JP2006150586A - パレットを着脱自在に固定するための締め付け装置 - Google Patents

Abstract

【課題】安定した、かつ高い剛性をもつと同時に優れた制動特性を提供する制動素子を合体している型式の締め付け装置を提供する。
【解決手段】締め付け装置はチャック部材（１）と、チャック部材に着脱自在に固定したパレット部材（２）を含む。チャック部材はパレット部材をチャック部材に締め付けるための締め付け手段を含む。チャック部材は第１心出し手段をもち、パレット部材は、チャック部材とパレット部材間の相対的位置を限定するために、第１心出し手段と協働する第２心出し手段をもつ。チャック部材及び/又はパレット部材は、少なくとも部分的に金属チップの圧縮した複合体からなる少なくとも１つの制動素子（２０）を備える。
【選択図】図１

Description

本発明はクラッチ部材と、チャック部材に着座自在に固定されるパレット部材を含む締め付け装置に関するものである。チャック部材は、パレットをチャック部材に締め付けるための締め付け手段と、第１の心出し手段を含み、一方、パレット部材は、チャック部材とパレット間の相対的位置を限定するために第１心出し手段と協働する第２心出し手段をもつ。

上述型式の締め付け装置はワークピースを工作機械の機械加工区域に良好に位置を限定された手法で固定するために主に使用される。それによって、ワークピースは先ず、パレットに固定され、次いで、パレットは着脱自在にチャック部材に取り付けられる。代案として、ワークピース自体がパレットを構成することができる。殆どの場合、チャック部材自体は、工作機械に固定される。一般的に、かかる締め付け装置はフライス削り、研削、研摩及び浸食機械に使用される。

ワークピースを機械加工するについての問題点は、工作機械及び/又は機械加工流体ジェットが締め付け装置に振動を起こさせ、それによってワークピースの機械加工の品質を損なう限り、存在することになる。

文献EP−A−1 044 763は、工作機械の機械加工区域内にワークピースを正確に位置決めするためのホルダーであって、振動制動器を備えているホルダーを開示している。かかる振動制動器を備えることによって、上述の問題点は回避される。ホルダーは一方では、それを固定支持構造に取り付けるための連結素子を含み、他方では、ワークピースを保持するための固定手段を含む。ホルダーはいわゆる水準ヘッド又は振り子ヘッドの形をなしており、そのヘッドにワークピースが固定されておりそしてそのヘッドは３方向に微小調節することができる。それによって、ワークピースは工作機械に関して極めて正確に位置決めすることができる。上述の振動制動器は、電気浸食加工プロセス中にすすぎ流体によってワークピースを通してホルダーに誘発された振動エネルギーを吸収する目的をもつ。制動器用の物質としては、特にゴム又はゴム状物質が提案される。

文献DE−A−199 17 104は振動制動器を備えたもう１つのホルダーを開示している。振動制動器のほかに、ホルダーと支持構造及び/又はワークピースが直接接触しているホルダーの領域が設けられる。それによって、部分的に堅固(hard)でありかつ部分的に制動させられる連結が実現されることになる。かかるホルダーは、切断又はラップ磨き作業を受けるワークピースに関しては特に有用であると言われる。

本発明の目的は、安定した、かつ高い剛性をもつと同時に優れた制動特性を提供する制動素子を合体している上述の如き型式の締め付け装置を提供することにある。

上記目的を達成するため、本発明は、チャック部材と、チャック部材に着脱自在に固定されたパレット部材を含む締め付け装置を提供する。チャック部材はパレットをチャック部材に締め付けるための締め付け手段を含む。チャック部材は第１心出し手段をもち、パレット部材は、チャック部材とパレット間の相対的位置を限定するために第１心出し手段と協働する第２心出し手段をもつ。チャック部材及び/又はパレット部材は、金属チップの圧縮された複合体から少なくとも部分的に成っている少なくとも１つの制動素子を備えている。

金属チップの圧縮された複合体からなる制動素子は比較的堅く、夫々チャックとパレットに固定されたワークピースを機械加工する間に予想される負荷を考慮すれば、非常に良好な制動特性を提供する。

以下、本発明の１実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。

図１を参照すれば、以下で更に詳細に説明する幾つか追加の素子を含むチャック1とパレット２の斜視図が示されている。チャックは実質上、下部部分３と上部部分４を含む。チャック１の下部部分３は円形のベースプレート５、円形の支持プレート６、及び上記円形のベースと支持プレート５，６の間に挿入された制動素子７を含む。チャック１の上部部分４は円筒形の締め付けハウジング８を含み、その内部は締め付けボール（図１には示されていない）の形をなす締め付け素子を備え、そしてその頂部は突出する心出しピン９の形をなす心出し素子を備える。ベースプレート５は固定素子１１によって機械加工装置（図示せず）に取り付けられる。支持プレート６はアンカーナット１３内にねじ込まれるようにされるねじ１２によってベースプレート５に取り付けられる。これらのアンカーナット１３を受け入れるために、支持プレート６の底は盲孔を備える（図１には示されていない）。アンカーナットは延性の、しかしそれにもかかわらず弾性の物質から造られ、そして鋼製の中心ねじ山を備える。ベースプレート５に面するアンカーナット１３の端部分は肩部１３aを備え、その目的は以下詳細に説明する。

締め付けハウジング８は同様にねじ１４によって支持プレート６に固定される。制動素子７を受け入れるために、ベースプレート５と支持プレートの両者は円形の制動素子７の直径に寸法が一致する円形の凹所を備え、この場合、ベースプレート５内に設けられた凹所１５のみが図１内に見える。

パレット２は円形のベースプレート１７と円形の支持プレート１８を含む。ベースプレート１７の底は、締め付けピン１９を備え、このピンによってパレット２はチャック１に締め付けることができる。更に、ベースプレート１７の底に固定されているのは、複数の溝状凹所を含む弾性的に跳ね返るディスク（図１には示されていない）であり、これらの凹所は、形状と位置に関する限りでは、チャック１の心出しピン９に一致し、かつX−方向とY‐方向においてチャック１に関してパレット２の位置を決定するために役立つ。また、この場合、制動素子２０はベースプレート１７と支持プレート１８の間に挿入される。同様に、プレート１７と１８の両者は円形の制動素子２０の直径に寸法が一致している円形の凹所を備え、この場合ベースプレート１７に設けられた凹所２１のみが図１に見られる。

本実施例では、支持プレート１８はパレット２の一体部品として設計されている。機械加工されるワークピースを固定するために、支持プレート１８の頂部は、例えば穴の形をなす固定素子を備えるが、これらは図１には示されていない。

チャック１の制動素子７とパレット２の制動素子２０の両者は複数の鋼のチップ又は削りくずを含み、これらの削りくずは圧力下で圧縮されて、鋼チップの押し潰された複合体にされる。チップを複合体へ圧縮する圧力は数十kN乃至数百kN間の大きさとすることができる。特定の用途に依存して、鋼チップの圧縮された複合体はポッタント(pottant)内に埋め込まれることができる。好適には、制動素子７７，２０は実質的に円筒形をなすが、正方形又は環状の制動素子を使用することも可能である。

図２はチャック１とパレット２の縦断面図を示す。この図では、支持プレート６とベースプレート５がねじ１２によって互いに取り付けられている状態を明らかに見ることができる。ねじ１２はアンカーナット１３内に受け入れ、後者はねじ１２内にねじ込まれたとき径方向に拡張する。かくして、アンカーナット１３は支持プレート６の盲穴内に厳密に固定される。ねじ２は延性のしかし弾性のアンカーナット１３によって支持プレート６に固定されるという事実によって、弾性連結が、ねじ１２を介して支持プレート６とベースプレート１２間にもたらされる。更に、ねじ１２による連結のほかに、２つのプレート５，６は制動素子７によってお互いに取り付けられる。

制動素子７の厚さは、一旦ねじ１２が締め付けられたとき、間隙Sが支持プレート６とベースプレート５の間に留まるように選択される。それによってアンカーナット１３の肩部１３aの厚さは制動素子７の過剰の厚さに調節され、その結果、２つのプレート５，６は、ねじ１２を締め付けたときに、曲げられることが避けられる。好適には、塵、流体、チップ又は類似物が、間隙S内に入り込むのを回避するために、間隙Sはポッタント(pottant)を満たされるか、又はその縁に沿って少なくとも密封される。

更に、図２は、パレットの底に固定されかつ複数の溝状凹所を備えた弾力的に跳ね返るディスク１０を示す。上記凹所は、形状と位置に関する限り、チャック１の心出しピン９に一致しかつ、X−方向とY−方向においてチャック１に関するパレット２の位置を決定するために役立つ。Z−方向にパレット２を位置決めするために、距離ピンが設けられ（図２には示されていない）、好適には、パレット２に取り付けられる。当業者には既知の如く、パレット２は、パレット２の締め付けピン１９の肩部に掛合する締め付けボール２３によってチャック１に締め付けられる。

ベースプレート２と支持プレート１８の間に置かれた制動素子２０は接着剤によって取り付けられる。そのために、制動素子２０はベースプレートの凹所２１内と、支持プレートの凹所２２内の両方に接着される。またこの場合、小さな間隙が２つのプレート１７、１８間に残るが、それは１ミリメートルの数十分の１になるに過ぎない。この間隙は好適には、ポッタント(pottant)を満たされるか、又はその縁に沿って少なくとも密封される。制動プレート２０を固定するこの代案としての可能性は、制動特性に悪影響を与えるかもしれない別の連結は、２つのプレート１７、１８間に存在しないというという利点を示す。制動素子を固定する型式は特定の用途の色々な要求に合致するように選択できるのは云うまでもない。

もし図示された上述の実施例において、チャック１とプレート２の両者が制動素子７，２０を備えておれば、特定の用途に依存して、チャック１のみが制動素子２０を備えるか又はパレット２のみが制動素子７を備えることで十分とすることができる。更に、高圧によって金属のチップの圧縮された複合体に詰められた複数の鋼のチップからなる制動素子７，２０の制動特性は変化することができる。制動素子７，２０の制動特性に影響するパラメータとしては、鋼チップの寸法と厚さ、複合体全体の寸法と厚さ、チップの材料、複合体を形成するために適用される圧力を挙げることができる。

チャックとパレットの斜視図である。 図１のチャックとパレットの縦断面図である。

符号の説明

１ チャック
２ パレット
３ 下部部分
４ 上部部分
５，１７ ベースプレート
６，１８ 支持プレート
７ 制動素子
８ 締め付けハウジング
９ 心出しピン
１１ 固定素子
１３ アンカーナット
１９ 締め付けピン
２０ 制動素子
２１，２２ 凹所

Claims (8)

1. チャック部材と、上記チャック部材に着脱自在に固定されるパレット部材とを含む締め付け装置であって、上記パレット部材を上記チャック部材に締め付けるための締め付け手段を含み、上記チャック部材は第１心出し手段をもち、上記パレット部材は、上記チャック部材と上記パレット部材間の相対的位置を限定するために上記第１心出し手段と協働する第２心出し手段をもって成る締め付け装置において、上記チャック部材及び/又は上記パレット部材が、少なくとも部分的に金属チップの圧縮複合体からなる少なくとも１つの制動素子を備えることを特徴とする締め付け装置。
2. 上記チャック部材及び/又は上記パレット部材は上記制動素子を受け入れるための少なくとも１つの凹所を備えることを特徴とする請求項1に記載の締め付け装置。
3. 上記制動素子は上記凹所内に接着されることを特徴とする請求項２に記載の締め付け装置。
4. 上記制動素子は連結素子によって互いに連結される２つのプレート間に置かれ、それによって上記連結素子は弾性の中間素子によって上記ベースと支持プレートのうちの少なくとも１方に取り付けられることを特徴とする請求項１又は２に記載の締め付け装置。
5. 上記チャック部材はベースプレートと支持プレートを備え、上記制動素子は上記ベースプレートと上記支持プレート間に挿入されることを特徴とする請求項１乃至４の何れか１項に記載の締め付け装置。
6. 上記制動素子は、ぎっしり詰めて圧縮された複合体素子としたステンレスの金属チップから主としてなることを特徴とする請求項１乃至５の何れか１項に記載の締め付け装置。
7. 上記金属チップはプラスチック物質のポッタント内に埋め込まれることを特徴とする請求項６に記載の締め付け装置。
8. 上記制動素子は円筒形状又は立方体形状をもつことを特徴とする請求項１乃至７の何れか１項に記載の締め付け装置。

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