JP2006138213A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 NOX吸蔵還元触媒のS被毒の発生を防止する。
【解決手段】 内燃機関の排気通路5に、触媒コンバータ7を配置する。触媒コンバータ7はケーシング71内に、排気空燃比がリーンの時に排気中のSOXを吸蔵し排気空燃比がリッチ空燃比になったときに吸蔵したSOXを放出するSOXトラップ73、排気空燃比がリッチ空燃比のときに排気中のHC、CO等から水素を生成する水素生成触媒75、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸蔵し排気空燃比がリッチ空燃比になったときに吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒77、を上流側からこの順に配置する。SOXトラップとNOX吸蔵還元触媒との間に水素生成触媒を配置したことにより、S被毒回復処理時にSOXトラップから放出されたSOXがNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されることが防止されるとともに、NOX吸蔵還元触媒からのSOXの脱離が促進される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
流入する排気の空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOX成分を吸蔵し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になったときに排気中の還元成分を用いて吸蔵したNOXを還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を用いた内燃機関の排気浄化装置が知られている。
ところが、NOX吸蔵還元触媒は排気中にSOX(硫黄酸化物)が存在すると、排気空燃比がリーン空燃比のときにNOXと同様にSOXを吸蔵してしまう。
しかも、SOXはNOX吸蔵成分との親和力が強く、安定した化合物を生成するため、NOX吸蔵還元触媒に一旦SOXが吸蔵されると、単に排気空燃比をリッチ空燃比にした程度ではNOX吸蔵還元触媒から脱離せず、触媒内にSOXが徐々に蓄積されて行くようになる。
すなわち、通常のNOXの吸蔵と還元浄化のための処理ではNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOXは殆ど脱離することがないため、吸蔵したSOX量が増大するとNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力(NOX吸蔵還元触媒が吸蔵可能な最大NOX量)は吸蔵したSOX量に相当する分だけ低下する。このため、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOX量が増大するとNOX吸蔵還元触媒は排気中のNOXを十分に吸蔵することができなくなってしまい、NOXの浄化率が大幅に低下する、いわゆる硫黄被毒(S被毒)が生じる。
NOX吸蔵還元触媒へのS被毒を防止するためには、吸蔵SOX量が増大する前に吸蔵したSOXをNOX吸蔵還元触媒から脱離させSOXの吸蔵量を低減する被毒回復処理を行う必要がある。
ところが、前述したように、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOXはNOXに較べてはるかに安定化しているため、単にNOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比をリッチ空燃比にしたのみではほとんど触媒から脱離しない。
従って、通常、被毒回復処理としては排気の空燃比をリッチ空燃比にするとともに、NOX吸蔵還元触媒を高温(例えば約930度K以上)に維持することが行われている。
上記のように、被毒回復処理では排気の空燃比をリッチ空燃比にするとともに、排気温度を上昇させる等によりNOX吸蔵還元触媒の温度を上昇させる必要があるため、機関に供給する燃料を増大する必要がある。更に、SOXはNOX吸蔵還元触媒から脱離しにくいため、被毒回復処理には比較的長時間を要し、被毒回復処理により機関の燃費が悪化してしまう。また、長時間の被毒回復処理を行うと触媒が高温に曝される時間が増大するため触媒の熱劣化が生じやすくなる問題がある。
被毒回復処理による機関の燃費の悪化を防止するために、NOX吸蔵還元触媒からのSOXの脱離を促進する試みがなされている。
例えば、上記の被毒回復処理時にNOX吸蔵還元触媒に流入する排気中に水素を添加するとNOX吸蔵還元触媒からのSOXの脱離速度が増大し、短時間で被毒回復処理を完了することができることが知られている。また、当然ながら通常のNOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOXの還元浄化の際にも排気中に水素を添加するとNOXの還元速度が大きくなり効率的にNOXの還元浄化を行うことができる。
被毒回復処理時、或いはNOXの還元浄化時に排気に水素を添加する手段としては、水素生成触媒を使用することができる。
後述するように、水素生成触媒は触媒に流入する排気空燃比がリッチ空燃比のときに排気中のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)等と水分とから水性ガスシフト反応等により水素を生成する触媒である。水素生成触媒をNOX吸蔵還元触媒の上流側の排気通路に配置することにより、NOX還元処理時及び被毒回復処理時のリッチ空燃比の排気中に水素を生成し、NOX吸蔵還元触媒に供給することができるためNOX吸蔵還元触媒のNOX浄化率を向上し、S被毒を軽減することができる。
NOX吸蔵還元触媒の上流側の排気通路に水素生成触媒を配置し、NOXの還元或いはS被毒回復処理時にNOX吸蔵還元触媒に水素を供給するようにした排気浄化装置は、例えば特許文献1から特許文献4に記載されている。
特許文献1から4の排気浄化装置では、NOX吸蔵還元触媒の上流側に配置した水素生成触媒により、被毒回復処理時に水素を発生させ短時間で効率的にNOX吸蔵還元触媒の吸蔵したSOXを脱離させるようにしている。
一方、特許文献5は、NOX吸蔵還元触媒の上流側にSOXトラップを設けた排気浄化装置を開示している。
SOXトラップは、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のSOXを吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になったときに吸蔵したSOXを放出するものである。
NOX吸蔵還元触媒上流側にSOXトラップを配置した場合には、NOX吸蔵還元触媒がSOXを吸蔵してしまうリーン空燃比の排気では排気中のSOXは上流側のSOXトラップに吸収されるため、NOX吸蔵還元触媒に到達する排気中のSOX量は極めて少なくなる。このため、下流側のNOX吸蔵還元触媒ではSOXの吸蔵量の増大速度が極めて小さくなり、S被毒回復処理を実行すべき頻度を低く抑えることが出来る。
また、排気空燃比がリッチ空燃比になるとSOXトラップから硫黄が脱離するが、この場合空燃比がリッチ空燃比であるためSOXトラップから脱離したSOXはNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されることなくNOX吸蔵還元触媒を通過するようになる。このため、NOX吸蔵還元触媒の上流側にSOXトラップを配置することにより、S被毒回復処理実行頻度を低く抑え、機関燃料消費量の悪化を防止することが可能となる。
特開2003−13728号公報 特開2004−68623号公報 特開2001−300262号公報 特開2003−10646号公報 特許第3374759号 特開2003−278529号公報
近年、NOX吸蔵能力を増大させた高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒が使用されるようになっている。高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒は、NOXと親和力の高い吸収材を使用することにより、単位体積あたりに吸蔵可能なNOX量を従来に較べて大幅に増大したNOX吸蔵還元触媒である。
ところが、このような高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒を使用した場合には、上述した従来技術のように水素生成触媒やSOXトラップを使用しても短時間で十分にNOX吸蔵還元触媒からSOXを脱離させることができない問題が生じる。
高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒はNOXの吸蔵能力が増大している分だけSOXの吸蔵能力も増大しており、通常のNOX吸蔵還元触媒より更にSOXが吸蔵されやすく、脱離し難くなっている。このため、被毒回復処理時に排気に水素を添加しても、触媒からのSOXの脱離速度は十分に大きくならず、比較的短時間のS被毒回復処理ではNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力が十分に回復するまでにSOXを脱離させることができず、S被毒が発生する問題が生じるのである。
また、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒の場合には、SOXトラップを使用した場合にも同様な問題が生じる。
すなわち、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒は極めてSOXを吸蔵しやすいため、S被毒回復処理時にSOXトラップから比較的高濃度のSOXが放出されると下流側に位置するNOX吸蔵還元触媒ではリッチ空燃比雰囲気であってもSOXを吸蔵してしまうことが判明している。
このため、SOXトラップを使用した場合にも、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒ではS被毒回復処理時に再吸蔵したSOXを短時間でNOX吸蔵還元触媒から脱離させることはできず、S被毒が進行する問題が生じるのである。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒を使用した場合にもS被毒が生じることを防止可能な内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。
本発明によれば、機関排気通路に配置され、流入する排気空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOXを吸収、吸着もしくはその両方により吸蔵し、流入する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したNOXを排気中の還元成分を用いて還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を排気通路に備えた内燃機関の排気浄化装置であって、更に、流入する排気空燃比がリーン空燃比のときに排気中のSOXを吸蔵し、流入する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したSOXを放出するSOXトラップを前記NOX吸蔵還元触媒上流側の排気通路に、流入する排気空燃比がリッチ空燃比のときに排気中の炭化水素または一酸化炭素と水分とから水素を生成する水素生成触媒を前記SOXトラップの下流側かつ前記NOX吸蔵還元触媒の上流側に、それぞれ配置したことを特徴とする、内燃機関の排気浄化装置。
すなわち、本発明の排気浄化装置では、SOXトラップ、水素生成触媒及びNOX吸蔵還元触媒がこの順に排気通路の上流側から配置されている。
これにより、排気空燃比がリッチ空燃比になりSOXトラップからSOXが放出されるときには、同時に水素生成触媒により生成された水素がSOXとともにNOX吸蔵還元触媒に供給されるようになる。
NOX吸蔵還元触媒に供給された水素は、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒においてもSOXトラップから放出されたSOXがNOX吸蔵還元触媒に再吸蔵されることを防止するため、SOXトラップから放出されたSOXは吸蔵されることなくNOX吸蔵還元触媒を通過するようになり、SOXトラップから放出されたSOXによりNOX吸蔵還元触媒にS被毒が進行することが防止される。
また、上流側にSOXトラップを設けたことにより、排気空燃比がリーンのときには排気中のSOXのほとんどはSOXトラップに吸蔵されるため、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒を使用していてもNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるSOXの量はわずかになる。
このため、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOXを脱離させるためのS被毒回復処理の実行頻度はかなり低くなる。
しかも、本発明では、水素生成触媒をSOXトラップの下流側に配置したことにより、水素生成触媒で生成した水素がSOXトラップ上でSOXの還元に消費されることなく直接NOX吸蔵還元触媒に供給されるようになる。このため、S被毒回復処理実施時にも比較的多量の水素がNOX吸蔵還元触媒に供給され、NOX吸蔵還元触媒へのSOXの再吸蔵が防止されるだけでなくNOX吸蔵還元触媒からのSOXの脱離が促進されるため、元々のSOX吸蔵量が少ないことと相俟って、SOXの脱離が完全に行われるようになる。
本発明によれば、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒を用いた場合にもS被毒が生じることを効果的に防止することが可能となる効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用内燃機関に適用した実施形態の概略構成を示す図である。
図1において、1は内燃機関全体を示す。本実施形態では、機関1は、リッチ空燃比からリーン空燃比までの広い空燃比範囲での運転が可能であり、運転領域の大部分でリーン空燃比運転を行うリーンバーン機関とされている。
図1において2は機関の吸気通路、5は機関の排気通路を示す。本実施形態では、排気通路5には触媒コンバータ7が設けられている。
後述するように、本実施形態では触媒コンバータ7は、1つのケーシング内にSOXトラップ、水素生成触媒、NOX吸蔵還元触媒を収納した構成とされている。
図1に30で示すのは、機関1の電子制御ユニット(ECU)である。
ECU30は機関1の燃料噴射制御などの各種制御を行う他、本実施形態では機関1のリーン空燃比運転中に触媒コンバータ7内のNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOX量が所定値まで増大する毎に、燃料噴射弁11からの燃料噴射量を増大して短時間機関1をリッチ空燃比で運転することによりNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXを還元浄化するリッチスパイク操作を行う。
更に、本実施形態ではECU30は、機関1のリーン空燃比運転中に触媒コンバータ内のNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOX量が所定値以上に増大する毎に、排気温度が上昇する条件下で機関1をリッチ空燃比で運転し、触媒コンバータ7に高温かつリッチ空燃比の排気を供給するS被毒回復処理を行う。
S被毒回復処理では、後述するようにSOXトラップからSOXが放出されるとともに、水素生成触媒により生成された水素がNOX吸蔵還元触媒に供給され、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOXが脱離、放出される。
図2は、触媒コンバータ7の詳細を示す図である。
図2に示すように、触媒コンバータ7は、それぞれ排気通路5に接続される排気入口7aと排気出口7bとを有するケーシング71内に、上流側から(排気入口7a側から)SOXトラップ73、水素生成触媒75、NOX吸蔵還元触媒77を直列に配置した構成とされている。
SOXトラップ73は、流入する排気の空燃比がリーンの時に排気中のSOXを吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になったときに吸蔵したSOXを、例えばSO2の形で排気中に放出するものである。
SOXトラップ73としては、例えば、アルミナの担体上にカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCs等のようなアルカリ金属、カルシウムCa等のようなアルカリ土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh、イリジウムIrのような貴金属とを担持したものなどが使用される。
SOXトラップ73は、SOXが排気空燃比がリッチ空燃比になったときに脱離しやすいように、SOXを硫酸イオンSO4 2-の形で、或いは硫酸塩を形成したとしても硫酸塩が安定しない状態でSOXトラップ内に保持する。
例えば、担体上に白金PtとカルシウムCaとを担持させた場合を例に取ると、排気空燃比がリーンのときには、排気中のSOX(例えばSO2)が白金Ptの表面で酸化されつつ硫酸イオンSO4 2-の形で酸化カルシウムCaO内に吸収され拡散し、硫酸カルシウムCaSO4を形成する。ところが、硫酸カルシウムは比較的安定性が低く、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比になり排気中の酸素濃度が低下すると、一定温度以上では容易に分解し(CaSO4→Ca2++SO4 2-)、硫酸イオンSO4 2-がSOX(SO2)の形でSOXトラップから放出される。
このようなSOXトラップ73を触媒コンバータ7内でNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置することにより、排気の空燃比がリーンのときには排気中のSOXがSOXトラップ73に吸蔵され、下流側のNOX吸蔵還元触媒77にはほとんどSOX成分が到達しなくなる。
次に、水素生成触媒75について説明する。
水素生成触媒75は、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比のときに、水性ガスシフト反応(CO+H2O→CO2+H2)、或いは水蒸気改質(HC+H2O→CO2+H2)により、排気中の炭化水素などから水素を生成する触媒である。
水素生成触媒75としては、例えば酸性質担体またはゼオライト担体上に白金Ptを担持させたものが使用される。
水素生成触媒75をNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置したことにより、NOX吸蔵還元触媒77の吸蔵したNOXの還元浄化のためのリッチスパイク操作やNOX吸蔵還元触媒77の吸蔵したSOXを脱離させるためのS被毒回復処理時に排気空燃比がリッチ空燃比にされると、水素生成触媒77により水素が生成され、NOX吸蔵還元触媒77に供給される。
また、NOX吸蔵還元触媒77は、流入する排気空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸蔵し、流入する排気空燃比がリッチ空燃比になったときに吸蔵したNOXを排気中のHCや還元成分により還元浄化するものである。
NOX吸蔵還元触媒77は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK,ナトリウムNa , リチウムLi ,セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa ,カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa ,イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt 、ロジウムRh等のような貴金属とを担持させたものであり、リーン空燃比雰囲気で排気中のNOXを硝酸イオンまたは硝酸塩の形で吸収材(担持したBa等の酸化物)に吸蔵する。
近年の研究ではNOX吸収材として強塩基性のものを使用すると吸収材単位あたりのNOX吸蔵量を増大させることができることが判明しており、吸収材として上記のアルカリ金属のうちカリウムKやナトリウムNa等の強塩基性の成分を担持させた高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒が実際に使用されるようになっている。
ところが、前述したように高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒は、排気中のSOXとの親和力も極めて大きくなっており、通常のNOX吸蔵還元触媒よりも更にSOXが吸蔵されやすく脱離し難くなっている。
このため、前述したように、高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒を使用した場合には、吸蔵したSOXを脱離させることが困難であり、NOX吸蔵還元触媒がS被毒を受けやすくなる問題が生じるのである。
本実施形態では、上記のようにSOXトラップ73をNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置し、更に水素生成触媒75をSOXトラップ73の下流側かつNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置したことにより上記問題を解決している。
前述したように、SOXトラップ73、或いは水素生成触媒75をNOX吸蔵還元触媒77上流側に配置することにより、それぞれ単独でもNOX吸蔵還元触媒77のS被毒の防止にはある程度の効果を得ることができる。
例えば、SOXトラップ73をNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置することにより、機関のリーン空燃比運転中には、排気中のSOXがSOXトラップ73に吸蔵されるため、下流側のNOX吸蔵還元触媒77に到達する排気中にはほとんどSOXが含まれなくなる。
このため、NOX吸蔵還元触媒77のSOXの吸蔵量の増大速度が極めて小さくなり、 S被毒回復処理の間隔を長くすることができる効果がある。
従って、SOXトラップ73をNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置することにより、NOX吸蔵還元触媒77のS被毒回復処理の間隔を長くすることができるため、機関の燃料消費量の増大を抑制することができる。また、これによりS被毒回復処理の実行頻度が減少するため、触媒が高温に曝される機会も減少し、触媒の熱劣化が抑制されるようになる。
ところが、実際には高吸蔵タイプのNOX吸蔵還元触媒をNOX吸蔵還元触媒77として使用したような場合には、SOXを吸蔵しやすく脱離し難い特性を有するため、前述のように排気空燃比がリッチ空燃比の場合であってもSOXトラップ73から比較的高濃度のSOXが放出されるとS被毒による劣化が生じやすくなる問題が生じるのである。
また、前述したように水素生成触媒75をNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置することにより、リッチスパイク操作時にNOXの還元浄化を促進するとともに、S被毒回復処理時にNOX吸蔵還元触媒77からのSOXの脱離を促進することができる。
ところが、、この場合にもNOX吸蔵還元触媒77として高吸蔵タイプのものを使用した場合には、S被毒回復処理時に水素をNOX吸蔵還元触媒77に供給しても、SOXの吸蔵量が大きすぎるため、SOXが脱離しきれずに触媒内に残留してしまいS被毒を完全に回復することができない問題が生じる。
本実施形態では、SOXトラップと水素生成触媒との両方を使用し、SOXトラップの下流側に水素生成触媒を配置したことにより上記の問題を解決している。
本実施形態においてS被毒回復処理が開始されると、触媒コンバータ7には比較的高温かつリッチ空燃比の排気が流入する。
これにより、最上流側に配置されたSOXトラップ73からはSOXが放出され、中段の水素生成触媒75には比較的多量のSOXを含んだリッチ空燃比の排気が流入する。
リッチ空燃比の排気が流入すると、水素生成触媒75では排気中のHC、CO等から水素H2が生成されるようになり、最下流に位置するNOX吸蔵還元触媒77には、リッチ空燃比かつ水素を比較的多量に含む排気が到達するようになる。
前述したように、水素は還元剤として強い還元力を有するためNOX吸蔵還元触媒77内に硫酸塩の形で吸蔵されたSOXの脱離を促進するとともに、排気中のSOXがNOX吸蔵還元触媒77に再吸蔵されることを防止することができる。
このため、NOX吸蔵還元触媒77として高吸蔵タイプのものを使用した場合であっても、SOXトラップから脱離したSOXはNOX吸蔵還元触媒77に吸蔵されることなく触媒77を通過するようになる。
すなわち、本実施形態では水素生成触媒75により生成した水素は、S被毒回復処理時にNOX吸蔵還元触媒にSOXトラップから放出されたSOXが再吸蔵されることを防止する作用と、NOX吸蔵還元触媒77からのSOXの脱離を促進する作用との両方を有しているのである。
上記から判るように、本実施形態の構成上の特徴は単にSOXトラップ73と水素生成触媒75とをNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置しただけでなく、この3つの要素を、上流側からSOXトラップ73、水素生成触媒75、NOX吸蔵還元触媒77の順に配置したことにある。
上述したように、SOXトラップ73からはS被毒回復処理時に比較的多量のSOXが放出される。NOX吸蔵還元触媒77にこの放出されたSOXが吸蔵されることを防止するためには、SOXとともに排気中に比較的多量の水素が含まれるようにする必要がある。
SOXトラップ73と水素生成触媒75とはNOX吸蔵還元触媒77の上流側に配置しなければならないのは当然であるが、SOXトラップ73と水素生成触媒75との位置関係を逆にしたのでは上記のように、SOXトラップから放出されたSOXと水素生成触媒75で生成された水素とを同時にNOX吸蔵還元触媒77に到達させるようにすることはできない。
すなわち、水素生成触媒75をSOXトラップ73の上流側に配置したとすると、S被毒回復処理時に水素生成触媒75で生成した水素は、SOXトラップ73からSOXを放出(脱離)させるのに消費されてしまい、更に下流側のNOX吸蔵還元触媒77にはほとんど到達しなくなってしまう。このため、水素生成触媒75をSOXトラップ73の上流側に配置したのでは、S被毒回復処理時にNOX吸蔵還元触媒77からのSOXの脱離が促進されないだけでなく、SOXトラップ73から放出されたSOXがNOX吸蔵還元触媒77に再度吸蔵されてしまう。
従って、水素生成触媒75は必ずSOXトラップの下流側に配置する必要があるのである。
なお、図2の実施形態では触媒コンバータ7のケーシング71内にSOXトラップ73、水素生成触媒75、NOX吸蔵還元触媒77をこの順に配置、収納しているが、SOXトラップ73、水素生成触媒75、NOX吸蔵還元触媒77は同一のケーシング内に収納する必要はなく、上記の順に排気通路5上に直列に配置されていれば、個別のケーシング内に収納されていても良いことは言うまでもない。
本発明を自動車用内燃機関に適用した実施形態の概略構成を説明する図である。 SOXトラップ、水素生成触媒、NOX吸蔵還元触媒の配置を示す図である。
符号の説明
1 機関本体
5 排気通路
7 触媒コンバータ
30 ECU(電子制御ユニット)
73 SOXトラップ
75 水素生成触媒
77 NOX吸蔵還元触媒

Claims (1)

  1. 機関排気通路に配置され、流入する排気空燃比がリーン空燃比のときに排気中のNOXを吸収、吸着もしくはその両方により吸蔵し、流入する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したNOXを排気中の還元成分を用いて還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を排気通路に備えた内燃機関の排気浄化装置であって、
    更に、流入する排気空燃比がリーン空燃比のときに排気中のSOXを吸蔵し、流入する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比のときに吸蔵したSOXを放出するSOXトラップを前記NOX吸蔵還元触媒上流側の排気通路に、
    流入する排気空燃比がリッチ空燃比のときに排気中の炭化水素または一酸化炭素と水分とから水素を生成する水素生成触媒を前記SOXトラップの下流側かつ前記NOX吸蔵還元触媒の上流側に、
    それぞれ配置したことを特徴とする、内燃機関の排気浄化装置。
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