JP2005313062A - 熱交換器のコーティング層形成方法 - Google Patents

熱交換器のコーティング層形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コーティング層の膜厚を容易に制御し、当該膜厚を均一にすることによって、この膜厚の変動に起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止する。
【解決手段】 複数の並設されたチューブ5の両端がそれぞれ内部に挿入されて連結された一対のタンク部材8,9を有し、内部が循環水の通路とされるチューブ5およびタンク部材8,9の内表面にコーティング液を塗布する塗布工程と、塗布したコーティング液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥したコーティング液を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程とによって上記内表面にコーティング層を形成する熱交換器4のコーティング層形成方法であって、上記乾燥工程はガス導入工程を有し、上記熱交換器4の内部にガスを2〔リットル/分〕〜5〔リットル/分〕導入して、上記コーティング液を乾燥させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、例えば燃料電池自動車の冷却系で用いられる熱交換器のコーティング層形成方法に関し、特に、内面に樹脂などの材料がコーティングされた熱交換器のコーティング層形成方法に適して好適なものである。
例えば、駆動源として燃料電池を搭載した燃料電池自動車であるFCEV車(fuel cell electric vehicle)の冷却系には、電極等の導電性部材が燃料電池内部に多く存在するため、感電防止の観点より冷媒の導電性を低レベルにする必要があり、極めて導電性の小さい純水が使用されている。また、冷却系システムの構成部品としては、導電率を悪化させないようにするために極力ステンレスを使用し、熱交換器は軽量小型化のためにアルミニウムを使用している。
しかし、熱交換器をアルミニウムで形成した場合、純水によってアルミニウムが腐食したり、その腐食したアルミニウム金属が純水に混入して純水導電率が悪化したりすることがある。これを防止するべく、純水の流通路となるチューブおよびタンク部材の内表面に熱硬化型有機樹脂(フェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系)のコーティング層を形成する技術が考案されている(例えば、特許文献1など参照)。
このコーティング層は、チューブおよびタンク部材の内表面にコーティング液を塗布する塗布工程と、塗布したコーティング液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥したコーティング液を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程とからなるコーティング法によって形成される。
特開2001−167782号公報(第4頁および第5頁、図1および図2)
しかしながら、このように熱交換器の内表面にコーティング液を塗布した場合、図9に示すように、チューブ101と冷却フィン102とを交互に積層してなるコア103の両端にヘッダタンク104、105を取り付けてなる熱交換器106では、チューブ105の両端部間に当る中央部分において、その内表面に形成されたコーティング層107の一部に溶剤洗浄されたような被覆不良個所108が生じる場合がある。すなわち、チューブ101の内面に形成されたコーティング層107の一部が剥がれてアルミニウムの地肌が露出してしまうことがある。
これは、塗布工程において、コーティング液が熱交換器106の内部から外部へと抜け難いため、膜厚が局所的に厚くなることで半乾き状態になり易いコーティング層107をコーティング液の溶剤蒸気が再溶解して塗膜不良を起こすものと考えられる。
また、図10に示すように、チューブ101の端部において、液溜まり109が発生し易いことから、通路抵抗の増加を招いたり、液溜まり109が半乾きとなって最悪の場合、チューブ101の通路を塞いでしまうことがある。すなわち、コーティング液は、チューブ101の内表面をその自重によって流動するが、半乾き状態となるとチューブ101の端部に溜まり、その場で硬化することによって、このチューブ101の通路を閉塞することがある。
あるいは、チューブ101の通路を閉塞するに至らなくても、形成されるコーティング層107の膜厚が、例えば100〔μm〕程度と他の部分に較べて非常に厚くなり、通路抵抗の増加を招くことになりかねない。
そもそも、コーティング層107の膜厚が50〔μm〕以上になると、ヒートショック性が劣化して塗膜剥がれ等の不具合が発生するとともに熱交換性能の悪化も懸念されている。
このように、コーティング層107の被覆不良個所108やコーティング液の液溜まり109が発生すると、熱交換器106の内面の純水に対する防錆性を確保するのが困難になってしまうことになりかねない。
そこで、本発明は、コーティング層の膜厚を容易に制御し、当該膜厚を均一にすることによって、この膜厚の変動に起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止することができる熱交換器のコーティング層形成方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究の結果、熱交換器の内面が循環水(例えば純水)によって腐食するのを防止するために行うコーティング液の塗布工程後の乾燥工程において、熱交換器内部にガス(例えば空気など二酸化炭素ガス)を導入することで、この熱交換器の内部に残存する余分なコーティング溶剤成分を排出できることを知見した。具体的な解決手段は、次の通りである。
請求項1に記載の発明は、複数の並設されたチューブとこれら各チューブの両端がそれぞれ内部に挿入された状態で連結された一対のタンク部材とを有し、内部が循環水の流通路とされる上記チューブおよび上記タンク部材の内表面にコーティング液を塗布する塗布工程と、塗布したコーティング液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥したコーティング液を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程とによって上記チューブおよび上記タンク部材の内表面にコーティング層を形成する熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記乾燥工程はガス導入工程を有し、上記熱交換器の内部にガスを2〔リットル/分〕〜5〔リットル/分〕導入して、上記コーティング液を乾燥させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記ガス導入工程では、上記熱交換器の向きを上記チューブの長手方向を上下方向として配置し、上記ガスを、上記熱交換器のコア上部からコア下部に向けて導入することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、熱交換器の内表面にコーティング液を塗布した後、乾燥工程において熱交換器内部にガスを導入することから、コーティング液の溶剤成分が飛ばされてコーティング液の粘度が高くなるため、当該コーティング液が熱交換器内部で流動し難くなる。従って、チューブにおける両端部間、つまりチューブの中央部分では、塗膜剥がれ等によって不足しがちな、すなわち薄くなり易いコーティング層を、その膜厚を厚くして確保することができ、下端部側では余剰分のコーティング液が垂れ落ちてこないことから、厚くなり易いコーティング層の膜厚を薄くして液溜まりを未然に防止することができる。
かくして、コーティング層の膜厚を容易に制御し、この膜厚を均一にすることによって、この膜厚の変動に起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止することができる。
しかも、乾燥工程時に熱交換器内部に導入するガス導入量を所定量に規定しているため、熱交換器内に残存する余剰なコーティング溶剤成分を当該熱交換器外へと排出することができる。
請求項2に記載の発明によれば、乾燥工程時に、ガスを熱交換器のコア上部からコア下部に向けて導入するようにしたことにより、コーティング液の溶剤蒸気における比重が導入したガスの比重より大きいため、余剰なコーティング溶剤成分を効率よく熱交換器外へと排出することができる。
しかも、熱交換器の向きをチューブの長手方向を上下方向として配置するようにしたことにより、熱交換器内のコーティング液がコア上部からコア下部へと流動し易くなるため、当該コーティング液の排液性を一段と向上させることができる。従って、コーティング液の塗布作業を容易にすることができ、コーティング作業時間を短縮することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施の形態の熱交換器のコーティング層形成方法について説明する前に、本発明方法によってコーティング層が形成される熱交換器およびこの熱交換器が使用されるFCEV冷却系システムについて説明する。
「FCEV冷却システムの概略構成」
図1は、燃料電池を搭載した電気自動車の冷却系システム図である。燃料電池を駆動源とするいわゆる燃料電池自動車は、当該燃料電池を約80〔℃〕に加温保持することで水素と酸素による反応が行われて電気を最も効率よく生成するため、加温し過ぎないように冷媒を循環させて燃料電池を冷却している。
この冷却系システム1では、加温された燃料電池を冷却する冷媒は、燃料電池本体2に形成された流路を流れると、ポンプ3によって熱交換器4へ送られ、熱交換器4で暖められた冷媒が熱交換器4によって冷却される。そして、冷却された冷媒は、再び燃料電池本体2へと送られ、加温された燃料電池を所定温度に保つように冷却する。このような経路を循環する冷媒には、例えば導電性の低い純水または純水に凍結防止剤であるエチレングリコールを混合したものが使用される。これは、燃料電池本体2の内部には導電性材料からなる電極などが設けられているため、その内部を循環する冷媒が導電性を持っていると、水素と酸素の反応に悪影響を与えるためである。
「熱交換器の概略構成」
本発明方法によってコーティング層が形成される熱交換器4は、図2に示すように、アルミニウム材より偏平長尺形状とされ、内部に循環水である純水を流通させる冷媒通路13が形成されたチューブ5と、アルミニウム材より波形状とされ、チューブ5内を流れる純水と周囲通過の空気との間で熱交換を促進できるようになっている冷却フィン6とを有し、これらチューブ5と冷却フィン6とを交互に複数積層することによってコア7を形成し、そのコア7の上下端にタンク部材としてのヘッダタンク8、9を取り付けることにより構成されている。このとき、チューブ5、冷却フィン6およびヘッダタンク8、9の互いの接触箇所は、それぞれろう付けによって固定されている。
一方のヘッダタンク8は、燃料電池本体2から流入する純水を導入させる入口側のタンクであり、その一端側に冷媒入口パイプ10を有している。他方のヘッダタンク9は、熱交換器4の内部を流れて冷却された純水を排出する出口側のタンクであり、その他端側に冷媒出口パイプ11を有している。そして、冷媒入口パイプ10より流入した純水は、一方のヘッダタンク8の冷媒通路14より各チューブ5内の冷媒通路13を分流し、他方のヘッダタンク9の冷媒通路15で再び合流して冷媒出口パイプ11より流出する。
これに加えて、この熱交換器4では、内部を流れる純水によってその内面が腐食しないように、熱硬化型有機樹脂(フェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系)からなるコーティング液18(後述する図4参照)が塗布されることによってコーティング層12が形成されている。このコーティング層12は、チューブ5の冷媒通路13だけではなく、ヘッダタンク8、9の冷媒通路14、15、入口パイプ10および出口パイプ11の冷媒通路16、17からなる熱交換器4の内表面の全てに形成されている。
なお、熱交換器4は、軽量化および小型化のために、アルミニウムのクラッド材から形成されている。
「コーティング層形成プロセス」
次に、上述した熱交換器4のコーティング層12を形成する方法について説明する。図3は、本発明のコーティング層形成方法におけるコーティング層形成工程を示す工程図である。コーティング層形成工程は、大きく分けるとコア7およびヘッダタンク8、9の組み付け工程S1と、組み立てたコア7およびヘッダタンク8、9にフラックスを塗布するフラックス塗布工程S2と、コア7およびヘッダタンク8、9を固定するろう付け工程S3と、フラックスを除去する洗浄工程S4と、熱交換器4の内表面(冷媒の流通路表面)に防錆対策のためのコーティング層12を形成するコーティング工程S5とを有し、これらを順次行うことで熱交換器4の内表面にコーティング層12が形成されるようになっている。
<組み付け工程S1>
まずはじめに、組み付け工程S1が行われる。この組み付け工程S1では、チューブ5と冷却フィン6とを交互に積層してコア7を形成した後、このコア7の両端に冷媒入口パイプ10を取り付けたヘッダタンク8と、冷媒出口パイプ11を取り付けたヘッダタンク9とを取り付ける。このプロセスを経ることにより、熱交換器4が組み立てられる。
<フラックス塗布工程S2>
次に、フラックス塗布工程S2を行う。フラックス塗布工程S2では、熱交換器4にろう付け用のフラックスが塗布される。本実施の形態では、フラックスにノコロック(Alcanの登録商標)が使用される。そして、フラックスの塗布は、熱交換器4の内表面に可能な限りフラックスが付着しないように、当該熱交換器4の外表面にのみノコロック水溶液を流しかけること、あるいは、シャワーすることにより行う。そして、熱交換器4に熱風を吹き付け、フラックス水溶液の水分を除去することによりフラックスの塗布が完了する。
<ろう付け工程S3>
続いて、ろう付け工程S3を行う。このろう付け工程S3では、組み付け工程S1で組み立てられた熱交換器4を図示しない炉内に搬送させ、所定温度で加熱処理することによってチューブ5、冷却フィン6、ヘッダタンク8,9などがろう付けされる。本実施の形態では、熱交換器4を窒素ガス雰囲気のろう付け炉内で、約60〔℃〕の温度に所定時間加熱処理することにより、ろう付け作業を行った。
<洗浄工程S4>
次に、洗浄工程S4を行う。洗浄工程S4では、加熱した純水を熱交換器4の冷媒通路13〜17内に導入することによって、これら冷媒通路13〜17内に残留するろう付け時のフラックスを除去する。本実施の形態では、例えば100〔℃〕に加熱した純水中に、熱交換器4を24〔時間〕程度浸漬することにより、冷媒通路13〜17内面に付着したフラックスの完全な除去を図っている。
なお、フラックスを除去するために、純水による加熱洗浄の他に、例えば、強アルカリ性のアルミニウム用脱脂剤等による洗浄が可能であるが、この場合には、水洗等の後処理が必要になる。
従って、純水によりフラックスを洗浄するのが望ましい。そして、このように、フラックスの洗浄を行うことにより、化成処理を行うことなく、後述するコート剤(コーティング液18)との密着性を良好にすることができる。一般に、コーティング液18との密着性を向上させるとともに、耐水性能を向上させるために下地処理が行われるが、このような下地処理を行うことなく、コーティング液18との密着性を高めることが可能になる。
<コーティング工程S5>
次に、コーティング工程S5を行う。コーティング工程S5は、大きく分けて塗布工程S6と、乾燥工程S7と、焼き付け工程S11とからなり、熱交換器4の冷媒通路13〜17内面にコーティング層12を形成する工程である。すなわち、このコーティング工程S5では、冷媒入口パイプ10、入口側のヘッダタンク8、チューブ5、出口側のヘッダタンク9および冷媒出口パイプ11のそれぞれの冷媒通路16、14、13、15、17内面に、コーティング層12を形成する。
<塗布工程S6>
塗布工程S6は、コート剤を所定の濃度で溶剤に希釈したコーティング液18を熱交換器4内に充満させた後、コーティング液18を熱交換器4内から排出することによって、当該熱交換器4の内表面に塗布させる処理を行う。
この塗布工程S6では、例えば図4に示すように、コーティング液18が収容されたコーティング液漕19を熱交換器4の上部に位置するように昇降テーブル20の上に載せ、チューブ5の長手方向を上下方向として出口側のヘッダタンク9を下方に向けて配置した熱交換器4の冷媒出口パイプ11からホース21を介して、コーティング液18を所定の圧力で熱交換器4の冷媒通路13〜17内へと供給する。
そして、コーティング液18が熱交換器4の冷媒通路13〜17内面全体に行き渡ったら、昇降テーブル20を矢印で示すように下降させて冷媒出口パイプ11から余剰なコーティング液18を排出させる。これにより、冷媒入口パイプ10、入口側のヘッダタンク8、チューブ5、出口側のヘッダタンク9および冷媒出口パイプ11の冷媒通路16、14、13、15、17内面には、コーティング液18が均一に塗布される。
コーティング液18のコート剤には、例えばフェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系などの熱硬化型有機コート剤が使用可能である。本実施の形態では、エチレングリコールエーテル系溶剤で固体分20〔重量%〕〜25〔重量%〕に希釈したフェノールエポキシ系コート剤(日東シンコー株式会社製のニットールN−600、主成分ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を使用した。そして、コーティング液18には、前記コート剤をシンナー(セロソルブアセテート+n−ブタノール)に混合した、固形分濃度20〔重量%〕〜25〔重量%〕の溶液を用いた。
<乾燥工程S7>
次に、熱交換器4の冷媒通路13〜17内面に塗布したコーティング液18を乾燥させる乾燥工程S7の処理を行う。乾燥工程S7は、熱交換器4の冷媒通路13〜17内部に残存する余剰な半乾きのコーティング溶剤成分を熱交換器4の外部へと除去するためのガス導入工程S8と余分な液滴を外部へ排出する直立乾燥工程S9および水平乾燥工程S10の3工程からなる。
<ガス導入工程S8>
まず、はじめにガス導入工程S8を行う。ガス導入工程S8は、図5に示すように、チューブ5の長手方向を上下方向として、入口側のヘッダタンク8が上方に、出口側のヘッダタンク9が下方となるように熱交換器4を配置し、冷媒入口パイプ10からガスとしての空気を導入して、熱交換器4のコア7上部からコア7下部へと流し、冷媒出口パイプ11から排出するようにする。空気を熱交換器4のコア7上部からコア7下部に流すようにすれば、コーティング液18の溶剤蒸気は空気より比重が大きいため、半乾きの形成塗膜を再溶解して塗膜不良の原因を引き起こす前記溶剤蒸気を効率よく熱交換器4へと排出させることができる。
また、このガス導入工程S8では、チューブ5の端部5a(後述する図7参照)における空気導入量に対するコーティング層12の膜厚変化を表す図6に示すように、空気導入量を2〔リットル/分〕未満とすると溶剤の除去が不十分となり、図7(a)に示すように、チューブ5の端部5aに半乾きの形成塗膜が詰まる(すなわち、コーティング液18による液溜まり22が形成される)おそれがある。
一方、空気導入量を5〔リットル/分〕以上流すと、チューブ5内に形成された半乾きの形成塗膜(コーティング液18)が流動し、チューブ5の冷媒通路13を閉塞し兼ねない。従って、空気導入量は、2〔リットル/分〕〜5〔リットル/分〕程度とするのが最適であり、この場合、図7(b)に示すように、チューブ5の冷媒通路13に均一な膜厚のコーティング層12が形成される。
これと同様に、チューブ5の両端部間、つまりチューブ5の中央部分においても、空気導入量に対するコーティング層12の膜厚変化を表す図8に示すように、空気導入量を2〔リットル/分〕未満または5〔リットル/分〕以上とすると溶剤の除去が不十分となり、チューブ5内に形成された半乾きの形成塗膜(コーティング液18)が塗膜剥れ等によって膜厚が薄くなる不具合を招く傾向が見受けられるものの、空気導入量を、2〔リットル/分〕〜5〔リットル/分〕程度とすることによって、チューブ5の冷媒通路13に均一なコーティング層12を形成可能であることがわかった。
<直立乾燥工程S9>
次に、直立乾燥工程S9を行う。直立乾燥工程S9は、ガス導入工程S8と同じように、チューブ5の長手方向が上下位置となるように熱交換器4を配置させた状態で、常温にて10〔分〕〜30〔分〕程度放置する。これにより、熱交換器4内の余剰な液滴が冷媒出口パイプ11から熱交換器4外部へと排出される。続いて、熱交換器4を上下方向に振動させる。そして、この後、水平乾燥工程S10を行う。
<水平乾燥工程S10>
水平乾燥工程S10は、チューブ5が水平となるように熱交換器4を配置させた状態で、常温にて2〔時間〕程度放置する。
このように、乾燥工程S7を、ガス導入工程S8、直立乾燥工程S9および水平乾燥工程S10の3段工程に分けて行うことにより、チューブ5内に目詰まりが形成されるのを未然に防止することができる。なお、直立乾燥工程S9の後に遠心分装置(図示省略する)等により、チューブ5内から余剰なコーティング液18を除去しきれる場合には、必ずしも水平乾燥工程S10を行う必要はない。
<焼き付け工程S11>
そして、最後に焼き付け工程S11を行う。焼き付け工程S11では、コート剤が熱交換器4の冷媒通路13〜17内表面に焼き付けられる。この焼き付け工程S11は、焼き付け炉内において、例えば、130〔℃〕で30〔分〕程度焼成した後、150〔℃〕で60〔分〕程度焼成することにより行われる。このように、焼成を2段階に分けることにより、熱交換器4の冷媒通路13〜17の内面の樹脂(コーティング層12)が発泡するのを防止することができる。
そして、この焼成により、冷媒入口パイプ10、入口側のヘッダタンク8、チューブ5、出口側のヘッダタンク9および冷媒出口パイプ11の各冷媒通路16、14、13、15、17内面に、コーティング層12が均一な膜厚として被覆不良を起こすことなく形成される。
以上説明したように、本発明のコーティング層形成方法によれば、熱交換器4の内表面にコーティング液18を塗布する塗布工程S6後の乾燥工程S7において、この熱交換器4内部に空気を2〔リットル/分〕〜5〔リットル/分〕程度導入するガス導入工程S8を設けるようにしたことにより、コーティング液18の溶剤成分が飛ばされてコーティング液18の粘度が高くなるため、当該コーティング液18が熱交換器4内部で流動し難くなる。従って、チューブ5における両端部間、つまりチューブ5の中央部分では、塗膜剥がれ等によって不足しがちな、すなわち薄くなり易いコーティング層12を、その膜厚を厚くして確保することができ、下方の端部5a側では余剰分のコーティング液18が垂れ落ちてこないことから、厚くなり易いコーティング層12の膜厚を薄くして液溜まり22を未然に防止することができる。
かくして、コーティング層12の膜厚を容易に制御し、この膜厚を均一にすることによって、この膜厚の変動に起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止することができる。
しかも、乾燥工程S7時に熱交換器4内部に導入する空気導入量を所定量に規定しているため、熱交換器4内に残存する余剰なコーティング溶剤成分を当該熱交換器4外へと排出することができる。
また、本発明によれば、乾燥工程S7時に、空気を熱交換器4のコア7上部からコア7下部に向けて導入するようにしたことにより、コーティング液18の溶剤蒸気における比重が導入した空気の比重より大きいため、余剰なコーティング溶剤成分を効率よく熱交換器4外へと排出することができる。
しかも、熱交換器4の向きをチューブ5の長手方向を上下方向として配置するようにしたことにより、熱交換器4内のコーティング液18がコア7上部からコア7下部へと流動し易くなるため、当該コーティング液18の排液性を一段と向上させることができる。従って、コーティング液18の塗布作業を容易にすることができ、コーティング作業時間を短縮することができる。
なお、本発明の熱交換器のコーティング層形成方法として上述した実施の形態を例に取って説明したが、本発明はこれに限ることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の実施の形態を採用することができる。
例えば、上述した実施の形態では、コア7の上方に入口側のヘッダタンク8を配置し、コア7の下方に出口側のヘッダタンク9を配置する熱交換器4を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限ることなく、コアの下方に入口側のヘッダタンクを配置し、コアの下方に出口側のヘッダタンクを配置する熱交換器においても適用することができる。
また、上述した実施の形態では、乾燥工程S7のガス導入工程S8時に熱交換器4内部に導入するガスとして空気を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限ることなく、このガス導入工程S8時に熱交換器4内部に導入するガスとしては、この他、例えば二酸化炭素(CO)などを広く適用することができる。
燃料電池を搭載した電気自動車の冷却系システム図である。 本発明によってコーティング層が形成される熱交換器の断面図である。 本発明のコーティング層形成工程を示す工程図である。 コーティング液の塗布および余分なコーティング液を排出する装置の一例を示す概略構成図である。 ガス導入工程で熱交換器の冷媒通路にガスを導入する様子を示す概略図である。 チューブの下方端部におけるガス導入流量に対するコーティング層膜厚の変化を示すグラフである。 チューブの下方端部におけるコーティング層形成状態を示す斜視図である。 チューブの中央部分におけるガス導入流量に対するコーティング層膜厚の変化を示すグラフである。 (a)は従来の方法によって冷媒通路内面にコーティング層を形成した熱交換器を示す正面図であり、(b)はその熱交換器のチューブ内面に被覆不良個所が生じたことを示す要部拡大図である。 (a)は従来の方法によって冷媒通路内面にコーティング層を形成した熱交換器を示す正面図であり、(b)はその熱交換器のチューブ端部に液溜まりが生じたことを示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1…冷却系システム
2…燃料電池本体
3…ポンプ
4…熱交換器
5…チューブ
6…冷却フィン
7…コア
8、9…ヘッダタンク(タンク部材)
10…冷媒入口パイプ
11…冷媒出口パイプ
12…コーティング層
18…コーティング液
20…昇降テーブル
22…液溜まり

Claims (2)

  1. 複数の並設されたチューブ(5)と、これら各チューブ(5)の両端がそれぞれ内部に挿入された状態で連結された一対のタンク部材(8),(9)とを有し、内部が循環水の通路とされる上記チューブ(5)および上記タンク部材(8),(9)の内表面にコーティング液(18)を塗布する塗布工程(S6)と、塗布したコーティング液(18)を乾燥させる乾燥工程(S7)と、乾燥したコーティング液(18)を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程(S11)とによって上記チューブ(5)および上記タンク部材(8),(9)の内表面にコーティング層(12)を形成する熱交換器(4)のコーティング層形成方法であって、
    上記乾燥工程(S7)はガス導入工程(S8)を有し、
    上記熱交換器(4)の内部にガスを2〔リットル/分〕〜5〔リットル/分〕導入して、上記コーティング液(18)を乾燥させる
    ことを特徴とする熱交換器のコーティング層形成方法。
  2. 請求項1に記載の熱交換器(4)のコーティング層形成方法であって、
    上記ガス導入工程(S8)では、上記熱交換器(4)の向きを上記チューブ(5)の長手方向を上下方向として配置し、
    上記ガスを、上記熱交換器(4)のコア(7)上部からコア(7)下部に向けて導入する
    ことを特徴とする熱交換器のコーティング層形成方法。
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