JP2006141324A - 培養装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 数日から数ヶ月間にも及ぶ培養時にコンタミネーションのリスクを極力排除してpHの測定を行うことができるようにする。
【解決手段】 保温箱手段に配置された培養器手段を保温箱から取り出すことなく、薬品供給手段を用いて新たな薬品を培養器手段に供給したり、廃液排出手段を用いて不要な廃液を培養器手段から排出しているので、廃液排出手段によって排出される廃液に基づいて培地成分(pH)を測定することによって、培養中に培養器手段内の培地成分を精度よく測定することができ、また、培養器手段に直接外気が混入することがなくなり、コンタミネーションのリスクは皆無となくなり、培養操作を長期間に渡って自動で行なうことが可能となる。
【選択図】 図21

Description

本発明は、細胞を培養する培養装置に係り、特に、数日から数ヶ月間にも及ぶ培養に伴う操作を自動的に行うことのできる培養装置に関する。
培養は、培養器内の培地の交換や、細胞密度を適正にするための再播種などといった煩雑な継代プロセスが手作業により行われている。通常、これらの作業は、コンタミネーションなどの発生を回避するため、半導体製造分野で培われたクリーン環境生成技術により大気中の浮遊微粒子濃度を抑制した比較的清浄な雰囲気で注意深く行われる。しかし、この清浄な雰囲気でもコンタミネーションを回避するには十分ではなく、培養器として通常用いられる円形シャーレで細胞を培養する場合、培地交換の際にはシャーレの蓋を持ち上げるように上方にかざして菌が混入しないよう注意を払いながら、ピペッタをシャーレとその蓋のすきまに、かつピペッタがシャーレの縁など周囲のものに触れないようすばやく挿入するといったように煩雑で難しい作業を必要としていた。このような作業は、頻繁かつ日常的に行われ、通常非常に熟練した作業者が行う。
USP5,985,653 特開昭62−115297号公報
通常、ペーハー(pH)計測は、pH指示薬(フェノールレッド)を含む培養液の色の変化を目視にて判断したり、目視判断を自動で行なう裝置(特許文献2に記載されたもの)などが存在しているが、培養に関係の無いpH指示薬を培養液中に入れることは、培養に影響を与えるため好ましくなく、また精度の点でも劣っていた。また、pH電極を培養液中に浸漬させてその電位差計測を行なう方法もあるが、pH電極が十分に滅菌されていないと、雑菌等のコンタミネーションを起こす可能性があり、好ましくなかった。また、培養液を培養皿から取り出すと、温度変化により細胞増殖に悪影響を与え、二酸化炭素濃度が変化するので精度が悪化するといいう問題があった。
この発明の目的は、数日から数ヶ月間にも及ぶ培養時にコンタミネーションのリスクを極力排除してpHの測定を行うことのできる培養装置を提供することにある。
本発明の培養装置の第1の特徴は、内部で培養を行う培養器手段と、前記培養器手段に未使用の薬品を供給する薬品供給手段と、前記培養器手段から不要な廃液などを前記保温箱手段の外側に排出する廃液排出手段と、前記培養器手段から排出される前記不要な廃液に基づいて前記培養器手段内のpHを測定する培地成分測定手段とを備えたことにある。
本発明の培養装置の第2の特徴は、上記培地成分測定手段は、上記培養器手段の排出口から廃液を貯留する廃液タンクまでの配管中に配置されることにある。
本発明の培養装置の第3の特徴は、前記配管は光学的に透明であり、前記配管内に挿入され、pHの変化に応じて物理的変化を示すpHセンサーと、前記配管の外部の前記pHセンサー対応位置に配置され、前記pHセンサーの物理的変化を検知してpHの変化として認識する検知手段をさらに備えたことにある。
この培養装置では、廃液排出手段を用いて不要な廃液を培養器手段から排出しているので、廃液排出手段によって排出される廃液に基づいてpHを測定することによって、培養中に培養器手段内のpHを精度よく測定することができ、また、培養器手段に直接外気が混入することがなくなり、コンタミネーションのリスクは皆無となくなり、培養操作を長期間に渡って自動で行なうことが可能となる。
本発明によれば、数日から数ヶ月間にも及ぶ培養時にコンタミネーションのリスクを極力排除してpHのの測定を行うことができるという効果がある。
以下、本発明を適用してなる培養装置の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる培養装置の基本構成を示すブロック図である。
培養器1は、細胞を培養する容器であり、ポンプ3及び可撓性管部材2を介して未使用の薬品が注入されたリザーブタンク4に接続されている。廃液タンク7は、使用済みの薬品を貯めるものであり、ポンプ6及び可撓性管部材5を介して培養器1に接続されている。駆動手段8は、培養器1を回動させるものである。カメラ9は、培養器1を透過した光源10から発した光により中の培養細胞を観察する。システムコントローラ11は、ポンプ3、ポンプ6、駆動手段8、カメラ9、光源10に接続され、これらポンプ3、ポンプ6、駆動手段8、カメラ9、光源10を制御する。
図2は、本発明を適用してなる培養装置の機構部の詳細図であり、図1におけるシステムコントローラ11を省いた実際の構成を示している。培養器38は、透明な非毒性の材質、好ましくはポリスチレン、またはポリエチレンテレフタレートで形成されていることが望ましい。培養器38の本体15の表面にはガス透過膜16が貼ってある。培養器38の表面は、細胞が付着しやすいように親水性を持つように改質されていると良い。培養器38の略中央には薬品注入のためのチューブ接続部材19を設けられ、培地17などの薬品を培養器38内部に流し込む働きをする。この時、傾斜部381が各種液体の落下の衝撃を和らげて培養細胞へのダメージを防いでいる。
培養器38の底面には細胞が接着してそこで培養が行なわれる。チューブ接続部材18は細胞の老廃物が溶出し、培地中の栄養素が少なくなった古い培地を排出する排出口である。培養器38は、ロータ22上に固定され、このロータ22は下方にてカムフォロア27にて矢印E方向に回転できるよう、例えば、円周方向3箇所で自在に支持される。さらに、ロータ22の下方にはインターナルギア(図示せず)を形成し、このギアは、保温箱(フレーム)30に固定した培養器駆動モータ29の出力軸に勘合したピニオン28と噛みあう。ケーブルドラム25は、ロータ22に設けられたピンチ弁24の配線を巻く。巻き取りドラム26は、ロータ22が回転してもピンチ弁24の配線を巻き取り、配線が緩むことにより、他の突起物に絡まないように自動的に配線を巻き取るようになっている。例えば、ばねを利用し定常的にケーブルに張力を与えることで実現できる。
供給チューブ21は、培養器38の略中央に設けられたチューブ接続部材19に接続されている。ガイド部材35は、供給チューブ21をガイドするものである。この供給チューブ21は、ガイド部材35の上方に設けられたチューブ固定部材36にてフレーム30に固定され、このチューブ固定部材36からチューブ接続部材19までの間のチューブは、ガイド部材35の内部を自由に動くようになっている。
培地タンク67は未使用の培地を貯留し、緩衝液タンク68は緩衝液を貯留し、細胞剥離剤タンク69,70,71は細胞剥離剤を貯留している。各タンク67,68,69,70,71は、断熱箱80内に設けられている。ピンチ弁72,105,73,74,75は、各タンク67,68,69,70,71からの送液を制御するものである。また、ピンチ弁66は、後述する培養前細胞の注入を制御するものである。空気流入口78,79は、チューブ内の液溜まりを防止するために大気中の空気を導入するものであり、大気中の不純物を取り除くためのフィルタ(目の大きさが0.2μm以下が望ましい)を備えている。各タンク67,68,69,70,71から取り出されるチューブは、前述した供給チューブ21に接続され、しごきポンプ37で送液できるようになっている。しごきポンプ37は、ローラでチューブを挟み込み、そのローラを回転することによりチューブ内の液を送り出すポンプである。
廃液チューブ23は、培養器38の底面に設けられたチューブ接続部材18に接続され、ガイド部材99によりフレーム30外にガイドされる。このガイド部材99の下部には、チューブ固定部材100が設けれており、このチューブ固定部材100によって廃液チューブ23は固定され、かつこのチューブ固定部材100とチューブ接続部材18との間では廃液チューブ23は、自由に動くようになっている。細胞の老廃物が溶出し、培地中の栄養素が少なくなることによって生成される古い培地は、しごきポンプ101により廃液チューブ23を通って、廃液回収箱98内の廃液タンク102に貯留される。ピンチ弁103は、廃液タンク102への送液を制御し、ピンチ弁104は、廃液をしごきポンプ101で廃液タンク102へ送液する際の送液状態を制御するものである。
シャッターモータ50は、フレーム30の右側面に設けられた開口部をシャッター51で開閉するものであり、その回転軸にシャッター51に接続されたワイヤが巻回されている。シャッターモータ50の回転を制御することによりシャッター51を矢印A方向(図面上の上下方向)に移動できるようになっている。培養前細胞を貯留する容器52は、ホルダー部62に支持される。ホルダー62は、送りねじを有したモータ63によって矢印B方向(図面上の左右方向)に移動できるようになっている。容器52の上面にはゴム材が設けられ、外気からカバーされている(図示略)。針53は、細胞注入チューブ56に接続され、ピペッターアーム55に固定されている。ピペッタアーム55は、軸54に支持され、ピペッタ回転動モータ57により矢印D1方向に回転できるようになっている。回転部材58は、軸54と共に回転する部材であり、ピペッタ上下動モータ59とプーリ60を備えている。ピペッタ上下動モータ59の出力軸に固定されたプーリとプーリ60はベルト61により連結され、そのベルト61の一部は軸54と固定されている。
ピペッタ上下動モータ59の駆動により、軸54は上下動作するようになっている。ピンチ弁66は、培養前細胞をしごきポンプ37で送液する際、送液状態を制御するものである。なお、ピペッタアーム55には針39が固定されており、その一端にはエアーフィルター40が設けられている。この針39の機能は、容器52が硬質のプラスチック材料で形成された場合において、内部が印圧になって細胞が吸引しにくくなるのを防止するものである。なお、培養前細胞は、しごきポンプ37により吸引されると説明したが、針39から容器52に空気を圧送することによって送液するようにしてもよい。
シャッターモータ81は、フレーム30の左側面に設けられた開口部をシャッター82で開閉するものであり、その回転軸にシャッター82に接続されたワイヤが巻回されている。シャッターモータ81の回転を制御することによりシャッター82を矢印F方向(図面上の上下方向)に移動できるようになっている。培養後細胞を貯留する容器84は、ホルダー部93に支持される。ホルダー93は、送りねじ95を有したモータ94によって矢印G方向(図面の左右方向)に移動できるようになっている。容器84の上面にはゴム材が設けられ、外からカバーされている(図示略)。針83は、細胞注入チューブ84に接続され、ピペッタアーム85に固定されている。ピペッタアーム85は、軸87に支持され、ピペッタ回転動モータ88により矢印D2方向に回転できるようになっている。回転部材89は、軸87と共に回転する部材であり、ピペッタ上下動モータ90とプーリ91を備えている。ピペッタ上下動モータ90の出力軸に固定されたプーリとプーリ91はベルト92により連結され、そのベルト92の一部は軸87と固定されている。
ピペッタ上下動モータ90の駆動により、軸87は上下動作するようになっている。ピンチ弁103は、培養後細胞をしごきポンプ101で送液する際、送液状態を制御するものである。なお、ピペッタアーム55には針41が固定されており、一端にはエアーフィルター42が設けられている。この針41の機能は、容器84が硬質のプラスチック材料で形成された場合において、内部が陽圧になって細胞が吐出しにくくなるのを防止するものである。なお、培養後細胞は、しごきポンプ101により送液されると説明したが、培養器38に空気を圧送することによって、送液するようにしてもよい。
光源34は、フレーム30の下側からフレーム30内に光を供給するものであり、光の出射側にフィルター33を備えている。CCDカメラ31は、レンズを備えており、フレーム30の上側に設けられた観察窓32から培養器38にて培養される細胞を観察したり、継代時のタイミングを判定したりするのに利用されるものである。光源34は、画像の輝度ムラを防止するために複数のLEDをフラットに配置したタイプのものが好ましいが、光量が十分であるならば1つのLEDもしくはランプで構成してもよい。また、フィルター33は、CCDカメラ31に入射する光量を低減するためNDフィルター、及び細胞観察に適したコントラストを得るため適当なバンドパスフィルターから構成される。このフィルターは、CCDカメラ31の前面に設けても良い。NDフィルターは、CCDカメラ31の前面に、またバンドパスフィルターは細胞に害を与える短波長光をカットするものの場合は光源34の前面の方が好ましい。ヒータ108は、温度センサ106からの検知温度に基づいてフレーム30の内部を一定の温度に保つものである。ファン65は、フレーム30内の空気を攪拌するものである。スタンド96,97は、この培養装置全体を床面に立設させるものである。継ぎ手107は、二酸化炭素と窒素と酸素の割合を制御した混合気体を供給する際の不純物を除くためのフィルターを備えている。
培養器38の上面に貼ったガス透過膜16は、全面を覆うように図示したが、部分的に設けてもよい。なお、培地の蒸発を防止するため、フレーム30内部の湿度を上げた方が良いのは言うまでもない。この場合、水を入れたトレーを内部に配置するのが容易かつ効果的である。培養器38の前面をガス透過膜16で覆わない場合には、継ぎ手107から供給される混合気体を直接培養器38の内部に供給するようにしてもよいし、また培地などに溶け込ませても良い。
また、フレーム30は、概ね全体を覆う形体としたが、培養器38の周辺部分のみ覆う構造としても良い。すなわち、2組のピペッタはフレーム30の一部として左右に設けられる場合について説明したが、フレーム30とは別個に構成して、フレーム30の外部に2組のピペッタを配置するようにしても良い。
図3は、図2の培養器38の詳細構成を示す図である。図3(a)は図2の培養器38を上面から見た平面図であり、図3(b)はその側断面図である。図3(a)において、チューブ接続部材19は、培養器38の円中心から距離L1だけ離れた位置に回転中心付近に設けられている。古い培地を排出するチューブ接続部材18や堰20の位置と形状は、変形例112,113,114のようにしても良い。変形例112は、堰20を省略したものであり、変形例113は、チューブ接続部材18が培養器38の側面に設けられているものであり、変形例114は、チューブ接続部材18の開口部が培養器38の底面に接するように設けられているものである。
変形例112,114は、培養器38の回転に伴う遠心力によって、細胞がチューブ接続部材18の開口部以外のくぼみ部分に凝集することがあるので、この点では変形例113が遠心力によって、細胞を培養器38外に排出することができるので、より好ましい。なお、このチューブ接続部材18の位置は、培養器38のどこに配置してもよく、特に限定はしない。また、距離L1も特に限定されるものではない。但し、培養器38の円中心と回転中心は、ずらした方が細胞の均一播種の点で好ましい。チューブ接続部材18の位置を、たとえば培養器38の円中心付近に配置することによっても細胞の凝集を避けることができる。
ここで回動とは、回転、偏心回転、平行移動、往復平行移動のうち少なくとも一つとこれらの組み合わせを含むものであり、特に細胞や液の攪拌や均一化に有用な動作のことである。例えば、培地や中和済み細胞剥離剤の培養器からの排出は、培養器を傾斜動作させても良い。また、培養器内の細胞の均一播種は、培養器を振動させてもよい。手作業による培養では、培養器を8の字の軌跡を描かせるように動作させることで均一に播種することができる。このように回転動作が最もシンプルでかつ構成することも容易であるが、回転に限定する必要はなく、様々な並進動作、または回転と並進動作の組み合わせで対応してもよい。
図4は、図2の培養装置の制御ブロック図の詳細を示し、複数の培養装置を接続してそれをプラント化した場合を示すブロック図である。図2の培養装置は、図4では大きなブロック127で示される。各ピンチ弁24,66,72,73,74,75,76,77,103,104、温度センサ106、ヒータ108、ファン65、しごきポンプ37,101、容器移動モータ94,63、培養器駆動モータ29、ピペッタ上下動モータ59、ピペッタ回転動モータ57、ピペッタ上下動モータ90、ピペッタ回転動モータ88、シャッターモータ50、81などは、それぞれI/O 120を介してバス121に接続される。また、CCDカメラ31は、画像取り込みボード250とI/O 120を介してバス121に接続される。バス121には、CPU122、操作卓123、操作器126、メモリ124、コンピュータネットワークドライバ125が接続されている。
図4においては、コンピュータネットワークが外部に配設されており、このコンピュータネットワークに培養装置127及びこれ以外の複数の培養装置128,129が接続され、さらに、このコンピュータネットワークに接続された制御監視装置130によって、これら複数の培養装置127,128、129がそれぞれの離れた所から監視され、制御されるようになっている。制御監視装置130は、汎用のパーソナルコンピュータで対応可能である。なお、コンピュータネットワークの場合は、双方向のデータ通信手段であれば特に限定しない。また、単に培養装置の状態を離れた所から認識する目的ならば、片方向のデータ通信手段で良い。このコンピュータネットワークに接続する培養装置の台数は特に限定しない。複数の培養装置を利用する場合、データ通信手段により接続することにより、通常数週間もの長い時間を要す培養期間中、各培養装置の状態を常に遠隔監視できるので、大規模な培養設備には好適である。
制御監視装置130の機能は、図5において説明する培養装置の動作を逐次監視し、異常時には外部に信号を発する機能を備えたものであり、現時点では公知の技術であるため、その詳細な説明は省略するが、監視機能は各培養装置が担ってもよいし、制御監視装置130が請負ってもよい。例えば制御監視装置130は、時分割で各培養装置の動作を確認し、細胞各培養装置が異常をおこした場合に、当該培養装置を外部に知らしめる方法がもっとも容易である。
図5は培養装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図1〜図5を参照して、培養装置の動作を説明する。なお、図4に示すCPU122、メモリ124、バス121は汎用コンピュータで用いられている技術であるので、以下それらCPU122、メモリ124、バス121の詳細動作は省略し、各アクチュエータの動作のみ説明する。
ステップS51:「スタート」
培養装置127の動作開始であり、操作者が操作卓123の操作器126のスタートスイッチを押すことによってスタートする処理である。また、前述した図4に示すように複数の培養装置と制御監視装置がコンピュータネットワークに接続されている場合は、制御監視装置側でスタートスイッチを押すように構成してもよい。なお、この時点では既に培養器38や、各タンク67,68,69,70,71には薬品が培養装置127にセットされている。
ステップS52:「培地注入」
ピンチ弁72が開放され、しごきポンプ37が動作して、培地タンク67内の培地がチューブ21を通って送液される。送液される培地は、矢印J1、矢印Jの経路を通り培養器38に流れ込み、培養器38で培地17となる。予め設定された量の培地が注入されたら、しごきポンプ37の動作を停止し、ピンチ弁72は閉じる。ここでの培地量の設定値は予めメモリ124に記憶されている。なお、この実施の形態では後述するポンプ101も同様であるが、液料を図る手段を設けずに、ポンプの動作時間において液料を決定している。
ステップS53:「容器52の投入」
操作者が操作器の該当するスイッチを操作すると、シャッターモータ50が動作し、シャッター51が矢印A方向(上昇方向)にスライドする。シャッター51が所定量上昇した後、容器移動モータ63が動作し、ホルダーが矢印B方向(右方向)に移動する。この移動後、操作者は培養前細胞を入れた容器52をホルダー62に置く。その後、容器移動モータ63は上記と逆方向に回転し、ホルダー62は矢印B方向(左方向)に移動する。シャッターモータ50が回転し、シャッター51は矢印A方向(下降方向)に移動して、閉じる。
ステップS54:「ピペッタを駆動させ細胞を培養器38に移送」
容器移動モータ63が小刻みに正逆回転し、容器52内の細胞を懸濁する。詳細は述べないが、ホルダー62内部に容器52を振動させるアクチュエータを備えても良い。この動作と前後して、ピペッタ回転動モータ57が動作し、ピペッタアーム55が回転する。次にピペッタ上下動モータ59が動作し、ピペッタアーム55が下降して、容器52内に針53が挿入する。ピンチ弁66が開放し、しごきポンプ37が動作する。これにより、容器52内の培養前細胞は吸いだされ、細胞は矢印J2→J方向へチューブ56を通って、送液され、チューブ21を通り、培養器38に注入される。この注入終了後、ピンチ弁66は閉じ、またしごきポンプ37は停止する。
ステップS55:「培養器をシャッフリングし、均一化・播種」
モータ28が回転し、培養器38に注入した細胞を均一化・播種のため懸濁する。細胞の均一化・播種は、過度の細胞密度は細胞の変質を招く恐れがあるため、培養を効率高く行うために必要な処理である。なお、培養前細胞の注入が確認された後にモータ28が回転を始めるのではなく、培養細胞が接着依存性細胞(固形物を認識してこの固形物に接着することにより培養する細胞)の場合、培養前細胞が培養器38内部に注入されている最中に、モータ28を回転させた方が良い。なお、ステップS55の次にはステップS56に進む場合とステップS58にジャンプする場合がある。ここではステップS58にジャンプする場合で説明する。
ステップS58:「培養」
このステップでは、培養前細胞は培養に入ることになるが、培養中は、温度センサ106及びヒータ108によりフレーム30内は培養に適した温度(37℃前後)に制御されており、またファン65によってフレーム30内部の大気も攪拌されて、温度ムラがないようにしてある。
ステップS56:「培地を排出」
このステップは、ステップS58を実行する前に適宜に実行できるステップであり、ピンチ弁24と、ピンチ弁104が開放され、しごきポンプ101が動作して、培養器38内の培地17がチューブ23を通って、廃液タンク102に培地が送液(排出)される。送液(排出)完了後、しごきポンプ101が停止し、ピンチ弁24と、ピンチ弁104は閉じる。
ステップS57:「新しい培地を注入」
このステップも同様にステップ6を実行する前に適宜に実行できるステップであり、ピンチ弁72が開放し、しごきポンプ37を動作させ、培養器38内に新しい培地が注入される。この培地の注入後、ピンチ弁72は閉じ、しごきポンプ37は停止する。
ステップS59:「継代のタイミングか?」
上記培養中において、予め時間を決めておいてもよいし、操作卓にスイッチを設けて、術者が動作を指示するようにしてもよいが、次のように画像を利用すると細胞の品質安定化に寄与する。すなわち、適宜に光源34が発光し、CCDカメラ31が培養器38内で培養されている細胞の画像を取得する。培養初期段階の細胞は多くの箇所で密度が非常に低く、部分的に密な状態(コロニー)を形成する場合が多い。そのコロニーを培養器駆動モータ28の動作によりCCDカメラ31が捉え、計測する。このコロニー部分の細胞がコンフルエントに到達していなければ、引き続き培養される。コンフルエントか否かの判断は、後述するステップS60の細胞数カウントと同じでよい。その時必要であれば、ステップS56とす57の処理を行なってからステップS58に進む。また、コンフルエントに到達していれば、継代のタイミングということになり、次のステップS60に進む。
ステップS60:「目標の細胞数か?」
CCDカメラ31からの情報を元に細胞数をカウント又は演算する。その結果として、細胞数が予め操作者が設定した値に達していれば、ステップS68に進み、目標細胞数に達していなければ、ステップS61に進む。
ステップS61:「培地を排出」
ステップS61〜ステップS67の処理は、細胞数が予め操作者が設定した値に達していなかった場合に実行される処理である。まず、このステップでは、ピンチ弁24とピンチ弁104が開放され、しごきポンプ101が動作して、培養器38内の培地17がチューブ23を通って、廃液タンク102に培地が送液(排出)される。送液(排出)完了後に、しごきポンプ101が停止し、ピンチ弁24と、ピンチ弁104は閉じる。
ステップS62:「培養器を緩衝液で洗浄」
ピンチ弁105が開放し、しごきポンプ37が動作して、緩衝液タンク68から緩衝液が培養器38に注入される。注入後、ピンチ弁105が閉じ、しごきポンプ37が停止する。培養器駆動モータ28が回転し、培養器38を回動させ緩衝液を培養器底面に行き渡らせる。その後、ピンチ弁24が開放し、しごきポンプ101が動作して、廃液タンク102に培養器38内の緩衝液を送液する。
ステップS63:「細胞剥離剤を注入」
ピンチ弁73が開放され、しごきポンプ37が動作し、細胞剥離剤タンク69から細胞剥離剤が培養器38に注入される。注入後、ピンチ弁73が閉じ、しごきポンプ37が停止する。培養器駆動モータ28が回転し、細胞剥離剤を培養器底面に行き渡らせる。
ステップS64:「中和剤を注入」
ここでは中和剤を培地としている。上述の細胞剥離剤としては様々なものが利用されているが、ここでは培地には血清が含まれるものとして、この血清により中和される細胞剥離剤を想定している。従って、動作としては、上述のステップS52と同様で、ピンチ弁74を開放してタンク70から中和剤が注入される。
ステップS65:「培養器をシャッフリングし、均一化・播種」
ステップS55と同一の処理が行なわれる。すなわち、モータ28が回転し、培養器38に注入した細胞を均一化・播種のため懸濁する。そして、所定時間経過後すなわち細胞が接着した後に、次のステップS66に進む。
ステップS66:「中和された細胞剥離剤を排出」
ピンチ弁24とピンチ弁104が開放され、しごきポンプ101が動102に培地が送液(排出)される。送液(排出)完了後に、しごきポンプ101が停止し、ピンチ弁24と、ピンチ弁104が閉じる。
ステップS67:「新しい培地注入」
ステップS52と同一の処理が行なわれる。すなわち、ピンチ弁72が開放され、しごきポンプ37が動作して、培地タンク67内の培地がチューブ21を通って送液される。送液される培地は、矢印J1、矢印Jの経路を通り培養器38に流れ込み、培養器38で培地17となる。予め設定された量の培地が注入されたら、しごきポンプ37の動作を停止し、ピンチ弁72は閉じる。
ステップS68〜ステップS71の処理は、細胞数が予め操作者が設定した値に達していた場合に実行される処理であり、上述のステップS61〜ステップS64の処理と同じである。
ステップS68:「培地を排出」
ステップS61と同一の処理が行なわれる。すなわち、ピンチ弁24とピンチ弁104が開放され、しごきポンプ101が動作して、培養器38内の培地17がチューブ23を通って、廃液タンク102に培地が送液(排出)される。送液(排出)完了後に、しごきポンプ101が停止し、ピンチ弁24と、ピンチ弁104は閉じる。
ステップS69:「培養器を緩衝液で洗浄」
ステップS62と同一の処理が行なわれる。すなわち、ピンチ弁105が開放し、しごきポンプ37が動作して、緩衝液タンク68から緩衝液が培養器38に注入される。注入後、ピンチ弁105が閉じ、しごきポンプ37が停止する。培養器駆動モータ28が回転し、培養器38を回動させ緩衝液を培養器底面に行き渡らせる。その後、ピンチ弁24が開放し、しごきポンプ101が動作して、廃液タンク102に培養器38内の緩衝液を送液する。
ステップS70:「細胞剥離剤を注入」
ステップS63と同一の処理が行なわれる。すなわち、ピンチ弁73が開放され、しごきポンプ37が動作し、細胞剥離剤タンク69から細胞剥離剤が培養器38に注入される。注入後、ピンチ弁73が閉じ、しごきポンプ37が停止する。培養器駆動モータ28が回転し、細胞剥離剤を培養器底面に行き渡らせる。
ステップS71:「中和剤を注入」
ステップS64と同一の処理が行なわれる。すなわち、ピンチ弁74を開放してタンク70から中和剤が注入される。そして、所定時間経過後すなわち細胞が接着した後に、次のステップS72に進む。
ステップS72:「中和された細胞剥離剤を排出」
ステップ66と同一の処理が行なわれる。すなわち、ピンチ弁24とピンチ弁104が開放され、しごきポンプ101が動102に培地が送液(排出)される。送液(排出)完了後に、しごきポンプ101が停止し、ピンチ弁24と、ピンチ弁104が閉じる。
ステップS73:「ピペッタを駆動させ細胞を容器に移送」
ピペッタ回転動モータ88が動作し、ピペッタアーム85を回転させる。次にピペッタ上下動モータ90が動作し、ピペターアーム85が下降して、容器84内に針83が挿入される。ピンチ弁24、103が開放し、しごきポンプ101が動作する。これにより、培養器38内の培養後細胞は吸いだされ、細胞は矢印P1方向にチューブ23を通って、送液(移送)される。そして、チューブ86を通り、細胞保管容器84に注入される。
ステップS74:「細胞保管容器を装置外に搬出」
シャッターモータ81が動作し、シャッター82が上昇する。所定量上昇後、容器移動モータ94が動作し、ホルダーが矢印G方向に移動する。これによって、操作者は培養された細胞が入った細胞保管容器84を取得できる。
ステップS75:「終了」
操作者は培養前と比較し、コンタミネーションのない純粋な培養細胞が入った容器84を取得することができる。なお、上記ステップS53にて、容器52に入れた培養前細胞が骨髄液に含まれる細胞である場合、目的とする細胞以外の不要な細胞(血液関係の細胞)を取り除くために、ステップS62,ステップS63,ステップS64,ステップS66をステップS56とステップS57との間に入れるとよい。
図6は、図5のステップS55の「培養器をシャッフリングし、均一化・播種」の動作の一例を示す図である。培養器38は、この図6(a)に示すように正逆回転を繰り返す。例えば、正方向1回、逆方向1回、最後の正方向1回の停止時にはゆっくりと停止させるようにする。すなわち、最初の加速時間と減速時間(t1,t2,t3,t4,t5)を短くすることにより、培養器38の培地17は激しく波打ち、懸濁状態になる。さらに、最後の動作の減速時間(t6)を長く取ることにより、培地はその慣性により円周方向に流れを継続しながら、その速度を落とし、やがて停止する。これにより細胞は均等に播かれるようになる。なお、最後の減速時間(t6)をS字曲線にしても良い。
図6(b)は細胞の播種状態を示すシミュレーション結果の概略スケッチ図である。色の濃い中心付近の箇所(内周部S2)は、最後の動作(減速時間t6)にて、流れの接線速度が低いので比較的細胞が凝集している様子が示され、外周部S1は、細胞が薄く播かれている様子が示されている。なお、正逆回転の繰り返し数、回転速度、角加速度(t1,t2,t3,t4,t5,t6)は、特に限定せず、条件によって培養器38の前面にわたり、均等に細胞を播くこともできる。しかし、例えば、上述のように中心付近に細胞を凝集する動作を故意に実現することで、その部分のみ画像観察することによりコンフルエントのタイミング判定には都合がよくなることもある。すなわち、培養器38の全面にわたり観察する必要がなくなり、また過度に培養することで細胞の品質を損なうことがなくなる。また、密度に応じて増殖しやすくなる細胞種を培養する場合において、このような密度制御は好適である。
図7は、上述の実施の形態に係る培養装置の培養器38の第1の変形例を示す図であり、図7(A)は、上面から見て図を、図7(B)はその側面図を示す。例えば、4つの培養器170a〜170dをロータ22に回転中心が4つの培養器170a〜170dの中心となるように乗せる。この図の培養器170a〜170dは、概ね同一の円柱形状に形成されており、各培養器170a〜170dのチューブ接続部材174a〜174dはチューブ171によって接続されている。なお、図7(B)では、培養器170a,170cを省略してある。このチューブ171は、図2のチューブ21と同一機能を果たすものである。チューブ接続部材175a〜175dは、古い培地を排出するものである。ここでは、培養器170a〜174dは4ヶとしたが、特に4ヶに限定せず、2ヶ,3ヶ,6ヶと自由に選択してもよい。また、培養器を重ねて配置しても良い。この図7のように培養器を複数に分けることにより、培養面積を自由に変更できる。これにより、細胞が接着系の細胞(例えば間葉系幹細胞)では、培養可能な細胞数は面積と比例関係にある場合が多く、培養における細胞数の調整が可能となる。なお、動作は図5の処理フローと同一であり、矢印Mの様にシャッフリングすることにより、培養器170a〜174d内の培地は矢印Qの方向に最終的に流れることになって、培養器170a〜174d内の細胞は均一に播かれることになる。
図8は、上述の実施の形態に係る培養装置の培養器38の第2の変形例を示す図である。細胞は培養時、その細胞種によって異なるが、概ねコロニー状に増える。従って、コンフルエントになったら、より広い面積の、比較的清浄な面に播種、つまり継代することが必要である。図8(A)に示す培養器167,168,169は、このような特性が顕著な場合の培養に適用して好適な培養器の一例である。培養器167は、概ね円形のシャーレ構造をしており、その上面には図2の供給チューブ21と同じ機能の供給チューブ182が接続される。培養器168は、培養器167とほぼ同じ外囲器構造をしているが、内部に培養補助板189が1枚設けられている。培養器169は、培養器167とほぼ同じ外囲器構造をしているが、内部に培養補助板191,192が2枚設けられている。この培養器169の底面には廃液チューブ185が接続される。各々の培養器167,168,169は接続チューブ183,184でそれぞれ接続され、その途中に設けられたピンチ弁186,187,188によって送液が制御される。こられの培養器167,168,169とピンチ弁186,187,188とが、図2に示すロータ22に固定される。図8(B)は、各培養器167,168,169の回転中心軸との位置関係を示す図であり、図に示すように回転中心軸Tより大幅にずらしてもよく、矢印Rにて示す方向にシャッフリングすることにより培養器167,168,169内の細胞は均一に播かれることになる。
図8の培養器167,168,169を用いた培養装置の動作は、前述までの培養器と大きな差異はないが、培養器が3ヶとなり、またピンチ弁が2ヶ増えている。
図9は、図8の培養器を用いた培養装置の動作を説明するためのフローチャートである。図8の培養器を用いた動作は、図5と動作が似ているので図5との相違点について説明する。図9において、図5と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。
図5にて説明した動作は、継代時に培地を排出(ステップS61)、培養器を緩衝液で洗浄(ステップS62)、細胞剥離剤を注入(ステップS63)、中和剤を注入(ステップS64)、培養器をシャッフリングし、均一化・播種(ステップS65)、中和された細胞剥離剤を排出(ステップS66)、新しい培地を注入(ステップS67)であった。すなわち、継代時には新しい培養器に移し変えることなく、コロニー状に増えた細胞をその場所で培養器をシャッフリングすることにより均等に播種し、再度目標の細胞になるまで培養するというものであった。これに対して、図8の培養器ではステップS64の後に、ステップS90の「下段の培養器に播種」という処理を実行している。
すなわち、培養器167でコンフルエントになると、その下の培養器168に細胞を送液により移し変える。そして、この培養器168でコンフルエントになると、その下の培養器169に細胞を送液により移し変える。各々の培養器に注入する培地量は、継代毎に培地量を多くし、培養補助板での培養ができるようにする。すなわち、初回の培養において培地量は、培養器167において培養器本体180の底面のみ培養する量とする。1回の継代後の培養は、培養器168において培養補助板189が漬かる程度の培地量とする。これにより、細胞は培養器本体180と、培養補助板189の両方で培養できるようになる。2回の継代後の培養は、培養器197において培養補助板190と培養補助板191が漬かる程度の培地量とする。これにより、細胞は培養器本体180と、培養補助板190と、培養補助板191の3枚で培養できるようになる。培養補助板が漬かる量とすることで、培養器168は培養器167に対して約2倍、培養器169は培養器167に対して約3倍となる。
次に、ピンチ弁の動作を説明する。
(1)初回の培養:培地、緩衝液、細胞剥離剤、中和剤を排出する時にピンチ弁186,187,188を開放する。
(2)継代1回後の培養:培地、緩衝液、細胞剥離剤、中和剤を注入する時にピンチ弁186を開放する。また、培地、緩衝液、細胞剥離剤、中和剤を排出する時にはピンチ弁187,188を開閉する。
(3)継代2回後の培養:培地、緩衝液、細胞剥離剤、中和剤を注入する時にピンチ弁186,187を開放する。また、培地、緩衝液、細胞剥離剤、中和剤を排出する時にはピンチ弁188を開閉する。
上述の実施の形態においては、培養器の個数、各培養器の形や大きさなどは限定されるものでなくなく、楕円や矩形としてもよく、各々の大きさを変えてもよい。また、培養補助板の枚数も1枚や2枚に限定されるものではない。図8の実施の形態においては、培養器は全体的に小型化でき、しいては装置の小型化を実現することが可能である。なお、図8においては、複数の鏡278,279,282,283,284,285が各培養器167〜169間に配置されている。これらの鏡は光源281から出射した光をCCDカメラ280で受けるためのものである。光源281の直前にはフィルター286が設けられている。CCDカメラ280、光源281、フィルター286は、ユニット288のように一体化されており、図示を省略してある駆動機構(例えば、モータと送りねじで構成)により矢印V方向に移動することができるようになっている。このユニット288を矢印V方向に移動することによって、培養器が多層構造となっていても、CCDカメラ280と鏡278,279,282,283,284,285を利用し、横から培養器167〜169の観察ができるようになっている。これらの鏡278,279,282,283,284,285は、図において横方向(X軸方向)に移動して、培養器内を走査可能としてもよい。
図10は、上述の実施の形態に係る培養装置の培養器38の第3の変形例を示す断面図である。図10の培養器が図8の培養器と異なる点は、継代時に新しい培養器に移し変えることなく、図2に示す培養器38と同様に扱えるようにした点である。構造的には、概ね円形のシャーレ構造をしており、上面には図2の供給チューブ21と同じ機能の供給チューブ197が接続されている。培養器本体195には蓋199が被され、その内部には培養補助板201,202が2枚設けられている。動作の概要は、図8と同じであるが、継代毎に培地量を多くし、培養補助板での培養ができるようにしてある。すなわち、初回の培養において培地量は、培養器本体195の底面のみである。1回の継代後の培養は、培養補助板201が漬かる程度の培地量とする。これにより、細胞は培養器本体195と、培養補助板201の両方で培養できるようになる。2回の継代後の培養は、培養補助板202が漬かる程度の培地量とする。これにより、細胞は培養器本体195と、培養補助板201と、培養補助板202の3枚で培養できるようになる。これによって、図2の培養器38と比べて、図8と同様に小型化を実現できる。以上の説明において、培養器の個数や各培養器の形や大きさなどは限定されるものではなく、楕円や矩形としてもよく、各々の大きさを種々変えてもよい。また、培養補助板の枚数も2枚に限定されるものではない。図10に示す実施の形態によれば、培養器を全体的に一層小型化でき、しいては装置の小型化を実現することができる。
図11は、細胞を均一に播種する手法の一例を示す図である。この手法は、上述の実施の形態の培養器に適用することによって好適な効果を生むものである。図11(A)において、培養器本体300には、培養器本体の蓋301が設けられ、その上面側に供給用チューブ接続部材302が設けられ、下面側に磁石307,308,309,310が設けられている。傾斜部381は、供給用チューブ接続部材302から供給される液体の落下の衝撃を和らげて細胞へのダメージを防ぐものである。これら磁石307,308,309,310は、図2においてフレーム30に固定される。球状部材303,304,305,306は、培養器本体300(図2の培養器38と同一)の中に入れられるものであり、球状磁性材の表面に細胞に対して無毒性の高分子プラスチック、セラミック、チタンなどがコーティングされたものである。培養器300が回転するとそれに伴い球状部材303,304,305,306も培養器本体300内を転がり、内部の培地を攪拌するようになり、細胞の均一播種が可能になる。図11(B)は、培養器本体312に培養器本体の蓋313が設けられ、その上面側に供給用チューブ接続部材314が設けら、下面側に棒状部材315が設けられている。棒状部材315は、培養器本体300(図2の培養器38と同一)の中に入れられるものであり、棒状の磁性材の表面に細胞に対して無毒性の高分子プラスチック、セラミック、チタンなどがコーティングされたものである。図11(B)の棒状部材315を用いた場合も、図11(B)と同様の効果を奏する。
図12は、上述の実施の形態における培養器とチューブの接続方法の一例を示す図である。図2では培養器、チューブ、リザーバタンクなどは予め接続されているものとして説明したが、ここでは途中で切断されたチューブを供給用チューブ接続部材に接続して培養している。培養器325(図2の培養器38と同一)には供給チューブ320と廃液チューブ326が接続されている。それぞれのチューブ320,326の切断部には、例えばゴムのような柔軟材からなる栓321,327が挿入されている。実際に培養に入る前に、針322,328を有した供給チューブ323と廃液チューブ329を接続する。なお、針322,328を刺す前に栓321,327をアルコールなどで滅菌するとよい。このようにすることにより、長いチューブが接続された培養器を装置にセットする際にチューブの取り回しが楽になり、操作性が上がる。なお、培養前細胞を注入する際、シリンジ324を使えば、直接培養器325に細胞を入れることができる。また、途中で切断された供給チューブ323と廃液チューブ329を培養器325に予め接続せずに、直接ゴム栓321,327をチューブ接続部材に取り付けても良い。
図13は、上述の実施の形態における培養装置の一部の滅菌法を示す図である。この滅菌法では、培養器38と各タンク71,70,69,68,67,102とがそれぞれチューブによって接続され、そのままの状態で滅菌バッグに矢印Sに示すように丸ごと封入され、ガンマ線などからの滅菌に供するようになっている。滅菌バッグ340は、外気との接触を防ぐ材質で作られたものであり、一般に利用されているもので良い。このように細胞に触れるものは全て滅菌することにより、培養中はチューブを外さなくてすむことから、コンタミネーションのリスクは皆無となる。なお、図2において、液面検出手段33bは、光又は超音波を用いた培養器38の液面高さを検出するものである。ポンプやピンチ弁が動作不良を起こした場合、液面高さが設定値から逸脱するがこのような場合、外部に警報を出すようになっている。
図14は、本発明を適用してなる培養装置の別の実施の形態に係る機構部の詳細図を示す図である。この培養装置は、基本的には図2のものと同じ構成をしている。従って、図14において、図2と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は簡略化する。
培養器140は、図2の培養器38と同様に底面には細胞が接着してそこで培養が行なわれる。培養器140は、培養器本体と蓋部材とからなる。培養器140は、培養中の細胞について顕微鏡などで観察できることが必要であることから透明な材質が好ましく、また毒性のないものである必要がある。これらのことから材質としては、ポリスチレン(PS)やポリエチレンテレフタレート(PET)材が好ましい。この蓋部材には、薬品注入及び排出のための3つの第1ポート141、第2ポート142、第3ポート143が設けられている。
第1ポート141は、培地などの薬品や培養後の細胞の排出用ポートである。第1ポート142には廃液チューブ141bが接続され、培地を排出するためのしごきポンプ144,145が配され、培地を排出できるように構成されている。第2ポート142は、培地などの薬品や培養前の細胞を供給するためのポートである。この第2ポート142には供給チューブ142bが接続され、第1ポート141と同様にしごきポンプ146,147が配されている。第3ポート143は、培養器140内部への大気吸入用ポートであり、その外側にはチューブ143aを介してエアーフィルター143bが接続されている。この第3ポート143は、培養器140内部への空気吸入ポートであり、この目的を実現するものであれば、特にポートを備えなくてもよい。図14の培養装置では、培養器140を保持する保持リング148の底面側にフック149を引っかけ、それをレバー150及びチルトモータ151で持ち上げることによって、培養器140全体を傾斜するようにしている。
培養器140は、保温箱(インキュベータ)160内のロータ153に固定された保持リング148に保持されており、このロータ153は、保温箱160の上部に設けられた培養器駆動モータ29aの出力軸に連結され、矢印E方向に回転駆動されるように構成されている。図14は、ロータ153が時計回り(左方向)に旋回して保持リング148及び培養器140が保温箱160の左側に移動した状態を示す。従って、この状態からロータ153は半時計回り(右方向)に旋回することによって、保持リング148及び培養器140は図面上の手前を通過して保温箱160の右側に移動することになる。保温箱160は、従来のように2重箱構造をとらずに、また気密をほとんど考慮しなくて済む簡易な方法で構成されたものである。この保温箱160の詳細構成について後述する。
供給チューブ142bの一端は、培養器140の外周付近に設けられた第2ポート142に接続されている。この供給チューブ142bは、保温箱160内部のロータ153上方に設けられ、ロータ153の旋回に応じて内部を自由に動くようになっている。供給チューブ142bの他端は、加温バッグ170に接続されている。加温バッグ170は、供給チューブ142bを通過する媒体の温度を4度から約20度に加温するものであり、背面に加温用ヒータ171を備えている。なお、加温バッグ170は、液体の温度を上げることができれば、その形状は限定されない。チューブをスパイラル状に巻いたものでもよい。この加温バッグ170を媒体が通過する時には、ポンプ146,147、ピンチ弁147aを制御し、媒体を一時滞留させる。
培地タンク67は、未使用の培地を貯留し、緩衝液タンク68は緩衝液を貯留し、細胞剥離剤タンク69,70,71は細胞剥離剤を貯留している。なお、図14では細胞剥離剤タンク69のみを示し、細胞剥離剤タンク70,71の図示を省略してある。各タンク67,68,69,70,71は、断熱箱80内に設けられている。断熱箱80の側面には、ペルチェ素子109を介して外部に放熱ヒートシンク110が、内部に吸熱ヒートシンク111がそれぞれ設けられていて、熱交換が行なわれ、一定温度に保持されている。ピンチ弁72,105,73,74,75は、各タンク67,68,69,70,71から供給チューブ142cへの送液を制御するものである。各タンク67,68,69,70,71から取り出されるチューブは、供給チューブ142cに接続され、しごきポンプ146,147で送液できるようになっている。しごきポンプ146,147は、ローラでチューブを挟み込み、そのローラを回転することによりチューブ内の液を送り出すポンプである。しごきポンプ146,147のすぐ後には送液調整用のピンチ弁146a,147aが設けられている。なお、前記しごきポンプ146,147、しごきポンプ144,145が送る液量を計る手段を設けず、これらポンプの動作時間によって液量を決定する。
ピンチ弁66a,66bは、供給チューブ142bへの培養前細胞の注入を制御するものであり、補助供給チューブ142dに2個設けられている。2個のピンチ弁66a,66bを並べて設けてあるのは、細胞注入後に補助供給チューブ142dを介して外気などが流入するのを防止するためである。
供給チューブ142cの一端は、加温バッグ170に接続され、他端はピンチ弁172を介して保温箱160内に挿入され、その端部にエアーフィルター173が設けられている。このエアーフィルター173、供給チューブ142c、加温バッグ170、供給チューブ142b、第3ポート143、チューブ143a、エアーフィルター143bによって空気循環経路が形成されている。すなわち、しごきポンプ146,147が回転して、供給チューブ142b,142c内のエアーを送出することによって、培養器140内のエアーを循環させるようになっている。
廃液チューブ141bの一端は、培養器140の外周付近に設けられた第1ポート141に接続されている。この廃液チューブ141bは、保温箱160内部のロータ153上方に設けられ、ロータ153の旋回に応じて内部を自由に動くようになっている。廃液チューブ141bは、途中で二股に分岐され、それぞれの経路を介して廃液タンク102又は培養後細胞を貯留する容器84に送液されるようになっている。すなわち、廃液チューブ141bの分岐した一方は、ピンチ弁176、ペーハー測定部177、しごきポンプ145、ピンチ弁178を介して廃液タンク102に接続され、他方はピンチ弁174、しごきポンプ144を介して廃液タンク102又はピンチ弁174、しごきポンプ144、ピンチ弁175を介して容器84に接続されている。
細胞の老廃物が溶出し、培地中の栄養素が少なくなることによって生成される古い培地は、しごきポンプ144により廃液チューブ141bを通って、廃液回収箱内の廃液タンク102に貯留される。一方、廃液のペーハーを測定するために、古い培地は、しごきポンプ145により廃液チューブ141bを通って、ペーハー測定部177を通過して、同じく廃液タンク102に送液される。
ペーハー測定部177は、廃液のペーハーを測定する前に、保温箱160内に設けられた校正液タンク161,162に貯留されている校正液をピンチ弁163,164を通過させることによってペーハーを基準値に校正し、その後に廃液を通過させてペーハー測定するものである。このペーハー測定部177の詳細については後述する。
培養前細胞を貯留する容器230は、モータ231の回転軸に対して偏心して設けられたホルダー232に支持されている。モータ231が回転することによって、容器230内の培養前細胞は十分に懸濁される。容器230の上面にはゴム材からなるキャップ233が設けられ、外気からカバーされている。キャップ233の内部にはアルコール消毒液が染み込んだ不織布234が設けられており、キャップ全体を覆うようにカバー235が設けられている。針236は、キャップ233及び不織布234を介して容器230内の管部材238に接続され、図示していないアームに固定されており、矢印D1方向に直線移動できるようになっている。針237は、容器230内に大気を供給するものであり、その端部にエアーフィルター239を備えている。この針237の機能は、容器230が硬質のプラスチック材料で形成された場合において、内部が陰圧になって細胞が吸引しにくくなるのを防止するものである。なお、培養前細胞は、しごきポンプ147により吸引されるが、この針237から容器230内に空気を圧送することによって送液するようにしてもよい。この培養前細胞を貯留する容器230及び針236,237の詳細構成については後述する。
培養後細胞を貯留する容器240は、図示していないホルダーに支持されている。容器240の上面にはゴム材からなるキャップ241が設けられ、外気からカバーされている。キャップ241の内部にはアルコール消毒液の染み込まれた不織布244が設けられており、キャップ全体を覆うようにカバー245が設けられている。針246は、キャップ241及び不織布244を介して容器240内の侵入し、培養後細胞を送液可能になっている。針246は、図示していないアームに固定されており、矢印G1方向に直線移動できるようになっている。針247は、容器240内の空気を排出するものであり、その端部にエアーフィルター249を備えている。この針247の機能は、容器240が硬質のプラスチック材料で形成された場合において、内部が陽圧になって細胞を吸引しにくくなるのを防止するものである。なお、培養後細胞は、しごきポンプ144により吸引されるが、この針247から容器240内の空気を排出することによって送液するようにしてもよいし、保温箱160内に空気を圧送することによって、送液するようにしてもよい。この培養後細胞を貯留する容器240及び針246,247の詳細構成については後述する。
光源34aは、保温箱160の上側から保温箱160内に光を照射するものであり、光の出射側にフィルターなどを備えている。CCDカメラ31aは、レンズを備えており、保温箱160の下側に設けられた観察窓32aから培養器140にて培養される細胞を観察したり、継代時のタイミングを判定したりするのに利用されるものである。光源34aは、画像の輝度ムラを防止するために複数のLEDをフラットに配置したタイプのものが好ましいが、光量が十分であるならば1つのLEDもしくはランプで構成してもよい。また、光源34aに配置されるフィルターとしては、CCDカメラ31aに入射する光量を低減するためNDフィルター、及び細胞観察に適したコントラストを得るため適当なバンドパスフィルターから構成される。このフィルターは、CCDカメラ31aの前面に設けても良い。NDフィルターは、CCDカメラ31aの前面に、またバンドパスフィルターは細胞に害を与える短波長光をカットするものの場合は光源34aの前面の方が好ましい。光源34a及びCCDカメラ31aは、図14の紙面に対して垂直な方向に移動可能に設けられている。すなわち、光源34a及びCCDカメラ31aは、図に対して垂直方向に延びたレール34b,31bに対してローラ34c,34d,31c,31dを介して移動可能に設けられている。これによって、旋回移動する培養器140と垂直方向に移動する光源34a及びCCDカメラ31aによって、培養器140の所望の場所を観察可能な構成となっている。
ヒータ201〜204は、保温箱160内に設けられた温度センサ106からの検知温度に基づいて保温箱160の内部を一定の温度に保つものである。なお、この実施の形態では、ヒータ201〜204には、熱拡散用の放熱板205,206が保温箱160の側面に沿って設けられている。ファン65は、保温箱160内の空気を攪拌するものである。継ぎ手107は、二酸化炭素と窒素と酸素の割合を制御した混合気体を供給する際の不純物を除くためのフィルターを備えている。二酸化炭素センサ205は、保温箱160内の二酸化炭素を検出し、一定に保持するためのものであり、二酸化炭素ボンベ210からレギュレータ211及び電磁弁212を介して所定量の二酸化炭素を保温箱160内に供給できるようにしてある。なお、この実施の形態では、二酸化炭素ボンベ210からレギュレータを介して送出される二酸化炭素ガスを用いて多連型電磁弁213を制御して、チューブの各所に設けられたピンチ弁を制御するようにしている。
図15は、図14で使用される培養器の詳細を示す図である。培養器140は、培養器本体140aと、蓋部材140bとからなる。この蓋部材140bには、薬品注入及び排出のための3つの第1ポート141、第2ポート142及び第3ポート143が設けられており、それぞれのポートに廃液チューブ141b、供給チューブ142b及びチューブ143aが接続されている。
図16は、培養器における第1ポート141、第2ポート142、第3ポート143の詳細を示す図である。なお、図示を明確にするため断面図のように明示しているが、正確な位置関係は後述する図17に示すようになっている。第1ポート141は、培地などの薬品や培養後の細胞の排出用ポートである。この第1ポート141には、培養器140内部に突出するよう管部材141aが設けられる。この管部材141aは、その先端部が培養器本体140aの底面に触れても培地140cを吸引できるよう斜めにカットしてある。
第1ポート142の外側には廃液チューブ141bが接続され、培地を排出するためのしごきポンプ144,145が配され、培地140cを排出できるように構成されている。第2ポート142は、培地140cなどの薬品や培養前の細胞を供給するためのポートである。この第2ポート142の外側には供給チューブ142bが接続され、第1ポート141と同様にしごきポンプ146,147が配されている。
第3ポート143は、培養器140内部への大気吸入用ポートであり、その外側にはチューブ143aを介してエアーフィルター143bが接続されている。このエアーフィルター143bは、微粒子や菌などが培養器140内部へ侵入するのを防止する役目を負い、0.5μm程度の孔径を有したフィルターが内封されて構成されたものである。この孔径は、菌の侵入を完全にシャットアウトするならば0.2μmが望ましい。なお、チューブ143aの先端にエアーフィルター143bと同様のフィルターを接続し、しごきポンプにより空気を培養器140内部に送るようにしてもよい。この場合、培養器140内部に積極的に空気を送ることができる。
なお、この第3ポート143は、培養器140内部への空気吸入ポートであり、この目的を実現するものであれば、特にポートを備えなくてもよい。例えば蓋部材の一部を切り欠き、ガス透過膜を貼り付けてもよい。また、培養器140内部に板材を備え、底面積を増加させる構造を取ることもできる。このようにすることにより、底面に接着し単一層で増殖する接着(足場)依存性細胞の場合、増殖させる細胞数を増やすことが可能になる。
図17は、図15の一部断面を示す図であり、培養器内の培地を排出する場合を示す図である。培養器140内部に突出する管部材141aがある方に対して、管部材141aがない方を相対的に上昇させ、水平面に対して角度θ゜だけ傾斜させ、管部材141aから培養器140内部の培地140cなどの液体を吸引することにより、培養器140の蓋部材140bを開けずに内部の培地140cや細胞140dを排出することが可能になる。管部材141aがある方に対して、管部材20がない方を相対的に上昇させる機構は特に限定しないが、図14の培養装置では、培養器140を保持する保持リング148の底面側であって、管部材141aが存在しない方の保持リング148にフック149を引っかけ、それをレバー150及びチルトモータ151で持ち上げることによって、培養器140全体を傾斜するようにしている。すなわち、管部材141aがある方に支点軸を設け、管部材141aがない方を引き上げるような傾動動作機構によって実現してもよいし、手作業で行なうようにしても良い。なお、図2にて説明したように、液面検出手段33bは、光又は超音波を用いた培養器140の液面高さを検出するものである。ポンプやピンチ弁が動作不良を起こした場合、液面高さが設定値から逸脱するがこのような場合、外部に警報を出すようになっている。
図18は、図14の保温箱の詳細構成を示す図であり、図18(A)は、保温箱の内部構造を分かり易く示したものであり、図18(B)は保温箱の外観斜視図である。図19は、図18(A)の断熱構造の詳細を示すS−S面の断面を示す図である。この保温箱160は、培養用恒温槽であり、内部に培養器140を備える。培養器140は、培養器駆動モータ29aの出力軸に連結されたロータ153に取り付けられており、ロータ153の旋回動作に応じて保温箱160内を矢印A1−A2のように旋回する。保温箱160は、外箱となる筐体160aと、その内側に所定の空間を持って配置された内箱160bとからなる。筐体160a及び内箱160bの材質は、ステンレスやABSなどのプラスチックが好ましい。
外箱160aと内箱160bとの間には、第1の断熱材160cと第2の断熱材160dが設けられている。第1の断熱材160cとしては、発砲ウレタンなどの比較的断熱性能の優れたものが好ましい。ただ、後述するように第2の断熱材160dよる外側への伝熱量より、内側への伝熱量を大きくするために、発砲ウレタンであっても軟質系のものがより好ましく、かつ第2の断熱材160dよりも薄く形成するのが良い。熱拡散板160e,160fは、内箱160bの左右側面部を覆うような概ねコの字形状をしている。すなわち、保温箱160の上下には光源34aやCCDカメラ31が設けられ、培養器140の観察を行なう必要があるので、観察に必要な部分については熱拡散板160e,160fを設けないようにしてある。
熱拡散板160e,160fの材質は、熱伝導率の高いアルミニウムや黄銅板などで構成される。この熱拡散板160e,160fは、第1の断熱材160cの左右側面を覆うように両面テープなどで接着される。さらに、この熱拡散板160e,160fの底面側及び側面側にはパネル型ヒータ160g〜160jが同じく両面テープなどで接着されている。第2の断熱材160dを伝達して外部に漏れる熱量は、保温箱外部の漏れロスとなる。従って、第2の断熱材160dは、できるだけ断熱性能を高めることが肝要であり、具体的には硬質系の発砲ウレタンや真空断熱材、例えば発砲ウレタンなどをアルミニウムパックに入れ、このパック内部を真空にし、板状にしたものなどを用いることが好ましい。この保温箱160には、図18(B)に示すように同様の断熱構造をした扉160kが蝶番160mによって矢印160nのように開閉自在に支持されている。
図20は、図14の培養装置の保温箱16の制御ブロックを示す図であり、図4の中から説明に必要な部分を抜き出し、他は省略して示したものである。図20において、図4と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。この制御ブロックにおいて、操作卓22は、動作スイッチや温度設定スイッチなどを備えている。制御部11には、ヒータ160g〜160jと、培養器駆動モータ29aと、温度センサ106が接続されている。温度センサ106は、熱伝対などの公知技術を用いた温度センサでよい。
この制御ブロックの動作を説明する。操作者は操作卓22の動作スイッチや温度設定スイッチを操作すると、制御部11は温度センサ106の温度データを取り込み、設定温度と比較して、その差に応じた電力をヒータ160g〜160jに与える。温度データの取り込みや設定温度との比較は適時行い、保温箱160内部の温度が設定温度と等しいか、もしくはそれより大きくなった場合、ヒータ160g〜160jに与える電力を下げる。一方、温度が上昇したヒータ160g〜160jの熱量は、熱拡散板160e,160fを伝わり、保温箱160の内部を暖めるが、第1の断熱材160cよりも第2の断熱材160dの方が伝熱量が小さいので、ヒータ160g〜160jの熱量の多くは保温箱160の内部を加温することに寄与する。なお、培養器駆動モータ29aは、培養器140内部の細胞を均等に播くために回転動作をするためのものである。
この実施の形態によれば、従来の2重箱構造をとらずに、また気密をほとんど考慮しなくて済む簡易な方法や構成で保温箱を構成できる。また、第1の断熱材160cを伝わる熱量は、第2の断熱材160dを伝わる熱量よりも小であるようにすることにより、加温のためのエネルギーを抑制できる。また、熱拡散板160e,160fは、培養器140の培養面と垂直方向の重なる面には、切り欠きを形成することにより、培養器への直接的な輻射熱を抑えることができ、保温箱のみならず培養器内部の温度をより一定化することができる。
図21及び図22は、ペーハー測定部の詳細構成を示す図であり、図21は、図14の一部を拡大して示したものであり、図22は、ペーハー測定部のセンサ部の詳細構成を示す図である。通常、ペーハー(pH)計測は、pH指示薬(フェノールレッド)を含む培養液の色の変化を目視にて判断したり、目視判断を自動で行なう裝置(特開昭62−115297号公報に記載されたもの)などが存在しているが、培養に関係の無いpH指示薬を培養液中に入れることは、培養に影響を与えるため好ましくなく、また精度の点でも劣っていた。また、pH電極を培養液中に浸漬させてその電位差計測を行なう方法もあるが、pH電極が十分に滅菌されていないと、雑菌等のコンタミネーションを起こす可能性があり、好ましくなかった。そこで、この実施の形態では、培養器から廃液タンクまでの流路の途中にフィルム状のpHセンサ膜を用いたpH測定部177を設け、培養器140からの廃液を利用してpH計測を行なうようにした。
図22に示すように、ペーハー測定部177は、約570[nm]の波長の光を出射する発光素子(LED)177aと、約770[nm]の波長の光を出射する発光素子177bと、これらの各発光素子177a,177bからの光であって、pHセンサ膜177dを透過した光を受光する光検出器177cを備えている。
この実施の形態では、pHセンサ膜177dとして透過式指示薬色素フィルムF−PR型(フェノールレッド)を使用する。このpHセンサ膜177dは、pHに応じて変色するため、その透過光を分光計測することによりpHを求めることができる、いわゆるフィルム状の光学式化学センサである。この実施の形態では、透過式を用いているが、反射式指示薬色素フィルムFR−PR型(フェノールレッド)を使用し、反射光を分光計測してもよい。
このpHセンサ膜177dは、廃液チューブ141bから分岐された廃液チューブ141cと、廃液タンク102に接続された廃液チューブ141dとの間の透過部材からなるセンサホルダ177eに設けられている。廃液チューブ141cからの廃液は、pHセンサ膜177dの保持されたセンサホルダ177e内を通過して廃液チューブ141dに送液される。このときにpHセンサ膜177dは、廃液に浸漬される。廃液に浸漬されたpHセンサ膜177dからの透過光及び反射光を光検出器177cで受光して、その吸光スペクトル変化を測定して、pHを計測する。
ペーハー測定部177でpHを計測する前に、pHセンサ膜177dの校正を行なう必要がある。保温箱160内に設けられた校正液タンク161,162には、校正液が貯留されているので、しごきポンプ145によって校正液タンク161,162内の校正液を廃液タンク102に送液する。これによって、校正液はピンチ弁163,164を通過し、ペーハー測定部177を通過するので、pHセンサ膜177dは校正液によってペーハー基準値に校正される。校正後に廃液を通過させてペーハーを測定する。
ペーハーの算出は以下説明するpH値算出アルゴリズムに従って行なわれる。
まず、最初のステップでは、以下の演算式(1)に基づいて、PD暗電流、アンプやADCのオフセット補正を行なう。
I=Iraw−Id・・・(1)
ここで、Idは光遮断時のベースライン信号、Irawは計測生データであり、I,Irawは共に波長λの関数である。ここでの波長は、λ1=570nm,λ2=770nmとする。
次のステップでは、以下の演算式(2),(3)に基づいて、相対透過率T及び生の相対吸光度Arawを算出する。
T=I/I2・・・(2)
Araw=−logT=log(I2/I)・・・(3)
ここで、I2は、pH校正液2(pH2)のI値である。従って、相対透過率T及び相対吸光度Arawはλの関数となる。
次のステップでは、ベースライン波長2における吸光補正を行なう。気泡混入などにより、相対吸光度Arawが波長λに対して非依存的に変動するので、これを補正するために、演算式(4)に基づいて、オフピーク波長(λ2=770nm)の値をピーク波長(λ1=570nm)の値から減算して正味の吸光度Aを算出する。
A=Araw(λ1)−Araw(λ2)・・・(4)
次のステップでは、応答曲線の直線近似を行なう。pHが測定範囲付近では、センサの相対吸光度A(ベースライン補正)はpHにほぼ比例するので、直線近似することができる。そこで、演算式(5)〜(7)に基づいて直線近似を行なう。pHは以下の演算式(5)のようになる。
pH=S・A+b・・・(5)
ここで、Sは感度を示す。
ここで、pH校正液2のpH値はpH2なので、以下の演算式(6)になる。
pH2=b・・・(6)
また、pH校正液2の時は、演算式(4)の結果は「0」となるので、
A=Araw(λ1)=Araw(λ2)=0
pH=S・A+pH2・・・(7)
となる。
次のステップでは、以下の演算式(8)に基づいて校正(感度Sの算出)を行なう。
pH1=S・A1+pH2・・・(8)
A1は、pH標準液1(pH1)のA値である。なお、pH1<pH2ならA1は負値となる。従って、感度Sは、以下の演算式(9)のようになる。
S=(pH1−pH2)/A1・・・(9)
次のステップで、未知試料のpH計測は以下の演算式(10)によって求めることができる。
pH=A・(pH1−pH2)/A1+pH2・・・(10)
ここで、Aは未知試料の相対吸光度である。なお、pH1<pH2ならAは負値となる。
以下、実際の測定手順について説明する。
まず、標準液1,2のpH値をpH1,pH2とする。
このときの、ダークカレントIdを計測する。
pH校正液2の場合の計測電流値I2raw(λ1)、I2raw(λ2)を前記演算式(1)に代入すると、次のようになる。
I2(λ1)=I2raw(λ1)−Id
I2(λ2)=I2raw(λ2)−Id
同じく、pH校正液1の場合のI1raw(λ1)、I1raw(λ2)を前記演算式(1)に代入すると、次のようになる。
I1(λ1)=I1raw(λ1)−Id
I1(λ2)=I1raw(λ2)−Id
pH校正液1の場合の生の相対吸光度は、前記演算式(3)に従って次のようになる。
A1raw(λ1)=log(I2(λ1)/I1(λ1))
A1raw(λ2)=log(I2(λ2)/I1(λ2))
pH校正液1の場合の正味の吸光度Aは前記演算式(4)に従って、次のようになる。
A1=A1raw(λ1)−A1raw(λ2)
前記演算式(6),(9)に従って検量線導出を行なう。
b=pH2
S=(pH1−pH2)/A1
未知試料について、Iraw(λ1)、Iraw(λ2)の計測を行い、前述と同様の手順により正味の吸光度Aを求める
前記演算式(7),(8),(9)に従ってpHを導出すると、次のようになる。
pH=A・S+b=A・(pH1−pH2)/A1+pH2
このペーハー測定部は廃液を利用しているため、培養装置内の細胞とpHセンサが接触することもなく、また、校正液も廃液流路に流すため、培養器へ注入することも無い。従って、細胞とセンサ、校正液の直接接触を回避することができ、滅菌処理問題が起こることも無い。また、pH計測部を培養装置内に設けずに、廃液流路の途中に設けているので、装置の機構構造も小型簡略化することができる。上述の説明では図14の培養装置に適用した場合について説明したが、図2の培養装置に適用してその廃液を利用してpHを計測するようにしてもよい。なお、図21に示したペーハー測定部177を設けることには限定しない。すなわち、培養液の色の変化を見るようにしても、この場合、前述のCCDカメラ31をカラーカメラとし、演算によって求めてもよい。なお、チューブ141C、ピンチ弁176,163,164、ポンプ145、チューブ141d、校正液タンク161,162は不要なのは言うまでもない。
本発明を適用してなる培養装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明を適用してなる培養装置の機構部の詳細図であり、図1におけるシステムコントローラ11を省いた実際の構成を示している。 図2の培養器38の詳細構成を示す図である。 図2の培養装置の制御ブロック図の詳細を示し、複数の培養装置を接続してそれをプラント化した場合を示すブロック図である。 培養装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図5のステップS55の「培養器をシャッフリングし、均一化・播種」の動作の一例を示す図である。 上述の実施の形態に係る培養装置の培養器38の第1の変形例を示す図であり、図7(A)は、上面から見て図を、図7(B)はその側面図を示す。 上述の実施の形態に係る培養装置の培養器38の第2の変形例を示す図である。 図8の培養器を用いた培養装置の動作を説明するためのフローチャートである。 上述の実施の形態に係る培養装置の培養器38の第3の変形例を示す断面図である。 細胞を均一に播種する手法の一例を示す図である。 上述の実施の形態における培養器とチューブの接続方法の一例を示す図である。 上述の実施の形態における培養装置の一部の滅菌法を示す図である。 本発明を適用してなる培養装置の別の実施の形態に係る機構部の詳細図を示す図である。 図14で使用される培養器の詳細を示す図である。 培養器における第1ポート141、第2ポート142、第3ポート143の詳細を示す図である。 図15の一部断面を示す図であり、培養器内の培地を排出する場合を示す図である。 図14の保温箱の詳細構成を示す図であり、図18(A)は、保温箱の内部構造を分かり易く示したものであり、図18(B)は保温箱の外観斜視図である。 図18(A)の断熱構造の詳細を示すS−S面の断面を示す図である。 図14の培養装置の保温箱16の制御ブロックを示す図であり、図4の中から説明に必要な部分を抜き出し、他は省略して示したものである。 ペーハー測定部の詳細構成を示す図であり、図14の一部を拡大して示したものである。 ペーハー測定部の詳細構成を示す図であり、ペーハー測定部のセンサ部の詳細構成を示す図である。
符号の説明
1…培養器
2…可撓性管部材
3…ポンプ
4…リザーブタンク
5…可撓性管部材
6…ポンプ
7…廃液タンク
8…駆動手段
9…カメラ
10…光源
11…システムコントローラ
15…本体
16…ガス透過膜
17…培地
18…チューブ接続部材
19…チューブ接続部材
20…堰
21…供給チューブ
22…ロータ
23…廃液チューブ
24…ピンチ弁
25…ケーブルドラム
26…巻き取りドラム
27…カムフォロア
28…ピニオン
29…培養器駆動モータ
30…保温箱(フレーム)
31…CCDカメラ
32…観察窓
33…フィルター
34…光源
35…ガイド部材
36…チューブ固定部材
37…しごきポンプ
38…培養器
381…傾斜部
39…針
40…エアーフィルター
41…針
42…エアーフィルター
50…シャッターモータ
51…シャッター
52…培養前細胞を貯留する容器
53…針
56…細胞注入チューブ
55…ピペッターアーム
54…軸
57…ピペッタ回転動モータ
58…回転部材
59…ピペッタ上下動モータ
60…プーリ
62…ホルダー部
61…ベルト
63…モータ
65…ファン
66a,66b…ピンチ弁
67…培地タンク
68…緩衝液タンク
69,70,71…細胞剥離剤タンク
72,105,73,74,75…ピンチ弁
78,79…空気流入口
80…断熱箱
81…シャッターモータ
82…シャッター
83…針
84…培養後細胞を貯留する容器
85…ピペッタアーム
87…軸
88…ピペッタ回転動モータ
89…回転部材
90…ピペッタ上下動モータ
91…プーリ
92…ベルト
93…ホルダー部
94…モータ
95…送りねじ
96,97…スタンド
98…廃液回収箱
99…ガイド部材
100…チューブ固定部材
101…しごきポンプ
102…廃液タンク
103…ピンチ弁
104…ピンチ弁
106…温度センサ
107…継ぎ手
108…ヒータ
120…I/O
121…バス
122…CPU
123…操作卓
124…メモリ
125…コンピュータネットワークドライバ
126…操作器
127,128,129…培養装置
130…制御監視装置
167,168,169…培養器
170a〜170d…培養器
171…チューブ
174a〜174d…チューブ接続部材
175a〜175d…チューブ接続部材
182…供給チューブ
183,184…接続チューブ
185…廃液チューブ
186,187,188…ピンチ弁
191,192…培養補助板
195…培養器本体
197…供給チューブ
199…蓋
201,202…培養補助板
250…画像取り込みボード
278,279,282,283,284,285…鏡
280…CCDカメラ
281…光源
286…フィルター
288…ユニット
300…培養器本体
301…蓋
302…供給用チューブ接続部材
307,308,309,310…磁石
303,304,305,306…球状部材
314…供給用チューブ接続部材
315…棒状部材
320…供給チューブ
321,327…栓
322,328…針
323…供給チューブ
324…シリンジ
325…培養器
326…廃液チューブ
329…廃液チューブ
381…傾斜部
140…培養器
141…第1ポート
142…第2ポート
143…第3ポート
141b…廃液チューブ
144,145…しごきポンプ
142b…供給チューブ
142c…供給チューブ
142d…補助供給チューブ
146,147…しごきポンプ
146a,147a…ピンチ弁
143a…チューブ
143b…エアーフィルター
148…保持リング
149…フック
150…レバー
151…チルトモータ
153…ロータ
160…保温箱(インキュベータ)
170…加温バッグ
172…ピンチ弁
173…エアーフィルター
177…ペーハー測定部
29a…培養器駆動モータ
109…ペルチェ素子
110…放熱ヒートシンク
111…吸熱ヒートシンク
201〜204…ヒータ
205,206…放熱板
205…二酸化炭素センサ

Claims (3)

  1. 内部で培養を行う培養器手段と、
    前記培養器手段に未使用の薬品を供給する薬品供給手段と、
    前記培養器手段から不要な廃液などを前記保温箱手段の外側に排出する廃液排出手段と、
    前記培養器手段から排出される前記不要な廃液に基づいて前記培養器手段内のpHを測定する培地成分測定手段と
    を備えたことを特徴とする培養装置。
  2. 上記培地成分測定手段は、上記培養器手段の排出口から廃液を貯留する廃液タンクまでの配管中に配置されることを特徴とする請求項1の培養装置。
  3. 前記配管は光学的に透明であり、
    前記配管内に挿入され、pHの変化に応じて物理的変化を示すpHセンサーと、
    前記配管の外部の前記pHセンサー対応位置に配置され、
    前記pHセンサーの物理的変化を検知してpHの変化として認識する検知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2の培養装置。
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