JP3976645B2 - バッテリ充電状態測定方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバッテリの充電状態を測定するバッテリ充電状態測定方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンや軽油等を燃料とするエンジンとバッテリを電源として回転する電動機とを動力源として走行する、いわゆる、ハイブリットカーと呼ばれる車両においては、車両に搭載されたバッテリは、エンジンの回転中オルターネータの発電する電力によって充電され、エンジンを停止させて走行する際に電動機に対して電力供給を行うため放電される。このため、バッテリの充電状態を適切に把握し、必要以上にエンジンを回転させることなく、バッテリ電源を有効に活用することで、出来るだけ電動機を動力源として走行することが、燃費効率の向上を図る上で非常に重要である。
【0003】
バッテリの充電状態を把握する方法として、充電中の電流を現在の充電状態に積算し、放電中の電流を現在の充電状態から減算する電流積算(電力積算)方式と呼ばれる方法が一般に採用されている。この方法は、バッテリの充放電される電気量を積算するものであるので、電気量(Ah)で表されるバッテリの容量を求めるのに都合がよいとの理由から、充放電を伴うバッテリ使用中の充電状態を求める場合の主流となっている。
【0004】
すなわち、電流積算方式では、車載バッテリがその種類に応じた満充電状態でのAh値Xが予め分かっており、また、Ah値が予め定めた値Y以下になったときそれ以上の放電をすべきでないことも分かっているので、Xを充電状態100%、Yを充電状態0%とし、1%当たりのAh値Zを(X−Y)/100を予め求めておくとともに、充電電流Ijと放電電流Idを一定時間間隔で測定し、各測定値に一定時間tを乗じたAh値を加算したり減算して求めた積算値が±Ah値Z以上となる毎に%で表された現在の充電状態xに±1することによってバッテリ使用中の充電状態を求めるようにしたものである。
【0005】
しかし、この方法の場合、測定した電流や時間に僅かの誤差があっても、それが蓄積されてしまうため、長い時間継続していると、測定した充電状態が実際の状態から大きくずれてしまうようになり、結果的に、バッテリの充電状態を正確に把握することができなくなってしまう問題がある。
【0006】
そこで、より正確な充電状態を把握するため、適宜タイミングで校正を行うために充電状態を示す残容量を計算し、この算出した残容量にて電流時間積によって求めた充電状態を修正することを行うようにしたものも、例えば特開2002−51470や特許第3104483号などにおいて提案されている。
【0007】
前者の方法では、無負荷状態での電圧特性により作成された端子電圧と充電状態との関係を示すマップを用意しておき、任意時点の無負荷状態で測定した端子電圧に基づいて、マップ検索を行って充電状態である残容量を計算により求めるものであり、後者の方法は、無負荷状態で所定時間経過して安定したバッテリの端子電圧に基づいて算出したバッテリの残容量にて修正するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法は、無負荷状態を強制的に短時間の間生成したときの端子電圧に基づいて残容量を算出することを想定しているため、それ以前のバッテリの充放電状態によって安定しないバッテリの端子電圧を測定することになり、同じ値の端子電圧であっても全く違った残容量が算出されるようになり、残容量を算出できる頻度は高いものの、精度が非常に悪いという問題がある。
【0009】
この点、後者の方法では、端子電圧が安定する時点で測定した端子電圧を用いて残容量を算出しているので、非常に精度のよい残容量が算出でき、充電状態を現状にあったものに修正できるが、無負荷状態になってからバッテリの端子電圧が安定した状態になるには、例えば24時間の長時間を要し、車両がこのような時間放置された時にしか修正できないという問題がある。
【0010】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、充放電電流を長期間にわたって連続的に積算することによる大きな累積誤差の発生を生じ難くして、バッテリの充電状態をより正確に測定できるようにしたバッテリ充電状態測定方法及び装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためなされた本発明は、充放電が終了した後のバッテリの端子電圧が、充放電終了直後に急激に下降又は上昇し、時間の進行に伴って充電状態を反映した一定の電圧値に向かって徐々に漸近するように推移し、しかも充放電終了直後から比較的短時間内の電圧の推移によって漸近する電圧値、すなわち、開回路電圧が推定でき、この推定した開回路電圧に基づいて充電状態を算出し、この算出した充電状態によってそれ以前に電流時間積方式によって求めていた充電状態を更新できることに着目してなされたものであり、請求項1乃至請求項10記載の本発明はバッテリ充電状態測定方法に、請求項11及び12記載の本発明はバッテリ充電状態測定装置にそれぞれ関するものである。
【0012】
前記課題を解決するためなされた請求項1に記載した本発明は、エンジンを動力源として走行する車両に搭載されて使用されるバッテリの充電電流及び放電電流をそれぞれ周期的に測定し、該周期的に測定した前記充電電流の前記バッテリの現在の充電状態に対する加算及び前記周期的に測定した前記放電電流の前記バッテリの現在の充電状態からの減算をそれぞれ行ってバッテリの充電状態を測定するバッテリ充電状態測定方法において、
前記バッテリの端子電圧を所定の周期で測定して収集しておき、
前記バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の前記収集しておいた端子電圧に対して予め定めた複数の期間の各期間内の前記端子電圧に基づいて近似された所定の近似式が漸近する電圧値を各期間の想定開回路電圧として求め、隣接する期間の前記想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間の前記想定開回路電圧を開回路電圧と推定し、
該推定した開回路電圧に基づいて前記バッテリの充電状態を演算して求め、
該求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定するようにした
ことを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
請求項1に記載した本発明によれば、エンジンを動力源として走行する車両に搭載されて使用されるバッテリの充電電流及び放電電流をそれぞれ周期的に測定し、この周期的に測定した充電電流のバッテリの現在の充電状態に対する加算及び周期的に測定した放電電流のバッテリの現在の充電状態からの減算をそれぞれ行ってバッテリの充電状態を測定しているが、バッテリの端子電圧を測定し、バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後、すなわち、バッテリの充電又は放電が実質的に終了した後に測定した端子電圧の推移に基づいて開回路電圧を推定し、この推定した開回路電圧に基づいてバッテリの充電状態を演算して求め、この求めた充電状態を用いて現在の充電状態を更新して設定するようにしているので、バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の実質的な充放電が終了する毎に、その終了から短い時間の内に測定した端子電圧の推移により推定した開回路電圧に基づいて演算したバッテリの充電状態を用いて現在の充電状態が更新されて設定し直され、現在の充電状態が正確な値に更新されて設定されるようになり、それ以前に電流積算方式にり、測定した充放電電流による加減算によって求めた充電状態に累積する可能性のある誤差を解消できる。
【0022】
そして、端子電圧の測定を所定の周期で行って収集しておき、開回路電圧の推定を、収集しておいた端子電圧に対して予め定めた複数の期間の各期間内の端子電圧に基づいて近似された所定の近似式が漸近する電圧値を各期間の想定開回路電圧として求め、隣接する期間の想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間の想定開回路電圧を開回路電圧と推定することで行うので、バッテリの充電又は放電が実質的に終了した後、比較的短い時間内に測定したバッテリの端子電圧によって求めた想定開回路電圧のなかから最良のものを開回路電圧として推定できる。
【0023】
また、請求項2に記載した本発明は、請求項1記載のバッテリ充電状態測方法において、前記複数の期間の各々を、充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の時間によって予め定めた複数の開始点の一つと複数の終了点の一つとの組み合わせによって定めることを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0024】
請求項2に記載した本発明によれば、複数の期間の各々を、充電又は放電が終了した後の時間によって予め定めた複数の開始点の一つと複数の終了点の一つとの組み合わせによって定めているので、充電又は放電が終了した後の所定時間内に、異なる複数の期間を網羅的に漏れなく設けて各期間の想定開回路電圧を求め、その中から精度の良い開回路電圧を見つけだすことができる。
【0025】
また、請求項3に記載した本発明は、請求項2記載のバッテリ充電状態測方法において、前記開始点の最短のものと前記終了点の最長のものが、前記端子電圧を測定して収集する期間の開始と終了に対応することを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0026】
請求項3に記載した本発明によれば、開始点の最短のものと終了点の最長のものが、端子電圧を測定して収集する期間の開始と終了に対応するので、端子電圧を測定して収集する期間を別途定めることが必要なく、また使用しない無駄な端子電圧の測定も行わなくてもよい。
【0027】
また、請求項4に記載した本発明は、請求項2又は3記載のバッテリ充電状態測方法において、前記開始点の最短のものと前記終了点の最長のものが、前記端子電圧を測定して収集する期間の開始と終了に対応することを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0028】
請求項4に記載した本発明によれば、開始点の最短のものと終了点の最長のものが、端子電圧を測定して収集する期間の開始と終了に対応するので、端子電圧を測定して収集する期間を別途定めることが必要なく、また使用しない無駄な端子電圧の測定も行わなくてもよい。
【0029】
また、請求項5に記載した本発明は、請求項1〜4の何れかに記載のバッテリ充電状態測方法において、隣接する期間の前記想定開回路電圧との差の絶対値の総和を隣接する期間の数で除した値が最小となる期間を、隣接する期間の前記想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間とすることを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0030】
請求項5に記載した本発明によれば、隣接する期間の想定開回路電圧との差の絶対値の総和を隣接する期間の数で除した値が最小となる期間を、隣接する期間の想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間としているので、隣接する期間の数に関係なく相対比較した上で、バッテリの開回路電圧を推定することができる。
【0031】
また、請求項6に記載した本発明は、請求項1〜5の何れかに記載のバッテリ充電状態測方法において、前記収集した端子電圧が下降するものであるとき、前記各期間の端子電圧と、想定した開回路電圧との差値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、該決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるか、又は、略−0.5となるまで、前記累乗近似式の決定を前記想定開回路電圧を更新しながら繰り返し実行することによって、前記累乗近似式が漸近する電圧値を求めることを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0032】
請求項6に記載した本発明によれば、収集した端子電圧が下降するものであるとき、すなわち、端子電圧が充電の終了してからのものであるとき、各期間の端子電圧と、想定した開回路電圧との差値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、該決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるか、又は、略−0.5となるまで、累乗近似式の決定を想定開回路電圧を更新しながら繰り返し実行することによって、累乗近似式が漸近する電圧値を求めているので、バッテリの充電が実質的に終了した後、比較的短い時間内に、各期間の累乗近似式の漸近線を各期間の想定開回路電圧として求めることができる。
【0033】
また、請求項7に記載した本発明は、請求項1〜5の何れかに記載のバッテリ充電状態測方法において、前記収集した端子電圧が上昇するものであるとき、前記各期間の端子電圧から、想定した開回路電圧を減算した値の絶対値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、該決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるか、又は、略−0.5となるまで、前記累乗近似式の決定を前記想定開回路電圧を更新しながら繰り返し実行することによって、前記累乗近似式が漸近する電圧値を求めることを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0034】
請求項7に記載した本発明によれば、収集した端子電圧が上昇するものであるとき、すなわち、端子電圧が放電の終了してからのものであるとき、各期間の端子電圧から、想定した開回路電圧を減算した値の絶対値により、各期間の端子電圧と、想定した開回路電圧との差値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、この決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるか、又は、略−0.5となるまで、累乗近似式の決定を想定開回路電圧を更新しながら繰り返し実行することによって、累乗近似式が漸近する想定開回路電圧を求めているので、バッテリの放電が終了した後、比較的短い時間内に、各期間の累乗近似式の漸近線を各期間の想定開回路電圧として求めることができる。
【0035】
また、請求項8に記載した本発明は、請求項6又は7に記載のバッテリ充電状態測方法において、バッテリの開回路電圧推定方法において、時間をt、未知の係数をα、未知の負のべき数をβとすると、前記累乗近似式がα・tβで表されることを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0036】
請求項8に記載した本発明によれば、時間をt、未知の係数をα、未知の負のべき数をβとすると、累乗近似式がα・tβで表されるので、累乗近似式α・tβのべき数βが−0.5になるか、略−0.5となったときの想定開回路電圧をその期間の想定開回路電圧とすることができる。
【0037】
また、請求項9に記載した本発明は、請求項8記載のバッテリ充電状態測方法において、前記端子電圧を2以上の任意の数とし、該任意数の端子電圧を回帰計算処理して前記累乗近似式のべき数βを決定することを特徴とするバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0038】
請求項9に記載した本発明によれば、端子電圧を2以上の任意の数とし、この任意数の端子電圧を回帰計算処理して累乗近似式のべき数βを決定するので、累乗近似式α・tβのべき数βが−0.5とならなくても、累乗近似式の決定が予め定めた回数実行されたときに想定開回路電圧を求めることができる。
【0039】
また、請求項10に記載した本発明は、請求項1〜9の何れかに記載のバッテリ充電状態測方法において、前記バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後、前記バッテリの端子電圧が安定する予め定めた時間連続して該状態にあるとき、前記バッテリの端子電圧を測定することで開回路電圧を実測し、該実測開回路電圧に基づいて前記バッテリの充電状態を演算して求め、該求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定するようにしたことを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載のバッテリ充電状態測定方法に存する。
【0040】
請求項10に記載した本発明によれば、バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後、バッテリの端子電圧が安定する予め定めた時間連続して該状態にあるときは、バッテリの端子電圧を測定することで開回路電圧を実測し、該実測開回路電圧に基づいてバッテリの充電状態を演算して求め、該求めた充電状態を用いて現在の充電状態を更新して設定するようにしているので、推定開回路電圧に基づいて演算した充電状態よりもより精度の良い充電状態を用いて現在の充電状態を更新することができる。
【0041】
また、請求項11に記載した本発明は、図1の基本構成図に示すように、エンジンを動力源として走行する車両に搭載されて使用されるバッテリの充電電流及び放電電流をそれぞれ周期的に測定する電流測定手段15と、該電流測定手段によって周期的に測定した前記充電電流の前記バッテリの現在の充電状態に対する加算及び前記電流測定手段により周期的に測定した前記放電電流の前記バッテリの現在の充電状態からの減算をそれぞれ行ってバッテリの充電状態を測定する積算式充電状態測定手段23a−1とを備えるバッテリ充電状態測定装置において、前記バッテリの端子電圧を所定の周期で測定して収集する電圧測定手段23a−2と、充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の前記収集しておいた端子電圧に対して予め定めた複数の期間の各期間内の前記端子電圧に基づいて近似された所定の近似式が漸近する電圧値を各期間の想定開回路電圧として求め、隣接する期間の前記想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間の前記想定開回路電圧を開回路電圧と推定する開回路電圧推定手段23a−3と、該開回路推定手段により推定した開回路電圧に基づいて前記バッテリの充電状態を演算して求める演算手段23a−4と、該演算手段により求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定する充電状態更新手段23a−5とを備えることを特徴とするバッテリ充電状態測定装置に存する。
【0042】
請求項11に記載した本発明によれば、電流測定手段15によって周期的に測定した充電電流のバッテリの現在の充電状態に対する加算及び電流測定手段15により周期的に測定した放電電流のバッテリの現在の充電状態からの減算を積算式充電状態測定手段23a−1がそれぞれ行ってバッテリの充電状態を測定する。充電又は放電が終了した後、又は、バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の電圧測定手段23a−2が測定した端子電圧の推移に基づいて開回路電圧推定手段23a−3が開回路電圧を推定し、この推定した開回路電圧に基づいて演算手段23a−4がバッテリの充電状態を演算して求める。そして、演算手段23a−4により求めた充電状態を用いて充電状態更新手段23a−5が現在の充電状態を更新して設定するので、測定した充放電電流による加減算によって充電状態に累積する可能性のある誤差を、バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の実質的な充放電が終了する毎に、その終了から短い時間の内に測定した端子電圧の推移により推定した開回路電圧に基づいて演算したバッテリの充電状態を用いて現在の充電状態が更新されて設定し直され、現在の充電状態が正確な値に更新されて設定されるようになり、それ以前に電流積算方式によって求めた充電状態に累積していた誤差を解消できる。そして、端子電圧の測定を所定の周期で行って収集しておき、開回路電圧の推定を、収集しておいた端子電圧に対して予め定めた複数の期間の各期間内の端子電圧に基づいて近似された所定の近似式が漸近する電圧値を各期間の想定開回路電圧として求め、隣接する期間の想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間の想定開回路電圧を開回路電圧と推定することで行うので、バッテリの充電又は放電が実質的に終了した後、比較的短い時間内に測定したバッテリの端子電圧によって求めた想定開回路電圧のなかから最良のものを開回路電圧として推定できる。
【0043】
また、請求項12に記載した本発明は、請求項11に記載のバッテリ充電状態測定装置において、前記電圧測定手段は、前記バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後、前記バッテリの端子電圧が安定する予め定めた時間連続して該状態にあるとき、前記バッテリの端子電圧を測定し、前記演算手段は、該測定した端子電圧を実測開回路電圧として前記バッテリの充電状態を演算して求め、前記充電状態更新手段は、前記実測開回路電圧に基づいて求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定することを特徴とするバッテリ充電状態測定装置に存する。
【0044】
請求項12に記載した本発明によれば、バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後、バッテリの端子電圧が安定する予め定めた時間連続して該状態にあるときは、電圧測定手段がバッテリの端子電圧を測定し、この測定した端子電圧を実測開回路電圧として演算手段がバッテリの充電状態を演算して求め、充電状態更新手段が実測開回路電圧に基づいて求めた充電状態を用いて現在の充電状態を更新して設定するので、推定開回路電圧に基づいて演算した充電状態よりもより精度の良い充電状態を用いて現在の充電状態を更新することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるバッテリ充電状態測定方法を、図2を参照して本発明によるバッテリ充電状態測定装置の一実施形態と共に説明する前に、本発明の基本的な考え方を説明する。
【0046】
例えば、車両に搭載したバッテリの充電が終了した場合、バッテリの開放状態での端子電圧は、濃度分極によって上昇していた分が時間とともに解消して徐々に減少し、図3に示すように、例えば24時間後のバッテリの平衡状態における端子電圧である開回路電圧EO に漸近するように変化し、このような漸近曲線は一般に累乗式で表される。
【0047】
よって、今、開回路電圧EO が未知であるとき、図4に示すように、想定した開回路電圧Eを定め、この想定した開回路電圧Eを端子電圧V(t)から減算すると、図5に示すように、横軸に漸近する累乗近似式α・tβで表されるようになる。また、拡散現象を累乗近似式α・tβで近似すると、べき数βが−0.5付近になるとされている。
【0048】
そこで、バッテリの充電が終了後、図5に示すように、例えば5分の予め定めた時間Taを経過してから、例えば15分の予め定めた時間Tbまでの間のバッテリの端子電圧を測定し、この測定した端子電圧より、想定した開回路電圧Eを減算し累乗近似式α・tβを算出する。
【0049】
一般的に、拡散現象を累乗近似式α・tβで近似すると、べき数βが−0.5付近になるとされている。充電終了後の開回路電圧の変化は、電解液の拡散によって生じる電圧変化によるものであるとすることができるので、べき数βが−0.5になるような累乗近似式α・tβが得られたときの想定開回路電圧Eを開回路電圧とみなすことができる。
【0050】
これに対して、バッテリの放電が終了した場合、バッテリの開放状態での端子電圧は、濃度分極によって下降していた分が時間とともに解消して徐々に増加し、例えば24時間後のバッテリの平衡状態における端子電圧である開回路電圧EO に漸近する。なお、放電の場合、想定開回路電圧Eの方が累乗近似式α・tβより常に大きいので、測定した端子電圧より、想定した開回路電圧Eを減算した値が負となるので、端子電圧より想定開回路電圧Eを減算した値の絶対値を利用して累乗近似式α・tβを算出する。
【0051】
一般的に、充電又は放電が終了した後、予め定めた時間を経過してから一定の時間の間にバッテリの端子電圧を複数回測定し、この測定した端子電圧から、想定した開回路電圧を減算した値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、この決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるまで、累乗近似式の決定を想定開回路電圧を更新して繰り返し実行し、べき数が−0.5となったときの想定開回路電圧を開回路電圧と推定すればよい。
【0052】
なお、想定開回路電圧を予め定めた回数更新して繰り返し実行しても、べき数が−0.5とならないことがあるときには、予め定めた回数が実行されたことによってべき数が略−0.5になったと判断し、このときの想定開回路電圧を開回路電圧と推定し、必要以上に累乗近似式を決定する処理を繰り返すことをなくすことができる。
【0053】
また、充放電を停止した後、例えば5分の予め定めた時間Taを経過してから、端子電圧のサンプリングを開始するのは、充放電直後の電圧変化には、内部抵抗、活性化分極、ガス発生に伴う過電圧など、電解液の拡散に関係ない電圧変化分が含まれており、この変化分をサンプリングすると誤差要因となるので、累乗近似式を求めるためのデータに含ませないためである。
【0054】
そして、サンプリングを時間Tbまでとしているのは、便宜上だけのためばかりでなく、時間経過について電圧変化分が小さくなることにより、測定の分解能によっては開回路電圧の推定精度を低下する虞があるほか、車両の暗電流による電圧降下の影響が時間経過により大きくなるからである。
【0055】
上述したように、拡散現象を累乗近似式α・tβで近似すると、べき数βが−0.5付近になることを実証する具体的な例を図6に示して説明すると、開回路電圧12.34Vのバッテリにおいて、想定開回路電圧を12.34Vとし、これを充電の停止した後に測定した端子電圧から減算した値を用いて決定した累乗近似式では、べき数が−0.500になっているのに対し、推定開回路電圧を12.34Vより小さい12.29Vにすると、べき数が−0.500より大きい−0.452に、12.34Vより大きい12.39Vにするとべき数が−0.500より小さい−0.559になる。このことから、累乗近似式のべき数が−0.5になったとき、想定開回路電圧が開回路電圧に等しくなることがわかる。
【0056】
元の図面に戻って説明すると、図2は本発明のバッテリ充電状態測定方法を適用した本発明の一実施形態に係るバッテリ充電状態測定装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図であり、本実施形態のバッテリ充電状態測定装置は、エンジン3に加えてモータジェネレータ5を有するハイブリッド車両に搭載されている。
【0057】
そして、このハイブリッド車両は、通常時はエンジン3の出力のみをドライブシャフト7からディファレンシャルケース9を介して車輪11に伝達して走行させ、高負荷時には、バッテリ13からの電力によりモータジェネレータ5をモータとして機能させて、エンジン3の出力に加えてモータジェネレータ5の出力をドライブシャフト7から車輪11に伝達し、アシスト走行を行わせるように構成されている。
【0058】
また、このハイブリッド車両は、減速時や制動時にモータジェネレータ5をジェネレータ(発電機)として機能させ、運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリ13を充電させるように構成されている。
【0059】
なお、モータジェネレータ5はさらに、図示しないスタータスイッチのオンに伴うエンジン3の始動時に、エンジン3のフライホイールを強制的に回転させるセルモータとして用いられるが、その場合にモータジェネレータ5には、短時間に大きな電流が流される。スタータスイッチのオンによりモータジェネレータ5によってエンジン3が始動されると、イグニッションキー(図示せず。)の操作解除に伴って、スタータスイッチがオフになってイグニッションスイッチやアクセサリスイッチのオン状態に移行し、これに伴ってバッテリ13から流れる放電電流は、定常電流に移行する。
【0060】
本実施形態のバッテリ充電状態測定装置1は、アシスト走行用のモータやセルモータとして機能するモータジェネレータ5等、電装品に対するバッテリ13の放電電流Iや、ジェネレータとして機能するモータジェネレータ5からのバッテリ13に対する充放電電流を検出する電流センサ15と、バッテリ13に並列接続した1Mオーム程度の抵抗を有し、バッテリ13の端子電圧Vを検出する電圧センサ17とを備えている。
【0061】
また、本実施形態のバッテリ充電状態測定装置1は、上述した電流センサ15及び電圧センサ17の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と略記する。)21におけるA/D変換後に取り込まれるマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する。)23をさらに備えている。
【0062】
そして、前記マイコン23は、CPU23a、RAM23b、及び、ROM23cを有しており、このうち、CPU23aには、RAM23b及びROM23cの他、前記I/F21が接続されており、また、上述した図示しないスタータスイッチ、イグニッションスイッチやアクセサリスイッチ、モータジェネレータ5以外の電装品(負荷)のスイッチ等が、さらに接続されている。
【0063】
前記RAM23bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、前記ROM23cには、CPU23aに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0064】
なお、上述した電流センサ15及び電圧センサ17の出力である電流値及び電圧値は、I/F21を介してマイコン23のCPU23aに取り込まれる。
【0065】
次に、前記ROM23cに格納された制御プログラムに従いCPU23aが行うバッテリの開回路電圧推定処理を、図7を参照して説明する。
【0066】
バッテリ13からの給電を受けてマイコン23は起動しているものとし、マイコン23は、例えば電流センサ15の出力をサンプリングして得た電流値に基づいて、電流値が0になっているかどうかにより、充電又は放電が終了したかどうかを判定する。この判定の結果、充電又は放電の終了が検出されたときに、図7のフローチャートに示す開回路電圧推定処理を開始する。この開回路電圧推定処理においては、まず充電又は放電の終了から例えば5分の予め定めた時間Taが経過したどうかを判断する(ステップS1)。
【0067】
時間が経過していないときには、時間が経過するのを待ち、時間が経過したときには(ステップS1のY)、次に例えば10秒の一定時間毎に電圧センサ16の出力によりバッテリの端子電圧を端子電圧としてサンプリングしてこれをRAM23bのデータエリア(記憶手段に相当する)に格納、記憶する(ステップS2)。そして、このサンプリングを、充電又は放電の終了から例えば15分の予め定めた時間Tbが経過するまで継続する(ステップS3のN)。
【0068】
時間Tbが経過すると(ステップS3のY)、次に、測定した端子電圧V(t)と、想定した開回路電圧Eとの差値、即ち、充電後の場合は、測定した端子電圧V(t)から想定した開回路電圧Eを減算した値、放電後の場合は、測定した端子電圧V(t)から想定した開回路電圧Eを減算した値の絶対値、を求め(ステップS4)、求めた値f(t)について累乗近似処理を行ってべき数が負である予め定めた累乗近似式を決定する(ステップS5)。
【0069】
累乗近似式が決定したら、次に決定した累乗近似式のべき数βが−0.5に等しいかどうかを判断し(ステップS6)、この判断の結果、べき数βが−0.5となっていないときには(ステップS6のN)、想定開回路電圧Eを更新し(ステップS7)、この更新した想定開回路電圧について、上記ステップS4に戻って、測定した端子電圧V(t)から、想定した開回路電圧Eを減算する処理を行う。べき数βが−0.5となったときには(ステップS6のY)、べき数βが−0.5となったときの想定開回路電圧Eを開回路電圧と推定する(ステップS8)。その後、推定した開回路電圧に基づいてバッテリの充電状態を演算し(ステップS9)、この演算した充電状態を用いて現在の充電状態を更新して設定し直す(ステップS10)。
【0070】
上記ステップS10において、ステップS8において推定した開回路電圧に基づいてステップS9において演算して求められた充電状態を用いて現在の充電状態を更新して設定し直した後は、例えば1分などの一定時間毎に、電流センサ15の出力をサンプリングして得た電流値に基づいて、電流値が0になっているかどうかにより、充電又は放電の終了した状態が継続しているかどうかを判断する(ステップS10a)。継続しているとき(ステップS10aのY)には、続いて、その状態が、充放電によって発生した各種の分極が解消してバッテリの端子電圧が安定する予め定めた時間、例えば24時間連続してとかどうかを判断し(ステップS10b)する。実質的に充放電が停止した状態が一定時間以上継続しているとき(ステップS10bのY)には、バッテリの端子電圧を測定することで開回路電圧を実測する(ステップS10c)。この実測した開回路電圧は、ステップS9において、推定開回路電圧に代えて充電状態を演算するために利用され、この実測開回路電圧に基づいて演算して求められた充電状態は、ステップS10において、現在の充電状態を更新して設定し直すために利用される。
【0071】
このように、充放電が停止している状態が24時間の一定時間継続していることで、バッテリの端子電圧がバッテリの充電状態を反映した安定状態にある判断して自動的に開回路電圧を実測し、この実測開回路電圧に基づいて演算し求めた充電状態によって現在の充電状態を更新しているので、推定開回路電圧を利用する場合に比べて頻度は少ないものの、それよりも精度のよい充電状態に設定し直すことができる。なお、フローチャートには図示を省略しているが、実測開回路電圧に基づいて求めた充電状態によって現在の充電状態を更新したときには、そこで処理を終わらせ、無駄な処理を行わないようにする。
【0072】
なお、推定した開回路電圧に基づいてバッテリの充電状態の演算は、平衡状態に開回路電圧と充電状態との既知の関係に基づいて予め定めた関係式、或いは、テーブルを使用して行われ、バッテリに何らかの劣化が有るときには、劣化を別途把握した上でこれを考慮した演算を行うことによって、放電可能な充電状態を求めることができる。
【0073】
また、フローチャートには記載はないが、決定した累乗近似式のべき数がなかなか−0.5とならないときには、図のフローチャートには示していないが、累乗近似式の決定が予め定めた回数行われた時点での想定開回路電圧Eを開回路電圧と推定して一連の処理動作を終らせることもできる。
【0074】
また、フローチャートには記載はないが、時間Taから時間Tbまでの間において行うサンプリングは10秒の一定間隔で行ってるが、時間Taから時間Tbまでの間に例えば3回、サンプリング周期を短くしてサンプリングし、等間隔でサンプリングしたときと同じ数の端子電圧を読み込むようにし、サンプリングしていない期間マイコンをスリープ状態にすることもできる。
【0075】
上記ステップS5における累乗近似式の決定の仕方を以下に説明する。累乗近似式y=α・xβは
ln(y)=ln(α)+β・ln(x)
とすることができる。今、ln(y)=Y、ln(α)=A、ln(x)=Xとすると、
Y=A+β・X
という直線の方程式になる。
Aとβは回帰分析により求めると次のようになる。
【0076】
近似式と実際のデータとの間の差をεとおくと、
Yi=A+β・Xi+εi (i=1、2、…、n)
とすることができる。εiを全体で最小になるようなAとβを求めればよいことから、εi2 の合計が最小になるAとβを求める。
【0077】
以上は、最小二乗法を記述したもので、最小二乗法によれば、次式によって表される。
δΣεi/δA=0
δΣεi/δβ=0
この連立方程式を解くと、
ΣYi−βΣXi−ΣA=0
ΣXiYi−βΣXi2 −AΣXi=0
これにより、
β=(ΣXiYi−nXaYa)/(ΣXi2 −nXa2 )
A=Ya−βXa
【0078】
なお、XiはX軸データ、YiはY軸データ、nはデータ数、XaはXiの平均値、YaはYiの平均値である。上述したように、A=ln(α)であるので、
α=eA
よって、累乗近似式y=α・xβを求めることができる。
【0079】
次に、上記ステップS7における想定開回路電圧の更新の仕方について、図8及び表1を参照して説明する。
【表1】
【0080】
充放電終了後の開回路電圧を推定する際に、一般に2分木探索法と呼ばれる方法で想定開回路電を更新する。最初に、想定開回路電圧は、図8に示すように、例えば上限想定開回路電圧V(Tb)と下限想定開回路電圧0と、その中間想定開回路電圧V(Tb)/2の場合について累乗近似を行う。
【0081】
それぞれの近似から求められるβ(V(Tb))、β(0)、β(V(Tb)/2)を相互に比較し、中間想定開回路電圧のβが−0.5に等しいか、等しくない場合には、−0.5に対して大きいか、小さいかの比較を行う。中間想定開回路電圧のβが−0.5でない場合、−0.5となるデータが含まれている範囲、表1の例では、中間想定開回路電圧と上限想定開回路電圧との間の範囲について2分割した想定開回路電圧(V(Tb)+V(Tb)/2)/2のβを算出し、β=−0.5となるまで比較演算を繰り返す。その具体的な例を表1に示している。表1の例では、探索回数1以外でも、下限、中間及び上限のそれぞれのべき数βを演算して求めているが、2回目以降の探索では、べき数βの演算は中間だけでよい。
【0082】
なお、想定開回路電圧を更新して繰り返し実行しても、べき数が−0.5とならいことがあるときには、下限想定開回路電圧と上限想定開回路電圧の小数点以下3桁目の数値が1程度の差しかなくなったところで、べき数が略−0.5になったと判断し、このときの想定開回路電圧を開回路電圧と推定し、必要以上に累乗近似式を決定する処理を繰り返すことをなくすることができる。
【0083】
最初の上限想定開回路電圧をV(Tb)とするのは、開回路電圧がV(Tb)よりも高くなることがないからである。下限想定開回路電圧については、放電完了(容量0%)時の開回路電圧でもよいが、過放電が行われている場合には、放電完了(容量0%)時の開回路電圧を下まわる可能性があるので初期値を0Vにしている。
【0084】
次に、本実施形態の開回路電圧推定動作(作用)について説明する。まず、ハイブリッド車両のモータジェネレータ5以外の電装品(負荷)が作動したり、モータジェネレータ5がモータとして機能するように作動しているときはバッテリ13が放電を行っているが、モータジェネレータ5がジェネレータとして機能するように作動しているときにはバッテリ13に充電が行われている。このバッテリの充放電は電流センサ15の出力を取り込むことによって検出でき、充放電の終了も電流センサ15の出力が所定値以下になっていることよって検出できる。
【0085】
電流センサ15の出力により、充放電の終了が検出されると、それから一定時間Taが経過した時点から時間Tbまでの間、電圧センサ17の出力を取り込むことによって、バッテリの端子電圧を端子電圧として周期的に測定し、これらの電圧値と充放電の終了後からの経過時間をRAM23bのデータエリアに格納、記憶して収集する。収集された端子電圧V(t)から想定開回路電圧Eを減算し、減算して求めた値から最小二乗法を適用して累乗近似式を決定する。決定した累積近似式α・tβのべき数βが−0.5となっているかどうかを判断し、べき数βが−0.5になっていないときには、想定開回路電圧Eを新しいものに更新して再度同様の処理を行って累乗近似式α・tβを決定する。以上の動作をべき数βが−0.5になるか、又は、略−0.5になるまで繰り返し行い、何れかが成立したとき、そのときの想定開回路電圧を開回路電圧と推定するようにする。なお、略−0.5になったことの確認は、累乗近似式の決定回数が所定回数となるか、又は、想定開回路電圧範囲が予め定めた範囲以下になったことで行うことができる。
【0086】
上述したように推定した開回路電圧は、累乗近似式α・tβの漸近線となっているので、時間Ta及びTbが異なっても、移動するものでないので、バッテリの特性が多少異なっていてもそのまま適用することができる。しかも、充放電の終了から時間Ta〜Tbの間、充放電電流が流れなければ、その都度、開回路電圧を推定することが可能になり、開回路電圧を推定できる頻度を多くすることができる。
【0087】
そして、本発明は、モータジェネレータが回生電力をバッテリに充電するようになっているハイブリットカーなどの車両において、バッテリの充電状態を適切に知り、効率的にバッテリを利用して燃費向上を図るために有効に適用できる。
【0088】
なお、本願明細書中においては、分極などの影響を受けた端子電圧を端子電圧とし、平衡状態のときの端子電圧を開回路電圧としている。
【0089】
また、本実施形態では、ハイブリッド車両においてバッテリの開回路電圧を推定する場合について説明したが、本発明は、一般的な14V車両や14Vと42V等の多電源車、電気自動車、通常のガソリン自動車等、種々の車両に搭載されたバッテリの開回路電圧の推定に適用可能であることは、言うまでもない。
【0090】
ところで、一般的に、充放電直後のバッテリの端子電圧の変化には、内部抵抗、活性化分極、ガス発生を伴う過電圧など、電解液の拡散に関係の無い電圧変化分を含んでいて、誤差要因となるので、何れの場合にも電解液の拡散に関係の無い電圧変化分を含む期間の端子電圧については、端子電圧を測定して収集しても意味がない。
【0091】
また、一般的に、時間が経過するにつれ電圧変化が小さくなることにより、測定の分解能によっては推定精度が低下する恐れがあので、何れの場合にも分解能が低すぎて推定精度のでない期間の端子電圧については、それ以上の端子電圧の測定に意味がなくなる。
【0092】
そこで、電解液の拡散に関係の無い電圧変化分を含んでいて、誤差要因となる期間の測定を除くため、端子電圧の測定開始点を、充放電の終了から所定時間Ta経過した後からとして定めることもできるが、バッテリの状況によって、誤差要因の解消する時点が異なり、一律に定めると、バッテリの状況によっては、誤差要因のない端子電圧を測定して使用できなかったり、あるいは、誤差要因のある端子電圧を測定して使用してしまったりする。
【0093】
また、測定の分解能によって推定精度が低下する期間に入ってからの測定を除くため、端子電圧の測定終了点を、充放電の終了から所定時間Tb経過したところまでとして定めることもできるが、分解能が問題になるのは、累乗近似を行うために使用する端子電圧相互間の誤差要因の大小である。すなわち、累乗近似に使用する他の端子電圧に含まれる誤差要因との大小が問題になるのであって、一律に決めると、バッテリの状況によっては、問題にならない分解能の端子電圧を測定して使用できなかったり、あるいは、問題になる分解能の端子電圧を測定して使用してしまったりする。
【0094】
勿論、バッテリがどのような状況になっても、誤差要因の入らない期間を設定することも考えられるが、このような考えのもとで、測定期間を予め定めようとすると、測定期間が存在しなくなったり、定めた期間が必ずしも適切なものでなかったりする。
【0095】
よって、バッテリの状況に左右されることなく、バッテリの開回路電圧を正確に推定できるようにする考え方を以下説明する。
【0096】
先ず、端子電圧の測定開始点を定める充放電の終了から所定時間Taとして、誤差要因の解消が早い場合の端子電圧を測定できる早めの例えば5分を、端子電圧の測定終了点を定める充放電の終了から所定時間Tbとして、多少分解能が低下する場合の端子電圧も測定できる遅めの例えば80分をそれぞれ設定し、充放電の終了から所定時間Ta乃至Tbの測定期間の間、例えば10秒の所定の周期で端子電圧を測定し、この測定した端子電圧をメモリに記憶させることで収集する。
【0097】
なお、充放電を停止した後、例えば5分の予め定めた時間Taを経過してから、端子電圧のサンプリングを開始するのは、充放電直後の電圧変化には、内部抵抗、活性化分極、ガス発生に伴う過電圧など、電解液の拡散に関係ない電圧変化分が含まれており、この変化分をサンプリングすると誤差要因となるので、累乗近似式を求めるためのデータに含ませないためである。
【0098】
また、サンプリングを例えば80分の予め定めた時間Tbまでとしているのは、便宜上だけのためばかりでなく、時間経過について電圧変化分が小さくなることにより、測定の分解能によっては開回路電圧の推定精度を低下する虞があるほか、車両の暗電流による電圧降下の影響が時間経過により大きくなるからである。
【0099】
次に、充放電の終了から所定時間Ta乃至Tbの測定期間の間に測定して収集した端子電圧に対して複数の期間を予め定めるため、所定時間Ta(5分)に対応して、5分を最短点Ta1とし、これに10分に例えば10分の一定時間を加算してTa2(15分)、Ta3(25分)、Ta4(35分)、Ta5(45分)を定めるとともに、所定時間Tb(80分)に対応して、80分を最長点Tb4とし、これから例えば20分の一定時間を減算してTb3(60分)、Tb2(40分)、Tb1(20分)を定める。そして、Ta1(5分)、Ta2(15分)、Ta3(25分)、Ta4(35分)、Ta5(45分)を各期間の開始点の一つとして、Tb4(80分)、Tb3(60分)、Tb2(40分)、Tb1(20分)を各期間の終了点の一つとしてそれぞれ使用し、複数の開始点の一つと複数の終了点の一つとの組み合わせによって、収集した端子電圧に対して複数の期間を予め定めている。
【0100】
すなわち、充放電の終了から所定時間Ta乃至Tbの測定期間の間に測定して収集した端子電圧に対して、Ta1(5分)−[Tb4(80分)、Ta2(15分)−[Tb4(80分)、Tb3(60分)、Tb2(40分)又はTb1(20分)]、Ta3(25分)−[Tb4(80分)、Tb3(60分)又はTb2(40分)]、Ta4(35分)−[Tb4(80分)、Tb3(60分)又はTb2(40分)]、Ta5(45分)−[Tb4(80分)又はTb3(60分]という異なる16個の期間が網羅的に漏れなく設定できるようになっている。
【0101】
なお、開始点の最短点と終了点の最長点が、端子電圧を測定して収集する期間の開始と終了の点に対応させているので、端子電圧を測定して収集する期間を別途設けることが必要ない。また、複数の開始点の間隔を複数の終了点の間隔よりも小さくしているので、内部抵抗、活性化分極、ガス発生を伴う過電圧など、電解液の拡散に関係の無い電圧変化分を含んでいて、誤差要因となり易い充電又は放電直後に近い部分について、より細かく期間を設定することが可能になっている。
【0102】
そこで、バッテリの充放電が終了後、例えば5分の予め定めた時間Taを経過してから、例えば80分の予め定めた時間Tbまでの間のバッテリの端子電圧を例えば10秒の周期で測定して収集する。この測定し収集した端子電圧に対して予め定めた複数の期間の各期間内の端子電圧に基づいて近似された、べき数が−0.5となるか、又は、略−0.5となる累乗近似式が漸近する電圧値を各期間の想定開回路電圧として求める。
【0103】
特に、バッテリの充電が終了後の場合には、図5に示すように、各期間の収集した端子電圧より、想定した開回路電圧Eを減算し各期間の累乗近似式α・tβを算出する。
【0104】
これに対して、バッテリの放電が終了した場合、バッテリの開放状態での端子電圧は、濃度分極によって下降していた分が時間とともに解消して徐々に増加し、例えば24時間後のバッテリの平衡状態における端子電圧である開回路電圧EO に漸近する。このように、放電の場合、想定開回路電圧Eの方が累乗近似式α・tβより常に大きいので、各期間の測定した端子電圧より、想定した開回路電圧Eを減算した値が負となるので、端子電圧より想定開回路電圧Eを減算した値の絶対値を利用して各期間の累乗近似式α・tβを算出する。
【0105】
一般的に、充電又は放電が終了した後、各期間の測定した端子電圧から、想定した開回路電圧を減算した値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、この決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるまで、累乗近似式の決定を想定開回路電圧を更新して繰り返し実行し、べき数が−0.5となったときの想定開回路電圧を開回路電圧と推定すればよい。
【0106】
なお、想定開回路電圧を予め定めた回数更新して繰り返し実行しても、べき数が−0.5とならないことがあるときには、予め定めた回数が実行されたことによってべき数が略−0.5になったと判断し、このときの想定開回路電圧を開回路電圧と推定し、必要以上に累乗近似式を決定する処理を繰り返すことをなくすことができる。
【0107】
今、バッテリを0から100%まで充電した場合について、上述したように充電の終了から所定時間Ta1から所定時間Tb4まで10秒の一定の周期で測定した端子電圧に基づき、上述したようにして各期間の測定した端子電圧を累乗近似して想定開回路電圧を求め、その結果を表にして示すと、表2のようになる。
【0108】
【表2】
【0109】
表2には、隣接する期間の想定開回路電圧との差も一緒に示されている。例えば、期間Ta2−Tb3の想定開回路電圧は12.7765Vであるが、この期間の左の期間Ta2−Tb2の想定開回路電圧12.7600V、右の期間Ta2−Tb4の想定開回路電圧12.7900V、上の期間Ta1−Tb3の想定開回路電圧12.7752V、下の期間Ta3−Tb3の想定開回路電圧12.7885Vとの差は、0.0165、−0.0134、0.0013、−0.0113となることが示されている。なお、表1中、上下左右に隣接する期間のない期間については、隣接する期間の想定開回路電圧との差を見ることができないので、ブランクにしてある。
【0110】
上述したようにして求めた各期間について求めた隣接する期間の想定開回路電圧との差を相互に比較すると、期間Ta1−Tb3(5分−60分)の間に測定した端子電圧を使用して決定した累乗近似式が漸近する漸斤値から求まる想定開回路電圧が隣接する期間との差が最も小さくなっていることが分かる。そして、この期間Ta1−Tb3(5分−60分)の測定した端子電圧に基づく想定開回路電圧は、充電後のバッテリが平衡する24時間経過した時点で測定した端子電圧、すなわち、平衡状態の開回路電圧の実測値12.77425Vとの差が約1mVと非常に小さく、他の期間にこれよりも小さな違いの想定開回路電圧が存在しないことも確認された。
【0111】
下表3は、バッテリを50%まで充電し、表2の場合とは状況の異なるバッテリについて示したものであるが、この表2からは、表1の場合と異なり、期間Ta4−Tb3(35分−60分)の間に測定した端子電圧を使用して決定した累乗近似式が漸近する漸斤値から求まる想定開回路電圧12.3040Vが、平衡状態の開回路電圧の実測値12.2969Vとの差が約7mVとなり、期間Ta1−Tb3(5分−60分)の約27mVよりも小さくなっていることが分かる。
【0112】
【表3】
【0113】
要するに、予め定めた複数の期間において求めた想定開回路電圧のうち、隣接する期間の想定開回路電圧の差が最も小さくなる期間、具体的には、隣接する期間の想定開回路電圧との差の絶対値の総和を隣接する期間の数で除した値が最小となる期間の想定開回路電圧をもってバッテリの開回路電圧とすることで、開回路電圧を精度良く推定することができることが分かる。
【0114】
次に、前記ROM23cに格納された制御プログラムに従いCPU23aが行うバッテリの開回路電圧推定処理を、図9及び図10を参照して説明する。
【0115】
バッテリ13からの給電を受けてマイコン23は起動しているものとし、マイコン23は、例えば電流センサ15の出力をサンプリングして得た電流値に基づいて、電流値が0になっているかどうかにより、充電又は放電が終了したかどうかを判定する。この判定の結果、充電又は放電の終了が検出されたときに、図9のフローチャートに示す開回路電圧推定処理を開始する。この開回路電圧推定処理においては、まず充電又は放電の終了から例えば5分の予め定めた時間Ta1が経過したかどうかを判断する(ステップS11)。
【0116】
時間が経過していないときには、時間が経過するのを待ち、時間が経過したときには(ステップS11のY)、次に例えば10秒の一定時間毎に電圧センサ17の出力によりバッテリの端子電圧を端子電圧として測定してこれをRAM23bのデータエリア(端子電圧収集手段に相当する)に格納、記憶することで収集する(ステップS12)。そして、このサンプリングを、充電又は放電の終了から例えば80分の予め定めた時間Tb4が経過するまで継続する(ステップS13のN)。
【0117】
時間Tb4が経過すると(ステップS13のY)、次に、充電又は放電が終了した後の時間5分から80分によって定められる測定期間の中に予め定めた複数の開始点5分、15分、25分及び35分の一つを選択してTaを設定する(ステップS14)とともに、予め定めた複数の終了点20分、40分、60分及び80分の一つを選択してTbを設定し、この選択設定された開始点と終了点とを組み合わせて複数の期間の一つが定められる(ステップS14及びステップS15)。期間が定められたら、その期間の測定した端子電圧を使用して当該期間の想定開回路電圧を算出する処理を行う(ステップS16)この想定開回路電圧算出処理は、全ての期間について終了するまで継続して行われる(ステップS17のN)。
【0118】
全ての期間の想定開回路電圧が算出されたら、各期間の想定開回路電圧について、隣接する期間の想定開回路電圧との差を算出してこれをRAM23bのデータエリア(記憶手段に相当する)に格納する(ステップS18)。そして、この格納した隣接する期間の想定開回路電圧との差が最も小さい期間を選出し、この選出した期間の想定開回路電圧をもってバッテリの開回路電圧と推定する(ステップS19)。隣接する期間の想定開回路電圧の差が最も小さくなる期間の選出は、具体的には、隣接する期間の想定開回路電圧との差の絶対値の総和を隣接する期間の数で除した値が最小となる期間を選出することで行われる。
【0119】
また、上述した図9のフローチャート中のステップS16における各期間の想定開回路電圧算出処理は、具体的には、図10のフローチャートに示すようにして行われる。
【0120】
先ず、各期間の測定した端子電圧V(t)と、想定した開回路電圧Eとの差値、即ち、充電後の場合は、測定した端子電圧V(t)から想定した開回路電圧Eを減算した値、放電後の場合は、測定した端子電圧V(t)から想定した開回路電圧Eを減算した値の絶対値、を求め(ステップS16a)、求めた値f(t)について累乗近似処理を行ってべき数が負である予め定めた累乗近似式を決定する(ステップS16b)。
【0121】
累乗近似式が決定したら、次に決定した累乗近似式のべき数βが−0.5に等しいかどうかを判断し(ステップS16c)、この判断の結果、べき数βが−0.5となっていないときには(ステップS16cのN)、想定開回路電圧Eを更新し(ステップS16d)、この更新した想定開回路電圧について、上記ステップS16aに戻って、測定した端子電圧V(t)から、想定した開回路電圧Eを減算する処理を行う。べき数βが−0.5となったときには(ステップS16cのY)、べき数βが−0.5となったときの想定開回路電圧Eを当該期間の想定開回路電圧としてRAM23bのデータエリア(記憶手段に相当する)に格納(ステップS16e)して一連の処理動作を終了し、図9のフローチャートに戻る。
【0122】
なお、図10のフローチャートには記載はないが、決定した累乗近似式のべき数がなかなか−0.5とならないときには、累乗近似式の決定が予め定めた回数行われた時点での電圧値を当該期間の想定開回路電圧Eとして求めて一連の処理動作を終らせることもできる。また、図7のフローチャートと同様に、実測開回路電圧による充電状態の更新を行わせることがもできる。
【0123】
また、図10のフローチャートでは、時間Ta1から時間Tb4までの間において10秒の一定間隔で測定を行っていることになっているが、10秒毎の測定時以外の期間マイコンをスリープ状態にすることもできる。
【0124】
上記ステップS16bにおける累乗近似式の決定の仕方は、図7のフローチャートのステップS5に関連して上述したと同様のものでよい。
【0125】
次に、上記ステップS16dにおける想定開回路電圧の更新の仕方は、図8及び表1を参照して行った上述したと同様のものでよい。
【0126】
次に、本実施形態の開回路電圧推定動作(作用)について説明する。電流センサ15の出力により、充放電の終了が検出されると、それから一定時間Ta1が経過した時点から時間Tb4までの間、電圧センサ17の出力を取り込むことによって、バッテリの端子電圧を端子電圧として周期的に測定し、これらの電圧値と充放電の終了後からの経過時間をRAM23bのデータエリアに格納、記憶して収集する。
【0127】
収集された端子電圧に対しては予め定めた複数の期間が設定され、各期間の端子電圧V(t)から想定開回路電圧Eを減算し、減算して求めた値から最小二乗法を適用して累乗近似式を決定する。決定した累積近似式α・tβのべき数βが−0.5となっているかどうかを判断し、べき数βが−0.5になっていないときには、想定開回路電圧Eを新しいものに更新して再度同様の処理を行って各期間の累乗近似式α・tβを決定する。以上の動作をべき数βが−0.5になるか、又は、略−0.5になるまで繰り返し行い、何れかが成立したとき、そのときの電圧値をその期間の想定開回路電圧として求めるようにする。なお、略−0.5になったことの確認は、累乗近似式の決定回数が所定回数となるか、又は、想定開回路電圧範囲が予め定めた範囲以下になったことで行うことができる。
【0128】
上述したように求めた各期間の想定開回路電圧は、累乗近似式α・tβの漸近線となっているので、バッテリの特性が多少異なっていてもそのまま適用することができる。しかも、充放電の終了から時間Ta1〜Tb4の間、充放電電流が流れなければ、その都度、開回路電圧を推定することが可能になり、開回路電圧を推定できる頻度を多くすることができる。
【0129】
そして、本発明は、モータジェネレータが回生電力をバッテリに充電するようになっているハイブリットカーなどの車両において、バッテリの充電状態を適切に知り、効率的にバッテリを利用して燃費向上を図るために有効に適用できる。
【0130】
なお、本願明細書中においては、分極などの影響を受けた端子電圧を端子電圧とし、平衡状態のときの端子電圧を開回路電圧としている。
【0131】
更に、本実施形態では、表2の例では、充電又は放電が終了した後、80分まで測定しているが、測定した端子電圧を読み込む際のアナログ−デジタル変換の分解能が5mV程度である場合には、60分までの測定で十分であり、80分まで測定することは必要ない。
【0132】
また、実施の形態では、Taについては10分、Tbについては20分間隔で設定しているが、この間隔は今以上に小さくすることもできる。一般的には、細分化により精度は向上するが、上述した間隔でも、隣接する期間の電圧差が十分に小さいので、今以上に細分化しても演算回数が増えることによる負担増加に比較して精度の面での向上は多くは望めない。
【0133】
また、本実施形態のバッテリ充電状態測定装置では、図7及び図9のフローチャートにおけるステップS2が請求項中の電圧測定手段23a−2に対する処理となっており、図7のステップS4〜S8、図10のステップS16a〜S16eが請求項中の開回路電圧推定手段23a−3に対応する処理となっており、図7のステップS9が請求項中の演算手段23a−4に対応する処理となっており、図7のステップS10が請求項中の充電状態更新手段23a−5に対応する処理となっている。なお、請求項中の積算式充電状態測定手段23a−1に対応する処理については、フローチャートでの図示は省略している。
【0134】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は12記載の発明によれば、バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の実質的な充放電が終了する毎に、その終了から短い時間の内に測定した端子電圧の推移により推定した開回路電圧に基づいて演算したバッテリの充電状態を用いて現在の充電状態が更新されて設定し直され、現在の充電状態が正確な値に更新されて設定されるようになり、それ以前に電流積算方式により、測定した充放電電流による加減算によって求めた充電状態に累積する可能性のある誤差を解消できるので、充放電電流を長期間にわたって連続的に積算することによる大きな累積誤差の発生を生じ難くして、バッテリの充電状態をより正確に測定できるバッテリ充電状態測定方法及び装置を提供することができる。
【0137】
そして、バッテリの充電又は放電が実質的に終了した後、比較的短い時間内に測定したバッテリの端子電圧によって求めた想定開回路電圧のなかから最良のものを開回路電圧として推定できるので、この開回路電圧に基づいてバッテリの充電状態をより正確に測定できるバッテリ充電状態測定方法を提供することができる。
【0138】
請求項2記載の発明によれば、充電又は放電が終了した後の所定時間内に、異なる複数の期間を網羅的に漏れなく設けて各期間の想定開回路電圧を求め、その中から精度の良い想定開回路電圧を見つけだすことができるので、これを用いて車両のバッテリの充電状態をより正確に測定できるバッテリ充電状態測定方法を提供することができる。
【0139】
また、請求項3記載の発明によれば、端子電圧を測定して収集する期間を別途定めることが必要なく、また使用しない無駄な端子電圧の測定も行わなくてもよいので、車両のバッテリの充電状態のより正確な測定の負担を軽減することのできるバッテリ充電状態測定方法を提供することができる。
【0140】
請求項4記載の発明によれば、端子電圧を測定して収集する期間を別途定めることが必要なく、また使用しない無駄な端子電圧の測定も行わなくてもよいので、測定の負担を軽減することのできるバッテリ充電状態測定方法を提供することができる。
【0141】
請求項5記載の発明によれば、隣接する期間の数に関係なく相対比較した上で、バッテリの開回路電圧を推定することができるので、測定期間に得られた端子電圧を無駄なく有効に利用して車両のバッテリの充電状態をより正確に測定できるバッテリの開回路電圧推定方法を提供することができる。
【0142】
請求項6記載の発明によれば、バッテリの充電又は放電が実質的に終了した後、比較的短い時間内に測定したバッテリの端子電圧によって、予め定めた近似式が決定されたときの想定開回路電圧を開回路電圧として推定できるので、充電又は放電の終了から比較的短時間の内に推定できる車両のバッテリの開回路電圧に基づいてバッテリの充電状態をより正確に測定できるバッテリ充電状態測定方法を提供することができる。
【0143】
請求項7〜9記載の発明によれば、バッテリの充電又は放電が実質的に終了した後、比較的短い時間内に測定したバッテリの端子電圧によって、累乗近似式の漸近線を開回路電圧として推定できるので、バッテリの充電又は放電が終了した後、比較的短い時間内に測定したバッテリの端子電圧の測定によって、累乗近似式の漸近線を求めて、これを開回路電圧として推定できるので、充電又は放電の終了から比較的短時間の内に推定できるバッテリの開回路電圧に基づいてバッテリの充電状態をより正確に測定できるバッテリ充電状態測定方法を提供することができる。
【0144】
請求項10及び12記載の発明によれば、推定開回路電圧に基づいて演算して求めた充電状態よりもより精度の良い実測開回路電圧に基づいて演算して求めた充電状態を用いて現在の充電状態を更新することができるので、推定開回路電圧だけを利用したものに比べてより正確に充電状態を測定できるようにしたバッテリ充電状態測定方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリの開回路電圧推定バッテリ充電状態測定装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のバッテリの開回路電圧推定バッテリ充電状態測定方法を適用した本発明の一実施形態に係るバッテリの開回路電圧推定バッテリ充電状態測定装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【図3】充電の終了後のバッテリの端子電圧の変化を示すグラフである。
【図4】開回路電圧推定方法を説明するために使用する一グラフである。
【図5】開回路電圧推定方法を説明するために使用する他のグラフである。
【図6】本発明の方法の成立性を具体的に例示するためのグラフである。
【図7】図2中のマイコンがバッテリ充電状態測定のため予め定めたプログラムに従って行う処理を示すフローチャートである。
【図8】想定開回路電圧の更新の仕方を説明するために使用するグラフである。
【図9】図2中のマイコンが想定開回路電圧算出のため予め定めたプログラムに従って行う処理を示すフローチャートである。
【図10】図9中の想定開回路電圧算出の具体的な処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
15 電流測定手段(電流センサ)
23a−1 積算式充電状態測定手段(CPU)
23a−2 端子電圧測定手段(CPU)
23a−3 開回路電圧推定手段(CPU)
23a−4 演算手段(CPU)
23a−5 充電状態更新手段(CPU)
Claims (12)
- エンジンを動力源として走行する車両に搭載されて使用されるバッテリの充電電流及び放電電流をそれぞれ周期的に測定し、該周期的に測定した前記充電電流の前記バッテリの現在の充電状態に対する加算及び前記周期的に測定した前記放電電流の前記バッテリの現在の充電状態からの減算をそれぞれ行ってバッテリの充電状態を測定するバッテリ充電状態測定方法において、
前記バッテリの端子電圧を所定の周期で測定して収集しておき、
前記バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の前記収集しておいた端子電圧に対して予め定めた複数の期間の各期間内の前記端子電圧に基づいて近似された所定の近似式が漸近する電圧値を各期間の想定開回路電圧として求め、隣接する期間の前記想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間の前記想定開回路電圧を開回路電圧と推定し、
該推定した開回路電圧に基づいて前記バッテリの充電状態を演算して求め、
該求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定するようにした
ことを特徴とするバッテリ充電状態測定方法。 - 前記複数の期間の各々を、充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の時間によって予め定めた複数の開始点の一つと複数の終了点の一つとの組み合わせによって定める
ことを特徴とする請求項1記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 前記開始点の最短のものと前記終了点の最長のものが、前記端子電圧を測定して収集する期間の開始と終了に対応する
ことを特徴とする請求項2記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 前記複数の開始点の間隔を前記複数の終了点の間隔よりも小さくした
ことを特徴とする請求項2又は3記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 隣接する期間の前記想定開回路電圧との差の絶対値の総和を隣接する期間の数で除した値が最小となる期間を、隣接する期間の前記想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間とする
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 前記収集した端子電圧が下降するものであるとき、前記各期間の端子電圧と、想定した開回路電圧との差値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、該決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるか、又は、略−0.5となるまで、前記累乗近似式の決定を前記想定開回路電圧を更新しながら繰り返し実行することによって、前記累乗近似式が漸近する電圧値を求める
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 前記収集した端子電圧が上昇するものであるとき、前記各期間の端子電圧から、想定した開回路電圧を減算した値の絶対値により、べき数が負である予め定めた累乗近似式を決定し、該決定した累乗近似式のべき数が−0.5となるか、又は、略−0.5となるまで、前記累乗近似式の決定を前記想定開回路電圧を更新しながら繰り返し実行することによって、前記累乗近似式が漸近する電圧値を求める
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 時間をt、未知の係数をα、未知の負のべき数をβとすると、前記累乗近似式がα・tβで表される
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 前記端子電圧を2以上の任意の数とし、該任意数の端子電圧を回帰計算処理して前記累乗近似式のべき数βを決定する
ことを特徴とする請求項8記載のバッテリ充電状態測定方法。 - 前記バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後、前記バッテリの端子電圧が安定する予め定めた時間連続して該状態にあるとき、前記バッテリの端子電圧を測定することで開回路電圧を実測し、
該実測開回路電圧に基づいて前記バッテリの充電状態を演算して求め、
該求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定するようにした
ことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のバッテリ充電状態測定方法。 - エンジンを動力源として走行する車両に搭載されて使用されるバッテリの充電電流及び放電電流をそれぞれ周期的に測定する電流測定手段と、該電流測定手段によって周期的に測定した前記充電電流の前記バッテリの現在の充電状態に対する加算及び前記電流測定手段により周期的に測定した前記放電電流の前記バッテリの現在の充電状態からの減算をそれぞれ行ってバッテリの充電状態を測定する積算式充電状態測定手段とを備えるバッテリ充電状態測定装置において、
前記バッテリの端子電圧を所定の周期で測定して収集する電圧測定手段と、
充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後の前記収集しておいた端子電圧に対して予め定めた複数の期間の各期間内の前記端子電圧に基づいて近似された所定の近似式が漸近する電圧値を各期間の想定開回路電圧として求め、隣接する期間の前記想定開回路電圧との差が最も小さくなる期間の前記想定開回路電圧を開回路電圧と推定する開回路電圧推定手段と、
該開回路推定手段により推定した開回路電圧に基づいて前記バッテリの充電状態を演算して求める演算手段と、
該演算手段により求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定する充電状態更新手段と
を備えることを特徴とするバッテリ充電状態測定装置。 - 前記電圧測定手段は、前記バッテリの充電又は放電が終了した後、又は、前記バッテリに流れる電流が予め定めた一定値以下になった後、前記バッテリの端子電圧が安定する予め定めた時間連続して該状態にあるとき、前記バッテリの端子電圧を測定し、
前記演算手段は、該測定した端子電圧を実測開回路電圧として前記バッテリの充電状態を演算して求め、
前記充電状態更新手段は、前記実測開回路電圧に基づいて求めた充電状態を用いて前記現在の充電状態を更新して設定する
ことを特徴とする請求項11記載のバッテリ充電状態測定装置。
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