JP2006144680A - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータの大型化を要さずに、始動性向上を図る。
【解決手段】作動角を拡大・縮小させる第1可変動弁機構は、クランクシャフトによって回転駆動される複数気筒に共通の駆動軸と、アクチュエータによって回転角度位置が制御される複数気筒に共通の制御軸と、駆動軸の回転運動を各気筒の吸気弁へ伝達して各吸気弁を開閉するとともに、制御軸の回転角度位置に応じて作動角が拡大・縮小する各気筒毎のカム連動機構と、を備えており、機関運転条件に応じて作動角を制御することにより内燃機関の吸気量が制御される。中心角を遅進させる第2可変動弁機構は、機関停止中に、非固定状態となり、クランクシャフトと駆動軸との相対回転変位が許容される。機関停止後に、第1可変動弁機構のアクチュエータを駆動すると、リフト中のバルブスプリング反力によって駆動軸が逆に回転し、作動角が拡大した制御状態となる。
【選択図】図6

Description

この発明は、可変動弁装置による吸気弁のバルブリフト特性の変更によって吸入空気量を制御するようにした内燃機関の吸気制御装置に関する。
ガソリン機関においては、一般に吸気通路中に設けたスロットル弁の開度制御によって吸気量を制御しているが、良く知られているように、この種の方式では、特にスロットル弁開度の小さな中低負荷時におけるポンピングロスが大きい、という問題がある。これに対し、吸気弁の開閉時期やリフト量を変化させることで、スロットル弁に依存せずに吸気量を制御しようとする試みが以前からなされている。
特許文献1は、本出願人が先に提案したものであるが、吸気弁の可変動弁装置として、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に拡大,縮小可能な第1可変動弁機構(リフト・作動角可変機構)と、作動角の中心角の位置を連続的に遅進させる第2可変動弁機構(位相可変機構)と、を備え、機関運転状態に応じて、主に吸気弁のバルブリフト特性を変化させることで、吸入空気量を制御するようにした内燃機関の吸気制御装置が開示されている。
この種の吸気制御装置によれば、上述のように、スロットル弁の開度制御に依存せずにシリンダ内に流入する空気量を可変制御することが可能であり、特に負荷の小さな領域において、いわゆるスロットルレス運転ないしはスロットル弁の開度を十分に大きく保った運転を実現でき、ポンピングロスの大幅な低減が図れる。
特開2002−256905号公報
上記のような可変動弁機構を備えた内燃機関の吸気制御装置においては、機関を停止したときに、吸気弁のリフト特性が、必ずしも次の始動に適したものとはならない。つまり、車両の走行を停止した後に内燃機関のキーOFF操作がなされることを前提とすると、一般に、低速低負荷ないしはアイドルに適したリフト特性でもって内燃機関が停止することになるが、この結果、始動時(特に冷機始動時)に要求される吸入空気量を確保し得ないリフト特性となっている場合があり、始動性悪化の懸念がある。
そのため、機関のクランキングの前(例えば機関停止中)に、予め、リフト特性例えば作動角の拡大制御を行うことが必要な場合があるが、このような場合に、多気筒内燃機関においては、いずれかの気筒で吸気弁が僅かでも開いていると、バルブスプリング反力が各部に作用するため、一般に、アクチュエータによるリフト特性の変更が困難となる。特に、作動角の拡大のためには、リフト途中の吸気弁をバルブスプリング反力に抗してさらに押し開くことになるため、非常に大型のアクチュエータが必要となり、好ましくない。
この発明は、バルブスプリングによって閉方向に付勢された吸気弁と、クランクシャフトによって回転駆動される複数気筒に共通の駆動軸と、アクチュエータによって回転角度位置が制御される複数気筒に共通の制御軸と、上記駆動軸の回転運動を各気筒の吸気弁へ伝達して各吸気弁を開閉するとともに、上記制御軸の回転角度位置に応じて作動角が拡大・縮小する各気筒毎のカム連動機構と、を備え、機関運転条件に応じて上記作動角を制御することにより内燃機関の吸気量を制御するようにした内燃機関の吸気制御装置において、
上記制御軸が小作動角側に制御されたときに駆動軸が共通な全気筒の吸気弁がリフトしていない期間を有するように構成されており、かつ機関停止中に、クランクシャフトと駆動軸との相対回転変位が許容されていることを特徴としている。
上記の構成では、例えば、機関停止中に、次の機関始動に備えて、上記アクチュエータにより上記制御軸を大作動角側へ動かすと、仮に、いずれかの気筒の吸気弁がリフトの途中であった場合には、バルブスプリング反力によって当該気筒のリフトは増加せず、アクチュエータ駆動力によって制御軸の回転に伴い逆に駆動軸が回転しようとする。このとき、クランクシャフトと駆動軸との相対回転変位が許容されているため、駆動軸が回転変位し、制御軸の回転角度位置は、作動角がより大きくなる位置に変化する。つまり、内燃機関が停止した状態のまま、吸気弁の作動角が潜在的に拡大した制御位置となる。従って、始動時に、内燃機関のクランキングが開始され、駆動軸がクランクシャフトとともに回転駆動されると、直ちに作動角が大きな制御状態となる。
望ましくは、請求項3のように、上記の全気筒の吸気弁がリフトしていない期間が消失する作動角の位置まで、上記制御軸を動かす。仮に、機関停止中にこれよりも作動角が大きくなる位置まで変化させようとすると、いずれかの気筒の実際のリフトの増加(つまりバルブスプリング反力の増加)が生じるので、アクチュエータの負荷が急激に増加し、好ましくない。
また、請求項4の発明は、上記クランクシャフトと上記駆動軸との間に介在し、両者の位相を相対的に変化させることで作動角の中心角を遅進させる位相可変機構をさらに備えており、機関停止中は、この位相可変機構が、非固定状態となることを特徴としている。
また、望ましくは、上記アクチュエータは電動アクチュエータからなり、機関停止中においても、その駆動が可能となっている。
上記カム連動機構は、例えば、上記駆動軸に設けられた偏心カムの外周に相対回転可能に嵌合したリンクアームと、上記制御軸の偏心カム部に回転可能に装着され、かつ上記リンクアームにより揺動されるロッカアームと、上記駆動軸に回転可能に支持されるとともに、上記ロッカアームにリンクを介して連結され、該ロッカアームに伴って揺動することにより吸気弁を押圧する揺動カムと、を備えて構成されている。この構成では、作動角とリフトとの双方が、同時に、かつ連続的に変化する。
この発明によれば、機関停止状態において、次の機関始動に備えて、実際のリフトつまりバルブスプリング反力の増加を伴わずに、制御軸の回転角度位置を、予め、作動角がより大きくなる位置に変化させることができる。従って、アクチュエータの大型化を要さずに、始動時の吸入空気量を確実に確保して始動性向上を図ることができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る内燃機関の吸気弁制御装置のシステム構成を示す構成説明図であって、内燃機関1は、吸気弁3と排気弁4とを有し、かつ吸気弁3の動弁機構として、吸気弁3のリフト・作動角を連続的に拡大・縮小させることが可能な第1可変動弁機構(VEL)5および作動角の中心角を連続的に遅進させることが可能な第2可変動弁機構(VTC)6を備えている。また、吸気通路7には、モータ等のアクチュエータにより開度が制御される電子制御スロットル弁2が設けられている。ここで、上記スロットル弁2は、吸気通路7内に、ブローバイガスの処理などのために必要な僅かな負圧(例えば−50mmHg)を発生させるためだけに用いられており、吸入空気量の調整は、基本的に、上記第1,第2可変動弁機構5,6により吸気弁3のバルブリフト特性を変更することで行われる。すなわち、吸入空気量の調整をスロットル弁開度に依存しない実質的なスロットルレス運転が実現される。これらの第1,第2可変動弁機構5,6および電子制御スロットル弁2は、コントロールユニット10によって制御されている。
また、燃料噴射弁8が吸気通路7に配設されており、上記のように吸気弁3により調整された吸入空気量に応じた量の燃料が、この燃料噴射弁8から噴射される。従って、内燃機関1の出力は、第1,第2可変動弁機構5,6により吸入空気量を調整することによって制御される。
上記のコントロールユニット10には、運転者により操作されるアクセルペダルに設けられたアクセル開度センサ11からのアクセル開度信号APO、エンジン回転速度センサ12からのエンジン回転速度信号Ne、吸入空気量センサ13からの吸入空気量信号、などが入力されており、コントロールユニット10は、これらの信号に基づいて、燃料噴射量、点火時期、スロットル弁開度、作動角目標値、中心角目標値、等を演算し、燃料噴射弁8、点火プラグ9、スロットル弁2、第1,第2可変動弁機構5,6、等を制御する。また、図示せぬスタータモータを備えており、機関始動時には、図示せぬスタータスイッチ(キースイッチ)からの入力に基づいて、クランキングを含む所定の始動時の制御を実行する。
図2は、上記第1,第2可変動弁機構5,6の構成を示す構成説明図である。これらの第1可変動弁機構5および第2可変動弁機構6は、その機械的な構成は公知であり、例えば、上述した特許文献1に記載の装置と同様の構成を有している。従って、その概要のみを説明する。
リフト・作動角を可変制御する第1可変動弁機構5は、内燃機関1のクランクシャフトにより駆動される駆動軸22と、この駆動軸22に固定された偏心カム23と、回転自在に支持された制御軸32と、この制御軸32の偏心カム部38に揺動自在に支持されたロッカアーム26と、吸気弁3のタペット30に当接する揺動カム29と、を備えており、上記偏心カム23とロッカアーム26とはリンクアーム24によって連係され、ロッカアーム26と揺動カム29とは、リンク部材28によって連係されている。
上記ロッカアーム26は、略中央部が上記偏心カム部38によって揺動可能に支持されており、その一端部に、連結ピン25を介して上記リンクアーム24のアーム部が連係しているとともに、他端部に、連結ピン27を介して上記リンク部材28の上端部が連係している。上記偏心カム部38は、制御軸32の軸心から偏心しており、従って、制御軸32の角度位置に応じてロッカアーム26の揺動中心は変化する。
上記揺動カム29は、駆動軸22の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、連結ピン37を介して上記リンク部材28の下端部が連係している。この揺動カム29の下面には、駆動軸22と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム29の揺動位置に応じてタペット30の上面に当接する。上記カム面がタペット30を押圧すると、吸気弁3は、図示せぬバルブスプリング反力に抗して押し開かれることになり、これに伴い、バルブスプリング反力が、揺動カム29から逆に駆動軸22へ至る各部へ作用する。
上記制御軸32は、一端部に設けられたリフト・作動角制御用アクチュエータ33によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用アクチュエータ33は、例えばウォームギア35を介して制御軸32を駆動する電動モータからなり、コントロールユニット10からの制御信号によって制御される。上記制御軸32の回転角度は、制御軸センサ34によって検出される。なお、制御軸32は、バルブスプリング反力を繰り返し受ける結果、リフト・作動角が縮小する方向へ付勢される。
上記第1可変動弁機構5によれば、上記制御軸32の回転角度位置に応じて吸気弁3のリフトならびに作動角が、両者同時に、連続的に拡大,縮小し、このリフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁3の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。リフト・作動角の大きさは、制御軸32の回転角度によって一義的に定まるので、上記制御軸センサ34の検出値により、そのときの実際のリフト・作動角が示されることになる。
なお、図では、1気筒分のみが示されているが、上記駆動軸22および制御軸32は複数気筒に共通のものであり、他の偏心カム23、リンクアーム24、ロッカアーム26、リンク部材28、揺動カム29、偏心カム部38等からなるカム連動機構は、気筒毎に設けられている。また、V型内燃機関等では、各バンク毎に、駆動軸22および制御軸32が設けられる。
一方、中心角を可変制御する位相可変機構となる第2可変動弁機構6は、上記駆動軸22の前端部に設けられたスプロケット42と、このスプロケット42と上記駆動軸22とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ43と、から構成されている。上記スプロケット42は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。上記位相制御用アクチュエータ43は、本実施例では油圧式の回転型アクチュエータからなり、コントロールユニット10からの制御信号によって図示せぬ油圧制御弁を介して制御される。この位相制御用アクチュエータ43の作用によって、スプロケット42と駆動軸22とが相対的に回転し、バルブリフトにおけるリフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。この第2可変動弁機構6の制御状態は、駆動軸22の回転位置に応答する駆動軸センサ36によって検出される。
なお、この種の公知の位相可変機構においては、一般に、位相制御用アクチュエータ43内部に、スプロケット42と駆動軸22との相対位置を、中心角の最遅角位置等の基準位置でもって固定保持する図示せぬロックピン等からなる保持機構が設けられているが、本実施例の第2可変動弁機構6においては、このような保持機構は具備していない。また、上記位相制御用アクチュエータ43は、2つの油圧室への作動油の出入りにより回転方向に駆動されるが、この作動油の流れを制御する図示せぬ油圧制御弁は、機関停止時つまり電源OFF時に、それぞれの油圧室をドレンポートへ開放するように構成されている。従って、機関停止中は、スプロケット42と駆動軸22とは相対的に固定されておらず、ある角度範囲で自由に相対回転変位し得る。
図3は、代表的な運転条件における吸気弁3のバルブリフト特性を示したもので、図示するように、アイドル等の極低負荷域においては、リフト・作動角が最小となり、かつ中心角の位相は、最も遅角した位置となる。これによって、閉時期は、下死点直前位置となる。
アイドル等の極低負荷域よりも負荷の大きな低負荷領域(補機負荷が加わっているアイドル状態を含む)においては、リフト・作動角が大きくなり、かつ中心角は進角した位置となる。このときには、吸気弁閉時期を早めることで、吸気量が比較的少量に制御される。
さらに負荷が増加し、燃焼が安定してくる中負荷域では、リフト・作動角をさらに拡大しつつ、中心角の位相を進角させる。中心角の位相は、中負荷域のある点で、最も進角した状態となる。
また、最大負荷時には、さらにリフト・作動角を拡大し、かつ最適なバルブタイミングとなるように第2可変動弁機構6を制御する。なお、図示するように、機関回転数によっても最適なバルブリフト特性は異なるものとなる。
次に、本発明の特徴である内燃機関の停止および再始動の際の吸気弁リフト特性について説明する。
図4は、直列4気筒内燃機関を例に、リフト・作動角が十分に小さく制御された場合の内燃機関全体のリフト特性を示している。アイドル状態を経て内燃機関の停止に至った場合には、基本的に、図4のように、リフト・作動角が小さな状態のまま内燃機関が停止する。このとき、各気筒の作動角(リフト期間)の間に、全気筒の吸気弁3がリフトしていない期間(ゼロリフト期間)が存在する。このゼロリフト期間は、直列4気筒機関であれば、各々の作動角が180°CA未満に制御されているときに生じることになる。そして、内燃機関の回転が完全に停止したときに、クランクシャフトは、あるクランク角位置で停止するが、いずれかの気筒の吸気弁3がリフトしているタイミングで停止することもあり、あるいは、上記のゼロリフト期間のタイミングで停止することもあり得る。
本実施例では、内燃機関が停止した直後に、次の始動に備えて、電動のリフト・作動角制御用アクチュエータ33を駆動し、制御軸32を、リフト・作動角が始動に適した大きさとなるように、その拡大方向に回転させる。但し、作動角が最大でも180°CAとなるまで、換言すれば、上記のゼロリフト期間が消失しない範囲内で作動角の拡大を行う。
このようにリフト・作動角制御用アクチュエータ33を駆動したときに、機関の回転停止のタイミング(クランク角位置)が、上記のゼロリフト期間内にあれば、いずれの気筒の吸気弁3もリフトしておらず、バルブスプリング反力が各揺動カム29に作用していない。従って、リフト・作動角制御用アクチュエータ33が駆動されると、通常の運転時と同様に制御軸32が容易に回転変位し、リフト・作動角がより大きくなる回転角度位置に達し得る。
なお、後述するように、4気筒機関の場合に作動角が180°CA以上となる回転角度位置に制御軸32が達すると、それ以上は、いずれかの気筒の吸気弁3の実際のリフトを伴うことになるので、リフト・作動角制御用アクチュエータ33に過大な負荷が掛かり、好ましくない。従って、作動角が最大でも180°CAとなるように制御指令を出力する必要がある。また、このような機関停止中のリフト・作動角の拡大は、再始動の直前でも可能ではあるが、内燃機関各部が暖まっている停止直後の方が、熱膨張によりバルブクリアランスが大となっており、リフト・作動角の変更がより容易であるので、好ましい。図5は、ある気筒の吸気弁3のリフト開始前のゼロリフト期間中に回転停止のタイミングが位置している場合の例を示しており、停止時のリフト・作動角特性L1に対し、リフト・作動角制御用アクチュエータ33の大きな駆動力を要さずに、特性L2のように、リフト・作動角を拡大させることができる。
一方、図6は、停止時のリフト・作動角特性L1において、ある気筒の吸気弁3のリフト期間中(特に前半のリフト増加期間中)に回転停止のタイミングが位置した場合を示している。この場合は、リフト期間中の吸気弁3のバルブスプリング反力が揺動カム29に作用しているので、リフト・作動角制御用アクチュエータ33をリフト・作動角拡大方向に駆動しても、当該気筒の揺動カム29は、それ以上、リフトが増加する方向には揺動し得ない。これに対し、駆動軸22は、機関停止中は、クランクシャフトに対し固定されておらず、位相制御用アクチュエータ43において相対回転変位が許容されている。従って、リフト・作動角制御用アクチュエータ33の駆動力によって、カム連動機構を介して、逆に駆動軸22が回転変位する。つまり、図6に特性L2として示すように、当該気筒の吸気弁3の実際のリフトは変化しないまま、駆動軸22の位相が相対的に遅角側にずれ、制御軸32の回転角度位置が、特性L2として示すリフト・作動角に対応する回転角度位置となる。
4気筒機関の場合に作動角が180°CA以上となる回転角度位置に制御軸32が達すると、それ以上は、吸気行程が隣り合う気筒の吸気弁3の実際のリフトを伴うことになるので、リフト・作動角制御用アクチュエータ33に過大な負荷が掛かり、好ましくない。従って、作動角が最大でも180°CAとなるように制御指令を出力する必要がある。
なお、ゼロリフト期間中に回転が停止した前述した図5の例では、停止のタイミング(クランク角位置)における実際の吸気弁3のリフトが零を維持するので、リフト・作動角がある段階まで拡大していずれかの気筒の吸気弁3がリフトし始めようとすると、図6の場合と同様に、駆動軸22の位相が相対的に変位する。図5の特性L2は、厳密には、このようにして駆動軸22の位相が僅かに遅角側にずれた状態を図示している。
図7は、図6と同じく、停止時のリフト・作動角特性L1において、ある気筒の吸気弁のリフト期間中に回転停止のタイミングが位置した場合を示しているが、特に、作動角後半のリフト減少期間中に回転停止のタイミングが位置する場合を示す。この場合も、リフト期間中の吸気弁3のバルブスプリング反力が揺動カム29に作用していて、リフト・作動角制御用アクチュエータ33をリフト・作動角拡大方向に駆動しても、当該気筒の揺動カム29は、それ以上、リフトが増加する方向には揺動し得ない。そして、駆動軸22は、機関停止中は、クランクシャフトに対し固定されていないため、リフト・作動角制御用アクチュエータ33の駆動力によって、カム連動機構を介して、逆に駆動軸22が回転変位する。但し、この場合は、図7に特性L2として示すように、当該気筒の吸気弁3の実際のリフトは変化しないまま、駆動軸22の位相が相対的に進角側にずれる。これにより、制御軸32の回転角度位置が、特性L2として示すリフト・作動角に対応する回転角度位置となる。
図6あるいは図7のいずれの場合でも、その後の機関の始動の際には、位相制御用アクチュエータ43がクランクシャフトと駆動軸22とを連結した状態に復帰し、当初からリフト・作動角が十分に大きくなった制御状態でもってクランキングが開始されるので、冷間始動のように吸入空気量が比較的大きく要求される場合でも、良好な始動性を確保することができる。
なお、機関停止中のリフト・作動角の拡大に際し、クランクシャフトと駆動軸22との間の相対回転変位を許容する方法としては、上記実施例のように位相制御用アクチュエータ43を非固定状態とする方法の他、クランクシャフトから駆動軸22へ至る伝動機構の適宜位置で両者のずれを許容すればよく、種々の構成が可能である。例えば、両者間のタイミングチェーンやタイミングベルトに張力を付与するテンショナをソレノイド等により切換可能な構成とし、リフト・作動角の拡大を行うときに、張力付与を停止して、タイミングチェーンやタイミングベルトに緩みを与えることで、同様の駆動軸22の位相変化を実現できる。
また、図8は、図6と同様に、ある気筒の吸気弁のリフト期間中(例えば前半のリフト増加期間中)に回転停止のタイミングが位置したものとして、機関停止中に上述したリフト・作動角の拡大を行った場合の挙動の一例を示している。この例では、前述したように、リフト・作動角制御用アクチュエータ33の駆動により、駆動軸22の位相が遅角側に変位するが、リフト・作動角制御用アクチュエータ33によりリフト中の揺動カム29が動こうとするのが契機となって、バルブスプリング反力が小さくなる方向に、つまり実際のリフトが縮小するように、駆動軸22の位相が変位している。
なお、上記実施例では、直列4気筒内燃機関を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の内燃機関に適用が可能である。例えば、V型6気筒内燃機関においては、一方のバンクが3気筒ずつとなり、同じバンクでの吸気行程の間隔がより大きくなるので、より有利となる。
この発明に係る吸気制御装置の一実施例を示す構成説明図。 可変動弁装置を示す構成説明図。 代表的な運転条件でのバルブリフト特性を示す特性図。 直列4気筒内燃機関の場合の小リフト・作動角のときの機関全体のリフト特性を示す特性図。 機関停止中のリフト・作動角の拡大の例を示す説明図。 同じく機関停止中のリフト・作動角の拡大の例を示す説明図。 同じく機関停止中のリフト・作動角の拡大の例を示す説明図。 同じく機関停止中のリフト・作動角の拡大の例を示す説明図。
符号の説明
3…吸気弁
5…第1可変動弁機構
6…第2可変動弁機構

Claims (6)

  1. バルブスプリングによって閉方向に付勢された吸気弁と、クランクシャフトによって回転駆動される複数気筒に共通の駆動軸と、アクチュエータによって回転角度位置が制御される複数気筒に共通の制御軸と、上記駆動軸の回転運動を各気筒の吸気弁へ伝達して各吸気弁を開閉するとともに、上記制御軸の回転角度位置に応じて作動角が拡大・縮小する各気筒毎のカム連動機構と、を備え、機関運転条件に応じて上記作動角を制御することにより内燃機関の吸気量を制御するようにした内燃機関の吸気制御装置において、
    上記制御軸が小作動角側に制御されたときに駆動軸が共通な全気筒の吸気弁がリフトしていない期間を有するように構成されており、かつ機関停止中に、クランクシャフトと駆動軸との相対回転変位が許容されていることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
  2. 機関停止中に、次の機関始動に備えて、上記アクチュエータにより上記制御軸を予め大作動角側へ動かすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置。
  3. 上記の全気筒の吸気弁がリフトしていない期間が消失する作動角の位置まで、上記制御軸を動かすことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気制御装置。
  4. 上記クランクシャフトと上記駆動軸との間に介在し、両者の位相を相対的に変化させることで作動角の中心角を遅進させる位相可変機構をさらに備えており、機関停止中は、この位相可変機構が、非固定状態となることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  5. 上記アクチュエータが電動アクチュエータであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  6. 上記カム連動機構は、上記駆動軸に設けられた偏心カムの外周に相対回転可能に嵌合したリンクアームと、上記制御軸の偏心カム部に回転可能に装着され、かつ上記リンクアームにより揺動されるロッカアームと、上記駆動軸に回転可能に支持されるとともに、上記ロッカアームにリンクを介して連結され、該ロッカアームに伴って揺動することにより吸気弁を押圧する揺動カムと、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
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