JP2006142310A - アルミニウム熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 板材にて構成されるチューブと板材にて構成されるフィンとをろう付けするアルミニウム熱交換器において、チューブおよびフィン双方の耐食性向上を図る。
【解決手段】 チューブ10用板材は、0.1〜1.0質量%のMgを含有する芯材10bと外側犠牲腐食材10cと内側Mg拡散防止材10dとMg拡散防止材10d上のろう材10eとを有する多層クラッド材であり、フィン用板材はアルミニウムベア材であり、チューブ10とフィンはろう材粉末とフッ化物系フラックスによりろう付けされ、チューブ合わせ面10aはろう材10eとフッ化物系フラックスによりろう付けされる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、板材により構成されるチューブの高強度化および孔食防止と、板材により構成され、チューブの外側面にろう付けされるフィンの粒界腐食防止とを図るアルミニウム熱交換器に関するもので、車両用空調装置の凝縮器、蒸発器等に用いて好適なものである。
従来、車両用空調装置の凝縮器、蒸発器等に用いられるアルミニウム熱交換器では、チューブを押出多孔チューブで構成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、チューブを押出多孔チューブで構成しているので、チューブにろう材をクラッドできない。そこで、Alと共晶合金を形成してろう材として作用するSi粉末とフラックスとの混合組成物を押出多孔チューブの表面に塗布することにより、この混合組成物のSi粉末がろう材作用を発揮して、チューブとフィンとをろう付けするようにしている。なお、チューブにろう付けされるフィンは、波形状に曲げ成形された板材からなるコルゲートフィンが代表的である。
また、チューブを板材により構成するアルミニウム熱交換器も種々知られており、この場合は、チューブを構成する板材またはフィンを構成する板材の芯材にろう材をクラッドして、チューブとフィンとの間をろう付けするようにしている。
特許第3337416号公報
ところで、車両用アルミニウム熱交換器においては、軽量化および材料費の低減のためにその構成部材の薄肉化が要求されている。この薄肉化のためには、高強度アルミニウム合金、具体的には比較的高濃度のMgを含有したアルミニウム合金の適用が有効である。
しかし、この高強度アルミニウム合金は、材料強度の上昇に伴って変形抵抗が増大するので、押し出し成形性が低下する。従って、高強度アルミニウム合金をチューブ材として用いると、押出多孔チューブの生産性が低下するという問題が生じる。
この結果、高強度アルミニウム合金をチューブ材として用いる場合は、押出多孔チューブよりも、板材により構成されたチューブの方が生産性確保のために有利である。
ところで、図6は、Mgを含有した高強度アルミニウム合金の引張強度とMg添加量との関係を示す図であって、横軸のMg添加量は、クラッド材の芯材のベース合金であるAl−0.5Cu−1.6Mn−1.0SiからなるAl合金に対する添加量である。各元素の添加量はすべて質量%で示している。なお、図6では、心材の両面にクラッド材を設けた両面クラッド材にて引張強度を測定している。
図6から理解されるようにMg添加量の増加に比例して両面クラッド材の引張強度を向上できる。しかし、その反面、比較的高濃度のMg添加に伴って、ろう付け時にフッ化物系フラックス中のF元素がMgと反応して、MgF2、KMgF3等を生成する。このMgF2、KMgF3(フッ化Mg化合物)はフッ化物系フラックスの融点を上昇させるので、フラックスによる「ろうの濡れ性」を阻害し、ろう付け性を悪化させる。
このことを図7に基づいてより具体的に述べると、図7(a)は隙間充填試験方法を示す概要図で、水平板に対して傾斜板を所定角度θにて傾斜配置し、傾斜板の一端を水平板に当接させる。そして、水平板と傾斜板とをろう付けした場合に、水平板と傾斜板との間の隙間に充填されるろうの充填長さLを測定するのが隙間充填試験である。この試験において、隙間充填長さLが長いほどろう付け性が良好であると評価できる。
ところで、従来技術では、図7(b)の従来品の欄に示すように比較的高濃度のMgを添加した高強度アルミニウム合金の芯材にA4045(Al−Si系ろう材)をクラッドしたクラッド材を水平板として用い、この水平板と、A3003からなる傾斜板とをろう付けした場合に、芯材中のMg添加量を変化させて隙間充填長さLを測定した結果、図7(c)の△印(破線)に示す結果が得られた。なお、図7(c)の横軸のMg添加量は、芯材のベース合金(Al−0.5Cu−1.6Mn−1.0Si)に対する添加量である。
図7(c)の破線に示すようにMg添加量の増加に伴って隙間充填長さLが小さくなって、ろう付け性が低下することが分かる。このろう付け性の低下は、上記フッ化Mg化合物の生成によりフラックス作用が低下するためである。
隙間充填長さLは、一般に製品としての支障がないレベルのろう付け性を確保するためには、最低でも10mm以上必要であるとされている。すると、従来技術では、ろう付け性の確保のためにMg添加量の上限値を0.3質量%に制限する必要が生じる。このことはとりもなおさず、Mg添加量の増加による芯材強度の向上を犠牲にすることになる。
なお、図7では、水平板側にろう材をクラッドする場合について説明したが、傾斜板側にろう材をクラッドしても同様に、フッ化Mg化合物の生成によりろう付け性が低下する。
ここで、フィン材として、芯材にろう材を両面クラッドしたクラッド材を用いる場合には、ろう材中のSiがフィン芯材に拡散して、フィン芯材に粒界腐食を引き起こす。すなわち、ろう付け加熱時に、ろう材中のSiが芯材内部の結晶粒の境界部分(粒界)に沿って優先的に拡散するという現象が発生する。特に、フィン材の板厚が0.05mm程度の小さな値になっているので、Siの拡散がフィン材の板厚を貫通してしまう。
そして、この芯材内部へのSi拡散部分(粒界部分)が周囲のAl合金の結晶粒部分よりも電気化学的に電位が貴となる部分を形成するので、Si拡散部分(粒界部分)の周囲が相対的に電位が卑となる部分を形成する。この結果、このSi拡散部分(粒界部分)の周囲が選択的に腐食する。これがフィン芯材の粒界腐食であり、フィンの耐食性低下の大きな原因となる。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたもので、板材にて構成されるチューブと板材にて構成されるフィンとをろう付けするアルミニウム熱交換器において、チューブおよびフィン双方の耐食性向上と、チューブの高強度化とを両立することを目的とする。
また、本発明は、製造コストの低減に有利なアルミニウム熱交換器を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、板材にて構成されるチューブ(10)と、板材にて構成されるフィン(12)とをろう付けするアルミニウム熱交換器において、
前記チューブ(10)用の板材は、0.1〜1.0質量%のMgを含有する高強度アルミニウム合金からなる芯材(10b)と、前記芯材(10b)のうち、前記チューブ(10)の外側面となる一方の面にクラッドされた犠牲腐食材(10c)と、前記芯材(10b)のうち、前記チューブ(10)の内側面となる他方の面にクラッドされたMg拡散防止材(10d)と、前記Mg拡散防止材(10d)上にクラッドされたろう材(10e)とを有する多層クラッド材であり、
前記フィン(12)用の板材は、ろう材をクラッドしていないアルミニウムベア材であり、
前記チューブ(10)と前記フィン(12)は、ろう材粉末とフッ化物系フラックスとを用いてろう付けされ、
また、前記チューブ(10)用の板材の合わせ面(10a)は前記ろう材(10e)とフッ化物系フラックスとを用いてろう付けされることを特徴としている。
これによると、チューブ(10)用板材の芯材(10b)に、0.1〜1.0質量%という比較的高濃度のMgを添加することにより、チューブ(10)用板材の強度を向上できる。
ここで、Mg添加量の下限値(0.1質量%)は、Mg添加による強度向上のための必要最低量である。Mg添加量の上限値(1.0質量%)は、Mgとフッ化物系フラックスのFとの反応によるフッ化Mg化合物の生成に起因するろう付け性悪化を抑制するための値である。
本発明によると、芯材(10b)の外側面に犠牲腐食材(10c)をクラッドしているから、この犠牲腐食材(10c)によりチューブ(10)の耐食性(孔食防止効果)を向上できるのみならず、芯材(10b)中のMgがろう付け加熱時にチューブ(10)とフィン(12)とのろう付け部位に拡散してフッ化物系フラックスのFと反応することを犠牲腐食材(10c)の介在によって抑制できる。
同様に、芯材(10b)の内側面にMg拡散防止材(10d)を介してろう材(10e)をクラッドしているから、芯材(10b)中のMgがろう付け加熱時にチューブ(10)の合わせ面(10a)のろう付け部位に拡散してフッ化物系フラックスのFと反応することをMg拡散防止材(10d)の介在によって抑制できる。
このように、ろう付け加熱時に芯材(10b)中のMgがフッ化物系フラックスのFと反応することを犠牲腐食材(10c)およびMg拡散防止材(10d)の介在によって抑制できるので、芯材(10b)中のMg添加量を1.0質量%まで増加しても、チューブ(10)とフィン(12)とのろう付け性およびチューブ合わせ面(10a)のろう付け性を良好に確保できる。この結果、ろう付け性を必要レベルに確保しつつ、Mg添加量の増加によりチューブ強度を効果的に向上できる。
しかも、チューブ(10)を板材にて構成しているから、チューブ(10)用板材の芯材(10b)を、比較的高濃度のMgを含有した高強度のアルミニウム合金で構成しても押出多孔チューブのような押出成形性の低下といった不具合が発生しない。従って、チューブ(10)の強度を向上できると同時に、チューブ(10)を高い生産性で効率よく成形できる。
また、チューブ(10)とフィン(12)をろう材粉末を用いてろう付けするから、チューブ(10)用の板材およびフィン(12)用の板材のいずれにもろう材をクラッドする必要がない。
このため、チューブ(10)用の板材の外側面には犠牲腐食材(10c)のみをクラッドすればよく、そのため、チューブ(10)用の板材を薄肉化しても犠牲腐食材(10c)の必要厚さを確保して、チューブ(10)の耐食性(孔食防止効果)を確保できる。この結果、チューブ(10)の耐食性確保と、チューブ(10)の軽量化、材料コストの低減とを両立できる。
また、フィン(12)を、ろう材をクラッドしていないアルミニウムベア材で構成するから、ろう材をクラッドしたクラッド材でフィン(12)を構成する場合に比較して、ろう材成分であるSiのフィン材への拡散を格段と抑制でき、これにより、フィン(12)の粒界腐食を防止できる。
また、芯材(10b)の内側面にクラッドしたろう材(10e)を用いて、チューブ合わせ面(10a)をろう付けするから、チューブ合わせ面(10a)のろう付けのために他から特別にろう材を供給する必要がなく、チューブ(10)用板材自体のクラッドろう材(10e)によりチューブ合わせ面(10a)を簡単にろう付けできる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のアルミニウム熱交換器において、前記ろう材粉末と前記フッ化物系フラックスとを混合した混合組成物(10f)を、前記チューブ(10)用の板材のうち、前記犠牲腐食材(10c)の表面に塗布することにより、前記チューブ(10)と前記フィン(12)とがろう付けされることを特徴とする。
これによると、フィン(12)用の板材に混合組成物(10f)を塗布する場合に比較して、ろう材成分のフィン材への拡散を抑制できる。
請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載のアルミニウム熱交換器において、前記ろう材粉末は具体的にはSi粉末を用いればよい。
請求項4に記載の発明のように、請求項1または2に記載のアルミニウム熱交換器において、前記ろう材粉末はSi粉末とAl粉末との混合粉末であってもよい。
このように、ろう材粉末としてSi粉末とAl粉末との混合粉末を用いると、ろう付け時にSi粉末がAl粉末と反応してAl−Si系合金(ろう材)を生成するから、Si粉末ろうによる犠牲腐食材(10c)の溶解深さを減少できる。従って、犠牲腐食材(10c)のろう付け後の残存厚さを確保しやすくなる。
請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器において、前記Mg拡散防止材(10d)上のろう材(10e)は、Al−Si系ろう材を用いればよい。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器において、前記芯材(10b)は、0.3〜0.7質量%のMgと、0.8〜1.8質量%のMnとを含有することを特徴とする。
これによると、Mg添加量の上限値を0.7質量%に規定することにより、Mgとフッ化物系フラックスのFとの反応をより一層抑制でき、ろう付け性をより一層向上できる。また、Mg添加量の下限値を0.3質量%とし、かつ、Mnを0.8質量%以上添加することにより、チューブ強度をより一層向上できる。
なお、Mn添加量の上限値を1.8質量%に規定することにより、Mn添加に伴う圧延加工性の悪化を抑制できる。
請求項7に記載の発明のように、請求項6に記載のアルミニウム熱交換器において、前記芯材(10b)は、更に、0.7〜1.1質量%のSiと、0.5〜1.0質量%のFeと、0.8質量%以下のCuと、0.02〜0.3質量%のZrと、0.02〜0.3質量%のCrと、0.05〜0.4質量%のTiのうち、1種または2種以上含有する組成にしてもよい。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器において、前記Mg拡散防止材(10d)はMgを含有していないアルミニウム合金であって、少なくとも0.8〜1.8質量%のMnを含有していることを特徴とする。
これによると、Mn添加によってMg拡散防止材(10d)の強度確保を図ることができる。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器において、前記犠牲腐食材(10c)は、Mgを含有していないアルミニウム合金であって、少なくとも0.8〜1.8質量%のMnおよび0.5〜10.0質量%のZnを含有し、前記芯材(10b)よりも電位が卑であることを特徴とする。
これによると、Mn添加によって犠牲腐食材(10c)の強度確保を図ることができるとともに、Zn添加によって電位が卑となり、犠牲腐食効果を発揮できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本実施形態は車両用空調装置の蒸発器に本発明を適用した例であり、最初に、車両用空調装置の蒸発器の概要を図1〜図3により説明すると、蒸発器は冷媒が流れる多数本のチューブ10の長手方向の両端部をヘッダータンク11内部に連通させた状態にてチューブ10とヘッダータンク11をろう付けにより接合している。
チューブ10は本例では図3(a)に示すように1枚のアルミニウム板材を折り曲げることにより断面偏平状の通路形状を形成するようになっている。チューブ10の偏平断面の一端部に通路形状の結合部をなす合わせ面10aが設けてある。
ヘッダータンク11は、チューブ10の積層方向(図1、図2の左右方向)に延びる細長いタンク形状になっており、このタンク形状の内部にチューブ10の長手方向の両端部を連通させる連通空間を構成する。ヘッダータンク11には、図2に示すようにチューブ10の長手方向の両端部を挿入する偏平状の貫通穴11aが開けてある。
この貫通穴11aにチューブ10の長手方向の両端部を挿入して、貫通穴11aの部位にてヘッダータンク11とチューブ10とをろう付けするようになっている。
多数本のチューブ10の相互間には、アウターフィンをなすフィン12がチューブ長手方向に延びるように配置される。このフィン12はアルミニウム板材を波形状に折り曲げ成形したコルゲートフィンであり、その波形状の頂部は左右両隣りのチューブ10の外側面に接触してろう付けされる。
蒸発器では、チューブ10とフィン12により構成される熱交換コア部の空隙部を空気が図1の矢印A方向に送風され、この送風空気とチューブ10内を通過する冷媒とが、チューブ10およびフィン12を介して熱交換を行って、冷媒の蒸発潜熱が送風空気から吸熱されて、送風空気が冷却される。
次に、図3(b)、図4および図5に基づいてチューブ10およびフィン12の具体的な材料構成を説明する。チューブ10は図3(b)に示すように芯材10bと、芯材10bの一方の面にクラッドされた犠牲腐食材10cと、芯材10bの他方の面にクラッドされたMg拡散防止材10dと、このMg拡散防止材10d上にクラッドされたろう材10eとを有する板材(多層クラッド材)にて構成される。
ここで、犠牲腐食材10cは、芯材10bのうちチューブ10の外側面(空気側の面)となる一方の面にクラッドされ、Mg拡散防止材10dおよびろう材10eは、芯材10bのうちチューブ10の内側面(冷媒側の面)となる他方の面にクラッドされる。
図4はチューブ10の芯材10bの具体的な材料組成として、芯材1〜芯材7の7例を示している。ここで、芯材1は比較例であり、Mgを添加していない。これに対し、芯材2〜芯材7は本実施形態による比較的高濃度のMgを含有する材料組成である。
また、図5はチューブ10の外側および内側クラッド材である犠牲腐食材10c、Mg拡散防止材10dおよびろう材10eの具体的な材料組成例と、フィン12の具体的な材料組成例とを示している。なお、図4、図5の各化学成分の添加量は質量%であり、残部のAl量は不可避的な不純物を含んでいる。図4、図5において記号(−)は、添加量が0.0質量%であること、あるいは不可避的な僅少量であることを示している。
チューブ10の芯材10bは、図4の芯材2〜芯材7に示すようにいずれも比較的高濃度のMgを含有した高強度アルミニウム合金、具体的にはAl−Mn−Mg系アルミニウム合金である。
ここで、Mg添加量の下限値は、芯材強度の確保のために、図6の引張強度特性から0.1質量%以上、より好ましくは、0.3質量%以上とするのがよい。これに対し、Mg添加量の上限値は、ろう付け性の確保のために、図7(c)の隙間充填長さLが10mm以上となる1.0質量%以下、より好ましくは、0.7質量%以下とするのがよい。
また、Mnは芯材10b中に強度向上のために添加される。Mn添加量の下限値は芯材強度の確保のために0.8質量%以上とするのがよい。Mn添加量の増加により芯材強度を向上できるが、その反面、Mn添加量の増加により芯材の圧延加工性を阻害する。そこで、この圧延加工性の確保のために、Mn添加量の上限値は1.8質量%以下とするのがよい。
また、Feも芯材10b中に強度向上のために添加される。Fe添加量の下限値は芯材強度の確保のために0.5質量%以上とするのがよい。一方、Fe添加量が1.0質量%を超えると、Fe添加に伴う芯材10bの自己腐食性が増加するので、好ましくない。よって、Fe添加量の上限値は1.0質量%以下とするのがよい。
また、Siも芯材10b中に強度向上のために添加される。Si添加量の下限値は芯材強度の確保のために0.7質量%以上とするのがよい。但し、Si添加量が1.1質量%を超えると、芯材10bの耐食性が低下するとともに芯材10bの融点が低下して、ろう付け時に芯材10bの局部溶融が生じやすくなる。そこで、Si添加量の上限値は1.1質量%以下とするのがよい。
また、Cuは、芯材10bの強度向上および耐食性向上のために添加される。すなわち、Cuの添加によって芯材10bの電位をより一層貴な方向に変化させ、これにより、芯材10bと犠牲腐食材10cとの電位差を拡大して、犠牲腐食による防食効果を増大させる。但し、Cu添加量が0.8質量%を超えると、芯材10bの耐食性が低下するとともに芯材10bの融点が低下して、ろう付け時に芯材10bの局部溶融が生じやすくなる。そこで、Cu添加量の上限値は0.8質量%以下とするのがよい。
また、ZrおよびCrは、芯材10bの結晶粒度を粗大化し、芯材10bにMgが添加された場合にMgのろう付け加熱中の粒界拡散を抑制して芯材強度の低下を防止するもので、この強度低下の防止作用の確保のためにZr添加量およびCr添加量の下限値は0.02質量%以上とするのがよい。
また、ZrおよびCrの添加量を増加しても上記作用は大きく変わらないので、材料コスト低減のために、Zr添加量およびCr添加量の上限値は0.3質量%以下とするのがよい。
また、Tiは芯材10bの板厚方向に濃度の高い領域と低い領域とに別れて層状に分布する。このようなTiの層状分布によって芯材10bの腐食形態を層状にして、芯材10bの板厚方向への腐食の進行を抑制する。
このような腐食進行の抑制作用の確保のために、Ti添加量の下限値は0.05質量%以上とするのがよい。また、Ti添加量の上限値は、芯材10bの圧延加工性確保のために0.4質量%以下とするのがよい。
そして、外側クラッド層をなす犠牲腐食材10cは、図5に示すように具体的にはZnを4.0質量%添加したアルミニウム合金である。ここで、犠牲腐食材10cはZnの添加により芯材10bよりも電位が卑となって、芯材10bに対する犠牲腐食作用を発揮する。
ここで、Zn添加量の下限値は犠牲腐食作用の確保のために0.5質量%以上とするのがよい。また、Zn添加量の上限値は、犠牲腐食材10cの自己腐食性を抑制するために10.0質量%以下とするのがよい。
犠牲腐食材10cにMnを添加するのは強度確保のためであり、Mn添加量の好ましい範囲は、芯材10bの場合と同様の理由から0.8〜1.8質量%である。
内側クラッド層をなすMg拡散防止材10dはMgを添加していないアルミニウム合金であって、少なくともMnを強度確保のため添加している。このMn添加量の好ましい範囲は、芯材10bの場合と同様の理由から0.8〜1.8質量%である。
また、内側クラッド層をなすろう材10eは、一般的なAl−Si系合金であり、SiがAlと共晶合金を形成することにより、ろう材10eの融点は芯材10bの融点よりも所定温度低い温度となる。
なお、本実施形態では、チューブ10用板材の板厚t、すなわち、外側および内側のクラッド層10c、10d、10eを含む多層クラッド材の全板厚t(図3(b)参照)は0.20mmであって、外側クラッド層である犠牲腐食材10cのクラッド率を20%とし、内側クラッド層であるMg拡散防止材10dおよびろう材10eの合計クラッド率も20%としている。従って、犠牲腐食材10cの厚さは0.04mmとなり、Mg拡散防止材10dおよびろう材10eの合計厚さも0.04mmとなる。
一方、フィン12を構成する板材は、ろう材をクラッドしていないアルミニウムベア材からなる。このフィン用アルミニウムベア材は、図5に示すようにMgを添加していないAl−Mn系のアルミニウム合金である。このフィン用アルミニウムベア材にZnを2.0質量%添加しているのは、フィン12自体によってチューブ10に対する犠牲腐食効果を発揮するためである。なお、フィン12の板厚(フィン用アルミニウムベア材の板厚)は0.05mmである。
チューブ10用板材の外側面、すなわち、犠牲腐食材10cのクラッド層表面には、チューブ10とフィン12とのろう付けを行うためのろう材粉末とフラックスとの混合組成物10fを塗布している。ここで、ろう材粉末は具体的にはSi粉末である。ろう材粉末としてSi粉末を単独で用いてもよいが、Si粉末とAl粉末との混合粉末をろう材粉末として用いてもよい。
また、フラックスはフッ化物系のフラックス(非腐食性フラックス)であって、より具体的には、KAlF4、K3AlF6、K2AlF5、AlF3、KZnF3、CsAlFおよびCsKAlFのうち、いずれか1つの単体、または複数の混合物を用いる。
また、チューブ10用板材の内側面、すなわち、ろう材10eのクラッド層表面にはフラックス10gを塗布している。このフラックス10gは上記混合組成物10fのフラックスと同じもの(フッ化物系フラックス)である。
なお、ヘッダータンク11はチューブ10等を支持する強度部材であるため、その板厚は上記チューブ10およびフィン12に比して十分大きく、例えば0.6mmである。ヘッダータンク11は、芯材の両面にろう材をクラッドした両面クラッド材により構成される。
次に、本実施形態によるアルミニウム熱交換器の製造方法を説明する。本実施形態による製造方法は、(1)熱交換器構成部品への混合組成物10f、フラックス10g等の塗布工程および各部品の成形工程と、(2)熱交換器構成部品の組付工程と、(3)ろう付け工程とに大別される。
最初に、各部品のフラックス等の塗布工程および各部品の成形工程について説明すると、チューブ10用板材は、芯材10bと、外側クラッド層である犠牲腐食材10cと、内側クラッド層であるMg拡散防止材10dおよびろう材10eとからなる多層クラッド材であり、この多層クラッド材が平板状であるときに、その外側面(犠牲腐食材10cの表面)にろう材用のSi粉末とフッ化物系フラックスとの混合組成物10fを塗布する。
ここで、混合組成物10fの塗布に際しては、樹脂系のバインダを含む溶剤中にSi粉末とフラックス粉末とを溶かし込んだ適度の粘度を持つ溶液を作り、この混合組成物10fの溶液を、ロールコート法、噴霧法等の公知の方法によりチューブ10用板材の外側面に塗布する。ここで、溶液とはペースト状のものを含む。
また、チューブ10用板材の内側面(ろう材10eの表面)には、フラックス10gを塗布する。このフラックス10gの塗布に際しても、具体的には樹脂系のバインダを含む溶剤中にフラックス粉末を溶かし込んだ適度の粘度を持つフラックス10gの溶液を上記公知の方法にてチューブ10用板材の内側面に塗布すればよい。
このように、混合組成物10fとフラックス10gを塗布した後に、チューブ10用板材を図3(a)に示すように断面扁平な通路形状となるように曲げ成形し、かつ、その曲げ端部に合わせ面10aを成形する。
フィン12用板材は前述のアルミニウムベア材をそのまま波状に曲げ成形してコルゲートフィンを形成する。
ヘッダータンク11用板材は前述のクラッド材を図2に示すタンク形状に成形する。ヘッダータンク11用板材にもフラックス(具体的にはフッ化物系フラックス)を上記公知の方法にて塗布する。
次に、組付工程を説明すると、熱交換器のチューブ10、ヘッダータンク11、フィン12等の各部品を図1、図2に示す所定構造に組み付け、その組付体(仮の組付状態)をワイヤ等の治具により締結して保持する。
次に、ろう付け工程を説明すると、上記組付体を治具にて保持してろう付け用加熱炉内に搬入して、上記組付体をろう付け温度に加熱することにより、熱交換器の各部品間を一体ろう付けする。
ここで、チューブ10の外側面(犠牲腐食材10cの表面)に塗布されたSi粉末は、犠牲腐食材10cのAlと反応して共晶合金を作り、ろう付け温度にて溶融することによりろう材としての役割を果たす。すなわち、この混合組成物10fのSi粉末を用いて、チューブ10とフィン12とをろう付けすることができる。
また、チューブ10の合わせ面相互間は、チューブ10の内側面にクラッドされたろう材10fにてろう付けすることができる。
また、ヘッダータンク11とチューブ10の両端部との間は、ヘッダータンク11にクラッドされたろう材およびチューブ10側の混合組成物10fのSi粉末を用いてろう付けすることができる。
このろう付け工程において、チューブ10の外側面(犠牲腐食材10cの表面)に塗布された混合組成物10fのフラックス粉末、チューブ10の内側面に塗布されたフラックス10f、およびヘッダータンク11に塗布されたフラックスはろう付け温度で溶融状態(液体状態)となって、各部品間の接合面に均一に行き渡る。
この溶融フラックス成分により、各部品のアルミニウム材表面の酸化皮膜を還元して、溶融ろう材とアルミニウム母材表面との間の濡れ性を良好にする。また、ろう付け用加熱炉内はN2ガス等の不活性ガスの雰囲気に維持されており、アルミニウム材表面の再酸化を防止する。以上により、各部品相互間の良好なろう付け性を確保する。
また、上記各部のフラックスはいずれもフッ化物系フラックスであり、このフッ化物系フラックスはアルミニウム材に対して非腐食性であるから、ろう付け後のフラックス残留物除去のための水洗工程を廃止、若しくは簡略化できる。
ところで、本実施形態によると、チューブ10用の板材である多層クラッド材の芯材10bには芯材強度の向上のために、比較的高濃度のMgを添加しているが、この芯材中のMgが外側混合組成物10fのフッ化物フラックスおよび内側フラックス10fのFと反応することを良好に抑制できる。
すなわち、チューブ芯材10bの外側面にはMgを添加していない犠牲腐食材10cをクラッドしているため、ろう付け加熱時に芯材10bのMgが拡散するとしても、そのMgの拡散を犠牲腐食材10cの板厚範囲内にほぼ抑えて、Mgが外側混合組成物10fのフッ化物フラックスのFと直接反応することを抑制できる。
同様に、チューブ芯材10bの内側面にもMgを添加していないMg拡散防止材10dをクッラドしているため、ろう付け加熱時に芯材10b中のMgの拡散をMg拡散防止材10dの板厚範囲内にほぼ抑えて、Mgが内側フラックス(フッ化物フラックス)10fのFと直接反応することを抑制できる。
以上により、ろう付け加熱時にフッ化Mg化合物の生成を抑制できるので、このフッ化Mg化合物の生成に起因するろう付け性の低下を抑制できる。
なお、図7(b)の水平板の本発明の具合例は、比較的高濃度のMgを添加したAl−Mn−Mg系合金からなる芯材10bと上記Mgを添加していないAl−Mn−Zn−Si系合金からなる犠牲腐食材10との組み合わせ例を示している。
この組み合わせ例によると、図7(c)に示すように、芯材10bへのMg添加量を1.0質量%まで増加しても、隙間充填長さLを10mmとすることができ、必要なろう付け性を確保できる。換言すると、本発明では、Mg添加量を1.0質量%まで増加しても、従来技術におけるMg添加量=0.3質量%相当のろう付け性を確保できるのである。
図7(b)には図示していないが、チューブ芯材10bの内側面にMg拡散防止材10dを介してろう材10fをクラッドする構成においても、芯材10bへのMg添加量を1.0質量%まで増加しても、隙間充填長さLを10mmとすることができ、必要なろう付け性が得られることを確認している。
以上によって、芯材10bに比較的高濃度のMgを添加することによってチューブ用板材の強度向上を図ると同時に、Mgとフッ化物フラックスのFとの反応を抑制して、必要なろう付け性を確保できる。因みに、Mg添加量を1.0質量%まで増加すると、チューブ10用の板材(多層クラッド材)の引張強度は、図6から分かるように330MPa程度まで向上できる。
なお、図4の最右欄に示すように、Mgを添加していない芯材1(比較例)を有する多層クラッド材の引張強度は167MPaという低い値になっている。これに対し、本実施形態による比較的高濃度のMgを添加した芯材2〜芯材7を有する多層クラッド材の引張強度は200〜300MPaの範囲であり、芯材1に比較して大幅に高い値になっている。
また、本実施形態では、チューブ10とフィン12を外側混合組成物10fのろう材粉末を用いてろう付けするから、チューブ10用の板材およびフィン12用の板材のいずれにもろう材をクラッドする必要がない。
このため、チューブ10用の板材の外側面には犠牲腐食材10cのみをクラッドすればよく、そのため、チューブ10用の板材を薄肉化しても犠牲腐食材10cの必要厚さを十分確保できる。
そのため、ろう付け加熱時に外側混合組成物10fのろう材粉末であるSi粉末が犠牲腐食材10cのAlと反応してAl−Si合金を生成し、ろう材の役割を果たす際に、Si粉末による溶解孔が犠牲腐食材10cに発生して、犠牲腐食材10cの板厚が減少しても、犠牲腐食材10cのろう付け後の残存板厚をチューブ耐食性の確保のために必要な大きさにできる。
これにより、チューブ10の耐食性(チューブ孔食防止効果)を十分確保できる。この結果、チューブ10の耐食性確保と、チューブ10の軽量化、材料コストの低減とを両立できる。
なお、外側混合組成物10fのろう材粉末としてSi粉末とAl粉末との混合粉末を用いてもよく、この場合は、ろう付け加熱時にSi粉末がAl粉末と反応してAl−Si系合金(ろう材)を生成するから、Si粉末ろうによる犠牲腐食材10cの溶解深さを減少できる。従って、犠牲腐食材10cのろう付け後の残存厚さを確保しやすくなるという利点がある。
また、フィン12を、ろう材をクラッドしていないアルミニウムベア材で構成するから、ろう材をクラッドしたクラッド材でフィン12を構成する場合に比較して、ろう材成分であるSiのフィン材への拡散を格段と抑制でき、これにより、フィン12の粒界腐食を防止できる。
また、チューブ10を板材にて構成しているから、チューブ10用板材の芯材10bを、比較的高濃度のMgを含有した高強度のアルミニウム合金で構成しても押出多孔チューブのような押出成形性の低下といった不具合が発生しない。従って、チューブ10の強度を向上できると同時に、チューブ10を高い生産性で効率よく成形できる。
また、チューブ10用板材の芯材10bの内側面にクラッドしたろう材10eによりチューブ10の合わせ面10aをろう付けできるから、この合わせ面10aのろう付けのために他からろう材を特別に供給することなく、チューブ10用板材自身のろう材10eで合わせ面10aを簡単にろう付けできる。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、チューブ10を板材により構成するに際して、1枚の板材を折り曲げて断面扁平状の通路形状を構成する場合を説明したが、2枚の板材を張り合わせてチューブ10の断面扁平状の通路形状を構成してもよい。
また、本発明は、車両用空調装置のアルミニウム熱交換器に限らず、種々な用途のアルミニウム熱交換器に広く適用できるものである。
本発明を適用する車両空調用蒸発器の斜視図である。 図1の一部の模式的な概略破断斜視図である。 (a)は本発明の一実施形態におけるチューブの破断斜視図、(b)はチューブ材の断面図である。 本発明の一実施形態におけるチューブ用芯材の具体的材料組成を例示する図表である。 本発明の一実施形態におけるチューブクラッド層およびフィン材の具体的材料組成を例示する図表である。 チューブ用クラッド材の引張強度と芯材へのMg添加量との関係を示すグラフである。 (a)は隙間充填試験の概要説明図、(b)は(a)の隙間充填試験に用いる水平板の説明図、(c)は隙間充填長さと芯材へのMg添加量との関係を示すグラフである。
符号の説明
10…チューブ、10a…合わせ面、10b…芯材、10c…犠牲腐食材、
10d…Mg拡散防止材、10e…ろう材、
10f…ろう材粉末とフラックスとの混合組成物、12…フィン。

Claims (9)

  1. 板材にて構成されるチューブ(10)と、板材にて構成されるフィン(12)とをろう付けするアルミニウム熱交換器において、
    前記チューブ(10)用の板材は、0.1〜1.0質量%のMgを含有する高強度アルミニウム合金からなる芯材(10b)と、前記芯材(10b)のうち、前記チューブ(10)の外側面となる一方の面にクラッドされた犠牲腐食材(10c)と、前記芯材(10b)のうち、前記チューブ(10)の内側面となる他方の面にクラッドされたMg拡散防止材(10d)と、前記Mg拡散防止材(10d)上にクラッドされたろう材(10e)とを有する多層クラッド材であり、
    前記フィン(12)用の板材は、ろう材をクラッドしていないアルミニウムベア材であり、
    前記チューブ(10)と前記フィン(12)は、ろう材粉末とフッ化物系フラックスとを用いてろう付けされ、
    また、前記チューブ(10)用の板材の合わせ面(10a)は前記ろう材(10e)とフッ化物系フラックスとを用いてろう付けされることを特徴とするアルミニウム熱交換器。
  2. 前記ろう材粉末と前記フッ化物系フラックスとを混合した混合組成物(10f)を、前記チューブ(10)用の板材のうち、前記犠牲腐食材(10c)の表面に塗布することにより、前記チューブ(10)と前記フィン(12)とがろう付けされることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム熱交換器。
  3. 前記ろう材粉末はSi粉末であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム熱交換器。
  4. 前記ろう材粉末はSi粉末とAl粉末との混合粉末であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム熱交換器。
  5. 前記Mg拡散防止材(10d)上のろう材(10e)は、Al−Si系ろう材であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器。
  6. 前記芯材(10b)は、0.3〜0.7質量%のMgと、0.8〜1.8質量%のMnとを含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器。
  7. 前記芯材(10b)は、更に、0.7〜1.1質量%のSiと、0.5〜1.0質量%のFeと、0.8質量%以下のCuと、0.02〜0.3質量%のZrと、0.02〜0.3質量%のCrと、0.05〜0.4質量%のTiのうち、1種または2種以上含有することを特徴とする請求項6に記載のアルミニウム熱交換器。
  8. 前記Mg拡散防止材(10d)はMgを含有していないアルミニウム合金であって、少なくとも0.8〜1.8質量%のMnを含有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器。
  9. 前記犠牲腐食材(10c)はMgを含有していないアルミニウム合金であって、少なくとも0.8〜1.8質量%のMnおよび0.5〜10.0質量%のZnを含有し、前記芯材(10b)よりも電位が卑であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交換器。
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