JP2006152385A - 耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材及びその製造方法 - Google Patents

耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006152385A
JP2006152385A JP2004345541A JP2004345541A JP2006152385A JP 2006152385 A JP2006152385 A JP 2006152385A JP 2004345541 A JP2004345541 A JP 2004345541A JP 2004345541 A JP2004345541 A JP 2004345541A JP 2006152385 A JP2006152385 A JP 2006152385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
layer
diffusion layer
resistance
covering member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004345541A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4598499B2 (ja
Inventor
Yoshio Harada
良夫 原田
Junichi Takeuchi
純一 竹内
Takema Teratani
武馬 寺谷
Hisao Fujikawa
尚男 冨士川
Takanori Watanabe
崇則 渡辺
Katsuharu Minami
克治 南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tocalo Co Ltd
Air Water Inc
Original Assignee
Tocalo Co Ltd
Air Water Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tocalo Co Ltd, Air Water Inc filed Critical Tocalo Co Ltd
Priority to JP2004345541A priority Critical patent/JP4598499B2/ja
Publication of JP2006152385A publication Critical patent/JP2006152385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4598499B2 publication Critical patent/JP4598499B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

【課題】窒化層が保有する高い硬度と優れた耐摩耗性を発揮させる複合層被覆部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複合層被覆部材10は、金属製基材11と、この金属製基材11の表面に形成された表面のAl濃度が12〜28質量%のAl拡散層12と、このAl拡散層12に含まれるアルミニウムを窒化させて形成されたAlN層13とを備えてなる。Al拡散層12は、粉末法により形成され、AlN層13は、Al拡散層12を窒化処理することにより形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属製基材の表面にアルミニウム拡散層とアルミニウムを主成分とする窒化層とを備えている耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材とその製造方法に関するものであり、例えば、一般的な耐食性、耐熱性及び耐磨耗性が要求される環境下における部材として好適に利用できる。
ボイラ、ガスタービンなどの高温プラントを始め、石油精製、石油化学プラントなどの大型機器を構成する金属材料類、自動車のエンジン部品などは高温強度ともに優れた耐食性と耐磨耗性(耐エロージョン性)が要求されることが多い。このような要求に応えるため、現在では各種のステンレス鋼をはじめニッケル基、コバルト基で代表される超合金類が開発され、各種の産業分野において実用化されている。しかし、これらの金属材料の多くは、高温強度を優先する立場から開発されているため、耐食性(含む耐高温酸化性)及び耐磨耗性に関しては未だ十分とはいえず、これを補うため各種の表面処理層とその併用策が重要な役割を果している。表面処理層を有する金属材料では、基質となる金属材料が機械的強度を負担し、表面処理層が耐食性や耐磨耗性などの表面機能の向上を分担するようになっている。最近ではこの方式によって設計、製造された金属材料が各種のプラント・機器部材において広く採用されている。
本発明の技術に最も関係の深いアルミニウム拡散処理に関する従来技術の進歩の過程を通観すると、概略次の通りである。
わが国では、下記特許文献1、2のように、浸透剤に工夫を凝らした方法が出現し、次第に工業分野に浸透していった経緯がある。なお、アルミニウム拡散処理法は、ステンレス鋼や耐熱合金など高級材料が開発される以前の時代に、炭素鋼の耐食性及び耐熱性を付与させる目的で研究された金属拡散処理法の1つである(例えば、下記非特許文献1)。当初のアルミニウム拡散処理では炭素鋼の高級化手段として用いられ、現在でも金属材料に対して直接アルミニウムを拡散させ、アルミニウムを基材成分の相互拡散反応によって生成する拡散層の耐食性、耐熱性を利用するものが大部分である。この利用手段は下記特許文献3〜7にも開示されている。
その一方で、電気めっき皮膜を形成した後、アルミニウム拡散処理を行う技術(特許文献8)、溶射皮膜を被覆した金属材料にアルミニウム拡散処理を施して(特許文献9〜10)めっき皮膜や溶射皮膜などの単独皮膜だけでは達成不可能な機能を発揮させる利用方法が提案されている。
一方、金属製基材に対する窒化処理も古くから知られ、基材表面に硬質の金属窒化層および窒素拡散層を形成して、耐摩耗性機能を付与する技術として広く採用されている。窒化法としてNH3などのガスを窒化源とするガス法(窒素単独ではなく窒素とともに炭素も付与するガス軟窒化法、またそれらを真空炉で処理を行う真空窒化法を含む)、窒素化合物を含む溶融塩類を利用する塩浴法、通常不活性なN2をプラズマなどによってイオン化して反応を促進させるイオン窒化法などが用いられる。いずれの方法で形成された窒化層でも、前項のアルミニウム拡散処理法で得られる処理層に比較すると硬く、したがって耐摩耗性にも優れている特徴がある。
このようなアルミニウム部材に対する窒化層を形成する従来技術として、アルミニウム基材に直接直流放電や高周波放電エネルギーを援用して窒化アルミニウムを形成するもの(下記特許文献11)、アルミニウム基材を200℃〜400℃に加熱しつつNH3、H2ガスを流通して窒化アルミニウム層を生成させる技術(下記特許文献12)、さらに、スパッタリング法(蒸着法)を用いて窒化アルミニウム薄膜を形成させる方法(下記特許文献13)等が開示されている。
さらに特許文献14には、基材表面に蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、電気めっき、溶融めっきから選ばれるいずれかの方法によってアルミニウム膜を形成させた後、これを熱処理して表面のアルミニウムを基材内部に拡散し、その後窒化処理を行う技術が開示されている。
特許第87922号(特許明細書第87922号) 特許第88033号(特許明細書第88033号) 特開昭57−19371号公報 特開昭60−63364号公報 特開平4−193966号公報 特開平9−10577号公報 特開平10−219426号公報 特公昭57−10182号公報 特公昭57−42704号公報 特公昭61−10034号公報 特開平6−279982号公報 特開2001−240955号公報 特開2001−303269号公報 特開平8−319557号公報
しかし、特許文献1〜7のアルミニウム拡散処理法は、アルミニウム拡散処理層の性能向上を促しているが、昨今の産業界が要求する高度な皮膜機能に対しては十分に応えられていない状況にある。
特許文献8〜13のものについては、表面に形成される鉄窒化物を主体とする窒化層自体はセラミック特有の耐食性も備えているものの、窒化層の一部に欠陥や微小な割れが存在したり、また使用中に摩耗や衝撃などの作用によって局部的に欠陥が発生すると、電気化学的に卑な電位を示す基材が優先的に腐食されたりする欠点がある。また、特許文献8〜15のものは硬質の窒化アルミニウム層を形成する点は共通しているものの、基材がアルミニウムまたはアルミニウム合金に限定されているためその用途は基材の耐熱性によって支配され、高温環境中では使用できない欠点がある。
特許文献14のものは、その明細書に、アルミニウム拡散浸透法は被処理休の表面を甚だしく粗面化するため適用しない旨の記載があるほか、基材上のアルミニウム膜を熱処理によって拡散させるなどの工程が必要であるなど生産コストの上昇を招く欠点があると記載されている。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、窒化層が保有する高い硬度と優れた耐摩耗性を発揮させることを目的として、基材に対してあらかじめアルミニウム拡散層を生成させた後、その上に窒化アルミニウム層を形成した複合層被覆部材及びその製造方法を提供する。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材は、金属製基材の表面に形成され、表面のアルミニウム濃度が12〜28質量%のアルミニウム拡散層を有し、前記アルミニウム拡散層のアルミニウムの一部又はその全てを窒化して得られた窒化アルミニウム層を備えたものである。
上記構成により、本発明の複合層被覆部材は、金属製基材の表面に、平滑で、窒素との反応性に富んだ表面アルミニウム濃度が12〜28質量%のアルミニウム拡散層を有しているので、熱処理等によるアルミニウムの二次拡散処理が不要となる。なお、表面アルミニウム濃度が12%より少ない場合は、窒化アルミニウム層の生成が容易で、厚い硬質層を得やすいが、耐熱性、耐食性に劣ることとなる。また、表面アルミニウム濃度が28%を超えると、耐熱性、耐食性は一段と向上するが、生成する窒化アルミニウム層が薄いものしか得ることができないので、必要な耐磨耗性を得ることができなくなる。
また、アルミニウム拡散層の表面に直接、窒化アルミニウム層が厚く形成されているので、アルミニウム拡散層が有する耐食性、耐熱性に加え、窒化アルミニウム層の高硬度、優れた耐摩耗性を兼備することができる。また、アルミニウム拡散層によって、金属製基材を電気化学的に防食できる。さらに、アルミニウム拡散層は硬質であるので、耐磨耗性を発揮でき、しかも、均等に金属製基材の表面を被覆するように形成されるので、気孔、ピンホールの存在による局部的な腐食の発生を防止できる。
加えて、窒化アルミニウム層もセラミックス特有の優れた耐食性を発揮するので、耐食・耐熱部材として用いることができる。したがって、本発明は、高い硬度と優れた耐摩耗性に加え、優れた耐環境性及び耐磨耗性を発揮する複合層被覆部材を提供できる。また、大量生産性に優れた粉末法の利点を活かして、生産コストの低減に大きく貢献することができる。なお、例えば、本発明の複合層被覆部材を各種プラント装置類に用いれば、各種プラント装置類の使用期間の寿命の延長が可能となり、製品コストの低減部材の損傷に伴うプラント事故の未然防止に貢献することができる。
本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材は、前記アルミニウム拡散層の厚さが1〜80μmであることが好ましい。
上記構成により、窒化アルミニウム層とアルミニウム拡散層との密着性が優れるとともに、高温環境下においても高い硬度と優れた耐摩耗性、及び、優れた耐食性を確実に発揮でき、かつ低コストの複合層被覆部材を提供できる。
本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材は、金属製基材の表面に形成された窒素拡散層と、前記窒素拡散層の表面に形成された窒化アルミニウム層とを備えたものである。
上記構成により、上述した窒化アルミニウム層の効果を有するとともに、窒素拡散層により、さらに耐環境性と耐磨耗性とを向上させた複合層被覆部材を提供できる。
本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材は、前記窒化アルミニウム層と前記窒素拡散層とを含む複合層の厚さが1〜100μmであることが好ましい。
上記構成により、優れた耐環境性及び耐磨耗性を確実に発揮でき、かつ低コストの複合層被覆部材を提供できる。
本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材は、前記金属製基材が、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼、耐熱鋼、Ni基合金、Co基合金から選ばれる金属材料であることが好ましい。
上記金属材料を用いれば、アルミニウム拡散層を形成、及び、このアルミニウム拡散層中に含まれるアルミニウムの一部又はその全てを窒化アルミニウム層化するのに好適に複合処理できる。
本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材の製造方法は、粉末状の浸透剤を使用する粉末法を用いて金属製基材の表面に形成される、表面のアルミニウム濃度が12〜28質量%のアルミニウム拡散層を形成する工程と、前記アルミニウム拡散層中に含まれているアルミニウムの一部又は全てを、ガス窒化法、溶融塩法、イオン窒化法から選ばれる一種以上の方法で窒化して、前記アルミニウム拡散層の表面又は全体に窒化アルミニウム層を形成する工程とを備えている。別の観点において、本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材の製造方法は、粉末状の浸透剤を使用する粉末法を用いて金属製基材の表面に形成される、表面のアルミニウム濃度が12〜28質量%のアルミニウム拡散層を形成する工程と、前記アルミニウム拡散層中に含まれているアルミニウムの一部又は全てを、ガス窒化法、溶融塩法、イオン窒化法、ラジカル窒化法から選ばれる一種以上の方法で窒化して、前記アルミニウム拡散層の全部を窒化アルミニウム層に変質させるとともに、前記金属製基材の表面に窒素拡散層を形成する工程とを備えている。
上記構成により、高い硬度と優れた耐摩耗性に加え、優れた耐食性を発揮する複合層被覆部材の製造方法を提供できる。
本発明の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材の製造方法は、前記浸透剤が、アルミニウム含有量が10〜40質量%のアルミニウム−コバルト、アルミニウム−ニッケル、アルミニウム−クロム、アルミニウム−鉄から選ばれる1種以上の合金粉末と、アルミナと、塩化アンモニウム、又は塩化アンモニウム及び弗化アンモニウムを含む活性剤とを含むことが好ましい。
上記構成により、従来からある方法を用いて、高い硬度と優れた耐摩耗性に加え、優れた耐食性を発揮する複合層被覆部材を、容易に製造できる方法を提供できる。
以下に図を参照しながら、本発明の実施形態に係る複合層被覆部材及びその製造方法を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る複合層被覆部材を示す断面図である。図1の複合層被覆部材10は、金属製基材11と、この金属製基材11の表面に形成されたアルミニウム(Al)拡散層12と、このAl拡散層12の表面に形成された窒化アルミニウム(AlN)層13とを備えてなる。
金属製基材11としては、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼、Ni基合金、Co基合金等が挙げられる。Al拡散層12の厚さは3〜80μm、AlN層13の厚さは1μm以上であることが好ましい。
なお、AlN層13は、後述するが、金属製基材11の表層部にAlを拡散させた後、窒化されて形成されるものであるので、金属製基材11に含まれる成分の一部又は全部を含有するものである。例えば、金属製基材11がステンレス鋼などのようにCr,Niを含む材料ではCrN、TiNなどの窒化物も含まれることがあるが、これらの存在が窒化物の作用機構、利用目的などに不利益とならないので、本実施形態ではこれらの窒化物を含めたものをAlN層13としている。
次に、複合層被覆部材10の製造方法について説明する。図2は、複合層被覆部材10の製造工程を示す図である。
まず、金属製基材11の表面にAl拡散層12を形成する(図2(a)参照)。Al拡散層12の形成には、下記粉末法を利用する。
(粉末法)
粉末法は、拡散用金属または合金粉末、焼結防止剤としてのアルミナ(Al23)、及びハロゲン化合物とを含む混合粉末からなる浸透剤中に、被処理基材を埋没した後、Arがス又はH2ガスを流しつつ高温状態で数時間から10時間程度加熱する方法である。しかし、特許文献16では、通常のAl拡散浸透法は、被処理基材の表面が粗くなる欠点があるため、大量生産性に優れた処理方法であるにも拘らず、採用が断念されている。そこで、本発明では、従来の粉末法の欠点を是正するため実験を含め鋭意研究を進めた結果、次のような方法と条件を採用することによって、処理面が平滑であるとともに、耐食性を有し、そのうえ次工程の窒化処理に最適なAl濃度を有するAl拡散層12を得ることに成功した。
まず、拡散用金属又は合金として、Al含有量が質量で10〜40%の範囲のAl−M合金を使用する。ここでMはNi,Co,Cr,Feから選ばれる1種以上の金属である。ただし、これらの拡散用金属又は合金は、被処理体(金属製基材11)の種類によって次のように使い分ける。鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼、低合金鋼、Cr含有量20%以下のステンレス鋼に対してはAl−Fe合金を使用し、Cr含有量20%以上のステンレス鋼、高合金鋼、Ni基合金、Co基合金に対してはAl−Ni,Al−Co,Al−Crなどの合金粉末を使用する。以上のように区別する理由は、例えばAl−Fe合金粉末を用いて、Ni基合金を拡散処理するとFeも拡散層中に含まれるようになり、拡散層の耐熱、耐食、耐摩耗性が低下するからである。
焼結防止剤としては、従来技術と同じA1203、カオリンなどの高融点を有し、高温環境下でも化学的に不活性なものを用いる。
ハロゲン化合物としてF,I,Cl,Brなどのアンモニウム塩を使用するが、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼、低合金鋼に対してはNH4Cl、各種ステンレス鋼、Ni基合金、Co基合金に対してはNH4Cl+NaFの混合物を使用し、それぞれ質量%で0.1〜0.3%の範囲として浸透剤中によく混合する。Al−M合金を使用する理由は、Al単体では660℃で溶融し、浸透剤粒子を相互に結合させて粗大化する一方、被処理基材表面にも局所的に付着して、Al濃度分布を甚だしく不均等にする欠点を防ぐためでもある。すなわち、Alを合金化することによって粉末の融点を高め、拡散処理条件下でも常に粉体として存在して、Arガスやハロゲン化合物のガスの流通を妨げない性状とする。合金化されたAlは、ハロゲン化合物(NH4Cl,NH4Fの分解ガス)と化学反応してAlのハロゲンガスとなって、被処理基材表面と接触し、ここで次に示すいずれかの反応によって、超微粒子のAlを気相中に析出させる。まず、最初に浸透剤の加熱によって、浸透剤中に含まれているハロゲン化合物が分解する。
(ハロゲン化合物の分解反応例1)
NH4Cl → NH3+HCl (1)
ここで発生したHClがAl−M合金粉末と反応してAlClxとMClxを生成する。
ここでMはCo,Cr,Ni,Feから選ばれる1種以上の金属である。
(ハロゲン化合物の分解反応例2)
Al−M+XHCl → AlClx+MClx+1/2XH2 (2)
AlClx+H2 → Al+2HClx (3)
MClx+H2 → M+2HClx (4)
AlClx,MClxとも蒸気圧が高いため、Al拡散処理温度(800℃〜1000℃)ではガスとして存在する。(2)式の雰囲気中にH2ガスが存在するとき、又は拡散処理雰囲気中にH2ガスを流通した場合、還元反応によってAlとMがそれぞれ微粒子となって気相中に析出浮遊し、その一部は被処理基材(金属製基材11)表面に析出する((3)、(4)式参照)。
(2)式で発生するAlClxとMClxの蒸気圧は前者のほうが大きいので(3)式で析出するAlの量は、(4)式のMより多いが、両金属の析出によって、Al単独の金属粉末を用いる浸透剤に比較するとAl拡散層中のAl濃度は必然的に低くなり、本実施形態における表面のAl濃度が12〜28質量%のAl拡散層12が形成される。ここで、表面とは、基材表面から1〜50μmの深さまでのことをいう。なお、上記雰囲気中で、Al−M合金粉末と被処理基材との接触部では両者の固体拡散反応によっても、合金粉末中のAlの一部が金属製基材11側へ拡散することもあるが、その量は(3)、(4)式に比較すると非常に少ない。
特許文献16が指摘したAl拡散処理時における被処理休表面の荒れは(1)式で発生するHClの影響が最も大きいが、AlClx、MClxも多少なりとも金属製基材11表面を化学的に活性化させるので表面の荒れの原因となり得る。しかし、MClxの作用はAlClxより弱いことを確認した。本実施形態ではこれらの点に注目し、HClの発生源となるNH4Cl添加量を従来技術の0.5〜1%に比較すると少ない量0.1〜0.3%にとどめ、さらにAl−M合金粉末の使用によって拡散層中のAl濃度の抑制と基材表面の肌荒れを最小限にとどめることができる。
次に、形成されたAl拡散層12の表面にAlN層13を形成する(図2(b)参照)。AlN層13の形成方法には、以下に挙げられるガス窒化法、イオン窒化法、塩浴窒化法、ラジカル窒化法がある。
(ガス窒化法)
高温状態のアンモニアガスを主成分とする雰囲気中に被処理基材(図2(a)の状態の部材)を暴露し、アンモニアの分解によって生成する窒素(N)を利用してAl拡散層12表面を窒化処理し、AlN層13を形成させる方法である。
(イオン窒化法)
アンモニアガス、N2などの含窒素ガスをプラズマ、直流放電、高周波放電などのエネルギーを利用して窒素イオン化することによってAl拡散層12表面を窒化処理し、AlN層13を形成させる方法である。
(塩浴窒化法)
シアン塩やアンモニウム塩などの含窒化塩の溶融塩中に図2(a)の状態の基材を浸漬して窒化処理し、Al拡散層12の表面にAlN層13を形成させる方法である。
(ラジカル窒化法)
NHラジカルを利用して、図2(a)の状態の基材を窒化処理し、Al拡散層12の表面にAlN層13を形成させる方法である。
上記構成の本実施形態によれば、AlN層13を有しているので、高い硬度、優れた耐摩耗性、及び、耐食性を発揮する複合層被覆部材10を提供できる。また、Al拡散層12によって、金属製基材11を電気化学的に防食するとともに、Al拡散層12は硬質であるので、耐磨耗性を発揮でき、しかも、均等に金属製基材11の表面を被覆するように形成されるので、気孔、ピンホールの存在による局部的な腐食の発生を防止できる。
加えて、窒化物であるAlN層13を、金属製基材11の表面に形成されたAl拡散層12の表面上に形成するので、AlN層13とアルミニウム拡散層12との密着性が優れており、かつ、鉄鋼やスチール鋼等の金属製基材11に窒化物層を直接形成するよりも、高質の窒化物層を有する複合層被覆部材10を提供できる。
また、これらのような効果を奏する複合層被覆部材10を粉末法という簡易な方法で製造できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る複合層被覆部材について説明する。なお、第1実施形態の複合層被覆部材10と同様の箇所については説明を省略することがある。図3は、本発明の第2実施形態に係る複合層被覆部材を示す断面図である。図3の複合層被覆部材20は、金属製基材21と、この金属製基材21の表面に形成された窒素拡散層22と、この窒素拡散層22の表面に形成されたAlN層23とを備えてなる。
窒素拡散層22は、金属製基材21の表層部に形成されているAlN層23より深く窒素原子を拡散させたことによって形成された硬度傾斜を有する層である。窒素拡散層22の厚さは5〜50μmが好ましい。
次に、複合層被覆部材20の製造方法について説明する。図4は、複合層被覆部材20の製造工程を示す図である。
まず、金属製基材21の表面にAl拡散層24を第1実施形態と同様の方法で形成する(図4(a)参照)。その後、第1実施形態と同様の方法で窒化処理を行い、Al拡散層24をAlN層23に変質させ(図4(b)参照)、さらに窒素を金属製基材21表面にまで拡散させ、窒素拡散層22を金属製基材21の表層部に形成する(図4(c)参照)。
上記構成の本実施形態によれば、AlN層23を有しているので、高い硬度、優れた耐摩耗性、及び、耐食性を発揮する複合層被覆部材20を提供できる。また、金属製基材11の表層部にまで窒素を拡散させ、硬度の傾斜層である窒素拡散層22が形成されているので、さらに高負荷条件での耐剥離性や耐磨耗性を向上させることができる。
また、このような効果を奏する複合層被覆部材20を粉末法という簡易な方法で製造できる。
以下、実施例を示しながら、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
この実施例では表1に示すように、浸透剤中の金属成分と焼結剤(A1203)の含有量を質量で80:20とし、この中に添加する活性剤の添加剤を0.1〜1.0%の範囲にさせたものを準備し、Arガスを流しつつ、900℃×10hの拡散処理を行った。なお、被処理基材としてS∪S304鋼(寸法:幅30mm×長さ50mm×厚2.5mm)を用い、拡散処理後の外観を目視観察するとともに、表面のA1濃度をX線マイクロアナライザで測定した。浸透剤の組成は、金属成分としてAl粉又はAl−Co粉(Al含有量15質量%)を20質量%、焼結剤(A1203)を80質量%、活性剤としてNH4Clを0.1〜1.0質量%、NH4Fを0.1〜0.3質量%添加したものを用いた。
Figure 2006152385
表1の結果から明らかなように、Alを用いた浸透剤で形成されたAl拡散層(No.1〜4)は、表面のAl濃度が30〜41%に達するとともに、表面に薄い溶融状態のAl膜が局部的に残存し、また表面粗さも大きい様子が観察された。これに対しAl−Co粉末を含む浸透剤で得られるAl拡散層(No.5〜7,9〜11)は表面のAl濃度が17〜28%の範囲にとどまり、拡散層の表面は平滑であった。ただ、NH4Clを1.0%添加した浸透剤で形成された拡散層(No.8)では、表面の荒れが大きく、Al拡散層中のAlが腐食されている様子がうかがわれた。
(実施例2)
この実施例では、表2に示すように、SUS304鋼とSS400鋼(寸法:幅30mm×長さ500mm×厚さ3.2mm)を基材とし、AlまたはAl−Co合金を含む浸透剤を用いて、Al濃度の異なるAl拡散層を形成した後、窒化処理を行った。窒化方法としてイオン窒化装置を用いて全圧を400Pa一定とし、H2/N2比を7/3の混合ガス中で530℃×4hの窒化処理を行った。窒化処理後の試験片はそれぞれの断面を検鏡してAlN層の厚さと、JlS H8502による塩水噴霧試験によって耐食性を評価した。
Figure 2006152385
表2の結果から明らかなように、拡散層中のAl濃度が低い場合(No.1,9,10)ではAlN層の生成は厚いものの耐食性には乏しく、塩水噴霧試験によって赤錆を発生した。一方Al濃度の高いAl拡散層(No.6〜8、14〜16)では良好な耐食性を示すもののAlN層の厚さが小さく、耐摩耗性寿命に乏しいことが伺える。なお、上記のような特性は、SUS304鋼、SS400鋼の鋼種差に若干の相違が認められるものの、表面Al濃度12〜28%のAl拡散層の上にAlN層を複合被覆させたもの(No.2,3〜5,11〜13)はAlN層が厚く、また耐食性も優れていることが確認された。
(実施例3)
この実施例では、表3に示すように、使用頻度の高い工業材料の窒化処理について、材料表面に施工したA1拡散層の影響について実験した。供試した試験片基材はS45C,SCM435,SKD61,FC250,SUS420J2,SUS304,NCF601の7種類で、それぞれ幅30mm×長さ50mm×厚さ3.2mmの寸法に仕上げた。Al拡散処理は、実施例1の条件(金属成分Al−Co20%,NH4C10.3%他はA1203組成の浸透剤)900℃×10hで行い、その後NH3100%のガス中で570℃×3hの窒化処理を行い、表面に生成されたAlN層のマイクロビッカース硬さを測定した。尚比較例としてAl拡散処理を施さない試験片についても同じ条件で窒化処理を行いその表面硬さを測定した。
Figure 2006152385
表3の結果から明らかなように、窒化処理に先駆けて基材の表面をAl拡散処理を施しておくと、AlN層の硬さは最高2.8倍(No.1)に達する硬度上昇が認められた。
(実施例4)
この実施例では、表4に示すように、基材としてFC250とSUS304を用い、イオン窒化法と塩浴窒化法によるAlN層の表面硬さをAl拡散層の有無を絡めて調べた。イオン窒化条件は水素ガス50%、窒素ガス50%の雰囲気中で570℃×3h、また塩浴窒化条件はNaCN,NaNO3混合塩570℃×3hである。
Figure 2006152385
表4の結果から明らかなように、イオン窒化法および塩浴窒化法による窒化層においてもあらかじめ基材の表面にAl拡散層を形成させておくと、無処理の基材上のものに比較して、はるかに硬い窒化層の生成が可能であることが確認された。
(実施例5)
この実施例では、AlN層を形成した試験片を用いて、耐摩耗性試験を実施した。摩耗試験装置はJlS H8503規定の平板回転摩耗試験法を用い、試験片として実施例4(表4記載のNo.3,4)について1000回転の摩耗試験を行い、試験前後の重量変化から耐摩耗性を評価した。
Al拡散処理後、AlN層を形成した試験片の重量減少はわずかに8mgにとどまり、基材に直接窒化処理した試験片の27mgの重量減少に比較してはるかに少なく、耐摩耗性に優れていることが認められた。
(実施例6)
この実施例では、表5に示すように、基材としてSUS304を用いて本発明に係るアルミニウム拡散層を10μm形成させた後、窒化処理によりAlN層を形成した試験片を用いて、高温での焼付き性評価を実施した。試験方法は、図5に示すように、高温に加熱された鋼材31の表面に所定の面圧を付与した試験片32を高速回転下で押し付けて行う熱間摺動試験である。なお、鋼材31は、SUS310Sであり、600℃に加熱して試験に用いた。また、試験片32は、φ5mmのものであり、回転速度を1150rpm(外周摩擦速度0.3m/sec)として試験に用いた。
Figure 2006152385
Al拡散処理後、AlN層を形成した試験片のうち1μm以上の膜厚を形成させることによって、高荷重が負荷された場合においても剥離等を起さず、耐焼付き性に優れていることが認められた。特に、No.6の試験片のように窒素拡散層を設けた複合皮膜の耐焼付性はもっとも良好であった。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。例えば、上述の各実施形態におけるAl拡散層は、同様の厚さを有するAl合金拡散層でもよい。なお、Al合金拡散層は、Al層の形成方法と同様の方法で形成でき、その表面上にもAl拡散層の場合と同様にAlN層を形成できる。
本発明の第1実施形態に係る複合層被覆部材を示す断面図である。 図1の複合層被覆部材の製造工程を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る複合層被覆部材を示す断面図である。 図3の複合層被覆部材の製造工程を示す図である。 本発明に係る実施例6の実験方法の説明に用いる図である。
符号の説明
10、20 複合層被覆部材
11、21 金属製基材
12、24 Al拡散層
13、23 AlN層
22 窒素拡散層
31 鋼材
32 試験片

Claims (8)

  1. 金属製基材の表面に形成され、表面のアルミニウム濃度が12〜28質量%のアルミニウム拡散層を有し、
    前記アルミニウム拡散層のアルミニウムの一部又はその全てを窒化して得られた窒化アルミニウム層を備えた耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材。
  2. 前記アルミニウム拡散層の厚さが1〜80μmである請求項1記載の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材。
  3. 金属製基材の表面に形成された窒素拡散層と、前記窒素拡散層の表面に形成された窒化アルミニウム層とを備えた耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材。
  4. 前記窒化アルミニウム層と前記窒素拡散層とを含む複合層の厚さが1〜100μmである請求項3に記載の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材。
  5. 前記金属製基材が、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼、Ni基合金、Co基合金から選ばれる金属材料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材。
  6. 粉末状の浸透剤を使用する粉末法を用いて金属製基材の上に形成される、表面のアルミニウム濃度が12〜28質量%のアルミニウム拡散層を形成する工程と、
    前記アルミニウム拡散層中に含まれているアルミニウムの一部又は全てを、ガス窒化法、溶融塩法、イオン窒化法、ラジカル窒化法から選ばれる一種以上の方法で窒化して、前記アルミニウム拡散層の表面又は全体に窒化アルミニウム層を形成する工程とを備えている耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材の製造方法。
  7. 粉末状の浸透剤を使用する粉末法を用いて金属製基材の上に形成される、表面のアルミニウム濃度が12〜28質量%のアルミニウム拡散層を形成する工程と、
    前記アルミニウム拡散層中に含まれているアルミニウムの一部又は全てを、ガス窒化法、溶融塩法、イオン窒化法、ラジカル窒化法から選ばれる一種以上の方法で窒化して、前記アルミニウム拡散層の全部を窒化アルミニウム層に変質させるとともに、前記金属製基材の表面に窒素拡散層を形成する工程とを備えている耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材の製造方法。
  8. 前記浸透剤が、アルミニウム含有量が10〜40質量%のアルミニウム−コバルト、アルミニウム−ニッケル、アルミニウム−クロム、アルミニウム−鉄から選ばれる1種以上の合金粉末と、アルミナと、塩化アンモニウム、又は塩化アンモニウム及び弗化アンモニウムを含む活性剤とを含む請求項6又は7に記載の耐環境性及び耐磨耗性に優れる複合層被覆部材の製造方法。
JP2004345541A 2004-11-30 2004-11-30 複合層被覆部材の製造方法 Expired - Fee Related JP4598499B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004345541A JP4598499B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 複合層被覆部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004345541A JP4598499B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 複合層被覆部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006152385A true JP2006152385A (ja) 2006-06-15
JP4598499B2 JP4598499B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=36631021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004345541A Expired - Fee Related JP4598499B2 (ja) 2004-11-30 2004-11-30 複合層被覆部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4598499B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010047375A1 (ja) * 2008-10-22 2010-04-29 ローム株式会社 ホウ素含有薄膜形成方法及び積層構造体
CN102304691A (zh) * 2011-09-09 2012-01-04 舒彩云 Qpq低温盐浴渗氮复合新处理工艺
JP2014169800A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグおよびその製造方法
CN104060213A (zh) * 2014-06-29 2014-09-24 奉化市飞天人精密模具设计有限公司 一种经氮化处理的l型汽车热风通道
EP2927345A3 (en) * 2014-02-26 2015-11-04 Endurance Technologies, Inc. Coating compositions, methods and articles produced thereby
CN109913796A (zh) * 2019-03-29 2019-06-21 长安大学 一种钛合金表面的TiAlN复合涂层及其制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108568395B (zh) * 2018-04-19 2021-01-12 宁波沈鑫电子有限公司 一种替代压铸铝表面阳极效果的喷漆工艺

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06116707A (ja) * 1991-12-30 1994-04-26 Po Hang Iron & Steel Co Ltd アルミニウム拡散コーティングされた耐熱ステンレス鋼およびそのコーティング方法
JPH08176795A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Mazda Motor Corp 摺動部品及びその表面硬化処理方法
JPH08319557A (ja) * 1995-03-20 1996-12-03 Shinji Tsuji アルミニウムの拡散希釈を利用した鋼の表面改質方法
JPH09184060A (ja) * 1995-12-30 1997-07-15 Nippon Light Metal Co Ltd 耐熱・耐酸化性に優れた窒化層をもつダイス及びその製造方法
JP2004323891A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Okayama Prefecture 鉄鋼表面の改質方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06116707A (ja) * 1991-12-30 1994-04-26 Po Hang Iron & Steel Co Ltd アルミニウム拡散コーティングされた耐熱ステンレス鋼およびそのコーティング方法
JPH08176795A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Mazda Motor Corp 摺動部品及びその表面硬化処理方法
JPH08319557A (ja) * 1995-03-20 1996-12-03 Shinji Tsuji アルミニウムの拡散希釈を利用した鋼の表面改質方法
JPH09184060A (ja) * 1995-12-30 1997-07-15 Nippon Light Metal Co Ltd 耐熱・耐酸化性に優れた窒化層をもつダイス及びその製造方法
JP2004323891A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Okayama Prefecture 鉄鋼表面の改質方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010047375A1 (ja) * 2008-10-22 2010-04-29 ローム株式会社 ホウ素含有薄膜形成方法及び積層構造体
CN102203327A (zh) * 2008-10-22 2011-09-28 罗姆股份有限公司 含硼薄膜形成方法和叠层结构体
CN102304691A (zh) * 2011-09-09 2012-01-04 舒彩云 Qpq低温盐浴渗氮复合新处理工艺
JP2014169800A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグおよびその製造方法
EP2927345A3 (en) * 2014-02-26 2015-11-04 Endurance Technologies, Inc. Coating compositions, methods and articles produced thereby
US9957599B2 (en) 2014-02-26 2018-05-01 Endurance Technologies, Inc. Coating compositions, methods and articles produced thereby
US10801099B2 (en) 2014-02-26 2020-10-13 Endurance Technologies, Inc. Coating compositions, methods and articles produced thereby
CN104060213A (zh) * 2014-06-29 2014-09-24 奉化市飞天人精密模具设计有限公司 一种经氮化处理的l型汽车热风通道
CN109913796A (zh) * 2019-03-29 2019-06-21 长安大学 一种钛合金表面的TiAlN复合涂层及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4598499B2 (ja) 2010-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gauthier et al. Oxidation-resistant aluminide coatings on γ-TiAl
Makuch et al. Microstructural characterization and some mechanical properties of gas-borided Inconel 600-alloy
Bindumadhavan et al. Aluminizing and subsequent nitriding of plain carbon low alloy steels for piston ring applications
JP2008038220A (ja) 鉄鋼部材の焼入れ方法、焼入れ鉄鋼部材及び焼入れ表面保護剤
KR20010030511A (ko) 열 차단용 코팅재로 코팅된 금속 기재의 내산화성을개선시키는 방법
JP6637231B2 (ja) 金属の表面改質方法および金属製品
JP2000271699A (ja) 表面被覆成形型およびその製造方法
WO2008154934A1 (en) Piston ring with a sulphonitriding treatment
JP4598499B2 (ja) 複合層被覆部材の製造方法
US8309178B2 (en) Corrosion resistant coating for steel
JP2592571B2 (ja) アルミニウム拡散コーティングされた耐熱ステンレス鋼およびそのコーティング方法
KR102224747B1 (ko) 팩 시멘테이션을 이용한 철계 모재의 주석 코팅방법
JP3390776B2 (ja) アルミニウムの拡散希釈を利用した鋼の表面改質方法
US20020180157A1 (en) Piston ring with oxide-nitride composite layer
Doleker et al. Investigation of the surface Degradation properties of Aluminized super austenitic stainless steel
JP3810330B2 (ja) 耐高温腐食性に優れた耐熱合金材料およびその製造方法
JP2007191751A (ja) 被膜形成方法および被覆基材
Agüero Progress in the development of coatings for protection of new generation steam plant components
JP6101058B2 (ja) フェライト系表面改質金属部材の製造方法
JP3083292B1 (ja) 鋼表面へのアルミニウム拡散方法
TWI490344B (zh) Method for manufacturing roll member for molten metal bath
Aleksandrov Combined TCT process for surface hardening of steels
JP3930652B2 (ja) 溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき浴用ロール部材およびその製造方法
JP4224150B2 (ja) 溶融金属めっき浴用ロール部材およびその製造方法
JP7370263B2 (ja) 金属製品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4598499

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees