JP2006152143A - 吸液性樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液に対しても、優れた吸液性を有し、特に水膨潤性ゴム等他の材料と混合使用するような用途に適する吸液性樹脂の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 攪拌翼で攪拌しながら、疎水性有機溶媒に、スルホン酸基またはそのアルキル金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物とラジカル重合開始剤とを含んでなる水溶液を懸濁させ、界面活性剤の存在下に逆相懸濁重合させることにより吸液性樹脂を製造する方法において、吸液性樹脂の1次粒子径と攪拌翼径と攪拌によるレイノルズ数とが特定の関係式を満足するように攪拌することを特徴とする吸液性樹脂の製造方法を提供するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有用なる吸液性樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液吸収用の吸液性樹脂の製造方法に関する。本発明に係る方法により得られる吸液性樹脂からなる吸液性材料は、高濃度の含塩溶液の吸液および吸止水材、土木、農園芸用等の吸液性材料として幅広く利用可能である。
近年、吸水性材料は、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野のみならず、止水材、結露防止材、更に鮮度保持材、溶剤脱水剤等の産業用途、緑化用途、農園芸用途等にも実用化されつつある。しかし、従来の吸水性材料では、カルシウムやマグネシウム等の多価金属イオンが存在する含塩溶液に対する吸水性能が、イオン濃度の増大に伴って低下するために、海水等の塩濃度が極めて高い条件下では殆ど吸水しないという大きな問題があった。
このような問題を解消するために、スルホアルキル(メタ)アクリレートやアクリルアミド等からなる吸水性材料が提案されている(例えば特許文献1参照)。またそれを用いた耐塩性膨潤剤(例えば特許文献2参照)、育苗床(例えば特許文献3参照)などが提案されている。
しかし、これらの提案の吸水性材料は水溶液重合により架橋構造を形成してゲル重合体を調製するものであり、吸水倍率も低くまた使用時に粉砕する必要があった。
また、吸水性樹脂は、油中水滴型の逆相懸濁重合法による製造法も多数提案されている。
しかし、これらの提案は、(メタ)アクリル酸からなる吸水性材料において粒径を大きくするものであり、平均粒径が50μm以下の吸水性樹脂を用いる必要がある水膨潤性ゴム等他の材料と混合使用するような用途には、用いることができなかった。
特開平1−144404号公報 特公昭63−5427号公報 特開昭64−51025号公報
本発明の目的は、海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液に対しても、優れた吸液性を有し、特に水膨潤性ゴム等他の材料と混合使用するような用途に適する吸液性樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、攪拌しながら逆相懸濁重合するに際し、攪拌翼径に対する1次粒子の平均粒径の比(1次粒子の平均粒径/攪拌翼径)が攪拌のレイノルズ数と相関関係にあり、前記レイノルズ数を制御すれば吸液性樹脂の1次粒子径を平均粒径が50μm以下に制御することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、攪拌翼で攪拌しながら、疎水性有機溶媒に、スルホン酸基またはそのアルキル金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物とラジカル重合開始剤とを含んでなる水溶液を懸濁させ、界面活性剤の存在下に逆相懸濁重合させることにより吸液性樹脂を製造する方法において、吸液性樹脂の1次粒子径と攪拌翼径と攪拌によるレイノルズ数との関係が下式を満足するように攪拌することを特徴とする吸液性樹脂の製造方法を提供するものである。
Figure 2006152143
(式中、dは攪拌翼径、Reはレイノルズ数、kは吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径を攪拌翼径で割った数値をレイノルズ数に対し両対数プロットを行った場合に得られる直線の切片(Re=1に相当する値)、kは傾きの絶対値を示す。)
本発明は、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒径を50μm以下に制御することが可能であり、得られる吸液性樹脂は、海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液に対しても、優れた吸液性を有し、特に水膨潤性ゴム等他の材料と混合使用するような用途に有用である。
次いで、本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に述べる。
本発明で用いるスルホン酸基またはそのアルキル金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、2−スルホエチルアクリレート、2−スルホエチルメタアクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホプロピルアクリレート、2−スルホプロピルメタアクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタアクリレート、2−スルホブチルアクリレート、2−スルホブチルメタアクリレート等の含スルホン酸基含有化合物又はその塩を挙げることが出来る。含スルホン酸基含有化合物の塩としては、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビジウム塩等が挙げられ、アルカリ土類金属塩としてはカルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。これらの中で最も高い吸液性が得られる点で、2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸、またはそのアルカリ金属塩が好ましい。
本発明で用いられるスルホン酸基、またはそのアルカリ金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体は、高濃度の含塩溶液に対し高い吸液性維持できる点で、単量体混合物中で10〜100重量%が好ましく、さらに20〜70重量%用いられるのが好ましい。
スルホン酸基、またはそのアルカリ金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体は、他の水溶性エチレン性不飽和化合物と混合して使用することが出来る。水溶性エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物やそれらの四級化物等を挙げることが出来、これらの群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが出来る。尚、ここで「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」及び「メタクリル」の何れをも意味するものとする。これらの中でスルホン酸基、またはそのアルカリ金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体との共重合性を鑑みると、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミドが好ましい。
前記単量体混合物が重合した重合体同士は、前記架橋剤を使用せずとも自己架橋する場合があるが、架橋剤を使用して架橋させることが、吸液性に優れた高吸液性樹脂を製造する上で好ましい。
架橋剤としては、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体、前記単量体混合物中の単量体の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。
2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、例えばジ(メタ)アクリル酸エステル、トリ(メタ)アクリル酸エステル、ビスアクリルアミドなどが挙げられる。
ジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステルなどが挙げられる。
トリ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ビスアクリルアミドとしては、例えばN,N'−メチレンビスアクリルアミド、N,N'−エチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。
前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体のなかでも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドを使用することが好ましい。
前記単量体混合物中の単量体の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物としては、(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。具体的には、例えばエポキシ基を2個以上有する化合物、イソシアネート基を2個以上有する化合物等が挙げられ、なかでもジグリシジルエーテル化合物を使用することが好ましい。
エポキシ基を2個以上有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられ、なかでもエチレングリコールジグリシジルエーテルを使用することが好ましい。
イソシアネート基を2個以上有する化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体及び前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物は、前記単量体混合物100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲内で使用する必要がある。0.01〜0.5重量部の範囲内であることが好ましい。0.01重量部より少ない場合は充分な架橋構造が得られず、また0.5重量部より多い場合は吸液性能が低下する。
本発明で使用するラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物や、2,2'−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス−(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用できる。このとき、前記過酸化物に亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を併用しレドックス系の開始剤としても使用できる。ラジカル重合開始剤は、前記単量体混合物100重量部に対して0.1〜1重量部使用する必要がある。
前記単量体混合物等を含む水溶液は、前記(メタ)アクリル酸を含む単量体混合物、架橋剤として2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、前記アニオン性界面活性剤及び前記ラジカル重合開始剤を水と混合、撹拌することにより製造することができる。
逆相懸濁重合法に使用される界面活性剤は、疎水性有機溶媒に可溶又は親和性を持ち、基本的に油中水滴型乳化系を作るものであれば何れのものも使用することが出来る。このような界面活性剤としては、一般的にはHLB(Hydrophile-Lipophile-Balance)が好ましくは1〜9の範囲であり、より好ましくは2〜7の範囲の非イオン系及び/又はアニオン系である。
界面活性剤の具体例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化ポリエチレン、無水マレイン化ポリエチレン、無水マレイン化ポリブタジエン、無水マレイン化エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー、α−オレフインと無水マレイン酸の共重合体又はその誘導体ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。これら界面活性剤は2種以上を適宜併用することも可能である。
これら界面活性剤の中でソルビタン脂肪酸エステルを用いることが1次粒子の粒径を50μm以下に制御する上で好ましく、中でもHLBが4〜9のソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレートが好ましい。上記界面活性剤の使用量は疎水性有機溶媒に対して、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
また、使用される疎水性有機溶媒は、基本的に水に難溶性で、重合反応に不活性であれば、いかなるものも使用出来る。その一例を挙げれば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環状炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。この内、特に好ましい溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等を挙げることが出来る。
逆相懸濁重合法のより具体的な方法としては、次の方法が挙げられる。
すなわちまずスルホン酸基またはそのアルカリ金属塩を10〜100重量%含有するエチレン性不飽和単量体水溶液に、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は前記単量体混合物の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物を0.01〜1重量部混合し、さらにラジカル重合開始剤を0.1〜1重量部、及び必要に応じてチオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、アミン類、次亜りん酸塩類等の水溶性連鎖移動剤を添加し溶解させ、前記単量体等を含む溶液を調製し、窒素等の不活性ガスを導入して脱気を行う。一方、重合装置内で界面活性剤を疎水性有機溶媒に入れ、必要ならば若干加温し溶解せしめ、窒素等不活性ガスを導入し、脱気を行う。次にこの中に上記単量体等を含む水溶液を注入し、攪拌下、昇温を開始する。この間に反応系の水溶液は微細な液滴となって疎水性有機溶媒中に分散しながら懸濁する。昇温とともにやがて発熱が起こり重合が開始する。
疎水性有機溶媒と水溶液全体の混合割合は、好ましくは10/1〜0.5/1重量比、より好ましくは5/1〜0.7/1重量比の範囲である。疎水性有機溶媒と単量体水溶液の割合が上記重量比の範囲内であるなら、重合安定性も良く、重合熱の徐熱も容易となり、生産性も上がる。
重合開始後、発熱の状態によっては適宜冷却もしくは加熱を行う。重合反応温度は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは60〜80℃の範囲である。
また、単量体水溶液の一部または全量を滴下しても良い。すなわち、まずスルホン酸基、またはそのアルカリ金属塩を10〜100重量%含有するエチレン性不飽和単量体水溶液に、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は前記単量体混合物の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物を0.01〜1重量部混合し、さらにラジカル重合開始剤を0.1〜1重量部、及び必要に応じてチオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、アミン類、次亜りん酸塩類等の水溶性連鎖移動剤を添加し、単量体等を含む水溶液を調製し、窒素等の不活性ガスを導入して脱気を行う。一方、重合装置内で界面活性剤を疎水性有機溶媒に入れ必要ならば若干加温し溶解せしめ、窒素等不活性ガスを導入し、脱気を行う。その疎水性有機溶媒中に上記単量体の水溶液を一部注入し、攪拌下、昇温を開始する。この間に反応系の水溶液は微細な液滴となって疎水性有機溶媒中に分散しながら懸濁する。昇温とともにやがて発熱が起こり重合が開始する。重合開始後に、残りの単量体の水溶液を滴下しながら重合する。一部または全量を滴下することにより重合による発熱を分散させることが可能となる。
本発明の吸液性樹脂の製造方法は、重合反応時レイノルズ数を制御しながら攪拌することにより、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒径を50μm以下に制御することが可能になる。
すなわち、式(1)に基づき、攪拌翼径に対する吸水性樹脂の1次粒子径(吸水性樹脂の1次粒子径/攪拌翼径)を1次粒子径が一定の数値に維持されるように、レイノルズ数を制御しながら攪拌することにより、前記1次粒子の平均粒径を50μm以下に制御することができる。
Figure 2006152143
式中、dは攪拌翼径、Reはレイノルズ数、kは、図1の直線において、Reを1としたときの[(吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径)/d]の値、すなわち縦軸の切片の値、kは、図1の直線の傾きの絶対値を示すものである。
図1は、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径を攪拌翼径で割った数値をレイノルズ数に対し両対数プロットを行い、これらのプロットから導かれる直線を描いた表である。
ここで、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径とは、逆相懸濁重合により調製され、20倍から500倍程度の顕微鏡観察により観察される1個の球状粒子の平均径を表すものである。1個の球状粒子同士の凝集が起きていない場合には、得られた樹脂粉末の平均粒子径をそのまま吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径として用いることができる。
攪拌翼径は、攪拌翼の両端の長さを表す。レイノルズ数とは、慣性力と攪拌による粘性による摩擦力の比により表せる無次元数であり、式(2)で表される。
Figure 2006152143
式中、nは攪拌速度(rpm)、dは攪拌翼径(m)、ρは液密度(kg/m3)、μは液粘度(Pa・s)を示すものである。
上記式に吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径は同じ攪拌翼を用いた場合、できるだけレイノルズ数を大きくすることにより吸液性樹脂の1次粒子の平均粒径を50μm以下に制御することが可能になる。
本発明によると、単量体混合物とラジカル重合開始剤とを含む水溶液の組成や界面活性剤の種類を変化させることなく、攪拌速度を操作することによりレイノルズ数を制御すると、[(吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径)/d]とレイノルズ数とが一定の関係を有することから、特定の平均粒子径を有する吸液性樹脂を得ることができる。
実際に商用スケールの反応釜で所望とする50μm以下の1次粒子の平均粒子径を有する吸液性樹脂を得るためには、例えば次の操作を行う。
まずどんな形状の攪拌翼でもかまわないが、製造を想定する商用スケールの反応釜と相似形の攪拌翼を有する小スケールの反応釜において攪拌速度を変化させた実験を複数回を行い、1次粒子径の異なる吸液性樹脂の調製を行う。次に、吸液性樹脂の1次粒子径を攪拌翼径で割った数値[(吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径)/d]をレイノルズ数に対し両対数プロットし、式(1)を、図1の対数表上の直線として表現することにより、式(1)の関係を満足する直線を求めることができる。この図1からk1およびk2を決定することができる。
次いで、逆相懸濁重合の際の攪拌速度を決めると、式(2)からレイノルズ数を導くことができる。レイノルズ数が決まると、図1により、[(吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径)/d]を計算することができ、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径が予想される。このことから、式(1)基づき、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径が一定の数値に維持されるようにレイノルズ数を制御し、攪拌速度を維持しながら攪拌することにより、1次粒子の平均粒子径を50μm以下に保つことができる。
具体的には、例えばピッチドパドル翼を付帯する商用スケールの反応釜において、1次粒子の平均粒子径を50μm以下に制御するためには、攪拌翼径が1mの場合にはレイノルズ数を20,000〜100,000に制御することにより、攪拌翼径が2mの場合にはレイノルズ数を40,000〜200,000に制御することにより所望の1次粒子を10μm〜50μmに制御することが可能になる。
この際粒子が完全に反応釜内において分散をする粒子浮遊限界攪拌速度や反応釜に付帯するモーター能力によって実際運転をする攪拌速度が制限されることがある。
攪拌翼に関しては、従来から公知の1軸攪拌翼、多軸攪拌翼を用いることができる。例えば、プロペラ翼、アンカー翼、リボン翼、パドル翼、フルゾーン翼(商品名)(株式会社神鋼環境ソリューション製)、マックスブレンド翼(商品名)(住友重機械工業株式会社製)、タービン翼、ファウドラー翼、湾曲翼、ブルマージン翼、ウオールウエッター翼(商品名)(関西化学機械製作株式会社製)等を例示することができる。また、これら一般に知られる攪拌翼の改良翼でも良い。また、多軸攪拌翼は低速撹拌翼と高速撹拌翼を併せ持ったような攪拌翼が挙げられ、この場合低速攪拌翼としては、パドル翼、アンカー翼、高速攪拌翼としては、タービン翼、ディスパー翼が例示される。多軸攪拌翼にあっては低速攪拌翼あるいは高速攪拌翼のいずれか一方、または両方の攪拌翼を回転させながらその回転速度を周期的に変化させることができる。
本発明の吸液性樹脂は、逆相懸濁重合が終了した後、形成された重合体を攪拌しつつ保持した状態で、疎水性有機溶媒と水との共沸脱水により懸濁液から水を除去することにより、粉末の状態で得ることができる。共沸脱水量は、得られる吸液性樹脂の固形分に対する水分量が8〜20重量%であり、このうち10〜15重量%に脱水することが好ましい。水分量が8〜20重量%であれば、粒子同士が凝集し吸液性樹脂を粉末状態で得ることができ、また吸液特性が低下することもない。
さらに、本発明の吸液性樹脂の製造方法は、前記共沸脱水を開始する前にショ糖脂肪酸エステルを懸濁液に添加することが、1次粒子の凝集を抑制する点で好ましい。特に懸濁重合で一般的によく使用されるパドル翼を用いた場合は、1次粒子径が50μm以下に制御されているにもかかわらず、共沸脱水時に1次粒子同士が凝集し、それよりも遙かに大きい2次粒子を形成する危険性がある。共沸脱水を開始する前にショ糖脂肪酸エステルを懸濁液に添加することによりそのような危険性を回避することが可能になる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが4〜13のショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリル酸エステル等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルの添加量は当初重合時に添加している界面活性剤の添加量の10〜50重量%であることが好ましい。
本発明の製造方法にて得られる吸液性材料は、膨潤したビーズ状の粒子からなっており、デカンテーション又はろ過等により疎水性有機溶媒と分離することが出来る。その後加熱により乾燥せしめ粉末状の樹脂を得ることが出来る。
かくして得られる吸液性材料は、通常その平均粒子径が50μm以下の真球状の1次粒子及びそれらが一部凝集した2次粒子を含む粉体である。この2次粒子も機械力によって容易に粉砕することが出来、製造面及び使用面において大きな利点がある。
本発明で得られる吸液性樹脂は、純水や低イオン水等の吸液倍率を損なうことなく、特に海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液に対する吸液性に優れている。
本発明の製造方法による吸液性樹脂は、従来から知られている吸液性材料の全ての用途に適用可能である。例えば、光ファイバーケーブル用止水材、水膨潤性ゴム、廃泥ゲル化剤等としての土木分野、建築分野、工業分野;土壌改質剤、及び保水剤等としての農業・園芸分野;オムツや生理用品等の衛生分野など多種多様な分野に利用することが出来る。
以下に、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において、部及び%は、特にことわりのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、本発明の樹脂の諸特性は、以下に概略を示した評価方法にて測定した。
[吸液倍率の測定方法]
乾燥樹脂を1%塩化カルシウムに対する吸液倍率の測定時には0.5g、塩化ナトリウム水溶液に対する吸液倍率の測定時には0.5g、1%ポルトランドセメント上澄み水に対する吸液倍率の測定時には0.2gを秤量した。それぞれの液を500gビーカーに秤量し、乾燥樹脂を添加し2時間吸液させた。255メッシュナイロンシャで液がきれるまでろ過を行った。吸液倍率(g/g)は、試料の質量a(g)、水切り後の(ゲル+ナイロンシャ+ロート)の質量b60min(g)、ろ過前の(ナイロンシャ+ロート)の質量c(g)から、次式に従って算出した。
Figure 2006152143
なお、1%ポルトランドセメント上澄み水は1%ポルトランドセメント水を調製し24時間室温に放置した上澄み液をろ過することにより調製した。
[平均粒径の測定方法]
吸液性樹脂の平均粒径、および粒径分布は10〜50μmの小粒径の樹脂についてはレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(株式会社堀場製作所製)を用い測定を行った。大粒径の樹脂については、前記LA−910を用いる測定ではセル中において沈殿が生じて正確な値が得られないため、目開き1000μm、500μm、150μm、106μm、90μm、75μm、63μm、45μm、25μmのふるい(JIS−Z8801)、受け皿の順に組み合わせ、最上の篩に重合体粒子を約10g入れ、充分振とうさせた。各ふるいに残った重合体粒子の重量を秤量し、全重量を100%として、重量分率より粒径分布を求め、重量基準の50%粒子径を平均粒子径とした。
《実施例1》
攪拌翼径95mmの3段ピッチドパドル翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン760g、レオドールSP−S10V(ソルビタンステアレート、花王株式会社製)9.0gを仕込んだ後、還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付け、攪拌速度1000rpmで攪拌を開始した。一方、2LのディスカップにTBAS−Q(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、MRCユニテック株式会社製)200gを加え、外部より冷却しつつヒドロキシ−テトラメチル-1-ピペリジンオキシルを0.02g含み、水酸化ナトリウム29.4gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液350gを滴下してTBAS−Qを中和した。
この液にアクリルアミド150g、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.15g、過硫酸アンモニウム0.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する単量体水溶液を上述のシクロヘキサンに添加し、亜硫酸水素ナトリウム0.2gを粉末状態で添加した後、70℃に昇温することにより重合を開始させた。重合による発熱が収まった後、DKエステルF−90(ショ糖脂肪酸エステル、第一工業製薬株式会社製)3.0gを添加した。攪拌速度1000rpmで1時間攪拌しながら系内の温度を60℃〜70℃の温度に制御した。この時、液粘度は0.03Pa・s、液密度は0.979kg・mであり、レイノルズ数は3930であった。共沸脱水によって300gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸液性樹脂Aを得た。この吸液性樹脂Aの平均粒径は17μmであった。
吸液性樹脂Aの状態を表わしている顕微鏡写真を図2に示す。この図2によると、1次粒子同士が殆ど凝集しない状態で粒子が得られていることがわかる。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例2》
攪拌速度を500rpmに設定した他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Bを得た。レイノルズ数は1965であった。平均粒径は31μmであった。また、1次粒子同士が殆ど凝集しない状態で粒子が得られていた。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例3》
攪拌速度を600rpmに設定した他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Cを得た。レイノルズ数は2358であった。平均粒径は25μmであった。また、1次粒子同士が殆ど凝集しない状態で粒子が得られていた。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例4》
攪拌速度を700rpmに設定した他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Dを得た。レイノルズ数は2751であった。平均粒径は19μmであった。また、1次粒子同士が殆ど凝集しない状態で粒子が得られていた。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例5》
攪拌速度を400rpmに設定した他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Eを得た。レイノルズ数は1572であった。平均粒径は42μmであった。また、1次粒子同士が殆ど凝集しない状態で粒子が得られていた。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例6》
攪拌翼径105mmのアンカー翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン760g、レオドールSP−S10V9.0gを仕込んだ後、還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付けた後、表示攪拌速度450rpmで攪拌を開始した。一方、2LのディスカップにTBAS−Q200gを加え、外部より冷却しつつ外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム29.4gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液350gを滴下してTBAS−Qを中和した。
この液にアクリルアミド150g、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.15g、過硫酸アンモニウム0.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する単量体水溶液を上述のシクロヘキサンに添加し、70℃に昇温することにより重合を開始させた。重合による発熱が収まった後1時間攪拌速度450rpmで攪拌しながら系内の温度を60℃〜70℃の温度に制御した。レイノルズ数は2771であった。共沸脱水によって、300gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸液性樹脂Fを得た。平均粒径は20μmであった。また、1次粒子同士が殆ど凝集しない状態で粒子が得られていた。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例7》
攪拌翼径65mmのマックスブレンド翼を備え付け、攪拌速度を650rpmに設定した他は実施例6と同様の操作により吸液性樹脂Gを得た。レイノルズ数は1494であった。平均粒径は29μmであった。また、1次粒子同士が殆ど凝集しない状態で粒子が得られていた。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例8》
攪拌翼径95mmの3段ピッチドパドル翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン760g、レオドールSP−S10V(ソルビタンステアレート、花王株式会社製)9.0gを仕込んだ後、還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付けた後、表示攪拌速度700rpmで攪拌を開始した。一方、2LのディスカップにTBAS−Q(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、MRCユニテック株式会社製)200gを加え、外部より冷却しつつヒドロキシ−テトラメチル-1-ピペリジンオキシルを0.02g含み水酸化ナトリウム29.4gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液350gを滴下してTBAS−Qを中和した。
この液にアクリルアミド150g、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.15g、過硫酸アンモニウム0.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する単量体水溶液の全体の15%の水溶液を上述のシクロヘキサンに添加し、亜硫酸水素ナトリウム0.2gを粉末状態で添加した後、70℃に昇温することにより重合を開始させた。重合開始後残りの85%の単量体水溶液を16g/minの早さで重合させながら滴下した。滴下後、DKエステルF−90(ショ糖脂肪酸エステル、第一工業製薬株式会社製)3.0gを添加した。1時間攪拌速度700rpmで攪拌しながら系内の温度を60℃〜70℃の温度に制御した。この時、レイノルズ数は2751であった。共沸脱水によって、300gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸液性樹脂Hを得た。平均粒径は21μmであった。吸液特性を表−1にまとめた。高い吸液性能が得られていることがわかる。
《実施例9》
攪拌速度を300rpmに設定した他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Iを得た。レイノルズ数は1179であった。平均粒径は65μmであった。吸液特性を表−1にまとめた。
《実施例10》
攪拌速度を220rpmに設定した他は実施例6と同様の操作により吸液性樹脂Jを得た。レイノルズ数は1370であった。平均粒径は60μmであった。吸液特性を表−1にまとめた。
《実施例11》
攪拌速度を300rpmに設定した他は実施例7と同様の操作により吸液性樹脂Kを得た。レイノルズ数は689であった。平均粒径は80μmであった。吸液特性を表−1にまとめた。
《比較例1》
攪拌翼径95mmの3段ピッチドパドル翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン760g、レオドールSP−S10V(ソルビタンステアレート、花王株式会社製)9.0gを仕込んだ後、還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付け、攪拌速度1000rpmで攪拌を開始した。一方、2Lのディスカップにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ50.0gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液350gを滴下してアクリル酸を中和した。
この液にアクリルアミド100g、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.15g、過硫酸アンモニウム0.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する単量体水溶液を上述のシクロヘキサンに添加し、亜硫酸水素ナトリウム0.2gを粉末状態で添加した後、70℃に昇温することにより重合を開始させた。攪拌速度300rpmで1時間攪拌しながら系内の温度を60℃〜70℃の温度に制御した。共沸脱水によって、300gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸液性樹脂Lを得た。吸液特性を表−1にまとめた。
《比較例2》
攪拌翼径105mmのアンカー翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にTBAS−Q200gを加え、攪拌速度200rpmで攪拌しながら外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム29.4gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液700gを滴下してTBAS−Qを中和した。この液にアクリルアミド150g、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.5gを添加した後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。次に系内の温度を40℃まで上昇させた後過硫酸アンモニウム0.6g、亜硫酸水素ナトリウム0.6gを加え重合を開始させた。5分後重合が開始し、15分で系内の温度は60℃を超えフラスコ内にゲル状の塊が形成された。65℃に攪拌速度200rpmで攪拌しながら系内の温度を60℃〜70℃の温度に2時間保持した後ゲルをフラスコから取り出した。取り出したゲルを減圧下、70℃で乾燥させ、吸液性樹脂Mを得た。吸液性樹脂Mは使用するに際し粉砕する必要があり、ある程度砕いた後振動ミルにより粉砕を行った。吸液特性を表−1にまとめた。
前記実施例において、平均粒径がレイノルズ数によりコントロールされていることがわかる。
Figure 2006152143
レイノルズ数と(吸液性樹脂の平均粒径/攪拌翼径)との関係を示す直線を表したグラフである。 本発明の吸液性樹脂粒子の状態を示す図である。

Claims (6)

  1. 攪拌翼で攪拌しながら、疎水性有機溶媒に、スルホン酸基またはそのアルキル金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物とラジカル重合開始剤とを含んでなる水溶液を懸濁させ、界面活性剤の存在下に逆相懸濁重合させることにより吸液性樹脂を製造する方法において、吸液性樹脂の1次粒子径と攪拌翼径とレイノルズ数との関係式(1)を満足するようにレイノルズ数を制御しながら攪拌することを特徴とする吸液性樹脂の製造方法。
    Figure 2006152143
    (式中、dは攪拌翼径、Reはレイノルズ数、kは吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径を攪拌翼径で割った数値をレイノルズ数に対し両対数プロットを行った場合に得られる直線の切片(Re=1に相当する値)、kは傾きの絶対値を示す。)
  2. 前記水溶液中にさらに2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体、及び/又は前記単量体混合物中の単量体の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物を含む請求項1記載の吸液性樹脂の製造方法。
  3. 逆相懸濁重合が終了した後、疎水性有機溶媒と水との共沸脱水により水を除去する請求項1又は2記載の吸液性樹脂の製造方法。
  4. 前記界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸液性樹脂の製造方法。
  5. 逆相懸濁重合が終了した後、ショ糖脂肪酸エステルを添加する請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸液性樹脂の製造方法。
  6. 前記スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体が、2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸またはそのアルカリ金属塩である請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸液性樹脂の製造方法。














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