JP2006140238A - 基板処理装置用部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パーティクルの発生を抑制すると共に、基板処理装置の稼働率の低下を防止することができ、且つ容易に製造することができる基板処理装置用部品の製造方法を提供する。
【解決手段】 焼結法又はCVD法によって形成された炭化珪素体を切削加工によってフォーカスリングに成形し(ステップS31)、該成形されたフォーカスリングを、不純物としての四フッ化炭素ガス及び酸素ガスのうち少なくとも1つのガスから生成されたプラズマに晒し、フォーカスリングの表面近傍に存在する空孔状の欠陥に不純物を導入し(ステップS32)、該不純物が導入されたフォーカスリングの表面近傍に陽電子を打ち込み、陽電子消滅法によってフォーカスリングの表面近傍における欠陥存在比を検査する(ステップS33)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、基板処理装置用部品及びその製造方法に関し、特に消耗環境下において使用される基板処理装置用部品及びその製造方法に関する。
通常、基板としての半導体ウエハ(以下「ウエハ」という。)にエッチング処理を施す基板処理装置は、ウエハを収容する収容室(以下「チャンバ」という。)を備える。この基板処理装置では、チャンバ内に高周波電力を印加してCF4系ガス等の処理ガスからプラズマを生成し、該生成されたプラズマによってウエハの表面にエッチング処理を施す。
チャンバ内には、プラズマの状態を所望の状態に維持するための種々の部品が配置されるが、このような部品の1つとしてフォーカスリングが知られている。フォーカスリングは、円環状の部品であり、チャンバ内において円板状のウエハの周縁を囲うように配置される。フォーカスリングはチャンバ内のプラズマを効率よくウエハに導くために、ウエハと同じ電気的特性、例えば、導電性を有する必要がある。したがって、従来のフォーカスリングはシリコン(Si)によって形成されていた。
ところが、シリコンはプラズマによって侵食されるため、チャンバ内においてフォーカスリングは短期間で消耗して変形する。フォーカスリングが変形すると、ウエハ上のプラズマの状態が変化するため、シリコンからなるフォーカスリングを用いる場合には、短期間でフォーカスリングを交換する必要がある。
そこで、近年、プラズマによって侵食され難い材料として知られている炭化珪素(SiC)によって形成されたフォーカスリングが用いられている。炭化珪素は、ウエハとほぼ同じ導電性を有し、プラズマ雰囲気において金属汚染を発生しないため、チャンバ内部品として好適である。
炭化珪素としては、焼結法によって形成される焼結炭化珪素及びCVD法によって形成されるCVD炭化珪素が知られており、それぞれのプラズマによる消耗量は、シリコンのプラズマによる消耗量に対して前者が約15%減であり、後者は約50%減である。
但し、焼結炭化珪素はパーティクルを発生しやすいことが知られているため、焼結炭化珪素によって形成されたフォーカスリングの表面を、パーティクルを発生し難いCVD炭化珪素によって被膜することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、フォーカスリングからのパーティクルの発生を抑制することができる。
特開平10−135093号公報
しかしながら、CVD炭化珪素は、高温雰囲気中に配された黒鉛基材の周囲に材料ガスを導入して該黒鉛基材の表面に炭化珪素の厚膜を形成し、該形成した厚膜を切り出すことによって得られる。また、切り出されたCVD炭化珪素の表面は粗いため、外観向上及び表面円滑化によるパーティクル飛散防止を目的としてフォーカスリングにラップ加工が施される。したがって、CVD炭化珪素のフォーカスリングは、製造が困難であるという問題がある。
また、CVD炭化珪素はパーティクルを発生し難いが、多少のパーティクルを依然として発生し、特に、フォーカスリング交換後における初期のエッチング処理、具体的には、高周波電力の印加時間が120時間に達するまでの間において多くのパーティクルを発生する。したがって、CVD炭化珪素のフォーカスリングを用いた場合、フォーカスリング交換後、チャンバ内の雰囲気を安定させるためのシーズニング処理を長時間実行する必要があり、基板処理装置の稼働率が低下するという問題もある。
本発明の目的は、パーティクルの発生を抑制すると共に、基板処理装置の稼働率の低下を防止することができ、且つ容易に製造することができる基板処理装置用部品及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の基板処理装置用部品の製造方法は、基板を収容する基板処理装置の収容室内に配置される基板処理装置用部品の製造方法であって、前記基板処理装置用部品の表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比を低下させる欠陥存在比低下ステップを有することを特徴とする。
請求項2記載の基板処理装置用部品の製造方法は、請求項1記載の基板処理装置用部品の製造方法において、前記欠陥存在比低下ステップは、前記欠陥に不純物を導入することを特徴とする。
請求項3記載の基板処理装置用部品の製造方法は、請求項2記載の基板処理装置用部品の製造方法において、前記不純物は、フッ素含有ガス、炭素含有ガス及び酸素含有ガスのうち少なくとも1つのガスから生成されたプラズマから生成されることを特徴とする。
請求項4記載の基板処理装置用部品の製造方法は、請求項1記載の基板処理装置用部品の製造方法において、前記欠陥存在比低下ステップは、前記基板処理装置用部品を熱処理することを特徴とする。
請求項5記載の基板処理装置用部品の製造方法は、請求項4記載の基板処理装置用部品の製造方法において、前記欠陥存在比低下ステップは、不活性ガスの雰囲気において前記基板処理装置用部品の温度を1200℃〜1600℃に設定することを特徴とする。
請求項6記載の基板処理装置用部品の製造方法は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板処理装置用部品の製造方法において、前記基板処理装置用部品の表面近傍を陽電子消滅法によって検査する検査ステップを有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項7記載の基板処理装置用部品は、基板を収容する基板処理装置の収容室内に配置される基板処理装置用部品であって、表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比が、CVD法によって形成された炭化珪素体の表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比より低いことを特徴とする。
請求項1記載の基板処理装置用部品の製造方法によれば、基板処理装置用部品の表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比が低下する。空孔状の欠陥の存在比が低下すると、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率が低下する。したがって、基板処理装置用部品からのパーティクルの発生を抑制すると共に、長時間のシーズニング処理が不要となるため、基板処理装置の稼働率の低下を防止することができる。また、パーティクル飛散防止を目的としたラップ加工が不要となり、さらに、製造が比較的容易な焼結法によって形成された炭化珪素を用いた場合においても、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率を低下させることができるので、基板処理装置用部品を容易に製造することができる。
請求項2記載の基板処理装置用部品の製造方法によれば、基板処理装置用部品の表面近傍に存在する空孔状の欠陥に不純物が導入されるので、該欠陥の存在比を確実に低下させることができる。
請求項3記載の基板処理装置用部品の製造方法によれば、不純物は、フッ素含有ガス、炭素含有ガス及び酸素含有ガスのうち少なくとも1つのガスから生成されたプラズマから生成されるので、表面近傍に存在する欠陥への導入を容易に行うことができる。また、これらのプラズマはエッチング処理中においても生成されるため、エッチング処理中においてこれらのプラズマから生成された不純物の欠陥への導入が継続的に行われる。したがって、欠陥の存在比を継続的に低下することができる。
請求項4記載の基板処理装置用部品の製造方法によれば、基板処理装置用部品が熱処理されるので、表面近傍に存在する空孔状の欠陥を消滅させて欠陥の存在比を確実に低下させることができる。
請求項5記載の基板処理装置用部品の製造方法によれば、不活性ガスの雰囲気において基板処理装置用部品の温度が1200℃〜1600℃に設定されるので、熱処理を促進すると共に、基板処理装置用部品の構成材料の蒸発を抑制することができる。
請求項6記載の基板処理装置用部品の製造方法によれば、基板処理装置用部品の表面近傍が陽電子消滅法によって検査される。陽電子消滅法は、処理装置用部品の表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比を容易に検出することができる。したがって、基板処理装置用部品からのパーティクルの発生の有無を容易に判定することができ、もって基板処理装置用部品を容易に製造することができる。
請求項7記載の基板処理装置用部品によれば、表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比が、CVD法によって形成された炭化珪素体の表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比より低い。空孔状の欠陥の存在比がCVD法によって形成された炭化珪素体の空孔状の欠陥の存在比より低いと、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率が低下する。したがって、基板処理装置用部品からのパーティクルの発生を抑制すると共に、長時間のシーズニング処理が不要となるため、基板処理装置の稼働率の低下を防止することができる。また、パーティクル飛散防止を目的としたラップ加工が不要となり、さらに、製造が比較的容易な焼結法によって形成された炭化珪素を用いた場合においても、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率を低下させることができるので、基板処理装置用部品を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置用部品及びその製造方法について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置用部品としてのフォーカスリングが用いられる基板処理装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、基板処理装置として構成されるエッチング処理装置1は、例えば、アルミニウム製の円筒型チャンバ2と、該チャンバ2内に配置された、例えば、直径が200mmの半導体ウエハWを載置する下部電極3を、絶縁材4を介して支持する昇降自在な支持体5と、下部電極3に対向してチャンバ2内の上方に配置された上部電極としてのシャワーヘッド6とを備える。
チャンバ2は、上部が小径の上室7として形成され、下部が大径の下室8として形成されている。上室7の周囲にはダイポールリング磁石9が配置され、該ダイポールリング磁石9は、上室7内において一方向に指向する一様な水平磁界を形成する。下室8の側面上部には半導体ウエハWの搬入出口を開閉するゲートバルブ10が取り付けられ、エッチング処理装置1は該ゲートバルブ10を介して隣接するロードロック室(図示しない)等と接続されている。
下部電極3には高周波電源11が整合器12を介して接続されており、高周波電源11は、所定の高周波電力を下部電極3に印加する。これにより、下部電極3は下部電極として機能する。
下部電極3の上面には、半導体ウエハWを静電吸着力で吸着するための静電チェック(ESC)13が配置されている。該静電チャック13の内部には、導電膜からなる円板状の電極板14が配置され、該電極板14には直流電源15が電気的に接続されている。半導体ウエハWは、直流電源15から電極板14に印加された直流電圧により発生するクーロン力等によって静電チャック13の上面に吸着保持される。
静電チャック13の周囲には円環状のフォーカスリング16が配置されている。したがって、フォーカスリング16は静電チャック13に吸着された半導体ウエハWの周縁を囲う。また、フォーカスリング16は、炭化珪素からなるため、半導体ウエハWとほぼ同じ導電性を有する。これにより、フォーカスリング16は、チャンバ2内に発生する後述のプラズマを効率よく半導体ウエハWに導くことができる。ここで、フォーカスリング16は、後述する本実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法によって製造されて、表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比(以下、「欠陥存在比」という。)は、CVD法によって形成された炭化珪素体の表面近傍に存在する欠陥存在比より低く設定されている。
上室7の側壁と下部電極3との間には、下部電極3の上方の気体をチャンバ2の外へ排出する排気路が形成され、該排気路の途中には環状のバッフル板17が配置されている。排気路のバッフル板17より下流の空間(下室8の内部空間)は、チャンバ2内の圧力制御を行うだけでなくチャンバ2内をほぼ真空状態になるまで減圧する排気系18に連通する。
下部電極3の下方には、該支持体5の下部から下方に向けて延設されたボールねじ19からなる下部電極昇降機構が配置されている。該下部電極昇降機構は、支持体5を介して下部電極3を支持し、不図示のモータ等によってボールねじ19を回転させることによってGAPとしての下部電極3を昇降させる。この下部電極昇降機構は、その周囲に配置されたベローズ20、及び該ベローズ20の周囲に配置されたベローズカバー21によってチャンバ2内の雰囲気から遮断される。
また、下部電極3には、該静電チャック13の上面から突出自在な複数のプッシャーピン22が配置されている。これらのプッシャーピン22は図中上下方向に移動する。
このエッチング処理装置1では、半導体ウエハWの搬出入の際、下部電極3が半導体ウエハWの搬出入位置まで下降すると共に、プッシャーピン22が静電チャック13の上面から突出して半導体ウエハWを下部電極3から離間させて上方へ持ち上げる。また、半導体ウエハWのエッチング処理の際、下部電極3が半導体ウエハWの処理位置まで上昇すると共に、プッシャーピン22が下部電極3内に格納されて、静電チャック13が半導体ウエハWを吸着保持する。
また、下部電極3の内部には、例えば、円周方向に延在する環状の冷媒室23が設けられている。この冷媒室23には、チラーユニット(図示せず)から配管24を介して所定温度の冷媒、例えば、冷却水が循環供給され、当該冷媒の温度によって下部電極3に載置された半導体ウエハWの処理温度が制御される。
静電チャック13の上面には、複数の伝熱ガス供給孔及び伝熱ガス供給溝(図示せず)が配されている。これらの伝熱ガス供給孔等は、下部電極3の内部に配置された伝熱ガス供給ライン25を介して伝熱ガス供給部26に接続され、該伝熱ガス供給部26は伝熱ガス、例えば、Heガスを、静電チャック13と半導体ウエハWとの間隙に供給する。この伝熱ガス供給部26は静電チャック13と半導体ウエハWとの間隙を真空引き可能にも構成されている。
チャンバ2の天井部に配置されているシャワーヘッド6は接地(アース)されており、シャワーヘッド6は接地電極として機能する。また、シャワーヘッド6の上面にはバッファ室27が設けられ、このバッファ室27には処理ガス供給部(図示せず)からの処理ガス導入管28が接続されている。この処理ガス導入管28の途中にはMFC(Mass Flow Controller)29が配置されている。このMFC29は、バッファ室27及びシャワーヘッド6を介して、所定のガス、例えば、処理ガスやN2ガスをチャンバ2内へ供給すると共に、該ガスの流量を制御してチャンバ2の圧力を上述した排気系18と協働して所望の値に制御する。
このエッチング処理装置1のチャンバ2内では、上述したように、下部電極3に高周波電力が印加され、該印加された高周波電力により、下部電極3及びシャワーヘッド6の間において処理ガスから高密度のプラズマが発生し、イオン等が生成される。
エッチング処理装置1では、エッチング処理の際、先ずゲートバルブ10を開状態にし、加工対象の半導体ウエハWをチャンバ2内に搬入する。そして、シャワーヘッド6より処理ガス(例えば、所定の流量比率の四フッ化炭素ガス(CF4)ガス及び酸素(O2)ガスの少なくとも1つからなる混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ2内に導入し、排気系18等によりチャンバ2内の圧力を所定値にする。さらに、高周波電源11より高周波電力を下部電極3に印加し、直流電源15より直流電圧を電極板14に印加して、半導体ウエハWを下部電極3上に吸着する。そして、シャワーヘッド6より吐出された処理ガスを上述したようにプラズマ化させる。このプラズマはフォーカスリング16によって半導体ウエハWの表面に収束され、このプラズマにより生成されるイオン、例えば、フッ素イオンや酸素イオンは半導体ウエハWの表面を物理的にエッチングする。
上述したように、フォーカスリング16を炭化珪素によって形成する場合、炭化珪素としては焼結法によって形成される炭化珪素(以下「焼結炭化珪素」という。)及びCVD法によって形成される炭化珪素(以下「CVD炭化珪素」という。)のいずれかが用いられるが、焼結炭化珪素を用いた場合及びCVD炭化珪素を用いた場合のいずれの場合においても、初期のエッチング処理においてフォーカスリング16はパーティクルを発生することが、従来より知られている。
初期のエッチング処理においてパーティクルが発生するメカニズムについては、明瞭に説明するのが困難であるため、本発明者は当該メカニズムの仮説を類推すべく、炭化珪素からなるフォーカスリングを製作し、該フォーカスリングをエッチング処理装置におけるチャンバ内に配置して、エッチング処理時間に対するフォーカスリングからのパーティクル(炭化珪素のパーティクル)の発生数、及びエッチング処理時間に対するフォーカスリングの消耗量について観察した。
その結果、本発明者は、高周波電力の印加時間が15分の時点において、チャンバ2内に多くのパーティクルが発生していること、パーティクルのうち約1/3がフォーカスリングからのパーティクルであること、及びフォーカスリングの消耗が殆ど進行していないことを確認した。また、本発明者は、高周波電力の印加時間が80時間の時点において、チャンバ内のパーティクルが減少していること、パーティクルのうち約1/10がフォーカスリングからのパーティクルであること、及びフォーカスリングの消耗が進行していることを確認した。
すなわち、本発明者はフォーカスリングの消耗に伴い、フォーカスリングからのパーティクルの発生量が減少していることを確認した。これにより、本発明者は、初期のエッチング処理においてパーティクルが発生するメカニズムについて、図2に示す、以下の仮説を類推するに至った。
炭化珪素からなるフォーカスリングの表面近傍には、炭素や珪素が欠落して形成された空孔状の欠陥(図中において“○”で示す)が数多く存在し、その存在比は表面に近くなる程高くなる。したがって、フォーカスリングでは表面において脆性層が形成されていると考えられる(図2(A))。
初期のエッチング処理において、この脆性層に、図中矢印で示すように、イオン等が衝突すると、イオンの運動エネルギーが脆性層に伝わり、脆性層中の炭化珪素分子が飛散し、該飛散した炭化珪素分子がパーティクルとなる(図2(B))。
エッチング処理が長時間に亘って半導体ウエハWに施されると、該半導体ウエハWの周縁を囲うように配置されるフォーカスリングも長時間プラズマに晒されることにより脆性層は消耗して、脆性層の下の比較的緻密な層(以下「緻密層」という。)が露出する。該緻密層に、図中矢印で示すように、イオン等が衝突しても、緻密層における炭化珪素の分子間力が大きいため、脆性層中の炭化珪素分子が飛散することがなく、その結果、パーティクルも殆ど発生しない(図2(C))。
すなわち、欠陥存在比とパーティクルの発生量とは密接な関係にあり、欠陥の存在比が低いとき、パーティクルの発生量は少なくなる。
この仮説に対応して、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法では、炭化珪素からなる、基板処理装置用部品としてのフォーカスリングの表面近傍に存在する欠陥存在比を低下させる。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法としてのパーツ製造処理のフローチャートである。
図3において、まず、焼結法又はCVD法によって所望の大きさの炭化珪素体を形成し、該形成された炭化珪素体を切削加工によってフォーカスリングに成形する(ステップS31)。
次いで、成形されたフォーカスリングを、不純物を生成する四フッ化炭素ガス及び酸素ガスのうち少なくとも1つのガスから生成されたプラズマに晒し、フォーカスリングの表面近傍に存在する空孔状の欠陥にプラズマからの不純物、例えば、フッ素イオンや酸素イオンを導入する(欠陥存在比低下ステップ)(ステップS32)。
ステップS32では、まず、図中ハッチングされた矢印で示すように、成形されたフォーカスリングの表面に向けてプラズマを照射し、プラズマ中のフッ素イオンや酸素イオン等を不純物としてドープ又はイオン注入によって欠陥に導入する(図4(A))。該欠陥に導入されたフッ素イオンや酸素イオン等は、欠陥に面する炭化珪素同士の電気的な結合力(分子間力)を高める。また、欠陥に導入されたフッ素イオンや酸素イオン等が欠陥中に留まる(図中においてハッチングされた円で示す)ことにより、結果としてフォーカスリングの表面近傍に存在する欠陥存在比が低下して、フォーカスリングの表層は比較的緻密な層(以下、「不純物導入層」という。)となる(図4(B))。
このとき、フッ素イオンや酸素イオン等はフォーカスリングの表面近傍の欠陥にしか導入されないため、不純物導入層の厚さは薄く、該不純物導入層を有するフォーカスリングをチャンバ内に配置してエッチング処理を行う場合、エッチングによって不純物導入層が早期に消耗する虞がある。
しかしながら、エッチング処理においても、フォーカスリングは、四フッ化炭素ガス及び酸素ガスの少なくとも1つからなる処理ガスから生成されたプラズマ(図中において白抜きの矢印で示す)に晒されるため、例え、不純物導入層が消耗したとしても、不純物導入層が消耗してプラズマに晒される新たな表面の近傍における欠陥にも、プラズマ中の不純物、例えば、フッ素イオンや酸素イオン等が継続的に導入される。すなわち、新たな表面の近傍においても欠陥の存在比が継続的に低下し、新たな不純物導入層が形成される(図4(C))。
したがって、ステップS32の不純物導入において用いられるプラズマは、エッチング処理において用いられるプラズマと同種であることが好ましい。
図5は、図3におけるステップS32の不純物導入の結果を示すグラフである。
図5において、縦軸は各原子の密度であり、横軸はフォーカスリング表面からの深さである。このグラフには、焼結炭化珪素からなるフォーカスリングに不純物導入を施し、該不純物導入が施されたフォーカスリングをSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)法によって分析した結果を示す。
図に示すように、プラズマに晒されたフォーカスリングでは、表面から深さが2μm程度までフッ素原子や酸素原子が存在する。したがって、不純物導入によりプラズマ中のフッ素イオンや酸素イオンは深さ2μmまでに存在する欠陥に導入されている。これにより、不純物導入が施されたフォーカスリングでは、厚さがほぼ2μmの不純物導入層が形成されている。
焼結炭化珪素のフォーカスリング及びCVD炭化珪素のフォーカスリングは、いずれも表面近傍に多数の空孔状の欠陥を有するが、上述した不純物導入は、いずれのフォーカスリングにも施すことが可能であるため、炭化珪素の製造法にかかわらず、フォーカスリングの表面近傍の欠陥存在比を低下することができる。
図6は、炭化珪素の製造方法と欠陥存在比との関係を示すグラフである。
図6において、縦軸は欠陥存在比に対応するSパラメータであり、横軸はフォーカスリング表面からの深さに対応する陽電子エネルギーである。このグラフには、各種炭化珪素からなるフォーカスリングの表面近傍における欠陥存在比を陽電子消滅法によって測定した結果を示す。
陽電子消滅法は、炭化珪素にナトリウム放射性同位体から放出された陽電子を打ち込み、該打ち込まれた陽電子と炭化珪素内の電子、例えば、内核電子や自由電子との対消滅によって発生するエネルギーをモニタすることによって欠陥存在比を測定する方法である。
陽電子消滅法では、欠陥存在比が低い場合、陽電子が炭化珪素を形成する各原子の格子間に侵入し、各原子の内核電子と対消滅する割合(以下「消滅割合」という。)が高くなる。一方、欠陥存在比が高い場合、陽電子が各欠陥に侵入し、欠陥中の自由電子との消滅割合が高くなる。
一般に、内核電子の運動エネルギーは自由電子の運動エネルギーより大きいので、陽電子と内核電子とが対消滅する際に発生するエネルギーが、陽電子と自由電子とが対消滅する際に発生するエネルギーより大きい。したがって、対消滅エネルギーをモニタすることによって欠陥存在比を測定することができる。例えば、測定された対消滅エネルギーが大きい場合には、欠陥存在比が低いと考えられる。
また、Sパラメータは自由電子等の小さい運動エネルギーを有する電子との消滅割合であり、Sパラメータが小さいほど運動エネルギーの大きい電子、すなわち内核電子との消滅割合が多くなる。したがって、図6のグラフでは、Sパラメータが小さいほど、欠陥存在比が低いことを示す。
また、炭化珪素に打ち込まれる陽電子のエネルギーが大きいほど、陽電子は炭化珪素の深部まで侵入する。したがって、図6のグラフでは、横軸の陽電子エネルギーが大きいほど、炭化珪素の表面からの深さが深いことを示す。
図6のグラフにおいて、「●」は焼結炭化珪素を示し、「▲」は低抵抗のCVD炭化珪素を示し、「▼」は高抵抗のCVD炭化珪素を示し、「○」は不純物導入が施された焼結炭化珪素を示し、「△」は不純物導入が施された低抵抗のCVD炭化珪素を示し、「▽」は不純物導入が施された高抵抗のCVD炭化珪素を示す。ここで、高抵抗のCVD炭化珪素の抵抗値は、例えば、10000Ωcmであり、低抵抗のCVD炭化珪素の抵抗値は、例えば、0.01〜0.1Ωcmである。
図6のグラフに示すように、不純物導入が施されていない焼結炭化珪素、低抵抗のCVD炭化珪素及び高抵抗のCVD炭化珪素の陽電子のエネルギーが0、すなわち、炭化珪素体の表面におけるSパラメータは互いに異なり、焼結炭化珪素が最もSパラメータが大きく、低抵抗のCVD炭化珪素が最もSパラメータが小さい。したがって、不純物導入が施されていない場合、焼結炭化珪素の欠陥存在比が最も高く、低抵抗のCVD炭化珪素の欠陥存在比が最も低い。
各炭化珪素に不純物導入が施されると、炭化珪素の製造法に拘わらず、Sパラメータが小さくなる。例えば、不純物導入が施された焼結炭化珪素のSパラメータが、不純物導入が施されていない低抵抗のCVD炭化珪素のSパラメータより小さくなる。すなわち、例え、フォーカスリングの材料として焼結炭化珪素を用いた場合であっても、不純物導入を施すことによって、不純物導入が施されていない低抵抗のCVD炭化珪素よりも欠陥存在比を低くすることができる。
したがって、フォーカスリングの材料として焼結炭化珪素を用いた場合においても、不純物導入を施すことによって、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率を不純物導入が施されていない低抵抗のCVD炭化珪素の発生率よりも低くすることができる。
また、不純物導入が施された焼結炭化珪素、低抵抗のCVD炭化珪素及び高抵抗のCVD炭化珪素は、炭化珪素体の表面において同じSパラメータを示すので、不純物導入を施すことによって、炭化珪素の製造法に拘わらず、欠陥存在比を同一の低レベルまで低くすることができる。
したがって、フォーカスリングの材料として焼結炭化珪素を用いた場合においても、不純物導入を施すことによって、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率を、不純物導入が施されたCVD炭化珪素の発生率と同一の低レベルまで低くすることができる。
図3に戻り、次いで、不純物が導入されたフォーカスリングの表面近傍に陽電子を打ち込み、陽電子消滅法によってフォーカスリングの表面近傍における欠陥存在比を検査する(検査ステップ)(ステップS33)。検出された欠陥存在比が所定の値まで低下している場合、当該フォーカスリングはチャンバ内に配置され、検出された欠陥存在比が所定の値まで低下していない場合、当該フォーカスリングはチャンバ内に配置されない。
本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置用部品及びその製造方法によれば、基板処理装置用部品としての炭化珪素からなるフォーカスリングの表面近傍に存在する空孔状の欠陥に不純物が導入されるので、フォーカスリングの表面近傍の欠陥存在比が低下する。具体的には、フォーカスリングの表面近傍の欠陥存在比が、不純物導入が施されていないCVD炭化珪素体の表面近傍の欠陥存在比より低くなる。表面近傍の欠陥存在比が低下すると、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率が低下する。したがって、フォーカスリングからのパーティクルの発生を抑制すると共に、長時間のシーズニング処理が不要となるためエッチング処理装置の稼働率の低下を防止することができる。また、パーティクル飛散防止を目的としたラップ加工が不要となり、さらに、製造が比較的容易な焼結炭化珪素を用いた場合においても、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率を低下させることができるので、フォーカスリングを容易に製造することができる。
また、上述した本実施の形態では、エッチング処理においても、フォーカスリングは、四フッ化炭素ガス及び酸素ガスの少なくとも1つからなる処理ガスから生成されたプラズマに晒されるため、不純物として該プラズマからのフッ素イオンや酸素イオンが欠陥に導入される。したがって、表面近傍に存在する欠陥への不純物の導入を容易に行うことができ、さらに、フォーカスリングの不純物導入層が消耗したとしても、該不純物導入層が消耗してプラズマに晒される新たな表面の近傍における欠陥にも、プラズマ中のフッ素イオンや酸素イオン等が継続的に導入される。すなわち、新たな表面の近傍においても欠陥の存在比を継続的に低下させ、新たな不純物導入層を継続的に形成することができる。
また、上述した本実施の形態では、不純物が表面近傍に存在する空孔状の欠陥に導入されたフォーカスリングの表面近傍に陽電子を打ち込み、陽電子消滅法によってフォーカスリングの表面近傍における欠陥存在比を検査する。陽電子消滅法は、炭化珪素からなるフォーカスリングの表面近傍の欠陥存在比を容易に検出することができる。したがって、長時間の実物評価を行うことなく、フォーカスリングからのパーティクルの発生の有無を容易に判定することができ、もってフォーカスリングを容易に製造することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置用部品及びその製造方法について説明する。
本実施の形態は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、基板処理装置用部品の製造方法において上述した不純物導入ではなく、熱処理を用いる点で異なるのみである。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
本実施の形態に係る基板処理装置用部品としてのフォーカスリングにおいても、上述したフォーカスリング16と同様に、表面近傍に存在する欠陥存在比は、CVD炭化珪素体の表面近傍の欠陥存在比より低く設定されている。本実施の形態のフォーカスリングは、後述する本実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法によって製造される点でフォーカスリング16と異なる。
以下、本実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法について説明する。該製造方法は、上述した初期のエッチング処理においてパーティクルが発生するメカニズムの仮説に対応して、第1の実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法と同様に、炭化珪素からなる、基板処理装置用部品としてのフォーカスリングの表面近傍に存在する欠陥存在比を低下させる。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法としてのパーツ製造処理のフローチャートである。尚、図7の処理におけるステップS31及びS33は、図3の処理におけるステップS31及びS33と同じである。
図7において、ステップS31の後、不活性ガスの雰囲気において、成形されたフォーカスリングの温度を1200℃に上昇させてフォーカスリングの熱処理(アニール)を行う(欠陥存在比低下ステップ)(ステップS72)。
具体的には、ステップS72において、アルゴンガスの雰囲気中にフォーカスリングを配し、該フォーカスリングの温度を20分以上に亘って1200℃に維持する。このとき、熱溶融した炭化珪素の分子等が流動してフォーカスリングの表面近傍の空孔状の欠陥を充填し、消滅させる。これにより、フォーカスリングの表面近傍に存在する欠陥存在比が低下する。
図8は、図7におけるステップS72の熱処理の結果を示すグラフである。
図8において、縦軸は欠陥存在比に対応するSパラメータであり、横軸はフォーカスリング表面からの深さに対応する陽電子エネルギーである。
このグラフには、フォーカスリングを1400℃で熱処理した場合における欠陥存在比を陽電子消滅法で測定した結果を示す。グラフに示すように、Sパラメータが表面から200nm(0.2μm)の深さの間において急激に小さくなっている。すなわち、フォーカスリングの表面近傍の欠陥存在比が低下している。この傾向は、焼結炭化珪素及びCVD炭化珪素のいずれにおいても変わらない。
なお、フォーカスリングの温度が1400℃以上となると炭化珪素の蒸発が始まり、1600℃以上となると該蒸発が激しくなるので、ステップS72の熱処理では、フォーカスリングの温度を1200℃〜1600℃、好ましくは、1200℃〜1400℃に設定するのがよい。
本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置用部品及びその製造方法によれば、基板処理装置用部品としての炭化珪素からなるフォーカスリングの熱処理が行われるので、表面近傍に存在する空孔状の欠陥が消滅してフォーカスリングの表面近傍の欠陥存在比が低下する。表面近傍の欠陥存在比が低下すると、初期のエッチング処理におけるパーティクルの発生率が低下する。したがって、フォーカスリングからのパーティクルの発生を抑制すると共に、長時間のシーズニング処理が不要となるためエッチング処理装置の稼働率の低下を防止することができる。また、パーティクル飛散防止を目的としたラップ加工が不要となるため、フォーカスリングを容易に製造することができる。
また、ステップS72の熱処理では、フォーカスリングの温度が1200℃〜1600℃に設定されるので、熱処理が促進されると共に、フォーカスリングの炭化珪素の蒸発を抑制することができる。
上述した実施の形態では、基板処理装置用部品としてフォーカスリングに本発明を適用した場合について説明したが、本発明が適用可能な基板処理装置用部品はフォーカスリングに限られない。例えば、上部電極や排気整流リング、シールドリング等の消耗環境下において使用される基板処理装置用部品であれば、本発明を適用可能である。
また、本発明の製造方法は、基板処理装置用部品だけでなく、基板処理装置用部品と同様に消耗環境下において使用される、例えば、ロードロック室等の搬送装置の構成部品に適用してもよい。
上述した実施の形態では、処理される基板が半導体ウエハであったが、処理される基板はこれに限られず、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等のガラス基板であってもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置用部品としてのフォーカスリングが用いられる基板処理装置の概略構成を示す断面図である。 初期のエッチング処理においてパーティクルが発生するメカニズムを示す図である。 本実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法としてのパーツ製造処理のフローチャートである。 図3におけるステップS32の不純物導入の過程を示す図である。 図3におけるステップS32の不純物導入の結果を示すグラフである。 炭化珪素の製造方法と欠陥存在比との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置用部品の製造方法としてのパーツ製造処理のフローチャートである。 図7におけるステップS72の熱処理の結果を示すグラフである。
符号の説明
W 半導体ウエハ
1 エッチング処理装置
2 チャンバ
3 下部電極
4 絶縁材
5 支持体
6 シャワーヘッド
7 上室
8 下室
9 ダイポールリング磁石
10 ゲートバルブ
11 高周波電源
12 整合器
13 静電チャック
14 電極板
15 直流電源
16 フォーカスリング
17 バッフル板
18 排気系
19 ボールねじ
20 ベローズ
21 ベローズカバー
22 プッシャーピン
23 冷媒室
24 配管
25 伝熱ガス供給ライン
26 伝熱ガス供給部
27 バッファ室
28 処理ガス導入管
29 MFC

Claims (7)

  1. 基板を収容する基板処理装置の収容室内に配置される基板処理装置用部品の製造方法であって、
    前記基板処理装置用部品の表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比を低下させる欠陥存在比低下ステップを有することを特徴とする基板処理装置用部品の製造方法。
  2. 前記欠陥存在比低下ステップは、前記欠陥に不純物を導入することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置用部品の製造方法。
  3. 前記不純物は、フッ素含有ガス、炭素含有ガス及び酸素含有ガスのうち少なくとも1つのガスから生成されたプラズマから生成されることを特徴とする請求項2記載の基板処理装置用部品の製造方法。
  4. 前記欠陥存在比低下ステップは、前記基板処理装置用部品を熱処理することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置用部品の製造方法。
  5. 前記欠陥存在比低下ステップは、不活性ガスの雰囲気において前記基板処理装置用部品の温度を1200℃〜1600℃に設定することを特徴とする請求項4記載の基板処理装置用部品の製造方法。
  6. 前記基板処理装置用部品の表面近傍を陽電子消滅法によって検査する検査ステップを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板処理装置用部品の製造方法。
  7. 基板を収容する基板処理装置の収容室内に配置される基板処理装置用部品であって、
    表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比が、CVD法によって形成された炭化珪素体の表面近傍に存在する空孔状の欠陥の存在比より低いことを特徴とする基板処理装置用部品。
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