JP2005226942A - 熱交換器のコーティング層形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コーティング層の膜厚が局部的に厚くなることに起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止する。
【解決手段】 ろう付されたコア4における各チューブ2の内表面および各座板7の表面と、一対のタンクカバー8の内表面とに、それぞれコーティング層を形成するコーティング工程S5と、コーティング層を形成したコア4にタンクカバー8を取り付け熱交換器を形成するタンク取付工程S11を有し、乾燥工程S7では、チューブ2の長手方向Lを上下方向とした場合に、少なくとも各チューブ2の下方側となる端部2aより排液用部材10を挿入した後、端部2aの内周に沿ってその幅方向に排液用部材10を移動させる。
【選択図】 図2
【解決手段】 ろう付されたコア4における各チューブ2の内表面および各座板7の表面と、一対のタンクカバー8の内表面とに、それぞれコーティング層を形成するコーティング工程S5と、コーティング層を形成したコア4にタンクカバー8を取り付け熱交換器を形成するタンク取付工程S11を有し、乾燥工程S7では、チューブ2の長手方向Lを上下方向とした場合に、少なくとも各チューブ2の下方側となる端部2aより排液用部材10を挿入した後、端部2aの内周に沿ってその幅方向に排液用部材10を移動させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば燃料電池自動車の冷却系で用いられる熱交換器のコーティング層形成方法に関する。
例えば、駆動源として燃料電池を搭載した燃料電池自動車であるFCEV車(fuel cell electric vehicle)の冷却系には、電極等の導電性部材が燃料電池内部に多く存在するため、感電防止の観点より冷媒の導電性を低レベルにする必要があり、極めて導電性の小さい純水が使用されている。また、冷却系システムの構成部品としては、導電率を悪化させないようにするために極力ステンレスを使用し、熱交換器は軽量小型化のためにアルミニウムを使用している。
しかし、熱交換器をアルミニウムで形成した場合、純水によってアルミニウムが腐食したり、その腐食したアルミニウム金属が純水に混入して純水導電率が悪化したりすることがある。これを防止するべく、純水の流通路となるチューブおよびタンク部材の内表面に熱硬化型有機樹脂(フェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系)のコーティング層を形成する技術が特許文献1に開示されている。
このコーティング層を形成するコーティング工程は、チューブおよびタンク部材の内表面にコーティング液を塗布する塗布工程と、塗布したコーティング液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥したコーティング液を加熱してコーティング剤を内表面に焼き付ける焼き付け工程とからなる。
前記従来の塗布工程では、図5に示すように、コーティング液漕100のホース101を熱交換器102の下方に位置するタンク部材103aのパイプ104aに接続し、コーティング液漕100の加圧によってコーティング液110を熱交換器102の流通路の全域に注入する。つまり、コーティング液110の液位を、上方位置のタンク部材103bの上面まで注入する。
そして、注入後にはコーティング液漕100を熱交換器102の下方位置とし、コーティング液110の自重により注入したコーティング液110を流通路より排出する。すると、チューブ105およびタンク部材103a,103bの内表面にはコーティング液110がその粘性により付着状態で残り、当該コーティング液110が内表面に塗布される。
特開2001−167782号公報(第4頁および第5頁、図1および図2)
しかしながら、かかる熱交換器102は、各チューブ105の端部がタンク部材103a,103bの内部に挿入された状態で連結されているので、図6に示すように、上方位置のタンク部材103b内ではチューブ105の突出高さhよりコーティング液110の液位が高くならないと当該コーティング液110がチューブ105側に流出しない。つまり、上述した塗布方法では、コーティング液110の液切りおよび排液が困難になり、液溜まりが発生する。
これにより、上方位置のタンク部材103bの底面、すなわち座板106側に形成されるコーティング層の膜厚が、例えば100μm程度と他の部分に較べて非常に厚くなるため、通路抵抗の増加を招くことになりかねない。
また、コーティング層の膜厚が50μm以上になると、ヒートショック性が劣化して塗膜剥がれ等の不具合が発生するとともに熱交換性能が悪化する。
さらに、塗布工程後の乾燥工程にあって、チューブ105の内表面に塗布されたコーティング液110は、図7に示すように、チューブ105の内表面を自重によって落下して下方のタンク部材103aに滴下する。このため、下方位置のタンク部材103aの底面側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて非常に厚くなる。特に、チューブ105の端部には液溜まりが発生し易いことから、通路抵抗の増加を招いたり、通路を塞いでしまうことになりかねない。
そこで、本発明は、コーティング層の膜厚が非常に厚くなることに起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止できる熱交換器のコーティング層形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、複数の並設されたチューブの両端部をそれぞれ一対の座板に挿入した状態で連結してコアを形成するコア組付工程と、上記コア組付工程で組み付けられたコアを加熱処理してろう付するろう付工程と、上記ろう付されたコアにおける内部が循環水の流通路とされる各上記チューブの内表面および各上記座板の表面と、一対のタンクカバーの内表面とに、それぞれコーティング層を形成するコーティング工程と、上記コーティング層を形成したコアにタンクカバーを取り付け熱交換器を形成するタンク組付工程とを備え、上記コーティング工程が、各上記チューブの内表面および各座板の表面と各上記タンクカバーに、それぞれコーティング液を塗布する塗布工程と、上記塗布したコーティング液を乾燥させる乾燥工程と、上記乾燥させたコーティング液を加熱して上記コーティング層を焼き付ける焼付工程とを有し、上記乾燥工程では、上記チューブの長手方向を上下方向とした場合に、少なくとも各上記チューブの下方側となる端部より排液用部材を挿入した後、上記端部の内周に沿って上記チューブの幅方向に上記排液用部材を移動させることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記乾燥工程では、各上記チューブの上方側となる端部においても上記下方側となる端部と同様に、上記排液用部材を挿入して移動させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記コア組付工程では、各上記チューブと各座板とを組み付けた後、各上記チューブにおける上記端部の開口を拡げることを特徴とする。
請求項4の発明は、少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載の熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記ろう付工程の前に、上記組み付けられたコアにろう付用のフラックスを塗布するフラックス塗布工程を有し、上記コーティング工程の前に、上記ろう付されたコアの内表面から上記フラックスを除去する洗浄工程を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、少なくとも請求項1から請求項4の何れか一つに記載の熱交換器のコーティング層形成方法であって、上記乾燥工程は、上記チューブを上記上下方向に位置させた状態で乾燥させる直立乾燥工程と、上記チューブを水平方向に位置させた状態で乾燥させる水平乾燥工程とを有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、チューブの下方側となる端部より排液用部材を挿入した後、チューブ端部の内周に沿ってチューブの幅方向に排液用部材を移動させることにより、チューブ端部に形成されるコーティング液の液膜を取り除くことができるとともに、この排液用部材を伝ってコーティング液を排出させることができるため、下方側のチューブ端部にコーティング層を形成するために注入されたコーティング液が残存することなく、下方位置のタンク部材の底面側、すなわちタンクカバー側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて厚くなるのを未然に回避することができる。従って、コーティング層の膜厚が局部的に厚くなることに起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止することができる。
しかも、コーティング液の排液を排液用部材に伝わせて排出し易くできるため、このコーティング液の排液性を向上させることができ、かくして、コーティング作業時間を短縮することもできる。
請求項2に記載の発明によれば、コアとタンクカバーとをそれぞれ別体でコーティングするようにしたことにより、上方位置のタンク部材側まで注入されたコーティング液を、スムーズに排出させることができる。また、上方側のチューブ端部においても下方側のチューブ端部同様に、排液用部材を用いてチューブ端部に形成されるコーティング液の液膜を取り除くことができるとともに、この排液用部材を伝ってチューブ下方側へとコーティング液を排出することができる。従って、上方位置の座板表面にチューブの突出高さに相当するコーティング液が排出されずに残存することがなく、この座板側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて厚くなるのを確実に回避することができる。
請求項3に記載の発明によれば、チューブ端部の開口を拡げることにより、このチューブ端部における断面積を拡大することができるため、上方位置のタンク部材側では、座板表面のコーティング液をよりスムーズに排出することができ、下方位置のタンク部材側では、チューブ端部に排液溜まりを生じ難くすることができる。かくして、コーティング液を一段と円滑に排出することができ、当該コーティング液の排液性を格段と向上させることができるとともに、下方位置のタンクカバー側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて厚くなるのをより一層効果的に防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、コーティング工程の前に洗浄工程を行い、ろう付けされたコアの内表面からフラックスを除去するようにしたので、コアの内表面に樹脂コーティング層を強固に密着させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、直立乾燥工程によりチューブを上下方向に位置させた状態で乾燥させた後、水平乾燥工程により、チューブを水平方向に位置させた状態で乾燥させるようにしたので、チューブ端部に排液による目詰まりや、排液溜まりが形成されることをより一層確実に防止することができる。
以下、本発明について図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、本発明を燃料電池自動車の冷却系で用いられる熱交換器に適用した場合について述べる。
図1〜図4は本発明の一実施形態を示し、図1は熱交換器1の正面図、図2は図1における熱交換器1の製造方法の工程図、図3は図1の熱交換器1における要部(チューブ2)を拡大して示す斜視図、図4は図1の熱交換器1における要部(チューブ2)を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、熱交換器1は、チューブ2と冷却フィン3とが交互に複数積層され、これらチューブ2の両端部2a(後述する図3、図4参照)が一対のタンク部材5a,5bに挿入された状態で固定されている。このとき、チューブ2、冷却フィン3およびタンク部材5a,5bの互いの接触箇所は、それぞれろう付けによって固定されている。
チューブ2は、アルミニウム材より偏平長尺形状とされ、内部に循環水である純水の流通路が形成されている。
冷却フィン3は、アルミニウム材より波形状とされ、チューブ2内の純水と周囲通過の空気との熱交換を促進できるようになっている。
タンク部材5a,5bは、アルミニウム材より平板状に形成された座板7と、同じくアルミニウム材より底面が開口された断面略コ字状に形成されたタンクカバー8とからなり、内部に純水の流通路が形成されている。座板7とタンクカバー8との間は、かしめ等の手法を用いて固定されている。
各座板7には、適当間隔にチューブ嵌合孔(図示省略する)が形成されている。そして、このチューブ嵌合孔にチューブ2の端部2aが挿入された状態で連結され、コア4を形成するとともに、各タンク部材5a,5bとチューブ2の互いの流通路が連通されている。
各タンク部材5a,5bには、パイプ6a,6bがそれぞれ固定され、いずれか一方のパイプ6a(または6b)が入口側パイプに、他方のパイプ6b(または6a)が出口側パイプとされる。入口側パイプより流入した純水は、一方のタンク部材5a(または5b)の流通路より各チューブ2内の流通路を分流し、他方のタンク部材5b(または5a)の流通路で再び合流して出口側パイプより流出する。
また、熱交換器1の流通路を形成するチューブ2とタンク部材5a,5bの内表面には、熱硬化型有機樹脂(フェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系)からなるコーティング液9(後述する図4参照)が塗布されたコーティング層(図示せず)が形成されている。
次に、前記熱交換器1の製造工程を説明する。図2に示すように、熱交換器1は、コア組付工程(ステップS1)、フラックス塗布工程(ステップS2)、ろう付工程(ステップS3)、洗浄工程(ステップS4)、コーティング工程(ステップS5)、タンク組付工程(ステップS11)が行われることによって製造される。
コア組付工程(ステップS1)では、アルミニウム材のチューブ2と同じくアルミニウム材の冷却フィン3とを交互に積層した後、各チューブ2の両端部2aにアルミニウム材からなる一対の座板7を仮組みし、コア4を形成する。具体的には、各チューブ2の端部2aを座板7のチューブ嵌合孔(図示せず)に嵌合して仮組みする。
本実施の形態の場合、このコア組付工程(ステップS1)では、コア4の仮組みに加えて、例えば図3に示すように、コア4におけるチューブ2の端部2aを拡管する。つまり、チューブ2の端部2aにおける開口部分を拡げて、その断面積を拡大する。
これにより、このチューブ2の端部2aにおける断面積が拡大されるため、上方位置のタンク部材5b側では、座板7における表面のコーティング液9をよりスムーズに排出することができ、下方位置のタンク部材5a側では、チューブ2の端部2aに排液溜まりを生じ難くすることができる。
フラックス塗布工程(ステップS2)では、仮組みしたコア4にフラックス水溶液(図示しない)を流しかけたり、シャワーする。そして、熱風でフラックス水溶液の水分を除去し、これでフラックス(図示せず)の塗布が完了する。
ろう付け工程(ステップS3)では、仮組みしたコア4を加熱処理して各チューブ2と各冷却フィン3と各座板7との互いの接触箇所をろう付してコア4を本組みする。
洗浄工程(ステップS4)では、ろう付けされたコア4の内表面からフラックス(図示しない)が除去される。この実施の形態の場合、洗浄工程(ステップS4)では、加熱された純水を用いて行われる。そして、例えば、100℃に加熱された純水中に、コア4を24〔時間〕程度浸漬することにより、フラックスを略完全に除去することが可能になる。
なお、フラックスを除去するために、純水による加熱洗浄の他に、例えば、強アルカリ性のアルミニウム用脱脂剤等による洗浄が可能であるが、この場合には、水洗等の後処理が必要になる。
従って、純水によりフラックスを洗浄するのが望ましい。そして、このように、フラックスの洗浄を行うことにより、化成処理を行うことなく、後述するコーティング液9との密着性を良好にすることができる。すなわち、一般に、コーティング液9との密着性を向上させ、耐水性能を向上させるために、下地処理が行われるが、このような下地処理を行うことなく、コーティング液9との密着性を高めることが可能になる。因みに、下地処理には、クロム酸塩,リン酸塩,ジルコン酸塩,ベーマイト被膜等のアルミニウムおよびコーティング液9に好適な化成処理が適用可能である。
コーティング工程(ステップS5)では、フラックス除去したコア4と、後のタンク組付工程(ステップS11)にてコア4の座板7に取り付けられることによりタンク部材5a,5bを形成するタンクカバー8とに対し、少なくとも純水の流路になる内面に熱硬化型有機樹脂(フェノール系、アクリル系、エポキシフェノール系)からなるコーティング液9を塗布してコーティング層(図示せず)を形成する。
具体的には、コーティング工程は、塗布工程(ステップS6)、乾燥工程(ステップS7)および焼付工程(ステップS10)とからなる。
塗布工程(ステップS6)では、例えばコアコーティング用のカバー(図示省略する)をコア4両端に取り付けた状態で、コーティング剤が所定の濃度で溶剤に希釈されたコーティング液9をコア4内部に充満した後、コーティング液9をコア4内から排出することにより、コア4の内表面にコーティング液9が塗布される。
このとき、前記コアコーティング用のカバーは、コーティング液9の排出後にコア4から取り外されるため、各座板7表面にコーティング液9が残存することはない。すなわち、従来のように、タンク部材5a,5bの座板7表面にコーティング液9が残留することを確実に防止することができる。
一方、タンクカバー8側のコーティングについては、タンクカバー8の内表面にコーティング液9を充満した後、コーティング液9をタンクカバー8の内表面から排出することにより、この内表面にコーティング液9が塗布される。
このように、コア4とタンクカバー8とを、それぞれ別体でコーティングすることにより、コア4およびタンクカバー8の内表面に、コーティング液を均一に付着させることができる。
乾燥工程(ステップS7)では、コア4とタンクカバー8の内表面に塗布されたコーティング液9が乾燥される。この実施の形態の場合、乾燥工程(ステップS7)は、直立乾燥工程(ステップS8)と、水平乾燥工程(ステップS9)とからなる。
直立乾燥工程(ステップS8)では、チューブ2をその長手方向L(図1参照)を上下とした状態において、常温で10〔分〕〜30〔分〕程度放置することにより行われる。
このとき、図4に示すように、排液用部材としての治具10をチューブ2の端部2aより挿入し、この状態で治具10をチューブ2の端部2a内周に沿って、その幅方向のR形状端部間で移動させる(図4中矢印で示す)。
これにより、チューブ2の下方側となる端部2a側では、チューブ2の端部2aに形成されるコーティング液9の液膜(図示省略する)を取り除くことができるとともに、この治具10を伝って余剰のコーティング液9を排出することができる。
従って、下方側のチューブ2の端部2aにコーティング層を形成するために注入されたコーティング液9が残存することなく、下方位置となるタンク部材5aの底面側、すなわちタンクカバー8側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて厚くなるのを未然に回避することができる。
しかも、コーティング液9の排液を前記治具10に伝わせて排出し易くできるため、このコーティング液9の排液性を向上させることができ、コーティング作業時間の短縮化も図ることができる。
また、チューブ2の上方側となる端部2a側では、上述した下方側のチューブ2の端部2aと同様に、治具10によってチューブ2の端部2aに形成されるコーティング液9の液膜を取り除くことができるとともに、この治具10からチューブ2の内面を伝って下方へと余剰のコーティング液9を排出することができる。因みに、本実施の形態の場合、治具10は例えば、幅10〔mm〕、長さ50〔mm〕、厚み0.5〔mm〕程度からなる平板状のものを用いた。
そして、これに加えて、扁平状のチューブ2内にコーティング液9による目詰まりや、排液溜まりが形成されないように、チューブ2を上下方向に位置させた状態で、コア4が上下方向に充分に振動される。これにより、コア4内およびタンクカバー8における余分なコーティング液9の液滴が確実に排出される。この後、水平乾燥工程(ステップS9)が行われる。
水平乾燥工程(ステップS9)では、チューブ2を水平方向に位置させた状態で、常温で2〔時間〕程度放置することにより行われる。
このように、乾燥工程(ステップS7)を、直立乾燥工程(ステップS8)と水平乾燥工程(ステップS9)の2段階にして行うとともに、各チューブ2の端部2aに治具10を挿入して、そのチューブ2の端部2aにおける幅方向に移動させることにより、チューブ2内にコーティング液9による目詰まりや、排液溜まりが形成されることを確実に防止することができる。
なお、直立乾燥工程(ステップS8)の後に、図示しない遠心分離装置等により、チューブ2内からコーティング液9の余分な液滴を略完全に除去する場合には、必ずしも水平乾燥工程(ステップS9)を行う必要はない。
焼付工程(ステップS10)では、コーティング液9がコア4およびタンクカバー8の内表面に焼き付けられる。この焼付工程(ステップS10)は、図示省略する焼き付け炉内において、例えば、130〔℃〕で30〔分〕程度焼成した後、150〔℃〕で60〔分〕程度焼成することにより行われる。
このように、焼成を2段階に分けることにより、コア4およびタンクカバー8の内表面における樹脂(すなわち、コーティング層)が発泡することを防止することができる。そして、この焼成により、コア4およびタンクカバー8の内面にコーティング層が強固に形成される。
なお、このコーティング層の膜厚が薄いと、微視的には、ピンホールが形成されるおそれがあるが、本発明者の実験では、金属等のイオンの循環水中への混入が無いことが確認されている。そして、コーティング層の膜厚が薄くなるほどチューブ2の熱伝達性能が向上するため、コーティング層の膜厚は、充分な密着強度を得られる範囲内において可能な限り薄いことが望ましい。
タンク組付工程(ステップS11)では、内表面にコーティング層(図示省略する)が形成されたコア4に、アルミニウム材からなる一対のタンクカバー8が組み付けられ熱交換器1が製造される。
なお、コア4へのタンクカバー8の組み付けは、図示しないゴム等からなるパッキンを介して、座板7にタンクカバー8をかしめて固定することにより行われる。また、各タンクカバー8には、予め入口パイプ6a(もしくは6b)または出口パイプ6b(もしくは6a)が一体形成されている。
以上説明したように、本発明によれば、チューブ2の下方側となる端部2aより治具10を挿入した後、チューブ2の端部2aの内周に沿ったチューブ2の幅方向に治具10を移動させる(図4中矢印で示す)ことにより、チューブ2の端部2aに形成されるコーティング液9の液膜を取り除くことができるとともに、この治具10を伝って余剰のコーティング液9を排出することができるため、下方側のチューブ2の端部2aにコーティング層を形成するために注入されたコーティング液9が残存することなく、下方位置のタンク部材5aの底面側、すなわちタンクカバー8側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて厚くなるのを未然に回避することができる。従って、コーティング層の膜厚が局部的に厚くなることに起因する塗膜剥がれ等の不具合と熱交換性能の悪化とを防止することができる。
しかも、余剰のコーティング液9の排液を治具10に伝わせて排出し易くできるため、このコーティング液9の排液性を向上させることができ、かくして、コーティング作業時間を短縮することもできる。
また、コア4とタンクカバー8とをそれぞれ別体でコーティングするようにしたことにより、上方位置のタンク部材5b側まで注入されたコーティング液9をスムーズに排出することができる。
さらに、上方側のチューブ2の端部2aにおいても下方側のチューブ2の端部2aと同様に、治具10を用いてチューブ2の端部2aに形成されるコーティング液9の液膜を取り除くことができるとともに、この治具10からチューブ2の内面を伝って下方へと余剰のコーティング液9を排出することができる。
従って、上方位置の座板7表面にチューブ2の突出高さに相当するコーティング液9が排出されずに残存することがなく、この座板7側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて厚くなるのを確実に回避することができる。
さらに、チューブ2の端部2aの開口を拡げることにより、このチューブ2の端部2aにおける断面積を拡大することができるため、上方位置のタンク部材5b側では、座板7表面のコーティング液9をよりスムーズに排出することができ、下方位置のタンク部材5a側では、チューブ2の端部2aに排液溜まりを生じ難くすることができる。
かくして、コーティング液9を一段と円滑に排出することができ、当該コーティング液9の排液性を格段と向上させることができるとともに、下方位置のタンクカバー8側に形成されるコーティング層が他の部分に較べて厚くなるのをより一層効果的に防止することができる。
さらに、コーティング工程(ステップS5)の前に洗浄工程(ステップS4)を行い、ろう付されたコア4の内表面からフラックスを除去するようにしたので、コア4の内表面に樹脂コーティング層を強固に密着させることができる。
さらに、直立乾燥工程(ステップS8)によりチューブ2を上下方向に位置させた状態で乾燥させた後、水平乾燥工程(ステップS9)により、チューブ2を水平方向に位置させた状態で乾燥させるようにしたので、チューブ2の端部2aに排液による目詰まりや、排液溜まりが形成されることをより一層確実に防止することができる。
なお、本発明の熱交換器として上述した実施の形態を例に取って説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
例えば、上述した実施の形態においては、コーティング工程(ステップS5)において、コア4およびタンクカバー8の内表面にコーティング層を1度だけ焼き付けた例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、コア4およびタンクカバー8の内表面にコーティング層を2度焼き付けるようにしても良い。
また、上述した実施の形態においては、ろう付の前にコア4にフラックスを塗布するようにした場合について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されるものではなく、例えば、真空ろう付等を行う場合には、前記フラックスを塗布する必要はない。
さらに、上述した実施の形態においては、排液用部材として平板状の治具10を用いるようにした場合について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、排液用部材としては、この他、例えば針金の一端を円形状にしたものや、針金を複数本束ねたもの、または布・紙等の液体を吸収するものを広く適用することができる。
1…熱交換器
2…チューブ
2a…端部
4…コア
5a、5b…タンク部材
7…座板
8…タンクカバー
9…コーティング液
10…治具(排液用部材)
L…チューブの長手方向
2…チューブ
2a…端部
4…コア
5a、5b…タンク部材
7…座板
8…タンクカバー
9…コーティング液
10…治具(排液用部材)
L…チューブの長手方向
Claims (5)
- 複数の並設されたチューブ(2)の両端部(2a),(2a)をそれぞれ一対の座板(7)に挿入した状態で連結してコア(4)を形成するコア組付工程(S1)と、
上記コア組付工程(S1)で組み付けられたコア(4)を加熱処理してろう付するろう付工程(S3)と、
上記ろう付されたコア(4)における内部が循環水の流通路とされる各上記チューブ(2)の内表面および各上記座板(7)の表面と、一対のタンクカバー(8)の内表面とに、それぞれコーティング層を形成するコーティング工程(S5)と、
上記コーティング層を形成したコア(4)にタンクカバー(8)を取り付け熱交換器を形成するタンク組付工程(S11)とを備え、
上記コーティング工程(S5)が、
各上記チューブ(2)の内表面および各座板(7)の表面と各上記タンクカバー(8)に、それぞれコーティング液(9)を塗布する塗布工程(S6)と、
上記塗布したコーティング液(9)を乾燥させる乾燥工程(S7)と、
上記乾燥させたコーティング液(9)を加熱して上記コーティング層を焼き付ける焼付工程(S10)とを有し、
上記乾燥工程(S7)では、上記チューブ(2)の長手方向(L)を上下方向とした場合に、少なくとも各上記チューブ(2)の下方側となる端部(2a)より排液用部材(10)を挿入した後、上記端部(2a)の内周に沿って上記チューブ(2)の幅方向に上記排液用部材(10)を移動させる
ことを特徴とする熱交換器(1)のコーティング層形成方法。 - 請求項1に記載の熱交換器(1)のコーティング層形成方法であって、
上記乾燥工程(S7)では、各上記チューブ(2)の上方側となる端部(2a)においても上記下方側となる端部(2a)と同様に、上記排液用部材(10)を挿入して移動させる
ことを特徴とする熱交換器(1)のコーティング層形成方法。 - 請求項1または請求項2に記載の熱交換器(1)のコーティング層形成方法であって、
上記コア組付工程(S1)では、各上記チューブ(2)と各座板(7)とを組み付けた後、各上記チューブ(2)における上記端部(2a)の開口を拡げる
ことを特徴とする熱交換器(1)のコーティング層形成方法。 - 少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載の熱交換器(1)のコーティング層形成方法であって、
上記ろう付工程(S3)の前に、上記組み付けられたコア(4)にろう付用のフラックスを塗布するフラックス塗布工程(S2)を有し、
上記コーティング工程(S5)の前に、上記ろう付されたコア(4)の内表面から上記フラックスを除去する洗浄工程(S4)を有する
ことを特徴とする熱交換器(1)のコーティング層形成方法。 - 少なくとも請求項1から請求項4の何れか一つに記載の熱交換器(1)のコーティング層形成方法であって、
上記乾燥工程(S7)は、
上記チューブ(2)を上記上下方向に位置させた状態で乾燥させる直立乾燥工程(S8)と、
上記チューブ(2)を水平方向に位置させた状態で乾燥させる水平乾燥工程(S9)と
を有することを特徴とする熱交換器(1)のコーティング層形成方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007119716A1 (ja) * | 2006-04-13 | 2007-10-25 | Calsonic Kansei Corporation | 燃料電池用熱交換器の製造方法および燃料電池用熱交換器 |
JP5184631B2 (ja) * | 2008-06-02 | 2013-04-17 | 東京エレクトロン株式会社 | 流体加熱器、その製造方法、流体加熱器を備えた基板処理装置および基板処理方法 |
-
2004
- 2004-02-13 JP JP2004037023A patent/JP2005226942A/ja active Pending
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US8701308B2 (en) | 2008-06-02 | 2014-04-22 | Tokyo Electron Limited | Fluid heater, manufacturing method thereof, substrate processing apparatus including fluid heater, and substrate processing method |
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