JP2006141368A - モルッカネムの個体識別用プライマーセットおよびそれを用いた個体識別方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モルッカネム種に属する植物のゲノム中に存在するマイクロサテライト領域に隣接する両端の塩基配列を dual-suppression-PCR 法により決定して、PCR 法によりモルネッカム種に属する植物のマイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセットが得られた。このプライマーセットを用いて、モルネッカム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルネッカム種に属する植物の個体を識別することができる。
【選択図】なし
Description
いわんや、合板、ブロックボード、パーティクルボード等の加工品となったものの素性を証明するのはほとんど不可能に近い。そこで、このような加工品の状態となったものについても、その個体識別のできる方法が必要とされていた。
また、本発明は、丸太や加工品等の状態の木材についてもその個体を識別することのできる、モルッカネムの個体識別方法を提供することを目的とする。
配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号1で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体と、配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号2で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号3で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号4で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号5で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号6で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号7で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号8で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号9で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号10で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号11で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号12で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号13で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号14で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;および
同様に、配列番号15で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号16で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット。
更に、本発明は、上記の8種類のプライマーセットから選ばれる2種以上のプライマーセットを用いて、モルッカネム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルッカネム種に属する植物の個体を識別する、モルネッカムの個体識別方法に関する。
これらのプライマーおよびその変異体は、市販されている DNA シンセサイザーを用いて容易に合成することができる。本発明においては、これらのプライマーおよびその変異体は、いかなる機器あるいは方法によってこのプライマーが合成されたかは問題とならず、その機器・方法等の相違によって本発明の目的とする効果が左右されることはない。
ステップ1:94〜96℃ 約 9 分 1 サイクル
ステップ2:94〜96℃ 約 0.5 分→52〜58℃ 約 0.5〜1 1分→70〜74℃
約 0.5〜1 分 28〜40 サイクル
ステップ3:70〜74℃ 約 3〜5 分 1 サイクル
上記したように、本発明の上記8つのプライマーセット Pafa-01〜Pafa-08 およびそれぞれのプライマーの変異体から構成されるプライマーセットは、これを用いて PCR を行なった場合、マイクロサテライト領域を増幅するが、その増幅される部分は、各プライマーセット毎に異なっている。従って、同一個体の組織より抽出された DNA であっても、プライマーセットが異なれば、PCR により増幅される DNA は異なってくる。一方、異なる個体の組織より抽出された DNA に対しては、同じプライマーセットを用いても、PCR により増幅される DNA は、塩基数の違いが互いに異なる場合が生じる。個体の識別は、こうしたプライマーセット毎の挙動の相違を指標として行なうことができる。
本発明は、ジャワ産、ソロモン産およびパプアニューギニア産等の産地を問わず、全てのモルッカネムに対して適用することができる。これらは生木であっても伐採された材であっても加工品であっても構わない。また、いずれの組織から抽出された DNA であっても構わない。
1.P. falcataria からの全 DNA の抽出
P. falcatariaから改変 CTAB 法にて全 DNA の抽出を行った。
即ち、乾燥葉 20mg を粉砕した後、洗浄緩衝液(100mM Tris-HCl(pH8.0)、2V/V% 2-メルカプトエタノール、1% Polyvinylpyrrolidone、 0.05M アスコルビン酸) 1.5ml を加え、遠心(15,000rpm、5min、18℃)して上清を捨てた。CTAB 溶液(2W/V% 臭化セチルトリメチルアンモニウム、1.4M 塩化ナトリウム、20mM EDTA、100mM Tris-HCl(pH8.0)、0.5V/V% 2-メルカプトエタノール)を 0.75ml 加え、65℃で 1 時間加温した。ついで、等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)混液を添加し、ゆっくりと混和してから遠心(15,000rpm、5min、18℃)して上清を回収し、この上清に等量のイソプロピルアルコールを加えて混和し、-30℃で 10 分間静置することにより DNA および RNA の混合物を析出させた。析出させた混合物は再び遠心(15,000rpm、7min、4℃)してペレットとして分離し、これをTE 緩衝液(1mM EDTA(pH8.0)、10mM Tris-HCl(pH8.0))0.1ml に溶解して 10mg/ml のリボヌクレアーゼ(和光純薬(株)製) 1μl を加え、37℃で 30 分間加温して RNA を分解させた後、20% PEG溶液(20% Polyethylene glycol(6000)、2.5M NaCl)を60μ加え、30分間静置してから、遠心(15,000rpm、10min、4℃)した。上清を捨て、80% エタノール 500μl を加え、全 DNA を析出させた。析出させた全 DNA を遠心(15,000rpm、5min、4℃)して得られたペレットに 100μl の TE緩衝液を加えて溶解し、以後の操作に供した。
抽出した全 DNA を、各制限酵素(AluI、AfaI、EcoRV、HaeIII、HincII、SspI (宝酒造(株)製)で処理した。即ち、7μg の DNA に、10μl の 10×buffer と 2μl の酵素を加え、滅菌蒸留水で全液量を 100μl とし、37℃で 3 時間加温した。反応液に 100μl の TE と 200μl のクロロホルム:イソアミルアルコール (24:1) 混液を添加し、混和してから遠心 (15,000rpm、5min、4℃) して上清を回収した。上清に 1/10倍量の 3M NaOAc と 3倍量の 99.5% エタノールを加え、よく混和した後、10 分間氷上に静置した。遠心 (15,000rpm、10min、4℃) して得られたペレットに 80% エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、 4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 36μl の TE 緩衝液を加えて溶解し、以後の操作に供した。
アダプターライゲーションキット(宝酒造(株)製)を用いて、図2に示すように、以下の配列からなる不等長アダプターをライゲーションした。
長鎖: 5'-GTAATACGACTCACTATAGGGCACGCGTGGTCGACGGCCCGGGCTGGT-3'
短鎖: 5'-ACCAGCCC-NH2-3'(3'末端にアミノ基を付加)
即ち、制限酵素処理した DNA 液 5μl(0.5μg)に、Ligation Solution A を 40μl、 Ligation Solution B を 10μl、Adaptor Solution を 1.61μl(1.4μgの DNA を含む)加え、滅菌蒸留水で全液量を 60μl として、反応液を 16℃ で 1 時間置いた。次に 140μl の TE 緩衝液および 200μl のクロロホルム:イソアミルアルコール (24:1) 混液を添加して混和し、遠心 (15,000rpm、5min、4℃) し、上清を回収した。上清に 1/10 倍量の 3M NaOAc と 3 倍量の 99.5%エタノールを加え、よく混和した後、10 分間氷上に静置した。遠心(15,000rpm、10min、4℃)して得られたペレットに80%エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 100μl の TE 緩衝液を加え溶解した。
PCR における DNA 伸長反応を防ぐため、不等長アダプター短鎖 3'末端を完全にブロックする目的で GeneAmp AmpliTaq Gold PCR Reagent kit(アプライドバイオシステムズ(株)製)を用いて反応を行った。
即ち、50μl の 5ng/μl DNA 溶液に、10×buffer を 10μl、25mM MgCl2 を 6μl、2mM ddGTP を 1μl、AmpliTaq Gold DNA Polymerase (5U/μl) を 0.5μl加え、滅菌蒸留水で全液量を 100μl として、反応液を 94℃で 9 分間、続いて50℃で 10 分間加温した。次に 140μl の TE 緩衝液および 200μl のクロロホルム:イソアミルアルコール (24:1) 混液を添加して混和し、遠心 (15,000rpm、5min、4℃) し、上清を回収した。上清に 1/10 倍量の 3M NaOAc と 3 倍量の 99.5%エタノールを加え、よく混和した後、10 分間氷上に静置した。遠心 (15,000rpm、10min、4℃) して得られたペレットに 80% エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 50μl の TE 緩衝液を加え溶解した。
(1)CA リピートを含む断片の増幅
GeneAmp AmpliTaq Gold PCR Reagent kit(アプライドバイオシステムズ(株)製)を用いて、以下に示すように、アデニンとシトシンの2塩基の繰り返し配列のプライマー (AC)10 と、図2に示すプライマー AP2 で PCR を行った。プライマー AP2 は、不等長アダプターの長鎖1本鎖部分の 3'よりの部分と同じ配列をもつ。
プライマー(AC)10:5'-ACACACACACACACACACAC-3'
プライマー AP2: 5'-CTATAGGGCACGCGTGGT-3'
即ち、2μl の 5ng/μl DNA 溶液に、10×buffer を 10μl、25mM MgCl2 を 6μl、10mM dNTP を 10μl、0.4μM のプライマーを各 2μl ずつ、AmpliTaq Gold DNA Polymerase (5U/μl) を 0.5μl を加え、滅菌蒸留水で全液量を 100μl とした。PCR 条件は、以下の通りとした。
ステップ2:94℃ 30秒→62℃ 30秒→72℃ 1分 5サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→60℃ 30秒→72℃ 1分 35サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→60℃ 30秒→72℃ 5分 1サイクル
pT7 Blue perfectly blunt cloning kit(Novagen社, USA)を用いて、以下の操作を行った。
a) エンドコンバージョン
2μl の PCR 産物に、3μl の Nuclease-free water と 5μl の End Conversion Mix を加えてゆっくり混和し、22℃で 15 分間静置した。次に 75℃で 5 分間加温した後、氷上に 2 分間静置した。
b) ライゲーション
氷冷したエンドコンバージョン反応物に、1μl の Blunt Vector および 1μlの T4 DNA Ligase を加え、22℃で 15 分間静置した後、氷上に 15 分間静置した。
c) トランスフォーメーション
氷上で 50μl の NovaBlue Singles Competent Cell にライゲーション反応物を 2μl 加え、5 分間静置してすばやく 42℃で 30 秒間加温した後、氷上で 2分間冷やした。クリーンベンチ内で SOC Medium を 300μl 加え、37℃で 30 分間、200rpm で振とうした。LB 寒天プレートに 30μl の菌液をまき、37℃で 15時間培養した。
d) コロニー PCR
培養して形成されたコロニーのうち、白いポジティブコロニーを滅菌した爪楊枝で取り、10μl の PCR 反応液を含むチューブに懸濁した。反応液は TaKaRa LA Taq (宝酒造(株)製)を用いて、10×buffer を 1μl、25mM MgCl2 を 1.6μl、2.5mM dNTP mixture を 1.6μl、0.2μM の Primer U-19 (5'-CAGGAAACAGCTATGAC-3')および 0.2 のμM の Primer M13-RV (5'-GGTTTTCCCAGTCACGACG-3') を各 0.1μl、TaKaRa LA Taq (5U/μl) を 0.1μl を加え、滅菌蒸留水で全液量を 10μl とした。PCR 条件は、以下の通りとした。
ステップ2:94℃ 30秒→54℃ 30秒→72℃ 45秒 29サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→54℃ 30秒→72℃ 5分 1サイクル
PCR 産物 2μl をアガロースゲル (1.5%) で電気泳動し、インサート部位のサイズを確認した。インサート部分が 150bp 以上の産物について、次のシークエンスを行った。
(4)シークエンス1(片側)
8 つの産物についてシークエンスを行った。
Thermo Sequenase Primer Cycle Sequencing Kit(Amersham Biosciences Inc.)を用いた。反応液の組成は、2μl の PCR 産物に 1μl の 0.08μM の Texas Red-T7 primerと 10μl の滅菌蒸留水を加え、2μl ずつ 4 つに分注した。dNTP mix 2μl をそれぞれ加え、以下の条件で PCR 反応を行った。
ステップ2:95℃ 30秒→51℃ 30秒→72℃ 1分 25サイクル
図1の4に示すように、nested PCR により、マイクロサテライト領域のもう一端に隣接する塩基配列を決定した。
(1)nested PCR
プライマー AP1 (5'-CCATCGTAATACGACTCACTATAGGGC-3') と IP1 をプライマーとして先に不等長アダプターをライゲーションして ddGTP 処理した DNA (6 つの制限酵素で処理したそれぞれの DNA) を鋳型として、PCR を行った。図2に示すようにプライマー AP1 は、不等長アダプターの長鎖1本鎖部分の 5'末端配列と同じ配列を含む。次にその PCR 産物を 100 倍に希釈した DNA を鋳型として、AP2 と IP2 をプライマーとして再度 PCR を行った。
反応液は、GeneAmp AmpliTaq Gold PCR Reagent kit(アプライドバイオシステムズ(株)製)を用いて調製した。即ち、0.5μl の DNA 溶液に、10×buffer を 2μl、25mM MgCl2 を 2μl、10mM dNTP を 2μl、0.5μM のプライマーを各 0.5μl ずつ、AmpliTaq Gold DNA Polymerase (5U/μl)を 0.6μl を加え、滅菌蒸留水で全液量を 20μl とした。PCR 条件は、以下の通りとした。
ステップ2:94℃ 30秒→Tann. 30秒→72℃ 1分 38サイクル
ステップ3:94℃ 30秒→Tann. 30秒→72℃ 5分 1サイクル
nested PCR産物 4μlをアガロースゲル (1.5%) で電気泳動し、増幅産物を確認した。クリアで十分な長さのある産物が1つだけ得られたものについて、前述の方法でシークエンスを行った。シークエンスの結果より、SSRとAP2 の間にIP3 を設計し、それぞれプライマーセットの Pafa01から Pafa08 の右側とした(図3を参照)。
ジャワ産モルッカネムの芽生え 23 個体から、DNeasy Plant mini Kit (Qiagen) を用いて、キット記載の方法に従い、全 DNA を抽出した。抽出した DNA を鋳型として、Taq DNA Polymerase in Storage Buffer B(Cat.M1665 プロメガ(株)製)を用いて PCR 反応を行った。即ち、0.5μl の DNA 溶液に、10×buffer を 1μl、25mM MgCl2 を0.8μl、10mM dNTP を 1μl、20μM の各プライマーを 0.3μl、5U/μlのTaq DNA Polymeraseを 0.06μl 加え、滅菌蒸留水で全液量を 10μl とした。これを以下の条件で反応した。
ステップ2:94℃ 30秒→Tann. 30秒→72℃ 30秒 30サイクル
ステップ3:72℃ 5分 1サイクル
また、Pafa-03 および Pafa-05 の Fis 値が高く、特に Pafa-05 では有意にハーディーワインベルグ平衡からずれていることが明らかになった。このことは、ヌル遺伝子座の存在を示唆する。したがって、Pafa-03 と Pafa-05 の使用には注意が必要であり、特に集団の遺伝的多様性や親子関係の分析を行なうときには使用を避けることが望ましいと考えられる。個体識別にはこれらのマーカーを用いることは特に問題がない。
モルッカネム丸太および合板からの全 DNA の抽出
約 6 年生のジャワ産モルッカネムの丸太(直径約 30cm)の中心部分と、約 6 年生のジャワ産モルッカネムの丸太から作製された 9 プライの合板(厚さ約 9 mm)をそれぞれ木工ヤスリで削り、液体窒素で冷やしながら乳鉢で粉砕した。粉体をチューブに移し、Nucleon PhytoPure(アマシャム バイオサイエンス(株))を用いて DNA を抽出した。
即ち、1.2ml の ReagentIと 20μl の 2-メルカプトエタノールを加え、よく攪拌した。次に、400μl の ReagentII を加え、65℃の温浴中で加温しながら攪拌した。10 分後、素早く氷上に移し、20 分間静置した。次に、1ml の -20℃に冷やしたクロロホルムと 300μl の Phytopure Resin を加え、室温で 10 分間振とうした。1,300g で 10 分間遠心後、水相を新しいチューブに移した。-20℃に冷やしたイソプロパノールを等量加え、穏やかに転倒混和した後、4,000g で 5 分間遠心して DNA と RNA を沈殿させた。ペレットを TE 緩衝液(1mM EDTA(pH8.0)、10mM Tris-HCl(pH8.0))0.1ml に溶解して 10mg/ml のリボヌクレアーゼ(和光純薬(株)製) 1μl を加え、37℃で 30 分間加温して RNA を分解させた。次に等容のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール混液(25:24:1)を加えて攪拌後、遠心して水相と有機相を分離した。水相を新しいチューブに移し、1/10 倍量の 3M NaOAc と 2 倍量の 99.5%エタノールを加え、よく混和した後、-80℃で 20 分間冷却した。遠心 (15,000rpm、10min、4℃) して得られたペレットに 80%エタノールを加えて、遠心 (15,000rpm、10min、4℃) し、上清を捨てた。得られたペレットに 50μl の TE 緩衝液を加えて溶解し、以後の操作に供した。
丸太の中心および合板から抽出した DNA を用い、実施例2に記載の方法で PCR を行った。プライマーセット Pafa02 を用いた PCR 産物をアガロースゲル(1%)で電気泳動した結果を図4に示す。丸太および合板ともに目的とするサイズの DNA の増幅を確認した。Pafa02 以外の Pafa01〜08 のいずれのプライマーセットでも同様な DNA の増幅を確認した。
増幅した PCR 産物を実施例2と同様に、ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems) を用いてフラグメント長を求めたところ、表1のフラグメント長の範囲内に収まる値を示した。従って、丸太および合板に加工された状態でも個体識別が可能であった。
Claims (3)
- PCR 法によりモルッカネム種に属する植物のマイクロサテライト領域を増幅するためのプライマーセットであって、以下の8種類から選ばれるプライマーセット:
配列番号1で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号1で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体と、配列番号2で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号2で示される塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し同様にプライマーとしての機能を有するその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号3で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号4で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号5で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号6で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号7で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号8で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号9で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号10で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号11で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号12で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;
同様に、配列番号13で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号14で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット;および
同様に、配列番号15で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体と、配列番号16で示される塩基配列を有するプライマーまたはその変異体とからなるプライマーセット。 - 請求項1に記載の8種類のプライマーセットから選ばれる2種以上のプライマーセットを用いて、モルッカネム種に属する植物の組織より抽出した DNA について PCR 法により増幅し、増幅された DNA の塩基長の相違により、モルッカネム種に属する植物の個体を識別する、モルッカネムの個体識別方法。
- モルッカネム種に属する植物の組織から製造された加工品より抽出した DNA を使用する請求項2の個体識別方法。
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