JP2006152293A - シーリングストリップを形成するために使用され得るゴム組成物、この組成物の製造方法、およびこのようなシーリングストリップ - Google Patents

シーリングストリップを形成するために使用され得るゴム組成物、この組成物の製造方法、およびこのようなシーリングストリップ Download PDF

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Abstract

【課題】有機過酸化物によるゴム組成物の架橋に際し、ホットエアー雰囲気中で行っても非粘着性表面および減少された圧縮永久ひずみを示すシーリングストリップ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのエラストマー、少なくとも1つの有機過酸化物、マンガン、鉄、セリウム及びバナジウムからなる群から選択される少なくとも1つの遷移金属の少なくとも1つの第一有機酸塩、ならびに、亜鉛、ジルコニウム、リチウム、カルシウム及びバリウムからなる群から選択される1つの他の金属の少なくとも1つの第二有機酸塩からなるゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、シーリングストリップを形成するために使用できるゴム組成物、この組成物の製造方法およびこのようなシーリングストリップに関する。本発明はまた、建築物または自動車の絶縁のためのシーリングストリップまたはプロフィールに適用される。
シーリングストリップ(sealing strips)は、従来、ホットエアー雰囲気中において硫黄で特異的に架橋されているゴム組成物から形成される。これは、有機過酸化物を含む架橋システムを使用してこれらのゴム組成物をホットエアー中(典型的に、200℃オーダーの温度のオーブン中)で架橋する試みが成される場合、経験は、空気中の酸素がこの過酸化物の分解の間に形成されるラジカルケミカルエンティティーとの反応によって架橋を制限するという事実に起因して、得られる架橋化組成物が粘着性(tacky)または粘りのある(sticky)外部表面を示すということを示しており、そしてこの粘着性表面は、部分的にのみ硬化されており、シーリングストリップを形成することにおいてこれらの組成物を使用することを不可能にするためである。
これが、有機過酸化物によるこれらのゴム組成物の架橋が、比較的に複雑かつ高価な装置(例えば、溶融塩のバス)を使用して一般的に行われる理由である。
特許文献US-A-4 334 043は、有機過酸化物によるゴム組成物の架橋方法を示しており、これは、ホットエアー雰囲気中において行われ、にもかかわらず、これらの組成物上に比較的に非粘着性の表面を付与するように設計されている。この方法は、これらの組成物を、それらの架橋前に、脂肪族または芳香族酸と周期表の遷移元素との反応によって得られる有機金属化合物、遷移元素の無機酸の塩、ランタニド化合物およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される処理剤を使用して処理することを包含する。
この文献の実施例は、最小の粘着性表面を提供する処理剤は、紙に対するサンプルのインプレッション強度によって形成される粘着性付与材料の4つの度合いを参照して、別個にそして常にキシレン中の溶液で組み込まれる、以下の塩のいずれかであると記載している:
コバルトオクトエート;マンガンオクトエート;鉄オクトエート;ジルコニウム鉄オクトエート;ニッケルオクトエートまたはセリウムオクトエート。
この文献はシーリングストリップ用のゴム組成物に関連しないことが言及されるべきである。
更に、この文献で使用される試験は、これらのインプレッション試験は視覚的であるに過ぎずそして粘着性表面(+++)から減少された粘着性表面(−−−)までの範囲の4つの度合いのみを挙げているという事実に起因して、粘着性を全く欠いているサンプル表面の測定における精度の欠如によって傷つけられるという欠点を示していることが、言及されるべきである。
更に、この文献で開示されている方法の別の欠点は、架橋化状態での減少された粘着性レベル(−−−)を後者に付与するために、試験される処理剤は、溶液形態のゴム組成物にかつ該表面でのみ(噴霧またはコーティングによって)必ず組み込まれなければならならず、これは、該方法の実施を複雑化しそして従ってその作業コストを増加させるということである。更に、揮発性有機化合物の供給源である使用される溶媒は、ある程度の毒性を示し得、そして、混合によりそして表面でではないゴム組成物中のそれらの組み込みは、架橋が圧力の適用無しに行われるという事実に起因して、最終的に得られる組成物中に望まれない気泡を発生させ得るということが、更に言及されるべきである。
本発明の目的は、これらの欠点を克服することであり、そしてこの目的は、驚くべきことに、少なくとも1つのエラストマーに基づくゴム組成物中に、以下:
− 2pceに等しいかまたはそれを超える量に従う、マンガン、鉄、セリウムおよびバナジウムからなる群から選択される少なくとも1つの遷移金属の少なくとも1つの第一有機塩、ならびに
− 2pceに等しいかまたはそれを超える量に従う、亜鉛、ジルコニウム、リチウム、カルシウムおよびバリウムからなる群から選択される少なくとも1つの他の金属の少なくとも1つの第二有機塩、
を組み込み、続いて、少なくとも1つの有機過酸化物を含む架橋システムによってホットエアー中においてこの組成物を架橋することが、真に非粘着性の表面および減少された圧縮永久ひずみ(compression set)(CS)を示すシーリングストリップを形成するために使用できる架橋化ゴム組成物を得ることを可能にするということを、本出願人がまさに発見したという点で、達成される。
本明細書において、略語“pce”は、公知の様式で、上記ゴム組成物中のエラストマー100部当たりの重量部を意味する。
表現“基づく組成物”は、使用される種々の構成成分の混合物および/またはインサイチュ反応の生成物を含む組成物を意味するとして理解されるべきであり、これらの化合物のいくつかが、組成物の調製の種々の段階の間、互いに反応することが可能である。
該過酸化物による該組成物のホットエアー中における架橋に続いて得られるこの非粘着性表面およびこの減少されたCSは、文献US-A-4 334 043に試験される塩にならっての、本発明に従う第一有機塩(例えば、マンガン、鉄、またはニッケル塩)の単独使用と比較して、該第一有機塩および該第二有機塩の間に存在する予想外の相乗効果の証拠となることが、言及されるべきである。
本発明に従う組成物において使用され得るエラストマーとしては、有機過酸化物で架橋され得そしてシーリングストリップ用の組成物のエラストマーマトリクスを形成するために好適である任意のジエンまたは非ジエンエラストマーが挙げられ得る。
好ましくは、前記もしくは少なくとも1つの前記エラストマーは、エチレンおよびプロピレンのコポリマー、あるいはエチレン、プロピレンおよびジエンのターポリマー(EPDM)であり、そしてなおより好ましくは、本発明に従う組成物中で使用される前記もしくは各エラストマーは、エチレン、プロピレンおよびエチリデンノルボルネンのターポリマーである。
有利には、前記もしくは各第一塩および前記もしくは各第二塩は、各々、独立して、不飽和または飽和脂肪族タイプ、脂環式タイプ、あるいは1またはそれを超える置換されていないもしくは置換されている芳香環を含む芳香族タイプの、モノカルボン酸またはジカルボン酸の塩である。
なおより有利には、前記もしくは各第一塩および/または前記もしくは各第二塩は、同一または異なる飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、2−エチルヘキサン酸およびステアリン酸)から生じる。
本発明の好ましい実施例によれば、前記もしくは各第一塩および/または前記もしくは各第二塩は、2−エチルヘキサン酸から生じる。
本発明の別の実施例によれば、前記もしくは各第一塩および/または前記もしくは各第二塩は、脂環式タイプの同一または異なるモノカルボン酸(例えば、ナフテン酸)から生じる。
有利には、本発明に従う組成物は、第一塩としてマンガン塩を含む。
また有利には、本発明に従う組成物は、第二塩として亜鉛塩および/またはジルコニウム塩を含む。
なおより有利には、本発明に従う組成物は、組み合わせて、マンガン塩(例えば、2−エチルヘキサン酸マンガン)および亜鉛塩(例えば、2−エチルヘキサン酸亜鉛)を含む。
好ましくは、本発明に従う組成物は、4pceに等しいかまたはそれを超える量に従う前記第一塩および3pceに等しいかまたはそれを超える量に従う前記第二塩を含み、なおより好ましくは、該組成物は、4〜8pceの範囲の量に従う2−エチルヘキサン酸マンガンおよび3〜6pceの範囲の量に従う2−エチルヘキサン酸亜鉛を含む。
本発明の別の有利な特徴によれば、該組成物は、2.8pceに等しいかまたはそれを超える活性プロダクト量に従う前記有機過酸化物を含み、該過酸化物は、一般式ROOR(式中、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または置換されていないもしくは置換されている芳香族炭化水素基である)に対応する。
本発明の組成物中に使用され得る有機過酸化物としては、例えば、限定無しに、1,3− 1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)−ベンゼン、ジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシド、ジクミルペルオキシドおよび1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンからなる群から選択される過酸化物の、エラストマー(例えば、エチレンおよびプロピレンのコポリマー(EPM))中またはチョークもしくはシリカタイプの無機媒体中のディスパージョンが挙げられ得る。
有利には、本発明に従う組成物を架橋するための前記システムは、更に、2〜4pceの範囲の量に従うシアヌル酸トリアリルおよび1〜3pceの範囲の量に従うトリメチロールプロパントリメタクリレートを含む。
本発明の別の特徴によれば、前記組成物は、更に、100pce超、そして好ましくは130pce超の量に従う補強フィラー(reinforcing filler)を含み、この補強フィラーは、有利には、カーボンブラックに基づく(例えば、グレード500〜700のブラック)。
本発明に従う組成物はまた、上記エラストマー、上記有機金属塩、上記架橋システムおよび上記補強フィラーに加えて、シーリングストリップにおいて一般的に使用される他の成分[例えば、限定無しに、希釈光着色フィラー(diluting light-coloured fillers)、可塑剤、乾燥剤またはエクステンダー油(extending oils)]の全部または一部を含むことが、言及されるべきである。
本発明の別の有利な特徴によれば、同一の基準に従って測定した場合に少なくとも50%のCSを通常示す、シーリングストリップ用の硫黄で架橋されている公知の組成物と比較して、前記組成物は、前記架橋化状態において、Standard NF T46-011に従って測定した場合、30%に等しいかそれ未満でありそしてなおより有利には20%に等しいかそれ未満である圧縮永久ひずみ(compression set)(CS(%))を示す。
この結果は、上記組成物から形成されそして特に建築物または自動車の絶縁に使用され得る本発明に従うシーリングストリップが、同一の所定のCSの達成のために、硫黄で架橋されている公知のストリップのそれと比較して減少された寸法を示すということである。同一形状プロフィールについて、本発明に従うストリップは、それらの公知のストリップのそれと比較して改善されたシーリング能力を示すことが、言及されるべきである。
上記ゴム組成物の本発明に従う製造方法は、機械的ワーキング(mechanical working)による前記第一塩および第二塩の架橋性組成物における組み込み(incorporation)、続いてのホットエアーでの該組成物の架橋を包含する。
本発明の別の有利な特徴によれば、この方法は、前記架橋性組成物におけるそれらの組み込みの間に、前記第一塩および第二塩のインサイチュ混合(in situ mixing)を包含する。
本発明の上述の特徴ならびに他のものは、例示によって与えられそして限定しない、本発明のいくつかの実施例の以下の説明を読むことにより、より理解される。
以下の実施例において、本発明の組成物の特性は、以下の通りに評価される:
・非架橋化状態において、以下の特性が測定された:
− ムーニー粘度ML(1+4)(100℃で):Standard ISO 289-1に従う、
− スコーチ時間t5(分)(125℃で):Standard ISO 289-2に従う。
・架橋の間、該組成物の以下のレオメトリー特性を、Standard ASTM D 6204に従って、170℃でローターレスMDRレオメーターを使用して測定した:
− 最小トルクML (dN.m)、
− 最大トルクMH (dN.m)、
− 差ΔC = MH - ML (dN.m)、ならびに
− 時間t’c(05), t’c(50) および t’c(95)(分)。
・架橋化状態において、以下の物性を、Standard NF T 46-001に従って、作製したテスト試料について測定した:
− 密度:Standard ISO 2781に従う、
− ショアA硬度:Standard NF T 46-003に従う、
− 反発弾性(rebound resilience)(反発によるエネルギーリターン、100に標準化):Standard ISO 4662に従う、
− 圧縮永久ひずみ(CS(%)):Standard NF T 46-011に従う、
− 引張強さ(breaking strength)(BS(MPa))、破断点伸び(the elongation at break)(EB(%))ならびに100%および300%伸長での見かけの伸長セカント係数(the apparent secant moduli of elongation)(MPa)(SMOE 100およびSMOE 300)を含む、ダンベルタイプのテスト試料についての引張強さ測定:Standard NF T 46-002に従う、
− 引裂強さ(N/mm):Standard NF T 46-039に従って、Delftテスト試料について。
実施例
I/試験の第1シリーズ:
2つの“コントロール”ゴム組成物C1およびC2(これらは、それぞれ、硫黄によっておよび有機過酸化物によって架橋されている)、本発明に従わない2つのゴム組成物NA1およびNA2(両方ともこの過酸化物で架橋されている)、ならびに本発明に従うゴム組成物I1(これもこの過酸化物で架橋されている)を、調製した。これらの組成物は、自動車ドアシール用のシーリングストリップのために好適である。
組成物C1およびC2は、各々、以下の配合を示す[pce(エラストマー100部当たりの重量部)で表される]:
エラストマー(1) 100.00
エクステンダー油 12.90
カーボンブラック 94.00
補強光着色フィラー(2) 40.10
希釈光着色フィラー 49.90
パラフィン可塑剤 33.90
ポリエチレングリコール 2.40
ステアリン酸 1.40
乾燥剤(3) 6.40
架橋システム(4) 可変
そして、
(1)=以下を含む、エチレン、プロピレンおよびエチリデンノルボルネンの3つのターポリマー(EDPM)のブレンド:
− 8pceのEPDM(それぞれ57.5%および4.7%である、エチレンおよびジエンの重量レベル)、
− 69.90のEPDM(それぞれ55.5%および5.7%である、エチレンおよびジエンの重量レベル)、および
− 75%のオイルで延ばした(extended)35pceのEPDM(55% および4%であるエチレンおよびジエンのそれぞれの重量レベル);
(2):クオーツおよびカオリナイトの混合物;
(3):支持体上の酸化カルシウム;ならびに
(4):組成物C1について:
以下を含む、硫黄架橋システム(pce):
酸化亜鉛 9.10
70%テトラメチルチウラムジスルフィド 1.10
70%テトラメチレンチウラムテトラスルフィド 1.10
75%メルカプトベンゾチアゾール 0.43
70%ベンゾチアジルジスルフィド 1.50
80%硫黄、120メッシュ 1.70
80%ジチオジカプロラクタム 2.00
組成物C2について:
8pceの“Luperox F 40 MF”を含む過酸化物架橋システム、即ち、活性プロダクトとして40重量%の1,3− 1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンを含むディスパージョン。
組成物NA1は、4pceの亜鉛オクトエートを更に含む点でのみ、組成物C2と相違しており、亜鉛オクトエートは、パラフィン可塑剤中に希釈されており、そして名称“Octoate Z”でVanderbiltによって販売されている(この希釈液中の活性プロダクトの重量フラクションは80%付近である。)。
組成物NA2は、4pceのマンガンオクトエートを更に含む点でのみ、この組成物C2と相違しており、マンガンオクトエートは、パラフィン可塑剤中に希釈されており、そして名称“Octa Soligen Manganese 10 HS”でBorchersによって販売されている(この希釈液中の活性プロダクトの重量フラクションは64%付近、即ち、約10%のマンガン金属である)。
本発明に従う組成物I1は、4pceのこの亜鉛オクトエートとインサイチュで混合された4pceのこのマンガンオクトエートを更に含む点でのみ、この組成物C2と相違している。
各組成物を2工程で調製した。60 rev/分そして30℃で反対方向に回転する2つのローターによってインターナルミキサー(internal mixer)中において行われた第1工程において、架橋システムを除く各組成物の成分を、導入しそして混合した。40℃で反対方向に回転する2つのロールを使用してエクスターナルミキサー(external mixer)において行われた第2工程において、対応の架橋システムを、各組成物中に組み込み、そしてこうして得られた各架橋性組成物を、約20分間機械的にワークさせた。
架橋化状態の各ゴム組成物の粘着性を評価するために、混合および機械的ワーキングによってこのようにして得られた各組成物を、環状ダイ(annular die)を備えたスクリュー押出し機を使用して、管状セクションの形態に成形し、そして次いで、各押出し成形されたセクションを5分間、220℃で、オーブン中において架橋させた。このようにして得られた各架橋化セクションを冷却した後、その粘着性を評価するために触覚および聴覚試験(tactile and auditory tests)を後者について行った。
粘着性のこの評価を、各セクションについて、0〜10の範囲の粘着性レベルを割り当てることによって行い、ここで0は、過酸化物で架橋された組成物C2を特徴付ける粘着性表面に対応し、そして他方、10は、硫黄で架橋された組成物C1を通常特徴付ける真に非粘着性の表面に対応する。第一の試験において、オペレータは、該セクションの粘着性の第一の触覚評価をそこから導き出すために、指を、各架橋化セクションの円筒壁の外表面に適用する。第二のより正確な試験において、オペレータは、各セクションに対して放射状の圧縮力を(即ち、その円筒壁に対して垂直に)手動で加え、そして次いで、この圧縮力を加えることを停止した後に、その初期状態へ戻る該セクションの能力を視覚的に評価した。
架橋化状態における各組成物の物性を測定するために、混合および機械的ワーキングによって得られた各組成物を成形し、圧縮鋳型成形(moulding in a compression)によってプラークの形態に架橋した。この成形機(moulding machine)を、100barの圧力下に置きながら加熱し、そして次いで、該機械の鋳型内部に配置された各組成物を時間t’c(95)[レオメーターによって測定;これは、完全な架橋の95%に対応する]まで硬化させることによって、架橋を行った。この時間t’c(95)の測定の間にセットされる加熱温度は、各組成物の即時の流動をもたらす。混合物中の気泡の存在を回避するために、換気を、加圧の間に規則的な時間間隔で行う。このようにして得られる架橋に続いて、対応のゴム組成物から形成される架橋化プラークを、手動で取り出す。
各ゴム組成物C1、C2、NA1、NA2およびI1について非架橋化状態、架橋の間、および架橋化状態に得られた特性を、下記の表1に記録する。
Figure 2006152293
本発明に従う第一有機塩および第二有機塩(それぞれ、マンガンおよび亜鉛のもの)の組合せが、驚くべきことに、硫黄で架橋された組成物C1から形成されたセクションを特徴付ける参照表面にならって、そして過酸化物で架橋された組成物C2から形成されたセクション(この表面は非常に粘着性である(0に等しい粘着性レベル))とは対照的に、本発明に従う組成物I1から形成されたセクションに対して、真に非粘着性の表面(10に等しい粘着性レベル)を付与すると共に、過酸化物で架橋された組成物C2を特徴付ける参照CSにならって、この組成物I1に対して、この組成物C1のそれに関して顕著に最小化されているCSを付与することが、言及される。
特に、マンガンおよび亜鉛の有機塩のこの組合せの相乗効果は、組成物NA1中に組み込まれた亜鉛塩は、それ自体だけでは、セクションの粘着性を減少させることを可能にしないこと、ならびにマンガン塩は、組成物I1から形成されたセクションのそれ(これは、全く粘着性でない)と比較してなお幾分粘着性である表面を、組成物NA2から形成されたセクションに付与すること(組成物NA2およびI1の粘着性の間に存在する20%の顕著な差異を参照のこと)という事実によって例示されることが、言及される。
II/試験の第2シリーズ:
また、上記§I/において記載される組成物C1、本発明に従わない3つの組成物NA3、NA4およびNA5、ならびに本発明に従う3つの組成物I2、I3およびI4を調製した。これらの組成物NA3〜NA5およびI2〜I4は、全て、§I/において記載される組成物C2と同一の過酸化物によって架橋され、そしてそれらは、組成物C2の成分に加えて、金属有機塩の組合せおよび組成物の硬度を増加させるための架橋補助剤(crosslinking co-agent)を組み込む。
組成物NA3〜NA5およびI2〜I4の処方を、組成物C2のそれと比較して、以下に示す:
NA3 = C2 + 1 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 1 pce TAC
NA4 = C2 + 1 pce マンガンオクトエート + 2 pce ジルコニウムオクトエート + 2 pce TAC
NA5 = C2 + 1 pce マンガンオクトエート + 2 pce ストロンチウムオクトエート + 4 pce TAC
I2 = C2 + 2 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 2 pce TAC
I3 = C2 + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce TAC
I4 = C2 + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce ジルコニウムオクトエート + 1 pce TAC。
マンガンオクトエートおよび亜鉛オクトエート:上記§I/において試験したものと同一、
ジルコニウムオクトエート:パラフィン可塑剤中に希釈されており、そして名称“Octoate Soligen 18 HS”(この希釈液中の活性プロダクトの重量フラクションは、69%付近であある)でBorchersによって販売されており、
ストロンチウムオクトエート:パラフィン可塑剤中に希釈されており、そして名称“Octoate Soligen Strontium 10 HS”(この希釈液中の活性プロダクトの重量フラクションは、44%付近である)でBorchersによって販売されており、そして
TAC = 商品名“TAC 70 GR”を有するシアヌル酸トリアリル(架橋補助剤)。
各架橋された組成物を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C1、NA3〜NA5およびI2〜I4について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表2に記録する。
Figure 2006152293
この表は、本発明に従う第一塩としての少なくとも2pceのマンガン塩と本発明に従う第二塩としての2pceの亜鉛またはジルコニウム塩との組合せが、硫黄で架橋された組成物C1から形成されたセクションを特徴付ける表面にならって、組成物I2〜I4からそれぞれ形成されたセクションに対して、真に非粘着性の表面(10に等しい粘着性レベル)を付与すると共に、これらの組成物I2〜I4に対して、この組成物C1のそれに関して顕著に最小化されているCSを付与することを示している。
4pceのマンガン塩の使用は、本発明に従う好ましい形態を構成することが、言及される(特に、組成物C1のそれよりも大きい、組成物I4の破断点伸びを参照のこと)。
III/試験の第3シリーズ:
また、上記§I/に記載される2つの組成物C1およびC2、本発明に従わない3つの組成物NA6、NA7およびNA8、ならびに本発明に従う組成物I5を調製した。これらの組成物NA6〜NA8およびI5は全て、組成物C2と同一の過酸化物によって架橋され、そしてそれらは、組成物C2の成分に加えて、上記§I/およびII/において記載される遷移金属の有機塩の組合せ、ならびに組成物の硬度を増加させるための架橋補助剤を組み込む。
これらの組成物NA6〜NA8およびI5の各処方を、組成物C2のそれと比較して、下記に示す:
NA6 = C2 + 4 pce マンガンオクトエート + 0.5 pce 亜鉛オクトエート + 0.5 pce ジルコニウムオクトエート + 2 pce TAC
NA7 = C2 + 4 pce マンガンオクトエート + 0.5 pce 亜鉛オクトエート + 1 pce ジルコニウムオクトエート+ 2 pce TAC
NA8 = C2 + 4 pce マンガンオクトエート + 1 pce 亜鉛オクトエート + 0.5 pce ジルコニウムオクトエート + 2 pce TAC
I5 = C2 + 4 pce マンガンオクトエート + 1 pce 亜鉛オクトエート + 1 pce ジルコニウムオクトエート + 2 pce TAC、
そしてTAC = 商品名“TAC 70 GR”を有するシアヌル酸トリアリル。
各架橋化組成物を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C1、C2、NA6〜NA8およびI5について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表3に記録する。
Figure 2006152293
この表は、硫黄で架橋された組成物C1から形成されたセクションを特徴付ける参照表面にならって、真に非粘着性の表面(10に等しい粘着性レベル)を組成物I5から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C1のそれに関して顕著に最小化されているCSをこの組成物I5に付与するためには、本発明に従う4pceの第一塩(マンガンのもの)と組み合わせて、本発明に従う少なくとも2pceの第二有機塩(それぞれ、亜鉛およびジルコニウムのもの)が必要であることを示している。これは、1または1.5pceに等しい第二有機塩の量を特徴とする、従わない組成物NA6〜NA8は、それらから形成されるセクションに、この非粘着性表面を付与することを可能にしないためである。
本発明に従うこの組成物I5の引張強さ特性は、満足のいくものであり、硫黄で架橋された組成物C1のそれと実質的に類似していることが、言及される(特に、引張強さ、破断点伸びおよび引裂強さを参照のこと)。
IV/試験の第4シリーズ:
また、上記§I/に記載される組成物C1、本発明に従わない3つの組成物NA9、NA10およびNA11、ならびに本発明に従う4つの組成物I6、I7、I8およびI9を調製した。これらの組成物NA9〜NA11およびI6〜I9は全て、§I/の組成物C2と同一の過酸化物によってしかし種々の量(6、7または8pce)のこの過酸化物で架橋され、そしてそれらは、上記§I/に記載のマンガンおよび亜鉛の有機塩の組合せ、ならびに組成物の硬度を増加させるための種々の架橋補助剤を組み込む。
これらの組成物NA9〜NA11およびI6〜I9の各処方を、組成物C2のそれと比較して、下記に示す:
NA9 = C2’ (= 8 pceの代わりに6 pceの“Luperox F 40 MF”を含むC2) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce TAC
NA10 = C2’ (= 8 pceの代わりに6 pceの“Luperox F 40 MF”を含むC2) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce Pertac
NA11 = C2’ (= 8 pceの代わりに6 pceの“Luperox F 40 MF”を含むC2) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce TMPTMA 70
I6 = C2” (=8 pceの代わりに7 pceの“Luperox F 40 MF”を含むC2) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce TAC
I7 = C2 (§I/に記載されるように8 pceの“Luperox F 40 MF”を含む) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce TAC
I8 = C2 (§I/に記載されるように8 pceの“Luperox F 40 MF”を含む) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce Pertac
I9 = C2 (§I/に記載されるように8 pceの“Luperox F 40 MF”を含む) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 4 pce TMPTMA 70
そして
TAC = 名称“TAC 70 GR”を有するシアヌル酸トリアリル、
“Pertac” = 1,2−ポリブタジエンタイプのポリマーの商品名、および
“TMPTMA 70” = トリメチロールプロパントリメタクリレート。
各架橋化組成物を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C1、NA9〜NA11およびI6〜I8について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表4に記録する。
Figure 2006152293
この表は、特に、本発明に従う4pceの第一塩および2pceの第二塩を組み合わせての(それぞれ、マンガンおよび亜鉛のもの)、少なくとも7pceに等しい量の有機過酸化物が、硫黄で架橋された組成物C1から形成されたセクションを特徴付ける参照表面にならって、真に非粘着性の表面(10に等しい粘着性レベル)を、組成物I6〜I9から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C1のそれに関して顕著に最小化されているCSをこれらの組成物I6〜I9に付与することを可能にすることを示している。これは、わずか6pceの量の有機過酸化物を特徴とする、従わない組成物NA9〜NA11が、それらから形成されるセクションに、実質的に非粘着性の表面(9に等しい粘着性レベル)しか付与しないためである。
この表はまた、機械的特性(そして、特に、ショアA硬度)における改善のための、本発明に従う好ましい補助剤は、TACおよびTMPTMAであることを示している。
V/試験の第5シリーズ:
また、§I/に記載される2つの組成物C1およびC2ならびに本発明に従う4つの組成物I10、I11、I12およびI13を調製した。これらの組成物I10〜I13は、全て、§I/の組成物C2と同一の過酸化によって種々の量(7または8pce)のこの過酸化物で架橋され、そしてそれらは、上記§I/に記載されるようなマンガンおよび亜鉛の有機塩の組合せ、ならびに必要に応じて組成物の硬度を増加させるための架橋補助剤として“TAC 70 GR”および“TMPTMA 70”の種々の量に従う混合物を組み込む。
§I/〜§IV/の主題を形成する組成物にならって、これらの組成物は、自動車ドアシール(a motor vehicle door seal)のためのシーリングストリップのために好適である。
これらの組成物I10〜I13の各処方を、組成物C2のそれと比較して、下記に示す:
I10 = C2 (§I/に記載されるように8 pceの“Luperox F 40 MF”を含む) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート
I11 = C2 (§I/に記載されるように8 pceの“Luperox F 40 MF”を含む) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 2 pce TMPTMA + 2 pce TAC
I12 = C2 (§I/に記載されるように8 pceの“Luperox F 40 MF”を含む) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 2 pce TMPTMA + 3 pce TAC
I13 = C2” (= 8 pce の代わりに7 pceの“Luperox F 40 MF”を含むC2) + 4 pce マンガンオクトエート + 2 pce 亜鉛オクトエート + 2 pce TMPTMA + 3 pce TAC。
各架橋化組成物を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C1、C2およびI10〜I13について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表5に記録する。
Figure 2006152293
この表は、特に、本発明に従う4pceの第一塩および2pceの第二塩を組み合わせての(それぞれ、マンガンおよび亜鉛のもの)、少なくとも7pceに等しい量の有機過酸化物が、組成物C1から形成されたセクションを特徴付ける参照表面にならって、真に非粘着性の表面を、組成物I10〜I13から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C1のそれに関して顕著に最小化されているCSをこれらの組成物I10〜I13に付与することを可能にすることを示している。
この表はまた、2つの補助剤TACおよびTMPTMAの混合物が、補助剤を含まない組成物I10と比較して、組成物I11〜I13のショアA硬度を実質的に増加させると共に、満足のいく引張強さ特性を付与する(特に、破断点伸びを参照のこと)ことを可能にすることを示している。
VI/試験の第6シリーズ:
それぞれ硫黄および別の有機過酸化物で架橋される2つの新規の“コントロール”ゴム組成物C3およびC4、ならびに本発明に従う新規のゴム組成物I14(これもまたこの新規の過酸化物によって架橋)を調製した。これらの組成物は、建築業のためのシーリングストリップを形成するために好適である。
組成物C3およびC4は各々、以下の配合を示す[pce(100部のエラストマー当たりの重量部)で表示]:
エラストマー(1) 100.00
カーボンブラック 170.00
希釈光着色フィラー 40.00
パラフィン可塑剤 108.00
ステアリン酸 1.00
乾燥剤(2) 6.40
架橋システム(3) 可変
そして
(1)=エチレン、プロピレンおよびエチリデンノルボルネンのターポリマー(EPDM)(このプロピレンの重量レベルは、40%である);
(2):支持体上の酸化カルシウム;および
(3):−組成物C3について:
以下を含む硫黄架橋システム(pce):
酸化亜鉛 2.50
80%ジチオジモルホリン 1.90
テトラメチルチウラムモノスルフィド 1.70
メルカプトベンゾチアゾール 0.85
硫黄、120メッシュ 1.30
−組成物C4について:
8pceの“Perkadox 1440 B GR”を含む過酸化物架橋システム、即ち、活性プロダクトとして40重量%のジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシドを含むディスパージョン。
本発明に従う組成物I14は、上記§I/に記載されるような2pceの亜鉛オクトエートとインサイチュで混合された4pceのマンガンオクトエートを更に含むという点でのみ、過酸化物で架橋される組成物C4と相違している。
各架橋化組成物C3、C4およびI14を、上記§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C3、C4およびI14について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表6に記録する。
Figure 2006152293
この表は、上記で使用したそれとは別のEPDMから形成されたエラストマーマトリクスと共の、上記§I/〜V/において使用した1,3− 1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンの代わりにジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシドと組み合わせての、本発明に従う第一塩および第二塩の組合せが、硫黄で架橋された組成物C3から形成されたセクションを特徴付ける表面(8に等しい粘着性レベル)にならって、組成物I14から形成されたセクションに、実質的に非粘着性の表面(9に等しい粘着性レベル)を付与すると共に、この組成物C3のそれに関して顕著に最小化されておりそして過酸化物で架橋された組成物C4のそれと類似しているCSをこの組成物I14に付与することを示している。
また、本発明に従うこの組成物I14の引張強さ特性は、組成物C3のそれと類似しているかまたはより良く、満足のいくものであることが、言及される(特に、改善された破断点伸びおよび引裂強さを参照のこと)。
VII/試験の第7シリーズ:
また、上記§VI/に記載されるような組成物C3およびC4、ならびに組成物の硬度を増加させるための架橋補助剤の混合物を更に含む点でのみ、§VI/の組成物I14と相違している、本発明に従う新規の組成物I15を、調製した。
該補助剤の混合物は、上記で規定されるような、4pceの“TAC 70 GR”および2pceの“TMPTA 70”から構成されている。
各架橋化組成物C3、C4およびI15を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C3、C4およびI15について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表7に記録する。
Figure 2006152293
この表は、ジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシドと組み合わせて本発明に従う第一塩および第二塩の組合せを含む組成物I15中に補助剤TACおよびTMPTMAの混合物を組み込むことが、組成物C3から形成されたセクションを特徴付けるそれ(幾分粘着性)と比較して、真に非粘着性の表面(10に等しい粘着性レベル)を組成物I15から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C3のそれに関して顕著に最小化されておりそして過酸化物で架橋された組成物C4のそれよりなお低いCSをこの組成物I15に付与することを示している。
また、本発明に従うこの組成物I15の硬度および破断点伸びの特性は、組成物C4のものよりも顕著によくそして組成物C3のそれと実質的に類似しており、満足のいくものであることが、言及される。
VIII/試験の第8シリーズ:
また、上記§VI/に記載されるような組成物C3、使用される過酸化物の性質のみ組成物C4とは相違する、2つの新規の“コントロール”組成物C4’およびC4”、ならびにこの過酸化物の性質のみ組成物I15と相違する本発明に従う2つの新規の組成物I16およびI17を、調製した。
より詳細には、組成物C4’は、活性プロダクトとして40重量%の過酸化ジクミルを含む名称“Dicup 40C”で販売されているディスパージョン8pceを組み込む。
組成物C4”は、名称“Trigonox 29/40 MB”で販売されているディスパージョン[即ち、活性プロダクトとして40重量%の1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを含む]8pceを組み込む。
組成物I16は、組成物I15のように、一方で、2pceの亜鉛オクトエートと組み合わせられた4pceのマンガンオクトエート、ならびに他方で、補助剤TAC(4pce)およびTMPTMA(2pce)の上述の混合物を更に含む点でのみ、組成物C4’と相違している。
組成物I17は、組成物I15のように、一方で、2pceの亜鉛オクトエートと組み合わせられた4pceのマンガンオクトエート、ならびに他方で、補助剤TAC(4pce)およびTMPTMA(2pce)の上述の混合物を更に含む点でのみ、組成物C4”と相違している。
各架橋化組成物C3、C4’、C4”、I16およびI17を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表8に記録する。
Figure 2006152293
この表は、過酸化ジクミルまたは1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと組み合わせて本発明に従う第一塩および第二塩を含む組成物I16およびI17の一方または他方中にTAC−TMPTMA混合物を組み込むことが、硫黄で架橋された組成物C3から形成されたセクションを特徴付けるそれ(幾分粘着性)と比較して、真に非粘着性の表面を組成物I16またはI17から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C3のそれに関して顕著に改善されている破断点伸びおよび許容される硬度をこれらの組成物I16およびI17に付与することを示している。
IX/試験の第9シリーズ:
それぞれ硫黄および有機過酸化物によって架橋される、2つの新規の“コントロール”ゴム組成物C5およびC6、ならびに本発明に従う新規のゴム組成物I18(これもこの過酸化物で架橋される)を調製した。
組成物C5およびC6は、各々、下記の配合を示す[pce(エラストマー100部当たりの重量部)で表される]:
エラストマー(1) 100.00
カーボンブラック 170.00
希釈光着色フィラー 40.00
パラフィン可塑剤 108.00
ステアリン酸 1.00
乾燥剤(2) 3.80
架橋システム(3) 可変
そして
(1)=エチレン、プロピレンおよびエチリデンノルボルネンのターポリマー(EPDM)に基づく(このエチレンおよびエチリデンノルボルネンの重量レベルは、それぞれ、67%および4.9%である);
(2):支持体上の酸化カルシウム;および
(3):−組成物C5について:
以下を含む硫黄架橋システム(pce):
酸化亜鉛 2.50
80%ジチオジモルホリン 1.90
テトラメチルチウラムモノスルフィド 1.70
メルカプトベンゾチアゾール 0.85
硫黄、120メッシュ 1.30
−組成物C6について:
有機過酸化物として、8pceの“Perkadox 1440 B GR”を含む過酸化物架橋システム。
本発明に従う組成物I18は、上記§I/に記載されるような2pceの亜鉛オクトエートと組み合わせられた4pceのマンガンオクトエートを更に含む点でのみ、過酸化物で架橋される組成物C6と相違している。
各架橋化組成物C5、C6およびI18を、上記§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C5、C6およびI18について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表9に記録する。
Figure 2006152293
この表は、上記で使用されたものとは別のEPDMから形成されたエラストマーマトリクスと共の、ジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシドと組み合わせての、本発明に従う第一塩および第二塩の組合せが、硫黄で架橋された組成物C5から形成されたセクションを特徴付ける表面にならって、実質的に非粘着性の表面(9に等しい粘着性レベル)を組成物I18に付与すると共に、この組成物C5のそれに関して顕著に最小化されておりそして過酸化物で架橋された組成物C6のそれと類似しているCSをこの組成物I18に付与することを示している。
また、本発明に従うこの組成物I18の硬度および破断点伸びは、組成物C5のそれに類似しているかまたはよりよく、満足のいくものであることが、言及される。
X/試験の第10シリーズ:
また、上記§IX/に記載されるような組成物C5およびC6、ならびに組成物の硬度を増加させるための上記架橋補助剤TACおよびTMPTMAの混合物を更に含む点でのみ§IX/の組成物I18と相違している本発明に従う新規の組成物I19を調製した。
上記のように、補助剤の混合物は、4pceの“TAC 70 GR”および2pceの“TMPTA 70”から構成されている。
各架橋化組成物C5、C6およびI19を、上記§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C5、C6およびI19について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表10に記録する。
Figure 2006152293
この表は、ジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシドと組み合わせて本発明に従う第一塩および第二塩の組合せを含む組成物I19中に補助剤TACおよびTMPTMAの混合物を組み込むことが、組成物C5から形成されたセクションを特徴付けるそれ(幾分粘着性)(9に等しい粘着性レベル)と比較して、真に非粘着性の表面(10に等しい粘着性レベル)を、組成物I19から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C5のそれに関して顕著に最小化されているCSをこの組成物I19に付与することを示している。
また、本発明に従うこの組成物I19の硬度および破断点伸びの特性は、組成物C5のそれと実質的に類似しており、満足のいくものであることが、言及される。
XI/試験の第11シリーズ:
有機過酸化物で架橋される新規の“コントロール”ゴム組成物C7、および本発明に従う新規のゴム組成物I20(これもまたこの過酸化物で架橋される)を調製した。
組成物C7は、以下の処方を示す[pce(エラストマー100部当たりの重量部)で表される]:
エラストマー(1) 100.00
カーボンブラック 160.00
希釈光着色フィラー 50.00
パラフィン可塑剤 105.00
乾燥剤(2) 7.00
70%シアヌル酸トリアリル 3.00
有機過酸化物(4) 8.00
そして
(1)=エチレン、プロピレンおよびエチリデンノルボルネンのターポリマー(EPDM)に基づく(このプロピレンの重量レベルは40%である);
(2):支持体上の酸化カルシウム;
(3):名称“TAC 70 GR”を有するTAC;ならびに
(4):名称“Perkadox 1440 B GR”を有する上述の過酸化物。
本発明に従う組成物I20は、上記§I/に記載されるような2pceの亜鉛オクトエートと組み合わされた4pceのマンガンオクトエートを更に含む点でのみ、組成物C7と相違している。
各架橋化組成物C7およびI20を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C7およびI20について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表11に記録する。
Figure 2006152293
この表は、別のEPDMから形成されたエラストマーマトリクスと共の、ジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシドと組み合わせての、本発明に従う塩の組合せが、過酸化物で架橋された組成物C7から形成されたセクションの表面とは対照的に、実質的に非粘着性の表面(8に等しい粘着性レベル)を、組成物I20から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C7のそれと類似している非常に減少されたCSを組成物I20に付与することを示している。
本発明に従うこの組成物I20の硬度および破断点伸びの特性は満足のいくものであることがまた、言及される。
XII/試験の第12シリーズ:
また、上記§XI/に記載されるような組成物C7、ならびに3pceの量に従う上記架橋補助剤TACを更に含む点でのみ§XI/の組成物I20とは相違している、本発明に従う新規の組成物I21を、調製した。
各架橋化組成物C7およびI21を、§I/に記載されるように調製および分析した。各ゴム組成物C7およびI21について、非架橋化状態において、架橋の間、および架橋化状態において得られた特性を、下記の表12に記録する。
Figure 2006152293
この表はまた、ジ(2−tert−ブチルイソプロピル)ベンゼンペルオキシドと組み合わせての本発明に従う塩の組合せが、組成物C7から形成されたセクションの表面とは対照的に、真に非粘着性の表面(10に等しい粘着性レベル)を、組成物I21から形成されたセクションに付与すると共に、この組成物C7のそれと類似している非常に減少されたCSをこの組成物I21に付与することを示している。
結論として、本発明に従う組成物I1〜I21は、(例えば、自動車または建築業のための)非粘着性シーリングストリップを形成するために使用され得、これらは、硫黄で架橋される同一寸法の公知のストリップのそれと比較して減少されたCSを示し、または換言すれば、同一の所定のCSの達成のために、硫黄で架橋されているこれらのストリップのそれと比較して減少された寸法を示すことが、言及される。
更に、本発明のこれらの実施例において得られたゴム組成物は、先行技術水準の上述の文献US-A-4 334 043において試験されている減少された粘着性の組成物とは対照的に、潜在的に毒性でありそして架橋化組成物中において気泡を発生させ得る揮発性有機化合物または溶媒を含まないことが、言及される。

Claims (18)

  1. 架橋化状態で非粘着性表面および減少された圧縮永久ひずみを示すシーリングストリップを形成するに使用できる、架橋性または架橋化ゴム組成物であって、該組成物は、少なくとも1つのエラストマーに基づき、そして少なくとも1つの有機過酸化物を含む架橋システムを含み、以下:
    (pce:エラストマー100部当たりの重量部)
    − 2pceに等しいかまたはそれを超える量に従う、マンガン、鉄、セリウムおよびバナジウムからなる群から選択される少なくとも1つの遷移金属の少なくとも1つの第一有機塩、ならびに
    − 2pceに等しいかまたはそれを超える量に従う、亜鉛、ジルコニウム、リチウム、カルシウムおよびバリウムからなる群から選択される少なくとも1つの他の金属の少なくとも1つの第二有機塩、
    を含むことを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 2.8pceに等しいかまたはそれを超える活性プロダクト量に従う前記有機過酸化物を含み、該過酸化物は、一般式ROOR(式中、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または置換されていないもしくは置換されている芳香族炭化水素基である)に対応することを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記もしくは各第一塩および前記もしくは各第二塩が、各々、独立して、不飽和または飽和脂肪族タイプ、脂環式タイプ、あるいは1またはそれを超える置換されていないもしくは置換されている芳香環を含む芳香族タイプの、モノカルボン酸またはジカルボン酸の塩であることを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記もしくは各第一塩および/または前記もしくは各第二塩が、同一または異なる飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、2−エチルヘキサン酸およびステアリン酸)から生じることを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記もしくは各第一塩および/または前記もしくは各第二塩が、2−エチルヘキサン酸から生じることを特徴とする、請求項4に記載のゴム組成物。
  6. 前記もしくは各第一塩および/または前記もしくは各第二塩が、脂環式タイプの同一または異なるモノカルボン酸(例えば、ナフテン酸)から生じることを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物。
  7. 第一塩としてマンガン塩を含むことを特徴とする、前記請求項の1つに記載のゴム組成物。
  8. 第二塩として亜鉛塩および/またはジルコニウム塩を含むことを特徴とする、前記請求項の1つに記載のゴム組成物。
  9. マンガン塩(例えば、2−エチルヘキサン酸マンガン)および亜鉛塩(例えば、2−エチルヘキサン酸亜鉛)を含むことを特徴とする、請求項7および8に記載のゴム組成物。
  10. 4pceに等しいかまたはそれを超える量に従う前記第一塩および3pceに等しいかまたはそれを超える量に従う前記第二塩を含むことを特徴とする、前記請求項の1つに記載のゴム組成物。
  11. 4〜8pceの範囲の量に従う2−エチルヘキサン酸マンガンおよび3〜6pceの範囲の量に従う2−エチルヘキサン酸亜鉛を含むことを特徴とする、請求項10に記載のゴム組成物。
  12. 前記もしくは少なくとも1つの前記エラストマーが、エチレン、プロピレンおよびジエンのターポリマーであることを特徴とする、前記請求項の1つに記載のゴム組成物。
  13. 前記架橋システムが、更に、2〜4pceの範囲の量に従うシアヌル酸トリアリルおよび1〜3pceの範囲の量に従うトリメチロールプロパントリメタクリレートを含むことを特徴とする、請求項12に記載のゴム組成物。
  14. 100pce以上の量に従うカーボンブラックに基づく補強フィラーを含むことを特徴とする、前記請求項の1つに記載のゴム組成物。
  15. 前記架橋化状態において、Standard NF T46-011に従って測定した場合、30%に等しいかそれ以下である圧縮永久ひずみ(CS(%))を示すことを特徴とする、前記請求項の1つに記載のゴム組成物。
  16. 機械的ワーキングによる前記第一塩および第二塩の架橋性組成物における組み込み、続いてのホットエアーでの該組成物の架橋を包含することを特徴とする、前記請求項の1つに記載のゴム組成物の製造方法。
  17. 前記架橋性組成物におけるそれらの組み込みの間に、前記第一塩および第二塩のインサイチュ混合を包含することを特徴とする、請求項16に記載の製造方法。
  18. 請求項1〜15の1つに記載のゴム組成物から形成されることを特徴とする、建築物または自動車の絶縁に使用できるシーリングストリップ。
JP2005336995A 2004-11-26 2005-11-22 シーリングストリップを形成するために使用され得るゴム組成物、この組成物の製造方法、およびこのようなシーリングストリップ Pending JP2006152293A (ja)

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