JP2006134501A - 位相同期装置及びデータ再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は適切な初期位相誤差を算出することにより短時間で位相を同期できるようにする。
【解決手段】
本発明は、入力信号xkの位相を複数通りに変化させたシフトパターンiの位相変化信号θi(k)を生成するインターポレータ10と、各シフトパターンiにおける位相誤差Δτi′(k)をそれぞれ検出する位相誤差検出器70siと、各シフトパターンiにおける複数の位相誤差Δτi′(k)を基に平均値AViと標準偏差σiとをそれぞれ算出する平均算出器71si及び標準偏差算出器72siと、位相誤差Δτi′(k)の標準偏差σiが最小となるシフトパターンiにおける平均値AViを基に初期サンプリング位相μzprを算出する初期位相算出器75と、当該初期サンプリング位相μzprに応じて現位相を目標位相に近づけるインターポレータ10とを設けるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は位相同期装置及びデータ再生装置に関し、例えばタイミングリカバリを行うPLL(Phase Locked Loop)回路を用いてディジタル信号を検出しデータを再生する光ディスク再生装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置や磁気ディスク装置等においては、光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体から読み出したアナログの再生RF(Radio Frequency)信号を基にディジタルデータを高精度に判別することにより、記録されたデータを正確に再生し得るようになされている。
特に近年の光ディスク装置や磁気ディスク装置等においては、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)等のPLL(Phase Locked Loop)における位相誤差を検出するための判定指示型の検出方式等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
ここで図13に示すように、アナログ信号を基にディジタルデータを検出する際には、実際にサンプリングする現位相を当該アナログ信号における所定の目標位相(図中に○印で示す)に同期させて正確にサンプリングすることが望ましく、このために一般的にPLL回路が用いられている。ちなみにこのアナログ信号はPR(1221)方式によりPR等化されたものである。
この場合PLL回路は、最初の時点では現位相が目標位相に同期していなかったとしても、当該PLL回路のループ処理を繰り返すことにより当該現位相と当該目標位相との位相誤差を徐々に小さくしていき、最終的に当該現位相と当該目標位相とを同期させる。例えばPLL回路は、図13に示したように、○印で示した目標位相Pjに対して□印で示した現位相が初期位相Psのように位相誤差を有している場合、当該現位相を当該初期位相Psから当該目標位相Pjへ徐々に近づけながら同期させていく。
すなわちPLL回路は、位相誤差を徐々に縮小していくため、初期位相Psと目標位相Pjとの位相誤差が比較的大きい場合には最終的に現位相と目標位相とを同期させるまで時間を要することになるが、逆に初期位相Psと目標位相Pjとの位相誤差が比較的小さい場合には、当該現位相と当該目標位相とを短時間で同期させることができる。
ここで光ディスク装置や磁気ディスク装置は、このPLL回路において現位相と目標位相とを同期させることによって初めてデータを読み出すことができるため、当該データの読み出しをできるだけ早く完了するべく、当該現位相と当該目標位相との同期をできるだけ短時間で完了することが望ましい。
そこで、例えばPR4MLにおいて位相誤差を検出する例が非特許文献2により提案されており、さらにこの中で図14に示すような既知のNRZパターン(例えば「+1、+1、−1、−1、+1、+1、−1、−1、……」のようなパターン、以下これを2Tパターンと呼ぶ)が記録されている場合の引き込み用検出方式としてVTD(Variable Threshold Decision)も提案されている。
特に磁気ディスク装置等のように、各セクタの先頭にPLL引き込み用の2Tパターンのような既知のNRZパターンが記録されており、この2TパターンからPLLを開始する場合、VTDを用いて位相誤差を検出し、検出した位相誤差に応じて初期位相を調整してから実際のPLLを開始する、いわゆるZPR(Zero Phase Restart)を行うことにより、引き込み動作を短時間で完了することが出来る。
KURTH H. MUELLER, "Timing Recovery in Digital Synchronous Data Receivers", IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS, VOL.COM-24, NO.5, MAY 1976 VOL.10, NO.1, JANUARY 1992 Roy D. Cideciyan, "A PRML System for Digital Magnetic Recording",IEEE JOURNAL ON SELECTED AREAS IN COMMUNICATIONS, VOL.10, NO.1, JANUARY 1992
これに対して光ディスク装置においては、一般に2Tパターンのような既知のNRZパターンが記録される頻度が低く、光ディスクにおけるトラック上の任意の箇所から(すなわち既知のNRZパターンではない)データを読み出し始める場合が多いため、既知パターンからの読み出しの開始を前提としたVTD等を用いてZPRを行うことができなかった。
このため光ディスク装置においては、ランダムなタイミングでPLLを開始せざるを得ず、初期位相と目標位相との位相誤差が大きい場合、現位相と当該目標位相とを同期させるまでに長い時間を要してしまい、データを再生するまでに時間がかかってしまうという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、適切な初期位相誤差を算出することにより短時間で位相の同期が可能な位相同期装置、位相同期方法及びデータ再生装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の位相同期装置においては、アナログの入力信号を周期的にサンプリングしてディジタルデータに変換する際の目標位相と実際にサンプリングする現位相との位相誤差を基に当該現位相を当該目標位相に近づける処理を繰り返すことにより最終的に当該現位相と当該目標位相とを同期させる位相同期装置において、入力信号を複数種類の遅延量だけ遅延させることにより当該入力信号の位相を複数通りに変化させた複数種類の位相変化信号でなる位相変化信号群を生成する信号遅延手段と、位相変化信号における目標位相と現位相との位相誤差をそれぞれ検出する位相誤差検出手段と、位相誤差検出手段によって位相変化信号毎にそれぞれ複数検出された位相誤差を基に、当該位相誤差の平均値及びばらつき度合いを当該位相変化信号毎にそれぞれ算出する統計値算出手段と、位相誤差のばらつき度合いを最も小さくする位相変化信号を選択し、当該選択された位相変化信号における位相誤差の平均値を基に、現位相と目標位相との差を表す予測値である初期位相誤差を算出する初期位相誤差算出手段と、初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づける位相制御手段とを設けるようにした。
これにより、入力信号の位相を複数通りに変化させた位相変化信号のうち位相誤差のばらつきが最も小さいものを目標位相に最も近い位相変化信号として選択し、当該選択された位相変化信号を基に初期位相誤差を算出することができるので、当該初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づけた状態から、当該現位相を当該目標位相に近づける処理の繰返回数を大幅に削減して短時間で同期させることができる。
また本発明の位相同期方法においては、アナログの入力信号を周期的にサンプリングしてディジタルデータに変換する際の目標位相と実際にサンプリングする現位相との位相誤差を基に当該現位相を当該目標位相に近づける処理を繰り返すことにより最終的に当該現位相と当該目標位相とを同期させる位相同期装置において、入力信号を複数種類の遅延量だけ遅延させることにより当該入力信号の位相を複数通りに変化させた複数種類の位相変化信号でなる位相変化信号群を生成する信号遅延ステップと、位相変化信号における目標位相と現位相との位相誤差をそれぞれ検出する位相誤差検出ステップと、位相誤差検出ステップによって位相変化信号毎にそれぞれ複数検出された位相誤差を基に、当該位相誤差の平均値及びばらつき度合いを当該位相変化信号毎にそれぞれ算出する統計値算出ステップと、位相誤差のばらつき度合いを最も小さくする位相変化信号を選択し、当該選択された位相変化信号における位相誤差の平均値を基に、現位相と目標位相との差を表す予測値である初期位相誤差を算出する初期位相誤差算出ステップと、初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づける位相制御ステップとを設けるようにした。
これにより、入力信号の位相を複数通りに変化させた位相変化信号のうち位相誤差のばらつきが最も小さいものを目標位相に最も近い位相変化信号として選択し、当該選択された位相変化信号を基に初期位相誤差を算出することができるので、当該初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づけた状態から、当該現位相を当該目標位相に近づける処理の繰返回数を大幅に削減して短時間で同期させることができる。
さらに本発明のデータ再生装置においては、デアナログの入力信号を周期的にサンプリングしてディジタルデータに変換する際の目標位相と実際にサンプリングする現位相との位相誤差を基に当該現位相を当該目標位相に近づける処理を繰り返すことにより最終的に当該現位相と当該目標位相とを同期させてデータを再生するデータ再生装置において、入力信号を複数種類の遅延量だけ遅延させることにより当該入力信号の位相を複数通りに変化させた複数種類の位相変化信号でなる位相変化信号群を生成する信号遅延手段と、位相変化信号における目標位相と現位相との位相誤差をそれぞれ検出する位相誤差検出手段と、位相誤差検出手段によって位相変化信号毎にそれぞれ複数検出された位相誤差を基に、当該位相誤差の平均値及びばらつき度合いを当該位相変化信号毎にそれぞれ算出する統計値算出手段と、位相誤差のばらつき度合いを最も小さくする位相変化信号を選択し、当該選択された位相変化信号における位相誤差の平均値を基に、現位相と目標位相との差を表す予測値である初期位相誤差を算出する初期位相誤差算出手段と、初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づける位相制御手段とを設けるようにした。
これにより、入力信号の位相を複数通りに変化させた位相変化信号のうち位相誤差のばらつきが最も小さいものを目標位相に最も近い位相変化信号として選択し、当該選択された位相変化信号を基に初期位相誤差を算出することができるので、当該初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づけた状態から、当該現位相を当該目標位相に近づける処理の繰返回数を大幅に削減して短時間で同期させることができ、データの再生を直ちに開始することができる。
本発明によれば、入力信号の位相を複数通りに変化させた位相変化信号のうち位相誤差のばらつきが最も小さいものを目標位相に最も近い位相変化信号として選択し、当該選択された位相変化信号を基に初期位相誤差を算出することができるので、当該初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づけた状態から、当該現位相を当該目標位相に近づける処理の繰返回数を大幅に削減して短時間で同期させることができ、かくして適切な初期位相を算出することにより短時間で位相の同期が可能な位相同期装置及び位相同期方法を実現できる。
また本発明によれば、入力信号の位相を複数通りに変化させた位相変化信号のうち位相誤差のばらつきが最も小さいものを目標位相に最も近い位相変化信号として選択し、当該選択された位相変化信号を基に初期位相誤差を算出することができるので、当該初期位相誤差に応じて現位相を目標位相に近づけた状態から、当該現位相を当該目標位相に近づける処理の繰返回数を大幅に削減して短時間で同期させると共にデータの再生を直ちに開始することができ、かくして適切な初期位相を算出することにより短時間で位相の同期が可能なデータ再生装置を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)光ディスク装置の全体構成
図1において、1は全体として本発明による光ディスク装置の構成を示しており、図示しない外部装置等からデータの読出要求を受け付けると、ブルーレイディスク(商標)でなる光ディスク100に記録されているデータを読み出して再生し、その再生データを当該外部装置へ送出し得るようになされている。
データ再生装置としての光ディスク装置1は、制御部2により全体を統括制御しており、レーザピックアップ3によりレーザ光を光ディスク100へ照射させると共にその反射光を基に再生RF(Radio Frequency)信号を生成させて、これをアンプ4によって増幅し、さらにAGC(Auto Gain Control)回路5により信号レベルを調整した後、これを位相同期部6へ供給する。なお以下の説明では、当該位相同期部6へ供給される再生RF信号を特に入力信号xk(ただしkはクロックを表す)と呼ぶ。
位相同期部6は、入力信号xkのタイミング調整や補間等を行うITR(Interpolated Timing Recovery)回路を構成しており、入力信号xkを基にPLL(Phase Locked Loop)回路を用いたサンプリング位相の同期及びPR(Partial Response)等化器による信号波形の整形を行いながら、AGC回路5へゲインのフィードバック制御用の信号を送出すると共に、出力信号yk′を最尤復号器7へ供給する。
最尤復号器7は、位相同期部6から供給された出力信号yk′を基に最尤(ML:Maximum Likelihood)復号処理を行い、その結果得られた復号データを復調回路8へ供給する。
復調回路8は、最尤復号器7から供給された復号データに対して所定の復調処理を施すことにより再生データを生成し、データの読出要求を受け付けた外部装置へ当該再生データを送出する。
このように光ディスク装置1は、光ディスク100から読み出した再生RF信号に対してPLL回路による位相の同期を行うと共にPR等化を行い、さらに最尤復号した後に復調して再生データを生成するようになされている。
(2)位相同期部の構成
次に、位相同期部6の構成について説明する。位相同期装置としての位相同期部6は、図2に示すようにPLL回路のループ内にPR等化部11を組み込んだ構成を有しており、まずAGC回路5(図1)から供給された入力信号xkをインターポレータ10へ供給する。
インターポレータ10は、基本動作として、NCO(Number Controlled Oscillator)回路14から供給されるサンプリング位相μk(詳しくは後述する)に基づき、入力信号xkをサンプリングする際の位相(以下、これを現位相と呼ぶ)を変化させることにより位相変化信号θ0(k)を生成し、これをPR等化部11へ送出するようになされている。
PR等化部11のPR等化器11s0は、位相変化信号θ0(k)に対してPR等化処理を施すことにより、符号間干渉を前提とした上でサンプリング位相における位相変化信号θ0(k)の値(以下、これをサンプル値と呼ぶ)が整数比となるように波形を整形して等化波形信号ykを生成し、当該等化波形信号ykを位相誤差検出器12へ送出する。
位相誤差検出器12は、等化波形信号ykを基に、所定の目標位相と現位相との位相誤差に応じて位相誤差信号Δτ′kを検出し、これをLPF(Low Pass Filter)回路13へ送出する。
LPF回路13は、非特許文献2のように制御工学的に2次の制御ループを構成してサンプリング位相を更新するためのタイミング差を算出する回路であり、位相誤差信号Δτ′kの低域成分を抽出することによりタイミング差νkを算出し、これをNCO回路14へ送出する。
NCO回路14は、アナログのPLL回路におけるVCO(Voltage Controlled Oscillator)に相当するものであり、タイミング差νkに基づいてサンプリング位相μkを生成し、これをインターポレータ10へ供給する。これに応じてインターポレータ10は、新たに供給されたサンプリング位相μkを基に、新たな入力信号xkの位相を変化させる。
このように位相同期部6は、インターポレータ10、PR等化部11、位相誤差検出器12、LPF回路13、及びNCO回路14によってディジタルPLL回路を構成しており、現位相と目標位相との位相誤差を検出して当該現位相を当該目標位相に近づけるといった一連のループ処理を繰り返すことにより、当該現位相を当該目標位相に徐々に近づけ、最終的に同期させるようになされている。
さらに位相同期部6は、このディジタルPLL回路における一連のループ処理を開始する前に、予め現位相を目標位相に近づけておくZPR(Zero Phase Restart)回路15を有している(詳しくは後述する)。
(3)本発明の基本原理
ここで本発明の基本原理について説明する。図13に○印で示したように、アナログの再生RF信号を基にディジタルデータを検出する場合、所定の目標位相に同期してサンプリングする必要がある。
しかしながら光ディスク100等からデータを読み出す際、磁気ディスク等とは異なりトラック上の任意の箇所からデータを読み出し始める可能性が高く、当該磁気ディスクのように既知パターンを基に位相を同期させる手法を適用することができない。
このため、位相同期部6においてディジタルPLL回路によるループ処理を開始する時点における現位相と目標位相との位相誤差(以下、これを初期位相誤差と呼ぶ)が非常に大きくなってしまう可能性がある。このような場合、当該位相同期部6は、ディジタルPLL回路により現位相を目標位相に徐々に近づけていくため、当該現位相を当該目標位相に同期させるまでに多くの時間を要することになってしまう。
ここで、実際の現位相と目標位相との位相誤差を高精度に算出することができれば、当該位相誤差に基づいて初期位相誤差を極めて小さく抑えることができ、位相の同期に要する時間を格段に短縮できると考えられる。
しかしながら図2に示した位相誤差検出器12は、位相誤差が比較的小さい場合には当該位相誤差を精度良く検出することができるものの、当該位相誤差が比較的大きい場合には当該位相誤差を正しく検出できずに検出値をばらつかせてしまう可能性が高く、またノイズ等の影響によって位相誤差を誤って検出する可能性もあった。
このため位相同期部6は、位相誤差検出器12のみでは初期位相誤差を確実に小さくし得るような初期位相を高精度に定めることができないという問題があった。
そこで本発明においては、この位相誤差検出器12における「位相誤差が比較的小さい場合には当該位相誤差がまとまった値となり、位相誤差が比較的大きい場合には当該位相誤差の値がばらつく」といった特性を積極的に利用する。
具体的には、位相同期部6において、インターポレータ10により位相を所定の割合ずつ変化させた(以下、このときの各位相をそれぞれ「シフトパターンn」(nは整数)と呼ぶ)複数種類の位相変化信号を生成し、後述するZPR回路15により位相誤差検出器12と同等の位相誤差検出器を用いて各シフトパターンにおける位相誤差をそれぞれ算出する。
このように複数種類の位相変化信号を生成するのは、仮に現位相と目標位相との位相誤差が大きい場合であっても、現位相から位相を様々に変化させた複数のシフトパターンの中には、当該位相誤差が小さくなるものが必ず存在することになるからである。
さらに位相同期部6において、現位相を強制的に固定した状態で、各シフトパターンにおける1クロック毎の位相誤差を複数クロックに渡ってそれぞれ算出し、シフトパターン毎に位相誤差を統計して平均値及び標準偏差をそれぞれ算出する。この場合、標準偏差の大きさは位相誤差の値のばらつきの大きさを表すことになる。
ここでZPR回路15の位相誤差検出器は、上述したように、位相誤差が比較的小さい場合には当該位相誤差の値がまとまるものの、当該位相誤差が比較的大きい場合には当該位相誤差の値がばらつくことになる。
すなわち、標準偏差が比較的大きく位相誤差の値がばらついているシフトパターンは、その位相が目標位相から離れている可能性が高く、反対に標準偏差が比較的小さく位相誤差の値がまとまっているシフトパターンは、その位相が目標位相に近い可能性が高い。
そこで位相同期部6は、標準偏差が最も小さいシフトパターンが最も目標位相に近いとみなし、このシフトパターンにおける位相誤差の平均値を基に初期位相誤差を求めるようにした。
これにより位相同期部6は、初期位相誤差を基に現位相を変化させることにより、当該現位相を目標位相に極めて近づけることができるので、最初から位相誤差を非常に小さくした状態で位相の同期処理を開始することができ、極めて短い時間で現位相を目標位相に同期させることができる。
(4)各回路の構成
次に、位相同期部6を構成する各回路について順次説明する。
(4−1)インターポレータ及びPR等価回路の構成
インターポレータ10(図2)は、まずNCO回路14から供給されたサンプリング位相μkに基づき、クロックkにおける入力信号xkの位相を変化させて位相変化信号θ0(k)を生成するようになされている(以下、位相変化信号θ0(k)の位相をシフトパターン0と呼ぶ)。
さらにインターポレータ10は、当該位相変化信号θ0(k)を基に1周期の0%〜100%の範囲内でタイミング分割数N=11より1少ない10等分した割合ずつ(すなわち10%ずつ)位相を変化させる(以下、各位相をそれぞれシフトパターン1〜10と呼ぶ)ことにより、10個のシフトパターンの位相変化信号θ1(k)〜θ10(k)を生成するようになされている。
なお位相を100%変化させることは位相を0%変化させる(すなわち位相を変化させない)ことと同義であり、シフトパターン10は実質的にシフトパターン0と同一となる。このためインターポレータ10は、シフトパターン10については以降の処理や計算等を行う必要がないため、10通りのシフトパターン0〜9における位相変化信号θ0(k)〜θ9(k)を後段のPR等化部11へ出力するようになされている。
ちなみにインターポレータ10は、入力信号xkに対して、本来のデータの周期であるデータ周期Ti[sec]よりも短い周期でなるサンプリング周期Ts[sec]でのサンプリング、すなわちオーバーサンプリングを行うことにより、当該入力信号xkに含まれる情報をもれなく取り込むようになされている。このときのデータ周期Ti[sec]とサンプリング周期Ts[sec]との比でなるオーバーサンプリングレートεは、次式
Figure 2006134501
のように定義される。
実際上インターポレータ10は、図3に示すように、LタップのFIR(Finite Impulse Response)フィルタ部20と、当該FIRフィルタ部20における補間フィルタ係数hi(j)を算出する補間フィルタ係数算出部21とにより構成されている。
補間フィルタ係数算出部21は、NCO回路14(図2)から供給されるサンプリング位相μkを基に、位相変化範囲の上限である1周期の100%を小数で表したときの上限値R(すなわちR=1)、及びsinc関数を用いて補間フィルタ係数hi(j)(ただし0≦i≦9、0≦j≦L−1)を次式
Figure 2006134501
に基づいて算出し、補間フィルタ係数hi(j)をそれぞれFIRフィルタ部20へ供給する。
FIRフィルタ部20は、AGC回路5(図1)から供給される入力信号xkを遅延部としての(L−1)個のシフトレジスタ22s1〜22s(L−1)によって順次シフトしていくことにより、1クロック前の入力信号x(k−1)から(L−1)クロック前の入力信号x(k−(L−1))までをそれぞれ取り込んで保持(ラッチ)するようになされている。
またFIRフィルタ部20は、信号算出部としての第1算出回路23において、L個の乗算器24s0〜24s(L−1)に入力信号xk及びシフトレジスタ22s1〜22s(L−1)によりそれぞれ保持している過去の入力信号x(k−1)〜x(k−(L−1))をそれぞれ入力し、補間フィルタ係数算出部21で算出されたL個の補間フィルタ係数h0(0)〜h0(L−1)とそれぞれ掛け合わせ、これらを加算器25によって足し合わせることにより、次式
Figure 2006134501
においてi=0とした場合の(すなわちシフトパターン0の)位相変化信号θ0(k)を生成し、これをPR等化部11(図2)へ送出する。
同時にFIRフィルタ部20(図3)は、信号算出部としての第2算出回路26において、第1算出回路23と同様に、L個の乗算器27s0〜27s(L−1)に入力信号xk及びシフトレジスタ22s1〜22s(L−1)によりそれぞれ保持している過去の入力信号x(k−1)〜x(k−(L−1))をそれぞれ入力し、補間フィルタ係数算出部21で算出されたL個の補間フィルタ係数h1(0)〜h1(L−1)とそれぞれ掛け合わせ、これらを加算器28によって足し合わせることにより、上述した(3)式においてi=1とした場合の演算を行ってシフトパターン1の位相変化信号θ1(k)を生成し、これをPR等化部11(図2)へ送出する。
ここでFIRフィルタ部20は、シフトレジスタ22を一組(すなわち(L−1)個)のみ用いて過去の入力信号x(k−1)〜x(k−(L−1))を第1算出回路23及び第2算出回路26の両方へ供給するようになされており、この結果、当該シフトレジスタ22を複数の算出回路で共有することにより構成を簡素化することができる。
さらにFIRフィルタ部20は、上述した第2算出回路26と同様の構成でなる算出回路を他に8回路有しており(図示せず)、シフトパターン2〜9の位相変化信号θ2(k)〜θ9(k)についてもそれぞれ同様に算出し、これらを全てPR等化部11(図2)へ送出する。
このようにインターポレータ10は、NCO回路14から供給されたサンプリング位相μkに基づいて入力信号xkの位相を変化させたシフトパターン0の位相変化信号θ0(k)を生成すると共に、当該位相変化信号θ0(k)の位相を9通りに変化させたシフトパターン1〜9の位相変化信号θ1(k)〜θ9(k)を生成し、これらの位相変化信号θ0(k)〜θ9(k)を全てPR等化部11へ送出するようになされている。
PR等化部11(図2)は、PR等化器11s0〜11s9によって構成されており、インターポレータ10から供給された位相変化信号θ0(k)〜θ9(k)に対してそれぞれPR等化処理を施すことにより10種類の等化波形信号yk0〜yk9を生成し、これらをZPR回路15へ供給する。
実際上PR等化器11s0〜11s9は、それぞれタップ数FのFIRフィルタによって構成され、それぞれPR(1221)のPR等化処理を施すようになされている。
またPR等化部11は、シフトパターン0の位相変化信号θ0(k)にPR等化処理を施した等化波形信号yk0(以下、この等化波形信号yk0を特に等化波形信号ykと呼ぶ)を位相誤差検出器12(図2)へ送出すると共に、位相が50%ずれたシフトパターン4の位相変化信号θ4(k)にPR等化処理を施した等化波形信号yk4を位相同期部6の出力信号yk′として最尤復号器7(図1)へ送出するようになされている。
ちなみにPR等化部11は、PR(1221)のように値「0」をとり得るPR等化クラスの場合には、等化波形信号yk4を出力信号yk′として最尤復号器7へ送出し、PR(111)のように値「0」をとり得ないPR等化クラスの場合には、等化波形信号yk0を出力信号yk′として最尤復号器7へ送出するようになされている(詳しくは後述する)。
(4−2)位相誤差検出器の構成
次に位相誤差検出器12について説明する。図4に示すように、位相誤差検出器12は、PR等化部11から供給されたシフトパターン0の等化波形信号ykをゼロクロス検出器30、シフトレジスタ31及び乗算器34へ供給する。
ゼロクロス検出器30は、等化波形信号ykの符号が変化したか否か、すなわち当該等化波形信号ykのゼロクロスを検出し、その検出結果を表すゼロクロス結果akをシフトレジスタ33、乗算器32及び出力回路36へ供給する。
シフトレジスタ31は、等化波形信号ykを1クロック分遅延させることにより等化波形信号y(k−1)を生成し、これを乗算器32へ供給する。同様にシフトレジスタ32は、ゼロクロス結果akを1クロック分遅延させることによりゼロクロス結果a(k−1)を生成し、これを乗算器34へ供給する。
なおシフトレジスタ31及び32は、NCO回路14から供給されるイネーブル信号en(詳しくは後述する)によって動作を制御されており、当該イネーブル信号enが「1」のときのみ入力データを取り込んで保持し、「0」のときには入力データを取り込まないようになされている。
乗算器32は、等化波形信号y(k−1)とゼロクロス結果akとを掛け合わせることにより乗算値d32を生成し、これを加算器35へ供給する。また乗算器34は、等化波形信号ykとゼロクロス結果a(k−1)とを掛け合わせることにより乗算値d34を生成し、これを加算器35へ供給する。
加算器35は、乗算器32から供給された乗算値d32と乗算器34から供給された乗算値d34とを加算することにより、次式
Figure 2006134501
によって表される位相誤差Δτkを算出して、これを出力回路36へ供給する。ここで位相誤差Δτkは、シフトパターン0の等化波形信号yk0における現位相と目標位相との位相誤差を表している。
また出力回路36は、シフトレジスタ33からゼロクロス結果a(k−1)の供給を受け、さらにZPR回路15(図2)からzprイネーブル信号ez(詳しくは後述する)を取得する。
そして出力回路36は、zprイネーブル信号ezが「high」であり、かつゼロクロス結果akとゼロクロス結果a(k−1)とが一致しなかった場合、すなわち等化波形信号ykの符号が1クロック前の等化波形信号y(k−1)から変化した(ゼロクロスした)場合のみ位相誤差Δτkを、それ以外の場合は全て値「0」を、位相誤差Δτ′kとして出力する。
また出力回路36は、zprイネーブル信号ezが「low」である間は、位相誤差Δτkやゼロクロス結果akの値に関わらず、常に値「0」を出力することにより、後段のLPF回路13に対して現位相の位相誤差が0であると「騙す」ことになる。これにより位相同期部6は、現位相を変化させずに固定させておくことができる(詳しくは後述する)。
このように位相誤差検出器12は、等化波形信号ykを基に位相誤差Δτkを算出し、zprイネーブル信号ez、ゼロクロス結果ak及びa(k−1)に応じて、当該位相誤差Δτk又は値「0」を位相誤差Δτ′kとして後段のLPF回路13へ送出するようになされている。
(4−3)LPF回路の構成
次に、LPF回路13の構成について説明する。図5に示すように、LPF回路13は、まず位相誤差検出器12から供給された位相誤差Δτ′kを乗算器40及び乗算器41へ送出する。
乗算器40は、位相誤差Δτ′kに所定の係数αを乗じて乗算値d40を生成し、これを加算器45へ供給する。また乗算器41は、位相誤差Δτ′kに所定の係数ρを乗じて乗算値d41を生成し、これを加算器42へ供給する。
加算器42は、シフトレジスタ43により保持されている1クロック前の加算器42の出力信号である遅延値d43と乗算器41から供給される乗算値d41とを加算して加算値d42を生成し、これをシフトレジスタ43及び44へ供給する。
シフトレジスタ44は、加算値d42を1クロック分遅延させることにより、次式
Figure 2006134501
によって表される位相差信号ΔTkを算出し、これを加算器45へ供給する。
ちなみにシフトレジスタ43及び44は、位相誤差検出器12におけるシフトレジスタ31及び32(図4)と同様に、NCO回路14から供給されるイネーブル信号enにより動作を制御されるようになされている。
加算器45は、乗算器40から供給される乗算値d40とシフトレジスタ44から供給される位相差信号ΔTkとを加算することにより、次式
Figure 2006134501
によって表されるタイミング差νkを算出する。
このタイミング差νkは、位相誤差Δτ′kから所定の係数α及び係数ρによって定められるカットオフ周波数以下の低域成分のみを抽出したものであり、インターポレータ10(図2)においてサンプリングを行うタイミング(すなわち現位相)を変化させる際の、現位相と変化後の位相とのタイミング差を表している。
このようにLPF回路13は、位相誤差Δτ′kを基にタイミング差νkを算出し、これをNCO回路14へ送出するようになされている。
(4−4)NCO回路の構成
次に、NCO回路14について説明する。図6に示すように、NCO回路14は、まず加算器50によってLPF回路13から供給されたタイミング差νkを「1」から差し引くことにより周波数誤差d50を生成し、さらに乗算器51によって当該周波数誤差d50にオーバーサンプリングレートεを乗じることによりオーバーサンプリング周波数比で補正した補正周波数誤差d51を生成し、これを加算器52へ供給する。
ここで補正周波数誤差d51は、整数部が2ビット、小数部が6ビットの合計8ビットで表される2進数となっているが、実際上、整数部のビット数は2ビットに限らず、NCO回路14内の処理においてオーバーフローしない程度のビット数であればよい。
続いてNCO回路14は、加算器52によって、補正周波数誤差d51(8ビット)にサンプリング位相μk(小数・6ビット)を加算し、さらにZPR回路15から取得した初期サンプリング位相μzpr(後述する)を加算器53によって加算することにより、ゼロフェーズリスタート分補正されたサンプリング位相である周波数誤差積分値d53を生成する。
ここで加算器53は、補正周波数誤差d51と同様に整数部が2ビット、小数部が6ビットの合計8ビットの2進数でなる周波数誤差積分値d53のうち、小数部6ビットを次のクロックにおけるサンプリング位相μ(k+1)としてシフトレジスタ54へ供給する。すなわちサンプリング位相μ(k+1)は、整数「1」による剰余演算を表す記号「mod−1」を用いることにより、次式
Figure 2006134501
のように表すことができる。
ちなみにNCO回路14は、上述したように周波数誤差積分値d53のうち小数部6ビットのみを直接取り出してサンプリング位相μ(k+1)としているため、(7)式における剰余演算を実際に行う必要は無く、当該サンプリング位相μ(k+1)を簡易な処理によって高速に生成することができる。
シフトレジスタ54は、イネーブル信号enによる制御の下でサンプリング位相μ(k+1)を保持し、現クロックのサンプリング位相μk(小数・6ビット)を出力する。
このようにNCO回路14は、加算器52−加算器53−シフトレジスタ54のループを1クロック毎に繰り返すことにより、サンプリング位相μkを累積加算して次のクロックにおけるサンプリング位相μ(k+1)を生成する。
なおサンプリング位相μkは、矩形波でなるディジタル信号の1周期毎の「間隔」を数値(6ビットの小数)によって示したものであり、インターポレータ10において現位相を変化させる際に用いられる。
また加算器53は、周波数誤差積分値d53のうち整数部2ビットを整数値pとしてイネーブル信号生成部55の切換器56へ送出する。ここで整数値pは、整数除算(int)を用いて次式
Figure 2006134501
のように表すことができ、また当該整数値pの2ビットのうち、上位1ビットは実質的にイネーブルを表している。
ちなみにNCO回路14は、サンプリング位相μ(k+1)の場合と同様に、周波数誤差積分値d53のうち整数部2ビットのみを直接取り出して整数値pとしているため、(8)式における整数除算を実際に行う必要は無く、当該整数値pを簡易な処理によって高速に生成することができる。
切換器56はイネーブル信号enによって制御されており、当該イネーブル信号enが「1」の場合、整数値pをレジスタ57へ供給し、当該イネーブル信号enが「0」の場合、加算器58から供給される加算値d58を当該レジスタ57へ供給する。
レジスタ57は、サンプリングのタイミングと同期して切換器56から供給される信号を取り込むようになされており、取り込んだ信号を保持値d57として加算器58及び比較器59へ供給する。
加算器58は、レジスタ57から供給された保持値d57から「1」を差し引いた減算値d58を生成し、これを切換器56へ供給する。
比較器59は、レジスタ57から供給される保持値d57を「1」と比較し、その比較結果に応じて、当該保持値d57が「1」以下の場合は「true」を、また当該保持値d57が「1」より大きい場合は「false」を、それぞれ論理値d59として論理回路60へ供給する。
論理回路60は、論理演算を行うことにより、比較器59から供給された論理値d59が「true」であれば「1」を、「false」であれば「0」を、それぞれイネーブル信号enとして生成し、当該イネーブル信号enをシフトレジスタ55、切換器56、位相誤差検出器12(図3)、及びLPF回路13(図4)へそれぞれ出力する。
このイネーブル信号enは、上述した位相誤差検出器12(図3)及びLPF回路13(図4)の各シフトレジスタの動作を制御することにより、当該位相誤差検出器12全体及び当該LPF回路13全体の動作を制御するようになされている。
この結果、イネーブル信号生成部55においては、例えばオーバーサンプリングレートε=1.1であり、インターポレータ10の内部で本来のサンプリング周期の1.1倍で入力信号xkをオーバーサンプリングしてシフトパターン0の位相変化信号θ0(k)を出力する場合に、オーバーサンプリングの11回中10回はイネーブル信号enを「1」とし、残り1回は「0」として生成する。
これによりインターポレータ10から出力するシフトパターン0の位相変化信号θ0(k)が11回に1回の割合で間引かれることになり、最終的に位相同期部6(図2)から本来のサンプリング周期で出力信号yk′を出力することができる。
このようにNCO回路14は、タイミング差νkを基にサンプリング位相μkを生成してインターポレータ10(図2)へ送出すると共に、イネーブル信号enを生成して位相誤差検出器12及びLPF回路13へ送出するようになされている。
(4−5)ZPR回路の構成
次に、ZPR回路15について説明する。ZPR回路15は、制御部2(図1)の制御に基づいて動作するようになされており、例えば当該制御部2が外部装置からデータの読出要求を受け付ける等して光ディスク100から新たにデータを読み出し始める際に動作を開始するようになされている。
(4−5−1)位相誤差の平均値及び標準偏差の算出
図7に示すように、ZPR回路15は、PR等化部11(図2)から送出された10通りのシフトパターンの等化波形信号yk0〜yk9を位相誤差検出器70s0〜70s9へそれぞれ供給する。
位相誤差検出器70s0〜70s9は、いずれも位相誤差検出器12(図4)とほぼ同様の構成を有しているが、イネーブル信号en及びzprイネーブル信号ezの制御を受けない点において当該位相誤差検出器12とは異なっている。
このため位相誤差検出器70s0〜70s9は常時動作するようになされており、供給された等化波形信号yk0〜yk9を基にそれぞれ位相誤差Δτ0′(k)〜Δτ9′(k)を生成し、それぞれ平均値算出器71s0〜71s9及び標準偏差算出器72s0〜72s9へ供給する。
平均値算出器71s0〜71s9は、1クロック毎に供給される位相誤差Δτ0′(k)〜Δτ9′(k)について、シフトパターン毎に所定のMクロック分(例えばM=100クロック)の平均値AVi(0≦i≦9)を次式
Figure 2006134501
に従ってそれぞれ同時に算出し、当該平均値AViを平均選択器74へそれぞれ供給する。
標準偏差算出器72s0〜72s9は、1クロック毎に供給される位相誤差Δτ0′(k)〜Δτ9′(k)について、シフトパターン毎にMクロック分の標準偏差σi(0≦i≦9)を次式
Figure 2006134501
に従ってそれぞれ算出し、当該標準偏差σiを平均選択器74へそれぞれ供給する。
(4−5−2)特性曲線による位相誤差の算出
ここで、シフトパターン0の等化波形信号yk0の位相を「0」と仮定し、この位相をグラフの横軸として、各シフトパターンの等化波形信号yki(0≦i≦9)における位相誤差Δτi′(k)の平均値AVi及び標準偏差σiを当該グラフ上にプロットすると、図8に示すような特性曲線を得ることができる。
なお図8において、各シフトパターンはインターポレータ10(図2)によって入力信号xkの位相を1周期の0%〜100%の範囲で変化させたものであるため、位相の範囲としては0〜1となるが、一般的に周期信号における位相はこの0〜1の範囲を循環するものであるため、説明の都合上、当該図8においては位相0を中心とした−0.5〜+0.5の範囲に置き換えてある。なお位相の−0.5と+0.5とは同義である。
ちなみに、図8は現位相と目標位相との位相誤差が0である場合の特性曲線を示しており、現位相の位相誤差が0でない場合は、当該特性曲線が位相方向(すなわち図8における左右方向)に位相誤差分だけずれた位置に現れることになる。
ところで、仮にあるシフトパターンiの平均値AViが「0」となった場合、このことは位相誤差Δτi′(k)が平均的に「0」であることをあらわしており、すなわちこのシフトパターンiにおける等化波形信号ykiの位相が目標位相と同期している可能性が高いといえる。
そこで、図8における平均値AViの特性曲線(実線で示す)に着目すると、全体として正弦波のような形状を呈しており、位相0付近及び位相0.5付近の2箇所において値「0」をとっている。しかしながら、1周期の範囲内で実際に現位相が目標位相と同期しているのはどちらか一方のみであり、この平均値AViの特性曲線のみでは、いずれの位相が目標位相と同期しているか判断することはできない。
次に標準偏差σi(破線で示す)について着目すると、位相0のときに最大となり、位相0.5のときに最小となっている。これはすなわち位相0.5のときに位相誤差Δτi′(k)のばらつきが最も小さくなることを表している。
ここで、位相誤差Δτi′(k)を算出した位相誤差検出器70s0〜70s9の特性である「位相誤差が比較的小さい場合には当該位相誤差がまとまった値となり、位相誤差が比較的大きい場合には当該位相誤差の値がばらつく」ことを考慮すると、仮にある位相の平均値AViが0付近にあったとしても、標準偏差σiが大きいときにはM個の位相誤差Δτi′(k)が大きくばらついているため、これはすなわち当該位相における位相誤差が比較的大きいことになる。
これに対して、ある位相において平均値AViが0付近にあり、かつ標準偏差σiが小さいときにはM個の位相誤差Δτi′(k)にほとんどばらつきが無いため、これはすなわち当該位相における位相誤差が比較的小さいことになる。
そこで平均選択器74(図7)は、標準偏差σiが最も小さいシフトパターンiを、目標位相に対する位相誤差が最も小さいシフトパターンであると推定し、当該シフトパターンiを選択すると共に当該シフトパターンiと平均値AViとを初期位相計算機75へ供給する。
(4−5−3)PR等化クラスの違いによる補正
ところで、図8は位相誤差が0の場合の特性曲線であるにも関わらず、位相0ではなく位相0.5付近で標準偏差σiが最小となっており、当該特性曲線にそのまま従うと、位相誤差を誤って「0.5」と算出することになる。
ここで図9(A)に示すように、PR(1221)のPR等化アイパターンにおいては、○印で示す正しいサンプリングポイントSP(すなわち目標位相)で0、±2、±4、及び±6といった整数値をとるようになされている。
すなわち位相同期部6(図2)は、最終的にこの正しいサンプリングポイントSPに現位相を同期させればよい。
ところが位相誤差検出器12(図4)のゼロクロス検出器30は、ゼロクロス検出の特性上、値「0」をとり得る位相0ではなく、図9(B)に示すように値「0」をとる箇所から位相が0.5ずれたサンプリングポイントSP(○印で示す)を位相0として誤検出してしまう。この結果、上述したように特性曲線の位相が0.5ずれてしまう。
そこで初期位相計算機75は、PR(1221)のように値「0」をとり得るPR等化クラスの場合には、図8の特性曲線を基に算出した位相誤差から位相を0.5だけずらす(補正する)ことにより、正しい位相誤差を得ることができる。
これに対して初期位相計算機75は、PR(111)等のように値「0」をとり得ないPR等化クラスの場合には、ゼロクロス検出器30の特性上、正しい位相の特性曲線を得ることができるため、当該特性曲線を基に得られた正しい位相誤差をそのまま用いることができる。
このように初期位相計算機75においては、PR等化クラスに応じて位相誤差を補正する必要があるため、予め補正係数PR_Dを定義し、PR等化クラスが値「0」をとり得る場合に当該補正係数PR_D=0.5とし、PR等化クラスが値「0」をとり得ない場合に当該補正係数PR_D=0とする。
ちなみに上述したPR等化部11(図2)は、この初期位相計算機75と同様に、位相誤差検出器12(図4)におけるゼロクロス検出器30の特性を考慮し、PR等化クラスに応じて、入力信号xkと位相が50%ずれた等化波形信号yk4又は当該入力信号xkと同位相の(位相ずれが0%の)等化波形信号yk0のいずれかを出力信号yk′として最尤復号器7へ送出するようになされている。
(4−5−4)初期サンプリング位相の算出及び出力
ここで再び図8を参照すると、標準偏差σiが最も小さくなるのは位相が0.5のときであり、平均値AViも位相0.5付近で値「0」をとっている。さらに平均値AViについて着目すると、位相がおよそ+0.2〜+0.5の間、及びおよそ−0.5〜−0.3の間では、特性曲線がほぼ線形に変化していると見なすことができる。
そこで、このように特性曲線がほぼ線形に変化していると見なすことができる区間を線形区間LAとすると、当該線形区間LAにおける特性曲線の傾きを表す係数Cを用いて、ある位相qとその平均値AV(q)との関係を次式
Figure 2006134501
と表すことができる。ここで図8における平均値AViの特性曲線を基に、位相0.5付近における係数Cを求めるとC=0.112となる。
初期位相算出器75は、この係数Cと、平均選択器74から供給されたシフトパターンi及び平均値AViと、補正係数PR_D等とを用いることにより、初期位相誤差としての初期サンプリング位相μzprを次式
Figure 2006134501
に従って算出する。
この初期サンプリング位相μzprは、現位相と目標位相との位相誤差を高精度に予測した値であり、光ディスク装置1においてデータを読み出し始める際のように位相誤差が未知である場合に、当該位相誤差の予測値となるものである。
一方、タイマー76は、制御部2(図1)の制御によりZPR回路15の動作が開始された時点からクロックkをカウントすると共に、初期位相算出器75の動作を制御する制御信号em0、及び位相誤差検出器12(図2)の動作を制御するzprイネーブル信号ezを生成するようになされている。
実際上タイマー76は、図10に示すように、平均値算出器71s0〜71s9及び標準偏差算出器72s0〜72s9においてそれぞれ平均値AVi及び標準偏差σiを算出しているクロック0〜クロック(M−1)の間は、「low」レベルの制御信号em0を出力することにより初期位相算出器75を停止させ、クロックMのタイミングにおいて「high」レベルの制御信号em0を出力して初期位相算出器75を動作させる。
これによりタイマー76は、平均値AVi及び標準偏差σiを母数M個分算出し終えたタイミングで初期位相算出器75に初期サンプリング位相μzprを算出させることができる。
またタイマー76は、図10に示したように、平均値算出器71s0〜71s9及び標準偏差算出器72s0〜72s9においてそれぞれ平均値AVi及び標準偏差σiを算出し始めるクロック0から、平均値AVi及び標準偏差σiを算出するクロック数M及びPR等化器11s0〜11s9(図2)のタップ数Fを足し合わせたクロック(M+F−1)までの間「low」レベルのzprイネーブル信号ezを出力し、クロック(M+F)以降「high」レベルのzprイネーブル信号ezを位相誤差検出器12(図4)へ送出する。
位相誤差検出器12(図4)は、上述したように、zprイネーブル信号ezが「low」である間、出力回路36によって位相誤差Δτ′kを「0」として出力し続ける。これに応じて位相同期部6は、ディジタルPLL回路を動作させ続けたまま位相誤差を強制的に「0」とし続けることになり、当該ディジタルPLL回路を「空回り」させることによりインターポレータ10において現位相を変化させず固定しておく。
この結果位相同期部6は、ZPR回路15において平均値AVi及び標準偏差σiを算出している間に現位相が変化してしまうことを防止することができ、位相誤差Δτi′(k)がばらついて平均値及び標準偏差を正しく算出できなくなってしまうことを防止できる。
さらにタイマー76は、図10に示したように、zprイネーブル信号ezが「low」から「high」に変化する(M+F)クロックのタイミングで、初期位相算出器75から初期サンプリング位相μzprを出力させるようになされている。
このようにZPR回路15は、zprイネーブル信号ezによって現位相を固定させている間にMクロックに渡って10種類の等化波形信号yk0〜yk9を基にそれぞれ位相誤差Δτi′(k)を算出してそれぞれの平均値AVi及び標準偏差σiを算出した後、当該標準偏差σiが最小となるときの平均値AViを基に初期サンプリング位相μzprを算出して、当該初期サンプリング位相μzprをNCO回路14(図2)へ送出するようになされている。
これに応じてNCO回路14は、初期サンプリング位相μzprに基づいたサンプリング位相μkをインターポレータ10へ送出し、当該インターポレータ10は当該サンプリング位相μkに基づいて現位相を変化させる。
この結果、位相同期部6は、直前の位相誤差を高精度に表す初期サンプリング位相μzprに応じて現位相を変化させることにより、当該現位相を目標位相に極力近づけた状態でディジタルPLL回路のループ処理を開始することができ、当該現位相を目標位相に短時間で同期させることができる。
なおZPR回路15は、光ディスク100から新たにデータを読み出し始める際のみ動作するようになされており、初期サンプリング位相μzprを送出した時点で一連の動作を終了し、改めて制御部2から動作を開始する指示を受け付けるまでの間はzprイネーブル信号ezを「high」レベルに保ったまま各回路を動作させないようになされている。
これにより位相同期部6は、ZPR回路15が動作を停止している間はディジタルPLL回路による通常のループ処理を繰り返し、現位相を徐々に目標位相に同期させていくことができる。
ここで、位相同期部6において位相が同期する様子をシミュレートした結果を図11及び図12に示す。このシミュレートの条件として、予め位相が0.5ずれた状態とし、ランダムにノイズが重畳された100パターンの入力信号xkを基に、100クロックの時点で位相の同期を開始させ、位相0に収束させていくものとした。
図11は、ZPR回路15を動作させることなく、すなわち初期サンプリング位相μzprを算出することなく、ディジタルPLL回路のループ処理のみによって位相を同期させた場合のシミュレート結果を示している。この図11においては、位相0付近に達するまでに、最も早いものでも約500クロック、遅いものになると約800クロック以上を要している。
これに対して図12は、ZPR回路15を動作させ初期サンプリング位相μzprに応じて位相を変化させてからディジタルPLL回路のループ処理を開始した場合のシミュレート結果を示している。この図12においては、位相の同期を開始した100クロックの時点から、平均値AVi及び標準偏差σiを算出している(M+F)クロックの期間(すなわちおよそ200クロックまでの期間)では、zprイネーブル信号ezの制御によって位相0.5のまま変化しないものの、当該zprイネーブル信号ezが「high」レベルに切り換わったおよそ200クロックにおいて、瞬間的に位相0付近に収束していることがわかる。
なお図12において、位相が0付近に収束してから再度位相がずれているのは、入力信号xkにノイズを重畳してシミュレートしていることによる影響である。
このように位相同期部6は、初期サンプリング位相μzprに基づいて現位相を変化させてからディジタルPLL回路のループ処理を開始することにより、僅かな時間で当該現位相を目標位相に同期させることができる。
(5)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置1の制御部2は、外部装置からのデータの読出要求を受け付けると、レーザピックアップ3によって光ディスク100から再生RF信号を読み出させ、アンプ4及びAGC回路5を介して当該再生RF信号を入力信号xkとして位相同期部6へ供給させる。
位相同期部6は、まずインターポレータ10によって入力信号xkを基に10種類のシフトパターンの位相変化信号θi(k)(0≦i≦9)を生成し、次にPR等化部11によって各位相変化信号θi(k)にそれぞれPR等化処理を施すことにより等化波形信号ykiを生成して、これらをZPR回路15へ供給すると共に等化波形信号yk0(yk)を位相誤差検出器12へ送出し、さらに等化波形信号yk4を出力信号yk′として最尤復号器7へ送出する。
また位相同期部6は、制御部2の制御に基づきZPR回路15の動作を開始させ、当該ZPR回路15によって、「low」レベルのzprイネーブル信号ezを出力する。
従って位相同期部6は、インターポレータ10、PR等化部11、位相誤差検出器12、LPF回路13、及びNCO回路14によって構成されるディジタルPLL回路の動作を停止することなく、あたかも位相誤差が「0」と検出されたような位相誤差Δτ′kを後段のLPF回路13へ送出することができる。
これにより位相同期部6は、インターポレータ10により現位相を変化させることがなく、結果的にディジタルPLL回路を「空回り」させておくことになり、当該現位相を固定させておくことができる。
続いて位相同期部6は、位相誤差検出器70siの「位相誤差が比較的小さい場合には当該位相誤差がまとまった値となり、位相誤差が比較的大きい場合には当該位相誤差の値がばらつく」といった性質を積極的に利用し、ZPR回路15によって1クロック毎の等化波形信号ykiから検出した位相誤差をMクロック分用いて平均値AVi及び標準偏差σiをそれぞれ算出し、平均選択器74によって当該標準偏差σiが最小となるときの平均値AViを選択する。
従って位相同期部6は、ZPR回路15において、単体での検出精度が必ずしも高くない位相誤差検出器70siによって検出された位相誤差そのものを用いるのではなく、当該位相誤差検出器70siにより検出した位相誤差のばらつき具合を積極的に利用して統計的に処理することにより、標準偏差σiが最も小さくなるシフトパターンiを目標位相に最も近いものと推定して選択することができる。
さらに位相同期部6は、平均選択器74により選択した平均値AVi及びシフトパターンiを用い、初期位相算出器75により(12)式に従って初期サンプリング位相μzprを算出し、zprイネーブル信号ezを「high」レベルに切り換えて送出すると共に当該初期サンプリング位相μzprをNCO回路14へ送出する。
従って位相同期部6は、ZPR回路15により、複数のシフトパターンiのうち最も目標位相に近いと推定されるシフトパターンiの平均値AViを基に、現位相と目標位相との位相誤差を高精度に予測した値の初期サンプリング位相μzprを算出することができる。
そのうえ位相同期部6は、NCO回路14によって初期サンプリング位相μzprに基づいたサンプリング位相μkをインターポレータ10へ送出することにより、当該インターポレータ10において現位相を目標位相に対して高精度に近接させ、同時にzprイネーブル信号ezを「high」レベルに切り換えて位相誤差検出器12による強制的な「0」の出力を終了させ、ディジタルPLL回路における本来のループ処理を開始させる。
従って位相同期部6は、現位相と目標位相との位相誤差が極めて小さい状態でディジタルPLL回路における本来のループ処理を開始することができるので、当該ディジタルPLL回路のループ処理によって極めて短い時間で現位相と目標位相との同期を完了することができ、当該現位相が当該目標位相に同期した出力信号yk′を直ちに後段の最尤復号器7へ送出することができる。
この結果、光ディスク装置1は、再生RF信号が既知パターンであるか否かに関わらず、外部装置からデータ読出要求を受け付けてから極めて短い時間で、当該外部装置から要求された再生データを再生し始めることができる。
以上の構成によれば、光ディスク装置1の位相同期部6は、光ディスク100から再生RF信号を読み出し始める際に、現位相を固定してから、入力信号xkを基に生成した10種類のシフトパターンの位相変化信号θi(k)をPR等化処理した等化波形信号ykiを基に、Mクロックに渡って各等化波形信号ykiにおける位相誤差Δτi′(k)を算出して各シフトパターン毎に平均値AVi及び標準偏差σiを算出し、当該標準偏差σiが最小となるときのシフトパターンi及び平均値AViを基に初期サンプリング位相μzprを算出して、当該初期サンプリング位相μzprを基に位相を変化させてからディジタルPLL回路における位相の同期処理を開始するようにしたことにより、現位相と目標位相との位相誤差が極めて小さい状態で位相の同期処理を開始することができ、極めて短い時間で目標位相に対する同期処理を完了することができ、データを直ちに再生し始めることができる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、ZPR回路15(図7)の初期位相算出器75によって、図8に示した平均値AViの線形区間LAにおける傾きを表す係数Cを算出してから初期サンプリング位相μzprを算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば予め算出しておいた係数Cを不揮発性メモリに格納しておき、当該係数Cを用いて初期サンプリング位相μzprを算出するようにしても良い。
実際上、図8に示した平均値AViの特性曲線は、光ディスク100の種類やPR等化クラスの種類等に応じて様々に変化するため、ブルーレイディスク(登録商標)やDVD(Digital Versatile Disc)等といった光ディスクの種類毎に予め平均値AViの特性曲線を算出し、それぞれの線形区間LAにおける係数Cを求めて予め不揮発性メモリに格納しておけばよい。
これにより、初期サンプリング位相μzprを求める度に係数Cを算出する必要が無くなり、一段と少ない演算量で短時間に初期サンプリング位相μzprを算出することができる。
また上述の実施の形態においては、インターポレータ10によって位相変化信号θi(k)を生成する際に、1周期の100%を上限値として0%〜100%の範囲内で位相を変化させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば1周期の50%等の任意の上限値までの範囲内で位相を変化させるようにしても良い。
これは、図8において平均値AViの線形区間LAが位相の変化範囲である−0.5〜+0.5のうち約半分に渡っていることから、位相を0%〜50%の範囲で変化させれば、少なくとも1つ以上のシフトパターンが必ず線形区間LAに含まれることになり、上述した(12)式を用いて初期サンプリング位相μzprを算出できるためである。
実際上、位相の変化範囲の上限は、光ディスク100の種類等に応じて様々に変化する平均値AViの各特性曲線における線形区間LAに応じて決めれば良く、例えば線形区間LAが位相全体の約30%に渡っている場合には、位相の変化範囲の上限を70%以上に設定すれば、少なくとも1つ以上のシフトパターンが必ず線形区間LAに含まれ、初期サンプリング位相μzprを算出できる。
ちなみに上述した実施の形態においては、位相の上限を100%としたことによりタイミング分割数11におけるシフトパターン10とシフトパターン0とが実質的に同義となったため、当該シフトパターン10について計算や処理等を省略したが、位相の上限を100%以外にする場合、当該シフトパターン10についても他のシフトパターンと同様に計算や処理等を行う必要がある。
さらに上述の実施の形態においては、タイミング分割数を11として10通りのシフトパターンの位相変化信号θi(k)を基に平均値AVi及び標準偏差σiをそれぞれ10通りずつ算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、インターポレータ10において2以上の任意数のシフトパターンの位相変化信号θi(k)を生成するようにし、当該シフトパターンの数だけ平均値AVi及び標準偏差σiをそれぞれ算出するようにしても良い。
ここでシフトパターンiの数を削減した場合、PR等化器11si、位相誤差検出器70si、平均算出器71si、及び標準偏差算出器72siの数を削減することができるので、位相同期部6の構成を簡略化することができ、また反対に当該シフトパターンiの数を増加した場合、図8に示した平均値AViの特性曲線を高密度に求めることができ、これにより係数Cを高精度に算出することができる。
そのうえ、例えば図8に示したような平均値AViの特性曲線が得られる場合、上述した「予め算出しておいた係数Cを用いて初期サンプリング位相μzprを算出する」こと、及び「位相の変化範囲の上限を変更する」ことと組み合わせることにより、例えば位相の変化範囲の上限を1周期の50%とし、シフトパターンiの数を「2」としても、いずれかのシフトパターンが必ず線形区間LAに含まれるため、初期サンプリング位相μzprを適切に算出することができる。
さらに上述の実施の形態においては、ZPR回路15の位相誤差検出器70siにより、PR等化部11から出力された等化波形信号ykiを基に位相誤差Δτi′(k)を出力するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該PR等化部11によりPR等化処理を施す前の位相変化信号θi(k)を基に当該位相誤差Δτi′(k)を出力するようにしても良い。
この場合、等化波形信号ykiを基に位相誤差Δτi′(k)を出力する場合と比較して位相誤差の検出精度は若干低下するものの、PR等化部11においてPR等化器11siを複数設ける必要がないため、位相同期部6の構成を簡略化することができる。
さらに上述の実施の形態においては、ZPR回路15において位相誤差Δτi′(k)の標準偏差σiを算出し、当該標準偏差σiが最小となるときのシフトパターンiを選択するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば分散σiを算出し、当該分散σiが最小となるときのシフトパターンiを選択する等、位相誤差Δτi′(k)のばらつきの度合いを示す他の統計値を用いてシフトパターンiを選択するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、ZPR回路15において平均値AVi及び標準偏差σiを算出する際の母数Mを100とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該母数Mを有効な平均値AVi及び標準偏差σiを算出できる程度の任意の数としても良い。
さらに上述の実施の形態においては、PR等化部11におけるPR等化クラスをPR(1221)とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、PR(111)等の他のPR等化クラスを用いるようにしても良い。この場合、PR等化クラスに応じて(12)式におけるPR_Dの値を変化させることにより、適切な初期サンプリング位相μzprを算出することができる。
さらに上述の実施の形態においては、ZPR回路15から「low」レベルのzprイネーブル信号ezを位相誤差検出器12へ送出してディジタルPLL回路を「空回り」させることにより現位相を固定させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば当該ZPR回路15から「low」レベルのzprイネーブル信号ezをインターポレータ10へ供給し、当該インターポレータ10において当該zprイネーブル信号ezに応じて現位相を固定させるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、光ディスク100に記録されている任意のトラックからデータから読み出し始める際の位相を、ZPR回路15によって算出された初期サンプリング位相μzprを用いて変化させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ZPR回路15に加えて、既知パターンでなるデータから読み出し始める際の位相を極めて短時間で同期させ得るVTD回路も設けるようにし、読み出し始めるデータに既知パターンが含まれている場合に当該ZPR回路15から当該VTD回路に切り換えて位相を同期させるようにしても良い。
この場合、既知パターンのデータから読み出し始めるときにはVTD回路に切り換えることにより、ZPR回路15のみを用いる場合よりも格段に短い時間で位相を同期させることができ、既知パターン以外のデータから読み出し始めるときには、当該ZPR回路15を用いて最初に位相誤差を極力小さくしておき短時間で位相を同期させることができる。
さらに上述の実施の形態においては、光ディスク100からデータを読み出す光ディスク装置1に本発明を適用するようにした場合について述べたが、これに限らず、磁気ディスクからデータを読み出す磁気ディスク装置や、磁気テープからデータを読み出す磁気テープ装置等、ディジタルPLL回路を用いて再生RF信号に対するサンプリングの位相を同期させてデータを再生する種々のデータ再生装置に適用してもよい。
そのうえ本発明は、有線通信や無線通信による種々の通信経路を経て受信した受信信号に対し、ディジタルPLL回路を用いてサンプリングの位相を同期させてデータを再生する種々のデータ再生装置に適用しても良い。
さらに上述の実施の形態においては、信号遅延手段としてのインターポレータ10と、位相誤差検出手段としての位相誤差検出器70s0〜70s9と、統計値算出手段としての平均算出器71s0〜71s9及び標準偏差算出器72s0〜72s9と、初期位相誤差算出手段としての平均選択器74及び初期位相算出器75と、位相制御手段としてのインターポレータ10とによって位相同期装置としての位相同期部6及びデータ再生装置としての光ディスク装置1を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる信号遅延手段と、位相誤差検出手段と、統計値算出手段と、初期位相誤差算出手段と、位相制御手段とによって位相同期装置及びデータ再生装置を構成するようにしても良い。
本発明の位相同期装置、位相同期方法及びデータ再生装置は、光ディスク装置の他、磁気ディスク装置や磁気テープ装置等でも利用できる。
本発明による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 位相同期部の構成を示すブロック図である。 Interpolatorの構成を示すブロック図である。 位相誤差検出器の構成を示すブロック図である。 LPF回路の構成を示すブロック図である。 NCO回路の構成を示すブロック図である。 ZPR回路の構成を示すブロック図である。 位相に対する平均値及び標準偏差の関係を示す略線図である。 PR(1221)におけるアイパターンとサンプリングポイントの例を示す略線図である。 ZPR回路における信号出力タイミングを示すタイミングチャートである。 位相同期の様子(1)を示す略線図である。 位相同期の様子(2)を示す略線図である。 初期位相及び位相の同期の説明に供する略線図である。 既知のNRZパターン(2Tパターン)の例を示す略線図である。
符号の説明
1……光ディスク装置、2……制御部、6……位相同期部、10……Interpolator、11……PR等化部、11s0〜11s9……PR等化器、12……位相誤差検出器、13……LPF回路、14……NCO回路、20……FIRフィルタ部、22……シフトレジスタ、30……ゼロクロス検出器、36……出力回路、55……イネーブル信号生成部、70s0〜70s9……位相誤差検出器、71s0〜71s9……平均算出器、72s0〜72s9……標準偏差算出器、74……平均選択器、75……初期位相算出器、76……タイマー、100……光ディスク、xk……入力信号、θ0(k)〜θ9(k)……位相変化信号、yk、yk0〜yk9……等化波形信号、yk′……出力信号、Δτk、Δτ′k……位相誤差、νk……タイミング差、μk……サンプリング位相、μzpr……初期サンプリング位相、en……イネーブル信号、ez……zprイネーブル信号、AVi……平均値、σi……標準偏差、C……係数、ε……オーバーサンプリングレート。

Claims (8)

  1. アナログの入力信号を周期的にサンプリングしてディジタルデータに変換する際の目標位相と実際にサンプリングする現位相との位相誤差を基に当該現位相を当該目標位相に近づける処理を繰り返すことにより最終的に当該現位相と当該目標位相とを同期させる位相同期装置において、
    上記入力信号を複数種類の遅延量だけ遅延させることにより当該入力信号の位相を複数通りに変化させた複数種類の位相変化信号でなる位相変化信号群を生成する信号遅延手段と、
    上記位相変化信号における上記目標位相と上記現位相との位相誤差をそれぞれ検出する位相誤差検出手段と、
    上記位相誤差検出手段によって位相変化信号毎にそれぞれ複数検出された上記位相誤差を基に、当該位相誤差の平均値及びばらつき度合いを当該位相変化信号毎にそれぞれ算出する統計値算出手段と、
    上記位相誤差のばらつき度合いを最も小さくする上記位相変化信号を選択し、当該選択された位相変化信号における上記位相誤差の平均値を基に、上記現位相と上記目標位相との差を表す予測値である初期位相誤差を算出する初期位相誤差算出手段と、
    上記初期位相誤差に応じて上記現位相を上記目標位相に近づける位相制御手段と
    を具えることを特徴とする位相同期装置。
  2. 上記位相制御手段は、
    上記位相誤差検出手段により上記位相誤差の検出を開始してから上記初期位相誤差算出手段により上記初期位相誤差を算出するまでの間、上記現位相を上記目標位相に近づける処理を中断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期装置。
  3. 上記統計値算出手段は、
    上記ばらつき度合いとして位相変化信号毎における上記位相誤差の標準偏差又は分散を算出し、
    上記初期位相誤差算出手段は、
    上記標準偏差又は上記分散が最も小さい位相変化信号を選択して当該位相変化信号に基づいて上記初期位相誤差を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期装置。
  4. 上記信号遅延手段は、
    上記入力信号を遅延させる遅延素子を直列に複数接続した遅延部を具えると共に、上記入力信号と当該入力信号が各遅延素子によりそれぞれ遅延された遅延入力信号とを基に複数の信号算出部においてそれぞれ所定の演算を行うことにより上記位相変化信号群を生成する際に、当該入力信号及び当該遅延入力信号を複数の演算部で共有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期装置。
  5. 上記初期位相誤差算出手段は、
    上記選択された位相変化信号における上記位相誤差の平均値を基に当該位相誤差の変化分と当該平均値の変化分とに基づいて算出した係数を用いて上記初期位相誤差を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期装置。
  6. 上記初期位相誤差算出手段は、
    上記位相誤差の変化分と上記平均値の変化分とに基づいて予め算出した係数を記憶手段に記憶しておき、上記選択された位相変化信号における上記位相誤差の平均値を基に当該記憶手段から読み出した当該係数を用いて上記初期位相誤差を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期装置。
  7. アナログの入力信号を周期的にサンプリングしてディジタルデータに変換する際の目標位相と実際にサンプリングする現位相との位相誤差を基に当該現位相を当該目標位相に近づける処理を繰り返すことにより最終的に当該現位相と当該目標位相とを同期させる位相同期装置において、
    上記入力信号を複数種類の遅延量だけ遅延させることにより当該入力信号の位相を複数通りに変化させた複数種類の位相変化信号でなる位相変化信号群を生成する信号遅延ステップと、
    上記位相変化信号における上記目標位相と上記現位相との位相誤差をそれぞれ検出する位相誤差検出ステップと、
    上記位相誤差検出ステップによって位相変化信号毎にそれぞれ複数検出された上記位相誤差を基に、当該位相誤差の平均値及びばらつき度合いを当該位相変化信号毎にそれぞれ算出する統計値算出ステップと、
    上記位相誤差のばらつき度合いを最も小さくする上記位相変化信号を選択し、当該選択された位相変化信号における上記位相誤差の平均値を基に、上記現位相と上記目標位相との差を表す予測値である初期位相誤差を算出する初期位相誤差算出ステップと、
    上記初期位相誤差に応じて上記現位相を上記目標位相に近づける位相制御ステップと
    を具えることを特徴とする位相同期方法。
  8. アナログの入力信号を周期的にサンプリングしてディジタルデータに変換する際の目標位相と実際にサンプリングする現位相との位相誤差を基に当該現位相を当該目標位相に近づける処理を繰り返すことにより最終的に当該現位相と当該目標位相とを同期させてデータを再生するデータ再生装置において、
    上記入力信号を複数種類の遅延量だけ遅延させることにより当該入力信号の位相を複数通りに変化させた複数種類の位相変化信号でなる位相変化信号群を生成する信号遅延手段と、
    上記位相変化信号における上記目標位相と上記現位相との位相誤差をそれぞれ検出する位相誤差検出手段と、
    上記位相誤差検出手段によって位相変化信号毎にそれぞれ複数検出された上記位相誤差を基に、当該位相誤差の平均値及びばらつき度合いを当該位相変化信号毎にそれぞれ算出する統計値算出手段と、
    上記位相誤差のばらつき度合いを最も小さくする上記位相変化信号を選択し、当該選択された位相変化信号における上記位相誤差の平均値を基に、上記現位相と上記目標位相との差を表す予測値である初期位相誤差を算出する初期位相誤差算出手段と、
    上記初期位相誤差に応じて上記現位相を上記目標位相に近づける位相制御手段と
    を具えることを特徴とするデータ再生装置。
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