JP2006141368A - モルッカネムの個体識別用プライマーセットおよびそれを用いた個体識別方法 - Google Patents

モルッカネムの個体識別用プライマーセットおよびそれを用いた個体識別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、モルッカネムの個体識別用プライマーセットおよびそれを用いる個体識別方法を提供することにある。
【解決手段】モルッカネム種に属する植物のゲノム中に存在するマイクロサテライト領域に隣接する両端の塩基配列を dual-suppression-PCR 法により決定して、PCR 法によりモルネッカム種に属する植物のマイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセットが得られた。このプライマーセットを用いて、モルネッカム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルネッカム種に属する植物の個体を識別することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、モルッカネムの個体識別用プライマーセットおよびそれを用いる個体識別方法に関する。更に詳細には、PCR 法によりモルッカネム種に属する植物のマイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセット、および該プライマーセットを用いて、モルッカネム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルッカネム種に属する植物の個体を識別するモルッカネムの個体識別方法に関する。
モルッカネム(Paraserianthes falcataria)は、ファルカタあるいは南洋桐とも呼ばれ、マメ科ネムノキ属に属する樹木で東南アジアに広く植栽されている早生樹である。現在、合板等の用材に広く利用されており、従って天然林から多く伐採されている。しかしながら、地球温暖化の防止や生物多様性の保護の観点から天然林の伐採は避けるべきであり、持続的な管理がなされた人工林から伐出された木材の利用が望まれている。しかし、これまで伐出された丸太の個体あるいはクローンの識別を行う場合、植栽時の記録に頼る他なかった。
いわんや、合板、ブロックボード、パーティクルボード等の加工品となったものの素性を証明するのはほとんど不可能に近い。そこで、このような加工品の状態となったものについても、その個体識別のできる方法が必要とされていた。
このような判別方法として、生化学的手法を用いたアイソザイム分析が考えられる。しかし、加工品の場合には伐採後からかなりの時間が経過しており、また加工時に細かく粉砕されたり、高温でプレスされたりする為、組織中の酵素は失活している。このため、アイソザイム分析は適さない。アイソザイム分析などの生化学的手法の他に、分子生物学的技術を利用した手法が考えられる。例えば、RAPD (Random Amplified Polymorphic DNA) 法もしくは RFLP (Restriction Fragment Length Polymorphysm) 法等の DNA の塩基配列情報に基づく分析によれば、一般的に酵素より DNA は安定である為、識別を行える可能性がある。ただし、RAPD 法および RFLP 法の両法ともに、断片化の少ない状態の良い DNA が必要であり、加工品や葉の付いていない丸太からそのような DNA は得がたい。
一方、植物や動物のゲノム中には、シトシンとアデニン、チミンとグアニンなどの数塩基からなるモチーフの繰り返し配列であるマイクロサテライトと呼ばれる領域が、高頻度で広く分布することが知られている。マイクロサテライトを含む領域を増幅するように設計された PCR マーカーの多くは、多型性が抜きん出て高くしかも共優性であることから、精密な遺伝子解析に適しており、近年、育種学、集団遺伝学などの分野に重用されている。例えば、特許文献1には、イネの DNA を鋳型とし、マイクロサテライトを含むマイクロサテライトマーカーを PCR によって増幅し、増幅されたマイクロサテライトマーカーのサイズによってイネの品種を特定することが記載されている。特許文献2には、ナシ類植物のマイクロサテライト DNA に基づき、ナシ類植物の種や品種の識別、有用形質の選択などに利用することが記載されている、
特開平10−57073号公報 特開2002−34562号公報
本発明は、PCR 法によりモルッカネム種に属する植物のマイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセット、および該プライマーセットを用いて PCR により増幅される DNA 塩基配列情報に基づいた、モルッカネムの個体識別方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、丸太や加工品等の状態の木材についてもその個体を識別することのできる、モルッカネムの個体識別方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、モルッカネム種に属する植物のゲノム中に存在するマイクロサテライト領域の両側に存在する塩基配列を決定し、マイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセットを見出すことに成功した。そして、このプライマーセットを用いて、モルッカネム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルネッカム種に属する植物の個体を識別することができ、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、PCR 法によりモルッカネム種に属する植物のマイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセットであって、以下の8種類から選ばれるプライマーセットに関する:
配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号1で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体と、配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号2で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号3で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号4で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号5で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号6で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号7で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号8で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号9で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号10で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号11で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号12で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号13で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号14で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;および
同様に、配列番号15で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号16で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット。
更に、本発明は、上記の8種類のプライマーセットから選ばれる2種以上のプライマーセットを用いて、モルッカネム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルッカネム種に属する植物の個体を識別する、モルネッカムの個体識別方法に関する。
本発明により、モルッカネム種に属する植物のゲノム中のマイクロサテライト領域を得るためのプライマーセットが提供される。このプライマーセットを2種以上使用して PCR 法によってマイクロサテライト領域を増幅し、そのサイズを調べることで、モルッカネム種に属する植物の個体識別および特定を簡便にしかも精度高く行うことが出来る。葉等の新鮮な組織に限定されず、伐採後、長時間経過した丸太や、合板等の加工品ですら個体識別することが出来る。また、成長や材質などの形質パラメーターと遺伝的な特性とを比較検討することにより、集団における遺伝的特性と形質との関連についての知見を得ることが期待される。また育種の効率化が期待される。
本発明では、モルッカネム種に属する植物のゲノム中に存在するマイクロサテライト領域に隣接する両端の塩基配列を、dual-suppression-PCR 法(練春蘭ら、日林誌 86(2), 191-198, 2004; Chunlan Lian et al., Journal of Plant Research, 114, 381-386, 2001; Chunlan Lian et al., Molecular Ecology Notes 2, 211-213, 2002)により特定した。この dual-suppression-PCR 法は、以後に記載する実施例1において詳細に説明されており、また、図1に示した通り、マイクロサテライト領域の一端に隣接する塩基配列の決定(第1段階目)と、suppresion-PCR 法(Sibert, P.D., et al., Nucleic Acids Res., 23, 1087-1088, 1995)による反対側の一端に隣接する塩基配列の決定(第2段階目)からなっている。
更に詳細には、図1に示されるように、dual-suppression-PCR 法では、先ずマイクロサテライト(SSR)部位を含むゲノム DNA を抽出し、制限酵素により DNA 断片を作製する。次いで、図2に示す不等長アダプターを DNA 断片にライゲーションして不等長アダプター付き制限酵素断片を作製する。次いで、図2に示したアダプタープライマー AP2 と、マイクロサテライト中の配列として予想される配列に基づいて作製されたマイクロサテライト(SSR)プライマー(具体的には、アデニンとシトシンの2塩基の繰り返し配列である 5'-ACACACACACACACACACAC-3'を用いた)とを用いて、マイクロサテライト領域の一端を含む配列を増幅し、次いで、サブクローニング、シーケンシング、プライマー IP2 および IP1 による増幅、シーケンシングにより、マイクロサテライト領域の一端に隣接する塩基配列を決定する。次いで、nested PCR 法により、マイクロサテライト領域のもう一端に隣接する塩基配列を決定する。即ち、図1に示すように、不等長アダプター付き制限酵素断片を、図2に示したアダプタープライマー AP1 と、プライマー IP1 で増幅し、次いで、図2に示すように増幅を繰り返して、シーケンシングにより、マイクロサテライト領域のもう一端に隣接する塩基配列を決定する。かくして、マイクロサテライト領域に隣接する両端に位置する塩基配列が決定される。
このようにして、マイクロサテライト領域の両端に位置する塩基配列が、図3に示すように、8種類のセットとして決定された。これらのセットは、モルネッカム種に属する植物のゲノム中のマイクロサテライト領域を PCR により増幅するためのプライマーセットとなるものである。これらのプライマーセットは、図3に示すように、本明細書においては、それぞれ Pafa-01〜Pafa-08 と呼ぶこともある。そして、プライマーセット Pafa-01 の塩基配列をそれぞれ配列番号1および2に、プライマーセット Pafa-02 の塩基配列をそれぞれ配列番号3および4に、プライマーセット Pafa-03 の塩基配列をそれぞれ配列番号5および6に、プライマーセット Pafa-04 の塩基配列をそれぞれ配列番号7および8に、プライマーセット Pafa-05 の塩基配列をそれぞれ配列番号9および10に、プライマーセット Pafa-06 の塩基配列をそれぞれ配列番号11および12に、プライマーセット Pafa-07 の塩基配列をそれぞれ配列番号13および14に、プライマーセット Pafa-08 の塩基配列をそれぞれ配列番号15および16に示した。
これらプライマーは、それぞれのプライマーの配列番号1から16に示す塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体であってもよい。ここでいうストリンジェントな条件でハイブリダイズするとは、PCR 法による増幅における、2 本鎖 DNA の変性後のアニーリングの工程で、アニーリングと同様の条件下で、配列番号1から18に示す塩基配列に相補的な塩基配列とハイブリダイズすることを指す。このようなアニーリングと同様の条件としては、例えば、通常の PCR 反応用緩衝液中で、dNTP (dATP、 dTTP、 dGTP、 dCTP)および DNA ポリメラーゼと混合し、混合物を、例えば 43℃から 68℃の温度で反応させる条件が挙げられる。より具体的には、以後に説明する本発明の個体識別方法において採用される PCR におけるアニーリング条件が挙げられる。また、同様にプライマーとしての機能を有するとは、PCR による、同一個体からのゲノム DNA の増幅において、プライマーとして使用した場合に、同様に、マイクロサテライト領域を増幅できることを指す。
これらのプライマーおよびその変異体は、市販されている DNA シンセサイザーを用いて容易に合成することができる。本発明においては、これらのプライマーおよびその変異体は、いかなる機器あるいは方法によってこのプライマーが合成されたかは問題とならず、その機器・方法等の相違によって本発明の目的とする効果が左右されることはない。
本発明においては、上記8つのプライマーセット Pafa-01〜Pafa-08 およびそれぞれのプライマーの変異体から構成されるプライマーセットから2種以上のプライマーセットを選択し、これを用いて、モルッカネムの組織より抽出した DNA を鋳型として PCR を行ない、次いで、この PCR により増幅した DNA について増幅断片長の分析を行なう。本発明のプライマーセットはいずれも、PCR においてモルッカネムのマイクロサテライト領域を増幅することができ、この結果より、モルッカネムの個体識別が可能となる。本発明のプライマーセットにより増幅されるマイクロサテライト領域は、より具体的には、上記したプライマーセットの塩基配列を決定する際に用いたマイクロサテライト(SSR)プライマーが、アデニンとシトシンの2塩基の繰り返し配列であるため、アデニンとシトシンの2の繰り返し配列を含むマイクロサテライト領域である。
モルッカネムの組織からの DNA 抽出は、CTAB 法や SDS 法等の定法、またはこれらの方法を適宜改良した方法により実施することができる。抽出法の相違によって本発明の目的とする効果が左右されることはない。PCR は、こうして得られたDNA を、PCR 反応用緩衝液中で、上記のようにして選択されたプライマーセット、dNTP (dATP、 dTTP、 dGTP、 dCTP)および DNA ポリメラーゼと混合し、この混合物を適当な温度サイクルで繰返し反応させることにより行なえばよい。なお、このときの PCR 条件は、最もクリアな電気泳動パターンが得られるよう、適宜設定すればよい。通常は、DNA 25 〜50 ng、10×PCR 反応用緩衝液 1〜10 μl、プライマーをそれぞれ 0.2〜2μM、dNTP 20〜200μM、DNA ポリメラーゼ 0.5〜25 U を混合した後、全液量が 10〜100μl となるように希釈したものについて、次に示すような温度サイクルで反応させた場合に、良好な結果を得ることができる。10×PCR 反応用緩衝液、dNTP および DNA ポリメラーゼについては市販されているので、これを用いることができる。
PCR における温度条件
ステップ1:94〜96℃ 約 9 分 1 サイクル
ステップ2:94〜96℃ 約 0.5 分→52〜58℃ 約 0.5〜1 1分→70〜74℃
約 0.5〜1 分 28〜40 サイクル
ステップ3:70〜74℃ 約 3〜5 分 1 サイクル
PCR 反応後の増幅した DNA 断片長の解析は、DNA シークエンサーを用いたキャピラリー電気泳動や、ガラス板を用いたポリアクリルアミド電気泳動、マススペクトル法等によって行うことが出来る。キャピラリー電気泳動の場合には、プライマーの片側を蛍光標識して蛍光検出器で検出すればよく、ガラス板を用いたポリアクリルアミド電気泳動の場合には、エチジウムブロマイドや銀染色等の定法を用いて検出することが出来る。
上記したように、本発明の上記8つのプライマーセット Pafa-01〜Pafa-08 およびそれぞれのプライマーの変異体から構成されるプライマーセットは、これを用いて PCR を行なった場合、マイクロサテライト領域を増幅するが、その増幅される部分は、各プライマーセット毎に異なっている。従って、同一個体の組織より抽出された DNA であっても、プライマーセットが異なれば、PCR により増幅される DNA は異なってくる。一方、異なる個体の組織より抽出された DNA に対しては、同じプライマーセットを用いても、PCR により増幅される DNA は、塩基数の違いが互いに異なる場合が生じる。個体の識別は、こうしたプライマーセット毎の挙動の相違を指標として行なうことができる。
本発明は、ジャワ産、ソロモン産およびパプアニューギニア産等の産地を問わず、全てのモルッカネムに対して適用することができる。これらは生木であっても伐採された材であっても加工品であっても構わない。また、いずれの組織から抽出された DNA であっても構わない。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。本発明は以下の実施例によってなんら限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の変更を加えて実施することが出来ることは言うまでもない。
モルッカネム種に属する植物(P. falcataria)のゲノム DNA 中に存在するマイクロサテライト領域に隣接する両端の塩基配列を、図1に示す dual-suppression-PCR 法により特定した。この dual-suppression-PCR 法は、図1に示した通り、マイクロサテライト領域の一端に隣接する塩基配列の決定(第1段階目)と、suppresion-PCR 法による反対側の一端に隣接する塩基配列の決定(第2段階目)からなっている。
1.P. falcataria からの全 DNA の抽出
P. falcatariaから改変 CTAB 法にて全 DNA の抽出を行った。
即ち、乾燥葉 20mg を粉砕した後、洗浄緩衝液(100mM Tris-HCl(pH8.0)、2V/V% 2-メルカプトエタノール、1% Polyvinylpyrrolidone、 0.05M アスコルビン酸) 1.5ml を加え、遠心(15,000rpm、5min、18℃)して上清を捨てた。CTAB 溶液(2W/V% 臭化セチルトリメチルアンモニウム、1.4M 塩化ナトリウム、20mM EDTA、100mM Tris-HCl(pH8.0)、0.5V/V% 2-メルカプトエタノール)を 0.75ml 加え、65℃で 1 時間加温した。ついで、等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)混液を添加し、ゆっくりと混和してから遠心(15,000rpm、5min、18℃)して上清を回収し、この上清に等量のイソプロピルアルコールを加えて混和し、-30℃で 10 分間静置することにより DNA および RNA の混合物を析出させた。析出させた混合物は再び遠心(15,000rpm、7min、4℃)してペレットとして分離し、これをTE 緩衝液(1mM EDTA(pH8.0)、10mM Tris-HCl(pH8.0))0.1ml に溶解して 10mg/ml のリボヌクレアーゼ(和光純薬(株)製) 1μl を加え、37℃で 30 分間加温して RNA を分解させた後、20% PEG溶液(20% Polyethylene glycol(6000)、2.5M NaCl)を60μ加え、30分間静置してから、遠心(15,000rpm、10min、4℃)した。上清を捨て、80% エタノール 500μl を加え、全 DNA を析出させた。析出させた全 DNA を遠心(15,000rpm、5min、4℃)して得られたペレットに 100μl の TE緩衝液を加えて溶解し、以後の操作に供した。
2.全 DNA の制限酵素処理
抽出した全 DNA を、各制限酵素(AluI、AfaI、EcoRV、HaeIII、HincII、SspI (宝酒造(株)製)で処理した。即ち、7μg の DNA に、10μl の 10×buffer と 2μl の酵素を加え、滅菌蒸留水で全液量を 100μl とし、37℃で 3 時間加温した。反応液に 100μl の TE と 200μl のクロロホルム:イソアミルアルコール (24:1) 混液を添加し、混和してから遠心 (15,000rpm、5min、4℃) して上清を回収した。上清に 1/10倍量の 3M NaOAc と 3倍量の 99.5% エタノールを加え、よく混和した後、10 分間氷上に静置した。遠心 (15,000rpm、10min、4℃) して得られたペレットに 80% エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、 4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 36μl の TE 緩衝液を加えて溶解し、以後の操作に供した。
3.不等長アダプターのライゲーション
アダプターライゲーションキット(宝酒造(株)製)を用いて、図2に示すように、以下の配列からなる不等長アダプターをライゲーションした。
長鎖: 5'-GTAATACGACTCACTATAGGGCACGCGTGGTCGACGGCCCGGGCTGGT-3'
短鎖: 5'-ACCAGCCC-NH2-3'(3'末端にアミノ基を付加)
即ち、制限酵素処理した DNA 液 5μl(0.5μg)に、Ligation Solution A を 40μl、 Ligation Solution B を 10μl、Adaptor Solution を 1.61μl(1.4μgの DNA を含む)加え、滅菌蒸留水で全液量を 60μl として、反応液を 16℃ で 1 時間置いた。次に 140μl の TE 緩衝液および 200μl のクロロホルム:イソアミルアルコール (24:1) 混液を添加して混和し、遠心 (15,000rpm、5min、4℃) し、上清を回収した。上清に 1/10 倍量の 3M NaOAc と 3 倍量の 99.5%エタノールを加え、よく混和した後、10 分間氷上に静置した。遠心(15,000rpm、10min、4℃)して得られたペレットに80%エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 100μl の TE 緩衝液を加え溶解した。
4.不等長アダプター短鎖 3'末端の ddGTP 処理
PCR における DNA 伸長反応を防ぐため、不等長アダプター短鎖 3'末端を完全にブロックする目的で GeneAmp AmpliTaq Gold PCR Reagent kit(アプライドバイオシステムズ(株)製)を用いて反応を行った。
即ち、50μl の 5ng/μl DNA 溶液に、10×buffer を 10μl、25mM MgCl2 を 6μl、2mM ddGTP を 1μl、AmpliTaq Gold DNA Polymerase (5U/μl) を 0.5μl加え、滅菌蒸留水で全液量を 100μl として、反応液を 94℃で 9 分間、続いて50℃で 10 分間加温した。次に 140μl の TE 緩衝液および 200μl のクロロホルム:イソアミルアルコール (24:1) 混液を添加して混和し、遠心 (15,000rpm、5min、4℃) し、上清を回収した。上清に 1/10 倍量の 3M NaOAc と 3 倍量の 99.5%エタノールを加え、よく混和した後、10 分間氷上に静置した。遠心 (15,000rpm、10min、4℃) して得られたペレットに 80% エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 50μl の TE 緩衝液を加え溶解した。
5.マイクロサテライト領域の一端に隣接する塩基配列の決定
(1)CA リピートを含む断片の増幅
GeneAmp AmpliTaq Gold PCR Reagent kit(アプライドバイオシステムズ(株)製)を用いて、以下に示すように、アデニンとシトシンの2塩基の繰り返し配列のプライマー (AC)10 と、図2に示すプライマー AP2 で PCR を行った。プライマー AP2 は、不等長アダプターの長鎖1本鎖部分の 3'よりの部分と同じ配列をもつ。
プライマー(AC)10:5'-ACACACACACACACACACAC-3'
プライマー AP2: 5'-CTATAGGGCACGCGTGGT-3'
即ち、2μl の 5ng/μl DNA 溶液に、10×buffer を 10μl、25mM MgCl2 を 6μl、10mM dNTP を 10μl、0.4μM のプライマーを各 2μl ずつ、AmpliTaq Gold DNA Polymerase (5U/μl) を 0.5μl を加え、滅菌蒸留水で全液量を 100μl とした。PCR 条件は、以下の通りとした。
ステップ1:94℃ 9分→62℃ 30秒→72℃ 1分 1サイクル
ステップ2:94℃ 30秒→62℃ 30秒→72℃ 1分 5サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→60℃ 30秒→72℃ 1分 35サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→60℃ 30秒→72℃ 5分 1サイクル
この際、不等長アダプター内には、プライマー AP2 が結合できる相補塩基配列がなく、しかも短鎖の 3'末端がブロックされているので DNA 伸長反応が起こらず、相補的なマイクロサテライト配列をもつ制限酵素断片に結合したプライマー(AC)10 の 3'末端からしか DNA 伸長反応は起こらない。この伸長反応が起こると、不等アダプターの長鎖の相補鎖上にプライマー AP2 の相補配列が生じ、プライマー(AC)10 とプライマー AP2 との間が PCR により増幅され、マイクロサテライト領域とその隣接配列を含む部分が増幅される。
(2)PCR 断片のサブクローニング
pT7 Blue perfectly blunt cloning kit(Novagen社, USA)を用いて、以下の操作を行った。
a) エンドコンバージョン
2μl の PCR 産物に、3μl の Nuclease-free water と 5μl の End Conversion Mix を加えてゆっくり混和し、22℃で 15 分間静置した。次に 75℃で 5 分間加温した後、氷上に 2 分間静置した。
b) ライゲーション
氷冷したエンドコンバージョン反応物に、1μl の Blunt Vector および 1μlの T4 DNA Ligase を加え、22℃で 15 分間静置した後、氷上に 15 分間静置した。
c) トランスフォーメーション
氷上で 50μl の NovaBlue Singles Competent Cell にライゲーション反応物を 2μl 加え、5 分間静置してすばやく 42℃で 30 秒間加温した後、氷上で 2分間冷やした。クリーンベンチ内で SOC Medium を 300μl 加え、37℃で 30 分間、200rpm で振とうした。LB 寒天プレートに 30μl の菌液をまき、37℃で 15時間培養した。
d) コロニー PCR
培養して形成されたコロニーのうち、白いポジティブコロニーを滅菌した爪楊枝で取り、10μl の PCR 反応液を含むチューブに懸濁した。反応液は TaKaRa LA Taq (宝酒造(株)製)を用いて、10×buffer を 1μl、25mM MgCl2 を 1.6μl、2.5mM dNTP mixture を 1.6μl、0.2μM の Primer U-19 (5'-CAGGAAACAGCTATGAC-3')および 0.2 のμM の Primer M13-RV (5'-GGTTTTCCCAGTCACGACG-3') を各 0.1μl、TaKaRa LA Taq (5U/μl) を 0.1μl を加え、滅菌蒸留水で全液量を 10μl とした。PCR 条件は、以下の通りとした。
ステップ1:94℃ 5分 1サイクル
ステップ2:94℃ 30秒→54℃ 30秒→72℃ 45秒 29サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→54℃ 30秒→72℃ 5分 1サイクル
(3)PCR 産物のサイズ確認
PCR 産物 2μl をアガロースゲル (1.5%) で電気泳動し、インサート部位のサイズを確認した。インサート部分が 150bp 以上の産物について、次のシークエンスを行った。
(4)シークエンス1(片側)
8 つの産物についてシークエンスを行った。
Thermo Sequenase Primer Cycle Sequencing Kit(Amersham Biosciences Inc.)を用いた。反応液の組成は、2μl の PCR 産物に 1μl の 0.08μM の Texas Red-T7 primerと 10μl の滅菌蒸留水を加え、2μl ずつ 4 つに分注した。dNTP mix 2μl をそれぞれ加え、以下の条件で PCR 反応を行った。
ステップ1:95℃ 5分 1サイクル
ステップ2:95℃ 30秒→51℃ 30秒→72℃ 1分 25サイクル
反応産物は、DNA シークエンサー SQ-5500 (日立)を用いて塩基配列を決定した。決定した 8 つの塩基配列を元に、それぞれ AP2 と SSR の間の AP2 側に IP1、SSR 側に IP2 の 2 つのプライマーを設計し、いずれか一方をそれぞれプライマーセットの Pafa01 から Pafa08 の左側とした(図3を参照)。プライマーを設計するにあたり、IP1 は長さ 24〜27 塩基で、GC 含量が 35〜60%になるようにし、IP2 は長さ 19〜24 塩基で、GC 含量が 35〜60%になるようにした。
6.マイクロサテライト領域のもう一端に隣接する塩基配列の決定
図1の4に示すように、nested PCR により、マイクロサテライト領域のもう一端に隣接する塩基配列を決定した。
(1)nested PCR
プライマー AP1 (5'-CCATCGTAATACGACTCACTATAGGGC-3') と IP1 をプライマーとして先に不等長アダプターをライゲーションして ddGTP 処理した DNA (6 つの制限酵素で処理したそれぞれの DNA) を鋳型として、PCR を行った。図2に示すようにプライマー AP1 は、不等長アダプターの長鎖1本鎖部分の 5'末端配列と同じ配列を含む。次にその PCR 産物を 100 倍に希釈した DNA を鋳型として、AP2 と IP2 をプライマーとして再度 PCR を行った。
反応液は、GeneAmp AmpliTaq Gold PCR Reagent kit(アプライドバイオシステムズ(株)製)を用いて調製した。即ち、0.5μl の DNA 溶液に、10×buffer を 2μl、25mM MgCl2 を 2μl、10mM dNTP を 2μl、0.5μM のプライマーを各 0.5μl ずつ、AmpliTaq Gold DNA Polymerase (5U/μl)を 0.6μl を加え、滅菌蒸留水で全液量を 20μl とした。PCR 条件は、以下の通りとした。
ステップ1:94℃ 9分→Tann. 30秒→72℃ 1分 1サイクル
ステップ2:94℃ 30秒→Tann. 30秒→72℃ 1分 38サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→Tann. 30秒→72℃ 5分 1サイクル
(2)シークエンス2(逆側)
nested PCR産物 4μlをアガロースゲル (1.5%) で電気泳動し、増幅産物を確認した。クリアで十分な長さのある産物が1つだけ得られたものについて、前述の方法でシークエンスを行った。シークエンスの結果より、SSRとAP2 の間にIP3 を設計し、それぞれプライマーセットの Pafa01から Pafa08 の右側とした(図3を参照)。
得られた8つのプライマーセットの性質の解析
ジャワ産モルッカネムの芽生え 23 個体から、DNeasy Plant mini Kit (Qiagen) を用いて、キット記載の方法に従い、全 DNA を抽出した。抽出した DNA を鋳型として、Taq DNA Polymerase in Storage Buffer B(Cat.M1665 プロメガ(株)製)を用いて PCR 反応を行った。即ち、0.5μl の DNA 溶液に、10×buffer を 1μl、25mM MgCl2 を0.8μl、10mM dNTP を 1μl、20μM の各プライマーを 0.3μl、5U/μlのTaq DNA Polymeraseを 0.06μl 加え、滅菌蒸留水で全液量を 10μl とした。これを以下の条件で反応した。
ステップ1:94℃ 3分 1サイクル
ステップ2:94℃ 30秒→Tann. 30秒→72℃ 30秒 30サイクル
ステップ3:72℃ 5分 1サイクル
PCR 産物は、ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems) を用いてフラグメント長を求めた。結果を表1に示した。データ解析は、FSTAT (Goudet, J. 2001) を用いて行なった。解析結果を表2に示す。
表2の結果から分かるように、1 遺伝子座あたり 2〜10 の対立遺伝子座が得られ、8遺伝子座の合計で 48 対立遺伝子となった。ヘテロ接合度の期待値は 0.194 (Pafa-03)〜0.999 (Pafa-07)であり、Pafa-03 以外は 0.5 を越える比較的高い値となった。これらの遺伝子座をすべて用いれば、理論上では約 92 億 4 千万通りの組み合わせを識別することが可能である。実際に求められる個体すべての識別が可能であるか否かは分析対象とする集団の遺伝子頻度によるが、この 8 つのマーカーを用いて分析を行うのが好ましいと考えられる。
また、Pafa-03 および Pafa-05 の Fis 値が高く、特に Pafa-05 では有意にハーディーワインベルグ平衡からずれていることが明らかになった。このことは、ヌル遺伝子座の存在を示唆する。したがって、Pafa-03 と Pafa-05 の使用には注意が必要であり、特に集団の遺伝的多様性や親子関係の分析を行なうときには使用を避けることが望ましいと考えられる。個体識別にはこれらのマーカーを用いることは特に問題がない。
得られたマーカーを用いて、モルッカネム丸太および合板の個体識別を行った。
モルッカネム丸太および合板からの全 DNA の抽出
約 6 年生のジャワ産モルッカネムの丸太(直径約 30cm)の中心部分と、約 6 年生のジャワ産モルッカネムの丸太から作製された 9 プライの合板(厚さ約 9 mm)をそれぞれ木工ヤスリで削り、液体窒素で冷やしながら乳鉢で粉砕した。粉体をチューブに移し、Nucleon PhytoPure(アマシャム バイオサイエンス(株))を用いて DNA を抽出した。
即ち、1.2ml の ReagentIと 20μl の 2-メルカプトエタノールを加え、よく攪拌した。次に、400μl の ReagentII を加え、65℃の温浴中で加温しながら攪拌した。10 分後、素早く氷上に移し、20 分間静置した。次に、1ml の -20℃に冷やしたクロロホルムと 300μl の Phytopure Resin を加え、室温で 10 分間振とうした。1,300g で 10 分間遠心後、水相を新しいチューブに移した。-20℃に冷やしたイソプロパノールを等量加え、穏やかに転倒混和した後、4,000g で 5 分間遠心して DNA と RNA を沈殿させた。ペレットを TE 緩衝液(1mM EDTA(pH8.0)、10mM Tris-HCl(pH8.0))0.1ml に溶解して 10mg/ml のリボヌクレアーゼ(和光純薬(株)製) 1μl を加え、37℃で 30 分間加温して RNA を分解させた。次に等容のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール混液(25:24:1)を加えて攪拌後、遠心して水相と有機相を分離した。水相を新しいチューブに移し、1/10 倍量の 3M NaOAc と 2 倍量の 99.5%エタノールを加え、よく混和した後、-80℃で 20 分間冷却した。遠心 (15,000rpm、10min、4℃) して得られたペレットに 80%エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 50μl の TE 緩衝液を加えて溶解し、以後の操作に供した。
作製したマーカーを用いた個体識別
丸太の中心および合板から抽出した DNA を用い、実施例2に記載の方法で PCR を行った。プライマーセット Pafa02 を用いた PCR 産物をアガロースゲル(1%)で電気泳動した結果を図4に示す。丸太および合板ともに目的とするサイズの DNA の増幅を確認した。Pafa02 以外の Pafa01〜08 のいずれのプライマーセットでも同様な DNA の増幅を確認した。
増幅した PCR 産物を実施例2と同様に、ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems) を用いてフラグメント長を求めたところ、表1のフラグメント長の範囲内に収まる値を示した。従って、丸太および合板に加工された状態でも個体識別が可能であった。
本発明により提供される、マイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセットを複数使用して PCR 法によって、モルッカネム種に属する植物のゲノム DNA を増幅し、増幅されるマイクロサテライト DNA のサイズを調べることで、モルッカネムの個体識別および特定を簡便にしかも精度高く行うことが出来る。葉等の新鮮な組織に限定されず、伐採後、長時間経過した丸太や、合板等の加工品ですら個体識別することが出来る。また、成長や材質などの形質パラメーターと遺伝的な特性とを比較検討することにより、集団における遺伝的特性と形質との関連についての知見を得ることが期待される。育種の効率化が期待される。
図1は、本発明のプライマーセットを特定するために用いた dual suppression-PCR 法を説明した概略図である。 図2は、dual suppression-PCR 法で用いる不等長アダプター、プライマー PA2 およびプライマー AP1 を示す。プライマー AP1 は、不等長アダプターの長鎖1本鎖部分の 5'末端配列と同じ配列を含む。AP2 プライマーは、不等長アダプターの長鎖1本鎖部分の 3'よりの部分と同じ配列をもつ。 図3は、本発明で得られたプライマーセットの塩基配列を示す。 図4は、モルッカネムの丸太の中心および合板から抽出した DNA をそれぞれ鋳型とし、Pafa-02 をプライマーとして PCR を行った産物をアガロース電気泳動で分離した写真である。

Claims (3)

  1. PCR 法によりモルッカネム種に属する植物のマイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセットであって、以下の8種類から選ばれるプライマーセット:
    配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号1で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体と、配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号2で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体とからなるプライマーセット;
    同様に、配列番号3で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号4で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
    同様に、配列番号5で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号6で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
    同様に、配列番号7で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号8で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
    同様に、配列番号9で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号10で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
    同様に、配列番号11で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号12で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
    同様に、配列番号13で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号14で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;および
    同様に、配列番号15で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号16で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット。
  2. 請求項1に記載の8種類のプライマーセットから選ばれる2種以上のプライマーセットを用いて、モルッカネム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルッカネム種に属する植物の個体を識別する、モルッカネムの個体識別方法。
  3. モルッカネム種に属する植物の組織から製造された加工品より抽出した DNA を使用する請求項2の個体識別方法。
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