JP2003014039A - 防振体、この防振体の製造方法及び防振体の製造装置 - Google Patents

防振体、この防振体の製造方法及び防振体の製造装置

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JP2003014039A
JP2003014039A JP2001201336A JP2001201336A JP2003014039A JP 2003014039 A JP2003014039 A JP 2003014039A JP 2001201336 A JP2001201336 A JP 2001201336A JP 2001201336 A JP2001201336 A JP 2001201336A JP 2003014039 A JP2003014039 A JP 2003014039A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクラップのような廃棄金属や廃棄樹脂の有
効利用を図ることができ、安価なコストで製造すること
ができる防振体を提供する。 【解決手段】 金属材101と樹脂材104との混合体
103を圧縮した状態で形状を維持させ、圧縮状態で固
定された金属材101と樹脂材104との間に空隙部分
106を設けた防振体1とした。この防振体1は、例え
ば、金属板を切断して形成した金属材101と、PET
ボトルを切断して形成した樹脂材104とを混合した混
合体103を圧縮容器に投入して加圧・圧縮し、圧縮さ
れた混合体103の形状を一定に維持するように、金属
材料片101と樹脂材料片104とを少なくとも一部で
接着又は固着することで製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルや家屋等の建
築物、橋梁や道路等の建造物又は鉄道の軌道等に用いら
れ、車両や列車の通過又は地震等によって発生する振動
を効果的に吸収・分散して抑制する防振体、この防振体
の製造方法及び防振体の製造に用いられる製造装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ビルや家屋等の建築物、橋梁や道路等の
建造物又は鉄道の軌道等に用いられるこの種の防振体の
多くは、振動減衰性や吸振性に優れるゴムや樹脂又は金
属製のばねから形成されるのが一般的である。
【0003】しかしながら、これらゴムや樹脂からなる
防振体は経時変化しやすく、長年にわたって繰り返し荷
重を受けたり、油や水、薬品を使用する環境下に長期間
置かれることによってその性能が低下するため、定期的
に交換を行う必要があるという欠点がある。耐油性、耐
水性、耐候性、耐薬品性等に優れるゴムや樹脂を使った
防振体も市販されているが、このようなゴムや樹脂を使
った防振体は高価な材料を使用するうえ製造も煩雑で、
防振体の価格も著しく高くなるという問題がある。
【0004】また、コイルばねや板ばね等の金属製のば
ねは、ばね定数を適当に選択することによって、適度な
ばね力を得ることができ、寿命も長く、かつ、クッショ
ン性に富むという点で優れているが、変形に必要なエネ
ルギーのほぼ全てが復元時に運動エネルギーとして放出
されるため、単体では振動抑制効果は小さく、アブソー
バ等の減衰手段を設ける必要がある。
【0005】さらに、異種材料から構成される防振体
が、例えば、特開昭57−161332号公報や特公昭
58−4218号公報で開示されている。特開昭57−
161332号公報に記載の防振体は、密度の高い材料
を混合して密度の高い板状の剛体盤を作ることにより固
有振動数を小さく抑え、振動伝達率を小さくするという
思想に基づくものである。しかしながら、剛体盤である
ため防振体自身のたわみ変形により振動エネルギーを吸
収する余地は殆んどなく、光学機械や計測機器などのよ
うに微小振動が問題になる機器や部位に用途が限定され
る。
【0006】特公昭58−4218号公報に記載の防振
体は、粒状または粉末状の鉛もしくはアルミを樹脂中に
分散させ、外力によって生じる二種類の振動周波数が互
いに干渉しあって消去するという思想と、樹脂と他の材
料との界面に塑性変形を生じさせて振動エネルギーを放
散させるという思想に基づくものである。しかし、この
ため繰返しの負荷によって塑性変形が累積して長期的に
元の形状を維持しにくいという欠点がある。また、列車
の乗り心地性を向上させたり、騒音の発生を抑制したり
するためには、鉄道軌道に防振体を用いるのが好ましい
が、全ての軌道上に防振体を設けようとすると、使用量
が膨大になってコストがかさむため、優れた効果を得る
ことができるにもかかわらずほとんど利用されていない
のが現状である。
【0007】さらにまた、近年の環境意識の高まりか
ら、金属スクラップやペットボトル等の樹脂スクラップ
について、再利用の途があらゆる分野で模索されてい
る。製缶業界においても、ラミネートフィルムが被覆さ
れたアルミ缶やスチール缶の処理が問題となっている
が、現状では、ラミネートフィルムが被覆されたままの
アルミ缶やスチール缶を熔解炉に投入し、ラミネートフ
ィルムを燃焼させるとともに金属部分を地金原料として
再利用しているため、ラミネートフィルム部分について
は必ずしも有効利用されているとは言い難いものであっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点にかんがみてなされたもので、防振ゴムや防振樹脂と
同等、あるいはそれ以上の振動抑制効果を得ることがで
き、劣悪な環境下でも長期にわたって安定的に性能を発
揮することができるほか、スクラップのような廃棄金属
や廃棄樹脂の有効利用を図ることができ、安価なコスト
で製造することができる防振体、この防振体の製造方法
及びこの防振体の製造装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、金属材と樹脂材との混
合体を圧縮した状態で形状を維持する形状維持手段と、
この形状維持手段によって圧縮状態で固定された前記金
属材と前記樹脂材との間に介在する空隙部分と有する構
成としてある。金属材は、例えば、圧延板を切断するこ
とによって得ることができる。また、樹脂材は、例え
ば、廃棄ペットボトルを切断することによって得ること
ができる。さらに、予め適当な大きさや形状を有してい
るものについては、そのまま金属材や樹脂材として利用
することも可能である。そして、このような切片状の多
数個の金属材と多数個の樹脂材を、予め決定された比率
で混合させることで、前記の混合体を得ることができ
る。
【0010】上記の構成によれば、金属材と樹脂材との
間に空隙が存在しているので、防振体に振動や衝撃等が
作用したときに、金属材や樹脂材が弾性変形してこれら
振動や衝撃を吸収することができる。また、従来の防振
ゴムや防振樹脂に比して樹脂の使用量を削減でき、低廉
なコストで、長期間の使用や劣悪な環境下でも劣化しな
い高価な樹脂を使用することもできる。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記混合体が、
種類の異なる複数の樹脂材を含む構成としてある。ま
た、請求項3に記載の発明は、前記混合体が、種類の異
なる複数の金属材を含む構成としてある。このように、
本発明の防振体を構成する金属材又は樹脂材は、同じ種
類のものであってもよいし、異なる種類のものであって
もよい。例えば、アルミニウムと鉄の金属材に、ポリエ
ステルとポリエチレンの樹脂材を加えて混合してもよ
い。したがって、例えば、スチール製の缶胴にアルミ合
金製の缶蓋が取り付けられた使用済みの空き缶を、缶胴
と缶蓋を分離する必要なく、適当な大きさや形状に切断
等して、前記金属材として有効利用することができる。
このように、本発明ではあらゆる種類の材料が使用可能
であり、例えばペットボトルのようなリサイクルしにく
い樹脂材も混合して使用することが可能である。
【0012】請求項4に記載の発明は、前記樹脂材に
は、前記金属材に予め被覆又は貼合された樹脂材を含む
構成としてある。樹脂が被覆又は貼合された、例えばラ
ミネート金属板をリサイクルするには、この金属板を熔
解炉に投入して金属部分は地金原料として利用し、ラミ
ネート樹脂部分はそれ自身が燃焼することで金属を熔解
させるための燃料の一部として利用されているのが現状
である。したがって、ラミネート樹脂を有効利用してい
るとは言えない。ラミネート樹脂部分を金属板から剥が
して、それを再利用することも技術的には可能である
が、コストがかかりすぎるため現実的でない。この発明
では、ラミネート樹脂等の樹脂が被覆又は貼合された金
属板等の金属材料も利用が可能で、この金属材料ととも
にラミネート樹脂を切断することで、本発明の防振体に
必要な金属材と樹脂材を同時に得ることができ、ラミネ
ートフィルムのような樹脂の有効利用を図ることがで
き、かつ、低コストで経済的である。
【0013】請求項5に記載の発明は、前記金属材と前
記樹脂材との混合比が、体積比において1:9〜9:1
の範囲内である構成としてある。この範囲より金属材の
量が少なくなると、振動抑制効果が小さくなりすぎ、こ
の範囲より金属材が多すぎると、金属材間の結合が弱く
なって、防振体の形状を維持できなくなり、振動抑制効
果も小さくなる。また、樹脂材の量が多すぎると、長期
間の使用による経時変化によって防振体全体が永久変形
しやすくなる。
【0014】請求項6に記載の発明は、前記金属材と前
記樹脂材とを混合してなる混合体と、前記空隙とが、体
積比において、1:9〜8:2の範囲内である構成とし
てある。空隙の量がこれよりも多いと、防振体が軟らか
くなり過ぎて振動抑制効果が小さくなり過ぎ、これより
も少ないと、防振体の剛性が大きくなり過ぎて振動の吸
収量が小さくなり、振動抑制効果が小さくなり過ぎる。
【0015】前記空隙には、請求項7又は請求項8に記
載するように、アスファルトを主成分とする粘稠材を充
填してもよい。アスファルト等の粘稠材を空隙に充填す
ることで、金属材をさびや腐食から保護することができ
るようになる。また、粘稠材の粘性作用と、金属材や樹
脂材間の摩擦係数の増大により、振動の吸収効果をさら
に高めることができる。圧縮時の混合体の形状を維持す
る形状維持手段としては、請求項9に記載するように、
前記金属材と前記樹脂材とを少なくとも一部で接着する
接着剤としてもよいし、請求項10に記載するように前
記形状維持手段が、前記樹脂材の少なくとも一部を溶融
・固化させて固着状態にするものとしてもよい。この場
合、請求項11に記載するように、前記防振体の外周の
前記金属材と前記樹脂材とを接着又は固着状態にし、前
記防振体の中央部分に、圧縮状態の前記金属材と前記樹
脂材との混合体を封入するようにするとよい。このよう
にすることで、接着又は固着された外周部分が防振体の
形状を維持し、内部に封入された非接着又は非固着状態
の金属材と樹脂材とが、微小ながら相対的に摺動するこ
とができるので、防振体として大きな変形が得られると
ともに、これらの摩擦によるエネルギー損失の増大によ
り、大きな振動吸収性を発揮する。そのため、振動抑制
効果に優れた防振体を得ることができる。
【0016】請求項12に記載の発明は、前記金属材又
は前記樹脂材の少なくとも一方が廃棄金属又は廃棄樹脂
から形成されている構成としてある。このように、スク
ラップのような廃棄金属や廃棄樹脂を利用することで、
より安価な価格の防振体を得ることができる。また、ス
クラップのような廃棄金属や廃棄樹脂を利用すること
で、リサイクルしにくかった金属や樹脂の有効利用を図
ることができ、環境の面においても有効である。
【0017】請求項13に記載の発明は、前記樹脂材に
代えて、あるいは、前記樹脂材とともに合成ゴムを用い
た構成としてある。本発明においては、樹脂材の代わり
に合成ゴムも用いることができ、合成ゴムを用いても樹
脂材と同様に優れた防振性を得ることができる。請求項
14に記載の発明は、前記金属材、前記樹脂材又は前記
合成ゴムの圧縮方向が、使用時において前記防振体に作
用する一又は複数の負荷方向と同方向である構成として
ある。このように、本発明の防振体は、圧縮方向と同方
向に荷重を作用させることで、防振性能および耐久性を
最大限に発揮させることができる。
【0018】本発明の防振体は、以下の製造方法によっ
て製造することができる。請求項15に記載の発明は、
金属材と樹脂材とを混合して混合体を形成し、この混合
体を圧縮容器内で加圧して圧縮し、圧縮された前記混合
体の形状を一定に維持するように前記混合体を構成する
前記金属材と前記樹脂材とを少なくとも一部で接着又は
固着した方法としてある。この方法によれば、金属材と
樹脂材との間に空隙を有する防振体を製造することがで
きる。なお、金属材は、例えば、圧延板を切断すること
によって得ることができる。また、樹脂材は、例えば、
廃棄ペットボトルを切断することによって得ることがで
きる。さらに、予め適当な大きさや形状を有しているも
のについては、そのまま金属材や樹脂材として利用する
ことも可能である。
【0019】請求項16に記載の発明は、前記圧縮状態
の前記混合体を加熱して前記樹脂材を溶融した後、前記
混合体を冷却して前記樹脂材を固化させることによっ
て、前記金属材と前記樹脂材とを固着した方法としてあ
る。混合体を加熱する加熱手段としては、バーナやヒー
タの他、誘導加熱を利用することができる。この場合、
請求項17に記載の発明のように、前記防振体の外周の
前記金属材と前記樹脂材とを接着又は固着状態にし、前
記防振体の中央部分に、圧縮状態の前記金属材と前記樹
脂材との混合体を封入するとよい。
【0020】請求項18に記載の発明は、前記樹脂材が
含まれている金属材を切断することによって、前記金属
材と前記樹脂材とを形成する方法である。例えば、ラミ
ネートフィルムで被覆された金属材を切断することで、
金属材と樹脂材とを同時に形成することができ、経済的
である。請求項19に記載の発明は、単一又は複数種類
の樹脂材と、単一又は複数種類の金属材とを混合して混
合体を形成した方法としてある。このように、本発明の
製造方法では、複数種類の金属材と樹脂材とを混合して
使用することが可能である。
【0021】請求項20に記載の発明は、前記金属材又
は前記樹脂材の少なくとも一方が廃棄金属又は廃棄樹脂
である方法としてある。この方法によれば、リサイクル
の困難なスクラップ等の廃棄金属又は廃棄樹脂の有効利
用を図ることができ、このような材料を使用すること
で、防振体の製造コストを安価にすることができる。
【0022】請求項21に記載の発明は、前記金属材と
前記樹脂材との圧縮状態における混合比が、体積比にお
いて1:9〜9:1の範囲内である方法としてある。ま
た、請求項22に記載の発明は、圧縮状態における前記
混合体と前記空隙との体積比が、1:9〜8:2の範囲
内である方法である。この範囲内で、金属材と樹脂材と
を混合し、所定の圧力で圧縮して所定割合の空隙を得る
ことで、振動抑制効果に優れる最適な防振体を製造する
ことができる。
【0023】請求項23に記載の発明は、前記混合体に
粘稠材を供給し、前記金属材と前記樹脂材との間の空隙
の一部又は全部に粘稠材を充填する方法としてある。ア
スファルトのような粘稠材を供給することで、金属材の
腐食等を防止でき、より耐久性に優れる防振体を製造す
ることができる。また、また、粘稠材の粘性作用と、金
属材や樹脂材間の摩擦係数の増大により、振動の吸収効
果をさらに高めることができる。本発明の製造方法にお
いては、請求項24に記載するように、前記樹脂材に代
えて、あるいは、前記樹脂材とともに合成ゴムを用いる
ことができる。合成ゴムを用いても、樹脂材を用いた場
合と同等の振動抑制効果を有する防振体を得ることがで
きる。この場合、樹脂材と合成ゴムとを混合して用いて
もよい。請求項25に記載の発明は、前記混合体を、防
振体の使用時に前記防振体に作用する一又は複数の負荷
方向と同方向から加圧して圧縮する方法である。この方
法によれば、防振性能および耐久性を最大限に発揮する
ことができる防振体を得ることができる。
【0024】また、この製造方法は、請求項26に記載
の製造装置を使って実施することが可能である。すなわ
ち、請求項26に記載の発明は、金属材と樹脂材及び/
又は合成ゴムとを混合・圧縮して防振体を製造する製造
装置であって、前記金属材と前記樹脂材及び/又は合成
ゴムが投入される容器と、この容器内の前記金属材と前
記樹脂材及び/又は合成ゴムとの混合体を加圧し、所定
の形状になるように圧縮する加圧・圧縮手段と、この加
圧・圧縮手段によって圧縮された状態の前記混合体を加
熱して、前記樹脂材及び/又は合成ゴムの少なくとも一
部を溶融させる加熱手段と、この加熱手段によって加熱
されている間及び前記加熱手段による加熱後の冷却時
に、前記混合体を圧縮状態で保持する保持手段とを有す
る構成としてある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態
を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明の防振体の実施形態にかかり、その一部を断面した斜
視図である。この実施形態の防振体1は、振動の吸収・
分散を行う防振層10と、この防振層10の外側に設け
られた保護層20とから概略構成されている。
【0026】[防振層]防振層10は、例えば、鋼板を
切断することによって得られた金属材と、例えば廃棄ペ
ットボトルを切断することによって得られた樹脂材と
を、所定の体積比で均一に混合して混合体を形成し、こ
の混合体を加圧圧縮してなっている。また、金属材と樹
脂材とを接着又は固着して、加圧圧縮したときの形状を
維持できるようにしている。樹脂材と金属材とは、圧縮
されることで互いに複雑に絡まり、樹脂材が金属材に接
合または挟持または封入された状態になる。そのため、
ゴム単体や樹脂単体で構成された防振体と異なり、金属
材は繰り返しの荷重負荷がかかってもクリープ変形もし
くは流動変形しないので、これに接合,挟持又は封入さ
れている樹脂材もクリープ変形や流動変形を起こしにく
い状態となり、全体として永久変形を起こすことなく安
定した性能を長期間保つことができる。
【0027】また、金属材は粒状金属や粉状金属と比べ
て、大きな面積で樹脂材と接するので、荷重負荷を効率
良く樹脂材に伝達し、樹脂材を弾性変形させるので樹脂
のもつ粘弾性的性質により振動エネルギーを効果的に吸
収することができる。さらに、防振体内部のそれぞれの
金属材、樹脂材どおしが接する面の面積の総量が大きく
なり、振動や衝撃が作用したときにはこれらの接する面
の大部分で摩擦が生じ摩擦損失によるエネルギー吸収が
おこる。したがって、本発明の防振体によれば、上記し
た複数のエネルギー吸収作用の複合によって優れた防振
性と耐久性を得ることができるものである。
【0028】[金属材]金属材は、熱間圧延板、冷間圧
延板等の圧延板、ティンフリースチール板、クロムメッ
キ板、錫メッキ板等のメッキ鋼板、アルミニウム板、ア
ルミニウム合金板、ステンレス板、ラミネート鋼板、サ
ンドイッチ鋼板もしくはこれらの塗装板等、あらゆる種
類のものを用いて形成することができる。金属材の厚さ
は、金属材の種類や樹脂材の種類,これらの混合比,防
振体の用途,振動の種類,形態,周波数等に基づいて適
宜選択できるが、概ね0.02mm〜5mmのものを用
いることができる。特に、0.07mm〜1mm程度の
ものが、圧縮成形時において金属材どおし又は金属材と
樹脂材が絡みやすく好ましい。もちろん防振体1の内部
で異なる厚さの金属材が混在していてもよい。
【0029】また、防振体1を形成するための専用の金
属材を用いてもよいが、例えば、製缶工程で排出される
プレスにおける打ち抜き屑や成形缶胴のトリム屑、圧延
材両端のトリム屑、ラミネート鋼板両端のトリム屑等の
廃棄金属を使用することも可能である。これらは廃棄金
属といえども、例えば切削屑などと比べて性状が均一
で、且つ大量に発生することから、安定的に調達可能な
ものである。また、前述したように、使用済みの空き缶
等も使用が可能である。特に、缶用素材として多く用い
られているラミネート金属板の一例は、ティンフリース
チールの両面にポリエステルフィルムをラミネートした
ものであり、本来の使用目的からして耐食性に優れてい
て、ラミネート樹脂と金属板との密着カも著しく高いた
め、本発明の防振体1においても高い接合強度と耐食性
をもたらし、好都合である。そして、このような廃棄金
属を用いることで、材料費を削減して防振体1の製造コ
ストを低減することができるほか、リサイクルのしにく
い廃棄金属について、新たな用途を拡大することができ
る等の利点がある。
【0030】[樹脂材]樹脂材は、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)やポリスチレン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、塩化ビニル等のいわゆるプラスチックを
用いて形成することができる。この場合も、金属材の場
合と同様に、この防振体1を形成するための専用の樹脂
材を用いてもよいが、例えば、回収された使用済みのペ
ットボトルやその他の廃棄樹脂材、ラミネート鋼板又は
サンドイッチ鋼板等に用いられているラミネートフィル
ムを用いることが可能である。このような廃棄樹脂材を
用いることで、材料費を削減して防振体1の製造コスト
を低減することができるほか、廃棄樹脂材の新たな用途
を拡大することができるという利点がある。
【0031】[保護層]保護層20は、防振層10を水
や油の浸入等から保護したり、防振層10の外観を向上
させたりするためのもので、防水性や耐熱性、耐圧力性
に優れる、例えば、 ポリエステル系樹脂,オレフイン
系樹脂,ポリアミド系樹脂,塩化ピニル,ポリウレタ
ン,アルミ箔,合成ゴムまたはこれらの積層材等のシー
ト,チューブ又は塗布材を適宜に用いて形成することが
できる。この保護層20は、防振層10を特に保護する
必要が無い場合や、建築物や建造物の土台等のように、
通常人目に触れることがなく、これらの外観を損なわな
いような場合には、特に設けなくてもよい。
【0032】金属材と樹脂材の混合の形態としては種々
のものを挙げることができる。その一例を、図2〜図5
を参照しながら説明する。 [防振層の第一の実施形態]図2は、防振層の第一の実
施形態にかかり、図1のA部の部分拡大図、図3は、こ
の実施形態において使用が可能な金属材の一例を示す図
である。なお、図3では、金属材101の材料となるラ
ミネート鋼板の金属部分を符号Mで、この金属部分Mに
被覆されたラミネートフィルムを符号Rで示す。
【0033】この実施形態では、金属材を形成するため
の金属材料として、図3(a)に示すようなラミネート
鋼板を用いることができる。このラミネート鋼板は、金
属部分Mの表面及び裏面に、ラミネートフィルムRを被
覆又は貼合してなっている。そして、このラミネート鋼
板を所定長さに細かく切断して、板状の金属材101を
形成している。そのため、この実施形態の金属材101
は、ラミネートフィルム102,102をその両面に有
している。
【0034】もちろん、図3(a)に示したラミネート
鋼板以外のラミネート鋼板も使用することが可能であ
る。例えば、金属部分Mの表面又は裏面のいずれか一方
に、ラミネートフィルムRを被覆又は貼合させたもの、
金属部分Mの表面又は裏面の一部にラミネートフィルム
Rを被覆又は貼合させたもの、異なる種類のラミネート
フィルムRを金属部分Mの表面と裏面に被覆又は貼合さ
せたもの等、種々のものを用いることができる。そし
て、この金属材101と樹脂材であるPETチップ10
4とを均一に混ぜ、これを圧縮して防振層100が形成
される。圧縮により、金属材101が塑性変形するとと
もに金属材101の間にPETチップ104が入り込
み、これらが複雑に絡み合うことになる。PETチップ
104は固形(非溶融)の状態のままで圧縮されるの
で、金属材101とPETチップ104との間にはとこ
ろどころに空隙106が残存することになる。
【0035】金属材101とPETチップ104とは、
ラミネートフィルム102を介して接着される。金属材
101とPETチップ104の混合体に熱を加え、PE
Tチップ104とラミネートフィルム102とを部分的
に溶融させることで、金属材101とPETチップ10
4とを固着するようにしてもよいし、接着剤を用いて接
着するようにしてもよい。また、PETチップ104や
ラミネートフィルム102を溶融させることのできる溶
剤を用いて、金属材101とPETチップ104とを固
着するようにしてもよい。このように、金属材101と
PETチップ104とを部分的に接着又は固着させるこ
とで、圧縮のための加圧を解除した後にも、圧縮時の形
状を維持することができる。
【0036】なお、この実施形態においては、図3
(b)に示すようなサンドイッチ鋼板も用いることが可
能である。このサンドイッチ鋼板は、二層の金属部分M
の間に、ラミネートフィルム層Rが形成されているもの
である。図3(b)のサンドイッチ鋼板を切断して得ら
れた金属材に、図3(a)のラミネート鋼板を切断して
得られた金属材を混ぜて使用してもよい。
【0037】[防振層の第二の実施形態]図4は、防振
層10の第二の実施形態にかかる拡大断面図である。こ
の実施形態では、金属材を形成するための金属材料とし
て、ラミネートされていない一般的な金属板を用いてい
る。この実施形態においても、金属材111と樹脂材で
あるPETチップ114とを均一に混ぜ、これを圧縮す
ることで防振層110を形成している。圧縮により、金
属材111とPETチップ114とが複雑に絡み合い、
金属材111とPETチップ114との間に空隙116
が残存することは、第一の実施形態と同様である。ま
た、この実施形態においても、金属材111とPETチ
ップ114とを加熱したり溶剤を用いたりすることによ
って固着し、又は接着剤を用いて接着して、加圧解除後
にも圧縮時の形状を維持することができるようにしてい
る。
【0038】[防振層の第三の実施形態]図5は、防振
層10の第三の実施形態にかかる拡大断面図である。こ
の実施形態では、金属材を形成するための金属材料とし
て、第一の実施形態と同様のラミネート鋼板を用いてい
る。この実施形態においても、金属材121を圧縮する
ことで防振層120を形成している。圧縮により、金属
材121が複雑に絡み合い、金属材121の間に空隙1
26が残存することは先の二つの実施形態と同様であ
る。この実施形態においては、ラミネート鋼板を切断す
ることで、金属材121と樹脂材(ラミネートフィルム
122を切断したもの)とが同時に得られという点で、
有利である。この実施形態においても、ラミネートフィ
ルム122どおしを、加熱、溶剤又は接着剤を用いて接
着又は固着して、加圧解除後にも圧縮時の形状を維持す
ることができるようにしている。
【0039】上記構成の防振層100,110,120
を有する防振体1によれば、金属材101,111,1
21とPETチップ104,114又はラミネートフィ
ルム102,122とが複雑に絡み合いつつも、金属材
101,111,121とPETチップ104,114
又はラミネートフィルム102,122との間には空隙
106,116,126が形成されている。そのため、
防振層100,110,120が立体格子状をなし、金
属材101,111,121やPETチップ104,1
14又はラミネートフィルム102,122の変形(た
わみ変形及び圧縮、膨張変形を含む)も比較的容易であ
ると推測できる。したがって、振動のエネルギーが金属
材101,111,121やPETチップ104,11
4又はラミネートフィルム102,122の弾性変形に
消費されて、高い振動抑制の効果を期待することができ
る。
【0040】[金属材、樹脂材の大きさ及び形状]本発
明では、金属材101,111,121やPETチップ
104,114が圧縮されて互いに複雑に絡みあうこと
で、性能及び耐久性に優れた防振体1を得ることができ
るものである。したがって、金属材101,111,1
21やPETチップ104,114の一片の大きさや形
状については、圧縮されて互いに絡みあうことができる
ものである必要がある。例えば、金属材101,11
1,121やPETチップ104,114が小さすぎる
と、これらが適当に絡み合いにくくなり、十分な性能や
耐久性を得ることができなくなる。また、大き過ぎる
と、金属材101,111,121やPETチップ10
4,114の均一な混合が困難になったり、圧縮が困難
になって適当に絡み合わなくなったりする。金属材10
1,111,121やPETチップ104,114は、
圧縮されて互いに絡みあうことができるのであれば、大
きさや形状は特に限定はされず、任意のものを選択する
ことができる。
【0041】[粘稠材]さらに、本発明の防振体1にお
いては、金属材101,111,121とPETチップ
104,114又はラミネートフィルム102,122
の間の空隙106,116,126の部分に、粘稠材を
充填するとよい。このような粘稠材を充填することで、
金属材101,111,121の腐食を防止して、防振
体1の耐久性を向上させることができる。また、粘稠材
の粘性作用と、金属材101,111,121やPET
チップ104,114又はラミネートフィルム102,
122の間の摩擦係数を増大させて、振動の吸収効果を
高めることができる。粘稠材としては、アスファルトを
主成分とするものを用いることができる。これにはアス
ファルト単体すなわちストレートアスファルト,ブロー
ンアスファルト,アスファルト乳剤(最終製品では乾燥
状態)を用いることができる。また、アスファルト乳剤
中にゴムの微粒子を分散させたものも用いることができ
る。これらは、主として道路舗装に用いられるものであ
る。
【0042】[金属材、樹脂材及び空隙の割合]本発明
の防振体1において、金属材101,111,121と
PETチップ104,114又はラミネートフィルム1
02,122の混合の割合、防振層100,110,1
20における金属材101,111,121とPETチ
ップ104,114又はラミネートフィルム102,1
22との混合体と空隙106,116,126との割合
は、金属材の種類や樹脂材の種類、防振体1の用途、振
動の種類、形態、周波数等に基づいて、実験等によって
適宜に求めることができる。
【0043】金属材101,111,121とPETチ
ップ104,114又はラミネートフィルム102,1
22の混合の割合は、体積比において、1:9〜9:1
の範囲、好ましくは、2:8〜4:6の範囲内であるの
がよい。金属材101,111,121の割合が小さす
ぎると、振動抑制の効果が低下し、PETチップ10
4,114又はラミネートフィルム102,122の混
合の割合が小さすぎると、防振体1の形状の維持が困難
になる。また、PETチップ104,114又はラミネ
ートフィルム102,122の量が多すぎると、長期間
使用するうちに経時変化によって防振体1が永久変形し
やすくなる。
【0044】さらに、金属材101,111,121と
PETチップ104,114又はラミネートフィルム1
02,122を混合させてなる混合体103,113,
123と空隙106,116,126との割合は、1:
9〜8:2の範囲内、好ましくは2:8〜7:3の範囲
内であるのがよい。空隙106,116,126の割合
が大きすぎると、振動を加えたときに金属材101,1
11,121やPETチップ104,114又はラミネ
ートフィルム102,122が塑性変形して、振動抑制
の効果が低下すると推測できる。逆に、空隙106,1
16,126の割合が小さすぎると、振動を加えたとき
に金属材101,111,121やPETチップ10
4,114又はラミネートフィルム102,122が十
分に弾性変形することができず、エネルギー吸収量(エ
ネルギー損失量という場合がある)が減少して振動抑制
の効果が低下すると推測できる。
【0045】金属材,PETチップ又はラミネートフィ
ルム及び空隙の割合は、例えば、図6に示すようなグラ
フを作成し、エネルギー吸収量(エネルギー損失量)と
防振層の変形のしやすさに基づいて、適切なものを選択
することができる。図6は、本発明の防振体1に圧縮荷
重(縦軸)を作用させた場合における、荷重とたわみ
(横軸)との関係を示すグラフで、防振層に占める金属
材(この場合は鉄片)、PETチップ及び空隙の割合を
種々に変化させて計測を行ったものである。なお、図6
のグラフは、防振体1を製造する際の圧縮方向と同方向
に荷重を加えた場合の結果を示している。
【0046】図6のグラフにおいて、は、防振層に占
める金属材,PETチップ、空隙の割合が、15
(%):20(%):65(%)であるとき、は、防
振層に占める金属材,PETチップ、空隙の割合が、1
5(%):25(%):60(%)であるとき、は、
防振層に占める金属材,PETチップ、空隙の割合が、
15(%):40(%):45(%)であるとき、
は、防振層に占める金属材,PETチップ、空隙の割合
が、25(%):25(%):50(%)であるとき、
のそれぞれの場合を示している。
【0047】なお、図中矢印Iの方向が荷重を加えたと
きのもので、矢印IIの方向が、荷重を取り去ったとき
のものである。矢印I方向の線図と矢印II方向の線図
とで囲まれた部分の面積が、エネルギー損失量、つま
り、金属材や樹脂材の変形等に消費されるエネルギー量
を示している。また、各グラフの勾配は、荷重を加えた
ときの変形のしやすさ、つまり、防振体1の剛性を表し
ていて、勾配が緩やかになるほど、剛性が小さくなる。
振動を効果的に抑制するには、エネルギー損失量(エネ
ルギー吸収量)が大きいものであるのが好ましく、か
つ、ある周波数帯域内で、適度な剛性を有するものであ
るのが好ましい。
【0048】金属材101,111,121,PETチ
ップ104,114又はラミネートフィルム102,1
22及び空隙106,116,126の適切な割合は、
図6に示すようなグラフに基づいて選択することができ
る。例えば、上記の防振体は、四つの防振体の中では
最もエネルギー損失量が小さく(23%)、剛性も大き
い。一方、上記の防振体は、エネルギー損失量が四つ
のうち最大である(40%)が、その剛性は四つのうち
で最も小さい。の防振体は、の防振体に剛性の点で
は近似するが、エネルギー損失がの場合よりもかなり
小さい(29%)。このような消去法によって、の防
振体を選択することができる。この場合、との中間
の性質を有する防振体を得ることができるように、金属
材101,111,121,PETチップ104,11
4及び空隙106,116,126の割合をさらに変化
させて、計測を行い、図6に示すような荷重ひずみ線図
を作成してもよい。
【0049】図7は、上記構成の防振体1の作用を説明
するグラフで、縦軸に損失係数(tanδ)を、横軸に振動
の周波数(Hz)をとっている。このグラフを作成する
ために行った試験は、防振ゴムの試験に一般に用いられ
るJIS K6394(1998年)の試験方法に準ず
るものである。この図7のグラフも、防振体1を製造す
る際の圧縮方向と同方向に荷重(振動)を加えた場合の
結果を示している。先にも説明したように、エネルギー
損失量が大きいほど振動抑制効果が高く、金属材,PE
Tチップ及び空隙の割合を適切に選択することで、ある
周波数帯域(図7のグラフでは10Hz〜50Hzの範
囲内)で高い振動抑制効果を得ることができる。
【0050】図7のグラフに示すように、金属材と樹脂
材の占める割合(配合比)を種々に変更し、アスファル
ト等の粘稠材を適宜に加えることで、エネルギー損失率
を変化させることができる。この試験においては、金属
材:10(%),PETチップ:40(%)とし、粘稠
材としてアスファルトを空隙に充填した(II)の防振体
において、最も高い振動抑制効果を得ることができた。
なお、この(II)の防振体は、図6のグラフを使って選
択したの混合比の防振体に近似するもので、図6のよ
うなグラフを用いた選択が適切であることを裏付けてい
る。金属材、樹脂材及び空隙の割合をさらに変化させて
実験を行い、適宜にアスファルト等の粘稠材を充填する
ことで、さらに振動抑制効果の高い防振体を得ることが
できる。
【0051】本発明の防振体の使用例を図8に示す。本
発明の防振体は、上記したように従来の防振ゴムと同程
度又はそれ以上の振動抑制効果を期待することができ、
列車の運行に影響を与える鉄道軌道にも利用することが
可能である。図8に示す鉄道軌道では、砕石(バラス
ト)により構成される道床35の上面に、枕木33が上
部を露出するように埋設されている。レール31,31
は、この枕木33の上に、ゴム製パッド37を介して、
取付金具32で固定されている。
【0052】本発明の防振体1は、道床35に枕木33
が埋設された埋設部36の底部36aと枕木33との間
に設けられている。防振体1は、予め適当な手段で枕木
33の底部に取り付けておいてもよい。したがって、防
振体1には、列車が通過することにより生じる振動によ
って、上下方向に荷重が作用することになる。
【0053】枕木33を介して伝えられた振動は、本発
明の防振体1によって有効に吸収,分散される。レール
31と枕木33との間にさらに防振体1を設けてもよ
い。このようにすることによって、周辺に与える騒音や
振動等の弊害を大幅に削減することができる。また、列
車の通過によって繰り返し作用する輪重(車輪が通過す
ることによる荷重)により、道床37内で枕木33が徐
々に沈下する現象を起こし、そのまま放置すると軌道の
もつ機能が損なわれるおそれがある。そのため、定期的
又は必要に応じて道床37の修復作業を行っているが、
このような修復作業は多大な時間と労力を必要とし、膨
大なコストを費やしている。本発明の防振体1を用いれ
ば、道床35に作用する輪重の衝撃を分散して軽減する
ことができるので、単位時間あたりの枕木33の沈下率
を小さくすることができ、道床35の修復の時間的間隔
を広げて、コストの削減に役立つという利点がある。
【0054】なお、砕石により構成される道床35の他
に、近年普及しているコンクリートスラブを用いたスラ
ブ軌道(図示せず)等においても、本発明の防振体1を
使用することが可能である。また、本発明の防振体1は
鉄道軌道に限らず、ビルや住宅、橋梁、道路等、他の建
築物や建造物、工作機械、プレス機械又は鍛圧機械のよ
うな振動発生源となる産業機械、精密機器や音響機器等
の精密機器にも適用が可能である。この場合も、振動を
伝える基礎や土台等と振動発生源との間に、本発明の防
振体1を設けるとよい。
【0055】[防振体の製造方法及び製造装置の説明]
次に、本発明の防振体を製造するための製造方法及びこ
の製造に用いられる製造装置の一実施形態を、図9及び
図10を参照しながら説明する。なお、以下の説明で
は、説明の便宜のために、図10(c)に示すような円
筒状の防振体1を製造するものとするが、本発明はこの
ような円柱状の防振体のみならず、あらゆる形状及び大
きさの防振体1の製造に適用が可能である。図9及び図
10に示すように、防振体1の製造装置は、筒状の加圧
容器本体52と、この加圧容器本体52の底部に螺着さ
れる底蓋53とを有する加圧容器51と、この加圧容器
51の導入孔部57に挿入される加圧ピストン54と、
この加圧ピストン54を加圧容器51に押し込む図示し
ない油圧シリンダと、加圧容器51内に設けられ、金属
材101とPETチップ104との混合体103を加圧
状態で封入して形状を維持する保持手段としての封入容
器71と、加圧容器51及び封入容器71とは別体に設
けられ、封入容器71内の混合体103を加熱する加熱
装置56とから概略構成される。
【0056】封入容器71は、図10(b)に示すよう
に、筒状の封入容器本体72と、この封入容器本体72
の上下に、ボルト75,77で取り付けられる上蓋76
及び底蓋73とを有している。封入容器本体72の内径
は、防振体1の外径寸法に合わせて形成されている。ま
た、防振体1を封入容器71から取り出したときのスプ
リングバックを考慮して、防振体1の外径寸法よりも若
干小さく形成してもよい。上蓋76は加圧ピストン54
とともに加圧容器51の導入孔部57内を移動するよう
に設けられている。また、底蓋73は予めボルト77で
封入容器本体72に固定され、封入容器本体72ととも
に加圧容器51の底部に収容される。封入容器71は、
底蓋53を加圧容器本体52から取り外すことで、加圧
容器51に挿入し又は加圧容器51から取り出すことが
可能である。
【0057】加熱装置56は、高周波誘導加熱を利用し
たもので、封入容器71の外周を取り巻くように巻かれ
た誘導加熱コイル56aと、この誘導加熱コイル56a
に所定の電圧を所定時間印加する図示しない電源装置と
から概略構成されている。封入容器71内の混合体10
3を加熱することができるのであれば、高周波誘導加熱
に限らず、電熱ヒータやバーナによる加熱を利用しても
よい。高周波誘導加熱によって混合体103の加熱を行
う場合は、封入容器71を鋼材のような強磁性材(導電
体)で形成するとよい。また、金属材101が例えば鋼
材のような強磁性材であるような場合には、誘導加熱に
よって金属材101を発熱させることができるので、封
入容器71は磁性の小さい材質のもの、例えばオーステ
ナイト系ステンレス(SUS304)や磁性を有さない
もの、例えばセラミックで形成することができる。
【0058】この製造装置による防振体の製造の手順
を、図9(a)〜(c)及びこれに連続する図10
(a)〜(c)を参照しながら説明する。図9(a)に
示すように、加圧容器51の上端に開口する開口57a
から、予め適当な大きさ及び形状に形成された金属材1
01とPETチップ104とを加圧容器51内に投入す
る。金属材101とPETチップ104とは投入前に予
め混合しておいてもよいし、これらを少量づつ交互に投
入しながら混合してもよい。また、撹絆装置(図示せ
ず)を用いて、加圧容器51内で混合するようにしても
よい。なお、金属材101とPETチップ104との混
合の割合は上述したとおりである。
【0059】また、金属材101及びPETチップ10
4の大きさは先に説明したとおりであるが、この大きさ
に不ぞろいがあると、加圧容器51内において細かいも
のは下方に沈降しやすく、大きいものは上部に集まりや
すい傾向が生じ、そのため、金属材101とPETチッ
プ104との絡み合いが不均一になるおそれがある。そ
こで、このような不都合を未然に防止するために、金属
材101及びPETチップ104を適当なメッシュのふ
るいにかけ、可能な限り大きさを均一にしておくとよ
い。ふるいを用いる代わりに、風や遠心力を利用して選
別を行ってもよい。
【0060】次に、図9(b)に示すように、加圧ピス
トン54を、開口57aから加圧容器本体52の導入孔
部57に封入容器71の上蓋76とともに挿入する。そ
して、金属材101とPETチップ104との混合体1
03を、上蓋76を介して加圧する。図9(c)に示す
ように、加圧ピストン54による混合体103の圧縮
は、加圧ピストン54のフランジ54aの下面が開口5
7aの口周縁に当接するまで行う。すなわち、加圧ピス
トン54のストロークは、フランジ54aの下面と開口
57aの口周縁との位置関係によって決定されるわけで
ある。このストロークは、金属材101及びPETチッ
プ104と空隙106との割合が予め決定された値にな
るように設定されている。
【0061】加圧ピストン54のフランジ54aの下面
が開口57aの口周縁に当接したときに、ボルト75を
使って上蓋76を封入容器本体72に固定する。この
後、油圧シリンダの加圧カを開放し、加圧容器51から
圧縮された混合体103a(以下、圧縮された状態の混
合体を符号103aで示す)を封入している封入容器7
1を取り外し、図示しない搬送装置によって加熱装置5
6へ搬送する。そして、図10(a)に示すように、誘
導加熱コイル56aの内側に、封入容器71を配置す
る。なお、防振体1の大きさや形状によっては、均一か
つ効率よく加熱を行うために、複数の誘導加熱コイルを
用いたり、局部加熱用の誘導加熱コイルを逐次移動させ
ながら全体を加熱したり、誘導加熱コイルと封入容器と
を相対的に運動(回転もしくは往復運動又はこれらを複
合させた運動を含む)させるようにしてもよい。
【0062】高周波誘導加熱は、磁性材(導電体)で形
成された封入容器71を誘導電流によって発熱させるこ
とにより行う。また、金属材101が例えば鋼材のよう
な強磁性材であるような場合には、金属材101を誘導
加熱によって発熱させることができる。この場合、封入
容器71を磁性の小さい材質のもの、例えばオーステナ
イト系ステンレス等で形成することにより、誘導電流に
よる封入容器71の発熱量を抑制して金属材101の発
熱量を増すことができるので、より効率的である。
【0063】また、加熱温度は樹脂材の種類などにもよ
るが、圧縮状態の混合体103aの表層において、樹脂
材の融点より若干高めにするとよい。樹脂材がPETチ
ップ104である場合は約230℃にするとよい。この
ような方法で加熱をおこなうことにより、混合体103
の外側では、PETチップ104が溶けた状態になって
いる。誘導加熱コイル56aへの通電時間は、混合体1
03の内側の温度がPETチップ104の溶融温度まで
上昇しない程度に設定する。これにより、冷却後に混合
体103の外周が固着された状態になって圧縮時の形状
を維持し、内部に封入された非固着状態の金属材101
とPETチップ104とが、大きな振動吸収性を有する
ことになる。
【0064】なお、樹脂材の種類によっては、加熱の後
に急冷した方がよい場合がある。例えば、PETチップ
は加熱後に徐冷する過程で結晶化して硬くなり、クッシ
ョン性が失われるおそれがある。そこで、これを防ぐた
め、図10(a)に示すような冷却水ノズル59から、
封入容器71及び圧縮状態の混合体103aに冷却水を
かけて急冷するとよい。冷却水に代えて、圧縮空気を用
いてもよく、また、液体窒素や液体二酸化炭素等の液化
ガスを用いてもよい。冷却した後、図10(b)に示す
ように、封入容器71の上蓋76及び底蓋73を取り外
し、封入容器本体72から防振体1を取り出す。取り出
した状態の防振体1を図10(c)に示す。この場合、
冷却後に防振体1を封入容器71から取り出しやすくす
るために、予め封入容器71の内面にプラスチックの成
型金型などに使われている離型剤等を塗布しておくとよ
い。
【0065】アスファルトなどの粘稠材の充填は、防振
体1の概形を成形した後、すなわち図10(b)の工程
の後に行うとよい。粘稠材の充填は、例えば、粘稠材の
粘度が低い場合には、粘稠材の液中に混合体103aを
一定時間浸すことによって行い、また、粘度が高い場合
には、粘稠材に圧力をかけてノズル(図示せず)から混
合体103aの内部の空隙に注入することによって行
う。上記以外に、圧縮前の金属材101とPETチップ
104に予め粘稠材を混合させておいてもよい。この場
合は、粘稠材が金属材101とPETチップ104の接
合を妨げないものであることが好ましい。
【0066】さらに、本発明においては、防振体1を製
造するときの混合体103の圧縮方向と、防振体1を使
用する際の荷重の作用方向とは一致させるのが好まし
い。このようにすることで、本発明の防振体1の防振性
能および耐久性を最大限に発揮させることができる。こ
れは、混合体103を圧縮することで、金属材及び樹脂
材が複雑に絡み合いつつも、金属材及び樹脂材が表面の
法線方向を、圧縮方向に近づけようとする傾向があるた
めと推測される。図6及び図7に示したグラフも、前記
圧縮方向と同じ方向に負荷や振動を作用させた場合の結
果を示したものである。そこで、本発明の防振体1を使
用する使用環境に基づいて、荷重の作用方向を割り出
し、当該荷重の作用方向に応じた方向に混合体103を
圧縮して、防振体1を製造するとよい。荷重の作用方向
が複数になるような場合には、加圧力をそれの作用方向
に応じて複数の方向から加え、混合体103を圧縮する
ようにするとよい。
【0067】本発明の好適な実施形態について説明した
が、本発明はこの実施形態により何ら限定されるもので
はない。例えば、上記の実施形態では、廃棄された金属
や樹脂を切断して、適当な大きさや形状の金属材及び樹
脂材を形成することを前提に説明しているが、予め適当
な大きさや形状を有しているものについては、そのまま
金属材や樹脂材として利用することが可能である。そし
て、このような金属材や樹脂材を利用することで、工程
の削減を図ることができ、防振体を製造するためのコス
トをさらに削減することが可能になる。
【0068】また、上記の説明では樹脂材を用いるもの
として説明したが、樹脂材に代えて、あるいは、樹脂材
とともに合成ゴムを用いてもよい。合成ゴムとしては、
加硫ゴム,スチレンブタジエンゴム,ブタジエンゴム,
ブチルゴム,クロロプレンゴム,エチレンプロピレンゴ
ム,イソプレンゴム,ポリウレタンゴム又はその発泡
体,またはこれらの再生品,廃タイヤなどを材料として
用いることができる。そして、一種類又は複数種類の前
記材料を、必要に応じて適当な大きさ及び形状に切断す
るとよい。この場合、合成ゴムと樹脂材とを混合して切
断し、この合成ゴムと樹脂材との混合物を金属材と混合
してもよい。
【0069】さらに、樹脂材を加熱溶融して金属材と樹
脂材及び/又は合成ゴムを固着するものとして説明した
が、加熱溶融に限らず、アセトンやメチル・エチルケト
ン等のケトン系の溶剤によって樹脂材や合成ゴムを溶か
し、固着させるようにしてもよい。また、接着剤を用い
て固着させてもよい。また、上記の説明では、封入容器
71は加圧容器51から取り出して加熱するものとして
説明したが、加圧容器51に封入容器71を取り付けた
ままで加熱をしてもよい。さらに、加圧容器51と封入
容器71とを別体に構成しているが、加圧容器51と封
入容器71とは一体であってもよい。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、防振ゴムや防振樹脂と
同等又はそれ以上の振動抑制効果を有する防振体を得る
ことができる。また、劣悪な環境下でも長期にわたって
安定的に性能を発揮することができ、安価なコストで防
振体を製造することが可能である。特に、スクラップの
ような廃棄金属や廃棄樹脂を利用することで、より安価
な防振体を得ることができる。また、スクラップのよう
な廃棄金属や廃棄樹脂を利用することで、リサイクルし
にくかった金属や樹脂の有効利用を図ることができ、環
境の面においても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防振体の実施形態にかかり、その一部
を断面した斜視図である。
【図2】防振層の一実施形態にかかり、図1のA部の部
分拡大図である。
【図3】図2の防振層の実施形態において使用が可能な
金属材の一例を示す図である。
【図4】防振層の第二の実施形態にかかる拡大断面図で
ある。
【図5】防振層の第三の実施形態にかかる拡大断面図で
ある。
【図6】本発明の防振体に圧縮荷重(縦軸)を作用させ
たときの圧縮荷重(縦軸)とたわみ(横軸)との関係を
示すグラフである。
【図7】本発明の防振体の作用を説明するグラフであ
る。
【図8】本発明の防振体の使用例を示す図である。
【図9】本発明の防振体を製造するための製造装置及び
この製造装置を用いた防振体の製造の手順を説明する図
である。
【図10】本発明の防振体を製造するための製造装置及
び図9に連続する防振体の製造の手順を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 防振体 10 防振層 20 保護層 31 レール 33 枕木 35 道床 51 加圧容器 52 加圧容器本体 53 底蓋 54 加圧ピストン 56 加熱装置(加熱手段) 56a 誘導加熱コイル 59 冷却水ノズル 71 封入容器 72 封入容器本体 73 底蓋 76 上蓋 75,77 ボルト 100,110,120 防振層 101,111,121 金属材 102,122 ラミネートフィルム(樹脂材) 103 混合体 103a 混合体(圧縮状態のもの) 104,114 PETチップ(樹脂材) 106,116,126 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:10 B29L 31:10 Fターム(参考) 3J048 AA01 BA24 BB03 BC06 BD03 BD04 BD05 BD07 DA03 EA38 4F204 AA24 AA45 AA50 AD03 AD16 AE07 AH43 AH46 FA01 FB01 FB11 FF05 FF51 FN11 FN15 FN17

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材と樹脂材との混合体を圧縮した状
    態で形状を維持する形状維持手段と、 この形状維持手段によって圧縮状態で固定された前記金
    属材と前記樹脂材との間に介在する空隙部分と、 を有することを特徴とする防振体。
  2. 【請求項2】 前記混合体が、種類の異なる複数の樹脂
    材を含むことを特徴とする請求項1に記載の防振体。
  3. 【請求項3】 前記混合体が、種類の異なる複数の金属
    材を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の防振
    体。
  4. 【請求項4】 前記樹脂材には、前記金属材に予め被覆
    又は貼合された樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の防振体。
  5. 【請求項5】 前記金属材と前記樹脂材との混合比が、
    体積比において、1:9〜9:1の範囲内であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防振体。
  6. 【請求項6】 前記金属材と前記樹脂材とを混合してな
    る混合体と、前記空隙とが、体積比において、1:9〜
    8:2の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の防振体。
  7. 【請求項7】 前記空隙の一部又は全部に充填された粘
    稠材を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の防振体。
  8. 【請求項8】 前記粘稠材がアスファルトを主成分とす
    るものであることを特徴とする請求項7に記載の防振
    体。
  9. 【請求項9】 前記形状維持手段が、前記金属材と前記
    樹脂材とを少なくとも一部で接着する接着剤であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防振体。
  10. 【請求項10】 前記形状維持手段が、前記樹脂材の少
    なくとも一部を溶融・固化させて固着状態にするもので
    あることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の
    防振体。
  11. 【請求項11】 前記防振体の外周の前記金属材と前記
    樹脂材とを接着又は固着状態にし、前記防振体の中央部
    分に、圧縮状態の前記金属材と前記樹脂材との混合体を
    封入したことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに
    記載の防振体。
  12. 【請求項12】 前記金属材又は前記樹脂材の少なくと
    も一方が廃棄金属又は廃棄樹脂から形成されていること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の防振
    体。
  13. 【請求項13】 前記樹脂材に代えて、あるいは、前記
    樹脂材とともに合成ゴムを用いたことを特徴とする請求
    項1〜12のいずれかに記載の防振体。
  14. 【請求項14】 前記金属材、前記樹脂材又は前記合成
    ゴムの圧縮方向が、使用時において前記防振体に作用す
    る一又は複数の負荷方向と同方向であることを特徴とす
    る請求項1〜13のいずれかに記載の防振体。
  15. 【請求項15】 金属材と樹脂材とを混合して混合体を
    形成し、 この混合体を圧縮容器内で加圧して圧縮し、 圧縮された前記混合体の形状を一定に維持するように前
    記混合体を構成する前記金属材と前記樹脂材とを少なく
    とも一部で接着又は固着したこと、 を特徴とする防振体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記圧縮状態の前記混合体を加熱して
    前記樹脂材を溶融した後、前記混合体を冷却して前記樹
    脂材を固化させることによって、前記金属材と前記樹脂
    材とを固着したことを特徴とする請求項15に記載の防
    振体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記防振体の外周の前記金属材と前記
    樹脂材とを接着又は固着状態にし、前記防振体の中央部
    分に、圧縮状態の前記金属材と前記樹脂材との混合体を
    封入したことを特徴とする請求項15又は16に記載の
    防振体の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記樹脂材が含まれている金属材を切
    断することによって、前記金属材と前記樹脂材とを形成
    することを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記
    載の防振体の製造方法。
  19. 【請求項19】 単一又は複数種類の樹脂材と、単一又
    は複数種類の金属材とを混合して混合体を形成したこと
    を特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の防振
    体の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記金属材又は前記樹脂材の少なくと
    も一方が廃棄金属又は廃棄樹脂から形成されていること
    を特徴とする請求項15〜19のいずれかに記載の防振
    体の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記金属材と前記樹脂材との圧縮状態
    における混合比が、体積比において1:9〜9:1の範
    囲内であることを特徴とする請求項15〜20のいずれ
    かに記載の防振体の製造方法。
  22. 【請求項22】 圧縮状態における前記混合体と前記空
    隙との体積比が、1:9〜8:2の範囲内であることを
    特徴とする請求項15〜21のいずれかに記載の防振体
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記混合体に粘稠材を供給し、前記金
    属材と前記樹脂材との間の空隙の一部又は全部に粘稠材
    を充填することを特徴とする請求項15〜22のいずれ
    かに記載の防振体の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記樹脂材に代えて、あるいは、前記
    樹脂材とともに合成ゴムを用いたことを特徴とする請求
    項15〜23のいずれかに記載の防振体の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記混合体を、防振体の使用時に前記
    防振体に作用する一又は複数の負荷方向と同方向から加
    圧して圧縮することを特徴とする請求項15〜24のい
    ずれかに記載の防振体の製造方法。
  26. 【請求項26】 金属材と樹脂材及び/又は合成ゴムと
    を混合・圧縮して防振体を製造する製造装置であって、 前記金属材と前記樹脂材及び/又は合成ゴムが投入され
    る容器と、 この容器内の前記金属材と前記樹脂材及び/又は合成ゴ
    ムとの混合体を加圧し、所定の形状になるように圧縮す
    る加圧・圧縮手段と、 この加圧・圧縮手段によって圧縮された状態の前記混合
    体を加熱して、前記樹脂材及び/又は合成ゴムの少なく
    とも一部を溶融させる加熱手段と、 この加熱手段によって加熱されている間及び前記加熱手
    段による加熱後の冷却時に、前記混合体を圧縮状態で保
    持する保持手段と、を有することを特徴とする防振体の
    製造装置。
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