JP2006151930A - 有機el素子用化合物及び有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機EL素子に用いたときに、十分な輝度及び発光効率が得られる有機EL素子化合物、並びに十分な輝度及び発光効率を有する有機EL素子を提供すること。
【解決手段】
下記一般式(1)で表される構造を備える有機EL素子用化合物。
Figure 2006151930

[式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、互いに連結して環を形成していてもよい。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス、電界発光)素子用化合物、及びこれを用いた有機EL素子に関する。
有機EL素子の発光層における発光材料等として用いることができる有機EL素子用化合物としては、これまでに、例えば、クマリン誘導体や、ジシアノメチレンチオピラン誘導体が知られている(例えば、特許文献1。)。
特許第2814435号公報
しかしながら、有機EL素子の素子特性の更なる向上が求められており、従来の有機EL素子用化合物の場合、得られる有機EL素子の輝度や発光効率が必ずしも未だ十分なものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有機EL素子に用いたときに、十分な輝度及び発光効率が得られる有機EL素子化合物、並びに十分な輝度及び発光効率を有する有機EL素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、特定の縮合芳香族環を含んだ構造を備える一連の化合物が、有機EL素子に用いたときに十分な輝度及び発光効率を発現させることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明の有機EL素子用化合物は、下記一般式(1)で表される構造を備えるものである。
Figure 2006151930
式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、互いに連結して環を形成していてもよい。
式(1)において、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11から選ばれる少なくとも1組の2つの基が互いに連結して環を形成することにより、当該2つの基が結合する芳香族環を含んだπ共役系が形成されていることが好ましい。これにより、有機EL素子用化合物が、分子中のより広い範囲で共役するπ共役系が形成される結果、発光材料として用いたときの輝度が更に高まる。さらには、発光材料として用いたときに、有機EL素子の発光寿命が長寿命化される。
このようなπ共役系が形成されている有機EL素子用化合物としては、下記一般式(10)で表されるものが、好ましい。
Figure 2006151930
式(10)において、Aは、これが結合する芳香族環を含んでπ共役系を形成している2価の有機基、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、A、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は互いに連結して環を形成していてもよい。
式(10)で表される有機EL素子用化合物は、特定の位置(式中のAの位置)に新たなπ共役系が形成されていることにより、有機EL素子の輝度が特に顕著に改善される。
本発明の有機EL素子用化合物は、式(10)におけるAの位置で5員環が形成されている、下記一般式(10a)で表されるものであることがより好ましい。
Figure 2006151930
式中、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は互いに連結して環を形成していてもよい。
式(10a)におけるように、新たに5員環が形成されることにより、有機EL素子用化合物の蛍光性が強まる。蛍光性が強まることによって、例えば、発光材料として用いたときの輝度がより大きくなる。
本発明の有機EL素子用化合物は、蛍光性を更に強めるため、下記一般式(10b)で表されるものであることがより好ましい。
Figure 2006151930
式(10b)において、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は互いに連結して環を形成していてもよい。
また、本発明の有機EL素子用化合物は、上記式(10b)のものよりもさらに蛍光性を強めるため、下記一般式(10c)で表されるものであることがより一層好ましい。
Figure 2006151930
式(10c)中、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R17、R18、R19、R20及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R17、R18、R19、R20及びR21は互いに連結して環を形成していてもよい。
式(10b)及び式(10c)において、R14及びR17は、輝度及び発光効率が特に優れる点から、置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましい。
あるいは、本発明の有機EL素子用化合物は、下記一般式(20)又は(30)で表されるものであってもよい。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(20)及び(30)中、L及びLは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は置換基を有していてもよいアルケニレン基、Rは1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、互いに連結して環を形成していてもよく、複数存在するR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(20)又は(30)で表される有機EL素子用化合物は、特にホール輸送特性に優れるため、ホール注入層やホール輸送層等におけるホール輸送性材料として好適に用いることができる。
本発明の有機EL素子用化合物は、電界の印加により発光及び/又は電荷輸送を生じるものであることが好ましい。
本発明の有機EL素子は、互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備え、有機層の少なくとも1つが、上記本発明の有機EL素子用化合物を含有する有機EL素子用化合物含有有機層であることを特徴とする有機EL素子である。この有機EL素子においては、有機EL素子用化合物含有有機層が、発光層、電荷輸送層又は電荷注入層であることが好ましい。この本発明の有機EL素子は、上記本発明の有機EL素子用化合物を用いていることにより、優れた輝度及び発光効率を有する。
有機EL素子用化合物含有有機層は、アントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体及びアルミニウム錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種のホスト材料を含有することが好ましい。これにより、青色〜黄色の領域が向上する。
また、本発明の有機EL素子は、基板と、基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極及び第2の電極と、これらの電極間に配置された1又は2以上の有機層と、を備え、第1の電極及び第2の電極の一方がホール注入電極、他方が電子注入電極であり、有機層の少なくとも1つが、上記本発明の有機EL素子用化合物を含有する発光層であることを特徴とするものである。
あるいは、本発明の有機EL素子は、基板と、基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極及び第2の電極と、これらの電極間に配置された1又は2以上の有機層と、を備え、第1の電極及び第2の電極の一方がホール注入電極、他方が電子注入電極であり、ホール注入電極に隣接する有機層が、上記本発明の有機EL素子用化合物を含有するホール注入層であることを特徴とするものであってもよい。
本発明によれば、有機EL素子に用いたときに十分な輝度及び発光効率が得られる有機EL素子化合物が提供される。また、十分な輝度及び発光効率を有する有機EL素子が得られる。また、本発明の有機EL素子用化合物を発光層に用いた有機EL素子は、十分に長い発光寿命を有する。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(有機EL素子用化合物)
本発明に係る有機EL素子用化合物は、上記一般式(1)で表される構造を備えたアザ−ベンゾアントラセン化合物からなるものである。式(1)において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は水素原子又は1価の有機基である。
は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基であることが好ましい。これらの中でも、輝度及び発光効率の点等から、Rは置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
また、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基であることが好ましい。これらの中でも、水素原子及び置換基を有していてもよいアリール基が特に好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その炭素数は2〜20がよく、2〜14がより好ましい。複素環基としては、ヘテロ元素としてN、O及びSからなる群より選ばれる原子(より好ましくはN及びSからなる群より選ばれる原子)の少なくとも1つを有する複素環基(単環式でも縮合環式でもよい。)が好ましい。なお、本発明における、置換基を有していてもよい複素環基は、「置換基を有していてもよい複素環状化合物」から導かれる1価の基を意味する。
アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基が有することのできる置換基としては、ハロゲン原子、炭素数4〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、炭素数8〜20のアラルキルオキシアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルコキシ基、炭素数8〜20のアリールアルケニル基、炭素数9〜20のアラルキルアルケニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルチオ基、炭素数2〜20のアルキルチオアルキルチオ基、炭素数2〜20のアルケニルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数8〜20のアラルキルオキシアルキルチオ基、炭素数8〜20のアラルキルチオアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルチオ基、炭素数7〜20のアリールチオアルキルチオ基、炭素数4〜20のヘテロ原子含有の環状アルキル基が挙げられ、置換は単置換でも多置換でもよい。
アリール基、アリールオキシ基、複素環基が有することのできる置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基が挙げられ、置換は単置換でも多置換でもよい。
アミノ基が有することのできる置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、が挙げられ、置換は単置換でも多置換でもよい。
置換基を有していてもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
有機EL素子に適用した際の輝度及び発光効率の点からは、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は1〜12がよく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。したがって、置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
アリール基としては、スチリル基や、ビニル基などのアリル基が好ましい。置換基を有していてもよいアリール基のより具体的な例としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、5−インダニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−ノニルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メトキシ−5−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、p−フェニル基、m−ビフェニル基、o−ビフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−エトキシ−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−エトキシ−2−ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、ターフェニル基が挙げられる。
有機EL素子に適用した際の輝度及び発光効率の点からは、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は6〜18がよく、フェニル基が特に好ましい。
置換基を有していてもよいアルケニル基の具体例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、メチルペンテニル基、ジメチルブテニル基、エチルブテニル基、ヘプテニル基、メチルヘキセニル基、オクテニル基、メチルヘプテニル基、エチルヘキセニル基、プロピルペンテニル基、ノネニル基、ジメチルヘプテニル基、ジメチルヘプテニル基、トリメチルヘキセニル基、デセニル基、ウンデセニル基、メチルデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキシルヘプテニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセネル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、メチルシクロヘキセニル基、ブチルシクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチルブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。
有機EL素子に適用した際の輝度及び発光効率の点からは、置換基を有していてもよいアルコキシ基の炭素数は1〜12がよく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい。したがって、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
置換基を有していてもよいアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−n−ブチルフェノキシ基、4−イソブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、4−イソペンチルフェノキシ基、4−tert−ペンチルフェノキシ基、4−n−ヘキシルフェノキシ基、4−シクロヘキシルフェノキシ基、4−n−ヘプチルフェノキシ基、4−n−オクチルフェノキシ基、4−n−ノニルフェノキシ基、4−n−デシルフェノキシ基、4−n−ウンデシルフェノキシ基、4−n−ドデシルフェノキシ基、4−n−テトラデシルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、5−インダニルオキシ基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフトキシ基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフトキシ基、2−メトキシフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−エトキシフェノキシ基、4−エトキシフェノキシ基、4−n−プロポキシフェノキシ基、4−イソプロポキシフェノキシ基、4−n−ブトキシフェノキシ基、4−イソブトキシフェノキシ基、4−n−ペンチルオキシフェノキシ基、4−n−ヘキシルオキシフェノキシ基、4−シクロヘキシルオキシフェノキシ基、4−n−ヘプチルオキシフェノキシ基、4−n−オクチルオキシフェノキシ基、4−n−ノニルオキシフェノキシ基、4−n−デシルオキシフェノキシ基、4−n−ウンデシルオキシフェノキシ基、4−n−ドデシルオキシフェノキシ基、4−n−テトラデシルオキシフェノキシ基、2,3−ジメトキシフェノキシ基、2,4−ジメトキシフェノキシ基、2,5−ジメトキシフェノキシ基、3,4−ジメトキシフェノキシ基、3,5−ジメトキシフェノキシ基、3,5−ジエトキシフェノキシ基、2−メトキシ−4−メチルフェノキシ基、2−メトキシ−5−メチルフェノキシ基、3−メトキシ−4−メチルフェノキシ基、2−メチル−4−メトキシフェノキシ基、3−メチル−4−メトキシフェノキシ基、3−メチル−5−メトキシフェノキシ基、4−フェニルフェノキシ基、3−フェニルフェノキシ基、4−(4’−メチルフェニル)フェノキシ基、4−(4’−メトキシフェニル)フェノキシ基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−エトキシ−1−ナフトキシ基、6−n−ブチル−2−ナフトキシ基、6−メトキシ−2−ナフトキシ基、7−エトキシ−2−ナフトキシ基が挙げられる。
置換基を有していてもよい複素環基の具体例としては、ビピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、ピリジル基、チエニル基、フリル基、オキサジアゾイル基、イミダゾピリジル基、ベンゾチアゾール基等が挙げられ、置換基を有していてもよいアミノ基の具体例としては、アミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基が挙げられる。
〜R11は、互いに同一でも異なっていてもよい。異なる場合において、上記例示した基のいずれの組み合わせも可能である。R〜R11はまた、互いに連結して環を形成していてもよい。この環はこれらの基が結合する芳香族環とともに縮合環を形成していてもよく、置換基を有していてもよい。また、炭素の他に、窒素、酸素、硫黄等のヘテロ原子を含んで環が形成されていてもよい。
環形成がされる場合において、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11から選ばれる少なくとも1組の2つの基が互いに連結して環を形成することにより、この2つの基が連結して形成された環が結合する芳香族環を含んだπ共役系が形成されていることが好ましい。この場合、隣接する2つの基(R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR、R及びR10、並びにR10及びR11のそれぞれの組み合わせから選ばれる少なくとも1組の2つの置換基)が互いに連結して、この2つの基が結合する芳香族環とともに縮合芳香族環を構成する芳香族環を少なくとも1つ形成していることが好ましい。
式(1)において、上記のようなπ共役系が形成されている場合において、有機EL素子用化合物は、上記一般式(10)で表されるものであることが好ましい。式(10)において、Aは、これが結合する芳香族環を含んでπ共役系を形成している2価の有機基であり、式(1)におけるR及びRが連結して形成された環の一部を構成する基に相当する。
式(10)におけるR、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、その好ましい態様も含めて、式(1)におけるR、R、R、R、R、R、R、R10及びR11と同義である。
式(10)で表される有機EL素子用化合物の好適な例としては、上記式(10a)で表されるものが挙げられる。式(10a)において、R12及びR13は、その好適な態様も含めて、上記R、R、R、R、R、R、R10及びR11と同様のものである。
また、式(10a)中のR12及びR13が連結してベンゼン環を形成した場合に相当する、上記式(10b)で表される有機EL素子用化合物がより好ましい。式(10b)において、R14、R15、R16及びR17は、その好適な態様も含めて、上記R、R、R、R、R、R、R10及びR11と同様のものである。
更には、式(10b)中のR15及びR16が連結してベンゼン環を形成した場合に相当する、上記式(10c)で表される有機EL素子用化合物がより一層好ましい。式(10c)において、R18、R19、R20及びR21は、その好適な態様も含めて、上記R、R、R、R、R、R、R10及びR11と同様のものである。但し、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R18、R19、R20及びR21が、いずれも水素原子であることが特に好ましい。
ここで、式(10b)及び(10c)においては、R14及びR17がともに置換基を有していてもよいアリール基であることが特に好ましい。このような有機EL素子用化合物の好適な具体例としては、下記化学式(I−1)で表されるアザ−ベンゾアントラセン化合物が挙げられる。あるいは、式(I−1)における水素の1又は2以上が1価の有機基によって置換された構造を備えるものであってもよい。この場合の1価の有機基としては、R〜R11について上述したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2006151930
式(10c)で表されるアザ−ベンゾアントラセン化合物の他の好適な具体例としては、下記一般式(1C)〜(46C)で表されるアザ−ベンゾアントラセン化合物が挙げられる。これら、アザ−ベンゾアントラセン化合物は、π電子の共役に基づく特性(輝度、発光効率等)向上が顕著である。
Figure 2006151930
式(1C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R41、R42、R43、R44及びR45は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R41、R42、R43、R44及びR45は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(1C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
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Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(2C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44及びR45は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44及びR45は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(2C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(3C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44及びR45は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44及びR45は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(3C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(4C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(4C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(5C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(5C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(6C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(6C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(7C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(7C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(8C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(8C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(9C)中、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は上記と同義であり(好適例についても同様)、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシアルキルオキシ基、炭素数4〜20のアラルキルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキル基、炭素数5〜20のアラルキルオキシアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアリールオキシアルキルオキシ基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニル基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜20のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルカルボニルオキシ基、炭素数5〜20のアラルキルカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20のN−モノ置換アミノ基、又は炭素数2〜40のN,N−ジ置換アミノ基である。R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16、R17、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R41、R42、R43、R44、R45、R46及びR47は互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(9C)で表される化合物としては以下の化合物が例示できる。
Figure 2006151930
式(10)で表される有機EL素子用化合物の他の好適な具体例としては、例えば、下記化学式(10d)又は(10e)で表される構造を備えるアゾ−ベンゾアントラセン化合物が挙げられる。
Figure 2006151930
式(10d)及び(10e)において、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14及びR17は、式(10c)の説明において上述したものと、その好適な態様も含めて同義のものである。また、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100は上記R〜R11と、R101はRとその好適な態様も含めて同様のものである。ただし、式(10d)におけるR、R、R、R、R、R、R10、R11、R91、R92、R93、R94、R95及びR96、並びに式(10e)におけるR、R、R、R、R、R、R10、R11、R91、R92、R95、R96、R97、R98、R99及びR100は、何れもが水素原子であることが好ましい。
式(10d)で表されるアゾ−ベンゾアントラセン化合物の特に好適な具体例としては、以下の化学式(II−1)〜(II−36)で表されるものが挙げられる。あるいは、これら式における水素の1又は2以上が1価の有機基によって置換された構造を備えるものであってもよい。この場合の1価の有機基としては、R〜R11について上述したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
式(10e)で表されるアゾ−ベンゾアントラセン化合物の特に好適な具体例としては、以下の化学式(III−1)〜(III−18)で表されるものが挙げられる。あるいは、これら式における水素の1又は2以上が1価の有機基によって置換された構造を備えるものであってもよい。この場合の1価の有機基としては、R〜R11について上述したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2006151930
式(10)で表される有機EL素子用化合物の更に他の好適な具体例としては、以下の化学式で表されるものが挙げられる。あるいは、これら化学式における水素の1又は2以上が1価の有機基によって置換された構造を備えるものであってもよい。この場合の1価の有機基としては、R〜R11について上述したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
本発明の有機EL素子用化合物の他の好適な具体例として、上記化学式(20)又は(30)で表されるものが挙げられる。式(20)及び(30)において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、式(1)の説明において上述したものと、その好適な態様も含めて同義のものである。
及びLは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は置換基を有していてもよいアルケニレン基である。これらの中でも、置換基を有していてもよいアリーレン基が好ましい。
及びLである置換基を有していてもよいアルキレン基におけるアルキレン基、及び置換基を有していてもよいアルケニレン基におけるアルキレン基は、直鎖状でもよいし、分岐構造若しくは環状構造を有していてもよく、炭素数1〜30であるものが好ましい。
及びLである置換基を有していてもよいアリーレン基におけるアリーレン基としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、1,4ナフチレン基、2,6−ナフチレン基又はターフェニレン基が好ましい。
式(20)で表される有機EL素子用化合物としては、より具体的には、下記化学式(VII−1)、(VII−2)又は(VII−3)で表される構造、又はこれら各化学式における水素原子の1又は2以上が1価の有機基によって置換された構造を備えるものが挙げられる。この場合の1価の有機基としては、R〜R11について上述したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2006151930
式(20)で表される有機EL素子用化合物の他の具体例としては、以下の式で表されるものが挙げられる。
Figure 2006151930
ここで、上記式等におけるL好適な具体例としては、以下の式に示す2価の基が挙げられる。
Figure 2006151930
式(30)で表される有機EL素子用化合物としては、より具体的には、下記化学式(VIII−1)で表されるもの、又はこの化学式における水素原子の1又は2以上が1価の有機基によって置換された構造を備えるものが挙げられる。この場合の1価の有機基としては、R〜R11について上述したものと同様のものが挙げられる。
Figure 2006151930
以上のような特定の構造を有する本発明の有機EL素子用化合物は、金属錯体触媒を用いたクロスカップリング反応等の公知の合成反応を含む合成経路により、得ることができる。例えば、上記式(10)で表される有機EL素子用化合物の場合、下記一般式(a1)で表される化合物と、下記一般式(b)で表される化合物を反応させて、下記一般式(c1)で表される化合物を得るステップ(以下「第1ステップ」という)と、下記一般式(c1)で表される化合物と、下記一般式(d)で表される化合物を反応させて上記一般式(10)で表される有機EL素子用化合物(アザ−ベンゾアントラセン化合物)を得るステップ(以下「第2ステップ」という)と、を含む製造方法により、製造可能である。下記式中、Xはハロゲン原子、ZはMgX、BQ、SnBu又はZnXをそれぞれ示す。ここで、MgXにいおけるXもハロゲン原子であり、BQにおけるQは水酸基(−OH)又はエステル基である。なお、Bはホウ素原子、Znは亜鉛原子である。
Figure 2006151930
第1ステップはカップリング反応であり、鈴木カップリング(BQを用いる場合)、Stileカップリング(SnBuを用いる場合)、Grignard反応(MgXを用いる場合)として公知の条件を適用可能である。鈴木カップリングについては、例えば、X.Bei,HW.Turner et.al.J.Org.Chem.,64,6797(1999)、Hobbs,P.D.;Upender,V,Chem.Comm.923(1996)等を参考にでき、Stileカップリングについては例えば、A.F.Littke,G.C.Fu,Angew Chem.,Int.Ed.Engl.,38,2411(1999)、E.Piers et al,Tetrahedron 1991,47,4555が参考にできる。また、Grignard反応についてはH.Gilman,J.E.Kirby,J.Am.Chem.Soc.,51,1571(1929),M.S.Kharasch,E.K.Fields,J.Am.Chem.Soc.,63,2316(1941)が参考にできる。
第1ステップはホウ酸体若しくはホウ酸エステル体とハロゲン体とを用いた、スズキカップリング反応によるカップリング反応が有効である。用いる触媒はパラジウム系触媒が好ましく、特にパラジウム0価の錯体が好ましい。パラジウム0価の錯体としては、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0)等が挙げられる。また、パラジウム2価の錯体も触媒として用いることができる。パラジウム2価の錯体としては、ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)、パラジウム(II)アセテート等が挙げられる。また、ニッケル錯体も触媒として用いることができる。ニッケル錯体としては、ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロニッケル(II)等が挙げられる。溶媒はトルエン/エタノール、キシレン/エタノール、テトラヒドロラン/エタノールなどの混合溶媒や、ジメトキシエタンなどが使用できる。用いるハロゲン体はI>Br>Clの順番で反応性が高い。溶媒中にホウ酸体、ハロゲン体、触媒を加えて、塩基としてNa2CO3、K2CO3、Ca(OH)、Na(OH)、などの飽和水溶液を加えたあと、60〜80℃で反応させる。反応後はトルエンを加え、分液ロートを用いて蒸留水で洗浄を行うと良い。分離精製はシリカゲルクロマトグラフィーを用いて行うことができる。
第2ステップはハロゲンとアミンとのカップリングによるヘテロ環形成反応である。この反応は、分子内2個のハロゲン原子とアミン体が反応することにより、新たな縮合環を形成することを特徴としている。反応はハロゲン−アミンの反応を促進する機構ならば特に制限されない。触媒としてはパラジウム0価または2価の錯体を用いた反応が好ましい。例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0)、ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)、パラジウム(II)アセテート、などが挙げられる。溶媒はベンゼン、トルエン、キシレン、が好ましい。例えば、溶媒にハロゲン体、アミン体を投入後、触媒を加えさらに塩基としてt・BuONa、t・BuOKを添加後、リフラックス温度で反応させることで反応を進行させることができる。反応温度は100〜140℃が好ましい。反応時間は骨格にもよるが、2〜12時間で終了する。反応後、水を投入して反応を終了させ、トルエンで抽出し、分液ロートにて蒸留水洗浄を行うとよい。分離精製はシリカゲルクロマトグラフィーを用いて行うことができる。
上記のようなステップを含む合成方法において、用いる原料を適宜選択することにより、所望の置換基や縮合環を有する有機EL素子用化合物を合成できる。例えば、上記式(10c)で表される有機EL素子用化合物の場合、式(a1)で表される化合物として、下記一般式(a2)で表される化合物を用いることにより、製造できる。
Figure 2006151930
一方、上記一般式(20)で表される化合物の場合、例えば、下記一般式(a3)で表される化合物と、下記一般式(b)で表される化合物を反応させて、下記一般式(c3)で表される化合物を得るステップ(第1ステップ)と、下記一般式(c3)で表される化合物と、下記一般式(e)で表される化合物を反応させて上記一般式(20)で表される有機EL素子用化合物を得るステップ(第2ステップ)と、を含む製造方法により、製造可能である。下記式中のXは、上記式(a1)におけるものと同義である。
Figure 2006151930
以上述べたような有機EL素子用化合物は、例えば、以下に述べるような有機EL素子における有機層に含有させて用いる。
(有機EL素子)
図1は、本発明に係る有機EL素子の第1実施形態(単層型有機EL)を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子100は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、発光層10が挟持された構造を有している。
図2は、本発明に係る有機EL素子の第2実施形態(2層型有機EL)を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子200は、図1における有機EL素子100の第1の電極1と発光層10との間にホール輸送層11を設けた構造を有している。
図3は、本発明に係る有機EL素子の第3実施形態(3層型有機EL)を示す模式断面図である。図3に示す有機EL素子300は、図2における有機EL素子200の第2の電極2と発光層10との間に電子輸送層12が設けられた構造を有している。
図4は、本発明に係る有機EL素子の第4実施形態(4層型有機EL)を示す模式断面図である。図4に示す有機EL素子400は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、発光層10及び電子注入層13はいずれも有機物を主成分とする有機層であり、第1の電極1側からこの順に積層されている。なお、電子注入層13は無機層(金属層、金属化合物層等)とすることもできる(以下同様)。
図5は、本発明に係る有機EL素子の第5実施形態(5層型有機EL)を示す模式断面図である。図5に示す有機EL素子500は、図4における有機EL素子400の電子注入層13と発光層10の間に有機層である電子輸送層12を設けた構造を有している。
なお、上記第1〜第5実施形態、並びに後述する第6実施形態において、第1の電極1は基板4上に形成されている。また、発光層、ホール輸送層、電子輸送層、ホール注入層及びホール輸送層の好適な厚さは、いずれも5〜100nmである。
上記第1〜第5実施形態における発光層10は、上述の本発明の有機EL素子用化合物を発光材料として含有している。当該化合物は、電界の印加により典型的には青色(シアン色)に発光する。
上記実施形態においては、第1の電極1がホール注入電極として、第2の電極2が電子注入電極としてそれぞれ機能する。電源Pによる電界の印加により、第1実施形態においては発光層10(第2及び3実施形態ではホール輸送層11、第4及び5実施形態ではホール注入層14)に対して、第1の電極1からホール(正孔)が注入されるとともに、発光層10(第2実施形態においても発光層10、第3実施形態では電子輸送層12、第4及び5実施形態では電子注入層13)に対して、第2の電極2から電子が注入され、これらホール及び電子の再結合に基づいて発光層10中の有機EL素子用化合物が発光する。
図6は、本発明に係る有機EL素子の第6実施形態(6層型有機EL)を示す模式断面図である。図6に示す有機EL素子600は、互いに対向して配置されている2つの電極(第1の電極1及び第2の電極2)により、ホール注入層14、ホール輸送層11、第1発光層10a、第2発光層10b、電子輸送層12及び電子注入層13が挟持された構造を有している。ホール注入層14、ホール輸送層11、第1発光層10a、第2発光層10b、電子輸送層12及び電子注入層13は、第1の電極1側からこの順に積層されている。第1発光層10aは黄色発光材料となるナフタセン誘導体(ルブレン誘導体等)を含有しており、第2発光層10bは本発明に係る有機EL素子用化合物を含有している。
第6実施形態においても、第1の電極1及び第2の電極2がそれぞれホール注入電極及び電子注入電極として機能し、電源Pによる電界の印加により、第5実施形態と同様にホール及び電子が注入され、これらホール及び電子の再結合に基づいて、第1発光層10a及び第2発光層10bが発光する。これら2つの発光層の発光により、第6実施形態に係る有機ELは全体として白色光を発する。なお、第5実施形態における発光層10に有機EL素子用化合物及びナフタセン誘導体を併用し、分散状態を制御することにより白色発光等する有機EL素子としてもよい。
なお、第6実施形態の発光層については、上記のような態様に代えて、第1発光層10aに本発明に係る有機EL素子用化合物を含有させて、第2発光層10bにジスチリルアミン誘導体等を含有させて白色等に発光させる態様も好適に採用できる。
第1〜第6実施形態のいずれにおいても、青色発光材料となる有機EL素子用化合物を含む発光層は、当該有機EL素子用化合物が、ホスト材料(電荷輸送性材料)であるアントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体及びアルミニウム錯体から選ばれるホスト材料中に分散するように配されたものであることが好ましい。このアントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体及びアルミニウム錯体の詳細については後述する。
また、黄色発光材料となるナフタセン誘導体を含む発光層は、当該ナフタセン誘導体が、アントラセン誘導体及び/又はテトラアリールジアミン誘導体中に分散するように配されたものであってもよい。これらアントラセン誘導体及びテトラアリールジアミン誘導体は、それぞれ電子輸送材料及びホール輸送材料としての機能を有している。
なお、上記ホスト材料は、アントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体、アルミニウム錯体が好ましいが、これらに限定されるものではなく、これら以外のホスト材料を適宜選択して用いてもよい。
さらに、上記のような各実施形態において、電荷注入層(ホール注入層又は電子注入層)や、電荷輸送層(ホール輸送層又は電子輸送層)に、本発明の有機EL素子用化合物を含有させてもよい。この場合において、上記一般式(20)又は(30)で表される有機EL素子用化合物はホール輸送性に特に優れるため、これら化合物をホール注入層又はホール輸送層に含有させることが好ましい。
(ナフタセン誘導体)
本発明の有機EL素子において発光材料として用いることのできるナフタセン誘導体としては、以下の一般式(2)で表される化合物が好ましい。式(2)中、R110、R111、R112、R113、R114、R115、R116及びR117は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、アルケニル基、複素環基又はアルキル基を示す。
Figure 2006151930
110、R111、R112、R113、R114、R115、R116及びR117(以下「R110〜R116」と略す。)であるアリール基としては、単環若しくは多環のものが採用でき、縮合環や環集合であってもよい。各置換基の炭素数は6〜30が好ましい。アリール基の好適な具体例としては、フェニル基、トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、フェナントリル基が挙げられる。
110〜R116であるアルケニル基としては、少なくとも置換基の1つにフェニル基を有するものが好ましい。具体的には、1−フェニルエテニル基若しくは2−フェニルエテニル基、1,2−ジフェニルエテニル基、2,2−ジフェニルエテニル基、1,2,2−トリフェニルエテニル基が好ましい。
110〜R116であるアリールオキシ基としては、総炭素数6〜18のアリール基を有するものが好ましく、このような基としては、o−フェノキシ基、m−フェノキシ基、p−フェノキシ基が挙げられる。
110〜R116であるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基等のいずれでもよい。これらは、総炭素数1〜6の脂肪族及び/又は1〜4環の芳香族炭素環を有することが好ましい。このような基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビスビフェニリルアミノ基、ジナフチルアミノ基が挙げられる。
110〜R116である複素環基としては、ヘテロ原子としてO、N、Sを含有する5員または6員環の芳香族複素環基、炭素数2〜20の縮合多環芳香複素環基が挙げられる。また、芳香族複素環基及び縮合多環芳香複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾチアゾール基が挙げられる。なお、上記置換基の2種以上は縮合環を形成していても、更に置換基を有していてもよい。この場合に更に有する置換基としては上述の置換基が挙げられる。
110〜R116が置換基を有する場合、少なくともその2種以上が上記置換基を有することが好ましい。置換位置は特に限定されず、メタ、パラ、オルト位のいずれでもよい。なお、R110とR113、R111とR112はそれぞれ同じものであることが好ましいが、互いに異なっていてもよい。
一般式(2)で表されるナフタセン誘導体は、以下の一般式(2a)で表される化合物であることが好ましい。式(2a)中、R51、R52、R53、R54、R55、R61、R62、R63、R64、R65、R71、R72、R73、R74、R75、R81、R82、R83、R84及びR85は、それぞれ独立に水素原子、アリール基、アミノ基、複素環基、アリールオキシ基又はアルケニル基を示し、R45、R46、R47及びR48は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を示す。
Figure 2006151930
アリール基、アミノ基、複素環基およびアリールオキシ基の好ましい態様は、R41〜R44におけるのと同様である。また、R51、R52、R53、R54及びR55(以下「R51〜R55」と略す。)、R61、R62、R63、R64及びR65(以下「R61〜R65」と略す。)、R71、R72、R73、R74及びR75(以下「R71〜R75」と略す。)、R81、R82、R83、R84及びR85(以下「R81〜R85」と略す。)は、それぞれ同一であることが好ましいが、互いに異なっていてもよい。
51〜R55、R61〜R65、R71〜R75及びR81〜R85であるアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基が挙げられる。これらは、総炭素数1〜6の脂肪族及び/又は1〜4環の芳香族炭素環を有することが好ましい。このような基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビスビフェニリルアミノ基が挙げられる。
ナフタセン誘導体のより具体的な好適例としては、以下に示すルブレン(EDM−1)が挙げられる。
Figure 2006151930
(アントラセン誘導体)
ホスト材料(電荷輸送性材料)として用いることのできるアントラセン誘導体は、特に制限されないが、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(3a)又は(3b)で表される化合物であることがより好ましい。なお、式(3)中、Arはモノフェニルアントリル基又はジフェニルアントリル基を示し、L10は水素原子、単結合、二価又は三価の連結基を示し、nは1〜3の整数を示す。ここで、nが2以上の場合、2つ以上のArはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。また、式(3a)及び(3b)中、M、M、M及びMは、それぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は複素環基を示し、q1、q2、q3及びq4は、それぞれ独立に0〜5の整数を示す。また、nは1分子中のジフェニルアントリル基の数を示し、L11及びL12は連結基を示す。なお、一般式(3a)において、nは1〜3の整数であり、nが1の場合、L11は水素原子であり、nが2の場合、L11は単結合又はアリーレン基である。また、一般式(3b)において、L12は単結合又はアリーレン基である。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
Figure 2006151930
、M、M及びM(以下「M〜M」と略す。)としてのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、その炭素数は1〜10が好ましく1〜4がより好ましい。好適なアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
また、M〜Mであるアリール基は、炭素数6〜20のものが好ましく、フェニル基、トリル基等の置換基を有していてもよい。このようなアリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ピレニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、フェニルアントリル基、トリルアントリル基等が挙げられる。
〜Mであるアルケニル基は、炭素数6〜50のものが好ましく、アリール基(フェニル基等)等のような置換基を有していてもよい。このようなアルケニル基としては、トリフェニルビニル基、トリトリルビニル基、トリビフェニルビニル基が挙げられる。
〜Mであるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基等のアルキル基部分の炭素数が1〜6のものが好ましい。なお、アルコキシ基は更に置換されていてもよい。また、M〜Mであるアリールオキシ基としては、フェノキシ基が挙げられる。
〜Mであるアミノ基は、未置換でも置換基を有するものであってもよいが、置換基を有することが好ましく、この場合の置換基としてはアルキル基(メチル基、エチル基等)、アリール基(フェニル基等)等が好ましい。このようなアミノ基としては、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基が挙げられる。
〜Mである複素環基としては、ビピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、ピリジル基、チェニル基、フリル基、オキサジアゾイル基、イミダゾピリジル基、ベンゾチアゾール基等が挙げられ、これらは、メチル基、フェニル基等の置換基を有していてもよい。
なお、L11及びL12としてのアリーレン基は、p−フェニレン基、m−フェニレン基又は4,4’−ビフェニレン基であることが好ましい。
また、好適なアントラセン誘導体の具体例としては、下記化学式(4a)、(4b)又は(4c)で表される化合物(EMH)が挙げられる。
Figure 2006151930
あるいは、アントラセン誘導体として、側鎖にアントラセン環を有する高分子材料を用いることもできる。このような高分子材料の好適な具体例としては、下記化学式(4c)で表されるPEMが挙げられる。なお、式(4d)中、nは正の整数を示す。
Figure 2006151930
(テトラアリールジアミン誘導体)
ホスト材料(電荷輸送性材料)として用いることのできるテトラアリールジアミン誘導体は、下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。式中、M11、M12、M13及びM14(以下「M11〜M14」と略す。)は、それぞれ独立にアリール基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、M11〜M14の少なくとも1つはアリール基である。r1、r2、r3及びr4(以下「r1〜r4」と略す。)は、それぞれ独立に0〜5の整数であるが、r1〜r4は同時に0になることはない。従って、r1+r2+r3+r4は1以上の整数であり、少なくとも1つのアリール基が存在する条件を満たす数である。M15及びM16は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アミノ基又はハロゲン原子を示し、r5及びr6は、それぞれ独立に0〜4の整数である。
Figure 2006151930
11〜M14であるアリール基としては、単環若しくは多環のものが採用でき、縮合環や環集合も含まれる。総炭素数は6〜20が好ましく、置換基を有していてもよい。この場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
このような基としては、o−フェニル基、m−フェニル基、p−フェニル基、トリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、フェニルアントリル基、トリルアントリル基が挙げられ、特にフェニル基が好ましく、アリール基、特にフェニル基の結合位置は3位(Nの結合位置に対してメタ位)または4位(Nの結合位置に対してパラ位)であることが好ましい。
11〜M14であるアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、炭素数1〜10が好ましく、置換基を有していてもよい。この場合の置換基としてはアリール基と同様のものが挙げられる。
11〜M14であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
11〜M14であるアルコキシ基としては、アルキル部分の炭素数1〜6のものが好ましく、このような基としてはメトキシ基、エトキシ基、t−プトキシ基が挙げられる。なお、アルコキシ基はさらに置換されていてもよい。
11〜M14であるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−(t−ブチル)フェノキシ基が挙げられる。
11〜M14であるアミノ基としては、未置換でも置換基を有するものであってもよいが、置換基を有するものが好ましく、このような基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジビフェニリルアミノ基、N−フェニル−N−トリルアミノ基、N−フェニル−N−ナフチルアミノ基、N−フェニル−N−ビフェニリルアミノ基、N−フェニル−N−アントリルアミノ基、N−フェニル−N−ピレニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ジアントリルアミノ基、ジピレニルアミノ基が挙げられる。
11〜M14であるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が挙げられる。M11〜M14の少なくとも1つはアリール基であるが、特にM11〜M14として1分子中にアリール基が2〜4個存在することが好ましく、r1〜r4のなかの2〜4個が1以上の整数であることが好ましい。
特に、アリール基は分子中に総計で2〜4個存在し、より好ましくはr1〜r4のなかの2〜4個が1であり、さらにはr1〜r4が1であり、含まれるM11〜M14のすべてがアリール基であることが好ましい。すなわち、分子中のM11〜M14が置換していてもよい4個のベンゼン環には総計で2〜4個のアリール基が存在し、2〜4個のアリール基の結合するベンゼン環は4個のベンゼン環のなかで同一でも異なるものであってもよいが、特に2〜4個のアリール基がそれぞれ異なるベンゼン環に結合することが好ましい。そして、更に少なくとも2個がNの結合位置に対してパラ位またはメタ位に結合していることがより好ましい。
また、この際アリール基としては少なくとも1個がフェニル基であることが好ましく、すなわちアリール基とベンゼン環が一緒になってN原子に対し4−または3−ビフェニリル基を形成することが好ましい。特に2〜4個が4−または3−ビフェニリル基であることが好ましい。4−または3−ビフェニリル基は一方のみでも両者が混在していてもよい。また、フェニル基以外のアリール基としては、特に1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基が好ましく、フェニル基以外のアリール基も特にNの結合位置に対しパラ位またはメタ位に結合することが好ましい。これらのアリール基もフェニル基と混在していてもよい。
15及びM16であるアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子としては、上記M11〜M14におけるのと同様のものが挙げられる。r5及びr6は、ともに0であることが好ましく、2つのアリールアミノ基を連結するビフェニレン基は未置換のものが好ましい。
式(5)で表されるテトラアリールジアミン誘導体の好適な具体例としては、下記化学式(5a)若しくは(5b)で表される化合物(HIM)、又は下記化学式(5c)で表される化合物(HTM)が挙げられる。
Figure 2006151930
(アルミニウム錯体)
また、ホスト材料としては、キノリン誘導体(好ましくは8−キノリノール若しくはその誘導体)を配位子とするアルミニウム錯体を好適に用いることができる。このようなアルミニウム錯体としては、特開昭63−264692号、特開平3−255190号、特開平5−70733号、特開平5−258859号、特開平6−215874号等に開示されているものを挙げることができる。
具体的には、まず、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メタン]等がある。
また、8−キノリノールないしその誘導体のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であってもよく、このようなものとしては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(メタークレゾラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,3−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,6−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,4−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,6−ジフェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,4,6−トリフェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,3,6−トリメチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,3,5,6−テトラメチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III)、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニウム(II1)、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III)等がある。
このほか、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)、ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III)、ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)等であってもよい。
これらのなかでも、本発明では、特にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(AlQ)を用いることが好ましい。
Figure 2006151930
(基板)
基板4としては、ガラス、石英等の非晶質基板、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd、SUS等の金属基板等を用いることができる。また、結晶質又は非晶質のセラミック、金属、有機物等の薄膜を所定基板上に形成したものを用いてもよい。
基板4の側を光取出し側とする場合には、基板4としてガラスや石英等の透明基板を用いることが好ましく、特に、安価なガラスの透明基板を用いることが好ましい。透明基板には、発色光の調整のために、色フィルター膜や蛍光物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜等を設けてもよい。
(第1の電極)
第1の電極1は陽極でありホール注入電極として機能する。そのため、第1の電極1の材料としては、第1の電極1に隣接する有機層にホールを効率よく注入できる材料が好ましく、かかる観点からは仕事関数が4.5〜5.5eVである材料が好ましい。
また、基板4の側を光取出し側とする場合、有機EL素子の発光波長領域である波長400〜700nmにおける透過率、特にRGB各色の波長における第1の電極1の透過率は、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。第1の電極1の透過率が50%未満であると、発光層10からの発光が減衰されて画像表示に必要な輝度が得られにくくなる。
光透過率の高い第1の電極1は、各種酸化物で構成される透明導電膜を用いて構成することができる。かかる材料としては、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)等が好ましく、中でも、ITOは、面内の比抵抗が均一な薄膜が容易に得られる点で特に好ましい。ITO中のInに対するSnOの比は、1〜20重量%が好ましく、5〜12重量%がより好ましい。また、IZO中のInに対するZnOの比は12〜32重量%が好ましい。上記材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、第1の電極1を構成する酸化物の組成は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。例えば、ITOは、通常、InとSnOとを化学量論組成で含有するが、ITOの組成をInOx・SnOyで表すとき、xは1.0〜2.0の範囲内、yは0.8〜1.2の範囲内であればよい。
また、第1の電極1に酸化シリコン(SiO)等の透明な誘電体を添加することにより、第1の電極1の仕事関数を調整することができる。例えば、ITOに対して0.5〜10mol%程度のSiOを添加することによりITOの仕事関数を増大させ、第1の電極1の仕事関数を上述の好ましい範囲内とすることができる。
第1の電極1の膜厚は、上述の光透過率を考慮して決定することが好ましい。例えば酸化物透明導電膜を用いる場合、その膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜300nmであることが好ましい。第1の電極1の膜厚が500nmを超えると、光透過率が不充分となると共に、基板4からの第1の電極1の剥離が発生する場合がある。また、膜厚の減少に伴い光透過性は向上するが、膜厚が50nm未満の場合、発光層10等へのホール注入効率が低下すると共に膜の強度が低下してしまう。
なお、第1〜第6実施形態においては、基板4上に陽極を配置し、発光層10を介して基板4から遠い側に陰極を配置しされているが、陽極及び陰極の位置は逆であってもよい。基板4上に陰極を配置した場合、陰極側を光取出し側とすることができるが、この場合には、陰極が上述の光学的条件及び膜厚条件を満たすことが好ましい。
(第2の電極)
第2の電極2は陰極であり電子注入電極として機能する。第2の電極2の材料としては、金属材料、有機金属錯体、金属塩等が挙げられ、発光層10等への電子注入が容易となるように仕事関数が低い材料が好ましい。
第2の電極2を構成する金属材料の具体的態様としては、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、LiF、CsI等のアルカリ金属ハロゲン化物等が挙げられる。また、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属を用いることができる。これらの中でも、Caは仕事関数が非常に低いため特に好ましい。
第2の電極2としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いる場合は、そのの膜厚は、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは1.0〜50nmである。また、アルカリハロゲン化物を用いる場合の膜厚は、発光層10への電子注入能力の点からできるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
第2の電極2を構成する有機金属錯体の具体的態様としては、β−ジケトナト錯体、キノリノール錯体等が挙げられる。有機金属錯体が有する金属は、仕事関数が低いものがよく、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、更には、La、Ce、Sn、Zn、Zr等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属と特性が近い金属が好適である。また、有機金属錯体に電子輸送性高分子材料等を更に含有させることで発光層10等に対する密着性や電子注入層の電気特性を更に向上させることができる。有機金属錯体の塗布膜からなる電子注入層の膜厚は、発光層10等への電子注入能力の点から、できるだけ薄い方が好ましく、具体的には、10nm以下が好ましく、1nm以下がより好ましい。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、有機金属錯体を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することで形成可能である。
第2の電極2を構成する金属塩の具体的態様としては、Ag、Al、Au、Be、Bi、Co、Cu、Fe、Ga、Hg、Ir、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pb、Pd、Pt、Re、Ru、Sb、Sn、Ti、Zr等の塩が挙げられる。
これらの金属塩は有機金属塩、無機金属塩のいずれであってもよい。有機金属塩としては、置換又は未置換の脂肪族カルボン酸塩、二価カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アルコラート、フェノラート、ジアルキルアミド等が挙げられる。また、無機金属塩としてはハロゲン化物等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸塩の脂肪族カルボン酸は、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸のいずれであってもよい。飽和脂肪族カルボン酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸等の金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、オレイン酸、リシノレイン酸、リノール酸等の金属塩が挙げられる。
二価カルボン酸塩としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸等二価カルボン酸の金属塩が挙げられ、芳香族カルボン酸塩としては、安息香酸、o−tert−ブチル安息香酸、m−tert−ブチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の金属塩が挙げられ、中でもサリチル酸の金属塩が好ましい。
アルコラートはアルコールの金属塩である。アルコラートを構成するアルコール成分としては、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の一級アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等の二級アルコール、tert−ブチルアルコール等の三級アルコール等が挙げられる。
フェノラートはフェノール類の金属塩である。フェノラートを構成するフェノール成分が有する水酸基の個数は特に制限されないが、好ましくは1〜2個である。また、かかるフェノール成分は水酸基の他に置換基(好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基)を有していてもよい。本発明では、フェノール、ナフトール、4−フェニルフェノール等が好ましく用いられる。
また、無機金属塩であるハロゲン化物としては、例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素等の金属塩が挙げられる。
上記の材料からなる第2の電極2は、例えば、金属塩を所定溶媒に加えた塗布液を、スピンコート法等の塗布法により、第2の電極2が接続する層(例えば、発光層10)上に塗布し、塗布液から溶媒を除去することにより形成可能である。
なお、第2の電極2上には保護電極を設けてもよい。これにより、発光層10等への電子注入効率を向上させることができ、また、発光層10や電子注入層への水分又は有機溶媒の侵入を防止することができる。保護電極の材料としては、仕事関数及び電荷注入能力に関する制限がないため、一般的な金属を用いることができるが、導電率が高く取り扱いが容易な金属を用いることが好ましい。また、特に第2の電極2が有機材料を含む場合には、有機材料の種類や密着性等に応じて適宜選択することが好ましい。
保護電極に用いられる材料としては、Al、Ag、In、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、Pd、Ni等が挙げられるが、中でもAl及びAg等の低抵抗の金属を用いると電子注入効率を更に高めることができる。また、TiN等の金属化合物を用いることにより一層高い封止性を得ることができる。これらの材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。また、2種以上の金属を用いる場合は合金として用いてもよい。このような保護電極は、例えば、真空蒸着法等によって形成可能である。
本発明の有機EL素子は、発光層や、場合によってホール注入層やホール輸送層等のこれ以外の有機層中に有機EL素子用化合物を含有している。また、有機層が上述のアントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体、ナフタセン誘導体、アルミニウム錯体を含有していてもよい。そして、本発明の有機EL素子における有機層は、以上のものに加えて、他の発光材料や電荷輸送性物質(ホスト材料)を含有していてもよい。
有機層が更に含有可能な発光材料としては、シアン発光材料(好ましくはジスチリルアミン誘導体)が好適であり、かかる発光材料を本発明の有機EL素子用化合物と併用することができる。発光材料として用いるジスチリルアミン誘導体としては以下の化学式(6)で表されるEDM−2が挙げられる。
Figure 2006151930
有機層が含有可能な電荷輸送性材料としては、以下のAlq、BND、t−BuPBD、p−EtTAZ、BCP等の電子輸送性材料や、
Figure 2006151930
Figure 2006151930
以下のTPAC、Spiro−TPD等のホール輸送性材料が挙げられる。
Figure 2006151930
電子輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれの電子輸送材料も使用可能である。電子輸送性低分子材料としては、上記のAlq、BND、t−BuPBD、p−EtTAZ及びBCPの他、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、フェナントロリン及びその誘導体、並びにこれらの化合物を配位子とする金属錯体などが挙げられる。また、電子輸送性高分子材料としては、ポリキノキサリン、ポリキノリンなどが挙げられる。これらの電子輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホール輸送層には、低分子材料、高分子材料のいずれのホール輸送性材料も使用可能である。ホール輸送性低分子材料としては、上記のTPACやSpiro−TPDの他、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが挙げられる。また、ホール輸送性高分子材料としては、テトラアリールジアミン誘導体のポリエステル化合物(PHT)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリエチレンジオキシチオフェン及びポリスチレンスルホン酸からなる共重合体又は混合物(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリスチレンスルホン酸からなる共重合体又は混合物(Pani/PSS)などが挙げられる。これらのホール輸送性材料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。PHT、PEDOT及びPSSは、それぞれ下記化学式で表される構造を有する。なお、下記化学式において、nは整数を示す。
Figure 2006151930
ホール注入層には、アリールアミン、フタロシアニン、ポリアニリン/有機酸、ポリチオフェン/ポリマー酸等を用いることができ、電子注入層にはリチウム等のアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
本発明に係る有機EL素子は、公知の製造方法で製造できる。有機層の形成方法としては、有機層を構成する材料に応じて、真空蒸着法、イオン化蒸着法、塗布法等の方法から適宜選択して採用できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(合成例)
下記反応式S1及びS2で表されるスキームに従って、化学式(I−1)で表される構造を有する有機EL素子化合物(アザ−ベンゾアントラセン化合物)I−1を合成した。
Figure 2006151930
Figure 2006151930
<中間体c−11の合成(S1)>
Ar雰囲気下、3,4−ジブロモ−7,12−ジフェニルベンゾフルオランテンa−11を12g(3.6×10−3mol)と、2−ブロモフェニルボロン酸b−11を0.71g(3.6×10−3mol)とが入れられたシュレンク管に、溶媒としてトルエン50cm及びエタノール10cmを投入し、油浴温度80℃にて加温して、内容物を溶解させて反応液とした。そして、この反応液に触媒としてテトラキストリフェニルパラジウム(0)錯体0.12gを投入した後、炭酸ナトリウム水溶液(2mol/L)を20cm投入し、10時間反応させた。
反応終了後、トルエン100cm及び水50cmを加えて撹拌した後、反応液を分液ロートに移し、蒸留水50cmで3回洗浄後有機層を分離し、これを硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータで溶媒を留去して粗生成物を得た。
続いて、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体である中間体c−11の1.8g(収率80%)を得た。シリカゲルクロマトグラフィーの展開溶媒としては、トルエン:ヘキサン=1:5(体積比)を用いた。
<有機EL素子用化合物1−1の合成(S2)>
Ar雰囲気下、上記で得た中間体c−11の1.8g(2.8×10−3mol)と、アニリン0.26g(2.8×10−3mol)とが入れられたシュレンク管に、溶媒としてキシレン50cmを投入し、80℃に加温して、内容物を溶解させて反応液とした。この反応液に触媒としてテトラキストリフェニルパラジウム(0)錯体0.19g(1.7×10−4mol)及びトリス−t−ブチルホスフィン0.23g、t−BuOK0.94gを投入してから、温度設定を130℃にした。10時間反応させた後、室温まで温度を下げ、蒸留水を加えて反応を止めた。
分液ロートを使用して反応液を蒸留水50cmで3回洗浄後、有機層を分離し、これを硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレータで溶媒を留去して粗生成物を得た。
続いて、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、橙色固体である有機EL素子用化合物I−1の0.96g(収率60%)を得た。展開溶媒としてはトルエン:ヘキサン=1:2(体積比)を用いた。
シリカゲルクロマトグラフィーで精製された生成物を、1.0×10−5Torr、260℃にて昇華により更に精製した。得られた化合物はMSスペクトル、H−NMRスペクトル(図7)及び赤外線吸収スペクトル(図8)に基づいて同定した。また、DSCによりTgを測定したところ、189℃であった。
MS:570(M+1)
(実施例1)
ガラス基板上に、RFスパッタ法でITO透明電極(ホール注入電極)を100nmの厚さに成膜し、これをパターニングしてITO透明電極付きガラス基板とした。このITO透明電極付きガラス基板を中性洗剤、アセトン及びエタノールを用いて超音波洗浄した後、乾燥した。さらにITO透明電極の表面をUV/Oで洗浄した後、ITO透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。そして、減圧状態を保ったまま、ITO透明電極上に、上記化学式(5a)で表される構造のN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−(4−アミノフェニル)]−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(HIM)を、蒸着速度0.1nm/secで、100nmの膜厚に蒸着して、ホール注入層を形成させた。
次に、ホール注入層上に、上記化学式(5c)で表される構造のN,N,N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(HTM)を、蒸着速度0.1nm/secで、30nmの厚さに蒸着して、ホール輸送層を形成させた。
さらに、減圧を保ったまま、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)と、上記合成例にて得た有機EL素子用化合物1−1とを、質量比98:2で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして、ホール輸送層上に40nmの厚さに蒸着して、発光層を形成させた。
続いて、減圧状態を保ったまま、発光層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)を、蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層を形成させた。そして、電子注入輸送層上にLiFを蒸着速度0.1nm/secで0.6nmの厚さに蒸着してこれを電子注入層とし、その上に保護電極としてAlを150nmの厚さに蒸着して、電子注入層及び保護電極からなる陰極層を形成した。最後に陰極層側の面をガラス封止して、有機EL素子を得た。
この有機EL素子に直流電圧を印加したところ、初期には10mA/cmの電流密度で、駆動電圧が6.5V、1000cd/mの発光が確認できた。このときのピーク波長は546nm、色度座標は(x,y)=(0.41,0.59)であった。図9にこの有機EL素子の発光スペクトルを示す。また、この有機EL素子に、50mA/cmの一定電流を流し、連続発光させたところ、初期輝度5000cd/mで、輝度半減時間は2000時間以上であった。
(実施例2)
発光層を、Alqに代えて、上記化学式(4c)で表されるアントラセン誘導体であるEMHを用いて形成させた他は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cmの電流密度で、駆動電圧が5.8V、1500cd/mの発光が確認できた。このときのピーク波長は537nm、色度座標は(x,y)=(0.37,0.60)であった。図10にこの有機EL素子の発光スペクトルを示す。この素子に、50mA/cmの一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度7500cd/mで、輝度半減時間は2000時間以上であった。
(実施例3)
2重量%濃度のPHTのクロロベンゼン溶液を調整し、ホール輸送層形成用塗布液とした。さらに、2重量%濃度のPEM(重量平均分子量:3万)と、ポリマーに対して3重量%となるようにI−1を加えたトルエン溶液を調整し、発光層形成用塗布液とした。この溶液を用い、以下の手順に従って有機EL素子を作成した。
実施例1と同様にして洗浄及び乾燥したITO透明電極付きガラス基板上に、スピンコート法によりポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を含む塗布液を塗布し、窒素雰囲気下で200℃にて5分間乾燥して膜厚50nmのホール注入層を形成した。次に、ホール注入層上に、上記ホール輸送層形成用塗布液を塗布して30nmのホール輸送層とし、さらに上記の発光層形成用塗布液を塗布後、窒素雰囲気下で180℃にて1時間乾燥して膜厚100nmの発光層を形成した。さらに、この発光層上に、電子注入層としての層LiF(膜厚0.3nm)、及び保護電極(補助電極)としてのAl層(膜厚150nm)をこの順で真空蒸着して陰極層を形成し、陰極層側の面を封止して目的の有機EL素子を得た。得られた有機EL素子においては、発光層中の残留溶媒が十分に低減されており、発光層/陰極層間の高い密着性が達成されていることが確認された。
得られた有機EL素子においては、有機EL素子用化合物1−1に由来する黄緑色発光が確認された。色度座標は(0.41,0.56)であった。図11にこの有機EL素子の発光スペクトルを示す。また、有機EL素子の電流効率は10mA/cmの定電流駆動時に、駆動電圧は5Vで、700cd/m2の発光が確認できた。さらに、50mA/cmの定電流駆動により寿命試験を行ったところ、初期輝度が3500cd/mで、輝度半減時間は700時間であった。
(比較例1)
発光層を、有機EL素子用化合物1−1を用いずにAlqのみで形成させた他は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cmの電流密度で、駆動電圧が6.3V、500cd/mの発光が確認できた。このときのピーク波長は518nm、色度座標は(x,y)=(0.28,0.54)であった。図12にこの有機EL素子の発光スペクトルを示す。この素子に、50mA/cmの一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度2500cd/mで、輝度半減時間は200時間であった。
(比較例2)
発光層を、有機EL素子用化合物I−1を用いずにEMHのみで形成させた他は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cmの電流密度で、駆動電圧が6.0V、200cd/mの発光が確認できた。このときのピーク波長は440nm、色度座標は(x,y)=(0.15,0.03)であった。図13にこの有機EL素子の発光スペクトルを示す。この素子に、50mA/cmの一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度1000cd/mで、輝度半減時間は75時間であった。
(比較例3)
発光層を、有機EL素子用化合物1−1を用いずにPEMのみで形成させた他は、実施例3と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cmの電流密度で、駆動電圧が5.0V、100cd/mの発光が確認できた。このときのピーク波長は473nm、色度座標は(x,y)=(0.17,0.22)であった。図14にこの有機EL素子の発光スペクトルを示す。この素子に、50mA/cmの一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度500cd/mで、輝度半減時間は50時間であった。
表1に、実施例及び比較例の有機EL素子の特性をまとめて示す。なお、表1において、実施例1〜2、比較例1〜2のホール注入層の膜厚は100nmであり、実施例3及び比較例3のホール注入層の膜厚は50nmである。
Figure 2006151930
表1に示すように、本発明に係る有機EL素子用化合物を用いて作製した実施例1〜3の有機EL素子は、これを用いずに作製した比較例1〜3の有機EL素子と比較して、駆動初期における大きな輝度を発現した。また、実施例1〜3の有機EL素子は、発光寿命も大きく改善されることが確認された。
第1実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第2実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第3実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第4実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第5実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 第6実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 有機EL素子用化合物のH−NMRスペクトルを示す図である。 有機EL素子用化合物の赤外線吸収スペクトルを示す図である。 実施例1の有機EL素子の発光スペクトルを示す図である。 実施例2の有機EL素子の発光スペクトルを示す図である。 実施例3の有機EL素子の発光スペクトルを示す図である。 比較例1の有機EL素子の発光スペクトルを示す図である。 比較例2の有機EL素子の発光スペクトルを示す図である。 比較例3の有機EL素子の発光スペクトルを示す図である。
符号の説明
1…第1の電極、2…第2の電極、4…基板、10…発光層、11…ホール輸送層、13…電子注入層、14…ホール注入層、100,200,300,400,500,600…有機EL素子、P…電源。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を備える有機EL素子用化合物。
    Figure 2006151930
    [式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、互いに連結して環を形成していてもよい。]
  2. 、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11から選ばれる少なくとも1組の2つの基が互いに連結して環を形成することにより、当該2つの基が結合する芳香族環を含んだπ共役系が形成されている、請求項1記載の有機EL素子用化合物。
  3. 下記一般式(10)で表される、請求項2記載の有機EL素子用化合物。
    Figure 2006151930
    [式中、Aは、これが結合する芳香族環を含んでπ共役系を形成している2価の有機基、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、A、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は互いに連結して環を形成していてもよい。]
  4. 下記一般式(10a)で表される、請求項2記載の有機EL素子用化合物。
    Figure 2006151930
    [式中、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は互いに連結して環を形成していてもよい。]
  5. 下記一般式(10b)で表される、請求項2記載の有機EL素子用化合物。
    Figure 2006151930
    [式中、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R15、R16及びR17は互いに連結して環を形成していてもよい。]
  6. 下記一般式(10c)で表される、請求項2記載の有機EL素子用化合物。
    Figure 2006151930
    [式中、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R17、R18、R19、R20及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R14、R17、R18、R19、R20及びR21は互いに連結して環を形成していてもよい。]
  7. 14及びR17が、置換基を有していてもよいアリール基である、請求項5又は6記載の有機EL素子用化合物。
  8. 下記一般式(20)又は(30)で表される、請求項1記載の有機EL素子用化合物。
    Figure 2006151930
    Figure 2006151930
    [式中、L及びLは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は置換基を有していてもよいアルケニレン基、Rは、1価の有機基、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよい複素環基、又は置換基を有していてもよいアミノ基、をそれぞれ示す。なお、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、互いに連結して環を形成していてもよく、複数存在するR、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  9. 電界の印加により発光及び/又は電荷輸送を生じる、請求項1〜8の何れか一項に記載の有機EL素子用化合物。
  10. 互いに対向して配置されている2つの電極間に、1又は2以上の有機層を備える有機EL素子において、
    前記有機層の少なくとも1つが、請求項1〜9の何れか一項に記載の有機EL素子用化合物を含有する有機EL素子用化合物含有有機層である、有機EL素子。
  11. 前記有機EL素子用化合物含有有機層が、発光層、電荷輸送層又は電荷注入層である、請求項10記載の有機EL素子。
  12. 前記有機EL素子用化合物含有有機層が、アントラセン誘導体、テトラアリールジアミン誘導体及びアルミニウム錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種のホスト材料を含有する、請求項10又は11記載の有機EL素子。
  13. 基板と、基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極及び第2の電極と、これらの電極間に配置された1又は2以上の有機層と、を備える有機EL素子において、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の一方がホール注入電極、他方が電子注入電極であり、
    前記有機層の少なくとも1つが、請求項1〜7の何れか一項に記載の有機EL素子用化合物を含有する発光層である、有機EL素子。
  14. 基板と、基板の一側に互いに対向するように配置された第1の電極及び第2の電極と、これらの電極間に配置された1又は2以上の有機層と、を備える有機EL素子において、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の一方がホール注入電極、他方が電子注入電極であり、
    前記ホール注入電極に隣接する有機層が、請求項8記載の有機EL素子用化合物を含有するホール注入層である、有機EL素子。
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