JP2006150150A - 微粉の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 ジェットミルを用いての粉砕作用をより一層効率のよいものとし、粉砕室内面への付着を防止することであり、そのジェットミルを用いて、粗砕、中間粉砕のほか、特に微粉砕、超微粉砕の促進を図ることである。
【解決手段】 微粉の製造方法は乾式気流式粉砕機の粉砕室内に対象原料に加え、メディアを投入し、同時に環流気流にのせ攪拌させることとし、前記したメディアは酸化ジルコニウム製のビーズ等の衝撃、耐摩耗性に強い材料としたこととし、前記した粉砕室の内壁面は酸化ジルコニウム製等の衝撃、耐摩耗性に強い材料としたこととする。
【選択図】 なし

Description

本発明は微粉、特に医薬品、農薬、電子部品材料、セラミック、金属、金属酸化物、機能性顔料、食品等多くの産業分野において、対象となる原料を微粉化するための製造方法に関する。

従来より、上記した多くの産業分野において、原料を粉化、特に微粉化するについて、種々の粉砕機の存在が知られている。この粉砕の促進、即ち、より細かくし、その処理量を増やし、付着を防止することを目的として、機械的、気流式（ジェットミルを除く）、湿式（溶液化して粉砕）にあってはメディアを介在させることが知られている。このメディアとしてはボールあるいはビーズ、時によってはロッド等が用いられている。

しかしながら、一般的にジェットミルと称される乾式気流式（施流式）粉砕機にあっては、粉砕室内にあって超高速の旋回気流に砕料をのせ、その粒子間自体の衝突によって粉砕作用を実行するものであるため、メディアを介在させると、そのメディア自体の破砕によるコンタミの発生、粉砕室の内壁を摩耗させてしまう虞が原理上考えられるため、従来はジェットミルにメディアを使用するということは行なわれることがなかった。
本発明に関し、出願人は先行する技術文献を調査したが、本発明と格別に関連すると思われるものは発見することができなかった。

本発明の課題はジェットミルを用いての粉砕作用をより一層効率のよいものとし、粉砕室内面への付着を防止することであり、そのジェットミルを用いて、粗砕、中間粉砕のほか、特に微粉砕、超微粉砕の促進を図ることで、そのために、上記した虞が生ずることがないようにすることである。

係る課題を解決するために、本発明に係る微粉の製造方法は乾式気流式粉砕機の粉砕室内に対象原料に加え、メディアを投入し、同時に環流気流にのせ攪拌させることを特徴とし、前記したメディアは酸化ジルコニウム製のビーズ等の衝撃、耐摩耗性に強い材料としたことを特徴とし、前記した粉砕室の内壁面は酸化ジルコニウム製等の衝撃、耐摩耗性に強い材料としたことを特徴としている。

また、本発明に係る微粉の製造方法は前記した対象原料とメディアは予め混合状態として粉砕室内に投入されることを特徴とし、前記した対象原料とメディアは各々別途に粉砕室内に投入されることを特徴としている。

上記した構成としたことによって、本発明によれば、従来懸念されているメディア自体の破砕によるコンタミの発生や粉砕室内の壁面を摩耗により損傷してしまうこともなく、より一層ジェットミルによって砕料の粉砕を促進することができ、即ち、より細かく、処理量を増やし、付着を防止し、しかも短時間での処理を可能とする。

また、本発明では使用するメディアとして酸化ジルコニウム（ジルコニア）を採用することを想定している。この酸化ジルコニウムは耐火材、るつぼあるいは特殊磁器の材料として使用されるもので、耐衝撃性、耐熱性に優れているもので、メディアとして自ら破砕する虞もなく、粉砕室の内壁面も摩耗や衝突等によって傷つけられてしまうこともなくなるのである。

後述する実施例のように実行することとして実現した。

次に、本発明の好ましい実施の例を説明する。まず、本発明に係る微粉の製造方法を実施するにあたり、用意される乾式気流式粉砕機（ジェットミル）は既知のものでよく、格別に特殊な構造、機構、付設部材等を必要とするものではないが、但し、粉砕室の内壁面は酸化ジルコニウムにより構成あるいは被覆されていることが耐衝撃として好ましい。

前記した乾式気流式粉砕機の粉砕室内では対象原料（砕料）とともにメディアが超高速の旋回気流にのせられることとなり、その対象原料（砕料）の微粉化を促進させることとなる。

ここで、本発明の実施に使用するメディアとしては特に酸化ジルコニウム（ジルコニア）製のビーズが良好である。また、この酸化ジルコニウム製のビーズとしては直径が数十ｍｍ〜数ミクロン、特に０．０５ｍｍ程度であり、真球に近い球状であることが好ましく、真球に近いほどメディア間の衝突では芯で当たる率よりも球表面での滑接が多くなり、メディア自体の破砕や粉砕室の内壁との衝突による摩耗、損傷が避けられることとなるのであり、さらに、直径サイズは砕料の粉砕の程度と対応しやすくなることとなる。

また、前記したメディアの砕料に対し、投入される量はその砕料や粉砕の程度によっても異なってくるが、およそ容積として数十％程度となる。

さらに、このメディアの投入は予め砕料と混合させた状態で粉砕室に投入することも、砕料とは別途に投入すること、及びその投入の順序も砕料の種類や目的に応じ自在に選択することが可能であり、別途に投入する場合、その投入口も共通とするか、別途とするかは設計上自在に選択することができる。

本発明に係る微粉の製造方法は上述のように構成されるもので、従来より一層に乾式気流式粉砕機の効率を高めるものであるが、これに加えて、分級機構を付加して、粉砕の粒度ごとに粉砕生成物を仕分けすること等も可能となり、その際に必要となるシールエアの供給機構等も遂次付設していくことが設計上可能となる。勿論、粉砕品の回収（粉砕品とメディアの分離、回収）に各種分級装置を利用できることは当然である。

Claims (5)

1. 乾式気流式粉砕機の粉砕室内に対象原料に加え、メディアを投入し、同時に環流気流にのせ攪拌させることを特徴とする微粉の製造方法。
2. 前記したメディアは酸化ジルコニウム製のビーズ等の衝撃、耐摩耗性に強い材料としたことを特徴とする請求項１に記載の微粉の製造方法。
3. 前記した粉砕室の内壁面は酸化ジルコニウム製等の衝撃、耐摩耗性に強い材料としたことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の微粉の製造方法。
4. 前記した対象原料とメディアは予め混合状態として粉砕室内に投入されることを特徴とする請求項１、請求項２または請求項３に記載の微粉の製造方法。
5. 前記した対象原料とメディアは各々別途に粉砕室内に投入されることを特徴とする請求項１、請求項２または請求項３に記載の微粉の製造方法。