JP2006138967A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一次転写手段の当接面圧(P)と中間転写ベルト厚み(T)とトナー平均円形度(R)との関係が式(1)を満たし、中間転写ベルト厚み(T)が式(2)を満たし、かつ前記中間転写ベルトのヤング率が2500MPa以上5000MPa以下であることを特徴とする。
1.5T−40≦P≦1.5T+A ………式(1)
40≦T≦200 ………式(2)
(ここで、P:一次転写の当接面圧(g/cm2)、T:中間転写ベルト厚み(μm)、R:トナー平均円形度、A:A=2000R−1800を表す。)
【選択図】 図1
Description
1.本発明の画像形成装置は、画像情報に応じたトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体に圧接し複数本のローラに架設された無端状の中間転写ベルトと、前記像担持体のトナー像を前記中間転写ベルトに転写する一次転写手段と、前記中間転写ベルトに転写して保持されたトナー像を、記録媒体に一括転写する二次転写手段を有する画像形成装置において、前記一次転写手段の当接面圧(P)と中間転写ベルト厚み(T)とトナー平均円形度(R)との関係が式(1)を満たし、中間転写ベルト厚み(T)が式(2)を満たし、かつ前記中間転写ベルトのヤング率が2500MPa以上5000MPa以下であることを特徴とする。
1.5T−40≦P≦1.5T+A ………式(1)
40≦T≦200 ………式(2)
(ここで、P:一次転写の当接面圧(g/cm2)、T:中間転写ベルト厚み(μm)、R:トナー平均円形度、A:A=2000R−1800を表す。)
2.また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記一次転写手段は、前記像担持体のトナー像を前記中間転写ベルトに転写するための一次転写ローラを有し、前記一次転写ローラのローラ硬度は、アスカーCで20度以上60度以下であることを特徴とする。
3.また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記一次転写手段は、前記像担持体のトナー像を前記中間転写ベルトに転写するための一次転写ローラを有し、前記一次転写ローラは金属製の芯金部材と、該芯金部材表面に形成された弾性層から成り、該弾性層の厚みが2mm以上5mm以下であることを特徴とする。
4.また、本発明の画像形成装置は、さらに、前記像担持体と前記一次転写手段とは複数あり、前記複数の像担持体上のトナー像をそれぞれ対応する前記一次転写手段によって前記中間転写ベルトに順次転写することを特徴とする。
複写装置本体1には、ほぼ中央に無端状の中間転写ベルト10を備えた転写装置20が設けてあり、中間転写ベルト10は駆動ローラ14と従動ローラ15,16とにより張架され、図で時計方向に回動し、上記従動ローラ15の左方に設けられているクリーニング装置17により、画像転写後その表面に残留する残留トナーが除去されて転写装置20による再度の画像形成に備えられる。
一方、中間転写ベルト10の下側には二次転写手段を構成する二次転写装置22を設けてある。この二次転写装置22が中間転写ベルト10を介して従動ローラ16に圧接するようになっている。そして、この二次転写装置22が、中間転写ベルト10との間に送り込まれる記録媒体としてのシートPに、中間転写ベルト10上のトナー画像を一括転写する。
二次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートP上に形成されたトナー画像を定着する定着装置25を設けてあり、無端状の定着ベルト26に加圧ローラ27が圧接されており、画像転写後のシートPは、一対のローラ23,23間に架け渡された無端状の搬送ベルト24によって定着装置25へ搬送される。なお、この二次転写装置22は転写ローラや非接触のチャージャを用いた転写装置であっても差し支えない。そして、この二次転写装置22の下側には、シート表裏両面に画像を形成する際にシートPを反転させるシート反転装置28を設けてある。
次に、図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動給送装置4に原稿をセットしたときは原稿が自動でコンタクトガラス32上に給送され、手動でコンタクトガラス32上にセットしたときは直ちにスキャナ3が作動し、第一走行体33及び第二走行体34が走行を開始する。これにより、第一走行体33の光源からの光が原稿に向けて照射され、原稿面からの反射光が第一走行体33のミラーにより第二走行体34の方向に反射され、さらに第二走行体34の一対のミラーにより180度方向を変えて結像レンズ35を通り読取りセンサ36に入射して原稿の内容が読み取られる。
また、上述したスタートスイッチの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始すると同時に各感光体40Y,40C,40M,40Kも回動を開始してそれぞれの感光体上にイエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの各単色画像を形成する。このようにして各感光体上に形成された各単色画像は、図で時計方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせて順次転写されてフルカラーの合成カラー画像が形成される。
いずれの場合でも、レジストローラ49は中間転写ベルト10上のカラー画像に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、停止状態にあったシートPを中間転写ベルト10と二次転写ローラ22との間に送り込み、シートP上に上記の二次転写装置22によりカラー画像を転写する。カラー画像が転写されたシートPは、搬送機能も有する二次転写装置22により、定着装置25へ搬送され、加熱,加圧されて転写画像が定着された後、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されてスタックされる。
また、ブラック単色画像を中間転写ベルト10上に形成する場合には、駆動ローラ14以外の従動ローラ15,16を移動させてイエロー,シアン,マゼンタの感光体40Y,40C,40Mを中間転写ベルト10から離間させるようにしている。なお、図1に示したタンデム型でなく、感光体が一つしかない所謂1ドラム型の画像形成装置にあっては、ファーストコピー速度を早くするために、最初にブラック作像をするのが一般的であり、その後原稿がカラーの場合のみ残りの色の作像を行うようにしている。
このようにバイアスを印加したレジストローラを通過した後のシート表面は、若干マイナス側に帯電しているため、中間転写ベルト10からシートへの転写では、レジストローラに電圧を印加しなかった場合に比して転写条件が変わり、転写条件を変更する場合もある。
また、この安定した転写性能が得られる当接面圧の範囲は、中間転写ベルト10の厚みやトナーの平均円形度によって異なることが、発明者の検討により判明した。そのため、当接面圧の範囲を規定して、ある厚みのベルト、またはある円形度のトナーを用いたときは安定した転写性能が得られたとしても、異なるベルトまたはトナーを用いたときは得られない場合がある。
(実施例1)
実施例1では、中間転写ベルトとしてポリイミド製シームレスベルト、一次転写装置62として発泡タイプのゴム製一次転写ローラを用いた。
ポリイミド製中間転写ベルトの生成方法としては、ポリアミック酸の溶液中にカーボンブラックを分散させ、その分散液を金属ドラムに流入して乾燥させた後、金属ドラムから剥離したフィルムを高温度下で伸長させてポリイミドフィルムを形成し、適当な大きさに切り出してポリイミド樹脂からなる無端状の中間転写ベルトを作製するようにした。フィルム成形は一般的な方法に従って、カーボンブラックを分散したポリマー溶液を円筒金型に注入し、100〜200℃に加熱しつつ円筒金型を回転させて遠心成形によりフィルム状に成膜した。このようにして得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯に被せ、300〜450℃でポリイミド化反応を進行させ硬化させて中間転写ベルトを得るようにした。このとき、カーボン量,焼成温度,硬化速度等を変更して中間転写ベルトの特性を調整することができる。このように作られた中間転写ベルトのヤング率は4000MPaであった。
平均円形度の測定は、(株)SYSMEX製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて測定する。測定は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した後0.45μmのフィルターを通した液50〜100mlに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行い、粒子濃度を5000〜15000個/μlに調整した分散液を用いて測定を行なった。CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として、円相当径で0.6μm以上をCCDの画素の精度から有効とし平均円形度の算出に用いた。平均円形度は、各粒子の円形度の算出を行い、この各粒子の円形度を足し合わせ、全粒子数で割り算することによって得ることができる。各粒子の平均円形度は、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割ることにより算出することができる。
まず、当接面圧とベルト厚みの影響を調べた。トナーは粉砕法で作成した粉砕トナーを使用した。材質,製法は限定しない。この粉砕トナーの平均円形度は0.92であった。
図2は、中間転写ベルト厚みと、一次転写ローラの感光体への当接面圧を変えた場合の転写均一性を調べた結果である。ここでいう転写均一性とは、画像濃度の均一性を示している。当接面圧が低い場合には転写性が不均一になって、濃度ムラが発生する場合がある。
結果は○△×の3段階とし、○:問題なし、△:許容できる限界、×:許容できない、とする。ベルト厚みが薄いほど、転写均一性が確保できる当接面圧は低くても良く、ベルト厚みによって、転写均一性を考えた場合の当接面圧下限値が変化することがわかる。
である。図中で点線は、ベルト厚みの範囲を示しており、式(1)、(2)の範囲はこの点線と面圧上下限の1次直線で囲まれる領域となる。この範囲では、前述の中抜け及び転写均一性は、問題なし、あるいは許容する限界になっており、本発明の有効性を示している。この範囲外では、中抜け及び転写均一性の少なくともどちらかが許容できないものであった。
図5は、トナー円形度を変えた場合のベルト厚みと一次転写当接面圧の上下限値との関係を示したものである。この関係は、図2、3に示すような関係を、平均円形度0.95、0.98のトナーで同様に調べることにより明らかにした。図中の黒点は、平均円形度0.95のトナーを使用したときの結果で、中抜け、転写均一性どちらかが許容限界であるときを示している。一方、白点は平均円形度0.98のトナーを使用したときの同様な結果である。トナー平均円形度によって、当接面圧の下限値はほとんど変わらないが、上限値は変化し、円形度が高いほど上限値の余裕が大きくなることがわかる。
そして、図4と同様に、実線と面圧下限値を示す点線、ベルト厚みの範囲を示す点線で囲まれている範囲が、式(1)、式(2)で決まる範囲である。平均円形度Rに0.95、0.98を入れたときの2通り表記している。R=0.95の場合には黒点が範囲内に収まっており、この範囲内では中抜けと転写均一性が許容できるレベル内になることを示している。また、R=0.98の場合には白点が範囲内に収まっており、同様なことが言える。
以上より、当接面圧、ベルト厚み、トナー平均円形度の関係を、式(1)、(2)を満たすように設定することで、圧抜けなどの転写不良と中抜けを同時に防ぐことができることが示された。
実施例2では、一次転写装置として発泡タイプのゴム製一次転写ローラを用いた。ゴム材料としては、例えばNBR、ヒドリン、ポリウレタンなどがあるが、限定しない。
まず、一次転写ローラが両側からスプリングによって感光体に当接する構成としたときの、ローラ硬度を変えた場合のスプリング圧と一次転写当接面圧との関係を調べた。
図6に上記の関係を示す。ローラ硬度がアスカーCで20度以上であった場合には、スプリングの圧力を高くすると、当接面圧が高くなっているのがわかる。硬度が低い場合に当接面圧が低くなっているのは、一次転写ローラのつぶれ量が多くなることで当接面積が大きくなるためである。しかし、ローラ硬度がアスカーCで20度未満であった場合には、スプリング圧力を一定量大きくすると、それ以上は当接面積が大きくなりずらくなっていることがわかる。そのため、当接面圧を調整しづらくなり、転写不良を起こしやすくなる。
次に、一次転写ローラのローラ硬度と、連続通紙させた場合の転写性能の安定性との関係を調べた。
ローラ硬度を20〜80度の範囲でいくつか用意し、それぞれの一次転写ローラを用いて連続通紙したところ、硬度60度を超えた一次転写ローラを用いた場合は、最初に、式(1)、(2)を満たすように中間転写ベルト、当接面圧、トナーを設定したとしても、許容できない中抜けが発生することがあった。逆に、20〜60度の一次転写ローラを用いた場合は、1万枚通紙したところ、中抜けは許容できる範囲内にあった。
これは、硬度20〜60度という、ある程度軟らかい一次転写ローラを用いることで、当接面積が大きくなるため、機械動作時に多少転写圧力や当接幅が変動しても、当接面圧に対しては影響を与えづらくなり、当接面圧が安定することによるものである。
以上より、ローラ硬度がアスカーCで20度以上60度以下の一次転写ローラを用いることにより、式(1)、(2)を満たしていれば、大量の通紙を行った際も、安定して転写抜け・転写ムラや中抜けを防ぐことができることが示された。
実施例3では、一次転写ローラとして、金属製の芯金部材と、部材表面に形成された弾性層から成るものを用いた。また、弾性層の厚みは2mm〜5mmの範囲のものを用いた。
弾性層の厚みが2mm未満であると、金属製の芯金に電圧を印加した場合、芯金と中間転写ベルト10との間に電流のリークが発生しやすくなり、電圧低下が生じることによって転写性が低下する可能性がある。加えて、圧力を加えた場合のつぶれ量が極端に少ないことで、当接面積が小さくなり、実施例2で行ったような安定性評価を行った場合、当接面圧が安定せずに、転写抜け・転写ムラや中抜けを生じやすくなる。また、弾性層の厚みが5mmを超えると、感光体との当接面積が大きくなりすぎることで、当接面圧を調整しづらくなり、転写不良を起こしやすくなる。加えて、芯金に電圧を印加した場合に、電界が転写部で広範囲に作用するため、転写当接領域の前に転写してしまう、いわゆるプレ転写が生じて、画像を乱す可能性がある。
上記のような一次転写ローラを用いることにより、1万枚通紙した時の、転写抜け・転写ムラと中抜けは良好な状態に保つことができた。
10 中間転写ベルト(中間転写体)
14 帯電装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
Claims (4)
- 画像情報に応じたトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体に圧接し複数本のローラに架設された無端状の中間転写ベルトと、
前記像担持体のトナー像を前記中間転写ベルトに転写する一次転写手段と、
前記中間転写ベルトに転写して保持されたトナー像を、記録媒体に一括転写する二次転写手段を有する画像形成装置において、
前記一次転写手段の当接面圧(P)と中間転写ベルト厚み(T)とトナー平均円形度(R)との関係が式(1)を満たし、中間転写ベルト厚み(T)が式(2)を満たし、かつ
前記中間転写ベルトのヤング率が2500MPa以上5000MPa以下である
ことを特徴とする画像形成装置。
1.5T−40≦P≦1.5T+A ………式(1)
40≦T≦200 ………式(2)
(ここで、P:一次転写の当接面圧(g/cm2)、T:中間転写ベルト厚み(μm)、R:トナー平均円形度、A:A=2000R−1800を表す。) - 前記一次転写手段は、前記像担持体のトナー像を前記中間転写ベルトに転写するための一次転写ローラを有し、
前記一次転写ローラのローラ硬度は、アスカーCで20度以上60度以下である
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記一次転写手段は、前記像担持体のトナー像を前記中間転写ベルトに転写するための一次転写ローラを有し、
前記一次転写ローラは金属製の芯金部材と、該芯金部材表面に形成された弾性層から成り、該弾性層の厚みが2mm以上5mm以下である
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の画像形成装置。 - 前記像担持体と前記一次転写手段とは複数あり、
前記複数の像担持体上のトナー像をそれぞれ対応する前記一次転写手段によって前記中間転写ベルトに順次転写する
ことを特徴とする、請求項1、2または3記載の画像形成装置。
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