JP2006142765A - クリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のインクジェット記録装置は、クリーニング等でインクを回収する際に吸引された廃インクを気液分離チャンバに回収して廃インクと空気を分離するが、2台のポンプが必要であったり、廃インクがポンプに流れる可能性がある。
【解決手段】本発明は、吸引されたインクを回収する機能を有する気液分離タンク内部に仕切り部16を設けてインクを貯蔵するエリアと貯蔵しないエリアを形成し、貯蔵するエリア内で吸引ポンプの前段にインクミストをトラップするトラップ部材を設けることにより、吸引ポンプ5による吸引力が仕切り部16によって阻まれ、インクミストのほとんどが仕切り部16の手前で下方に落ち、さらにトラップ部材14で分離されるため、吸引ポンプ5までインクミストが流入することはないクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、吸引されたインクを回収する機能を有する気液分離タンク内部に仕切り部16を設けてインクを貯蔵するエリアと貯蔵しないエリアを形成し、貯蔵するエリア内で吸引ポンプの前段にインクミストをトラップするトラップ部材を設けることにより、吸引ポンプ5による吸引力が仕切り部16によって阻まれ、インクミストのほとんどが仕切り部16の手前で下方に落ち、さらにトラップ部材14で分離されるため、吸引ポンプ5までインクミストが流入することはないクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インク吐出ヘッドの吐出口をメンテナンスするためのクリーニング機構を有するインクジェット記録装置に関する。
一般にインクジェット記録装置は、画像を形成するためのインクを吐出するインク吐出ヘッドの吐出口(ノズル)が微小径で形成されているため、インクの増粘による目詰まりや、異物による吐出不良が生じた場合には、高画質の画像記録ができなくなる。これを解決するために、インクジェット記録装置は、通常インク吐出ヘッドのクリーニング機構を搭載している。
このクリーニング機構は、種々のタイプがあり、例えばインク吐出ヘッド内のインクを加圧することにより、吐出口からインクを吐出させ、インクと共に異物を除去する手法や、インク吐出ヘッドのインク吐出口面に吸引機能を有する吸引ヘッドを密閉させて、吸引によって、インクと共に異物を吸い出す手法等によって、インク吐出ヘッドの異物を排除し吐出不良を解消している。また、インク吐出ヘッドから吐出又は吸引されたインクは、廃液(廃インク)として廃液タンクに排出する。
このような廃液処理については、例えば特許文献1(段落番号[0005]、[0030〜0032]及び[0062〜0064]等)に提案されているクリーニング機構に開示されている。このクリーニング機構は、インク吐出ヘッドの下方に配され、インク吐出ヘッドから排出されたインクを受けるメンテナンスステージと、インク吐出ヘッドのヘッドプレートに付着しているインクを往復可能なブレードで払拭するクリーニング機構と、上記メンテナンスステージとチューブを介して連結され、内部を負圧にする廃液ポンプが設けられた気液分離チャンバとで構成されている。
さらに廃液ポンプは、廃液チューブを介して廃インクタンクに接続されている。また、気液分離チャンバには、吸引チューブを介して吸引ポンプも接続され、吸引ポンプの先には、ミストチューブを介して、これも廃インクタンクに接続されている構成となっている。
このような構成によると、インク吐出回復処理の際には、インク吐出ヘッドは、インク吐出不良の原因である異物をインクとともに吐出し、その後クリーニング機構によって、インク吐出ヘッドのインク吐出面に付着しているインクが払拭される。この時、インク吐出ヘッドから吐出されたインクと、インク吐出面からクリーニング機構によって払拭されたインクは、廃液としてインク吐出ヘッドの下方に配設されたメンテナンスステージによって回収される。
この回収された廃液インクは、吸引ポンプにより内部が負圧にされた気液分離チャンバに廃液チューブを通して回収される。気液分離チャンバ内に回収された廃液インクは、廃液ポンプと吸引ポンプが同時に駆動されていることで、気液分離チャンバー内で、廃液インクと空気に分離され、廃液は廃液ポンプの方から廃液タンクヘ回収され、インクミスト混合の気体は吸引ポンプの方から同じく廃液タンクヘ回収される。
特開2000−127453公報
前述した公報に開示される構成のクリーニング機構においては、インク吐出回復処理を行う場合、インク吐出ヘッドから吐出されたインクが吸引ポンプと廃液ポンプの吸引力によってメンテナンスステージから一旦、気液分離チャンバに回収され、気液分離チャンバー内で、廃インクとインクミスト混合気体に分離している。しかしながら、この気液分離能力については、吸引ポンプ側の先端を廃液タンクに接続しなければ、装置を汚す可能性がある程度の分離能力でしかない。
また、この分離作用においては、吸引ポンプと廃液ポンプを同時に動作させることによってインクと空気を分離しているため、2台のポンプが必要となり、制御や構成が複雑となっている。さらに、制御上や故障によって廃棄ポンプが動作せず、吸引ポンプのみが動作してしまった場合、廃インクは、廃液ポンプ側に流れることができず、吸引ポンプ側に流れる可能性がある。
そこで本発明は、 簡易な構成でインク吐出ヘッドから吸引した廃インクが空気と確実に分離して廃棄し、且つ吸引ポンプへのインク流出を防止し装置の安全性を向上させることができるクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、インク吐出ヘッド及びその周辺部からインクを空気と共に吸引する吸引部と、前記吸引部に吸引力を与えるための吸引ポンプと、前記吸引部と前記吸引ポンプと間に配設され、前記吸引ポンプに吸引されたインクを回収する気液分離タンクとを具備し、さらに前記気液分離タンク内には、インクを貯蔵するエリアと貯蔵しないエリアを形成する仕切り部と、前記気液分離タンクに開口される前記吸引部に接続するインクの流入口の外周を囲み、先端が前記インクを貯蔵するエリアの底面に向かい延出するポートと、前記貯蔵するエリア内で前記ポートの外周を囲み、吸入されたインクと空気を分離させ、インクミストをトラップするトラップ部材とを備えるクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置を提供する。
以上のような構成のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置は、吸引されたインクを回収する機能を有する気液分離タンク内部に設けた仕切り部によりインクを貯蔵するエリアと貯蔵しないエリアを形成し、貯蔵するエリア内で吸引ポンプの前段でインクミストをトラップするトラップ部材により、吸引ポンプによる吸引力が仕切り部によって阻まれ、インクミストのほとんどが仕切り部の手前で下方に落ち、さらにトラップ部材で分離されて吸引ポンプまでインクミストを到達させない。
本発明によれば、インク吐出ヘッドから排出されたインクを回収する気液分離タンクの内部にインクミストをトラップするトラップ部材と、インク貯蔵するエリアと貯蔵しないエリアに分ける部材を設けて、インク(廃液)と空気を分離することができ、簡易な構成で且つ低コストで実現するクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置を提供することができる。また、気液分離タンクにリミットスイッチを設けることで、吸引動作を実行不能にすることが可能なので、吸引ポンプへのインク(廃液)の流出を確実に防止し、装置の安全性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明によるインクジェット記録装置に搭載されるクリーニング機構の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態として、インクジェット記録装置に搭載される、インク吐出ヘッドに混入した異物などの吐出不良を解消するクリーニング機構について説明する。
まず、本発明によるインクジェット記録装置に搭載されるクリーニング機構の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態として、インクジェット記録装置に搭載される、インク吐出ヘッドに混入した異物などの吐出不良を解消するクリーニング機構について説明する。
このクリーニング機構は、大別して、インク吐出ヘッド11(11k,11c、11m、11y)にそれぞれ密着して廃液となるインク(以下、廃インクと称する)を吸引する吸引孔2を有する吸引部材1(1k,1c、1m、1y)と、後述する気液分離タンク3と、吸引部材1と気液分離タンク3のインク流入口を連結し、吸引された廃インクが通る吸引ホース4と、インクと分離した空気の排気口となるポート7に連結し排気口を抜けた空気が通る吸引ホース6と、気液分離タンク3に吸引ホース6で連結される吸引ポンプ5と、分離された廃インクを収納する廃液タンク8と、気液分離タンク3と廃液タンク8の開閉可能な廃液切替弁9と、で構成される。
この吸引部材1は、吸引孔2が当接(密着)可能なように、インク吐出口12が設けられているヘッドプレート13に相対する位置に配置されている。吸引ホース4は、一端が吸引部材1に連結され、他端が気液分離タンク3に連結され、気液分離タンク3には、吸引ホース6によって吸引ポンプ5が接続されている。よって、吸引ポンプ5が駆動している場合には、吸引部材1に吸引力が伝達され、インク吐出ヘッド11から吸引された廃インクが気液分離タンク3内に流入する。
この気液分離タンク3は、ポート7の他に、ミスト状の廃液をトラップするためのトラップ部材14と、廃液を回収するための吸引ホース4が連結するポート15と、気液分離タンク3内を間仕切る仕切り部16と、気液分離タンク3に回収された廃インク量を検知するリミットスイッチ17とが設けられている。
このトラップ部材14は、ポート15とポート7との間を流れる空気の流れを遮断する方向(図1においては上方向から下方向)に延出するように設けられている。このトラップ部材14は、気液分離タンク3内部で気体と廃液に分離し、気体内に存在するミスト状の廃液をトラップするように作用する。
このトラップ部材14は、ポート15とポート7との間を流れる空気の流れを遮断する方向(図1においては上方向から下方向)に延出するように設けられている。このトラップ部材14は、気液分離タンク3内部で気体と廃液に分離し、気体内に存在するミスト状の廃液をトラップするように作用する。
仕切り部16は、トラップ部材14とポート7との間に設けられ、廃インクが流入するポート15が配設され、インクを貯蔵するエリアAと、吸引ポンプ5に連結するポート7が設けられインクを貯蔵しないエリアBとに間仕切る。尚、図示していないが、エリアBにおいて仕切り部16を乗り越えて流入した廃インクを廃液タンク8等へ排出するためのインク排出口とその排出通路を備えている。前記リミットスイッチ17は、気液分離タンク3内の仕切り部16とトラップ部材14の間に設けられている。
リミットスイッチ17は、フロート18を利用して、インクの量を検出し、フロートがある位置を超えた際にオンするスイッチとして構成されている。このリミットスイッチ17は、気液分離タンク3に回収、蓄積した廃インク量が許容量を超えたか否かを検知することによって、廃インクが吸引ポンプ5に流出する前に、エラーを表示し、次のクリーニング処理を動作不可能にすることによって、安全性を向上させることが可能である。
また気液分離タンク3の底面でポート15に対向する位置には廃インクを排出する廃液排出口83が設けられる。さらに、気液分離タンク3の下方には、大容量の廃液タンク8を配設して、気液分離タンク3の廃液排出口83と廃液タンク8を廃インクホースで連結し、その中間には図示しない制御部からの開閉指示信号やリミットスイッチ17の検出信号により開閉可能に連結する廃液切替弁9を設けている。
また気液分離タンク3の底面でポート15に対向する位置には廃インクを排出する廃液排出口83が設けられる。さらに、気液分離タンク3の下方には、大容量の廃液タンク8を配設して、気液分離タンク3の廃液排出口83と廃液タンク8を廃インクホースで連結し、その中間には図示しない制御部からの開閉指示信号やリミットスイッチ17の検出信号により開閉可能に連結する廃液切替弁9を設けている。
このように構成されたクリーニング機構の作用について説明する。
各インク吐出ヘッド11をクリーニング処理する際に、各吸引部材1を各インク吐出ヘッド11のヘッドプレート13に当接させて、吸引ポンプ5を駆動させると、吸引ポンプ5によって発生した吸引力が気液分離タンク3と吸引ホース4を通して吸引部材1に伝達される。
各インク吐出ヘッド11をクリーニング処理する際に、各吸引部材1を各インク吐出ヘッド11のヘッドプレート13に当接させて、吸引ポンプ5を駆動させると、吸引ポンプ5によって発生した吸引力が気液分離タンク3と吸引ホース4を通して吸引部材1に伝達される。
これらの吸引部材1に伝達された吸引力は、各吸引孔2を通してインク吐出ヘッド12へ働きかけ、インク吐出ヘッド12内部の異物が廃インクとともに、インク吐出口12から排出される。排出された廃インクは、空気とともに、吸引部材1から吸引ホース4を通って気液分離タンク3へ一旦、回収される。
気液分離タンク3内では、回収された廃インクのほとんどが自重によって気液分離タンク3下方へ落ちていくが、一部は空気内に混入したインクミスト状態にあり、吸引力によって吸引ポンプ5の方へ引き寄せられる。
しかし、このインクミストは、まず、仕切り部16の壁面に当たり、それ以外の仕切り部16を超えたものがトラップ部材14に当たるという流れとなる。このようにインクミストを含む空気の流れは、2つの壁面で抵抗を受け、この抵抗によってインクミストは仕切り部16及びトラップ部材14に付着し、空気とインクミストが分離される。
このため、インクミストのほとんどが仕切り部16の手前で下方に落ち、さらにトラップ部材14で分離されるため、吸引ポンプ5までインクミストが流入することはない。
また、気液分離タンク3の底部に溜まった液状の廃インクも、吸引ポンプ5の吸引力の影響を受けて、吸引ポンプ5側へ引き込まれる力が働く。しかし、仕切り部16を設けたことにより、この引き込まれる力が仕切り部16によって阻まれ、回収された廃インクが吸引ポンプ5へと流出することはない。
尚、各インク吐出ヘッド11をクリーニング処理時には、廃液切替弁9は閉じられており、吸引ポンプ5により発生した吸引力は、ロスを少なく抑えて吸引部材1の吸引孔2に伝達される。この状態になることによって、吸引部材1に伝達された吸引力が、吸引部材1に設けられた吸引孔2を通してインク吐出ヘッド11へと働きかけられ、インク吐出ヘッド11内部の異物が廃インクとともに、インク吐出口12から排出され、回収される。
次に、図2乃至図6を参照して、第1の実施形態のクリーニング機構をインクジェット記録装置に搭載した例について説明する。図2はクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置の給紙系の概要を示す図、図3及び図5及び図6はクリーニング機構が動作している状態を示す図、図4はインク供給系における構成の概要を示す図である。
図2に示すように、インクジェット記録装置本体の搬送系の上流・下流となる両端には、給紙トレイ21及び排紙トレイ23が着脱可能に取り付けられている。この給紙トレイ21には複数枚の記録媒体22が収納されており、給紙トレイ21の給紙端部に設けられたピックアップローラ24によって1枚づつ記録媒体22が取り出され、装置本体内部へ給紙される。
媒体搬送系におけるピックアップローラ24の下流側には、一対のレジストローラ対25が設けられており、給紙トレイ21から給紙された記録媒体22の位置ずれ補正(斜行補正)を行っている。このレジストローラ対25の下流側には、ベルトユニット30が設けられている。ベルトユニット30は、プラテンベルト26、プラテン28、吸引ファン29及びプラテンローラ27a,27b,27cがフレーム31内に収納されて一体的に構成されている。無端で帯状のプラテンベルト26は、無数の孔が全面にわたり均一に開口されており、3つのプラテンローラ27a、27b、27cによってテンションが掛けられた状態で着されて所定の搬送速度で回転している。また、プラテンローラ27a、27bの間で、且つプラテンベルト26の用紙搬送面下方には、無数の穴が開いたプラテン28とさらにプラテン28の下方に吸引ファン29が配置されている。勿論、プラテンベルト26を用いたベルトユニット30は、媒体搬送系の一例であり、複数のローラにより構成されるものでもよい。フレーム31は、両端二辺又は四隅を回動可能な複数のアーム32によって、図2,3に示すように昇降可能に支持されている。
前記レジストローラ対25からプラテンベルト26上に送り出された記録媒体22は、吸引ファン29の吸引力によってプラテンベルト26に吸着されながら、プラテンローラ27a、27b、27cの回転駆動により所定の搬送速度でX方向(図3)に方向に搬送される。
プラテンベルト26の下流側には、排出ローラ対33が設けられており、プラテンベルト26上を搬送されてきた記録媒体22を排出ローラ対33により順次排出される。排出ローラ対33から排出された記録媒体22は、下流側に設けられた排紙トレイ23に収納される。
ベルトユニット30の上方でプラテンベルト26の搬送方向(X方向)に沿って、例えば4色のインク吐出ヘッド11k、11c、11m、11yが所定の間隔を開けて配設され、各色インク(K、C、M、Yの順)が吐出される。各インク吐出ヘッド11は、それぞれに複数のインク吐出口(ノズル)が一列又は複数列設けられており、このノズル列がプラテンベルト26の搬送方向と直行するように配設されている。プラテンベルト26によって搬送され、インク吐出口の前方(吐出方向)を通過する際に、記録媒体22上にインクが吐出されて画像が記録される。
次に本実施形態におけるクリーニング機構について説明する。
図2に示すように、インク吐出ヘッド11とプラテンベルト26の間には、メンテナンスユニット41が設けられている。図5及び図6に示すように、このメンテナンスユニット41には、インク吐出ヘッド11の配置位置に対応して配列された各インクパン42(42k、42c、42m、42y)と、前述した吸引部材1(1k、1c、1m、1y)が設けられ、さらに各インクパン42をX方向に駆動させる図示しないX方向駆動機構が設けられている。
図2に示すように、インク吐出ヘッド11とプラテンベルト26の間には、メンテナンスユニット41が設けられている。図5及び図6に示すように、このメンテナンスユニット41には、インク吐出ヘッド11の配置位置に対応して配列された各インクパン42(42k、42c、42m、42y)と、前述した吸引部材1(1k、1c、1m、1y)が設けられ、さらに各インクパン42をX方向に駆動させる図示しないX方向駆動機構が設けられている。
本実施形態では、X方向駆動機構と前述したアーム32によって、図2に示されるような記録媒体22上に画像を形成する時の待避位置と、図3に示されるようなインク吐出ヘッド11に各インクパン42が対向配置されるクリーニング位置とに、各インクパン42が移動可能となっている。
このクリーニング位置において、メンテナンスユニット41自体は、ベルトユニット30上に載置された状態であり、ベルトユニット30が昇降することによって、ベルトユニット30に追従して各インクパン42が上下動する。各インクパン42に排出された廃インクは、さらに下流に配置されたインクパンチューブ43及びインクパン開放弁44を介して気液分離タンク3へ流入される。
各インクパン42の内部には、インクを吸引する吸引口2を有する吸引部材1(1k、1c、1m、1y)がインク吐出ヘッド11に当接可能にそれぞれ設けられており、図5から図6の状態へと、図示しないY方向駆動機構によって、インク吐出ヘッド11のヘッドプレート13に当接し、インク吐出口列に沿って移動可能となっている。
図4及び図5に示すように、各吸引部材1のインク排出口側は、吸引管45にそれぞれ接続される。吸引管45は、吸引ホース4を介して、気液分離タンク3に連結されている。前述したように、気液分離タンク3は吸引チューブ6を介して吸引ポンプ5接続されているので、インクパン開放弁44及び廃液切替弁9を閉じることによって、吸引ポンプ5によって発生した吸引力が吸引チューブ6、気液分離タンク3、吸引ホース4及び吸引管45を通って、各吸引部材1へ伝達される。このような構成により、各吸引部材1には吸引力が供給され、インク吐出ヘッド11から排出された廃インクが気液分離タンク3に回収される。
図4に示すインク供給系においては、装置本体上部に各色別のインクボトル51(51k、51c、51m、51y)が設けられ、インク吐出ヘッド11の水頭値を保持する高さに設置された各色別のサブタンク52(52k、52c、52m、52y)に、各色毎の補給切替弁53(53k、53c、53m、53y)を介して、各色毎の供給チューブ50(50k、50c、50m、50y)で接続しており、各サブタンク52の先には、インク吐出ヘッド11へと、各色毎のインクチューブ54(54k、54c、54m、54y)を介して接続している。
各サブタンク52の下方には、各サブタンク52大気解放兼オーバーフロー検知用のオーバーフロータンク55が配設される。各サブタンク52は、各色毎の大気切替弁56(56k、56c、56m、56y)及びフローチューブ57(57k、57c、57m、57y)によりオーバーフロータンク55に連結されている。
また、各サブタンク52は、色毎の加圧切替弁59(59k、59c、59m、59y)及び加圧チューブ60k、60c、60m、60yによって加圧チャンバ58と連結している。さらに加圧チャンバ58は、一方向弁61を介して加圧ポンプ62に連結している。
従って、各インクボトル51に充填された各色のインクは、各供給チューブ50(50k、50c、50m、50y)を通って各サブタンク52へと供給され、さらに、各インクチューブ54をそれぞれに通って、インク吐出ヘッド11に供給される。
次に図2乃至図6を参照して、画像記録処理及びクリーニング処理について説明する。まず、図示しない制御部の指示により、図2に示したレジストローラ対25とプラテンベルト26及び排出ローラ対33を駆動させた後に、ピックアップローラ24を駆動させる。
ピックアップローラ24は、給紙トレイ21に収納されている記録媒体22を1枚づつ取り出し、レジストローラ対25へ送給する。レジストローラ対25では、記録媒体22の位置補正を行い、搬送タイミングを調整して、プラテンベルト26上に受け渡す。
プラテンベルト26は、吸引ファン29による吸引力を孔に発生させて、受け取った記録媒体22を吸着しつつ、プラテンベルト26に回動に伴い搬送する。搬送される記録媒体22が、各色(K、C、M、Y)のインク吐出ヘッド11の吐出口前方に対向した際に各インクが吐出され、画像が記録媒体22に形成される。その後、画像記録された記録媒体22は、排出ローラ対33により排出され、排紙トレイ23内に収納される。
このような画像記録処理を複数枚の記録媒体22に亘って、連続又は不連続で行うと、時間の経過と共に、記録媒体22による紙粉の蓄積、インクの増粘及び/又は、発生した気泡等の原因により、インク吐出ヘッド11のインク吐出口及びその近傍に吐出の障害となる汚れが発生し、牽いては着弾不良による記録画像の質が低下する可能性がある。そこで、予め設定した処理枚数の画像記録処理後に、インク吐出ヘッド11に対するクリーニング処理を行う。
図3乃至図6を参照して、本実施形態によるクリーニング処理について説明する。
まず、クリーニング処理が図示しない制御部により指示されると、図3に示すように、ベルトユニット30のフレーム31を支持しているアーム32が回動して、ベルトユニット30を下降させるとともに、追従してメンテナンスユニット41も下降させる。
まず、クリーニング処理が図示しない制御部により指示されると、図3に示すように、ベルトユニット30のフレーム31を支持しているアーム32が回動して、ベルトユニット30を下降させるとともに、追従してメンテナンスユニット41も下降させる。
その後、メンテナンスユニット41の図示しないX方向駆動機構は、各インクパン42をインク吐出ヘッド11に相対する位置に移動させ、各吸引ノズル1のヘッドプレート13に各吸引ノズル1に当接する位置に位置決めする。
この状態になった後、加圧ポンプ62を作動し、加圧チャンバ58に空気を送り込む。このとき、図4に示す各加圧切替弁59を閉状態としておき、加圧ポンプ62から送られた空気が圧縮していき、加圧チャンバ58内が昇圧する。尚、加圧ポンプ62と加圧チャンバ58間には、一方向弁28が設けられているので、加圧ポンプ62が停止したとしても、加圧チャンバ58の圧縮空気が加圧ポンプ62側に逆流することはない。
次に、各サブタンク52とオーバーフロータンク55間に配されている各大気切替弁56もそれぞれ閉じ、インク経路を密閉させた状態で、各加圧切替弁59を開けると加圧チャンバ58で圧縮された空気は、各サブタンク52に送られる。この各サブタンク52に送られた圧縮空気によって、各サブタンク52内のインクが加圧されインク吐出ヘッド11へ急激にインクが送出される。
このインク送出に伴い、インク吐出ヘッド11から廃インクが異物や気泡とともに各インクパン42へ排出される。この時点では、インクパン開放弁44は開放状態であり、各インクパン42で回収された廃インクは、気液分離タンク3へと流れていく。インク吐出ヘッド11から廃インクインクが排出された後、各サブタンク52とオーバーフロータンク55の間に設けられた、各大気切替弁56を解放させる指令を出すことで、インク経路を大気に解放し、各インク吐出ヘッド11の内圧を微正圧に保つ。
しかし、このままでは、排出された廃インクが各インク吐出ヘッド11のヘッドプレート13に付着した状態である。そこで、各インクパン42と気液分離タンク3の間に設けられたインクパン開放弁44及び廃液切替弁9を閉じ、気液分離タンク3からの吸引経路を各吸引部材1の各吸引口2を残して、密閉状態にさせる。
この状態で吸引ポンプ5を駆動させると、吸引ポンプ5によって発生した吸引力が気液分離タンク3と吸引ホース4を通して吸引部材1に伝達され、各吸引口2がヘッドプレート13に密着した状態で空気を吸引する。
さらに、メンテナンスユニット41に設けられた図示しないY方向駆動機構によって、図5から図6に示す状態、即ち、ヘッドプレート13の一端から他端に各吸引ノズル1が移動する。このとき、各吸引ノズル1は、吸引力を保持したままヘッドプレート13上を摺動するため、各ヘッドプレート13上に付着した廃インクや付着物を吸引して除去する。これらの吸引部材1によるインク吐出ヘッド11のクリーニングが完了する位置(ヘッドプレート13の他端側)に達すると、図示しない制御部により図示しないY方向駆動機構を停止させ、その後、所定時間、吸引ポンプ5を駆動してインクが気液分離チャンバ3への回収を行った後、吸引ポンプ5に対しても駆動を停止させる。
さらに、メンテナンスユニット41に設けられた図示しないY方向駆動機構によって、図5から図6に示す状態、即ち、ヘッドプレート13の一端から他端に各吸引ノズル1が移動する。このとき、各吸引ノズル1は、吸引力を保持したままヘッドプレート13上を摺動するため、各ヘッドプレート13上に付着した廃インクや付着物を吸引して除去する。これらの吸引部材1によるインク吐出ヘッド11のクリーニングが完了する位置(ヘッドプレート13の他端側)に達すると、図示しない制御部により図示しないY方向駆動機構を停止させ、その後、所定時間、吸引ポンプ5を駆動してインクが気液分離チャンバ3への回収を行った後、吸引ポンプ5に対しても駆動を停止させる。
前述した様に、廃インク及び付着物が空気と共に気液分離チャンバ3内へ回収された際に、吸引ポンプ5の吸引力によって廃インクが吸引ポンプ5の方へ引き込まれる力が働く。しかし、気液分離チャンバ3内部に仕切り部16及びトラップ部材14を設けているため、この引き込まれる力が仕切り部16によって阻まれ、インクミストのほとんどが仕切り部16の手前で下方に落ち、さらにトラップ部材14で分離されるため、吸引ポンプ5までインクミストが流入することはない。
その後、気液分離タンク3下方に配設された廃液タンク8と、間に設けられた廃液切替弁9を開くことによって、気液分離タンク3に蓄積された廃インクは、廃液タンク8へと流出する。
以上のことから本実施形態のクリーニング機構は、仕切り部16及びトラップ部材14により、回収された廃インクが吸引ポンプ5へと流出することはない。
また、気液分離タンク3にリミットスイッチ17が設けた構成によれば、気液分離タンク3に回収、蓄積されたインク量が所定の許容量を超えた場合には、エラーを検知し、エラーを表示させると同時に、次回のクリーニング処理を実行不可能にする。このことによって、気液分離タンク3に回収、蓄積された廃インクが吸引ポンプ5に流れ込むことはないので、装置の安全性を向上させることができる。
また気液分離タンク3の下方に大容量の廃液タンク8を配設することにより、簡単な構成により、廃インクがその自重により気液分離タンク3から廃液タンク8に排出される。
尚、本実施形態においては、リミットスイッチ17を調整することにより、許容量の最大値よりも先にエラー検出が行われるように調整することにより、エラーが検知されたとしても、直ちに吸引ポンプを停止させることなく、実施中のクリーニング処理については終了させている。これは、クリーニング動作中に吸引ポンプ15を停止させてしまうと、インク吐出ヘッド上に廃インクが残り、インク吐出ヘッドからインクがたれて、装置内を汚す虞があるためである。
次に第2の実施形態について説明する。
本実施形態のクリーニング機構は、前述した第1の実施形態における気液分離タンク3の内部構成が異なるものである。図7及び図8は、本実施形態のクリーニング機構に用いられる気液分離タンク3の内部構造を示し、図9は、本実施形態のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置のインク供給系における構成の概要を示す図である。尚、本実施形態の構成部位において、図1乃至図6において示した第1の実施形態における構成部位と同等の部位には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のクリーニング機構は、前述した第1の実施形態における気液分離タンク3の内部構成が異なるものである。図7及び図8は、本実施形態のクリーニング機構に用いられる気液分離タンク3の内部構造を示し、図9は、本実施形態のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置のインク供給系における構成の概要を示す図である。尚、本実施形態の構成部位において、図1乃至図6において示した第1の実施形態における構成部位と同等の部位には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
図7及び図8に示すように、本実施形態の気液分離タンク3の内部構造は、その内部に中蓋71がゴム等の弾性部材からなるシーリング部材72によって、タンク内側面と密着するように装着されている。このシーリング部材72により、廃インクの貯蔵エリアCと、吸引ポンプ5と吸引チューブ6で連結される筒状のポート7が設けられているポートエリアDとにが分離されている。
吸引ホース4が連結されるポート15の先端部分は、気液分離タンク3内部へ延出した形状となっている。さらに気液分離タンク3内部において、ポート15の先端部分の外周を取り囲むように、カバー73がポート15よりも長く設けられている。このカバー73は、シーリング部材74によって中蓋71との隙間を密着しつつ、中蓋71を貫通し、先端部分は、廃インクの貯蔵エリアCへ突出している。この先端部分は、廃インクが溜まる液面よりは高い位置まで延びている。
さらに中蓋71には、リブ75がポート15とポート7の空気の流れを遮断する方向で気液分離タンク3の下方向に向かって延出し、廃インクが溜まる液面よりは高く、カバー73の高さよりは、低い位置まで設けられている。また、廃液の貯蔵エリアCと、ポートエリアDをエリア的に繋ぐために、開口部76が貯蔵エリアCの下方向に延びた筒状の形状で設けられている。また、吸引チューブ6は、気液分離タンク3に設けられた気液分離タンク3の内側から外側に延びた筒形状のポート7に接続されている。
また、本実施形態の気液分離タンク3の貯蔵エリアC内の上方には、インクパンチューブ43と連結するためのポート77が設けられている。このポート77は、インクパンチューブ43等を介して、クリーニング機構における各インクパン42に連結する、
このように構成されクリーニング機構において、廃インク及び付着物が空気と共に気液分離チャンバ3内へ回収された際に、液状化している廃インクは、重力によってチャンバ底部の貯蔵エリアCへ落ちて溜まっている。しかし、吸引ポンプ5を駆動している場合、開口部76を介して吸引ポンプ5の吸引力によって、廃インクが吸引ポンプ5の方へ引き込む力が働いている。
このように構成されクリーニング機構において、廃インク及び付着物が空気と共に気液分離チャンバ3内へ回収された際に、液状化している廃インクは、重力によってチャンバ底部の貯蔵エリアCへ落ちて溜まっている。しかし、吸引ポンプ5を駆動している場合、開口部76を介して吸引ポンプ5の吸引力によって、廃インクが吸引ポンプ5の方へ引き込む力が働いている。
しかし、気液分離チャンバ3内に設けられた中蓋71によって、廃インクは吸引ポンプ5へ流れようとする力が阻まれ、中蓋71の天井面に付着した廃インクも、リブ78及びリブ75と、筒状となった開口部による段差によって阻まれる。また、吸引ホース4から排出されたミスト状になった廃インクもポート15の外側に設けられたカバー73と、中蓋71に設けられたリブ75によって空中でトラップされるので、吸引ポンプ5の方へ引き込まれていくインクミストを最小限に抑えることができる。
このような構成によって、気液分離タンクと廃液タンクと兼用にさせることが可能となるため、装置の構成を簡略化することが可能である。尚、本実施形態は、インク吐出回復処理においてヘッド内部の圧を高めてインクを排出する加圧方式を例としているため、インクパンへ排出された廃インクを気液分離タンク側に流入している。しかし、吸引部材を弾性体の吸引部材とし、吸引キャップとヘッド間を負圧にすることによって、ヘッド内部のインクを吸引する方式を例とすれば、インクパンには吸収部材を設けることでインクパンから気液分離タンクヘとインクを流さなくともよい。
次に第3の実施形態について説明する。
本実施形態のクリーニング機構は、前述した第1の実施形態における気液分離タンク3の内部構成が異なるものである。図10乃至図12は、本実施形態のクリーニング機構に用いられる気液分離タンク3の内部構造を示し、図13は、本実施形態のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置のインク供給系における構成の概要を示す図である。尚、本実施形態の構成部位において、図1乃至図9において示した第1,2の実施形態における構成部位と同等の部位には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のクリーニング機構は、前述した第1の実施形態における気液分離タンク3の内部構成が異なるものである。図10乃至図12は、本実施形態のクリーニング機構に用いられる気液分離タンク3の内部構造を示し、図13は、本実施形態のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置のインク供給系における構成の概要を示す図である。尚、本実施形態の構成部位において、図1乃至図9において示した第1,2の実施形態における構成部位と同等の部位には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
まず、本実施形態の気液分離タンク3について説明する。
この気液分離タンク3のポート15は、先端部分がタンク内に延出する形状となっており、その先端部分の外周にはカバー73がポート15よりも長く、且つ貯蔵される廃インクの想定される液面より高い位置まで設けられている。
この気液分離タンク3のポート15は、先端部分がタンク内に延出する形状となっており、その先端部分の外周にはカバー73がポート15よりも長く、且つ貯蔵される廃インクの想定される液面より高い位置まで設けられている。
気液分離タンク3の底面に接してカバー73を囲むように、複数の長方形のリブの一辺側を円筒形状に合わせた円筒リブ81が設けられている。また底面のポート15に対向する位置には廃インクを排出する廃液排出口83が設けられる。この廃液排出口83が気液分離タンク3の最低面となるように、廃液排出口83に向かうように漏斗形状に傾斜している。この廃液排出口83下方には、廃液排出口83を開閉可能にする廃液切替弁84が配置されている。さらに、廃液切替弁84下に設けられたポート85は、廃液チューブ86により廃液タンク8へ連結されている。
また、気液分離タンク3の内部底面からは、仕切り部16が内部に延出するように設けられており、廃液口83が設けられた廃インクを貯蔵する貯蔵エリアEと、貯蔵しないエリアFとを分離している。仕切り部16の高さは、少なくとも一度の吸引で排出される廃インクが溜まる廃インク面より高く設定されている。また、ポート15とポート7の空気の流れを遮断する方向に、気液分離タンク3の天井面からリブ78が延出するように設けられている。
さらに気液分離タンク3の廃インクの貯蔵エリアEと仕切り部16によって隔てられたエリアF1にはフローを利用したリミットスイッチ17が設けられている。廃液切替弁84が開かなかった場合や、廃液チューブ86が目詰まりを起こした場合などにより、図12に示すように廃インクが廃液タンク8へ流れず、気液分離タンク3内に規定量以上の廃インクが溜まった場合には エラーとして検知する。
図13を参照して、このように構成された第3の実施形態におけるクリーニング機構の動作について説明する。
まず、クリーニング処理を実行するにあたって、各インクパン42と気液分離タンク3の間に設けられたインクパン開放弁44を閉じ、気液分離タンク3からの吸引経路を各吸引部材1の各吸引口2と廃液口83は開放した状態とし、以外の部位は密閉状態にする。この状態において、吸引ポンプ5の駆動を開始すると、廃液切替弁84は、その吸引力によって、気液分離タンク3の廃液口83に吸着される。
まず、クリーニング処理を実行するにあたって、各インクパン42と気液分離タンク3の間に設けられたインクパン開放弁44を閉じ、気液分離タンク3からの吸引経路を各吸引部材1の各吸引口2と廃液口83は開放した状態とし、以外の部位は密閉状態にする。この状態において、吸引ポンプ5の駆動を開始すると、廃液切替弁84は、その吸引力によって、気液分離タンク3の廃液口83に吸着される。
これにより、気液分離タンク3からの吸引経路が各吸引部材1の各吸引口2のみとなり、以外の部位は密閉状態となる。これにより、吸引ポンプ5の吸引力は、吸引ホース4を通じて各吸引部材1のみに伝達され、各吸引口2から空気が吸い込まれる。このとき、各吸引口2はヘッドプレート13に密着した状態で空気を吸引する。
さらに、メンテナンスユニット41に設けられた図示しないY方向駆動機構によって、前述した図5から図6に示す状態、即ち、ヘッドプレート13の一端から他端に各吸引部材1が移動する。このとき、各吸引部材1は、吸引力を保持したままヘッドプレート13上を摺動するため、各ヘッドプレート13上に付着した廃インクや付着物を吸引して除去する。これらの吸引部材1によるインク吐出ヘッド11のクリーニングが完了する位置(ヘッドプレート13の他端側)に達すると、図示しない制御部により図示しないY方向駆動機構を停止させ、その後、所定時間、吸引ポンプ5を駆動してインクが気液分離チャンバ3への回収を行った後、吸引ポンプ5に対しても駆動を停止させる。
このとき、気液分離タンク3へ回収された廃インクは、重力によって気液分離タンク3の底部へと落ちるが、吸引ポンプ5の吸引力によって、気液分離タンク3に溜まった廃インクは吸引ポンプ5の方へと引き込まれていく力が働く。しかし、気液分離タンク3の底面に設けられた仕切り部16によって、廃インクは、吸引ポンプ5へ流れようとする力を阻まれる。
また、吸引ホース4から排出された空気に混入したミスト状になった廃インクも気液分離タンク3の底面に設けられた円筒リブ81と、気液分離タンク3の天井面に設けられたリブ78と、ポート7の筒状の形状とによって空中でトラップされ、吸引ポンプ5の方へ引き込まれていくインクミストを最小限に抑えることができる。
その後、各インクパン42と気液分離タンク3の間に設けられたインクパン開放弁44を解放させることで、各インクパン42に回収された廃インクは気液分離タンク3へと自重で流れ落ち、そのまま廃液タンク8へ流出して、廃液タンク8内に回収される。
また、廃液切替弁83が何らかの理由によって開放されなかった場合には、気液分離タンク3に回収された廃インクは増え続け、仕切り部16を超えて、図12に示すようにリミットスイッチ17が設けられたエリアF1に流れ込む。このエリアF1でインク量が規定量を超えた場合には、リミットスイッチ17がエラーを検知して、現在行っている吸引動作が終了した後、エラーを表示させ、次回のクリーニング処理を禁止すると共に、気液分離タンク3内に溜まった廃インクを外部に排出するように警告を与える。
以上説明した第3の実施形態によれば、気液分離タンク3の内部に仕切り部16を設け、廃インクを一時的に貯蔵する貯蔵エリアEと、リミットスイッチ17が設けられた通常インクが流れ込まないエリアFに分離することにより、吸引ポンプ5の吸引力による廃インクを吸引ポンプ5へ引き込む力は、仕切り部16によって阻むことができる。
また、ポート15の外側に設けられたカバー73と、気液分離タンク3内部底面に設けられた円筒リブ81及びリブ78によって、インクミストは空中でトラップされる。これにより簡単な構成により、吸引ポンプ5の方へ引き込まれていくインクミストを最小限に抑えることができる。さらに、気液分離タンク3にリミットスイッチ17を設け、不動作時における装置の安全性を向上させることができる。
次に第4の実施形態について説明する。
本実施形態のクリーニング機構は、前述した第3の実施形態における気液分離タンク3の内部構成が異なるものである。図14及び図15は、本実施形態のクリーニング機構に用いられる気液分離タンク3の内部構造を示す。尚、クリーニング機構は、前述した図13における第3の実施形態のインクジェット記録装置に搭載することができる。尚、本実施形態の構成部位において、図10乃至図13において示した第3の実施形態における構成部位と同等の部位には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態のクリーニング機構は、前述した第3の実施形態における気液分離タンク3の内部構成が異なるものである。図14及び図15は、本実施形態のクリーニング機構に用いられる気液分離タンク3の内部構造を示す。尚、クリーニング機構は、前述した図13における第3の実施形態のインクジェット記録装置に搭載することができる。尚、本実施形態の構成部位において、図10乃至図13において示した第3の実施形態における構成部位と同等の部位には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
まず、本実施形態の気液分離タンク3について説明する。
吸引ホース4が接続されている気液分離タンク3のポート15は、気液分離タンク3内部に延出する。ポート15の外周にはカバー73がポート15よりも長く、ただし、貯蔵される廃インクの液面よりは高い位置まで設けられている。
気液分離タンク3の底面には、カバー73を囲む形で渦巻き状のリブ91が設けられている。気液分離タンク3の底面は、渦巻き状のリブ91の底面も含めて廃液口83に廃インクが流れ込むように漏斗状に傾斜している。
本実施形態は、渦巻き状のリブ91以外の構成は、前述した第3の実施形態と同等であり、クリーニング機構の動作も同等であるため、以降の説明については省略する。
本実施形態によれば、気液分離タンク3の内部に仕切り部16を設け、ポート15の外側に設けられたカバー73と、渦巻き状のリブ91及びリブ78によってインクミストが確実にトラップされ、吸引ポンプ5へのインクの到達を防止することができる。
さらにリブ91においては、渦巻き状の形状となっているため、空気遮断する箇所が幾層にもなり、インクミストを最大限に付着させることができる。
尚、本実施形態では、インクパンに回収された廃液は自重で気液分離タンクに流しているが、吸引部材によってインク吐出ヘッドからインクを回収した後に、インクパン開放弁を開き、吸引ポンプの吸引力を利用して、強制的にインクパンに回収された廃インクを気液分離タンクヘ吸引しても良い。また、インクパンからの廃液を気液分離タンクを介して廃液タンクヘと流しているが、直接インクパンから廃液タンクに流しても良い。
1,1k,1c、1m、1y…吸引部材、2…吸引孔、3…気液分離タンク、4,6…吸引ホース、5…吸引ポンプ、6…吸引ホース、7,15…ポート、8…廃液タンク、9…廃液切替弁、10…、11,11k,11c、11m、11y…インク吐出ヘッド、12…インク吐出口、13…ヘッドプレート、14…トラップ部材、16…仕切り部、17…リミットスイッチ、18…フロート。
Claims (9)
- インク吐出ヘッド及びその周辺部よりインクを空気と共に吸引する吸引部と、
前記吸引部材に吸引力を与えるための吸引ポンプと、
前記吸引ノズルと吸引ポンプ間に接続され、内部にインクと空気を分離させ、インクミストをトラップするトラップ部材を有する気液分離タンクと、
を具備することを特徴とするクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - インク吐出ヘッド及びその周辺部からインクを空気と共に吸引する吸引部と、
前記吸引部に吸引力を与えるための吸引ポンプと、
前記吸引部と前記吸引ポンプと間に配設され、前記吸引ポンプに吸引されたインクを回収する気液分離タンクと、を具備し、さらに、
前記気液分離タンク内には、
インクを貯蔵するエリアと貯蔵しないエリアを形成する仕切り部と、
前記気液分離タンクに開口される前記吸引部に接続するインクの流入口の外周を囲み、先端が前記インクを貯蔵するエリアの底面に向かい延出するポートと、
前記貯蔵するエリア内で前記ポートの外周を囲み、吸入されたインクと空気を分離させ、インクミストをトラップするトラップ部材と、
を備えることを特徴とするクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置において、
前記仕切り部は、前記気液分離タンクに設けられる吸引部に接続するインクの流入口と、吸引ポンプヘ接続する排気口との間で、該気液分離タンクの内底部から空気の流れを遮断する方向に延出するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置において、
前記トラップ部材は、前記貯蔵するエリア内に設けられ、前記ポート大半の外周を取り囲み、且つ該ポートから吸入されたインクを含む空気の流れを遮断する方向に延出する1つ又は複数の面により構成されることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置において、
前記トラップ部材は、前記ポートを中央にして取り囲むように、複数の長方形のリブの一辺側を円筒形状に合わせた円筒リブ形状であることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置において、
前記トラップ部材は、前記ポートを中央にして取り囲む渦巻き状のリブ形状であることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置において、
前記気液分離タンクの貯蔵しないエリアには、前記仕切り部を超えて流入したインク量を検出するリミットスイッチが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置において、
前記仕切り部により仕切られたインクが貯蔵されるエリア側の前記気液分離タンクの底面には廃液排出口が設けられ、該廃液排出口に廃インクが流れ込むように前記底面が漏斗状に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。 - 前記インクジェット記録装置において、
前記インクを貯蔵しないエリア内で、前記トラップ部材及び前記仕切り部によりインクと分離された空気の流れを遮断する方向に延出する第2のリブを有することを特徴とする請求項2に記載のクリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置。
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---|---|---|---|
JP2004339087A JP2006142765A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | クリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置 |
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JP2004339087A Withdrawn JP2006142765A (ja) | 2004-11-24 | 2004-11-24 | クリーニング機構を搭載するインクジェット記録装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114290813A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-04-08 | 北京中电元德科技有限责任公司 | 一种打印机用废液回收装置 |
CN114307401A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-04-12 | 北京中电元德科技有限责任公司 | 一种气液分离装置 |
-
2004
- 2004-11-24 JP JP2004339087A patent/JP2006142765A/ja not_active Withdrawn
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