JP2006142644A - 脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた光反射性を有し、しかも使用により経時的に黄変したり、光反射性が低下することがない反射フィルムを提供する。
【解決手段】脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、屈折率が1.52未満である脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とし、微粉状充填剤を含有する樹脂組成物を、樹脂温度が230℃以下の温度条件にて押出してシート化することによって得られる脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムである。また、前記微粉状充填剤が、表面処理を施したものであることができる。さらに、前記微粉状充填剤が酸化チタンであり、その含有量が、樹脂組成物中、10質量%以上、60質量%以下であることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムに関し、特に、液晶表示装置、照明器具、照明看板等の反射板等に使用される脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム及びその製造方法に関するものである。
近年、液晶表示装置用の反射板、投影用スクリーンや面状光源の部材、照明器具用反射板および照明看板用反射板等の分野で、反射フィルムが使用されている。例えば、液晶ディスプレイの反射板では装置の大画面化及び表示性能の高度化の要求から、少しでも多くの光を液晶に供給してバックライトユニットの性能を向上させるために、高い反射性能の反射フィルムが求められている。
また、ノートブック型のコンピューターなどの表示装置として、薄型化が可能であり、しかも画像が見易いバックライト機構を有する液晶素子を用いた液晶表示装置が用いられている。このようなバックライト機構には、透光性の導光板の一端部に蛍光管のような線状光源を併設するエッジライト方式が多く用いられる。このようなエッジライト方式の場合には、導光板の一方の面を光拡散物質で部分的に被覆し、その面の全面をさらに反射材で被覆するようにして面光源を構成するものが多い。このような反射材には、高い反射性能が要求される。
反射フィルムとしては、芳香族ポリエステル系樹脂に酸化チタンを添加して形成された白色シート(例えば特許文献1参照)が知られているが、要求されるような高い光反射性を有するものではなかった。また、フィルムを形成する芳香族ポリエステル系樹脂の分子鎖中に含まれる芳香環が紫外線を吸収するため、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によってフィルムが劣化、黄変して、反射フィルムの光反射性が低下するという欠点があった。
特開2002−138150号公報
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、優れた光反射性を有し、しかも使用により経時的に黄変したり、光反射性が低下することがない反射フィルムを提供し、またそのような反射フィルムの製造方法を提供することにある。
(1)本発明の反射フィルムは、屈折率が1.52未満である脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とし、微粉状充填剤を含有する樹脂組成物を、樹脂温度が230℃以下の温度条件にて押出してシート化することによって得られる脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムである。
(2)ここで、前記微粉状充填剤が、表面処理を施したものであることができる。
(3)また、前記微粉状充填剤が酸化チタンであり、その含有量が、樹脂組成物中、10質量%以上、60質量%以下であることができる。
(4)また、前記酸化チタンが、バナジウム含有量が5ppm以下であることが好ましい。
(5)さらに、前記表面処理が、シリカ、アルミナ、および、ジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種類の不活性無機酸化物によるものであることが好ましい。
(6)本発明において、前記脂肪族ポリエステル系樹脂が乳酸系重合体であることが好ましい。
(7)また、本発明の反射フィルムの製造方法は、屈折率が1.52未満である脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とし、微粉状充填剤を含有する樹脂組成物を、樹脂温度が230℃以下の温度条件にて押出してシート化することを特徴とする。
本発明によれば、高い光反射性を有し、劣化黄変の少ない反射フィルムを得ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、内部に微粉状充填剤を有する。
本発明に用いられる微粉状充填剤としては、有機質微粉体、無機質微粉体等が挙げられる。有機質微粉体としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等から選ばれた少なくとも1種が用いられることが好ましい。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも1種が用いられることが好ましい。得られるフィルムの光反射性を勘案すれば、フィルムを構成するベース樹脂との屈折率差が大きいものが好ましく、すなわち、無機質微粉体としては屈折率が大きいものが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることが更に好ましく、これらの中でも酸化チタンを用いることが特に好ましい。酸化チタンを用いることにより、より少ない充填量でフィルムに高い反射性能を付与することができ、また、薄肉でも高い反射性能のフィルムを得ることができる。
本発明においては、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いることが特に好ましい。本発明において高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタンであり、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ないものをいう。本発明においては、酸化チタンに含まれるバナジウムの含有量が5ppm以下である酸化チタンを高純度酸化チタンと称すことにする。高純度酸化チタンは、光吸収能を小さくするという観点からは、酸化チタンに含まれる、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素も少なくすることが好ましい。
本発明に用いられる酸化チタンとしては、例えば、アナタース型酸化チタン及びルチル型酸化チタンのような結晶形の酸化チタンが挙げられる。ベース樹脂との屈折率差を大きくするという観点からは、屈折率が2.7以上の酸化チタンであることが好ましく、例えば、ルチル型酸化チタンの結晶形のものを用いることが好ましい。
バナジウムの含有量が5ppm以下の酸化チタンとしては、例えば塩素法プロセスにより製造されるものが挙げられる。塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1,000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、まず、四塩化チタンを生成させる。次いで、この四塩化チタンを酸素で燃焼することにより、高純度酸化チタンを得ることができる。なお、酸化チタンの工業的な製造方法としては硫酸法プロセスもあるが、この方法によって得られる酸化チタンには、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素が多く含まれるので、可視光に対する光吸収能が大きくなる。したがって、硫酸法プロセスでは高純度酸化チタンは得られ難い。
本発明においては、微粉状充填剤として、無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて使用してもよい。また、微粉状充填剤同士を併用することができ、例えば、酸化チタンと他の微粉状充填剤、高純度酸化チタンと他の微粉状充填剤とを併用してもよい。
具体的に、酸化チタンとの併用が好ましい微粒子充填剤としては、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、または酸化亜鉛や、あるいはシリカなどが挙げられる。得られるフィルムの長期耐久性を勘案すると、酸やアルカリに対して安定な硫酸バリウムを用いることが特に好ましい。また、得られるフィルム外観を勘案すると、シリカを用いることが好ましい。
本発明においては、微粉状充填剤の樹脂への分散性を向上させるために、微粉状充填剤の表面に、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施したものを使用できる。
微粒状充填剤として酸化チタンを用いる場合には、該酸化チタンの表面処理としてシリカ、アルミナ、およびジルコニアの中から選ばれた少なくとも1種類の不活性無機酸化物で被覆処理されていることが好ましい。フィルムの耐光性を高めるために、酸化チタンの光触媒活性を抑制する目的で、該酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理する。この不活性無機酸化物として、シリカ、アルミナ、およびジルコニアの中から選ばれた少なくとも1種類を用いると、酸化チタンの高い光反射性を損なうことがないので好ましい。さらに2種類を併用したものがより好ましく、中でもシリカを必須とする複数の不活性無機酸化物の組み合わせが特に好ましい。
また、酸化チタンの樹脂への分散性を向上させるため、酸化チタンの表面をシロキサン化合物、シランカップリング剤等から選ばれた少なくとも1種類の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコールから選ばれた少なくとも1種類の有機化合物で表面処理することも好ましい。さらに、これらの無機化合物と有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
さらに、酸化チタン以外の他の微粉状充填剤についても、樹脂への分散性を向上させるために、微粉状充填剤の表面に、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施したものを使用することが好ましい。
例えば、シリカの場合には、表面がジメチルシリコーン、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、シランカップリング剤、およびシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類で被覆されたものは、樹脂への分散性がよく均質なフィルムが得られるので特に好ましい。これらの表面処理により、樹脂への分散性が向上し、反射フィルムの生産時に、「プレートアウト現象」や「メヤニ」を生じることがなく、製品外観を損ねたり、延伸製膜時に破断の起点となって破断トラブルを発生させることがなくなる。
本発明に用いられる微粉状充填剤は、粒径が0.05μm以上、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは粒径が0.1μm以上、10μm以下である。微粉状充填剤の粒径が0.05μm以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性が低下することがないので、均質なフィルムが得られる。また粒径が15μm以下であれば、形成される空隙が粗くなることはなく、高い反射率のフィルムが得られる。
本発明に用いられる高純度酸化チタンは、粒径が0.1μm以上、1μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、0.5μm以下であることが更に好ましい。高純度酸化チタンの粒径が0.1μm以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性が良好であり、均質なフィルムを得ることができる。また、高純度酸化チタンの粒径が1μm以下であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタンとの界面が緻密に形成されるので、反射フィルムに高い光反射性を付与することができる。
微粉状充填剤は脂肪族ポリエステル系樹脂に分散配合されることが好ましい。本発明の反射フィルムに含まれる微粉状充填剤の含有量は、フィルムの光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、反射フィルムを形成するための脂肪族ポリエステル系樹脂組成物中、10質量%以上、60質量%以下であることが好ましく、15質量%以上、55質量%未満であることが更に好ましく、20質量%以上、50質量%以下であることが特に好ましい。微粉状充填剤の含有量が10質量%以上であれば、樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができて、フィルムに高い光反射性を付与することができる。また、微粉状充填剤の含有量が60質量%以下であれば、フィルムに必要な機械的性質を確保することができる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、反射率および低反射指向性の点からは、内部に、空隙率(空隙がフィルム中に占める割合)が50%以下となるように空隙を有することが好ましい。本発明においてはフィルム内部に効果的に分散状態で酸化チタン等の微粉状充填剤を含むことによって、さらに優れた反射性能をフィルムに付与することが可能となる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムが、フィルム内に空隙を有する場合には、その空隙がフィルム中に占める割合(空隙率)が5%以上、50%以下の範囲内であることが好ましい。特に、反射率向上の点からは、空隙率は20%以上であることが更に好ましく、特に好ましくは30%以上である。空隙率が50%を超えると、フィルムの機械的強度が低下してフィルム製造中にフィルムが破断したり、使用時に耐熱性等の耐久性が不足することがある。例えば微粉状充填剤を添加して延伸することにより、フィルム中に空隙を形成することができる。
バナジウムの含有量が5ppm以下である酸化チタンを用いる場合には、フィルム内部に存在する空隙率が少ない場合においても高い光反射性を達成することが可能となり、内部に空隙を有していなくても高反射率を稼ぐことができる。これは、酸化チタンの屈折率が高く、隠蔽力が高いという特徴が、有効に発揮させるためと推察される。また、充填剤の使用量を少なくすることができるならば、延伸により形成される空隙の数も少なくなるので、高い反射性能を維持しつつフィルムの機械的性質を向上させることができる。さらに、充填剤の使用量が多くても、延伸量を少なくして空隙を少なくすることにより、同様に機械的性質を向上させることができる。これらはフィルムの寸法安定性の向上の点においても有利な点である。また、薄肉でも高い反射性能が確保されれば、例えば、ノート型パソコンや携帯電話等の小型、薄型の液晶ディスプレイ用の反射フィルム等として使用することができる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、耐破断性および反射率を向上させる目的にて、延伸加工することも可能である。特に2軸延伸することによってフィルムの強度の向上および延伸により内部に空隙を有することによる反射率の更なる向上も期待出来るからである。
本発明の反射フィルムを構成するベース樹脂としては、屈折率(n)が1.52未満の脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とする。
屈折率(n)が1.52未満である脂肪族ポリエステル系樹脂は、乳酸系重合体であることが更に好ましい。芳香環を含むもの、例えば芳香族系樹脂は、屈折率が約1.55以上である。フィルム内に微粉状充填剤を含有する反射フィルムは、フィルム内での界面における屈折散乱を利用して光反射性を付与している。そのため、フィルムを構成する樹脂と微粉状充填剤との屈折率の差が大きいほうが、高い光反射性を容易に付与することができる。本発明においては、この屈折率の差が0.15以上であることが好ましく、0.20以上であることが更に好ましい。フィルムを構成する樹脂の屈折率が1.5未満であれば、微粉状充填剤の屈折率との差が0.15以上の条件を確保することが容易になる。例えば、ポリ乳酸系重合体は屈折率が1.45程度であるので、微粉状充填剤等との差が0.15以上の条件を容易に達成することができ、組み合わせられる微粉状充填剤の種類も豊富になる。ところが、芳香環を含む樹脂は屈折率が約1.55以上であるので、微粉状充填剤との屈折率の差が小さくなってしまうことが多い。
脂肪族ポリエステル系樹脂は、分子鎖中に芳香環を含まないので紫外線吸収を起こさない。したがって、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によってフィルムが劣化、黄変することがなく、光反射性が低下することがない。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、化学合成されたもの、微生物により発酵合成されたもの、及び、これらの混合物を用いることができる。化学合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ラクトンを開環重合して得られるポリε−カプロラクタム等、二塩基酸とジオールとを重合して得られるポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合体等、ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるポリ乳酸、ポリグリコール等や、上記した脂肪族ポリエステルのエステル結合の一部、例えば50%以下がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステル等が挙げられる。また、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体等が挙げられる。
本発明において、乳酸系重合体とは、D−乳酸またはL−乳酸の単独重合体またはそれらの共重合体をいい、具体的には、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、更にはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、またこれらの混合体も含まれる。
乳酸系重合体は、縮合重合法、開環重合法等の公知の方法で製造することが出来る。例えば、縮合重合法では、D−乳酸、L−乳酸、または、これらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、所定の触媒の存在下で開環重合することにより任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。上記ラクチドには、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸の二量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系重合体を得ることができる。
本発明に用いられる乳酸系重合体は、D−乳酸とL−乳酸との構成比が、D−乳酸:L−乳酸=100:0〜85:15であるか、またはD−乳酸:L−乳酸=0:100〜15:85であることが好ましく、さらに好ましくは、D−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5、または、D−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95である。D−乳酸とL−乳酸との構成比が100:0もしくは0:100である乳酸系重合体は非常に高い結晶性を示し、融点が高く、耐熱性および機械的物性に優れる傾向がある。すなわち、フィルムを延伸したり熱処理したりする際に、樹脂が結晶化して耐熱性及び機械的物性が向上するので好ましい。一方、D−乳酸とL−乳酸とで構成された乳酸系重合体は、柔軟性が付与され、フィルムの成形安定性及び延伸安定性が向上するので好ましい。したがって、得られる反射フィルムの耐熱性と、成形安定性及び延伸安定性とのバランスを勘案すると、本発明に用いられる乳酸系重合体は、D−乳酸とL−乳酸との構成比が、D−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5、又は、D−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95であることが、より好ましい。
本発明においては、D−乳酸とL−乳酸との共重合比が異なる乳酸系重合体をブレンドしてもよい。この場合には、複数の乳酸系重合体のD−乳酸とL−乳酸との共重合比を平均した値が上記範囲内に入るようにすればよい。D−乳酸とL−乳酸のホモポリマーと、共重合体とをブレンドすることにより、ブリードのし難さと耐熱性の発現とのバランスをとることができる。
本発明に用いられる乳酸系重合体は高分子量であることが好ましく、例えば、重量平均分子量が1万以上であることが好ましく、6万以上、40万以下であることが更に好ましく、10万以上、30万以下であることが特に好ましい。乳酸系重合体の重量平均分子量が1万以下であると、得られたフィルムが機械的物性に劣る場合がある。
ところで、近年、液晶ディスプレイはパソコン用ディスプレイの他、自動車用カーナビゲーションシステムや車載用小型テレビ等にも使用されるようになり、高温度、高湿度に耐えるものが必要となってきている。そのため、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムには、耐久性を付与する目的で、加水分解防止剤を添加することが好ましい。
本発明に好ましく用いられる加水分解防止剤としては、カルボジイミド化合物等が挙げられる。カルボジイミド化合物としては、例えば、下記一般式の基本構造を有するものが好ましいものとして挙げられる。

―(N=C=N−R−)

式中、nは1以上の整数を示し、Rは有機系結合単位を示す。例えば、Rは脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。また、nは、通常、1〜50の間で適当な整数が選択される。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、および、これらの単量体が、カルボジイミド化合物として挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、単独で使用しても、あるいは、2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、フィルムを構成する脂肪族ポリエステル系樹脂100質量部に対してカルボジイミド化合物を0.1〜3.0質量部添加することが好ましい。カルボジイミド化合物の添加量が0.1質量部以上であれば、得られるフィルムに耐加水分解性の改良効果が十分に発現される。また、カルボジイミド化合物の添加量が3.0質量部以下であれば、得られるフィルムの着色が少なく、高い光反射性が得られる。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤、および、その他の添加剤を添加することができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、420nm〜700nmの光の波長域において、平均反射率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましく、97%以上であることが特に好ましい。フィルム表面の平均反射率が90%以上であれば、良好な反射特性を示し、液晶ディスプレイ等の画面も十分な明るさを実現することができる。このようにして得られた反射フィルムは、反射フィルムとして十分機能する所定の反射率を有するものとなる。
また、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、波長が550nmの光に対する表面の反射率が95%以上であることが好ましく、97%以上であることが更に好ましい。かかる反射率が95%以上であれば、良好な反射特性を示し、液晶ディスプレイ等の画面に充分な明るさを与えることができる。
なお、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは紫外線に晒された後でも優れた平均反射率を保持することができる。
ところで、夏場の炎天下に駐車中の車内では、自動車用カーナビゲーションシステム、車載用小型テレビ等は高温にさらされることになる。また、液晶表示装置が長時間使用されると光源ランプ周辺は高温にさらされることになる。例えば大画面の液晶テレビ等の反射シートとして組み込まれる場合には、光源にさらされた状態で長時間使用されるので、長時間使用における寸法変化の小さい反射フィルムであることが求められる。従って、反射フィルムには耐熱性つまり高温時の寸法安定性が要求される。
寸法安定性を向上させるつまり熱収縮を防ぐためにはフィルムの結晶化を完全に進行させることが望ましい。脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、押出シート後もしくは2軸延伸後において、完全に結晶化を進行させることは困難なので、本発明においては、熱固定処理を行うことが好ましい。フィルムの結晶化を促進させることによって、フィルムに耐熱性を付与すると共に、耐加水分解性も向上させることができる。例えば、フィルムを延伸した後、引き続き、テンター出口で弛緩処理を行い、所定量の弛緩を付与することにより、フィルムの熱収縮率を上記範囲内に設定することができる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、埋め立て処理した場合に微生物等による分解が可能で、廃棄上の問題が生じない。脂肪族ポリエステル系樹脂を埋め立て処理すると、エステル結合部が加水分解することによって分子量が1,000程度に低下し、引き続き土壌中の微生物等により分解される。
一方、芳香族ポリエステル系樹脂は分子内の結合安定性が高く、エステル結合部の加水分解が起こりにくい。また、ポリプロピレン系樹脂は加水分解そのものが起こりえない。したがって、芳香族ポリエステル系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を埋め立て処理しても、分子量は低下せず、微生物等による生分解も起こらない。その結果、長期にわたって土壌中に残存して、廃棄物埋め立て処理用地の短命化を促進したり、自然の景観や野生動植物の生活環境を損なう等の問題が生じる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、その材料構成により、十分な反射率を発現することが可能となるが、混練、押出条件を調整することによって、より優れた反射率を得ることが可能となる。すなわち、本発明者らは、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタン等の微粒状充填剤を混練、押出しする際の混練樹脂の樹脂温度(口金出口にて測定)を、所定の温度範囲からなる温度条件にすることによって、より高い反射率を発現させることが出来ることを見出したのである。
具体的には、口金出口において接触温度計により測定される混練樹脂の樹脂温度が230℃以下となる温度条件にて、押し出してシート化することによって、反射率を高くすることができるのである。さらに、230℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは210℃以下、特に200℃以下にすることによって、より高反射率を確保することが可能となる。230℃より高温の場合には、反射率の低下が起こる場合がある。
この原因については明確な理由は解明されていないが、混練時の樹脂温度を230℃以下に抑えることで、樹脂自体の熱劣化を低減させるだけでなく、酸化チタン等の微粒子充填剤の劣化、具体的には特に表面処理の部分の劣化を、低く抑えることが出来るからではないかと推測される。
前述のように、本発明に用いられる酸化チタン等の微粒子充填剤は、分散性を向上させる等の目的で、種々の表面処理が施されている。例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア等からなる無機化合物や、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル、シロキサン化合物、シランカップリング剤、ポリオール及びポリエチレングリコールからなる有機化合物等である。これらの表面処理部分が、樹脂組成物の押出時の温度条件に影響を受けて、劣化や分解が起こることが考えられ、そのため、230℃より高い温度条件では、反射フィルムの反射率が低下してしまうのではないかと推測される。
なお、押し出される混練樹脂の樹脂温度の下限は特に制限しないが、使用する脂肪族ポリエステル系樹脂の種類等によって選択することができる。当該樹脂の融点や溶融粘度などにもよるが、一般的には、混練樹脂の融点+20℃以上であることが好ましい。例えば、乳酸系重合体を使用する場合、樹脂の融点は、D−乳酸とL−乳酸の構成比によって変化するが、おおよそ150〜160℃程度であるため、口金出口において接触温度計により測定される混練樹脂の樹脂温度を170℃以上とすることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。混練樹脂の融点+20℃を下回る場合には、混練不十分となる可能性が高くなり、その結果、微粒状充填剤が分散不良となって均一な反射フィルムを形成することが困難となる場合がある。
以下に、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムの製造方法について一例を挙げて説明するが、下記製造法に何等限定されるものではない。
まず、脂肪族ポリエステル系樹脂に、微粉状充填剤及び/又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤、その他の添加剤等を必要に応じて配合した脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を作製する。具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂に微粉状充填剤又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤等を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度、具体的には乳酸系重合体において170℃〜230℃の範囲、より好ましくは170℃〜210℃で混練することにより脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を得ることができる。または、脂肪族ポリエステル系樹脂、微粉状充填剤又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤等を別々のフィーダー等により所定量を添加することにより脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を得ることができる。
あるいは、予め、微粉状充填剤又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤等を脂肪族ポリエステル系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチと脂肪族ポリエステル系樹脂とを混合して所望の濃度の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物とすることもできる。
次に、このようにして得られた脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を溶融し、フィルム状に形成する。例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を乾燥した後、押出機に供給し、樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融する。この場合も170℃〜230℃の範囲で溶融させることが好ましい。あるいは、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を乾燥させずに押出機に供給しても良いが、乾燥させない場合には溶融押出する際に真空ベントを用いることが好ましい。その後、溶融した脂肪族ポリエステル系樹脂組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは少なくとも1軸方向に延伸されていることが好ましく、2軸方向に延伸されていることが更に好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムを延伸する場合には得られたキャストシートを面積倍率において5倍以上に延伸することが好ましく、7倍以上に延伸することが更に好ましい。面積倍率において5倍以上に延伸することによりより高い空隙率を実現することができ、7倍以上に延伸することにより更に高い空隙率を実現することができる。
また、フィルムを2軸延伸させることによりフィルムの機械的強度を増加させることができるので、フィルムの機械物性の面からも、2軸延伸することが好ましい。
キャストシートを延伸する際の延伸温度は、例えばポリ乳酸の場合には50℃以上、90℃以下であることが好ましい。延伸温度が50℃以上であれば、延伸時にフィルムが破断することがなく、90℃以下であれば延伸配向が低くなって空隙率が小さくなることもない。
例えば、延伸倍率等を適宜選択し、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィルムを延伸することによって、フィルム内部に空隙が形成されるが、これは、延伸時に脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤の延伸挙動が異なるからである。つまり脂肪族ポリエステル系樹脂に適した延伸温度で延伸を行えば、マトリックスとなる脂肪族ポリエステル系樹脂は延伸されるが、微粉状充填剤はそのままの状態でとどまろうとするため、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との界面が剥離して、空隙が形成される。フィルムを1軸延伸したのみでは、形成される空隙は一方向に伸びた繊維状形態にしかならないが、2軸延伸することによって、その空隙は縦横両方向に伸ばされたものとなり円盤状形態になる。換言すれば、2軸延伸することによって、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉末状充填剤との界面の剥離面積が増大し、フィルムの白化が進行し、その結果、反射フィルムとして良好な反射率が得られるのである。
2軸延伸の延伸順序は特に制限されることはなく、例えば、同時2軸延伸でも逐次延伸でも構わない。延伸設備を用いて、溶融製膜した後、ロール延伸によってMDに延伸した後、テンター延伸によってTDに延伸しても良いし、チューブラー延伸等によって2軸延伸を行ってもよい。
本発明においては、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムに耐熱性および寸法安定性を付与するために、押出シートもしくは延伸フィルムに熱固定を行うことが好ましい。
フィルムを熱固定するための処理温度は90〜160℃であることが好ましく、110〜140℃であることが更に好ましい。熱固定に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムの厚みは、特に限定されないが、通常は30μm〜500μmであり、実用面における取り扱い性を考慮すると50μm〜500μm程度の範囲内であることが好ましい。特に、小型、薄型の反射板用途の反射フィルムとしては、厚みが30μm〜100μmであることが好ましい。かかる厚みの反射フィルムを用いれば、例えばノート型パソコンや携帯電話等の小型、薄型の液晶ディスプレイ等にも使用することができる。
また、本発明の反射フィルムは、単層構成でもよいが、2層以上積層した多層構成としてもよい。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、該反射フィルムの裏面側に、すなわち、反射使用面とは反対側の面に、金属薄膜層、および保護層とをこの順に有する反射フィルムを形成することもできる。
金属薄膜層は、金属を蒸着することにより形成することができ、例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。蒸着金属材料としては、反射率が高い材料であれば特に制限されることなく使用することができるが、一般的には、銀、アルミニウム等が好ましく、これらの中では銀が特に好ましい。
また、金属薄膜層は、金属の単層品や積層品、あるいは、金属酸化物の単層品や積層品でも、金属の単層品と金属酸化物の単層品との2層以上の積層体でもよい。金属薄膜層の厚みは、層を形成する材料や層形成法等によっても異なるが、通常は10nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、20nm〜200nmの範囲内であることがさらに好ましい。金属薄膜層の厚みが10nm以上であれば、充分な反射率が得られる。一方、金属薄膜層の厚みが300nm以下であれば、生産効率がよく好ましい。
金属薄膜層は、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム上に金属蒸着によって形成してもよいが、予め、合成樹脂フィルム等からなる中間層に金属薄膜層を形成したフィルムを作製しておき、このフィルムを脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムと積層させてもよい。積層のしかたは、作製したフィルムの金属薄膜層と脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムとを、あるいは、作製したフィルムの中間層と脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムとを、単に重ね合わせることにより、または、重ね合わせて部分的もしくは全面的に接着させることにより積層することができる。接着方法としては、各種接着剤を用いて公知の方法により接着する方法、公知の熱接着法等を使用することができる。本発明においては、熱のかからない接着方法、または、210℃以下の温度で熱接着する方法等を採用することが、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム内の空隙が保持され、高い反射率が維持されるので好ましい。
このような金属薄膜層を有する場合の層構成を例示すると、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム/(必要に応じて、アンカーコート層)/金属薄膜層/保護層の層構成、あるいは、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム/中間層/(必要に応じて、アンカーコート層)/金属薄膜層/保護層の層構成等が挙げられる。ただし、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは光が照射される側に配置される。また、これらの層の間に、さらに他の層を有していてもよいし、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム、金属薄膜層等がそれぞれ独立に複数から構成されていてもよい。
また、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムを用いて液晶ディスプレイ等に用いられる反射板を形成することができる。例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムを金属板もしくは樹脂板に被覆して反射板を形成することができる。この反射板は、液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射板として有用である。以下に、このような反射板の製造方法について一例を挙げて説明する。
反射フィルムを金属板もしくは樹脂板に被覆する方法としては、接着剤を使用する方法、接着剤を使用せずに熱融着する方法、接着性シートを介して接着する方法、押出しコーティングする方法等があり、特に限定されるものではない。例えば、金属板もしくは樹脂板の反射フィルムを貼り合わせる側の面に、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射フィルムを貼り合わせることができる。この方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、反射フィルムを貼り合わせる金属板等の表面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。次いで、赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行い、板の表面を所定の温度に保持しつつ、直にロールラミネーターを用いて、反射フィルムを被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。この場合、金属板等の表面を210℃以下に保持すると、反射板の光反射性を高く維持できる。なお、金属板等の表面温度は、160℃以上であることが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、実施例に示す測定値および評価は以下に示すようにして行った。
(測定および評価方法)
(1)平均粒径
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面積2cm、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空気透過の時間より算出した。
(2)平均反射率(%)
平均反射率(波長420〜700nm):
分光光度計(「U―4000」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、アルミナ白板を100%とした時の反射率を、波長420nm〜700nmにわたって0.5nm間隔で測定する。得られた測定値の平均値を計算し、この値を波長420〜700nmの平均反射率とした。
(3)反射率(%)
上記(2)の分光光度計にて、波長435nm、550nm、および610nmの光に対する反射率をそれぞれ測定した。
なお測定前に、アルミナ白板の反射率が100%になるように光度計を設定した。
(4)樹脂温度(℃)
口金出口での樹脂温度を、接触温度計により測定し、3回測定の平均値を樹脂温度とした。
[実施例1]
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW4032D:カーギルダウポリマー社製/D体含量量1.5%)60質量%のペレットと、平均粒径が0.25μmの酸化チタン(タイペークPF740:石原産業社製:バナジウム含有量5ppm以下、表面処理品)40質量%を別々の定重量フィーダーにて供給しながら、40mm二軸押出機を用い、押出条件の設定温度を下記表1の設定として押出混練し、導管およびTダイ口金を押し出し、冷却固化して厚さ250μmの反射フィルムを形成した。
口金出口における樹脂温度、および得られたフィルムの平均反射率、および特定波長の反射率の測定結果を表1に示す。
[実施例2]
押出条件の設定温度を表1のように設定することで口金出口における樹脂温度を表1の温度となるように変更した以外は、実施例1と同様に行った。口金出口における樹脂温度、および得られたフィルムの平均反射率、および特定波長の反射率の測定結果を表1に示す。
[実施例3]
押出条件の設定温度を表1のように設定することで口金出口における樹脂温度を表1の温度となるように変更し、酸化チタンの種類を、平均粒径が0.25μmの酸化チタン(タイペークPF739:石原産業社製:バナジウム含有量5ppm以下、表面処理品)に変更した以外は、実施例1と同様に行った。および得られたフィルムの平均反射率、および特定波長の反射率の測定結果を表1に示す。
[実施例4]
押出条件の設定温度を表1のように設定することで口金出口における樹脂温度を表1の温度となるように変更した以外は、実施例1と同様に行った。口金出口における樹脂温度、および得られたフィルムの平均反射率、および特定波長の反射率の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
押出条件の設定温度を表1のように設定することで口金出口における樹脂温度を表1の温度となるように変更した以外は、実施例1と同様に行った。口金出口における樹脂温度、および得られたフィルムの平均反射率、および特定波長の反射率の測定結果を表1に示す。
[比較例2]
押出条件の設定温度を表1のように設定することで口金出口における樹脂温度を表1の温度となるように変更した以外は、実施例3と同様に行った。および得られたフィルムの平均反射率、および特定波長の反射率の測定結果を表1に示す。
Figure 2006142644

40mm2軸押出機(L/D=36)

酸化チタン種類
a:タイペークPF740;石原産業社製ルチル型結晶形酸化チタン
b:タイペークPF739;石原産業社製ルチル型結晶形酸化チタン

不活性無機酸化物種類
A:アルミナ
B:シリカ
C:ジルコニア
表1から明らかなように、実施例1〜4の本発明の反射フィルムは、平均反射率が97.6%以上で、かつ435nmでの反射率が98.8%以上、550nmでの反射率が97.7%、610nmでの反射率が97.2%以上と、比較例1,2に比べて、全体的に高い光反射性を有していることがわかった。さらに樹脂温度が210℃以下である実施例1,4は実施例2,3と比べてもより高い反射率を有しており、中でも樹脂温度が200℃以下である実施例4は、平均反射率、各反射率ともに、最も反射率が高く優れたものであった。
さらに、同じ種類の酸化チタン同士で比べた場合、すなわち、比較例1に対して実施例1,2,4を、比較例2に対して実施例3を比べてみると、平均反射率および各波長の反射率のいずれにおいても、高い反射率が得られていることが確認できた。

Claims (7)

  1. 屈折率が1.52未満である脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とし、微粉状充填剤を含有する樹脂組成物を、樹脂温度が230℃以下の温度条件にて押出してシート化することによって得られる脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム。
  2. 前記微粉状充填剤が、表面処理を施したものであることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム。
  3. 前記微粉状充填剤が酸化チタンであり、その含有量が、樹脂組成物中、10質量%以上、60質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム。
  4. 前記酸化チタンが、バナジウム含有量が5ppm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム。
  5. 前記表面処理が、シリカ、アルミナ、および、ジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種類の不活性無機酸化物によるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム。
  6. 前記脂肪族ポリエステル系樹脂が乳酸系重合体であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルム。
  7. 屈折率が1.52未満である脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とし、微粉状充填剤を含有する樹脂組成物を、樹脂温度が230℃以下の温度条件にて押出してシート化することを特徴とする脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムの製造方法。


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