JP2006133024A - 開回路電圧検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】常時、正確な開回路電圧を検出することができる開回路電圧検出装置を提供する。
【解決手段】充放電が終了してから最初のうちは、充放電分極が残っており、開回路電圧を実測することができない。この間、推定した開回路電圧を開回路電圧として検出する。その後、長期間、充放電が行われず放置され、充放電分極が解消し、開放電圧から開回路電圧を実測できるようになると、計測したバッテリの現開放電圧を開回路電圧として検出する。
【選択図】なし

Description

一般に、充電終了後のバッテリの開放状態での端子電圧(以降、「開放状態での端子電圧」を「開放電圧」という)は、図5に示すように、充電によって生じた充電分極の解消に伴って低下し、充電分極が完全に解消され平衡状態になるとE0で一定となる。これに対して、放電終了後のバッテリの開放電圧は、図6に示すように、放電によって生じた放電分極の解消に伴って上昇し、放電分極が完全に解消され平衡状態になるとE0で一定となる。
平衡状態におけるバッテリの開放電圧である開回路電圧は、そのバッテリの充電状態を反映したものであるので、バッテリにあとどれくらいの電気量があるか(充電状態)を知る上で重要なものである。
充放電が終了してから、充電又は放電分極が解消してバッテリが平衡状態となるまでには、24時間ほどかかる。そこで、充放電が終了してからバッテリが平衡状態となるであろう時間、例えば24時間が経過したときのバッテリの開放電圧を計測して、開回路電圧とみなすことが考えられる。
しかしながら、上述した方法では、充放電終了から平衡状態とみなせる状態になるまで待たなければならず、このような時間が経過する前に、再び充放電が再開される可能性もあり、開回路電圧を知ることのできる機会が極めて少ないという問題があった。
そこで、充放電が終了してから一定時間(≪充電が終了してからバッテリが平衡状態となるであろう時間、例えば24時間)経過するまでの間のバッテリの開放電圧の推移により開回路電圧を推定するものが考えられる。このような推定方法の一例として、特許文献1に記載されたものが挙げられる。
特許文献1には、複数回計測した開放電圧の各々と、想定した想定開回路電圧との差値により、上記差値と充放電終了からの経過時間との関係を表す累乗近似式Vs=α×tD(ただし、Vs:差値、α:係数、t:充放電終了からの経過時間、D:係数)を決定し、決定した累乗近似式のべき数Dが−0.5となるまで、想定開回路電圧を更新しながら累乗近似式の決定を折り返し実行し、べきD数が−0.5となったときの想定開回路電圧を開回路電圧とすることが記載されている。
特開2002−234408号公報
上述した推定方法で求めた開回路電圧は、推定した時点での開回路電圧である。バッテリの開回路電圧は、充放電が行われなくても、長期間放置されると自己放電が発生し、低下してしまうことがある。また、長期間、充放電を行わなず放置すると、充放電によって発生した分極は解消され、バッテリは平衡状態となっている。たとえ、自己放電が生じていたとしても、自己放電は微小な電流であるため、バッテリは平衡状態を保ったままである。このため、長期間放置したような状態では、バッテリの開放電圧を計測することにより、開回路電圧を実測することができる。
しかしながら、上述した従来の技術では、長期間放置により開回路電圧の変化が生じてしまっているにも拘わらず、しかも、長期間放置すると実測により開回路電圧を検出できるにも拘わらず、推定した時点の推定開回路電圧を現時点での開回路電圧として検出しているため、常時正確な、開回路電圧の検出を行っているとは言えない。
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、常時、正確な開回路電圧を検出することができる開回路電圧検出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、バッテリの開回路電圧を検出する開回路電圧検出装置であって、前記バッテリの開放電圧を計測する計測手段と、充電又は放電が終了してから一定時間経過するまでの間に、複数回計測したバッテリの開放電圧に基づいて、前記開回路電圧を推定する推定手段と、前記充電又は放電が終了してから、初めのうちは前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、その後、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出する検出手段とを備えたことを特徴とする開回路電圧検出装置に存する。
請求項1記載の発明によれば、充放電が終了してから最初のうちは、充放電分極が残っており、開回路電圧を実測することができない。この間、推定した開回路電圧を開回路電圧として検出する。その後、長期間、充放電が行われず放置され、充放電分極が解消し、開放電圧から開回路電圧を実測できるようになると、計測したバッテリの現開放電圧を開回路電圧として検出する。従って、長期放置によって自己放電が発生し、開回路電圧が推定された時点よりも減少しているにも拘わらず、いつまでも推定した時点の開回路電圧を検出し続けるということがなくなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の開回路電圧検出装置であって、前記検出手段は、前記充電が終了してから前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧以上である間、前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧を下回ると以降、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置に存する。
請求項2記載の発明によれば、検出手段は、充電が終了してから計測されたバッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧以上である間、推定された開回路電圧を開回路電圧として検出し、計測されたバッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧を下回ると以降、計測されたバッテリの現開放電圧を開回路電圧として検出する。従って、バッテリの現開放電圧が推定開回路電圧を下回った時点で充電分極が解消して、バッテリは平衡状態になっていると判断できる。このため下回ると以降、平衡状態となっているバッテリの現開放電圧を開回路電圧として検出することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の開回路電圧検出装置であって、前記検出手段は、前記放電が終了してから前記計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えるまでの間、前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、前記計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えると以降、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置に存する。
請求項3記載の発明によれば、検出手段は、放電が終了してから計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えるまでの間、推定された開回路電圧を開回路電圧として検出し、計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えると以降、計測されたバッテリの現開放電圧を開回路電圧として検出する。従って、計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えた時点で放電分極が解消して、バッテリは平衡状態になっていると判断できる。このためピークを迎えると以降、平衡状態となっているバッテリの現開放電圧が開回路電圧として検出することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の開回路電圧検出装置であって、前記検出手段は、前記計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎える前に、前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧を上回ると以降、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置に存する。
請求項4記載の発明によれば、検出手段が、計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎える前に、計測されたバッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧を上回ると以降、計測されたバッテリの現開放電圧を開回路電圧として検出する。従って、バッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧を上回ると、推定した開回路電圧よりバッテリの現開放電圧の方が実際の開回路電圧に近い値であると判断できる。このため、上回ると以降、推定した開回路電圧が開回路電圧として検出され続けることなく、実際の開回路電圧により近い、バッテリの現開放電圧が開回路電圧として検出することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の開回路電圧検出装置であって、前記検出手段は、前記放電が終了してから前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧以下である間、前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧を上回ると以降、前記バッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置に存する。
請求項5記載の発明によれば、検出手段が、放電が終了してから計測されたバッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧以下である間、推定された開回路電圧を開回路電圧として検出し、計測されたバッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧を上回ると以降、バッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出する。従って、バッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧を上回ると、推定した開回路電圧よりバッテリの現開放電圧の方が実際の開回路電圧に近い値であると判断できる。このため、上回ると以降、推定した開回路電圧が開回路電圧として検出され続けることなく、実際の開回路電圧により近い、バッテリの現開放電圧が開回路電圧として検出することができる。
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、長期放置によって自己放電が発生し、開回路電圧が推定された時点よりも減少しているにも拘わらず、いつまでも推定した時点の開回路電圧を検出し続けるということがなくなるので、常時、正確な開回路電圧を検出することができる開回路電圧検出装置を得ることができる。
請求項2記載の発明によれば、バッテリの現開放電圧が推定開回路電圧を下回った時点で充電分極が解消して、バッテリは平衡状態になっていると判断できる。このため下回ると以降、平衡状態となっているバッテリの現開放電圧を開回路電圧として検出することができるので、より一層、正確な開回路電圧を検出することができる開回路電圧検出装置を得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えた時点で放電分極が解消して、バッテリは平衡状態になっていると判断できる。このためピークを迎えると以降、平衡状態となっているバッテリの現開放電圧が開回路電圧として検出することができるので、より一層、正確な開回路電圧を検出することができる開回路電圧検出装置を得ることができる。
請求項4及び5記載の発明によれば、バッテリの現開放電圧が推定された開回路電圧を上回ると、推定した開回路電圧よりバッテリの現開放電圧の方が実際の開回路電圧に近い値であると判断できる。このため、上回ると以降、推定した開回路電圧が開回路電圧として検出され続けることなく、実際の開回路電圧により近い、バッテリの現開放電圧が開回路電圧として検出することができるので、常時、正確な開回路電圧を検出することができる開回路電圧検出装置を得ることができる。
以下、本発明の開回路電圧検出装置を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の開回路電圧検出装置の一実施形態を示すブロック図である。図中符号1で示す本実施形態の装置は、エンジン3に加えてモータジェネレータ5を有する車両に搭載されている。
そして、この車両は、エンジン3の出力をドライブシャフト7からディファレンシャルケース9を介して車輪11に伝達して走行させる。また、この車両は、減速時や制動時にモータジェネレータ5をジェネレータ(発電機)として機能させ、運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリ13を充電させるように構成されている。ここで言うバッテリ13とは、鉛酸電池や、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池を示す。
本実施形態の装置1は、また、バッテリ13に直列接続され、バッテリ13に流れる放電電流や充電電流を検出する電流センサ15と、バッテリ13に並列接続した1Mオーム程度の抵抗値を有し、バッテリ13の端子電圧Vを検出する電圧センサ17とを備えている。
また、本実施形態の装置1は、上述した電流センサ15及び電圧センサ17のアナログ出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と略記。)21によるA/D変換後に取り込まれるマイクロコンピュータ(以下、マイコン)23をさらに備えている。
そして、上述したバッテリマイコン23は、CPU23a、RAM23b及びROM23cを有しており、このうち、CPU23aには、RAM23b及びROM23cの他、前記I/F回路21が接続されている。また、上述した図示しないスタータスイッチ、イグニッションスイッチやアクセサリスイッチ、モータジェネレータ5以外の電装品(負荷)のスイッチ等が、さらに接続されている。
前記RAM23bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、前記ROM23cには、CPU23aに各種処理動作を行わせる制御プログラムが格納されている。
なお、上述した電流センサ15及び電圧センサ17の出力である電流値及び電圧値は、短い周期で高速にサンプリングされてI/F21を介して、バッテリECU23のCPU23aに取り込まれ、取り込まれた電流値及び電圧値は、各種の処理のために使用される。
次に、上述した構成の開回路電圧検出装置の動作について、以下説明する。充電が終了するとバッテリ13の開放電圧Voは、図2に示すように、充電によって生じた充電分極の解消に伴って低下する。CPU23aはまず、充電が終了してから一定時間T1経過するまでの間のバッテリ13の開放電圧Voの推移から開回路電圧OCVを推定し、この推定した開回路電圧(以下、推定開回路電圧Ep)を開回路電圧OCVとして検出する。
その後、CPU23aは、間欠的に計測した開放電圧Voが推定開回路電圧Ep以上である間は、上述した推定開回路電圧Epを開回路電圧OCVとして検出し続ける。また、充電分極が完全に解消され平衡状態となると、上述した開回路電圧OCVの推定が正確に行われていれば、図2に示すように、バッテリ13の開放電圧Voは推定開回路電圧Epで一定となる。さらにその後、充放電が行われずに放置され続け、自己放電が発生するとバッテリ13の開放電圧Voは推定開回路電圧Epを下回る。この下回った時点ではバッテリ13の充電分極はすでに解消され、バッテリ13は平衡状態であると考えられる。つまり、開放電圧Vo=開回路電圧OCVであり、開回路電圧OCVは開放電圧Voと同様に推定開回路電圧Epを下回っている。
そこで、CPU23aは、間欠的に計測した開放電圧Voが推定開回路電圧Epを下回ると以降、計測した現開放電圧Voを開回路電圧OCVとして検出する。このため、長期放置によって自己放電が発生し、開回路電圧OCVが推定された時点よりも減少しているにも拘わらず、いつまでも推定した時点の開回路電圧Epを検出し続けるということがなくなり、常時正確な、開回路電圧OCVの検出を行うことができる。
また、上述した特開2002−234408号公報に示されるような推定方法を用いた場合、正確に開回路電圧OCVの推定を行うことができるが、精度の悪い他の推定方法を用いた場合、充電分極の解消が推定より進んでしまい、バッテリの開放電圧Voが推定開回路電圧Epを下回ったところで平衡状態となることも考えられる。この下回った時点ではバッテリ13の開放電圧Voの方が、推定開回路電圧Epより実際の開回路電圧OCVに近い値であると判断できる。
そこで、上述したように計測した開放電圧Voが推定開回路電圧Epを下回ると以降、計測した現開放電圧Voを開回路電圧OCVとして検出すれば、下回ると以降、推定開回路電圧Epが開回路電圧OCVとして検出され続けることなく、実際の開回路電圧OCVにより近い、バッテリ13の現開放電圧Voが開回路電圧OCVとして検出される。
一方、放電が終了するとバッテリ13の開放電圧Voは、図3に示すように、放電によって生じた放電分極の解消に伴って徐々に上昇する。CPU23aはまず、充電が終了してから一定時間T1経過するまでの間のバッテリ13の開放電圧Voの推移から開回路電圧OCVを推定し、この推定した開回路電圧(以下、推定開回路電圧Ep)を開回路電圧OCVとして検出する。
また、放電分極が完全に解消され平衡状態となると、上述した開回路電圧OCVの推定が正確に行われていれば、図3に示すように、バッテリ13の開放電圧Voは推定開回路電圧Epで一定となる。さらにその後、充放電が行われずに放置され続け、自己放電が発生するとバッテリ13の開放電圧Voは低下して、推定開回路電圧Epを下回る。従って、計測された開放電圧Voがピークを迎えた時点でバッテリ13の放電分極はすでに解消され、バッテリ13は平衡状態であると考えられる。つまり、開放電圧Vo=開回路電圧OCVであり、開回路電圧OCVは開放電圧Voと同様に推定開回路電圧Epを下回っている。
そこで、CPU23aは、放電が終了してから計測されたバッテリ13の開放電圧Voがピークを迎えるまでの間、推定開回路電圧Epを開回路電圧OCVとして検出し、計測されたバッテリ13の開放電圧Voがピークを迎えると以降、計測されたバッテリ13の現開放電圧Voを開回路電圧OCVとして検出する。このため、長期放置によって自己放電が発生し、開回路電圧OCVが推定された時点よりも減少しているにも拘わらず、いつまでも推定した時点の開回路電圧Epを検出し続けるということがなくなり、常時正確な、開回路電圧OCVの検出を行うことができる。
また、精度の悪い推定方法を用いた場合、放電分極の解消が推定より進んでしまい、バッテリの開放電圧Voが推定開回路電圧Epを上回ったところで平衡状態となることも考えられる。この上回った時点ではバッテリ13の開放電圧Voの方が、推定開回路電圧Epより実際の開回路電圧OCVに近い値であると判断できる。
そこで、CPU23aは、計測した開放電圧Voが、ピークを迎える前に、推定開回路電圧Epを上回ると以降、計測した現開放電圧Voを開回路電圧OCVとして検出すれば、上回ると以降、推定開回路電圧Epが開回路電圧OCVとして検出され続けることがなく、実際の開回路電圧OCVにより近い、バッテリ13の現開放電圧Voが開回路電圧OCVとして検出される。
次に、上述した構成のバッテリ状態検出装置の動作について、図4のCPU23aの処理手順を示すフローチャートを参照して説明する。バッテリ13から給電を受けてマイコン23は起動しているものとし、マイコン23内のCPU23aは、例えば、電流センサ15の出力をサンプリングして得た電流値に基づいて、電流値が0になっているかどうかにより、充電又は放電が終了したかどうかを判定する。この判定の結果、CPU23aは、充電又は放電の終了が検出されたときに、バッテリの開回路電圧検出処理を開始する。
この開回路電圧検出処理において、CPU23aは、電圧センサ17を用いて、充電又は放電が終了してから一定時間T1経過するまでの間、バッテリ13の開放電圧Voを複数回計測する計測処理を行う(ステップS1)。その後、CPU23aは、複数回計測したバッテリ13の開放電圧Voに基づいて、開回路電圧OCVを推定する開回路電圧推定処理を行い(ステップS2)、推定した開回路電圧(以下、推定開回路電圧Ep)を開回路電圧OCVとしてRAM23bのデータエリアに格納する(ステップS3)。
計測処理においてCPU23aは、一定時間T1のうち、最初の例えば5分といった時間T11は計測を待って、残りの時間T12で例えば10秒毎に、電圧センサ17を用いて、バッテリ13の開放電圧を複数回計測して、RAM23bのデータエリアに格納する。
また、開回路電圧推定処理においてCPU23aは、例えば、特開2002−234408号公報に記載された推定方法を用いて、開回路電圧の推定を行う。つまり、複数回計測した開放電圧の各々と、想定した想定開回路電圧との差値により、累乗近似式Vs=α×tD(ただし、Vs:差値、α:係数、t:充放電終了からの経過時間、D:係数)を決定し、決定した累乗近似式のべき数Dが−0.5となるまで、又は、略−0.5となるまで累乗近似式の決定を、想定開回路電圧を更新しながら折り返し実行し、べきD数が−0.5となったとき、又は、略−0.5となったときの想定開回路電圧を開回路電圧とする。
次に、CPU23aは、開回路電圧検出処理を開始する前の電流センサ15の出力から放電が終了した後か、充電が終了した後であるかを判断する(ステップS4)。充電が終了した場合、CPU23aは、バッテリ13の開放電圧Voを計測する計測処理を行った後(ステップS5)、計測した開放電圧Voが推定開回路電圧Epを下回っているか否かを判断する(ステップS6)。下回っていない場合(ステップS6でN)、CPU23aは再びステップS5に戻る。
これに対して、下回っている場合(ステップS6でY)、CPU23aは、再びバッテリ13の開放電圧Voを計測する計測処理を行った後(ステップS7)、計測した開放電圧Voを開回路電圧OCVとしてRAM23bのデータエリアに格納する(ステップS8)動作が繰り返される。
また、放電が終了した場合、CPU23aは、バッテリ13の開放電圧Voを計測する計測処理を行った後(ステップS9)、計測した開放電圧Voが推定開回路電圧Epを上回っているか否かを判断する(ステップS10)。上回っている場合(ステップS10でY)、CPU23aは、上述したステップS7に進む。一方、上回っていない場合(ステップS10でN)、CPU23aは、放電終了後、開放電圧Voがピークを迎えたか否かを判断する(ステップS11)。ピークを迎えていた場合(ステップS11でY)、CPU23aは、上述したステップS7に進む。一方、ピークを迎えていなかった場合(ステップS11でN)、再びステップS9に戻る。
以上のことから明らかなように、本実施形態の開回路電圧検出装置では、図4のフローチャートにおけるステップS1、S5、S7、S9が請求項中の計測手段に相当する処理となっており、ステップS2が推定手段に相当する処理となっており、ステップS3、S4、S6、S8、S10、S11が検出手段に相当する処理となっている。
なお、本明細書中においては、バッテリ13の開放状態での端子電圧を開放電圧、平衡状態のときのバッテリ13の開放電圧を開回路電圧としている。
また、上述した実施形態では、推定開回路電圧Epと計測した開放電圧Voとの比較に基づいて、分極の解消状態を判断していた。しかしながら、例えば、充放電が終了してから分極が残留しているとみなせる期間(例えば24時間)は、推定開回路電圧Epを開回路電圧OCVとして検出し、その期間経過した後は、計測したバッテリ13の開放電圧Voを開回路電圧OCVとして検出することも考えられる。
本発明の開回路電圧検出装置の一実施形態を示すブロック図である。 充電終了後、長期放置したときのバッテリの開放電圧Voの変化を示すグラフである。 放電終了後、長期放置したときのバッテリの開放電圧Voの変化を示すグラフである。 図1に示す開回路電圧検出装置を構成するCPU23aの処理手順を示すフローチャートである。 充電終了後のバッテリの開放電圧Voの変化を示すグラフである。 放電終了後のバッテリの開放電圧Voの変化を示すグラフである。
符号の説明
23a CPU(計測手段、推定手段、検出手段)

Claims (5)

  1. バッテリの開回路電圧を検出する開回路電圧検出装置であって、
    前記バッテリの開放電圧を計測する計測手段と、
    充電又は放電が終了してから一定時間経過するまでの間に、複数回計測したバッテリの開放電圧に基づいて、前記開回路電圧を推定する推定手段と、
    前記充電又は放電が終了してから、初めのうちは前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、その後、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出する検出手段とを備えたことを特徴とする開回路電圧検出装置。
  2. 請求項1記載の開回路電圧検出装置であって、
    前記検出手段は、前記充電が終了してから前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧以上である間、前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧を下回ると以降、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置。
  3. 請求項1又は2記載の開回路電圧検出装置であって、
    前記検出手段は、前記放電が終了してから前記計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えるまでの間、前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、前記計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎えると以降、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置。
  4. 請求項3記載の開回路電圧検出装置であって、
    前記検出手段は、前記計測されたバッテリの開放電圧がピークを迎える前に、前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧を上回ると以降、前記計測されたバッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置。
  5. 請求項1又は2記載の開回路電圧検出装置であって、
    前記検出手段は、前記放電が終了してから前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧以下である間、前記推定された開回路電圧を前記開回路電圧として検出し、前記計測されたバッテリの現開放電圧が前記推定された開回路電圧を上回ると以降、前記バッテリの現開放電圧を前記開回路電圧として検出することを特徴とする開回路電圧検出装置。
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