JP2006152286A - ポリエステル予備成形体及びそれからなるポリエステル延伸成形体 - Google Patents

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良夫 荒木
Toshiyuki Tsuchiya
俊之 土屋
Atsumi Tsutsumi
淳美 堤
Atsushi Hara
厚 原
Fumiaki Nishinaka
文章 西中
Kosuke Uotani
耕輔 魚谷
Yoshitaka Eto
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Abstract

【課題】 溶融成形時のアルデヒド類の生成が抑制され、透明性に優れかつ透明性の変動が少なく、また耐圧性あるいは耐熱寸法安定性に優れた延伸中空成形体、特に耐圧性や耐熱耐圧性に優れた延伸中空成形品を高速成形により効率よく生産することができるポリエステル予備成形体及びそれからなるポリエステル延伸成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】 主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルを成形して得たポリエステル予備成形体であって、分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80以上であることを特徴とするポリエステル予備成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲料用ボトルをはじめとする延伸中空成型体、延伸シート状物、延伸フィルムなどのポリエステル延伸成形体用の予備成形体として好適に用いられるポリエステル予備成形体及びそれから成るポリエステル延伸成形体、特に溶融成形時のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の生成が抑制され、透明性、耐熱寸法安定性や弾性率に優れた延伸中空成形体や透明性、滑り性及び成形後の寸法安定性に優れた延伸シート状物及び延伸フィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PETと略称することがある)などのポリエステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れているため、工業的価値が高く、繊維、フィルム、シ−ト、ボトルなどとして広く使用されている。
調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
これらのうちでポリエステルは機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリヤ−性に優れているので、特にジュ−ス、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器等の成形体の素材として最適である。
このようなポリエステルは、例えば、射出成形機械などの成形機に供給して中空成形体用プリフォ−ムを成形し、このプリフォ−ムを所定形状の金型に挿入し延伸ブロ−成形して清涼飲料用中空成形容器としたり、またプリフォーム口栓部を熱処理(口栓部結晶化)後に延伸ブロー成形および胴部を熱処理(ヒ−トセット)して耐熱性または耐熱圧性中空成形容器に成形されるのが一般的である。
しかしながら、PETは、溶融重縮合時の副生物としてアセトアルデヒド(以下、AAと略称することがある)を含有する。また、PETは、中空成形体等の成形体を熱成形する際に熱分解によりアセトアルデヒドを生成し、得られた成形体の材質中のアセトアルデヒド含有量が多くなり、中空成形体等に充填された飲料等の風味や臭いに影響を及ぼす。
近年、ポリエチレンテレフタレ−トを中心とするポリエステル製容器は、ミネラルウオータやウーロン茶等の低フレーバー飲料用の容器として使用されるようになってきた。このような飲料の場合は、一般にこれらの飲料を熱充填したり、または充填後加熱して殺菌されるが、飲料容器のアセトアルデヒド含有量の低減がますます重要になって来ている。また、飲料用金属缶については、工程簡略化、衛生性、公害防止等の目的から、その内面にエチレンテレフタレ−トを主たる繰り返し単位とするポリエステルフィルムを被覆した金属板を利用して製缶する方法が採られるようになってきた。この場合にも、内容物を充填後高温で加熱殺菌されるが、この際、十分にアセトアルデヒド含有量の低いフィルムを使用することが内容物の風味や臭いの改善に必須要件であることが分かってきた。
このような理由から、従来よりポリエステル中のアセトアルデヒド含有量を低減させるために種々の方策が採られてきた。これらの方策として、例えば、溶融重縮合したポリエステルを固相重合することによってAA含有量を低下させる方法(例えば、特許文献1参照)、融点がより低い共重合ポリエステルを使用して成形時のAA生成を低下させる方法(例えば、特許文献2参照)、溶融重合によって得られたポリエステルプレポリマーを減圧下または不活性気体の流通下で固相重合に付することにより、オリゴマーおよびアルデヒドを低下させる方法(例えば、特許文献3、4参照)、ポリエステル樹脂100重量部に対して、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂0.05重量部以上、1重量部未満を添加したポリエステル組成物を用いる方法(例えば、特許文献5参照)や、熱可塑性ポリエステルに、末端アミノ基濃度をある範囲に規制した特定のポリアミドを含有させたポリエステル組成物からなるポリエステル製容器(例えば、特許文献6参照)、ポリエステルプレポリマーを水分率が2000ppm以上となるように調湿した後、結晶化および固相重合する方法(例えば、特許文献7参照)、ポリエステル粒子を50〜200℃の熱水で処理した後、減圧下または不活性気体流通下、加熱処理する方法(例えば、特許文献8参照)、固相重合の前後に水または有機溶媒で抽出、洗浄処理する方法(例えば、特許文献9参照)、熱成形時における成形温度を可及的に低くする方法および熱成形時におけるせん断応力を可及的に小さくする方法などが提案されている。しかしながら、これらの方法で得られるポリエステルを用いた成形体であっても、オリゴマーおよびアセトアルデヒドを問題ない水準に低減できているとは言えず問題は未解決である。 また、固相重合PETと共重合ポリエチレンテレフタレートとの配合物(例えば、特許文献10参照)が提案されており、これを用いることにより中空成形体のAA含有量を低減できるとのことであるが、共重合成分が存在するために得られた成形体の耐熱性や耐圧性に問題があり満足のいくものではなく解決が待たれている。
また、近年ボトルの薄肉化が図られ、それに伴いボトルの強度アップのために高分子量化が試されているが、高分子量化することで、成形時の溶融粘度が上昇してアセトアルデヒド発生量が増加する問題が発生していた。
特開昭53−73288号公報 特開昭57−16024号公報 特開昭55−89330号公報 特開昭55−89331号公報 特公平6−6662号公報 特公平4−71425号公報 特開平2−298512号公報 特開平8−120062号公報 特開昭55−13715号公報 特開昭58−45254号公報
本発明は、上記従来の技術の有する問題点を解決し、溶融成形時のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の生成が抑制され、透明性、延伸性、腑形性に優れたポリエステル予備成形体およびこれからなるポリエステル延伸成形体を提供し、特に耐熱寸法安定性や弾性率に優れた延伸中空成形体を高速成形により効率よく生産することができるポリエステル予備成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明のポリエステル予備成形体は、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルを成形したポリエステル予備成形体であって、分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80以上であることを特徴とするポリエステル予備成形体である。
本発明のポリエステル予備成形体を得るためには、分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80以上のポリエステルを用いることが必要である。すなわち、このようなポリエステルを用いると、低分子量成分の働きにより溶融成形時のポリマーの溶融粘度が低下するために成形機内での発熱の程度が少なくなり溶融体の温度をより低温度に維持でき、結果として副生するアセトアルデヒドなどのアルデヒド類を減少させることが可能で、アルデヒト゛類の含有量が少ないポリエステル予備成形体を得ることが出来る。また、本発明のポリエステル予備成形体は加熱延伸性が向上しており、通常の分散比Mz/Mnが3.80未満のポリエステル予備成形体を延伸成形するよりも分子配向度がより高く、このため機械的強度が向上したポリエステル延伸成形体を得ることが有利となるため、本発明のポリエステル予備成形体を用いることにより胴部肉厚を薄くしても強度面で問題が少ない薄肉ボトル、延伸シートや延伸フィルムなどを容易に成形できる。
また、同様の理由から成形温度を低く出来るので、溶融成形時の環状エステルオリゴマーの生成を低く抑えることが可能となり、特に小型中空成形品を高速成形により効率よく長時間連続生産することができるのである。
本発明のポリエステル予備成形体の分子量分布の分散比Mz/Mnは、好ましくは3.83以上、さらに好ましくは3.85以上、特に好ましくは3.87以上である。分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80未満のポリエステルでは、透明性を保持するには成形時の溶融温度をより高くすることが必要となり、成形体のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類を低減できない。またより強度が低下したポリエステル延伸成形体しか得られない。さらに、得られた予備成形体やこれからの延伸成形体の品質不良品をバージンPETと少量混合して成形用原料とする場合には、得られた予備成形体の分子量分布の分散比Mz/Mnは3.80未満になり易く、本発明の目的を達成するのが非常に困難である。
分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80以上のポリエステル予備成形体を得る方法としては、例えば、分子量の違う実質上同一組成のポリエステルを2種類以上ブレンドしたポリエステル組成物を成形する方法、多官能化合物を共重合したポリエステル組成物を特定の成形条件で成形する方法、重縮合時の条件(例えば、連続重縮合装置の場合では滞留時間を長くしたり、重縮合槽の数等の調整)を適切に調節して得た分散比Mz/Mnが3.80以上のポリエステルを成形する方法などが挙げられ、特に異なる分子量を持つポリマーを2種類以上ブレンドしたポリエステル組成物を成形する方法が好ましい。
また、本発明のポリエステル延伸成形体の分子量分布の分散比Mz/Mnも、当然、3.80以上である。ここで、分子量分布および分散比は、下記の測定法の項で説明する方法で測定する。
この場合において、芳香族系ポリエステルが、主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有するポリエステルであることができる。
この場合において、ポリエステル予備成形体のアルデヒド類の含有量が50ppm以下であることが好ましい。
この場合において、ポリエステル予備成形体のアセトアルデヒド含有量が20ppm以下であることが好ましい。
この場合において、ポリエステル予備成形体の環状エステルオリゴマー含有量が、溶融重縮合ポリエステルの環状エステルオリゴマー含有量の70%以下であることが好ましい。
上記のポリエステル予備成形体が、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類の含有量が少なく、香味保持性、透明性に優れ、また環状エステルオリゴマー含有量が少なく、連続成形時に金型汚れの発生がほとんど無いシート状物、中空状物であることができ、また、これらのポリエステル予備成形体から透明性や香味保持性に優れ、機械的強度や弾性率が向上したポリエステル延伸成形体を有利に得ることができる。
本発明は、溶融粘度が低いために成形時のアルデヒド類の発生量が少なく、かつポリエステル延伸成形体とした際には、透明性に優れ、高い機械的強度および弾性率を維持することができるポリエステル予備成形体を提供する。また、本発明に係るポリエステルは溶融粘度が低いため、成形時歪みが少なく、耐熱寸法安定性の優れたポリエステル延伸成形体、特に小型中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、なおかつ、非常に耐熱寸法安定性が良好で強度が高く、また金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れた成形体を提供する。
本発明のポリエステル予備成形体およびそれからなるポリエステル延伸成形体は、容器、シートあるいはフィルム等の分野における高い要求品質にこたえることができる。
以下、本発明のポリエステル予備成形体およびそれからなるポリエステル延伸成形体の実施の形態を具体的に説明する。
本発明に係る芳香族系ポリエステルは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから得られる熱可塑性ポリエステルであり、好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の85モル%以上含むポリエステルであり、より好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の90モル%以上含むポリエステルであり、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の97モル%以上含むポリエステルである。
本発明に係るポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
また本発明に係るポリエステルを構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、イソフタル酸、ジフェニール−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルケトンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジエチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマーグリコール等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4'−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
さらに、前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としての多官能化合物としては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度でなければならない。また、単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
本発明に係るポリエステルの好ましい一例は、主たる構成単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはエチレンテレフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含み、共重合成分としてイソフタル酸、1,4―シクロヘキサンジメタノールなどを含む共重合ポリエステルであり、特に好ましくはエチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称)、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−ジオキシエチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係るポリエステルの好ましいその他の一例は、主たる構成単位がエチレン−2、6−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは、エチレン−2、6−ナフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−ジオキシエチレン−2,6−ナフタレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係るポリエステルの好ましいその他の例としては、主たる構成単位が1,3−プロピレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,3−プロピレンイソフタレート)共重合体、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
さらにまた本発明に係るポリエステルの好ましいその他の例としては、主たる構成単位がブチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはブチレンテレフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくはブチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係るポリエステルの好ましいその他の一例は、主たる構成単位が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、さらに好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む共重合ポリエステルであり、特に好ましいくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステルである。
これら熱可塑性ポリエステルの例としては、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
本発明に係るポリエステルは、基本的には従来公知の溶融重縮合法、あるいは、この方法で製造されたプレポリマーの固相重合法によって製造することが出来る。溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。これらは回分式反応装置から構成されていてもよいし、また連続式反応装置から構成されていてもよい。また溶融重縮合工程と固相重合工程は連続的に運転してもよいし、分割して運転してもよい。
以下に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を例にして、本発明に係るポリエステルの好ましい連続式製造方法の一例について説明するが、これに限定されるものではない。即ち、テレフタル酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。また、極限粘度を増大させたり、また低フレーバー飲料用耐熱容器や飲料用金属缶の内面用フィルム等のように低アセトアルデヒド含有量や低環状3量体含有量とするために、このようにして得られた溶融重縮合されたポリエステルは、引き続き、固相重合される。
前記の出発原料であるテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸またはエチレングリコールとしては、パラキシレンから誘導されるバージンのジメチルテレフタレート、テレフタル酸あるいはエチレンから誘導されるエチレングリコールは勿論のこと、使用済みPETボトルからメタノール分解やエチレングリコール分解などのケミカルリサイクル法により回収したジメチルテレフタレート、テレフタル酸、ビスヒドロキシエチルテレフタレートあるいはエチレングリコールなどの回収原料も、出発原料の少なくとも一部として利用することが出来る。前記回収原料の品質は、使用目的に応じた純度、品質に精製されていなければならないことは言うまでもない。
重縮合反応は、重縮合触媒を用いて行う。重縮合触媒としては、Ge、Sb、Ti、またはAlの化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が用いられることが好ましい。これらの化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液、エチレングリコールのスラリー等として反応系に添加される。
Ge化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレングリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレングリコールを添加加熱した溶液を使用するのが好ましい。また、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム等の化合物も用いることが出来る。これらの重縮合触媒はエステル化工程中に添加することができる。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエステル中のGe残存量として好ましくは10〜150ppm、より好ましくは13〜100ppm、更に好ましくは15〜70ppmである。
Ti化合物としては、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネートおよびそれらの部分加水分解物、酢酸チタン、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物、シュウ化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸アンモニウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、チタンアセチルアセトナート、ヒドロキシ多価カルボン酸または含窒素多価カルボン酸とのチタン錯体物、チタンおよびケイ素あるいはジルコニウムからなる複合酸化物、チタンアルコキサイドとリン化合物の反応物、チタンアルコキサイドと芳香族多価カルボン酸またはその無水物との反応物にリン化合物を反応させて得た反応生成物等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマー中のTi残存量として0.1〜50ppm、好ましくは0.5〜10ppmの範囲になるように添加する。
Sb化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。Sb化合物は、生成ポリマ−中のSb残存量として50〜300ppm、好ましくは50〜250ppm、好ましくは50〜200ppm,さらに好ましくは50〜180ppmの範囲になるように添加する。
Al化合物としては、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso-プロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうち酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートがとくに好ましい。Al化合物は、生成ポリマー中のAl残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加する。
また、本発明に係るポリエステルの製造においては、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を必要に応じて併用してもよい。アルカリ金属、アルカリ土類金属としては、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属ないしその化合物の使用がより好ましい。アルカリ金属ないしその化合物を使用する場合、特にLi,Na,Kの使用が好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては、例えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、水酸化物などが挙げられる。
前記のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液等として反応系に添加される。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、生成ポリマ−中のこれらの元素の残存量として1〜50ppmの範囲になるように添加する。
さらにまた、本発明に係るポリエステルは、ケイ素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、錫、ハフニウム、タリウム、タングステンからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む金属化合物を含有してもよい。これらの金属化合物としては、これら元素の酢酸塩等の飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸塩などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸塩などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸塩などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、アルコキサイド、アセチルアセトナ−ト等とのキレ−ト化合物があげられ、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液、エチレングリコ−ルのスラリ−等として反応系に添加される。これらの金属化合物は、生成ポリマ−1トン当りのこれらの金属化合物の元素の残存量として0.05〜3.0モルの範囲になるように添加する。これらの金属化合物は、前記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加することができる。
また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やトリメチルフォスフェート等の燐酸エステル類、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物を使用するのが好ましい。具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジエチルエステル、フェニールホスホン酸ジフェニールエステル等である。これらの安定剤はテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマ−中のP残存量として好ましくは2〜100ppmの範囲になるように添加する。
重縮合触媒としてAl化合物を用いる場合は、リン化合物と併用することが好ましく、アルミニウム化合物およびリン化合物が予め溶媒中で混合された溶液またはスラリーとして用いることが好ましい。Al化合物の場合、より好ましいリン化合物は、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。これらのリン化合物を用いることで触媒活性の向上効果が見られるとともに、ポリエステルの熱安定性等の物性が改善する効果が見られる。これらの中でも、ホスホン酸系化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
前記のようにして得られた溶融重縮合ポリエステルは、例えば、溶融重縮合終了後にダイス細孔より溶融ポリエステルを水中に押出して水中でカットする方式、あるいは溶融重縮合終了後にダイス細孔より空気中にストランド状に押出した後、冷却水で冷却しながらチップ化する方式によってチップ化される。
次いで、前期の溶融重縮合ポリエスエルチップは、不活性気体雰囲気下において、2段階以上の連続式結晶化装置で予備結晶化されることが好ましい。例えばPETの場合は、1段目の予備結晶化では100〜180℃の温度で1分〜5時間で、次いで2段目の予備結晶化では160〜210℃の温度で1分〜3時間の条件で、さらに2段目以上の予備結晶化では180〜210℃の温度で1分〜3時間の条件で、順次、段階的に結晶化することが好ましい。結晶化後のチップの結晶化度は30〜65%、好ましくは35〜63%、さらに好ましくは40〜60%の範囲であることが好ましい。なお、結晶化度はチップの密度より求めることができる。
次いで、不活性ガス雰囲気下または減圧下に前記プレポリマーに最適な温度に於いて、固相重合による極限粘度の増加が0.10デシリットル/グラム以上になるようにして固相重合を行う。例えば、PETの場合には、固相重合の温度としては、上限は215℃以下が好ましく、さらには210℃以下、特には208℃以下が好ましく、下限は190℃以上、好ましくは195℃以上である。
固相重合終了後は約30分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内にチップ温度を約70℃以下、好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下にすることが好ましい。
本発明に係るポリエステルのチップの形状は、シリンダー型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は、通常1.0〜4mm、好ましくは1.0〜3.5mm、さらに好ましくは1.0〜3.0mmの範囲である。例えば、シリンダー型の場合は、長さは1.0〜4mm、径は1.0〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの平均重量は2〜50mg/個の範囲が実用的である。チップの平均重量が50mgを超える場合は、成形機内で溶融するのに長時間かかりアセトアルデヒドなどのアルデヒド類含有量が極端に増加して問題であり、また固相重合する場合その速度が非常に遅くなるという経済性の問題やポリエステル組成物の乾燥の際に乾燥時間が長くなるという経済性の問題が生じる。特にチップ重量が30mg以下の場合は、流動性改良効果が顕著となるからか成形体のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の含有量の低減や透明性の改良がより達成される。また平均重量が2mg未満のチップの場合は、チップ取扱い時に微粉末が発生しやすく成形体の透明性が悪くなり問題なる。
また、本発明のポリエステル予備成形体のアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の含有量は、50ppm以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下であることが望ましい。アルデヒド類含有量が50ppmを超える場合は、このポリエステル予備成形体やこれからのポリエステル延伸成形体の内容物の香味保持性の効果が悪くなる。また、これらの下限は製造上の問題から、0.1ppbであることが好ましい。
ポリエステル予備成形体のアルデヒド類の含有量を50ppm以下にするには、ポリエステル予備成形体を得るために用いられるポリエステルを溶融重縮合後、固相重合することに加え、分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80以上のポリエステルを用いることにより得られる。
ここで、アルデヒド類とは、ポリエステルがエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルやエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステルなどのようにエチレングリコ−ルをグリコール成分の主要成分とするポリエステルの場合はアセトアルデヒドやホルムアルデヒドであり、1,3−プロピレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの場合はアリルアルデヒドであり、さらにブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合はブタナールである。ただし、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合は前記アルデヒドは大部分がテトラヒドロフランとして検出される。
また、本発明に係るポリエステルがエチレンテレフタレートを主繰返し単位とするポリエステルであり、これからなる前記ポリエステル延伸成形体がミネラルウオータ等の低フレーバー飲料用の容器の材料として用いられる場合には、アセトアルデヒド含有量が20ppm以下、好ましくは15ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下であることが望ましい。
ポリエステル予備成形体のアセトアルデヒドの含有量を20ppm以下にするには、ポリエステル予備成形体を得るために用いられるエチレンテレフタレートを主繰返し単位とするポリエステルを溶融重縮合後、固相重合することに加え、分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80以上のポリエステルを用いることにより得られる。
本発明のポリエステル予備成形体の環状エステルオリゴマーの含有量は、前記ポリエステルの溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマーの含有量の70%以下、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下、特に好ましくは35%以下であることが好ましい。環状エステルオリゴマー含有量の下限値は、経済的な生産の面から溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマー含有量の20%以上、好ましくは22%以上、さらに好ましくは25%以上である。なお、ポリエステルの溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマーの含有量とは、溶融重縮合した数平均分子量が約5000以上のポリエステル中に存在している、遊離の数種の環状エステルオリゴマーのうちで最も含有量が高い環状n量体の含有量のことである。
ポリエステル予備成形体の環状エステルオリゴマーの含有量を、前記ポリエステルの溶融重縮合体が含有する環状エステルオリゴマーの含有量の70%以下にするためには、前記ポリエステルを溶融重縮合後、固相重合することに加え、溶融重縮合後や固相重合後に、得られたポリエステルの重縮合触媒を失活処理することにより得られる。
本発明に係るポリエステルがエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの代表であるPETの場合は、環状n量体は環状3量体のことであり、かつ、溶融重縮合ポリエステルの環状3量体の含有量は約1.0重量%であるから、環状3量体の含有量は、好ましくは0.70重量%以下、好ましくは0.60重量%以下、さらに好ましくは0.50重量%以下、特に好ましくは0.35重量%以下であることが好ましい。環状3量体含有量の下限値は、経済的な生産の面から0.20重量%以上、好ましくは0.22重量%以上、さらに好ましくは0.25重量%以上である。本発明のポリエステル予備成形体から耐熱性の中延伸空成形体等を成形する場合は、延伸ブロー成形後、加熱金型内で熱処理を行うが、環状3量体の含有量が0.70重量%を超えて含有する場合には、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加し、得られた延伸中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
本発明のポリエステル予備成形体は、これを290℃の温度で60分間溶融したときの環状エステルオリゴマーの増加量が0.4重量%以下であることが好ましく、本発明のポリエステル予備成形体を得るために用いられるポリエステルは、溶融重縮合後や固相重合後に得られたポリエステルの重縮合触媒を失活処理することにより製造することができる。290℃の温度で60分間溶融した時の環状エステルオリゴマーの増加量は、好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下であることが好ましい。290℃の温度で60分間溶融した時の環状エステルオリゴマーの増加量が0.4重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状エステルオリゴマーが増加し、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化する。
前記ポリエステルの重縮合触媒を失活処理する方法としては、前記ポリエステルチップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理する方法が挙げられる。
熱水処理方法としては、ポリエステルを水中に浸ける方法やシャワーでこれらのチップ上に水をかける方法等が挙げられる。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
またポリエステルのチップと水蒸気または水蒸気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜150℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気または水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好ましくは粒状ポリエステル1kg当り、水蒸気として0.5g以上の量で供給させるか、または存在させて粒状ポリエステルと水蒸気とを接触させる。ポリエステルのチップと水蒸気との接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間行われる。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない。
また、重縮合触媒を失活させる別の手段として、リン化合物を前記ポリエステルに配合し、成形時などの溶融状態において混合、反応させて重縮合触媒を不活性化する方法が挙げられる。
ポリエステルにリン化合物を配合する方法としては、前記ポリエステルにリン化合物をドライブレンドする方法 によって所定量のリン化合物をポリエステルに配合後、押出機や成形機中で溶融し、重縮合触媒を不活性化する方法、チップをリン化合物溶液、特にリン酸水溶液に浸漬する方法、マスターバッチとして添加する方法などが挙げられる。また、これらリン化合物はポリエステルに共重合された状態であっても良い。
使用されるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。具体例としては前記の化合物であり、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
また、次に本発明のポリエステル予備成形体が分子量の違う2種類以上のポリエステルのブレンド組成物を成形して得られる場合について述べる。
それぞれのポリエステルの組成は実質上同じであることが好ましい。ここで実質上同じとは、互いの組成物中の酸成分、グリコール成分とも、95モル%以上が同一であることをいい、さらには97モル%以上、特には98モル%以上同一であることが好ましい。また、共重合成分にグリコールの副生物であるジアルキレングリコールが存在する場合には、ジアルキレングリコール量に関しては7モル%以内、好ましくは5モル%以内、さらに好ましくは3モル%以内、特に好ましくは2モル%以内の違いであっても良い。なお、ジアルキレングリコール量が異なる場合には、ジアルキレングリコール以外のグリコール成分を100として、計算する。
また、分子量の違いは、極限粘度で表した場合、最も分子量の大きなポリエステルと最も分子量の小さなポリエステルで、その差が0.05デシリットル/グラムであることが好ましく、さらには0.10デシリットル/グラム、さらには0.12デシリットル/グラム,特には0.13デシリットル/グラムであることが好ましい。その差が0.05デシリットル/グラム未満であると、溶融状態における流動性の向上効果がなく溶融粘度を下げる効果が十分でないことがある。
極限粘度の差の上限は特に定めるものではないが、着色、アルデヒド類の発生量等の面から0.3デシリットル/グラム以下であることが好ましい。
本発明で用いられる極限粘度の異なるポリエステルは、溶融重縮合反応工程、あるいは、これに続く固相重合反応工程で極限粘度の差が前記の範囲内に入るように製造されたポリエステル、または、これらを極限粘度が低下しない条件下で水と接触処理させたポリエステルである。
極限粘度の異なるポリエステルを得る他の製造方法としては、ポリエステルを水と高温度で加熱処理して加水分解する方法や押出機などで溶融処理する方法などがある。しかし、加水分解による方法は、固体状態で実施されるため、極限粘度低下度の管理が非常に難しく、極限粘度変動巾が狭いポリエステル粒子を得ることが困難であること、また、加水分解処理後の粒子は輸送時の衝撃などにより微細粉末を発生し易いことなどから、これらを用いた場合の成形体の透明性や結晶化速度の変動が非常に大きくなると言う問題が生じ、成形体の透明性やその変動が大となり問題である。また、溶融処理による方法は、処理時にアセトアルデヒドなどのアルデヒド類が増加するため、香味保持性に影響を与えたり、また着色するなどの問題がある。したがって、本発明に係るポリエステルとしては、水による加圧下熱処理等の方法によって加水分解させて極限粘度低下させたポリエステルや溶融処理して極限粘度低下させたポリエステルは含まない。
さらには、ポリエステルがエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの代表であるPETの場合は、最も分子量の低いポリエステルであっても、極限粘度は0.60デシリットル/グラム以上が好ましく、より好ましくは0.63デシリットル/グラム以上、さらに好ましくは0.65デシリットル/グラム以上、特に好ましくは0.68デシリットル/グラム以上である。最も低い分子量のポリエステルが0.60デシリットル/グラム未満であるときは、成形品であるボトル強度が低下したり、末端基が多くなるためか成形時にアセトアルデヒド発生量が大きくなる傾向がある。
本発明のポリエステル予備成形体を前記のポリエステル組成物から得ようとする場合は、溶融混練時にエステル交換反応が起こる。従って、本発明に係るポリエステルの分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80を下回ることが無いよう、溶融混練条件は、温度、滞留時間、剪断速度、スクリュー構成等、調整する必要がある。具体的には、温度、滞留時間、剪断速度は均一に混練できる範囲内で必要以上に上げないこと、スクリュー構成はプラグフロー性を確保するため、必要以上のミキシングスクリューや逆進スクリューを入れないこと、また、溶融滞留時間もなるべく短くすることなどが挙げられる。
また、エステル交換が起こりにくいよう、少なくともどちらか一方のポリエステルは前述の様なポリエステルの重縮合触媒を失活処理した樹脂を用いることが好ましい。
ブレンドの際の一方のポリエステルに触媒失活用のリン化合物を添加もしくは共重合しておくことも好ましい。この際、リン化合物で触媒活性が大きく低下しない触媒(例えば、Ge、Sb)で重縮合したポリエステルにリン化合物を添加し、リン化合物で触媒活性が低下する触媒(例えば、Ti、Al)で重縮合したポリエステルとのブレンド物を用いることも好ましい。
本発明のポリエステル予備成形体を成形する際の条件として、射出成形機等のバレルやホットランナーを加熱させることなどによって溶融樹脂温度が、その樹脂の融点より10〜35℃高い温度、好ましくは12〜33℃高い温度、さらに好ましくは15〜30℃高い温度、の範囲になるように設定することが重要である。ここで溶融樹脂温度とは射出成形機等のノズル先端から射出された樹脂を例えば熱電対温度計等で直ちに測定した温度を指す。ここで、融点はDSC測定法により求めた値である。
また、成形機内での溶融滞留時間は、押出成形の場合は押出機スクリュウーの形状やL/D等の選定および押出量などを任意に設定することによって、また、射出成形の場合は射出成形機のサイクル時間、計量ストローク(スクリューバック量)などを任意に設定することによって10〜500秒、好ましくは20〜300秒、さらに好ましくは30〜150秒の範囲に設定する。ここで、溶融滞留時間とは、成形機内で樹脂が溶融した状態での滞留時間であり、具体的には、成形機内のシリンダー内及びホットランナーやダイス内などで樹脂が溶融保持される時間のことである。
また、ポリエステルがエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの代表であるPETの場合は、ブレンドするポリエステルをそれぞれ単独で溶融成形した成形体の昇温結晶化温度(Tc1)の差は、10℃以下であることが好ましい。また、降温結晶化温度温度(Tc2)の差は18℃以下であることが好ましく、より好ましくは16℃以下、さらに好ましくは14℃以下、特に好ましくは12℃以下である。
Tc1およびTc2の差が上記範囲を越えると、わずかな混合条件の差や配合量のぶれの差によりブレンド組成物の結晶化特性が変化し、得られた成形体の透明性、結晶化特性が変わり、安定した特性を持つポリエステル予備成形体が得られにくくなることがある。
また、Tc2はいずれのポリエステルも160℃を超えるものであることが好ましく、さらには162℃を越えるものであることが好ましい。なお上限は透明性の面から、いずれも200℃以下であることが好ましい。
なお、上記の極限粘度、Tc1、およびTc2の規定は全体に対して5重量%以上、好ましくは10重量%以上配合されている樹脂を対象とし、その差は最も高いものと最も低いものの差である。
なお、Tc1およびTc2のコントロールは、触媒種類や量、製造条件、チップに衝撃を与える、ポリオレフィン樹脂、特にポリエチレン、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等を配合することで行うことができる。
また、本発明に係るポリエステルのチップの平均重量(W)の比は1.00〜1.30であることが好ましい。平均重量(W)の比が1.30を超えると、成形時に溶融しにくくなり低温成形が難しくなり成形機内でのチツプの均一溶融が生じず、透明性の悪化および変動、アルデヒド類含有量の増加および変動の原因となることがあり好ましくない。ポリエステル組成物が2種のポリエステルの混合物である場合は、2種間のポリエステルチップの平均重量の比(WA/WB)は、2種のうち、平均重量の大きいポリエステルチップの平均重量をWAとし、平均重量の小さいポリエステルチップの平均重量をWBとして、WA/WBを計算する。2種のポリエステルチップが同平均重量の場合は、WA/WBは1.00となる。また、2種以上のポリエステルからなる場合は、混合比率の多い2種のポリエステルを対象として前記のように計算をする。
また、本発明のポリエステル予備成形体のアルデヒド類をさらに低減させるためにポリアミドを配合することが好ましい。本発明のポリエステル予備成形体に配合されるポリアミドは、脂肪族ポリアミド、部分芳香族ポリアミドから選ばれる少なくとも一種のポリアミドである。脂肪族ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,11、ナイロン6,12、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,10、ナイロン6/12、ナイロン6/6T、ナイロン6I/6T等が例示される。本発明に係る部分芳香族ポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミド、または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドである。また、部分芳香族ポリアミドの例としては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミド等のような単独重合体、及びメタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピペラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ω―アミノカプロン酸共重合体等が挙げられる。
ポリアミドの配合量は、0.01〜5重量%の範囲が好都合である。
さらにまた、本発明のポリエステル予備成形体は、ポリオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂を0.1ppb〜50000ppm含むことが好ましい。本発明において用いられる前記樹脂のポリエステル予備成形体への配合割合は、0.1ppb〜10000ppm、好ましくは0.3ppb〜1000ppm、より好ましくは0.5ppb〜100ppm、さらに好ましくは1.0ppb〜1ppm、特に好ましくは1.0ppb〜45ppbである。配合量が0.1ppb未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中空成形体の口栓部の結晶化が不十分となるため、サイクルタイムを短くすると口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となったり、また、耐熱性中空成形体を成形する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形体を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならない。また50000ppmを超える場合は、結晶化速度が早くなり、中空成形体の口栓部の結晶化が過大となり、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッピング不良となり内容物の漏れが生じたり、また中空成形体用予備成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となる。また、シート状物の場合、50000ppmを越えると透明性が非常に悪くなり、また延伸性もわるくなって正常な延伸が不可能で、厚み斑の大きな、透明性の悪い延伸フィルムしか得られない。
本発明のポリエステル予備成形体に配合されるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはα−オレフィン系樹脂が挙げられる。またこれらの樹脂は結晶性でも非晶性でもかまわない。
本発明のポリエステル予備成形体に配合されるポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、不飽和エポキシ化合物等のビニル化合物との共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、超低・低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられる。
また、本発明のポリエステル予備成形体に配合されるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等のビニル化合物との共重合体、あるいはヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジシクロペンタジエン等のジエンとの共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、プロピレン単独重合体(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチックポリプロピレン)、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレン系樹脂が挙げられる。
また、本発明のポリエステル予備成形体に配合されるα−オレフィン系樹脂としては、4−メチルペンテン−1等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独重合体、それらのα−オレフィンと、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、ブテン−1単独重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、ブテン−1−プロピレン共重合体等のブテン−1系樹脂や4−メチルペンテン−1とC2〜C18のα−オレフィンとの共重合体、等が挙げられる。
また、本発明のポリエステル予備成形体に配合されるポリアミド樹脂としては、例えば、ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムの重合体、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン単位と、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸単位との重縮合体、及びこれらの共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6/MXD6、ナイロンMXD6/MXDI、ナイロン6/66、ナイロン6/610、ナイロン6/12、ナイロン6/6T、ナイロン6I/6T等が挙げられる。またこれらの樹脂は結晶性でも非晶性でもかまわない。
また、本発明のポリエステル予備成形体に配合されるポリアセタール樹脂としては、例えばポリアセタール単独重合体や共重合体が挙げられる。ポリアセタール単独重合体としては、ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.40〜1.42g/cm3、ASTMD−1238の測定法により、190℃、荷重2160gで測定したメルトフロー比(MFR)が0.5〜50g/10分の範囲のポリアセタールが好ましい。
また、ポリアセタール共重合体としては、ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.38〜1.43g/cm3、ASTMD−1238の測定法により、190℃、荷重2160gで測定したメルトフロー比(MFR)が0.4〜50g/10分の範囲のポリアセタール共重合体が好ましい。これらの共重合成分としては、エチレンオキサイドや環状エーテルが挙げられる。
本発明のポリオレフィン樹脂等を配合したポリエステル予備成形体は、前記ポリエステルに前記ポリオレフィン樹脂等の樹脂を、その含有量が前記範囲となるように直接に添加し溶融混練する方法、または、マスターバッチとして添加し溶融混練する方法等の慣用の方法によるほか、前記樹脂を、前記ポリエステルの製造段階、例えば、溶融重縮合時、溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合時、固相重合直後等のいずれかの段階、または、製造段階を終えてから成形段階に到るまでの工程などで、粉粒体として直接に添加するか、或いは、前記ポリエステルのチップを流動条件下に前記樹脂製部材に接触させる等の方法で混入させる方法、または前記の接触処理後、溶融混練する方法等によることもできる。
ここで、ポリエステルチップを流動条件下に前記樹脂製の部材に接触させる方法としては、前記樹脂製の部材が存在する空問内で、ポリエステルチップを前記部材に衝突接触させることが好ましく、具体的には、例えば、ポリエステルの溶融重縮合直後、予備結晶化直後、固相重合直後等の製造工程時、また、ポリエステルチップの製品としての輸送段階等での輸送容器充填・排出時、また、ポリエステルチップの成形段階での成形機投入時、等における気力輸送配管、重力輸送配管、サイロ、マグネットキャッチャーのマグネット部等の一部を前記樹脂製とするか、前記樹脂製フィルム、シート、成形体などを貼り付けるか、または、前記樹脂をライニングするとか、或いは前記移送経路内に棒状又は網状体等の前記樹脂製部材を設置する等して、ポリエステルチップを移送する方法が挙げられる。ポリエステルチップの前記部材との接触時間は、通常、0.01秒〜数分程度の極短時間であるが、ポリエステルに前記樹脂を微量混入させることができる。
本発明のポリエステル予備成形体は、一般的に用いられる押出成形機、射出成形機などを用いる溶融成形法や圧縮成形法によって、フィルム状、シート状、中空成形体状などの形態として得ることができる。また、本発明のポリエステル予備成形体を一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸のうちの任意の延伸方法を用いてポリエステル延伸成形体にできる。また圧空成形、真空成形によりカップ状やトレイ状に成形することもできる。
以下には、PETの場合の種々の用途についての具体的な製法を簡単に説明する。
PETのポリエステル予備成形体の代表例であるシート状物は、一軸押出機あるいは二軸押出機によって270〜300℃の温度で溶融押出成形して得ることが出来る。シート状物の厚みは約50〜3000ミクロンである。
延伸フィルムを製造するに当たっては、延伸温度は通常は80〜130℃である。延伸は一軸でも二軸でもよいが、好ましくはフィルム実用物性の点から二軸延伸である。延伸倍率は一軸の場合であれば通常1.1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍の範囲で行い、二軸延伸であれば縦方向および横方向ともそれぞれ通常1.1〜8倍、好ましくは1.5〜5倍の範囲で行えばよい。また、縦方向倍率/横方向倍率は通常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.3である。得られた延伸フィルムは、さらに熱固定して、耐熱性、機械的強度を改善することもできる。熱固定は通常緊張下、120℃〜240、好ましくは150〜230℃で、通常数秒〜数時間、好ましくは数十秒〜数分間行われる。延伸フィルムの厚みは約5〜100ミクロンである。
また、延伸中空成形体を製造するにあたっては、本発明のポリエステル予備成形体を延伸ブロー成形してなるもので、従来PETのブロー成形で用いられている装置を用いることができる。具体的には例えば、射出成形または押出成形で一旦プリフォームを成形し、そのままあるいは口栓部、底部を加工後、それを再加熱し、ホットパリソン法あるいはコールドパリソン法などの二軸延伸ブロー成形法が適用される。この場合の成形温度、具体的には成形機のシリンダー各部およびノズルの温度は通常260〜300℃の範囲である。延伸温度は通常70〜120℃、好ましくは90〜110℃で、延伸倍率は通常縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲で行えばよい。得られた延伸中空成形体は、そのまま使用できるが、特に果汁飲料、ウーロン茶などのように熱充填を必要とする飲料の場合には一般的に、さらにブロー金型内で熱固定処理を行い、耐熱性を付与して使用される。熱固定は通常、圧空などによる緊張下、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、数秒〜数時間、好ましくは数秒〜数分間行われる。
また、口栓部に耐熱性を付与するために、射出成形または押出成形により得られたポリエステル予備成形体の口栓部を遠赤外線や近赤外線ヒーター設置オーブン内で結晶化させたり、あるいはボトル成形後に口栓部を前記のヒーターで結晶化させる。
また、本発明に係るポリエステルを溶融押出後に切断した溶融塊を圧縮成形して得たプリフォームを延伸ブロー成形する、所謂、圧縮成形法により延伸中空成形体を得ることもできる。
本発明に係るポリエステルには、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸素捕獲剤、外部より添加する滑剤や反応中に内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止剤、青み付け剤、染料、顔料などの各種の添加剤、酸素透過性を改良するためにメタキシリレンジアミンとアジピン酸からのポリアミド樹脂などを配合してもよい。
また、本発明のポリエステル予備成形体から得られるポリエステル延伸成形体が延伸フィルムの場合には、滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性を改善するために、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の無機粒子、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等の有機塩粒子やジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のビニル系モノマーの単独または共重合体等の架橋高分子粒子などの不活性粒子を含有させることが出来る。
なお、本発明における、主な特性値の測定法を以下に説明する。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。
ポリエステルの組成や各特性は、チップを冷凍粉砕して十分に混合した後、測定する。
(1)ポリエステルの極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。ポリエステル組成物のIVは構成するポリエステルのIVから計算した加重平均値とした。
(2)ポリエステルのジエチレングリコ−ル含有量(以下[DEG含有量」という)
メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によりDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合(モル%)で表した。
(3)ポリエステルの環状三量体の含有量(以下「CT含有量」という)
冷凍粉砕した試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈する。これにメタノ−ル15mlを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状三量体を定量した。
(4)ポリエステルのアセトアルデヒド含有量(以下「AA含有量」という)
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度をppmで表示した。プリフォームの場合は口元からサンプルを採取した。
(5)ポリエステルの溶融時の環状三量体増加量(△CT量)
(11)で成形したプリフォームの口元から約1〜3mm程度の大きさの細片を切り取り、次いで乾燥させた後、このポリエステル試料3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させる。溶融時の環状三量体増加量は、次式により求める。
溶融時の環状三量体増加量(重量%)=
溶融後の環状三量体含有量(重量%)−溶融前のプリフォームの環状三量体含有量(重量%)
(6)数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)と分散比の測定
GPC法により平均分子量および分子量分率を求めた。
(試料の調製) 試料1mgを0.2mlのクロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール=3/2(vol%)に溶解後、3.8mlのクロロホルムで希釈して試料溶液を調製した。
(溶離液) クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール=98/2(vol%)
(装置) 東ソー株式会社製 TOSOH HLC−8220GPCを用いた。
(カラム) 東ソー株式会社製 TSKgel SuperHM−H×2+
TSKgel SuperH2000
(標準ポリスチレン) 東ソー株式会社製のTSK標準ポリスチレンを用いた。
(測定条件) 測定温度40℃、流量0.6ml/分
(検出器) UV検出器 254nm
(分子量の換算) 標準スチレン換算で計算した。
(積算範囲) ピークスタートを標準ポリスチレンで山の立ち上がり点、ピークエンドを標準ポリスチレンで700とした。
分散比は下記より求めた。
分散比 = Mz/Mn
上記方法で成形したプリフォームの場合は口元からサンプルを採取した。
(7)成形体の昇温時の結晶化温度(Tc1)および降温時の結晶化温度(Tc2)
セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定。下記(10)の成形板の2mm厚みのプレ−トの中央部からの試料10mgを使用。プリフォームの場合は胴部からサンプルを採取した。
昇温速度20度C/分で昇温し、290℃で3分間保持したのち、290℃から240℃までを10℃/分で降温し、更に240℃から130℃までを7℃/分で降温した。昇温時に観察される結晶化ピ−クの頂点温度を昇温時結晶化温度(Tc1)、降温時に観察される結晶化ピ−クの頂点温度を降温時結晶化温度(Tc2)とする。
(8)ポリエステルチップの密度
硝酸カルシュウム/水溶液の密度勾配管で30℃で測定した。
(9)ヘイズ(霞度%)
下記(10)の成形体(肉厚5mm)より試料を切り取り、日本電色(株)製ヘイズメ−タ−、modelNDH2000で測定。
(10)段付成形板の成形
ヤマト科学製真空乾燥器DP61型を用いて140℃で16時間程度減圧乾燥したポリエステルを名機製作所製射出成形機M−150C−DM型射出成形機により図1、図2に示すようにゲート部(G)を有する、2mm〜11mm(A部の厚み=2mm、B部の厚み=3mm、C部の厚み=4mm、D部の厚み=5mm、E部の厚み=10mm、F部の厚み=11mm)の厚さの段付成形板を射出成形した。
成形中に吸湿を防止するために、成形材料ホッパー内は乾燥不活性ガス(窒素ガス)パージを行った。M−150C−DM射出成形機による可塑化条件としては、フィードスクリュウ回転数=70%、スクリュウ回転数=120rpm、背圧0.5MPa、シリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含め290℃に設定した。射出条件は射出速度及び保圧速度は20%、また成形品重量が146±0.2gになるように射出圧力及び保圧を調整し、その際保圧は射出圧力に対して0.5MPa低く調整した。
射出時間、保圧時間はそれぞれ上限を10秒、7秒,冷却時間は50秒に設定し、成形品取出時間も含めた全体のサイクルタイムは概ね75秒程度である。
金型には常時、水温10℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は22℃前後である。
成形品特性評価用のテストプレートは、成形材料導入し樹脂置換を行った後、成形開始から11〜18ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
2mm厚みのプレート(図1のA部)は昇温時の結晶化温度(Tc1)および降温時の結晶化温度(Tc2)測定、5mm厚みのプレート(図1のD部)はヘイズ(霞度%)測定、に使用する。
(11)中空成形体の成形
1)プリフォームの成形
ヤマト科学製真空乾燥器DP63型を用いて予め減圧乾燥したポリエステルチップを用い、成形中にチップの吸湿を防止するために、成形材料ホッパー内は乾燥不活性ガス(窒素ガス)パージを行った。
名機製作所製M−150C―DM射出成形機による可塑化条件としては、フィードスクリュウ回転数=70%、スクリュウ回転数=120rpm、背圧0.5MPa、計量位置50mm、シリンダー温度はホッパー直下から順に45℃、250℃、以降ノズルを含め280℃に設定した。射出条件は射出速度及び保圧速度は10%、また成形品重量が58.6±0.2gになるように射出圧力及び保圧を調整し、その際保圧は射出圧力に対して0.5MPa低く調整した。冷却時間は20秒に設定し、成形品取出時間も含めた全体のサイクルタイムは概ね42秒程度である。プリフォームのサイズは、外径29.4mm、長さ145.5mm、肉厚約3.7mmである。
金型には常時、水温18℃の冷却水を導入し温調するが、成形安定時の金型表面温度は29℃前後である。特性評価用のプリフォームは、成形材料を導入し樹脂置換を行った後、成形開始から20〜50ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。プリフォームの口元からサンプルを取り、極限粘度、アセトアルデヒド含有量(AA含有量)の測定、環状3量体含有量(CT含有量)、数平均分子量(Mn)、Z平均分子量(Mz)と分散比の測定に使用した。
2)延伸中空成形体(ボトル)の成形
前記プリフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化させた。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機で縦方法に約2.5倍、周方向に約3.8倍の倍率に二軸延伸ブローし、引き続き約145℃に設定した金型内で7秒間熱固定し、容量が1500ccの容器(胴部肉厚0.45mm)を成形した。延伸温度は100℃にコントロールし、成形開始から10〜30ショット目の安定した成形品の中から任意に選ぶものとした。
(12)ボトル胴部の強度測定
(二軸延伸成形容器によるボトル強度評価)
上記方法で成形したボトルの胴部をカッターで大きめに切断しスーパーダンベルカッター型式SDMK-1000D ダンベル社(株)製(JISK-7162-5Aに準じる)で打ち抜き、引っ張り試験器 SS−207D−U(東洋ボールドウィン(株)製)を用いて強度を測定した。
(13)中空成形体の耐熱圧性
(11)で成形した延伸中空成形体に23℃で2.0ガスボリューム(GV)の内容物を充填し70℃の温浴に30分間浸漬した後に取出し、中空成形体の容積変化率を温浴浸漬前のものと比較して評価した。
容積変化率は、充填前後の内容量を測定し、下式により求めた。
容積変化率(%)値から耐熱圧性を下記のように評価した。
○ : 0 ≦ 容積変化率(%) < 3
△ : 3 ≦ 容積変化率(%) < 5
× : 5 ≦ 容積変化率(%)
容積変化率(%) = 100×(浸漬前の内容量―浸漬後の内容量)/浸漬前の内容量
(14)中空成形体の外観
前記(11)の成形開始10本目から20本の中空成形体を目視で観察し、下記のように評価した。
◎ : 透明で外観問題なし
△ : 中空成形体に白化した流れ模様や白化物が少し有り
× : 中空成形体に白化した流れ模様や白化物あり
(ポリエステルA)
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒溶液及び燐酸のエチレングリコール溶液とエチレングリコールを別々にこの第1エステル化反応器に連続的に供給した。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2Gで所定の反応度まで反応を行った。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に送り、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに第3重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで重縮合させた。得られたPET樹脂の極限粘度(IV)は0.53で、CT含有量は1.00重量%であった。
この樹脂をファイン除去後、引き続き窒素雰囲気下、約155℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下約208℃で固相重合した。固相重合後篩分工程およりファイン除去工程で連続的に処理しファインを除去した。
得られたPETの極限粘度は0.70デシリットル/グラム、アセトアルデヒド(AA)含有量は3.2ppm、環状3量体の含量は0.32重量%、チップの平均重量は24.1mg、密度は1.400g/cm3であった。
前記PET樹脂チップの水処理には、図3に示す装置を用い、処理槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限レベルに位置するオーバーフロー排出口(2)、処理槽下部の芳香族系ポリエステルチップと処理水の混合物の排出口(3)、このオーバーフロー排出口から排出された処理水と、処理槽から排出された処理水と、処理槽下部の排出項から排出された水切り装置(4)を経由した処理水が、濾材が紙製の30μmの連続式フィルターである微粉除去装置(5)を経由して再び水処理槽へ送られる配管(6)、これらの微粉除去済み処理水の導入口(7)、微粉除去済み処理水中のアセトアルデヒドを吸着処理させる吸着塔(8)、及び新しいイオン交換水の導入口(9)を備えた内容量約50m3の塔型の処理槽を使用した。
処理水温度95℃にコントロールされた水処理槽へ50kg/時間の速度で処理槽上部の供給口(1)から連続投入し、微粉含量が約100ppmの処理水を用いて水処理時間4時間で処理槽下部の排出口(3)からPETチップとして50kg/時間の速度で処理水と共に連続的に抜き出した。
得られたPETの特性を表−1に示す。
(ポリエステルB、C、D)
重縮合触媒添加量、固相重合時間を変更する以外はポリエステルAと同様にして反応させてポリエステルB、C、Dを得た。
得られたPETの特性を表−1に示す。なお、A〜Hの各ポリエステルのチップの平均重量は24.0〜24.3mgであった。
(ポリエステルE、F)
重縮合触媒として、塩基性酢酸アルミニウムのエチレングリコール溶液と、Irganox1222(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)とエチレングリコールを事前に加熱処理したエチレングリコール溶液を用いる以外はポリエステルAと同様にして反応させてポリエステルE、Fを得た。燐酸エチレングリコ−ル溶液は添加しなかった。但し、水処理は行わなかった。得られたPETの特性を表−1に示す。
(ポリエステルG、H)
重縮合触媒として、チタニウムテトラブトキシドのエチレングリコール溶液、酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール溶液を用いる以外はポリエステルAと同様にして反応させてポリエステルG、Hを得た。燐酸エチレングリコ−ル溶液は添加しなかった。但し、水処理は行わなかった。
得られたPETの特性を表−1に示す。
Figure 2006152286
(実施例1)
上記のポリエステルAとポリエステルBのペレットを7:3の割合でブレンドして(10)および(11)の方法により得た成形板および中空成形体による評価を実施した。溶融滞留時間は110秒であった。結果を表2に示す。
評価した全ての特性は良好であった。
(実施例2、3、4、5)
表2に示す組成により同様にして、実施例2、3、4および5のポリエステル組成物について実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表2に示す。
評価した全ての特性は実施例1と同様に良好であった。
(比較例1)
表2に示す組成により同様にして、比較例1のポリエステル組成物について評価を実施した。
実施例1と比較すると明らかに、比較例1のプリフォーム成形前後のΔAAが高く、中空成形体の胴部強度、耐熱圧性および外観も悪かった。結果を表2に示す。
Figure 2006152286
本発明は、流動特性が改良されるために溶融成形時の熱分解が低減される結果、アルデヒド類含有量が低く、また透明性も改良され、かつ延伸熱処理した際には耐圧性などの機械的特性に優れたポリエステル延伸成形体を与えるポリエステル予備成形体を提供する。また、本発明のポリエステル予備成形体は流動特性が改良されるので成形時の歪みが少なく、耐熱寸法安定性の優れた成形体、特に中空成形品を高速成形により効率よく生産することができ、なおかつ、非常に耐圧性や耐熱圧性が良好な成形体を与え、また金型を汚すことの少ない長時間連続成形性に優れたポリエステル予備成形体及びそれからなるポリエステル延伸成形体を提供する。
本発明のポリエステル予備成形体は、食品包装の分野における高い要求品質にこたえることができる。
段付き成形板の平面図 段付き成形板の側面図 水処理装置の概略図
符号の説明
1 原料チップ供給口
2 オ−バ−フロ−排出口
3 ポリエステルチップと処理水との排出口
4 水切り装置
5 ファイン除去装置
6 配管
7 リサイクル水または/およびイオン交換水の導入口
8 吸着塔
9 イオン交換水導入口

Claims (8)

  1. 主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなる繰り返し単位を有する芳香族系ポリエステルを成形して得たポリエステル予備成形体であって、分子量分布の分散比Mz/Mnが3.80以上であることを特徴とするポリエステル予備成形体。
  2. 芳香族系ポリエステルが、主としてテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる繰り返し単位を有するポリエステルであることを特徴とする請求項1記載のポリエステル予備成形体。
  3. アルデヒド類の含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル予備成形体。
  4. アセトアルデヒド含有量が20ppm以下であることを特徴とする請求項2記載のポリエステル予備成形体。
  5. 環状エステルオリゴマー含有量が、溶融重縮合ポリエステルの環状エステルオリゴマー含有量の70%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル予備成形体。
  6. 請求項1〜5に記載のポリエステル予備成形体が、シート状物、中空状物であることを特徴とするポリエステル予備成形体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル予備成形体を少なくとも一方向に延伸したことを特徴とするポリエステル延伸成形体。
  8. 請求項7に記載のポリエステル延伸成形体が、延伸シート、延伸フィルム、延伸中空成形体であることを特徴とするポリエステル延伸成形体。
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