JP5691146B2 - 顕微鏡システム、制御装置、制御方法 - Google Patents
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Description
また、ポンプの送液量の誤差が累積してシャーレ内の培地の量が増えすぎた場合には、シャーレから培地が溢れて顕微鏡や対物レンズにダメージを及ぼすこととなってしまう。
シャーレに収納した試料を観察するための顕微鏡と、
前記シャーレからの液体の排出口となる第1ノズルと、前記シャーレへの液体の注入口となる第2ノズルと、
前記第1ノズルを介して前記シャーレから液体を排出するための第1ポンプと、前記第2ノズルを介して前記シャーレに液体を注入するための第2ポンプと、
前記第1ポンプ及び前記第2ポンプを制御し、前記シャーレの液体の排出動作及び注入動作を制御する制御装置と、を有し、
前記第1ノズルは、前記排出動作時、一定量の液体を残して排出するように、前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在し、
前記第2ノズルは、前記注入動作時、前記排出口よりも前記シャーレの底面からの位置が離れた位置に注入口が配置されるように延在し、
前記制御装置は、前記第1ポンプを駆動して前記シャーレ内の液体の液面が前記第1ノズルの先端から離れるまで前記シャーレ内の液体を排出した後、前記第2ポンプを駆動して所定量の液体を前記シャーレ内に注入することで前記シャーレ内の液体の交換を行い、前記交換を所定時間毎に繰り返し実施する制御を行い、2回目以降の交換の際、前記第2ポンプによって注入される前記所定量の液体よりも多量の液体を排出可能なように前記第1ポンプを駆動した後に駆動を停止することを特徴とする顕微鏡システムを提供する。
試料を収納するシャーレからの液体の排出口となり前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在する第1ノズルを介して、前記シャーレから液体を排出するための第1ポンプと、前記シャーレへの液体の注入口となり前記排出口よりも前記シャーレの底面からの位置が離れた位置に前記注入口が配置されるように延在する第2ノズルを介して、前記シャーレに液体を注入するための第2ポンプとを制御し、前記シャーレの液体の排出動作及び注入動作を制御する制御装置であって、
前記第1ノズルは、前記排出動作時、一定量の液体を残して排出するように、前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在し、
前記第1ポンプを駆動して前記シャーレ内の液体の液面が前記第1ノズルの先端から離れるまで前記シャーレ内の液体を排出した後、前記第2ポンプを駆動して所定量の液体を前記シャーレ内に注入することで前記シャーレ内の液体の交換を行い、
前記交換を所定時間毎に繰り返し実施する制御を行い、2回目以降の交換の際、前記第2ポンプによって注入される前記所定量の液体よりも多量の液体を排出可能なように前記第1ポンプを駆動した後に駆動を停止することを特徴とする制御装置を提供する。
試料を収納するシャーレからの液体の排出口となり前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在する第1ノズルを介して、前記シャーレから液体を排出するための第1ポンプと、前記シャーレへの液体の注入口となり前記排出口よりも前記シャーレの底面からの位置が離れた位置に前記注入口が配置されるように延在する第2ノズルを介して、前記シャーレに液体を注入するための第2ポンプとを制御し、前記シャーレの液体の排出動作及び注入動作を制御する制御方法であって、
前記第1ノズルは、前記排出動作時、一定量の液体を残して排出するように、前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在し、
前記第1ポンプを駆動して前記シャーレ内の液体の液面が前記第1ノズルの先端から離れるまで前記シャーレ内の液体を排出した後、前記第2ポンプを駆動して所定量の液体を前記シャーレ内に注入することで前記シャーレ内の液体の交換を行い、
前記交換を所定時間毎に繰り返し実施する制御を行い、2回目以降の交換の際、前記第2ポンプによって注入される前記所定量の液体よりも多量の液体を排出可能なように前記第1ポンプを駆動した後に駆動を停止することを特徴とする制御方法を提供する。
なお、第1、第2実施形態は本発明の実施形態であり、第3実施形態は本発明の参考例である。
(第1実施形態)
はじめに、本発明の第1実施形態に係る顕微鏡システムの全体的な構成について説明する。
図1に示すように本実施形態に係る顕微鏡システム1は、生細胞や微生物等の生体試料を培地中に生かしながら顕微鏡観察を行い、さらに培地や薬液の注入及び排出を可能とするものであり、顕微鏡2、顕微鏡制御装置3、培地の保管容器4、注入ポンプ5、排出ポンプ6、ポンプ制御装置7、及びパーソナルコンピュータ(PC)8を有してなる。
顕微鏡制御装置3は、PC8からの指示に基づき、顕微鏡2に備えられたカメラ13やステージ10等が電動である場合に電動装置を制御するものである。
注入ポンプ5及び排出ポンプ6には、図1に示すように複数個のローラー24を回転させる構成のペリスターポンプが採用されている。なお、ペリスターポンプに限られず、その他の電動ポンプを採用してもよい。
ポンプ制御装置7は、PC8からの指示に基づき、注入ポンプ5及び排出ポンプ6の駆動を制御するものである。
本実施形態に係る顕微鏡システム1は、図2に示し以下に詳述する培地交換ルーチンAを実行可能に構成されている。
なお、顕微鏡システム1で培地交換ルーチンAを実行するにあたり、予めシャーレ9は培地16で満たされており、試料15がシャーレ9の底面に付着している。また、図3に示すように注入ノズル17の先端(注入口)は、シャーレ9の側壁の上端と同程度の高さ位置に配置されている。そして、排出ノズル18の先端(排出口)は、シャーレ9の底面付近まで延在している。排出ノズル18には、排出ノズル18の高さ位置を調整するための一般的な構成の高さ調整機構25が備えられており、これによって排出ノズル18の先端とシャーレ9の底面との間隔を変更することができる。また、使用者はPC8を介してステージ10及び対物レンズ12を操作し、試料15の観察位置(観察対象として注目する細胞)を予め特定しておく。なお、当該観察位置の座標をPC8に登録し、タイムラプス撮影を培地交換ルーチンAとともに実施することも可能である。
ステップS1:ポンプ制御装置7が、所定時間の経過後、排出ポンプ6を駆動する。これにより、シャーレ9から培地16が排出され、シャーレ9内で培地16の液面が下降する。そして、当該液面が排出ノズル18の先端から離れることで、培地16の排出が停止する(図4を参照)。したがって、培地16の排出が停止した後のシャーレ9内に残存する培地量は一定である。なお、本ステップS1においてポンプ制御装置7は、シャーレ9内で培地16の液面が十分に下降し排出ノズル18の先端から確実に離れるようにするため、次のステップS2でシャーレ9に注入される所定量の新しい培地16よりも多量の培地16を排出可能なように排出ポンプ6を駆動する。具体的には、ポンプ制御装置7は排出ポンプ6を十分に長い時間駆動するように設定されている。また、排出ポンプ6を駆動させる上記所定時間は、シャーレ9内の培地16の劣化が懸念される時間よりも短い時間に設定されている。斯かるステップS1によれば、シャーレ9に残存する培地16の量は排出ノズル18の先端とシャーレ9の底面との間隔によって決まることとなるため、後述のように本ステップS1を繰り返し実行した場合にシャーレ9に残存する培地16の量のバラツキ(誤差)を非常に小さく維持することができる。
また、培地交換ルーチンAによれば、上述のように培地16の交換を繰り返してもシャーレ9内の培地16の量を略一定に維持することができる。このため、培地16の交換の度に培地16の量が変化し培地16の濃度が変化したり、培地16の量が増加しシャーレ9から溢れて対物レンズ12等にダメージを及ぼしてしまうこと等を効果的に防止することができる。
また、培地交換ルーチンAのステップS1において、シャーレ9に残存する培地16の量は、排出ノズル18の先端の高さ位置(シャーレ9の底面との間隔に相等)を高さ調整機構25で調整することによって変更可能である。このため、高さ調整機構25で排出ノズル18の先端をシャーレ9の底面により近づけて配置すれば、シャーレ9に残存する培地16の量を小さくすることができ、より効率的に培地16の交換を行うことが可能となる。
本発明の第2、第3実施形態に係る顕微鏡システムについて、上記第1実施形態と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
図7に示すように本実施形態に係る顕微鏡システム30では、顕微鏡2が保温ケース31で覆われており、外気と隔離されている。保温ケース31の外部には空調装置32が備えられており、これによって保温ケース31内は所定の温度(例えば37度)に維持されている。
また、顕微鏡システム30では、上記第1実施形態の保管容器4に代えて保管容器33が保温ケース31内に設置されている。これにより、保管容器33内の培地16を前記所定の温度に維持することができるため、第1実施形態のウォーターバス23が不要となる。
図8に示すように本実施形態に係る顕微鏡システム40では、排出ノズル18の先端がシャーレ9の側壁の上端よりもやや低い位置(第1実施形態での排出ノズル18の先端とシャーレ9の底面との間隔よりも大きい間隔)に設置されている。
また顕微鏡システム40は、図9に示し以下に詳述する培地交換ルーチンBを実行可能に構成されている。なお、培地交換ルーチンBは使用者が培地交換ルーチンBの開始の指示をPC8へ入力することによって開始される。
ステップS4:ポンプ制御装置7が注入ポンプ5の駆動を終了する。
ステップS5:ポンプ制御装置7が、所定時間の経過後、排出ポンプ6の駆動を終了し、これによって培地交換ルーチンBが終了する。なお、仮に本ステップS5で注入ポンプ5の駆動を終了し、その後で注入ポンプ5の駆動を終了すれば、シャーレ9内の培地16の量が増加しシャーレ9から溢れてしまうおそれがある。このため本ステップS5では、注入ポンプ5の駆動終了後であって、所定時間の経過後に排出ポンプ6の駆動を終了するようにしている。
また、上記各実施形態において、顕微鏡制御装置3、ポンプ制御装置7、及びPC8は別個独立に設けられている。しかしこれに限られず、顕微鏡制御装置3とポンプ制御装置7を一体とした制御装置や、顕微鏡制御装置3とポンプ制御装置7とPC8を一体とした制御装置を構成してもよい。
また、上記各実施形態と同様の効果を奏する顕微鏡システムとして、シャーレ内の培地の液面の変位を検出するセンサと、注入ポンプ及び排出ポンプの送液量を検出するセンサを備え、シャーレ内の培地の量をモニタして各ポンプの送液量を調整しながら培地の交換を行う構成のものも考えられる。これに対して上記各実施形態に係る顕微鏡システム1,30,40は、センサ等が不要となるため安価であり、培地とセンサの接触によるコンタミネーションが発生するおそれがないという利点を備えている。
2 顕微鏡
3 顕微鏡制御装置
4,33 保管容器
5 注入ポンプ
6 排出ポンプ
7 ポンプ制御装置
8 PC
9 シャーレ
15 試料
16 培地
17 注入ノズル
18 排出ノズル
25 高さ調整機構
31 保温ケース
32 空調装置
Claims (6)
- シャーレに収納した試料を観察するための顕微鏡と、
前記シャーレからの液体の排出口となる第1ノズルと、前記シャーレへの液体の注入口となる第2ノズルと、
前記第1ノズルを介して前記シャーレから液体を排出するための第1ポンプと、前記第2ノズルを介して前記シャーレに液体を注入するための第2ポンプと、
前記第1ポンプ及び前記第2ポンプを制御し、前記シャーレの液体の排出動作及び注入動作を制御する制御装置と、を有し、
前記第1ノズルは、前記排出動作時、一定量の液体を残して排出するように、前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在し、
前記第2ノズルは、前記注入動作時、前記排出口よりも前記シャーレの底面からの位置が離れた位置に注入口が配置されるように延在し、
前記制御装置は、前記第1ポンプを駆動して前記シャーレ内の液体の液面が前記第1ノズルの先端から離れるまで前記シャーレ内の液体を排出した後、前記第2ポンプを駆動して所定量の液体を前記シャーレ内に注入することで前記シャーレ内の液体の交換を行い、前記交換を所定時間毎に繰り返し実施する制御を行い、2回目以降の交換の際、前記第2ポンプによって注入される前記所定量の液体よりも多量の液体を排出可能なように前記第1ポンプを駆動した後に駆動を停止することを特徴とする顕微鏡システム。 - 前記第1ノズルには、前記第1ノズルの先端と前記シャーレの底面との間隔を変更するための位置調整機構が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
- 前記シャーレに注入するための液体を貯留する保管容器と、
前記顕微鏡及び前記保管容器を収納する筐体と、
前記筐体内を所定温度に維持する温度制御装置と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顕微鏡システム。 - 前記保管容器は気密に保たれており、
前記第2ポンプが前記保管容器へ空気を導入し、前記空気の圧力によって前記保管容器内の液体を前記第2ノズルへ向かって押し出すことにより前記シャーレに液体を注入することを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡システム。 - 試料を収納するシャーレからの液体の排出口となり前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在する第1ノズルを介して、前記シャーレから液体を排出するための第1ポンプと、前記シャーレへの液体の注入口となり前記排出口よりも前記シャーレの底面からの位置が離れた位置に前記注入口が配置されるように延在する第2ノズルを介して、前記シャーレに液体を注入するための第2ポンプとを制御し、前記シャーレの液体の排出動作及び注入動作を制御する制御装置であって、
前記第1ノズルは、前記排出動作時、一定量の液体を残して排出するように、前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在し、
前記第1ポンプを駆動して前記シャーレ内の液体の液面が前記第1ノズルの先端から離れるまで前記シャーレ内の液体を排出した後、前記第2ポンプを駆動して所定量の液体を前記シャーレ内に注入することで前記シャーレ内の液体の交換を行い、
前記交換を所定時間毎に繰り返し実施する制御を行い、2回目以降の交換の際、前記第2ポンプによって注入される前記所定量の液体よりも多量の液体を排出可能なように前記第1ポンプを駆動した後に駆動を停止することを特徴とする制御装置。 - 試料を収納するシャーレからの液体の排出口となり前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在する第1ノズルを介して、前記シャーレから液体を排出するための第1ポンプと、前記シャーレへの液体の注入口となり前記排出口よりも前記シャーレの底面からの位置が離れた位置に前記注入口が配置されるように延在する第2ノズルを介して、前記シャーレに液体を注入するための第2ポンプとを制御し、前記シャーレの液体の排出動作及び注入動作を制御する制御方法であって、
前記第1ノズルは、前記排出動作時、一定量の液体を残して排出するように、前記排出口が前記シャーレの底面付近に配置されるように延在し、
前記第1ポンプを駆動して前記シャーレ内の液体の液面が前記第1ノズルの先端から離れるまで前記シャーレ内の液体を排出した後、前記第2ポンプを駆動して所定量の液体を前記シャーレ内に注入することで前記シャーレ内の液体の交換を行い、
前記交換を所定時間毎に繰り返し実施する制御を行い、2回目以降の交換の際、前記第2ポンプによって注入される前記所定量の液体よりも多量の液体を排出可能なように前記第1ポンプを駆動した後に駆動を停止することを特徴とする制御方法。
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