JP2006134421A - 配線回路基板 - Google Patents

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淳 石井
Yasuto Funada
靖人 船田
Hitonori Kanekawa
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Abstract

【課題】 静電気による実装部品の破壊を有効に防止することのできる配線回路基板を提供すること。
【解決手段】 導体層4と、導体層4に隣接するカバー絶縁層5と、カバー絶縁層5が開口されることにより露出する導体層4からなる端子部6とを備える回路付サスペンション基板1に、端子部6の周縁部14に導電性ポリマー層7を形成し、かつ、その導電性ポリマー層7と接触するように、カバー絶縁層5の表面に酸化金属層8を形成する。この回路付サスペンション基板1によれば、静電気破壊に対して敏感な磁気ヘッドなどの電子部品も、高い接続信頼性での実装を達成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線回路基板、詳しくは、電気機器や電子機器に用いられる配線回路基板に関する。
配線回路基板は、例えば、銅箔などの導体層の片面または両面に、ポリイミド樹脂などの絶縁層が積層されることにより形成されており、各種の電気機器や電子機器に広く用いられている。
このような配線回路基板に、電子部品を実装する場合には、その実装工程において、静電気により実装部品が破壊されることがある。
そのため、フレキシブル回路基板において、絶縁層の表面に、蒸着法、スパッタリング法、無電解めっき法などにより金属層を形成して、絶縁層の静電気のアースまたは低減を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、このような配線回路基板では、絶縁層を開口して、導体層を露出させることにより、その導体層の露出部分を、電子部品を実装するための端子部としている。
特開平8−153940号公報
しかし、このような端子部を備える配線回路基板に、電子部品を実装する場合には、その実装工程において、端子部にもわずかな静電気が帯電する。とくに近年、高記録密度化された磁気ヘッドを、配線回路基板とサスペンションとが一体化した、回路付サスペンション基板に実装する場合には、上記したわずかな端子部の静電気により、磁気ヘッドが破壊されるという不具合がある。
また、特許文献1に記載の方法では、絶縁層の静電気を除去することはできるが、このような端子部に帯電したわずかな静電気を除去することは、困難である。
本発明の目的は、静電気による実装部品の破壊を有効に防止することのできる配線回路基板を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の配線回路基板は、導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出する導体層からなる端子部とを備える配線回路基板であって、前記端子部の表面の周縁部に形成された導電性ポリマー層と、前記導電性ポリマー層と接触するように、前記絶縁層の表面に形成された酸化金属層とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の配線回路基板は、導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出する導体層からなる端子部とを備える配線回路基板であって、前記端子部の表面の周縁部に形成され、10〜10Ω/□の表面抵抗値を有する導電性ポリマー層と、前記導電性ポリマー層と接触するように、前記絶縁層の表面に形成され、10〜1011Ω/□の表面抵抗値を有する酸化金属層とを備えることを特徴としている。
本発明の配線回路基板によれば、静電気による破壊を有効に防止しながら、実装部品を実装することができる。
そのため、静電気破壊に対して敏感な電子部品も、高い接続信頼性での実装を達成することができる。
本発明の配線回路基板は、片面フレキシブル配線回路基板、両面フレキシブル配線回路基板、多層フレキシブル配線回路基板、回路付サスペンション基板など、種々の公知の配線回路基板が含まれる。以下、図1〜図5を参照して、本発明の配線回路基板の一実施形態として、回路付サスペンション基板について説明する。
図1は、本発明の配線回路基板の一実施形態としての回路付サスペンション基板の端子部の断面図、図2は、その拡大図、図3は、図1に示す回路付サスペンション基板の端子部の平面図である。
この回路付サスペンション基板1は、図1に示すように、金属支持層としての支持基板2と、支持基板2の上に形成され、絶縁体からなるベース絶縁層3と、ベース絶縁層3の上に所定の回路パターンとして形成され、導体からなる導体層4と、導体層4を被覆するように、ベース絶縁層3の上に形成され、絶縁体からなるカバー絶縁層5とを備えている。
支持基板2は、金属であれば、特に制限されないが、例えば、ステンレス箔、銅箔、アルミニウム箔、銅−ベリリウム箔、リン青銅箔、42アロイ箔などが用いられる。支持基板2の厚みは、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
ベース絶縁層3は、絶縁体であれば、特に制限されないが、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが用いられ、好ましくは、ポリイミド樹脂が用いられる。ベース絶縁層3の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
導体層4は、導体であれば、特に制限されないが、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはこれらの合金などが用いられ、好ましくは、銅が用いられる。導体層4の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
カバー絶縁層5は、絶縁体であれば、特に制限されないが、例えば、ベース絶縁層3と同様の絶縁体が用いられ、好ましくは、ポリイミド樹脂が用いられる。カバー絶縁層5の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、3〜30μmである。
そして、この回路付サスペンション基板1には、カバー絶縁層5を開口させて、導体層4を露出させることにより、その導体層4の露出部分として端子部6が形成されている。この端子部6は、特に制限されないが、例えば、矩形状、円形状などに形成される。端子部6の形状が、矩形状である場合(図3参照)には、例えば、その一辺が50〜3000μmであり、円形状の場合には、例えば、その直径が50〜3000μmである。また、端子部6は、互いに所定間隔を隔てて複数(4つ)設けられている。各端子部6間の間隔は、例えば、10〜500μmであり、また、各端子部6の幅(各端子部6の隣接方向(以下、幅方向という。)の長さ)は、例えば、10〜200μmである。
そして、この回路付サスペンション基板1は、図1に示すように、さらに、導電性ポリマー層7と、酸化金属層8とを備えている。
導電性ポリマー層7は、図3に示すように、端子部6の周縁部14に形成されている。より具体的には、導電性ポリマー層7は、図2に示すように、端子部6の表面の周縁部分(カバー絶縁層5の開口部分の内周側面を含む。以下、「端子部側周縁部17」とする。)と、カバー絶縁層5の表面における端子部6の周縁部分(以下、「カバー絶縁層側周縁部18」とする。)とを含む部分に、一体的に形成されている。
導電性ポリマー層7は、導電性を有するポリマーであれば、特に制限されないが、例えば、電子共役系ポリマーなどが用いられる。より具体的には、例えば、ピロール、チオフェン、アニリン、インドール、フランまたはこれらの誘導体、例えば、3−メチルチオフェン、N−メチルインドール、3−メチルインドール、3−メチルフランなどの重合体またはこれらの共重合体などが用いられる。
また、導電性ポリマー層7の表面抵抗値は、好ましくは、10〜10Ω/□の範囲に設定される。導電性ポリマー層7の表面抵抗値が10Ω/□より大きい場合には、端子部6に帯電した静電気を、酸化金属層8に逃がして除去することができない場合がある。一方、10Ω/□より小さい場合には、酸化金属層8にわずかに残留した静電気が、大きな電流となって端子部6に流れ込み、磁気ヘッドなどの電子部品の静電気による破壊を生じる場合がある。
また、導電性ポリマー層7の厚みdは、特に制限されないが、例えば、20〜500nmの範囲に設定される。また、導電性ポリマー層7の幅(すなわち、幅方向における端子部側周縁部17の端面10とカバー絶縁層側周縁部18の端面9との間の長さ)Lは、例えば、10〜100μmの範囲に設定される。
酸化金属層8は、図3に示すように、カバー絶縁層5をほぼ被覆するように、カバー絶縁層5の開口部分(つまり端子部6の表面)および導電性ポリマー層7の形成部分を除く、カバー絶縁層5の表面に形成されている。
より具体的には、酸化金属層8は、図2に示すように、カバー絶縁層5の表面に、導電性ポリマー層7のカバー絶縁層側周縁部18の端面9と、その端面16が接触するように形成されている。これによって、端子部6に帯電した静電気を、導電性ポリマー層7から酸化金属層8を介して除電することができる。
また、酸化金属層8は、酸化金属であれば、特に制限されないが、例えば、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などが用いられる。好ましくは、酸化クロムが用いられる。酸化クロムは、高温高湿下においても変化が少なく、安定した表面抵抗値を得ることができる。また、酸化金属層8の酸化度合いは、酸化金属層8の厚み方向全体が同じ度合いで均一に酸化されていてもよく、酸化金属層8の最表面の酸化度合いが最も高く、酸化金属層8の厚み方向内方にいくに従って酸化度合いが低下するように酸化されていてもよい。
また、酸化金属層8の表面抵抗値は、好ましくは、10〜1011Ω/□の範囲に設定される。表面抵抗値が1011Ω/□より大きい場合には、酸化金属層8において、わずかに発生した端子部6の静電気が導電性ポリマー層7に到達しても、その静電気を除去することが困難となり、磁気ヘッドなどの電子部品の実装時に、電子部品の静電気による破壊を生じる場合がある。一方、表面抵抗値が10Ω/□より小さい場合には、端子部6の静電気が導電性ポリマー層7に到達すれば、その静電気を除去することはできるが、酸化金属層8にわずかに残留した静電気が、導電性ポリマー層7を介して大きな電流となって端子部6に流れ込み、磁気ヘッドなどの電子部品の静電気による破壊を生じる場合がある。
また、酸化金属層8の厚みは、上記した表面抵抗値を得るために、例えば、1〜20nmの範囲に設定される。
なお、この回路付サスペンション基板1において、磁気ヘッドなどの電子部品の実装時には、導電性ポリマー層7が形成された端子部6の上に、パッド部20が形成される。パッド部20は、ニッケルや金などの導体からなり、端子部6と、磁気ヘッドなどの電子部品(図示せず)とを、電気的に接続する。
次に、この回路付サスペンション基板1の製造方法について図4を参照して、説明する。
まず、図4(a)において、回路付サスペンション基板1を用意する。この回路付サスペンション基板1は、ステンレス箔からなる支持基板2の上に、感光性ポリアミド酸樹脂を含む溶液を塗布し、露光および現像することにより所定のパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるベース絶縁層3を形成する。次いで、このベース絶縁層3の上に、セミアディティブ法やサブトラクティブ法などの公知のパターンニング法によって、導体層4を所定の回路パターンとして形成した後、その導体層4を含むベース絶縁層3の上に、感光性ポリアミド酸樹脂を含む溶液を塗布し、露光および現像により所定のパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層5を形成することにより、得ることができる。
なお、各端子部6は、例えば、カバー絶縁層5を形成するときに、感光性ポリアミド酸樹脂を、導体層4における端子部6を形成する部分が露出されるようにパターン化することにより、形成することができる。
次に、図4(b)に示すように、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8を形成する。
酸化金属層8を形成する第1の方法としては、金属をターゲットとして、スパッタリングにより、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に金属薄膜を形成し、次いで、この金属薄膜を加熱により酸化して、酸化金属層8を形成する方法が挙げられる。
また、酸化金属層8を形成する第2の方法として、金属をターゲットとして、反応性スパッタリングにより、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8を形成する方法が挙げられる。
また、酸化金属層8を形成する第3の方法として、酸化金属をターゲットとして、スパッタリングにより、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8を形成する方法が挙げられる。
次に、酸化金属層8を形成する第1の方法について、詳述する。
第1の方法では、まず、金属をターゲットとして、スパッタリングにより、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、金属薄膜を形成する。
ターゲットとされる金属としては、特に制限されないが、例えば、クロム、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、タンタル、鉛、亜鉛、ジルコニウム、ガリウム、インジウムおよびこれらの合金などが用いられる。好ましくは、クロムが用いられる。クロムの酸化皮膜は、高温高湿下においても変化の少ない、安定した表面抵抗値を得ることができる。
スパッタリングには、例えば、図5に示すスパッタリング装置が用いられる。すなわち、図5に示すように、このスパッタリング装置では、真空チャンバー21内に、ターゲット22(金属薄膜を形成するための金属)およびアース電極23が所定の間隔を隔てて対向配置されている。ターゲット22には、電源24が接続されるとともに、プラズマエミッションモニター25が、ターゲット22に対してプラズマ発光可能に配置されている。なお、電源24は、特に制限されないが、パルス電源、直流電源(DC)、交流電源(RF)などが用いられる。
また、アース電極23は、接地されるとともに、その表面に基板26が設置されている。(ここで、基板26は、図1に示す回路付サスペンション基板1であって、その端子部6を含むカバー絶縁層5側が、ターゲット22と対向するような状態で設置される。)
そして、真空チャンバー21内に、アルゴンなどの不活性ガスを導入ガスとして導入し、電源24から電力を印加して、プラズマエミッションモニター25にて、プラズマの発光強度を一定に保持しながら、ターゲット22を所定時間スパッタリングする。これによって、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、金属薄膜が形成される(図4(b)参照)。
なお、このような金属をターゲットとするスパッタリングのスパッタリング条件の一例を下記に示す。
到達真空度:1.33×10−5〜1.33×10−2Pa
導入ガス流量(アルゴン):1.2×10−3〜5.0×10−3/h
動作圧(導入ガス導入後の真空度):1.33×10−2〜1.33Pa
アース電極温度:10〜100℃電力:100〜500W
スパッタリング時間:1秒〜15分
次いで、形成された金属薄膜を加熱により酸化して、酸化金属層8を形成する。
金属薄膜10を加熱により酸化するには、特に制限されず、例えば、加熱炉などを用いて大気中で加熱する。加熱温度は、例えば、50〜400℃、好ましくは、100〜250℃であり、加熱時間は、例えば、1分〜12時間である。これによって、図4(b)に示すように、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8が形成される。なお、この酸化金属層8は、最表面の酸化度合いが最も高く、その最表面から厚み方向内方へいくに従って、酸化度合いが低下するように酸化されている。
次に、酸化金属層8を形成する第2の方法について詳述する。
第2の方法では、金属をターゲットとして、反応性スパッタリングにより、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8を形成する。
ターゲットとされる金属としては、特に制限されないが、例えば、第1の方法と同様の金属が用いられる。好ましくは、クロムが用いられる。クロムの酸化皮膜は、高温高湿下においても変化の少ない、安定した表面抵抗値を得ることができる。
反応性スパッタリングでは、上記した図5に示すスパッタリング装置において、真空チャンバー21内に酸素を含む導入ガスを導入する以外は、上記のスパッタリング法と同様の方法が用いられる。
より具体的には、ターゲット22として、上記した酸化金属層8を形成するための金属を配置するとともに、基板26として、各端子部6を含むカバー絶縁層5側が、ターゲット22と対向するように、回路付サスペンション基板1を配置する。
そして、真空チャンバー21内に、酸素を必須としてアルゴンや窒素が任意の割合で混合された反応性ガス(例えば、Ar/O混合ガス、N/O混合ガス)を導入ガスとして導入し、電源24から電力を印加して、プラズマエミッションモニター25にて、プラズマの発光強度を一定に保持しながら、ターゲット22を所定時間スパッタリングする。
これによって、図4(b)に示すように、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8が形成される。なお、この酸化金属層8は、厚み方向全体が同じ度合いで均一に酸化されている。
なお、このような金属をターゲットとする反応性スパッタリングのスパッタリング条件の一例を下記に示す。
到達真空度:1.33×10−5〜1.33×10−2Pa
導入ガス流量:Ar/O混合ガスの場合
Ar:1.2×10−3〜2.4×10−3/h
:6×10−5〜30×10−5/h
/O混合ガスの場合
:1.2×10−3〜2.4×10−3/h
:6×10−5〜30×10−5/h
動作圧(導入ガス導入後の真空度):1.33×10−2〜1.33Pa
アース電極温度:10〜100℃
電力:100〜500W
スパッタリング時間:3秒〜15分
次に、酸化金属層8を形成する第3の方法について詳述する。
第3の方法では、酸化金属をターゲットとして、スパッタリングにより、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8を形成する。
ターゲットとされる酸化金属としては、特に制限されないが、例えば、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムおよびこれらの合金などが用いられる。好ましくは、酸化クロムが用いられる。酸化クロムの皮膜は、高温高湿下においても変化の少ない、安定した表面抵抗値を得ることができる。
酸化金属のスパッタリングでは、上記した図5に示すスパッタリング装置において、ターゲット22として酸化金属を用い、電源24に交流電源(RF)を用いる以外は、第1の方法のスパッタリング法と同様の方法が用いられる。
より具体的には、ターゲット22として、図5に示すように、上記した酸化金属層8を形成するための酸化金属を配置するとともに、基板26として、各端子部6を含むカバー絶縁層5側がターゲット22と対向するように、回路付サスペンション基板1を設置する。電源24は、交流電源(RF)が用いられる。そして、真空チャンバー21内に、アルゴンなどの不活性ガスを導入ガスとして導入し、電源24から電力を印加して、プラズマエミッションモニター25にて、プラズマの発光強度を一定に保持しながら、ターゲット22を所定時間スパッタリングする。
これによって、図4(b)に示すように、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に、酸化金属層8が形成される。なお、この酸化金属層8は、厚み方向全体が同じ度合いで均一に酸化されている。
なお、このような酸化金属をターゲットとするスパッタリングのスパッタリング条件の一例を下記に示す。
到達真空度:1.33×10−5〜1.33×10−2Pa
導入ガス流量(アルゴン):1.2×10−3〜5.0×10−3/h
動作圧(導入ガス導入後の真空度):1.33×10−2〜1.33Pa
アース電極温度:10〜100℃電力:RF100〜500W
スパッタリング時間:1秒〜15分
次いで、図4(c)に示すように、カバー絶縁層5の表面全面および端子部6の表面全面に形成された酸化金属層8のうち、カバー絶縁層側周縁部18(図2参照)を除くカバー絶縁層5に形成された酸化金属層8が残存するように、端子部6の表面および端子部6の周縁部14(図2参照)に形成された酸化金属層8を除去する。
端子部6の表面および端子部6の周縁部14に形成された酸化金属層8の除去は、特に制限されず、例えば、エッチング法が用いられる。
エッチング法では、カバー絶縁層側周縁部18を除くカバー絶縁層5に形成された酸化金属層8の上に、エッチングレジストを設けて、端子部6および端子部6の周縁部14に形成されている酸化金属層7を、エッチング液を用いて除去した後、そのエッチングレジストを剥離により除去する。
次に、図4(d)に示すように、端子部6の周縁部14に導電性ポリマー層7を形成する。
導電性ポリマー層7は、上記したモノマーおよび重合開始剤を含むモノマー溶液に回路付サスペンション基板1を浸漬して、端子部6の周縁部14のみに選択的にそのモノマー溶液を付着させた後、モノマーを重合させることにより形成される。モノマーを重合させるには、特に制限されないが、例えば、ラジカル重合法が用いられる。また、ラジカル重合法に用いられる重合開始剤としては、例えば、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムなどの酸化性重合開始剤が用いられる。また、モノマー溶液の溶媒としては、例えば、水、アルコール類などが用いられる。また、モノマー溶液のモノマー濃度は、例えば、0.005〜1mol/Lであり、重合開始剤濃度が、例えば、0.001〜0.05mol/Lである。また、モノマーの重合においては、重合温度が、例えば、0〜20℃であり、重合時間が、例えば、1〜20分である。
なお、このようなモノマー溶液の浸漬において、金属からなる支持基板2および酸化金属層8には、モノマー溶液が付着されず、絶縁体からなるカバー絶縁層5にのみ、モノマー溶液が選択的に付着される。そのため、これによって、導電性ポリマー層7が、端子部6の周縁部14に選択的に形成される。
その後、図示しないが、支持基板2をエッチングにより外形加工することによって、導電性ポリマー層7および酸化金属層8が形成された回路付サスペンション基板1を得る。
そして、このような回路付サスペンション基板1では、端子部6の周縁部14に導電性ポリマー層7が形成され、その導電性ポリマー層7に接触するように、カバー絶縁層5の表面に酸化金属層8が形成されているので、端子部6にわずかに帯電した静電気を導電性ポリマー層7から酸化金属層8を介して除去することができ、これによって静電気による磁気ヘッドなどの電子部品の破壊を有効に防止することができる。その結果、この回路付サスペンション基板1によれば、静電気破壊に対して敏感な磁気ヘッドなどの電子部品も、高い接続信頼性での実装を達成することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されるものではない。
実施例1
幅250mmの長尺ステンレス箔(厚み20μm)からなる支持基板の上に、感光性ポリアミド酸樹脂を含む溶液を塗布し、露光および現像により所定のパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるベース絶縁層(厚み10μm)を形成した。次いで、このベース絶縁層の上に、セミアディティブ法によって、導体層(厚み15μm)を所定の配線回路パターンとして形成した後、その導体層を含むベース絶縁層の上に、感光性ポリアミド酸樹脂を含む溶液を塗布し、露光および現像により所定のパターンを形成した後、これを加熱硬化させて、ポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層(厚み3μm)を形成した。なお、カバー絶縁層の形成と同時に複数の端子部を形成した。これによって、回路付サスペンション基板を得た(図4(a)参照)。各端子部の形状は、正方形であり、1辺の長さは、1000μmであった。
次いで、カバー絶縁層の表面全面および端子部の表面全面に、下記の条件でスパッタリングすることによって、クロム薄膜からなる金属薄膜を形成した。
ターゲット:Cr
到達真空度:1×10−3Pa
導入ガス流量(アルゴン):4.38×10−3/h
動作圧(導入ガス導入後の真空度):0.16Pa
アース電極温度:20℃
電力:DC140W(直流電源)
スパッタリング時間:4秒
クロム薄膜の厚み:1nm
次いで、125℃、12時間、大気中で加熱することにより、その表面が酸化クロムとなるように酸化して、酸化金属層を形成した(図4(b)参照)。なお、酸化金属層の形成はESCAにて確認した。また、酸化金属層の表面抵抗値は、1×10Ω/□であった。
次いで、端子部およびその周縁部以外に、エッチングレジストを形成し、エッチング液として、フェリシアン化カリウムおよび水酸化ナトリウムの混合水溶液を用いて、端子部およびその周縁部の酸化金属層をエッチングにより除去した(図4(d)参照)。なお、除去されたカバー絶縁層側周縁部の幅方向における長さは、50μmであった。
その後、1Lガラス製ビーカーに、0.1mol/Lのペルオキソ二硫酸カリウム水溶液500mLを入れ、液温を2〜3℃に保持した後、0.2mol/Lのピロール水溶液100mLを加えて、液温を15℃に保持して、モノマー水溶液を調製した。このモノマー水溶液に、上記により得られた回路付サスペンション基板を浸漬して、モノマー水溶液を10分間攪拌した。その後、この回路付サスペンション基板を、モノマー水溶液から引き上げ、風乾させて溶媒を除去し、ピロールを重合させることにより、導電性ポリマー層を、端子部の周縁部に形成した。なお、この導電性ポリマー層の厚みは、30nmであり、幅は、700μmであり、その表面抵抗値は、1.5×10Ω/□であった。
その後、支持基板をエッチングにより外形加工することにより、酸化金属層および導電性ポリマー層を備えた回路付サスペンション基板を得た。
評価(静電気量測定)
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の静電気(電荷)量を、クーロンメーター(春日電機(株)製、NK−1001)用いて測定したところ、0nQであった。
そして、この回路付サスペンション基板に、磁気ヘッドを実装したところ、磁気ヘッドが破壊されることなく、実装することができた。
比較例1
導電性ポリマー層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、回路付サスペンション基板を得た。すなわち、この回路付サスペンション基板には、導電性ポリマー層を形成せず、酸化金属層のみを端子部の周縁部を除くカバー絶縁層の表面全面に形成した。
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の静電気(電荷)量を、クーロンメーター(春日電機(株)製、NK−1001)用いて測定したところ、0.15nQであった。
そして、この回路付サスペンション基板に、磁気ヘッドを実装したところ、磁気ヘッドの静電破壊が確認された。
比較例2
酸化金属層を形成せず、酸化金属層の形成部分にも導電性ポリマー層を形成した以外は、実施例1と同様にして、回路付サスペンション基板を得た。すなわち、この回路付サスペンション基板には、酸化金属層を形成せず、導電性ポリマー層のみを、カバー絶縁層の表面全体、および、端子部の周縁部に形成した。
得られた回路付サスペンション基板について、磁気ヘッド実装前の端子部の静電気(電荷)量を、クーロンメーター(春日電機(株)製、NK−1001)用いて測定したところ、0nQであった。
しかし、この回路付サスペンション基板に、磁気ヘッドを実装したところ、磁気ヘッドの静電破壊が確認された。この静電破壊は、導電性ポリマー層に残留したわずかな静電気(電荷)により、磁気ヘッド実装時に瞬間的に大きな電流が、導電性ポリマー層から磁気ヘッドに流れ込んだためと推測される。
本発明の配線回路基板の一実施形態としての回路付サスペンション基板の端部の断面図である。 図1に示す回路付サスペンション基板の端子部の断面拡大図である。 図1に示す回路付サスペンション基板の端子部の平面図である。 図1に示す回路付サスペンション基板の製造方法を示す工程断面図であって、(a)は、端子部を備える回路付サスペンション基板を用意する工程、(b)は、カバー絶縁層の表面全面および端子部の表面全面に、酸化金属層を形成する工程、(c)は、端子部およびその周縁部に形成された酸化金属層を除去する工程、(d)は、端子部の周縁部に導電性ポリマー層を形成する工程を示す。 スパッタリング装置の一実施形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1 回路付サスペンション基板
4 導体層
5 カバー絶縁層
6 端子部
7 導電性ポリマー層
8 酸化金属層
14 周縁部

Claims (2)

  1. 導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出する導体層からなる端子部とを備える配線回路基板であって、
    前記端子部の表面の周縁部に形成された導電性ポリマー層と、
    前記導電性ポリマー層と接触するように、前記絶縁層の表面に形成された酸化金属層とを備えていることを特徴とする、配線回路基板。
  2. 導体層と、前記導体層に隣接する絶縁層と、前記絶縁層が開口されることにより露出する導体層からなる端子部とを備える配線回路基板であって、
    前記端子部の表面の周縁部に形成され、10〜10Ω/□の表面抵抗値を有する導電性ポリマー層と、
    前記導電性ポリマー層と接触するように、前記絶縁層の表面に形成され、10〜1011Ω/□の表面抵抗値を有する酸化金属層とを備えることを特徴とする、配線回路基板。
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