JP2006138765A - 液滴吐出装置および駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズル5に内包された液面検出センサ6を備えた構成にし,ノズル5先端に残存する液量が吸引される工程,所要量の液量が分注される吐出工程,吐出液滴が切り離される吸引工程の手順をとったものである。
【選択図】図1
Description
従来のピペット式の液滴吐出装置は,所要量の液を吸引するピペット140と,該ピペット140による吸引分注作業を行う液体吸引用シリンジ145と,該液体吸引用シリンジ145とピペット140を連通接続するピペット側流路200の中途に介装された高速プランジャー120と,前記ピペット側流路200に連通接続された圧送流路190と該圧送流路190の終端部に連通接続された加圧・洗浄用シリンジ180と,前記圧送流路190の中途部に介装された切替弁150から構成されており,前記ピペット140で吸引された液は,所要量づつ分注する構成となっている。(特許文献1)
また,液量は高速プランジャーのON状態の開放時間で制御されているが,分注量のばらつきは,液体の表面張力や,分注後にノズル先端に残存する液量が影響するために生じていた。このため,精度良い液量が得られないという問題があった。このような液量のばらつきが生じると,分析結果に定量性が得られず,DNA解析等の定量性を必要とする分析では再試験を行わなければならなくなり,高価な液体が無駄となってしまうという問題が生じていた。
また,シリンジと,ピストン駆動用のステッピングモータと,ピストン移動用のボールねじと,高速ブランジャー等からなるサンプル液の制御システムと,切換バルブとピストン駆動用のステッピングモータとボールねじ等からなる加圧・洗浄システムから構成されており,液体は,2つのシステムにより吐出されていたため装置が大きくなっており,複数の軸で同時に分注作業が行われると,装置が大きいために設置スペースに収まらないという問題が生じていた。
本発明はこのような問題点を鑑みてなされたものであり、液滴が精度良く吐出され,液滴液量のばらつきが小さくでき,小形な液滴吐出装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、シリンジに内包したピストンと,該ピストンに連結したボールねじと,前記,ボールねじを駆動するモータと,液体を吐出するためにシリンジ先端に具備したノズルを備えた液滴吐出装置において,前記ノズルに内包された液面検出センサが備えられたものである。
また,請求項2に記載の発明は,前記液面を検出するセンサが,静電容量を検出する少なくとも1対の金属電極と,前記金属電極に被覆された絶縁層からなり,ノズル先端の内面に具備されたものである。
また,請求項3に記載の発明は,前記ノズルが,ガラスや快削性セラミックなどの絶縁体からなり,先端に少なくとも2つの突起物が形成されたものである。
また,請求項4に記載の発明は,ノズル先端に残存する液量が吸引される吸引工程,所要量の液量が分注される吐出工程,吐出液滴が切り離される吸引工程の手順で処理されるものである。
また,請求項5に記載の発明は,前記吸引,吐出,吸引工程の駆動パターンが,移動量が一定になるように,一定速度領域が加減算により自動演算されるようにしたものである。
また、請求項6に記載の発明は、前記吸引,吐出,吸引工程の駆動パターンが,移動量を一定となるように,減速領域で減速時間が自動演算されるようにしたものである。
また,請求項7に記載の発明は,前記駆動パターンが記憶される駆動パターン保存部と,駆動パターンが生成される指令生成部とからなるものである。
請求項4から6に記載の発明によると,所要量の液量が吐出される工程で,駆動パターンが自動計算で生成されるので,液量のばらつきの減少させる条件が容易に最適化される。
また,請求項7に記載の発明によると,駆動パターンの保存部が備えられたことにより,駆動パターンと液量の関係が容易に比較され,保存された駆動パターンが用いられることで液量の最適化が図れる。
以上のように請求項1から8に記載した発明によると,ノズル先端に残存する液だまりが液面検出センサにより検出され,駆動パターンが最適化されることで,精度良い吐出量を得ることができる。また,ノズル先端に液面検出センサが備えられた簡便な構造からなるので小型化が容易である。
液滴吐出装置は,モータ1に連結されたボールねじ2と,ボールねじ2に螺合したナット21と,ナット21と連結し,かつシリンジ4内を往復運動するピストン3と,シリンジ4に取り付けられたノズル5と,ノズル先端に配置された液面検出センサ6とから構成されている。
モータ1が正逆に回転すると,ボールねじ2に螺合したナット21に連結されたピストン3は,シリンジ4内を往復運動する。シリンジ4の吐出口に具備されたノズル5を通して,液体は吸引,吐出される。液面検出センサ6はノズル5先端の液体の有無を検出する。
液面検出センサ6は図2に示す構成からなる。ノズル5がガラスや快削性セラミック等の絶縁材料で作製されおり,凸部51は,ノズル5先端に対向するように2箇所に設けられている。また,電極61は対向して凸部51に勘合するように配置されている。
ここでは,凸部51を設けた絶縁体からなるノズル5を用いて説明したが,別のノズル形状としては図3に示すように,ノズル5は,先端に凸部51が設けられ,アルミニウムやSUS304などの金属材料からされている。金属電極61は,フッ素樹脂等からなる絶縁層62が金属電極61に被膜されており,ノズル5の凸部51に勘合されている。
また,これとは逆に,金属電極61が金属材料で形成され,金属材料からなるノズル5表面がアルマイト処理やフッ素樹脂被膜等の絶縁処理された膜で形成されても良い。
次にノズル5先端に残存する液量を吸引する吸引工程(図4(b))では,液体は電極61間の静電容量の値がLowの値になるまで吸引される。すなわち,空気の状態になるまで吸引され,液体は,完全にノズル5中に入った状態である。
次に液体が分注される吐出工程(図4(c))では,液体はノズル5先端より吐出され,液滴が形成される。静電容量は液滴が残存する状態で,Highの値を示す。
次に液滴を切り離す吸引工程(図4(d))では,液滴は急激に吸引されることで切断され,図示しない測定容器に滴下される。静電容量は,吸引されることでLowの値を示す。
このように,液体が吐出される前に,ノズル5先端に残存する液量が液面検出センサ6により検出され、ノズル5先端に残存する液体が吸引される工程で,液面検出センサ6で液面が検知されない位置まで液体が吸引されることにより,ノズル5先端に残存する液だまりの大きさに関係なく,吐出液量のばらつきは減少する。また,液体が吐出された後に,液滴を切り離す吸引工程が行われることで,液滴の液切れが良くなり,ノズル5先端の液だまりが生じることがないことにより,吐出液量のばらつきは減少する。
このように,液体が吐出される工程で,設定液量が駆動パターンの自動計算で容易に生成されることにより,液量のばらつきが少ない条件が容易に最適化される。
液量の評価結果と駆動パターンが比較されることで,最適な駆動パターンが図7(b)に示すような速度パターンで得られた場合,この速度パターンデータは,速度パターン保存部75に保存されることで,駆動パターンは最適化される。
このように,ノズル先端に液面検出センサが備えられた簡便な構造からなるので小型化が容易である。また,ノズル先端に残存する液だまりが液面検出センサにより検出され,駆動パターンが最適化されることで,精度良い吐出量が得られる。
2 ボールねじ
21 ナット
3 ピストン
4 シリンジ
5 ノズル
51 凸部
6 液面検出センサ
61 ノズル
62 絶縁層
7 制御装置
71 指令生成部
72 ゲイン調整部
73 電流アンプ
74 エンコーダ信号処理部
75 速度パターン保存部
100 ステッピングモータ
111 ボールねじ
112 駆動筒体
113 ピストンロッド
120 高速プランジャー
130 ステッピングモータ
140 ピペット
145 液体吸引用シリンジ
150 切換弁
160 第2ポート
170 開閉弁
180 加圧・洗浄用シリンジ
190 圧送流路
200 ピペット側流路
Claims (7)
- シリンジに内包されたピストンと,前記シリンジから突出した前記ピストンの端面に連結されたナットと,前記ナットと螺合したボールねじと,前記ボールねじを駆動するモータと,液滴を吐出するために前記シリンジ吐出口先端に具備されたノズルとを備えた液滴吐出装置において,
前記ノズルは液面検出センサを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記液面検出センサは,静電容量を検出する少なくとも1対の金属電極と,前記金属電極に被覆された絶縁層とからなり,前記ノズル先端の内面に具備されたことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 前記ノズルは,ガラスや快削性セラミックなどの絶縁体からなり,先端に少なくとも2つの突起物が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 請求項1項記載の液滴吐出装置の駆動方法であって,前記ノズル先端に残存する液量が吸引される吸引工程,所要量の液量が分注される吐出工程,吐出液滴が切り離される吸引工程の手順で,液滴が吐出されることを特徴とする液滴吐出装置の駆動方法。
- 前記吸引,吐出,吸引工程の駆動パターンは,ピストンの移動量が一定になるように,一定速度領域が加減算により自動演算されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出装置の駆動方法。
- 前記吸引,吐出,吸引工程の駆動パターンは,ピストンの移動量が一定となるように,減速領域で減速時間が自動演算されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出装置の駆動方法。
- 前記駆動パターンが記憶される駆動パターン保存部と,駆動パターンが生成される指令生成部とからなる制御装置を備えたことを特徴とした請求項4乃至6に記載の液滴吐出装置の駆動方法。
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