部材とを組み付ける組み付け工程と、内部が循環水の通路とされる上記チューブおよび上記タンク部構成部材の内表面にコーティング液を塗布する塗布工程と、塗布したコーティング液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥したコーティング液を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程とによって上記チューブおよび上記タンク部構成部材の内表面に樹脂コーティング層を形成する熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記組み付け工程では、各上記チューブの長手方向両端部と、上記タンク部構成部材とを接触させることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記塗布工程では、上記コーティング液の粘度を0.6〔dPa秒〕以下とし、各上記チューブにおける並列方向の厚みを0.7〔mm〕以上とすることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部と、タンク部構成部材とを接触させたことにより、熱交換器の内壁にコーティング層を形成する際、これらチューブ内のコーティング液を、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部からタンク部構成部材を伝って速やかに排出させることができる。
従って、各チューブの長手方向両端部にコーティング液が溜まって液溜まりが生じたり、これに起因してチューブが閉塞されたりする不具合を未然に回避することができる。かくして、熱交換性能の悪化を防止することができる。
しかも、チューブ内の余剰分のコーティング液を積極的に排出させることによって、各チューブ内のコーティング層の膜厚を均一にすることもできる。
請求項2に記載の発明によれば、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部と接触するタンク部構成部材が、タンクカバーの側壁であることにより、熱交換器の構造を大幅に変えることなく、チューブ内のコーティング液をタンクカバーの側壁を伝って確実に排出させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部と接触するタンク部構成部材が、座板の側壁であることにより、熱交換器の構造を大幅に変えることなく、チューブ内のコーティング液を座板の側壁を伝って確実に排出させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部と接触するタンク部構成部材が、タンクカバー内に上記チューブに向けて突設された突出部であることにより、熱交換器の構造を大幅に変えることなく、チューブ内のコーティング液をタンクカバー内の突出部を伝って確実に排出させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部が、タンク部構成部材と接触するように突出して延在されるようにしたことにより、熱交換器の構造を大幅に変えることなく、チューブ内のコーティング液を、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部を伝って確実に排出させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、熱交換器におけるチューブおよびタンク部構成部材の内表面に樹脂コーティング層を形成する熱交換器のコーティング層形成方法において、組み付け工程では、各チューブの長手方向両端部と、タンク部構成部材とを接触させるようにしたことにより、チューブ内のコーティング液を、各チューブの長手方向両端部における幅方向両端部からタンク部構成部材を伝って速やかに排出させることができ、当該コーティング液の排液性を向上させることができる。
従って、チューブの長手方向両端部にコーティング液が溜まって液溜まりが生じたり、これに起因してチューブが閉塞されたりする不具合を未然に回避することができる。かくして、熱交換性能の悪化を防止することができる。
しかも、チューブ内の余剰分のコーティング液を積極的に排出させることによって、各チューブ内のコーティング層の膜厚を均一にすることができるとともに、コーティング液の排液性が向上するため、当該コーティング液の乾燥時間を格段と短縮でき、コーティング作業全体の作業時間を短くすることができる。
請求項7に記載の発明では、塗布工程において、コーティング液の粘度を0.6〔dPa秒〕以下とし、各チューブにおける並列方向の厚みを0.7〔mm〕以上とするようにした。これは、コーティング液の粘度が0.6〔dPa秒〕を超えると、粘度が高すぎて流れ難くなり使用困難になってしまうこと、および各チューブにおける並列方向の厚みが0.7〔mm〕未満であると、十分な広さの流路をチューブ内に確保できず、コーティング液が流れ難くなってしまうことを避けるためである。従って、この発明によれば、チューブ内の流路を実用上十分な広さで確保することができるとともに、チューブ内のコーティング液が流動し易くなるため、当該コーティング液の排液性を一段と向上させることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の熱交換器およびそのコーティング層形成方法について説明する前に、本発明方法によってコーティング層が形成される熱交換器が使用されるFCEV冷却系システムについて説明する。
「FCEV冷却システムの概略構成」
図1は、燃料電池を搭載した電気自動車の冷却系システム図である。燃料電池を駆動源とするいわゆる燃料電池自動車は、当該燃料電池を約80〔℃〕に加温保持することで水素と酸素による反応が行われて電気を最も効率よく生成するため、加温し過ぎないように冷媒を循環させて燃料電池を冷却している。
この冷却系システム1では、加温された燃料電池を冷却する冷媒は、燃料電池本体2に形成された流路を流れると、ポンプ3によって熱交換器4へ送られ、熱交換器4で暖められた冷媒が熱交換器4によって冷却される。そして、冷却された冷媒は、再び燃料電池本体2へと送られ、加温された燃料電池を所定温度に保つように冷却する。このような経路を循環する冷媒には、例えば導電性の低い純水または純水に凍結防止剤であるエチレングリコールを混合したものが使用される。これは、燃料電池本体2の内部には導電性材料からなる電極などが設けられているため、その内部を循環する冷媒が導電性を持っていると、水素と酸素の反応に悪影響を与えるためである。
〔第1の実施の形態〕
「熱交換器の概略構成」
次に、本発明にかかる熱交換器4の第1の実施の形態について説明する。本発明方法によってコーティング層が形成される熱交換器4は、図2から図4に示すように、アルミニウム材より偏平長尺形状とされ、内部に循環水である純水を流通させる冷媒通路13が形成されたチューブ5と、アルミニウム材より波形状とされ、チューブ5内を流れる純水と周囲通過の空気との間で熱交換を促進できるようになっている冷却フィン6とを有し、これらチューブ5と冷却フィン6とを交互に複数積層することによってコア7を形成し、そのコア7の上下端にタンク部構成部材としてのヘッダタンク8,9を取り付けることにより構成されている。このとき、チューブ5、冷却フィン6およびヘッダタンク8,9の互いの接触箇所は、それぞれろう付けによって固定されている。
一方のヘッダタンク8は、燃料電池本体2から流入する純水を導入させる入口側のタンクであり、座板81とタンクカバー82とを備えるとともに、このタンクカバー82の一端側(外部側)に冷媒入口パイプ10を有している。
他方のヘッダタンク9は、熱交換器4の内部を流れて冷却された純水を排出する出口側のタンクであり、座板91とタンクカバー92とを備えるとともに、このタンクカバー92の一端側(外部側)に冷媒出口パイプ11を有している。
そして、冷媒入口パイプ10より流入した純水は、一方のヘッダタンク8の冷媒通路14より各チューブ5内の冷媒通路13を分流し、他方のヘッダタンク9の冷媒通路15で再び合流して冷媒出口パイプ11より流出する。
これに加えて、この熱交換器4では、内部を流れる純水によってその内面が腐食しないように、熱硬化型有機樹脂(フェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系)からなるコーティング液18(後述する図6参照)が塗布されることによってコーティング層12が形成されている。このコーティング層12は、チューブ5の冷媒通路13だけではなく、ヘッダタンク8,9の冷媒通路14、15、入口パイプ10および出口パイプ11の冷媒通路16、17からなる熱交換器4の内表面の全てに形成されている。
なお、熱交換器4は、軽量化および小型化のために、アルミニウムのクラッド材から形成されている。
かかる構成に加えて、この熱交換器4の場合、各チューブ5は図3に示すように偏平長尺形状であり、長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bが、図4(a)、(b)に示すように、ヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の側壁82a,92aに接触している。
このとき、各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5b間寸法(すなわち、チューブ5の長手方向X端部5aにおける幅)と、これに対応したタンクカバー82,92における側壁82a,82a、92a,92a間寸法とがほぼ同一で、隙間なく嵌合し得るようになっている。
そして、図4(a)に示すように、座板81,91に対してコア7(図2参照)を取り付ける、すなわち座板81,91に対して各チューブ5を嵌合させて取り付けた後、図4(b)に示すように、座板81,91に対してタンクカバー82,92を係合させることにより、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとが接触した状態でコア7と座板81,91とが組み付けられる。これら座板81,91とタンクカバー82,92とは、接合部P1をろう付けや溶接等の手法によって接合されることにより固定される。このとき、座板81,91に対する各チューブ5の接合と、座板81,91に対するタンクカバー82,92の接合とは、個々に行っても良いし、工数削減のために同時に行っても良い。
このようにして、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとが接触した状態で組み付けられることにより、前記コーティング層12を形成する際に、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の側壁82a,92aへと伝って確実に排出されるようになる。
「コーティング層形成プロセス」
次に、上述した熱交換器4のコーティング層12を形成する方法について説明する。図5は、本発明のコーティング層形成方法におけるコーティング層形成工程を示す工程図である。コーティング層形成工程は、大きく分けるとコア7およびヘッダタンク8,9の組み付け工程S1と、組み立てたコア7およびヘッダタンク8,9にフラックスを塗布するフラックス塗布工程S2と、コア7およびヘッダタンク8,9を固定するろう付け工程S3と、フラックスを除去する洗浄工程S4と、熱交換器4の内表面(冷媒の流通路表面)に防錆対策のためのコーティング層12を形成するコーティング工程S5とを有し、これらを順次行うことで熱交換器4の内表面にコーティング層12が形成されるようになっている。
<組み付け工程S1>
まずはじめに、組み付け工程S1が行われる。この組み付け工程S1では、チューブ5と冷却フィン6とを交互に積層してコア7を形成した後、このコア7の両端に冷媒入口パイプ10を取り付けたヘッダタンク8と、冷媒出口パイプ11を取り付けたヘッダタンク9とを取り付ける(図2参照)。このプロセスを経ることにより、熱交換器4が組み立てられる。
本実施の形態の場合、この組み付け工程S1では、入口側のヘッダタンク8の座板81(図4参照)と、出口側のヘッダタンク9の座板91に対してコア7(図2参照)を取り付ける、すなわち各チューブ5を座板81,91に嵌合させて取り付けた後、これら座板81,91に対してタンクカバー82,92を係合させる。このとき、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとが接触した状態でコア7と座板81,91とが組み付けられる。
<フラックス塗布工程S2>
次に、フラックス塗布工程S2を行う。フラックス塗布工程S2では、熱交換器4にろう付け用のフラックスが塗布される。そして、フラックスの塗布は、熱交換器4の内表面に可能な限りフラックスが付着しないように、当該熱交換器4の外表面にのみフラックス水溶液を流しかけること、あるいは、シャワーすることにより行う。そして、熱交換器4に熱風を吹き付け、フラックス水溶液の水分を除去することによりフラックスの塗布が完了する。
<ろう付け工程S3>
続いて、ろう付け工程S3を行う。このろう付け工程S3では、組み付け工程S1で組み立てられた熱交換器4を図示しない炉内に搬送させ、所定温度で加熱処理することによってチューブ5、冷却フィン6、ヘッダタンク8,9などがろう付けされる。一般的には、熱交換器4を窒素ガス雰囲気のろう付け炉内で、約60〔℃〕の温度に所定時間加熱処理することにより、ろう付け作業を行う。
<洗浄工程S4>
次に、洗浄工程S4を行う。洗浄工程S4では、加熱した純水を熱交換器4の冷媒通路13〜17内に導入することによって、これら冷媒通路13〜17内に残留するろう付け時のフラックスを除去する。本実施の形態では、例えば100〔℃〕に加熱した純水中に、熱交換器4を24〔時間〕程度浸漬することにより、冷媒通路13〜17内面に付着したフラックスの完全な除去を図っている。
なお、フラックスを除去するために、純水による加熱洗浄の他に、例えば、強アルカリ性のアルミニウム用脱脂剤等による洗浄が可能であるが、この場合には、水洗等の後処理が必要になる。
従って、純水によりフラックスを洗浄するのが望ましい。そして、このように、フラックスの洗浄を行うことにより、化成処理を行うことなく、後述するコート剤(コーティング液18)との密着性を良好にすることができる。一般に、コーティング液18との密着性を向上させるとともに、耐水性能を向上させるために下地処理が行われるが、本実施の形態によれば、このような下地処理を行うことなく、コーティング液18との密着性を高めることが可能になる。
<コーティング工程S5>
次に、コーティング工程S5を行う。コーティング工程S5は、大きく分けて塗布工程S6と、乾燥工程S7と、焼き付け工程S10とからなり、熱交換器4の冷媒通路13〜17内面にコーティング層12を形成する工程である。すなわち、このコーティング工程S5では、冷媒入口パイプ10、入口側のヘッダタンク8、チューブ5、出口側のヘッダタンク9および冷媒出口パイプ11のそれぞれの冷媒通路16、14、13、15、17内面に、コーティング層12を形成する。
<塗布工程S6>
塗布工程S6は、コート剤を所定の濃度で溶剤に希釈したコーティング液18を熱交換器4内に充満させた後、コーティング液18を熱交換器4内から排出することによって、当該熱交換器4の内表面に塗布させる処理を行う。
この塗布工程S6では、例えば図6に示すように、コーティング液18が収容されたコーティング液漕19を熱交換器4の上部に位置するように昇降テーブル20の上に載せ、チューブ5の長手方向を上下方向として出口側のヘッダタンク9を下方に向けて配置した熱交換器4の冷媒出口パイプ11からホース21を介して、コーティング液18を所定の圧力で熱交換器4の冷媒通路13〜17内へと供給する。
そして、コーティング液18が熱交換器4の冷媒通路13〜17内面全体に行き渡ったら、昇降テーブル20を矢印で示すように下降させて冷媒出口パイプ11から余剰なコーティング液18を排出させる。これにより、冷媒入口パイプ10、入口側のヘッダタンク8、チューブ5、出口側のヘッダタンク9および冷媒出口パイプ11の冷媒通路16、14、13、15、17内面には、コーティング液18が均一に塗布される。
なお、コーティング液18の塗布方法としては、このような昇降テーブル20を用いた方法に限らず、勿論、上方に位置する冷媒入口パイプ10から熱交換器4内へとコーティング液18を流入させて下方の冷媒出口パイプ11から流出させた後、熱交換器4の上下を逆転させて、上方に位置する冷媒出口パイプ11から熱交換器4内へとコーティング液18を流入させて下方の冷媒入口パイプ10から流出させることを繰り返し、コーティング層12を形成するようにしてもよい。
いずれにせよ、本実施の形態の場合、各チューブ5の前記両端部5b,5bがタンクカバー82,92の側壁82a,92aに接触していることから、これらチューブ5内に流入したコーティング液18は、該両端部5b,5bを伝ってタンクカバー82,92の側壁82a,92a側へと確実に排出される。
因みに、コーティング液18のコート剤には、例えばフェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系などの熱硬化型有機コート剤が使用可能である。そして、コーティング液18としては、例えばエチレングリコールエーテル系溶剤で希釈したフェノールエポキシ系コート剤をシンナー(セロソルブアセテート+n−ブタノール)に混合した溶液を用いる。
<乾燥工程S7>
次に、熱交換器4の冷媒通路13〜17内面に塗布したコーティング液18を乾燥させる乾燥工程S7の処理を行う。乾燥工程S7は、熱交換器4の冷媒通路13〜17内部に残存する余剰なコーティング溶剤成分の液滴を熱交換器4の外部へと排出するための直立乾燥工程S8と、水平乾燥工程S9の2工程からなる。
<直立乾燥工程S8>
まず、はじめに直立乾燥工程S8を行う。直立乾燥工程S8は、チューブ5の長手方向Xが上下位置となるように熱交換器4を配置させた状態で、常温にて10〔分〕〜30〔分〕程度放置する。これにより、熱交換器4内の余剰な液滴が冷媒出口パイプ11から熱交換器4外部へと排出される。続いて、熱交換器4を上下方向に振動させる。そして、この後、水平乾燥工程S9を行う。
<水平乾燥工程S9>
次に、水平乾燥工程S10は、チューブ5が水平となるように熱交換器4を配置させた状態で、常温にて2〔時間〕程度放置する。
このように、乾燥工程S7を、直立乾燥工程S8および水平乾燥工程S9の2段工程に分けて行うことにより、チューブ5内に目詰まりが形成されるのを未然に防止することができる。なお、直立乾燥工程S8の後に遠心分離装置(図示省略する)等により、チューブ5内から余剰なコーティング液18を除去しきれる場合には、必ずしも水平乾燥工程S9を行う必要はない。
<焼き付け工程S10>
そして、最後に焼き付け工程S10を行う。焼き付け工程S10では、コート剤が熱交換器4の冷媒通路13〜17内表面に焼き付けられる。この焼き付け工程S10は、焼き付け炉内において、例えば、130〔℃〕で30〔分〕程度焼成した後、150〔℃〕で60〔分〕程度焼成することにより行われる。このように、焼成を2段階に分けることにより、熱交換器4の冷媒通路13〜17の内面の樹脂(コーティング層12)が発泡するのを防止することができる。
そして、この焼成により、冷媒入口パイプ10、入口側のヘッダタンク8、チューブ5、出口側のヘッダタンク9および冷媒出口パイプ11の各冷媒通路16、14、13、15、17内面に、コーティング層12が均一な膜厚として被覆不良を起こすことなく形成される。
「実験結果」
ここで、本実施の形態による熱交換器4を用いた、コーティング層12を形成する際のチューブ閉塞実験結果について説明する。図7は、チューブ5の厚みt(図3参照)の変化におけるコーティング液18の粘度と、チューブ閉塞の状態との関係を示す表である。なお、この表におけるN1、N2、N3は、それぞれ同一条件のテストピースに付された番号を示している。
図7に示すように、本実験では、各チューブ5の長手方向X両端部5a,5aの幅方向Y両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとを接触させた状態(本実施の形態)と接触させない状態(従来の形態)とにおいて、それぞれチューブ5の厚みtを0.5〔mm〕、0.7〔mm〕、1.0〔mm〕と変化させ、且つそれぞれコーティング液18の粘度を0.02〔dPa秒〕、0.04〔dPa秒〕、0.16〔dPa秒〕、0.60〔dPa秒〕、2.3〔dPa秒〕に設定した場合について、チューブ閉塞を生じるか否かを調べた。但し、コーティング液18の粘度が2.3〔dPa秒〕の場合に関しては、実際に熱交換器4のコーティング層12を形成する際に使用することはないものの、他の値との比較対象用として調べたものである。
この実験結果から分かるように、前記従来の形態では、コーティング液18の粘度が0.02〔dPa秒〕であるとき、チューブ5の厚みtが0.7〔mm〕以上であれば、各テストピースN1〜N3においてチューブ閉塞を防止することが可能であるが、その他の値においてはチューブ閉塞を防ぐことは困難であった。
これに比べて、本実施の形態では、コーティング液18の粘度が0.16〔dPa秒〕と、0.60〔dPa秒〕であるときのチューブ5の厚みtが0.5〔mm〕である場合以外は全てチューブ閉塞を防止することができた。すなわち、本実施の形態によれば、チューブ5の厚みtが0.7〔mm〕以上であれば、あらゆるコーティング液18の粘度においてチューブ閉塞を防止することが可能となる。なお、チューブ5の幅方向Yの寸法については、14.05〔mm〕〜27.7〔mm〕まで同一の状況であった。
以上説明したように、本実施の形態の熱交換器4によれば、そのコーティング層形成方法における組み付け工程S1において、各チューブ5の長手方向X両端部5a,5aの幅方向Y両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとを接触させて組み付けるようにしたことにより、熱交換器4の内壁にコーティング層12を形成する際、これらチューブ5内のコーティング液18を、各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからタンクカバー82,92の側壁82a,92aを伝って速やかに排出させることができる。
従って、各チューブ5の長手方向X両端部5a,5aにコーティング液18が溜まって液溜まりが生じたり、これに起因してチューブ5が閉塞されたりする不具合を未然に回避することができる。かくして、熱交換性能の悪化を防止することができる。
しかも、チューブ5内の余剰分のコーティング液18を積極的に排出させることによって、各チューブ5内のコーティング層12の膜厚を均一にすることもできる。
また、各チューブ5の長手方向X両端部5a,5aにおける幅方向Y両端部5b,5bと接触するタンク部構成部材が、タンクカバー82,92の側壁82a,92aであることにより、熱交換器4の構造を大幅に変えることなく、チューブ5内のコーティング液18をタンクカバー82,92の側壁82a,92aを伝って確実に排出させることができる。
さらに、このコーティング層形成方法では、組み付け工程S1において、各チューブ5の長手方向X両端部5a,5aと、タンクカバー82,92とを接触させるようにしたことにより、チューブ5内のコーティング液18を、各チューブ5の長手方向X両端部5a,5aにおける幅方向Y両端部5b,5bから前記タンクカバー82,92の側壁82a,92aを伝って速やかに排出させることができ、当該コーティング液18の排液性を向上させることができる。
従って、チューブ5の長手方向X両端部5a,5aにコーティング液18が溜まって液溜まりが生じたり、これに起因してチューブ5が閉塞されたりする不具合を未然に回避することができる。かくして、熱交換性能の悪化を防止することができる。
しかも、チューブ5内の余剰分のコーティング液18を積極的に排出させることによって、各チューブ5内のコーティング層12の膜厚を均一にすることができるとともに、コーティング液18の排液性が向上するため、当該コーティング液18の乾燥時間を格段と短縮することができ、コーティング作業全体の作業時間を短縮することができる。
さらに、これに加えて本実施の形態では、塗布工程S6において、コーティング液18の粘度を0.6〔dPa秒〕以下とし、各チューブ5の厚みtを0.7〔mm〕以上とするようにした。これは、コーティング液18の粘度が0.6〔dPa秒〕を超えると、粘度が高すぎて流れ難くなり使用困難になってしまうこと、および各チューブ5における並列方向の厚みが0.7〔mm〕未満であると、十分な広さの流路をチューブ5内に確保できず、コーティング液18が流れ難くなってしまうことを避けるためである。
従って、この発明によれば、チューブ5内の流路13を実用上十分な広さで確保することができるとともに、チューブ5内のコーティング液18が流動し易くなるため、当該コーティング液18の排液性を一段と向上させることができる。
〔第2の実施の形態〕
図4との対応部分に同一符号を付した図8は、本発明にかかる第2の実施の形態による熱交換器4の要部(各チューブ5とヘッダタンク8,9との取り付け部分)を示し、各チューブ5の前記長手方向X両端部5a,5aの幅方向Y両端部5b,5bと、タンクカバー82,92の側壁82a,92aとが仮組みされた後の接合段階において接触することを除いて、上述した第1の実施の形態における熱交換器4とほぼ同様に構成されている。
すなわち、本実施の形態による熱交換器4は、上述したコーティング層形成工程における組み付け工程S1において、図8(a)に示すように、座板81,91に対してコア7(図2参照)を取り付ける、すなわち座板81,91に対して各チューブ5を嵌合させて取り付ける。そして、次に図8(b)に示すように、座板81,91に対してタンクカバー82,92を係合させることにより、タンクカバー82,92を仮組みする。
このとき、各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5b間寸法(すなわち、チューブ5の長手方向X端部5aにおける幅)に対して、これに対応したタンクカバー82,92における側壁82a,82a、92a,92a間寸法は大きめに設定されている。つまり、これらチューブ5とタンクカバー82,92間には、従来どおり隙間が設けられるようになっている。
そして、この後、図8(c)に示すように、これら座板81,91とタンクカバー82,92との接合部P2をかしめた際に、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとが接触し、この状態でろう付けや溶接等の手法によって接合されることにより、座板81,91とタンクカバー82,92とが組み付けられる。このとき、これら座板81,91に対するタンクカバー82,92の接合と、当該座板81,91に対する各チューブ5の接合とを同時に行うことにより、前記組み付け工程S1の工数を削減することができるのは言うまでもない。
このように、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとが接触することにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の側壁82a,92aへと伝って流れるため、このコーティング液18をチューブ5の流路13内に残留させることなく、確実に排出させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の側壁82a,92aとを組み付けた後、かしめによって接触させるようにしたことにより、既存の熱交換器部品をそのまま無駄にすることなく使用することができ、且つ、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の側壁82a,92aへと伝って確実に排出されるため、チューブ5の閉塞を未然に防止することができる。つまり、既存の熱交換器部品をそのまま用いて、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
〔第3の実施の形態〕
図4との対応部分に同一符号を付した図9は、本発明にかかる第3の実施の形態による熱交換器4の要部(各チューブ5とヘッダタンク8,9との取り付け部分)を示し、タンクカバー82,92の側壁82a,92aがハの字状に開いた断面台形状からなり、この座板81,91に向かって外側へ傾斜したタンクカバー82,92の側壁82a,92aと、各チューブ5の前記幅方向Y両端部5b,5bとが接触するようになっていることを除いて、上述した第1の実施の形態における熱交換器4とほぼ同様に構成されている。
すなわち、本実施の形態による熱交換器4は、図9(a)に示すように、タンクカバー82,92が、その側壁82a,92aを座板81,91に向かって外側へ傾斜させた断面台形状からなる。
そして、図9(b)に示すように、このタンクカバー82,92を座板81,91に係合させることにより、タンクカバー82,92の側壁82a,92aと、各チューブ5の前記幅方向Y両端部5b,5bとが接触する。
この後、図9(c)に示すように、これら座板81,91とタンクカバー82,92との接合部P3をろう付けや溶接等の手法によって接合することにより、これら座板81,91とタンクカバー82,92とが組み付けられる。このとき、これら座板81,91に対するタンクカバー82,92の接合と、当該座板81,91に対する各チューブ5の接合とを同時に行うことにより、前記組み付け工程S1の工数を削減することができるのは言うまでもない。
このように、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の傾斜した側壁82a,92aとが接触することにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の側壁82a,92aへと伝って流れるため、このコーティング液18をチューブ5の流路13内に残留させることなく、確実に排出させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の傾斜した側壁82a,92aとを接触させるようにしたことにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の側壁82a,92aへと伝って確実に排出されるため、チューブ5の閉塞を未然に防止することができる。かくして、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
〔第4の実施の形態〕
図4との対応部分に同一符号を付した図10は、本発明にかかる第4の実施の形態による熱交換器4の要部(各チューブ5とヘッダタンク8,9との取り付け部分)を示し、座板81,91の側壁81a,91aが断面台形状からなり、タンクカバー82,92に向かって内側へ傾斜した座板81,91の側壁81a,91aと、各チューブ5の前記幅方向Y両端部5b,5bとが接触するようになっていることを除いて、上述した第1の実施の形態における熱交換器4とほぼ同様に構成されている。
すなわち、本実施の形態による熱交換器4は、図10(a)に示すように、座板81,91の側壁81a,91aが、タンクカバー82,92に向かって内側へ、つまり、チューブ5の前記長手方向X両端部5a,5aに向けて傾斜した形状をなしている。
このため、各チューブ5の前記幅方向Y両端部5b,5bは、座板81,91と係合される際に、この座板81,91の側壁81a,91aと接触するようになっている。
この後、図10(b)に示すように、タンクカバー82,92を座板81,91に係合させた状態で、これら座板81,91とタンクカバー82,92との接合部P4をろう付けや溶接等の手法によって接合することにより、これら座板81,91とタンクカバー82,92とが組み付けられる。このとき、これら座板81,91に対するタンクカバー82,92の接合と、当該座板81,91に対する各チューブ5の接合とを同時に行うことにより、前記組み付け工程S1の工数を削減することができるのは言うまでもない。
このように、各チューブ5の前記両端部5b,5bと座板81,91の側壁81a,91aとが接触することにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9における座板81,91の側壁81a,91aへと伝って流れるため、このコーティング液18をチューブ5の流路13内に残留させることなく、確実に排出させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各チューブ5の前記両端部5b,5bと座板81,91の傾斜した側壁81a,91aとを接触させるようにしたことにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9における座板81,91の側壁81a,91aへと伝って確実に排出されるため、チューブ5の閉塞を未然に防止することができる。かくして、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
〔第5の実施の形態〕
図4との対応部分に同一符号を付した図11は、本発明にかかる第5の実施の形態による熱交換器4の要部(各チューブ5とヘッダタンク8,9との取り付け部分)を示し、タンクカバー82,92が、その内部に各チューブ5に向かって突設された突出部82b,92bを有する点を除いて、上述した第1の実施の形態における熱交換器4とほぼ同様に構成されている。
すなわち、本実施の形態による熱交換器4は、図11(a)に示すように、タンクカバー82,92の内部に、各チューブ5に向かって突出した突出部82b,92bが設けられている。このとき、この突出部82b,92bはチューブ5の前記幅方向Yにおける寸法とほぼ同じ寸法で設定されている。
そして、図11(b)に示すように、タンクカバー82,92を座板81,91に係合させることにより、タンクカバー82,92の突出部82b,92bと、各チューブ5の前記幅方向Y両端部5b,5bとが接触する。
この後、これら座板81,91とタンクカバー82,92との接合部P5をろう付けや溶接等の手法によって接合することにより、これら座板81,91とタンクカバー82,92とが組み付けられる。このとき、これら座板81,91に対するタンクカバー82,92の接合と、当該座板81,91に対する各チューブ5の接合とを同時に行うことにより、前記組み付け工程S1の工数を削減することができるのは言うまでもない。
このように、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の突出部82b,92bとが接触することにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の突出部82b,92bへと伝って流れるため、このコーティング液18をチューブ5の流路13内に残留させることなく、確実に排出させることができる。
また、この突出部82b,92bは、図12(a)に示すように、タンクカバー82,92の内部における各チューブ5との対向位置全体に設けるようにしてもよく、図12(b)に示すように、タンクカバー82,92の内部における各チューブ5と対向する位置のみに設けるようにしてもよい。特に、後者の場合、突出部82b,92bが必要に応じた部分にのみ設けられていることから、コーティング液18の排出の際のコーティング液18の流れや、循環水である純水の流通を妨げることを回避することができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各チューブ5の前記両端部5b,5bとタンクカバー82,92の内部に突設した突出部82b,92bとを接触させるようにしたことにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の突出部82b,92bへと伝って確実に排出されるため、チューブ5の閉塞を未然に防止することができる。かくして、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
しかも、突出部82b,92bをタンクカバー82,92の内部における各チューブ5と対向する位置のみに設けるようにすることにより、コーティング液18の排出の際のコーティング液18の流れや、循環水である純水の流通を妨げることを回避することもできる。
〔第6の実施の形態〕
図4との対応部分に同一符号を付した図13は、本発明にかかる第6の実施の形態による熱交換器4の要部(各チューブ5とヘッダタンク8,9との取り付け部分)を示し、各チューブ5の前記長手方向X両端部5a,5aにおける幅方向Y両端部5b,5bが、ヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92と接触するように突出して延在される点を除いて、上述した第1の実施の形態における熱交換器4とほぼ同様に構成されている。
すなわち、本実施の形態による熱交換器4は、図13(a)に示すように、各チューブ5の前記長手方向X両端部5a,5aに座板81,91が取り付けられ、これらチューブ5の長手方向X両端部5a,5aにおける幅方向Y両端部5b,5bが、タンクカバー82,92と接触するように突出して延在されている。
そして、この状態で図13(b)に示すように、タンクカバー82,92を座板81,91に係合させることにより、各チューブ5の前記幅方向Y両端部5b,5bとタンクカバー82,92とが接触する。
この後、これら座板81,91とタンクカバー82,92との接合部P6をろう付けや溶接等の手法によって接合することにより、これら座板81,91とタンクカバー82,92とが組み付けられる。このとき、これら座板81,91に対するタンクカバー82,92の接合と、当該座板81,91に対する各チューブ5の接合とを同時に行うことにより、前記組み付け工程S1の工数を削減することができるのは言うまでもない。
このように、各チューブ5の前記幅方向Y両端部5b,5bとタンクカバー82,92とが接触することにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92へと伝って流れるため、このコーティング液18をチューブ5の流路13内に残留させることなく、確実に排出させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、各チューブ5の前記長手方向X両端部5a,5aにおける幅方向Y両端部5b,5bを突出して延在させ、これら両端部5b,5bとタンクカバー82,92の内部とを接触させるようにしたことにより、前記コーティング層12を形成する場合において、コーティング液18が各チューブ5の長手方向Xの両端部5a,5aにおける幅方向Yの両端部5b,5bからヘッダタンク8,9におけるタンクカバー82,92の内部へと伝って確実に排出されるため、チューブ5の閉塞を未然に防止することができる。かくして、上述した第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明の熱交換器4として上述した第1〜第6の実施の形態を例に取って説明したが、本発明はこれに限ることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の実施の形態を採用することができる。
例えば、上述した第1〜第6の実施の形態では、偏平長尺形状(断面が偏平形状)からなるチューブ5を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、チューブの形状としては、この他、例えば断面が矩形状や円形状などの種々の形状からなる場合についても広く適用することができる。
また、上述した第1〜第6の実施の形態では、コア7の上方に入口側のヘッダタンク8を配置し、コア7の下方に出口側のヘッダタンク9を配置する熱交換器4を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限ることなく、コアの下方に入口側のヘッダタンクを配置し、コアの下方に出口側のヘッダタンクを配置する熱交換器においても適用することができる。
燃料電池を搭載した電気自動車の冷却系システム図である。 本発明を適用したコーティング層が形成される熱交換器の第1の実施の形態を示す断面図である。 図2の熱交換器におけるチューブを拡大して示す斜視図である。 図2の熱交換器における要部を拡大して示す断面図である。 本発明のコーティング層形成工程を示す工程図である。 コーティング液の塗布を行う装置の一例を示す概略構成図である。 チューブの厚みの変化におけるコーティング液の粘度とチューブ閉塞の状態との関係を示す表である。 本発明による第2の実施の形態の熱交換器における要部を拡大して示す断面図である。 本発明による第3の実施の形態の熱交換器における要部を拡大して示す断面図である。 本発明による第4の実施の形態の熱交換器における要部を拡大して示す断面図である。 本発明による第5の実施の形態の熱交換器における要部を拡大して示す断面図である。 図11のタンクカバーにおける突出部の形成箇所を示す上面図である。 本発明による第6の実施の形態の熱交換器における要部を拡大して示す断面図である。 (a)は従来の方法によって冷媒通路内面にコーティング層を形成した熱交換器を示す正面図であり、(b)はその熱交換器のチューブ内面に被覆不良個所が生じたことを示す要部拡大図である。 (a)は従来の方法によって冷媒通路内面にコーティング層を形成した熱交換器を示す正面図であり、(b)はその熱交換器のチューブ端部に液溜まりが生じたことを示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1…冷却系システム
2…燃料電池本体
4…熱交換器
5…チューブ
5a…両端部(長手方向)
5b…両端部(幅方向)
7…コア
8、9…ヘッダタンク(タンク部構成部材)
10…冷媒入口パイプ
11…冷媒出口パイプ
12…コーティング層
18…コーティング液
81、91…座板
81a、91a…側壁
82、92…タンクカバー
82a、92a…側壁
82b、92b…突出部

Claims (7)

  1. 複数のチューブ(5)と、これらチューブ(5)の長手方向(X)両端部(5a)に接続されるタンク部構成部材(8),(9)とを有し、内壁に樹脂コーティングが施される熱交換器(4)において、
    各上記チューブ(5)の長手方向(X)両端部(5a)における幅方向(Y)両端部(5b)と、上記タンク部構成部材(8),(9)とが接触する
    ことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器(4)であって、
    上記タンク部構成部材(8),(9)が、タンクカバー(82),(92)の側壁(82a),(92a)である
    ことを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1に記載の熱交換器(4)であって、
    上記タンク部構成部材(8),(9)が、座板(81),(91)の側壁(81a),(91a)である
    ことを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項1に記載の熱交換器(4)であって、
    上記タンク部構成部材(8),(9)が、タンクカバー(82),(92)内に上記チューブ(5)に向けて突設された突出部(82b),(92b)である
    ことを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項1に記載の熱交換器(4)であって、
    各上記チューブ(5)の長手方向(X)両端部(5a)における幅方向(Y)両端部(5b)が、上記タンク部構成部材(8),(9)と接触するように突出して延在されている
    ことを特徴とする熱交換器。
  6. 複数の並設されたチューブ(5)と、これら各チューブ(5)の両端をそれぞれ内部に挿入した状態で連結される一対のタンク部構成部材(8),(9)とを組み付ける組み付け工程(S1)と、内部が循環水の通路とされる上記チューブ(5)および上記タンク部構成部材(8),(9)の内表面にコーティング液(18)を塗布する塗布工程(S6)と、塗布したコーティング液(18)を乾燥させる乾燥工程(S7)と、乾燥したコーティング液(18)を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程(S11)とによって上記チューブ(5)および上記タンク部構成部材(8),(9)の内表面に樹脂コーティング層(12)を形成する熱交換器(4)のコーティング層形成方法であって、
    上記組み付け工程(S1)では、各上記チューブ(5)の長手方向(X)両端部(5a)と、上記タンク部構成部材(8),(9)とを接触させる
    ことを特徴とする熱交換器のコーティング層形成方法。
  7. 請求項6に記載の熱交換器(4)のコーティング層形成方法であって、
    上記塗布工程(S6)では、上記コーティング液(18)の粘度を0.6〔dPa秒〕以下とし、各上記チューブ(5)における並列方向の厚さ(t)を0.7〔mm〕以上とする
    ことを特徴とする熱交換器のコーティング層形成方法。
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