JP2006147442A - アルミニウム空気電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のアルミニウム空気電池に比べて、放電生成物による放電阻害を抑制し、電池寿命の長いアルミニウム空気電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 正極101に空気極を用い、負極102にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用い、正極101と負極102の間に介在させる電解質103が負極102に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含むことを特徴とする。電解質103がアルミニウムイオン伝導体と電解液からなることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】 正極101に空気極を用い、負極102にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用い、正極101と負極102の間に介在させる電解質103が負極102に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含むことを特徴とする。電解質103がアルミニウムイオン伝導体と電解液からなることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルミニウム空気電池に関する。
空気電池は、空気中に無尽蔵に存在する酸素を正極活物質として利用するため、電池容器内に正極活物質を充填する必要がない。そのために電池容器内の大部分の空間に負極活物質を充填することが可能であり、原理的に化学電池の中で最も大きなエネルギー密度を有する。
現在実用化されている空気電池は、負極に亜鉛を用いたものであるが、負極としてアルミニウムを用いることにより、理論エネルギー密度が亜鉛空気電池の1300Wh/kgから、アルミニウム空気電池の6000Wh/kgへと飛躍的に増大する。
アルミニウム空気電池は、非特許文献1に詳細が開示されている。一般的なアルミニウム空気電池は、負極にアルミニウム金属、電解質に液体電解質、正極に空気極を用い、空気極での酸素の還元と金属極での電子放出を伴う金属の溶解とを組み合わせている。図3は、従来のアルミニウム空気電池の模式図である。空気極からなる正極301、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる負極302の間に電解質303を介在させた構成となっている。
空気極およびアルミニウム極ではそれぞれ、数1および数2の反応が生じ、水酸基イオンが液体電解質を移動して、発電を行う。このとき、負極アルミニウム電極上に副生成物として水酸化アルミニウムが生じ、ゲル化、非流動化し電池放電を阻害してしまうので、容量、電圧がすぐに劣化してしまう。このため、高体積エネルギー密度な電池にもかかわらず、実用化されている例がほとんどない。
(数1)
3/402 +3/2H2 O +3e- →3OH-
(数2)
Al+3OH- →Al(OH)3 +3e-
この問題を回避する方法として、特許文献1には、電解質としてアニオン交換膜またはアニオン交換樹脂を用いる方法が開示されている。
特開2002−184472号公報
電池ハンドブック、p687−688、朝倉書店
(数1)
3/402 +3/2H2 O +3e- →3OH-
(数2)
Al+3OH- →Al(OH)3 +3e-
この問題を回避する方法として、特許文献1には、電解質としてアニオン交換膜またはアニオン交換樹脂を用いる方法が開示されている。
特許文献1に記載の方法では、放電生成物である水酸化アルミニウムの影響を低減させるため負極に凹凸を設けているが、水酸化アルミニウムが生成するのは負極と電解質のアニオン交換膜またはアニオン交換樹脂の接触面であるため、十分な効果を得ることは難しい。
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、電解液として水溶液を用いた場合において放電生成物の水酸化アルミニウムによる放電阻害を抑制し、負極として用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金の利用率を高め、電池寿命の長いアルミニウム空気電池を提供することを目的とする。
本発明のアルミニウム空気電池は、正極に空気極を用い、負極にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたアルミニウム空気電池であって、正極と負極の間に介在させる電解質が負極に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、正極に空気極を用い、負極にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたアルミニウム空気電池において、正極と負極の間に介在させる電解質が負極に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含むことにより、中性水溶液を用いた場合においては放電生成物の水酸化アルミニウムによる放電阻害を抑制し、アルカリ水溶液を用いた場合においては放電生成物の水酸化アルミニウムによる放電阻害の抑制に加えて開回路状態における負極の腐食を抑制して負極として用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金の利用率を高め、いずれの場合においても電池寿命の長いアルミニウム空気電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明による実施形態を説明する。
図1は、本発明による実施形態のアルミニウム空気電池の模式図である。空気極からなる正極101、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる負極102の間に負極に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含んだ電解質103を介在させた構成となっている。
空気極としては、負極で生成した電子を受け取り酸素を還元する物質であれば何れも用いることができる。 La(1-x)AxMnO3 (0.05<x<0.95; A = Ca, Sr, Ba) で表されるランタンマンガナイトなどのペロブスカイト型複合酸化物、Mn2O3、Mn3O4などのマンガン低級酸化物、あるいは活性炭などの炭素材料は酸素還元能と導電性を兼ね備えており好ましい。
負極には、酸化反応によりアルミニウムイオンと電子を生成する物質であれば何れも用いることできる。このような物質として、アルミニウムまたはアルミニウム合金が挙げられ、アルミニウム合金としては、アルミニウムにLi、Mg、Sn、Zn、In、Mn、Ga、Bi、Feなどをそれぞれ単独でまたは2種以上合金化させたアルミニウム合金が挙げられる。Al−Li、Al−Mg、Al−Sn、Al−Znなどのアルミニウム合金は、高い電池電圧を与えるので特に好ましい。
電解質は、その一部または全部が負極に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体となっていれば何れも用いることができる。アルミニウムイオン伝導体としては、セラミクス固体電解質、ポリマーイオン伝導体、溶融塩などが挙げられる。セラミクス固体電解質としては、化学式((R4+M2+)1-xA3+ 2x)(WO4)3 (RはZr、Hfまたはこれらの混合系で示される4価の金属元素、MはMg,Ca,Sr,Ba,Raまたはこれらの混合系で示される2価の金属元素、AはAlまたは少なくともAlを含む3価の金属元素の混合系、0<x≦1)で示されるタングステン酸複合酸化物を用いることができる。特に、2価の金属元素としてマグネシウムイオンを含有するタングステン酸複合酸化物は高いイオン導電性を与えるので、放電時に電圧の低下の小さいアルミニウム空気固体電池を得ることができる。さらに、3価と(2価、4価)の比を選択することで熱膨張係数の制御が可能であり、このようなセラミクス固体電解質を用いると温度変化に対しても体積変化のほとんどない極めて電池特性の安定した電池を得ることができる。
上記電解質による、放電阻害の抑制メカニズムの詳細は不明であるが、アルミニウムイオン伝導体を負極に当接して設置することによって、アルミニウムイオン伝導体中でアルミニウムイオンと水酸化物イオンが結合し、その結果水酸化アルミニウムがアルミニウムイオン伝導体中に分散して生成する。このようなメカニズムによって、従来課題となっていた水酸化アルミニウムが負極表面に付着することによる放電阻害を抑制していると推測される。
図2は、本発明による実施形態でアルミニウムイオン伝導体と電解液を用いたアルミニウム空気電池の模式図である。空気極からなる正極201、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる負極202の間に、負極202に当接して設置したアルミニウムイオン伝導体203と電解液204を介在させた構成となっている。図4にアルミニウム空気電池の作製方法を示す。まずフッ素樹脂金型形金型205に負極202および負極上に配置したアルミニウムイオン伝導体203をはめ込む(図4(a))。次にアルミニウムイオン伝導体203上に、電解液204を注入する(図4(b))。次に空気極からなる正極201を気泡が入らないように密栓する(図4(c))。負極202、正極201にリード線を取り付け、本実施例のアルミニウム空気電池とした。
アルミニウムイオン伝導体203の形成方法としては、シートまたは焼結体の貼り合わせ、ゾルゲル法、蒸着、CVD、熔射などが挙げられる。ゾルゲル法、蒸着、CVD、溶射などの方法は、負極203に直接アルミニウムイオン伝導体203を形成することができるので、形成したのち所望の形状に加工して用いることができる。
電解液は、アルカリ性または中性のいずれでも用いることができ、例えばNaCl水溶液、KOH水溶液が挙げられるが、これに限定されずイオン伝導性があれば用いることができる。電解液を用いることにより酸素の授受が効率良く行われ、電池特性が一層向上する。
以下、実施例を挙げて本発明によるアルミニウム空気電池をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al1.0(Hf,Mg)0.5)(WO4)3
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、市販の酸化マンガンとカーボンブラックとPTFEを重量比4:2:2で秤量し、エタノールを溶媒として十分に混合した後、テフロン(登録商標)樹脂製のシートに集電体となるニッケルメッシュとともに塗布し、120℃20hで乾燥した後、φ30mm、厚さ500μmに加工したものを用いた。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al1.0(Hf,Mg)0.5)(WO4)3
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、市販の酸化マンガンとカーボンブラックとPTFEを重量比4:2:2で秤量し、エタノールを溶媒として十分に混合した後、テフロン(登録商標)樹脂製のシートに集電体となるニッケルメッシュとともに塗布し、120℃20hで乾燥した後、φ30mm、厚さ500μmに加工したものを用いた。
負極は厚さ5mmの市販の金属アルミニウム板をφ30mmに加工して用いた。
アルミニウムイオン伝導体は、出発原料として、Al2(OH)3とHfO2とMgO、WO3をモル比2:1:1:6で秤量し、湿式ボールミル、乾燥を行ったのち、1000℃8hで焼成を行い、ライカイキによる粗粉砕を行って(Al1.0(Hf,Mg)0.5)(WO4)3としたものを用いた。得られた(Al1.0(Hf,Mg)0.5)(WO4)3Al2(WO4)3を、バインダーにポリビニルブチラール、溶剤に酢酸ブチルとともに混合しドクターブレード法を用いて、グリーンシートを作製した。作製したグリーンシートを焼成後直径30mmになるように加工して、1150℃4hの焼成を行ってアルミニウムイオン伝導体を得た。焼成後のアルミニウムイオン伝導体は、直径30mm厚さ500μmで、空孔率は約15%であった。
上記アルミニウムイオン伝導体と上記負極を貼り合わせて内径30mm、長さ15mmのフッ素樹脂金型の片側にはめ込み、アルミニウムイオン伝導体を筒底としてフッ素樹脂金型に上記電解液を3.5ml注入し、気泡が入らないように上記空気極で密栓し、本発明のアルミニウム空気電池を構成した。
(実施例2)
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: Al2(WO4)3薄膜
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: Al2(WO4)3薄膜
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
負極は厚さ5mmの市販の金属アルミニウム板をφ30mmに加工して用いた。
アルミニウムイオン伝導体は、ゾルゲル法を用いて次のように作製した。アルミニウムイソプロポキシドとタングステンエトキシドをモル比で2:3となるように混合し、さらにエタノールとアンモニア水、水を加えて攪拌した後負極のアルミニウム円盤上に滴下した後、十分に乾燥を行ってアルミニウム円盤表面にAl2(WO4)3薄膜を形成した。得られたAl2(WO4)3薄膜は多孔質で空孔率が60%であった。
上記アルミニウムイオン伝導体を形成した上記負極を内径30mm、長さ15mmのフッ素樹脂金型の片側にはめ込み、アルミニウムイオン伝導体を筒底としてフッ素樹脂金型に上記電解液を3.5ml注入し、気泡が入らないように上記空気極で密栓し、本発明のアルミニウム空気電池を構成した。
(実施例3)
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al0.5Sc1.5)(WO4)3薄膜
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al0.5Sc1.5)(WO4)3薄膜
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
負極は厚さ5mmの市販の金属アルミニウム板をφ30mmに加工して用いた。
アルミニウムイオン伝導体は、(Al0.5Sc1.5)(WO4)3をターゲットとしてφ30mm、厚さ5mmのアルミニウム円盤上にRFスパッタを行い、アルミニウム円盤表面に(Al0.5Sc1.5)(WO4)3薄膜を形成してアルミニウムイオン伝導体とした。スパッタ条件は、ArとO2ガス混合比20:1、ガス圧1Pa、投入電力100W、30分間とした。
上記アルミニウムイオン伝導体を形成した上記負極を内径30mm、長さ15mmのフッ素樹脂金型の片側にはめ込み、アルミニウムイオン伝導体を筒底としてフッ素樹脂金型に上記電解液を3.5ml注入し、気泡が入らないように上記空気極で密栓し、本発明のアルミニウム空気電池を構成した。
(実施例4)
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: ポリエチレンオキシドとAl2(WO4)3の混合物
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: ポリエチレンオキシドとAl2(WO4)3の混合物
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
負極は厚さ5mmの市販の金属アルミニウム板をφ30mmに加工して用いた。
アルミニウムイオン伝導体は、Al2(WO4)3の粉末を分散させたエタノールにポリエチレンオキシドを溶解させた後φ30mm、厚さ5mmのアルミニウム円盤上に滴下してアルミニウム円盤表面にポリエチレンオキシドとAl2(WO4)3の混合薄膜を形成してアルミニウムイオン伝導体とした。
上記アルミニウムイオン伝導体を形成した上記負極を内径30mm、長さ15mmのフッ素樹脂金型の片側にはめ込み、アルミニウムイオン伝導体を筒底としてフッ素樹脂金型に上記電解液を3.5ml注入し、気泡が入らないように上記空気極で密栓し、本発明のアルミニウム空気電池を構成した。
(実施例5)
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
図2に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al1.0(Hf,Mg)0.5)(WO4)3
電解液: 7mol/lKOH水溶液
ここで空気極と負極、アルミニウムイオン伝導体は、実施例1と同様のものを用い、電解液として7mol/lKOH水溶液を用いて、アルミニウム空気電池を構成した。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al1.0(Hf,Mg)0.5)(WO4)3
電解液: 7mol/lKOH水溶液
ここで空気極と負極、アルミニウムイオン伝導体は、実施例1と同様のものを用い、電解液として7mol/lKOH水溶液を用いて、アルミニウム空気電池を構成した。
(実施例6)
試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al0.7Sc1.3)(WO4)3薄膜
電解液: 7mol/lKOH水溶液
ここで空気極と負極は、実施例1と同様のものを用いた。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
アルミニウムイオン伝導体: (Al0.7Sc1.3)(WO4)3薄膜
電解液: 7mol/lKOH水溶液
ここで空気極と負極は、実施例1と同様のものを用いた。
アルミニウムイオン伝導体は、Al2(WO4)3とSc2(WO4)3の2元ターゲットを使用し、φ30mm、厚さ5mmのアルミニウム円盤上にRFスパッタを行った。AlとScの比は、スパッタレートにより調整し、アルミニウム円盤表面に(Al0.7Sc1.3)(WO4)3薄膜を形成した。スパッタ条件は、ArとO2ガス混合比20:1、ガス圧1Pa、投入電力100W、30分間とした。
電解液としては、実施例5、実施例6と同様に、7mol/lKOH水溶液を用いた。
上記アルミニウムイオン伝導体を形成した上記負極を内径30mm、長さ15mmのフッ素樹脂金型の片側にはめ込み、アルミニウムイオン伝導体を筒底としてフッ素樹脂金型に上記電解液を3.5ml注入し、気泡が入らないように上記空気極で密栓し、本発明のアルミニウム空気電池を構成した。
(比較例1)
図3に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
図3に断面の構造の模式図を示すアルミニウム空気電池を組み立てた。試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
電解液: 7mol/lNaCl水溶液
ここで空気極は、実施例1と同様のものを用いた。
負極は厚さ5mmの市販の金属アルミニウム板をφ30mmに加工して用いた。
上記負極を内径30mm、長さ15mmのフッ素樹脂金型の片側にはめ込み、フッ素樹脂金型に上記電解液を3.5ml注入し、気泡が入らないように上記空気極で密栓し、従来のアルミニウム空気電池を構成した。
(比較例2)
試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成は以下の通りである。
試験電池の構成
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
電解液: 7mol/lKOH水溶液
ここで空気極、負極は、実施例1と同様のものを用いた。電解液は、実施例5、実施例6、実施例7と同様、7mol/lKOH水溶液を用いた。
空気極: 酸化マンガン+カーボンブラック+ニッケルメッシュ
負極: 金属アルミニウム板
電解液: 7mol/lKOH水溶液
ここで空気極、負極は、実施例1と同様のものを用いた。電解液は、実施例5、実施例6、実施例7と同様、7mol/lKOH水溶液を用いた。
[評価]
実施例1から実施例6と比較例1および比較例2で得られたアルミニウム空気電池を50mA/cm2の電流密度で放電させ、初期電圧の0.8倍を放電終了電圧として放電時間を比較した。その結果を、比較例1の放電時間を1とした相対値として表1に示す。
実施例1から実施例6と比較例1および比較例2で得られたアルミニウム空気電池を50mA/cm2の電流密度で放電させ、初期電圧の0.8倍を放電終了電圧として放電時間を比較した。その結果を、比較例1の放電時間を1とした相対値として表1に示す。
本発明によれば、負極として用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金の利用率を高め、電池寿命の長いアルミニウム空気電池を提供することができる。このため、ポータブル機器の動作時間向上が可能となり、携帯機器、電気自動車、ロボット等に好適に用いることができる。
101 正極
102 負極
103 アルミニウムイオン伝導体を含んだ電解質
201 正極
202 負極
203 アルミニウムイオン伝導体
204 電解液
205 フッ素樹脂金型
301 正極
302 負極
303 電解質
102 負極
103 アルミニウムイオン伝導体を含んだ電解質
201 正極
202 負極
203 アルミニウムイオン伝導体
204 電解液
205 フッ素樹脂金型
301 正極
302 負極
303 電解質
Claims (2)
- 正極に空気極を用い、負極にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたアルミニウム空気電池であって、正極と負極の間に介在させる電解質が負極に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含むことを特徴とするアルミニウム空気電池。
- 電解質がアルミニウムイオン伝導体と電解液からなる請求項1に記載のアルミニウム空気電池。
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2004
- 2004-11-24 JP JP2004338424A patent/JP2006147442A/ja active Pending
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