JP2006140272A - 電磁制御弁 - Google Patents

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知良 飯田
Takashi Tomita
隆 富田
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Abstract

【課題】可動鉄心の動きを良好にするとともに、可動鉄心の振動を低減して、応答性を向上させることができる電磁制御弁を提供すること。
【解決手段】固定鉄心12がプランジャ16を吸引する吸引力と板バネ14が弁シート15を弁座8に押しつける力とのつり合いにより弁シート15を弁座8に当接又は離間させる電磁制御弁1において、プランジャ16の吸着面に凹部16eを形成するとともに、凹部16e上に吸着面側と受圧面側とを連通させるスリット16fをプランジャ16の外縁部に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固定鉄心が発生する吸引力によりプランジャを無摺動で作動させ、弁体のストローク量を制御する電磁制御弁に関する。
従来より、ある種の印刷方式として、撥水領域と親水領域とを備える版に水をかけた後にインクを付着させると、親水領域に浸透した水がインクをはじき、撥水領域にインクが付着し、撥水領域のインクが印刷用紙に転写されるものが知られている。このとき、水量を調節するために、電磁制御弁が使用される。
図9は、従来の電磁制御弁100の断面図である。図10は、従来の電磁制御弁100が使用するプランジャ104を示す図である。
電磁弁100は、一次側ポート101と二次側ポート102とが弁座103を介して連通し、プランジャ104の収納凹部104a(図10(c)参照)に装着された弁シート105が板バネ106のバネ力によって弁座103に当接し、流路を遮断している。コイル107に通電すると、固定鉄心108が励磁されてプランジャ104を板バネ106のバネ力に抗して吸引する。プランジャ104は、板バネ106のバネ力と固定鉄心108が発生する吸引力とがバランスする位置まで持ち上げられて弁シート105を弁座103から離間させ、一次側ポート101から二次側ポート102へと水を供給する。
電磁制御弁100は、固定鉄心108が非磁性材料からなる嵌合部材109を介して磁性材料からなる保持部材110に圧入溶接保持され、固定鉄心108の外周面と保持部材110の内周面との間に磁気漏洩空間を形成している。プランジャ104は、図10(a),(b)に示すように、磁気漏洩空間に対応する凸部104bが吸着面に環状に突設されるとともに、保持部材110の段差部分に対応する突縁部104cが設けられ、吸着面積を確保して作動性を良好にしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−183863号公報
しかしながら、従来の電磁制御弁100は、以下の問題があった。
電磁制御弁100は、図10(a)及び(b)に示すように、プランジャ104の吸着面が平らに形成されているため、固定鉄心108がプランジャ104を吸引するときに、プランジャ104と固定鉄心108との間にある水がプランジャ104の吸着面側から受圧面側に逃げにくかった。そのため、プランジャ104の吸引時に、プランジャ104と固定鉄心108との間にある水の抵抗力が大きくなり、プランジャ104の動きが悪かった。そして、プランジャ104が固定鉄心108に吸着された直後には、固定鉄心108とプランジャ104との間に滞留する水が脈動を発生し、プランジャ104を振動させるため、二次側ポート102から吐出する水の圧力が不安定になっていた。さらにその後閉弁する時に、プランジャ104に発生する残磁力が大きく、プランジャ104の離脱性が悪かった。上述したある種の印刷に使用される印刷機では、通常、1秒間に20回以上の高頻度で水を版に吹きかけなければならず、電磁制御弁100の応答性の改善が求められていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、可動鉄心の動きを良好にして応答性を向上させることができる電磁制御弁を提供することを目的とする。
本発明に係る電磁制御弁は、次のような構成を有している。
(1)コイルへの印加電流に応じて吸引力を発生する固定鉄心と、固定鉄心に吸引される可動鉄心と、可動鉄心に固定される弁体と、弁体を収納する弁室が入口流路と出口流路と連通するように形成されたボディと、弁室に設けられて弁体が当接又は離間する弁座と、可動鉄心に固定されて弁体に弁閉方向の荷重を加える板バネと、ボディに嵌め込まれて板バネをボディとの間で狭持する保持部材とを備え、固定鉄心が発生する吸引力と板バネが弁体を弁座に押しつける力とのつり合いにより弁体を弁座に当接又は離間させる電磁制御弁において、可動鉄心は、吸着面に凹部が形成されているとともに、凹部上に吸着面側と受圧面側とを連通させるスリットが形成されていることを特徴とする。
(2)(1)に記載する電磁制御弁において、凹部は、可動鉄心の中央部から放射線状に形成され、スリットは、可動鉄心の外縁部に切り欠いて形成されていることを特徴とする。
上記構成を有する本発明の電磁制御弁は、可動鉄心が固定鉄心に吸引されたときに、固定鉄心と可動鉄心との間にある流体が可動鉄心の吸着面側に形成された凹部からスリットに案内され、可動鉄心の吸着面側から受圧面側に逃げるため、可動鉄心が移動するときに発生する流体の抵抗力を小さくして、可動鉄心の動きを良くすることが可能である。また、可動鉄心が固定鉄心に吸着された直後に、固定鉄心と可動鉄心との間に滞留する水が脈動しても、その脈動が可動鉄心の凹部からスリットへと伝播し、さらに吸着面側から受圧面側へと伝播して拡散されるため、流体の脈動に伴う可動鉄心の振動を抑えて、短時間で流体を所定圧に制御して出力することが可能である。そして、閉弁時には、凹部に満たされた流体によって可動鉄心と固定鉄心との間に流体の層が形成され、可動鉄心に発生する残磁力を小さくするため、可動鉄心の離脱性が向上する。
このように、本発明の電磁制御弁によれば、開弁時に可動鉄心の上昇に伴って発生する流体の抵抗力及び脈動を低減する一方、閉弁時に可動鉄心に発生する残磁力を小さくするので、可動鉄心の動きを良好にして応答性を向上させることができる。
また、凹部を放射線状に形成し、その末端となる可動鉄心の外縁部にスリットを切り欠いて設けたことにより、固定鉄心と可動鉄心との間にある流体を可動鉄心の中央部から外縁部に押し出して、可動鉄心の吸着面側から受圧面側に逃がすので、可動鉄心が流体抵抗を受けにくい。
次に、本発明に係る電磁制御弁の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、電磁制御弁1の断面図である。
電磁制御弁1は、従来の電磁制御弁100と同様、ある種の印刷用の印刷機に組み付けられ、版に吹きかける水を数msecの高頻度で制御する。電磁制御弁1は、第1ポート3と第2ポート4が印刷機の配管に直列に接続されるとともに、第3ポート5にノズル26が取り付けられ、板バネ14のバネ力と固定鉄心12が発生する吸引力とのバランスによってプランジャ16を無摺動で移動させ、弁シート(特許請求の範囲の「弁体」に相当するもの。)15を弁座8に当接又は離間させることにより、第1ポート3と第2ポート4から弁室13に供給された水を第3ポート5から吐出又は遮断するよう構成されている。
電磁制御弁1は、非磁性材料をブロック状に成形したボディ2に、第1ポート3と第2ポート4と第3ポート5が開設されている。ボディ2は、開口凹部6が上端面から円柱状に開設され、第1ポート3と第2ポート4に連通している。開口凹部6には、円筒凸部7が同軸上に突設されている。円筒凸部7は、先端部が円錐状に形成されて弁座8を一体的に形成され、弁座8と第3ポート5が流量調整用のオリフィス27を介して連通している。オリフィス27は、第3ポート5側から固定され、オリフィス径を変えることにより第3ポート5から吐出する水量を任意に設定できるようになっている。本実施の形態では、オリフィス径が0.2〜0.3mmのものを使用している。
ボディ2は、開口凹部6の周りに環状溝9が形成され、保持部材10が気密に嵌め合わされている。保持部材10は、磁性材料を略円筒形状に形成したものであり、内周面に嵌装部材11が取り付けられている。嵌装部材11は、非磁性材料を環状に成形したものであり、固定鉄心12が中央に貫き通されて保持されている。保持部材10と嵌装部材11との間、及び、嵌装部材11と固定鉄心12との間は、溶接又はろう付けによって気密性が確保され、開口凹部6の内周面と保持部材10、嵌装部材11、固定鉄心12との間に弁室13を形成している。
図2は、弁部拡大断面図であって、プランジャ16の吸引時を示す。図3は、弁部拡大断面図であって、プランジャ16が固定鉄心12に吸着された直後の状態を示す。
ボディ2と保持部材10との間には、板バネ14の外縁部が狭持されている。板バネ14は、中央に孔が形成され、その孔からプランジャ16の収納凹部16aに収納された弁シート15が露出している。ワッシャ17は、板バネ14を挟んで弁シート15を押さえるように配置され、スポット溶接でプランジャ16に固着されている。そのため、弁シート15は、板バネ14のバネ力とプランジャ16の自重との合力が図中下向きに作用し、所定のシール力で弁座8に押しつけられている。弁シート15は、PTEE(四フッ化エチレン樹脂)やゴム材などの熱可塑性を有する弾性体で形成されているため、シール荷重によって弁座8との当接面が塑性変形する。しかし、弁シート15は、板バネ14とプランジャ16との間で保持され、常に同じ場所を弁座8に当接させるため、弁座8に円周方向に略均一な力で当接してシール力を確保する。
図4は、プランジャ16を示す図であって、(a)は平面図を示し、(b)は(a)のA1−A1断面図を示し、(c)は下面図を示す。
プランジャ16は、磁性材料を円盤状に形成したものであり、吸着面と受圧面に切削加工などにより凹凸が設けられている。図4の(b)及び(c)に示すように、プランジャ16の受圧面には、弁シート15を収納するための収納凹部16aが円柱状に設けられている。収納凹部16aの周りには、板バネ14を位置決めするための段差部16dが環状に設けられている。一方、プランジャ16の吸着面には、凸部16bが環状に設けられ、凸部16bの外側に突縁部16cが外向きに突き出すように設けられている。プランジャ16の吸着面には、凹部16eが十文字に形成され、凹部16eの末端に受圧面側と吸着面側とを連通させるスリット16fが設けられている。すなわち、プランジャ16は、吸着面に凹部16eが放射線状に形成されるとともに、4個のスリット16fが外縁部に沿って円周方向に等間隔に設けられている。
図1に示すように、固定鉄心12は、磁性材料を円柱形状に形成したものであり、嵌装部材11を介して保持部材10に保持されている。コイルボビン18に巻かれたコイル19は、周りに磁気回路20が設けられ、絶縁樹脂でモールドされている。コイルボビン18は、嵌装部材11及び保持部材10に端面を突き当てるように固定鉄心12に対して挿入され、固定鉄心12の上端部に形成された雌ネジに固定ナット21を締め付けることにより、固定鉄心12に固定されている。コイル19は、配線22を介して制御装置23に接続し、供給電圧を制御されている。なお、コイルボビン18とボディ2との間には、非磁性材料からなる中間連結部材24が保持部材10を図示しない押えネジにてボディ2に固定し、磁気漏れを防止している。
固定鉄心12の下端部分は、図2及び図3に示すように、嵌装部材11から下方に突出しており、保持部材10と対向して弁室13内に存在している。嵌装部材11は非磁性材料で形成されているのに対し、固定鉄心12及び保持部材10は磁性材料で形成されているため、固定鉄心12と保持部材10との間には、磁気漏洩空間25が環状に形成されている。また、保持部材10においては、弁室13の側壁(の断面)となる内側面が段差状に形成されている。さらに、固定鉄心12の下端部分とプランジャ16の中空部の位置関係は、固定鉄心12の下端部分がプランジャ16の中空部に接触することなく挿入される関係にある。また、保持部材10の段差状の部分(弁室13の側壁)とリング状のプランジャ16の突縁部16cとの位置関係は、プランジャ16が垂直上方向、垂直下方向の何れに移動しても、対向する関係にあるが、特に、プランジャ16が垂直上方向に移動しても、プランジャ16の突縁部16cが保持部材10の段差状の部分(弁室13の側壁)に接触することはない。
次に、本実施の形態の電磁制御弁1の動作について説明する。
コイル19に非通電のときには、図1に示すように、プランジャ16が板バネ14に付勢されて下降し、弁シート15を弁座8に所定のシール力でシールさせている。そのため、第1ポート3と第2ポート4から弁室13に水を供給しても、水が第3ポート5から吐出されない。
その後、コイル19に通電すると、図2に示すように、固定鉄心12がプランジャ16を板バネ14の付勢力に抗して吸引する。プランジャ16は、吸着面と突縁部16cが固定鉄心12と保持部材10にそれぞれ吸引され、凸部16bが磁気漏洩空間25を埋めるように上昇して嵌合部材11に係止されるまで移動する。すると、弁シート15が弁座8から所定量(本実施の形態では0.1mm)持ち上げられ、第1ポート3と第2ポート4から弁室13に流入した水が弁座8に流れ込み、オリフィス27で流量調整された後、第3ポート5から版に吐出される。
コイル19に電圧を数msec供給して版に水を所定量吐出したら、コイル19への通電を停止する。プランジャ16は、板バネ14に付勢されて下降し、弁シート15を弁座8に所定のシール力で押しつける。これにより、水が第3ポート5から吐出されなくなる。
ここで、発明者らは、本実施の形態のプランジャ16(図4参照)と従来のプランジャ104(図10参照)とを使用した電磁制御弁の応答性について実験した。図5は、応答性の実験方法を示す概念図である。
本実験では、本実施の形態の電磁制御弁1と、電磁制御弁1のプランジャ16を従来のプランジャ104(図10参照)に交換した比較用電磁制御弁Xを使用した。そして、図5(a)に示すように、比較用電磁制御弁Xの第3ポート5に水圧を計測する水圧計を取り付け、比較用電磁制御弁Xのコイル19に60Vの電圧V1を所定時間供給したときに、電圧の供給を開始してから水を第3ポート5から吐出し始めるまでの時間t1と、電圧の供給を開始してから水を第3ポート5から所定の水圧で吐出し始めるまでの時間t2と、電圧の供給を停止してから水圧が低下し始めるまでの時間t3と、電圧の供給を停止してから水圧がゼロになるまでの時間t4を測定した。また、図5(b)に示すように、電磁制御弁1の第3ポート5に水圧計を取り付け、電磁制御弁1のコイル19に96Vの電圧V1を所定時間供給した後、11Vまで低下させた電圧V2をコイル19に供給し、時間t1,t2,t3,t4を測定した。かかる実験を電磁制御弁1と比較用電磁制御弁Xの各々について数回ずつ繰り返し、時間t1〜t4の平均値を算出して比較した。
図6は、実験結果を示す図である。
上記実験の結果、時間t1の平均値については、比較用電磁制御弁Xが1.9msecであったのに対して、電磁制御弁1が1.0msecであり、電磁制御弁1の方が比較用電磁制御弁Xより水を吐出し始める時間が平均0.9msec早かった。これは、比較用電磁制御弁Xの起動電圧が60Vであるのに対して、電磁制御弁1の起動電圧が96Vであり、電磁制御弁1の方が比較用電磁制御弁Xより起動電圧が大きいためと考えられる。
また、時間t2の平均値については、比較用電磁制御弁Xが4.4msecであったのに対して、電磁制御弁1が2.3msecであり、電磁制御弁1の方が比較用電磁制御弁Xより水を所定圧で吐出するまでの時間が平均2.1msec早くなった。時間t2から時間t1を減算して起動電圧の大きさによる影響を排除しても、電磁制御弁1は比較用電磁制御弁Xより水を吐出する時間が1.2msec早くなった。
これは、電磁制御弁1は、弁開力が比較用電磁制御弁Xより大きく、しかも、水の脈動を早期に解消できるためと考えられる。
すなわち、弁開力は、固定鉄心12の吸引力と水の圧力とを加算した力から、プランジャ16と固定鉄心12との間にある水の抵抗力を減算することにより求められる。電磁制御弁1は、固定鉄心12とプランジャ16との間にある水が、図2に示すように、プランジャ16の凹部16eに案内されてプランジャ16の中央部から外縁部へと押し出され、さらに、凹部16eからスリット16fに流れ込んで吸着面側から受圧面側へと押し出されて逃げるため、プランジャ16の上昇時に発生する水の抵抗力が弱められる。これに対して、比較用電磁制御弁Xは、プランジャ104の吸着面が平らであるため、プランジャ16と固定鉄心12との間にある水の逃げ場がなく、水の抵抗力が大きい。そのため、電磁制御弁1は、弁開力が比較用電磁制御弁Xより大きく、開弁時の作動性がよい。
また、プランジャ16が固定鉄心12に吸着された直後には、プランジャ16の上昇に伴って固定鉄心12とプランジャ16との間に滞留する水が反発力を発生して脈動する。しかし、電磁制御弁1は、脈動が、図3に示すように、プランジャ16の凹部16eを通ってスリット16fまで伝播し、さらに吸着面側から受圧面側に伝播して拡散するので、固定鉄心12とプランジャ16との間に生じる水の脈動を低減する。これに対して、比較用電磁制御弁Xは、プランジャ104と固定鉄心12との間にある水が脈動を発生したときに、その脈動の逃げ道がないため、プランジャ104と固定鉄心12との間で水が脈動し続ける。そのため、電磁制御弁1は、水の脈動に伴うプランジャ16の振動が比較用電磁制御弁Xより短時間で抑えられ、第3ポート5から水を早期に所定圧で安定して吐出することが可能である。
また、図6に示すように、時間t3の平均値については、比較用電磁制御弁Xが2.9msecであるのに対して、電磁制御弁1が0.3msecであり、比較用電磁制御弁Xの方が電磁制御弁1より水を遮断し始める時間が平均2.6msec早くなった。これは、電磁制御弁1がプランジャ16を吸着した後にプランジャ16の吸着保持に必要な電圧(11V)までコイル19に供給する電圧を下げ、比較用電磁制御弁Xの供給電圧(60V)より小さくしたからであると考えられる。また、プランジャ16の方が従来のプランジャ104より凹部16eを設けた分だけ吸着面積が小さいため、残磁力が従来のプランジャ104を使用する場合より小さくなり、プランジャ16が固定鉄心12から離脱する離脱性が向上したからであると考えられる。
さらに、時間t4の平均値については、比較用電磁制御弁Xが12.4msecであるのに対して、電磁制御弁1が4.5msecであり、比較用電磁制御弁Xの方が電磁制御弁1より水を完全に遮断するまでの時間が6.9msec早くなった。これは、電磁制御弁1は、比較用電磁制御弁Xと比べて残磁力が小さく、プランジャ16の離脱性が向上したからであると考えられる。また、電磁制御弁1は、プランジャ16と弁座8との間にある水がスリット16fを通って受圧面側から吸着面側に逃げやすく、プランジャ16に作用する水の抵抗力が比較用電磁制御弁Xより小さいからであると考えられる。
以上の実験結果より、プランジャ16を使用した電磁制御弁1は、従来のプランジャ104を使用した比較用電磁制御弁Xより応答性よく開閉弁動作することが判明した。このことは、ある種の印刷のように高頻度で流体を制御する場合に、特に有益である。すなわち、ある種の印刷では、数msec周期で水を版に吹きかける必要があるが、電磁制御弁1は、数msecのうちに開閉弁動作して流体圧及び流量を安定させるので、水を適時に適量ずつ版に吹きかけ、印字性能を確保でき、また、印刷処理能力も向上するからである。
このように、本実施の形態の電磁制御弁1によれば、プランジャ16の吸着面に凹部16eを形成するとともに、凹部16e上に吸着面側と受圧面側とを連通させるスリット16fを形成したことにより、開弁時にプランジャ16の上昇に伴って発生する水の抵抗力及び脈動が低減される一方、閉弁時にプランジャ16に発生する残磁力が小さくなるので、プランジャ16の動きを良好にして応答性を向上させることができる。
また、本実施の形態の電磁制御弁1は、凹部16eを放射線状に形成し、その末端となるプランジャ16の外縁部にスリット16fを切り欠いて設けたことにより、固定鉄心12とプランジャ16との間にある水をプランジャ16の中央部から外縁部に押し出して、プランジャ16の吸着面側から受圧面側に逃がすので、プランジャ16が作動時に流体抵抗を受けにくい。
ところで、プランジャ16は、凹部16eを十文字に形成し、スリット16fを4カ所に設けた。これに対して、図7に示すプランジャ31のように、凹部16eとスリット16fの数を増やしてもよい。この場合、プランジャ31は、プランジャ16より凹部16eの数が多いため、プランジャ16より吸引力が劣るものの、プランジャ16を使用する場合よりプランジャ31と固定鉄心12との間にある水を吸着面側から受圧面側に逃がしやすく、水の抵抗力や脈動を小さくすることができる。また、プランジャ31は、プランジャ16より吸着面積が小さいため、プランジャ16を使用する場合より残磁力が小さく、固定鉄心12から離脱しやすい。
また、図8に示すプランジャ41のように、凸部16bを円周方向に等間隔に切り欠いて、吸着面に凹部41eを形成し、プランジャ16の外縁部を切り欠いて凹部41eに接続するようにスリット41fを設けてもよい。凹部41e及びスリット41fは、上記実施の形態の凹部16e及びスリット41fと同様の作用及び効果を奏する。また、プランジャ41の中央部に貫通孔41gを形成し、樹脂製の残磁キラー42を取り付けてもよい。残磁キラー42は、例えば、円形状の薄いシートに円柱状の凸部を突設した形状をなし、凸部を貫通孔41gにきっちり嵌め込んで当接部分を溶接又はろう付けすることによりプランジャ41に固定されている。残磁キラー42は、プランジャ41が固定鉄心12に吸着される時の衝撃を吸収するため、プランジャ41の耐久性が向上する。
尚、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
(1)例えば、上記実施の形態では、電磁制御弁1をある種の印刷用の印刷機に使用したが、流体を制御するものであれば、ある種の印刷に限らず、種々の装置に適用することができる。
(2)例えば、上記実施の形態では、2ポートタイプの電磁制御弁1にプランジャ16を使用したが、3ポートタイプの電磁制御弁にプランジャ16を使用してもよい。
本発明の実施の形態に係り、電磁制御弁の断面図である。 同じく、弁部拡大断面図であって、可動鉄心の吸引時を示す。 同じく、弁部拡大断面図であって、可動鉄心が固定鉄心に吸着された直後の状態を示す。 同じく、プランジャを示す図であって、(a)は平面図を示し、(b)は(a )のA1−A1断面図を示し、(c)は下面図を示す。 同じく、応答性の実験方法を示す概念図である。 同じく、実験結果を示す図である。 プランジャの第1変形例であって、(a)は平面図を示し、(b)は(a)の A2−A2断面図を示し、(c)は下面図を示す。 プランジャの第2変形例であって、(a)は平面図を示し、(b)は(a)の A3−A3断面図を示し、(c)は下面図を示す。 従来の電磁制御弁の断面図である。 従来の電磁制御弁が使用するプランジャを示す図であって、(a)は平面図 を示し、(b)は(a)のA4−A4断面図を示し、(c)は下面図を示す。
符号の説明
1 電磁制御弁
3 第1ポート
5 第3ポート
8 弁座
10 保持部材
11 嵌合部材
12 固定鉄心
13 弁室
14 板バネ
15 弁シート
16 プランジャ
16e 凹部
16f スリット
18 コイルボビン
19 コイル
31 プランジャ
41 プランジャ
41e 凹部
41f スリット

Claims (2)

  1. コイルへの印加電流に応じて吸引力を発生する固定鉄心と、前記固定鉄心に吸引される可動鉄心と、前記可動鉄心に固定される弁体と、前記弁体を収納する弁室が入口流路と出口流路と連通するように形成されたボディと、前記弁室に設けられて前記弁体が当接又は離間する弁座と、前記可動鉄心に固定されて前記弁体に弁閉方向の荷重を加える板バネと、前記ボディに嵌め込まれて前記板バネを前記ボディとの間で狭持する保持部材とを備え、前記固定鉄心が発生する吸引力と前記板バネが前記弁体を前記弁座に押しつける力とのつり合いにより前記弁体を前記弁座に当接又は離間させる電磁制御弁において、
    前記可動鉄心は、吸着面に凹部が形成されているとともに、前記凹部上に吸着面側と受圧面側とを連通させるスリットが形成されていることを特徴とする電磁制御弁。
  2. 請求項1に記載する電磁制御弁において、
    前記凹部は、前記可動鉄心の中央部から放射線状に形成され、
    前記スリットは、前記可動鉄心の外縁部に切り欠いて形成されていることを特徴とする電磁制御弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014194969A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Kayaba Ind Co Ltd アクチュエータ装置
JP2021005653A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 電磁石装置、ショックアブソーバ及び移動体

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