JP2006132350A - 内燃機関のバルブ特性可変機構 - Google Patents

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文典 細田
Takahide Koshimizu
孝英 腰水
Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Yoshiaki Miyasato
佳明 宮里
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Abstract

【課題】 市場において内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止。
【解決手段】 連結アーム126fが圧入ピン127によって2つの揺動カム124,126を一体化している。このことにより内部空間に配置されているスライダギアを介して行われている複数部品間の係合(ここではヘリカルスプライン噛合)が解除されることが阻止されている。入力部122は相対的回転位相変化可能状態であるので仲介駆動機構120によるバルブ特性調節機能は阻害されない。この仲介駆動機構120を改変しようとしても連結アーム126fにより揺動カム124,126同士が連結され、しかも圧入ピン127によって連結されているので、2つの揺動カム124,126を分離することは極めて困難である。このことにより課題が達成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置し、これら複数部品間の相対的回転位相の調節により内燃機関のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構に関する。
内燃機関のシリンダヘッド上にバルブ特性可変機構として配置されている仲介駆動機構を駆動して、吸気バルブや排気バルブのバルブリフト量やバルブ作用角と言ったバルブ特性を調節する可変動弁機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
このようなバルブ特性可変機構は、軸に支持され相互に直接又は間接に係合する複数部品(特許文献1では入力部、揺動カム、スライダギア)を備え、これら複数部品間の相対的回転位相を、コントロールシャフトの軸方向移動にて調節することにより内燃機関のバルブ特性を調節している。
したがって所望のバルブ特性を高精度に実現するためには上記複数部品間の係合状態や上記複数部品全体の軸方向での配置が設定通りに維持されていることが重要である。
特開2001−263015号公報(第7−8頁、図5−20)
しかし内燃機関製造時あるいは内燃機関が搭載された車両製造時に工場にて所望のバルブ特性となるようにバルブ特性可変機構を高精度に調節しても、市場にてバルブ特性可変機構が分解された場合には、元通りに組み立てられるとは限らない。
前記特許文献1の例で言えば、入力部、揺動カム及びスライダギアはヘリカルスプライン噛合により相互に直接又は間接に係合している。これら複数部品のそれぞれにおいて、ヘリカルスプラインは軸周りに多数形成されているため、軸周りにおける部品間のヘリカルスプライン噛合の組み合わせは極めて多数存在する。このため入力部、揺動カム及びスライダギアを市場にて一旦分離してしまうと、再度、入力部、揺動カム及びスライダギアを組み合わせる場合には、これらの部品間での相対的回転位相は自由に変更でき、工場出荷時と異なる位相関係で入力部、揺動カム及びスライダギアが係合されるおそれがある。
このように出荷時と異なる相対的回転位相関係で部品が組み合わされると、バルブ特性可変機構を駆動しても、分解前での駆動量とバルブ特性との関係とは、異なる関係となり、所望の機関性能が得られなくなるおそれがある。
このような機関性能上への影響は、たとえ、再組み立て時のヘリカルスプライン噛合が工場出荷時と同じに再現されていても、入力部、揺動カム及びスライダギアの軸方向位置が工場出荷時の位置からずれて再配置された場合にも生じる。この場合には、結果的に、入力部及び揺動カムに対するスライダギアの相対的な軸方向位置がずれた状態でコントロールシャフトに取り付けられることになる。このことによりコントロールシャフトの駆動量とバルブ特性との関係が出荷時の状態からずれ、所望の機関性能が得られなくなるおそれがある。
本発明は、上述したごとくの内燃機関性能変化の問題に対処するために、市場において内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置し、該複数部品間の相対的回転位相の調節により内燃機関のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構であって、前記複数部品間の相対的軸方向移動を規制することによって前記係合が解除されることを阻止する係合解除阻止手段が設けられていることを特徴とする。
このようにバルブ特性可変機構には、複数部品間の相対的軸方向移動を規制することによって係合が解除されることを阻止する係合解除阻止手段が特別に設けられている。このことにより複数部品間の係合を解除するには係合解除阻止手段に対する相対的軸方向移動規制の無効化処理が別途必要となる。このため内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項2に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項1において、前記複数部品は、バルブカムからの駆動力が伝達されて揺動する入力部、該入力部からの駆動力が伝達されて揺動することでバルブ側へバルブ駆動力を出力する出力部、及び前記入力部と前記出力部とにそれぞれ係合することで前記入力部と前記出力部とを間接的に係合させて前記入力部の駆動力を前記出力部に伝達する中間伝達部を備え、前記係合解除阻止手段は、前記入力部と前記出力部との間の相対的軸方向移動を阻止することにより、前記複数部品間の係合解除を阻止することを特徴とする。
このような入力部、出力部及び中間伝達部の間の係合によりバルブ特性可変機構が機能している場合には、係合解除阻止手段は、入力部と出力部との間の相対的軸方向移動を阻止することにより複数部品間の係合解除を阻止している。
このように入力部と出力部との間の相対的軸方向移動を阻止する係合解除阻止手段が特別に設けられていることにより、内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項3に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項2において、前記中間伝達部は、前記入力部及び前記出力部にて形成された内部空間に配置され、該内部空間内にて前記入力部及び前記出力部のそれぞれに係合し、コントロールシャフトにて前記内部空間内における軸方向位置が調節されることにより、前記入力部と前記出力部との間の相対的回転位相を変化させて内燃機関のバルブ特性を可変とすると共に、前記係合解除阻止手段は、前記入力部と前記出力部との軸方向間隔を維持させることにより、前記入力部及び前記出力部のそれぞれと前記中間伝達部との係合状態を維持して、前記複数部品間の係合解除を阻止することを特徴とする。
上述したごとくコントロールシャフトにて内部空間内における中間伝達部の軸方向位置が調節されることにより内燃機関のバルブ特性を可変とする構成では、係合解除阻止手段は、入力部と出力部との軸方向間隔を維持させることで、入力部及び出力部のそれぞれと中間伝達部との係合状態を維持している。このことにより複数部品間の係合解除を阻止している。
このようにして内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項4に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項3において、前記係合解除阻止手段は、前記入力部と前記出力部との一方が、他方を相対的回転位相変化可能状態で軸方向にて挟持する構成であることを特徴とする。
このように入力部と出力部との一方が他方を相対的回転位相変化可能状態で軸方向にて挟持することにより、入力部と出力部との軸方向間隔を維持させることができる。そして入力部と出力部との間では相対的回転位相変化可能であるので、バルブ特性調節機能は阻害されない。
このようにして内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項5に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項3において、前記出力部は、前記入力部に対して軸方向の両側に2つが配置されていると共に、前記係合解除阻止手段は、2つの前記出力部の軸方向での間隔を固定している構成であることを特徴とする。
このように入力部の軸方向両側にそれぞれ出力部が配置されている場合には、この2つの出力部の軸方向での間隔を固定することにより、入力部を出力部にて挟持して、入力部と出力部との軸方向間隔を維持させることができる。このことにより、入力部及び出力部のそれぞれと中間伝達部との係合状態を維持して、複数部品間の係合解除を阻止することができ、内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項6に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項5において、前記係合解除阻止手段は、2つの前記出力部の一方又は両方の外周から、前記入力部を越えて軸方向に連結アームが設けられ、該連結アームにより2つの前記出力部を一体化している構成であることを特徴とする。
このように入力部を越えて軸方向に伸びることで出力部同士を一体化する連結アームを設けることにより、入力部の軸方向両側にある出力部の軸方向での間隔を固定することができ、内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項7に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項6において、前記連結アームは、圧入ピンにより、又は標準工具では操作できない特殊ボルトにより、2つの前記出力部を一体化していることを特徴とする。
このように連結アームによる2つ出力部の一体化は、圧入ピンにより、又は標準工具(「一般的に広く使われている工具」の意)では操作できない特殊ボルトにより行われているので、容易に2つの出力部を分割することはできない。したがって内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを、より効果的に防止することができる。
請求項8に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項5において、前記係合解除阻止手段は、前記入力部を越えて、2つの前記出力部の外周を軸方向にて連結する連結バーにて2つの前記出力部を一体化している構成であることを特徴とする。
このような連結バーにより2つの出力部が入力部を越えて一体化されている構成とすることにより、入力部の軸方向両側にある出力部の軸方向での間隔を固定することができ、内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項9に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記係合解除阻止手段は、ホルダにて前記複数部品全体の軸方向両側をカバーする構成であることを特徴とする。
このように入力部や出力部等の複数部品全体の軸方向両側をカバーすることにより、複数部品は分離しがたくなる。したがって内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
請求項10に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項3において、前記係合解除阻止手段は、前記支持軸にて軸方向に配列されている前記入力部及び前記出力部の配列の両端位置にて、前記配列の両端に位置する前記入力部又は前記出力部の軸方向移動を阻止するストッパーを配置した構成であることを特徴とする。
このようにしても入力部と出力部との分離を阻止でき、内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。更に複数部品全体の軸方向位置も決定できることから、バルブ特性が出荷時の状態から一層ずれ難くなる。
請求項11に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構では、請求項10において、前記ストッパーは、前記支持軸に設けられた周方向の溝に配置されるCリングであることを特徴とする。
このように支持軸に周方向の溝を設けてCリングを嵌め込むことにより、容易に入力部と出力部との分離を阻止でき、内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。更にCリングは支持軸上での複数部品の軸方向位置も決定していることから、バルブ特性が出荷時の状態から一層ずれ難くなる。
請求項12に記載の内燃機関のバルブ特性可変機構は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置し、該複数部品間の相対的回転位相の調節により内燃機関のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構であって、前記支持軸上において前記複数部品と内燃機関本体側の基準面との間に配置されて前記複数部品の軸方向位置を基準位置に調節する馬蹄形のシムと、該シムに係合することで該シムが前記支持軸から脱落するのを阻止する脱落阻止部材とを備えると共に、該脱落阻止部材は、圧入ピンにより、又は標準工具では操作できない特殊ボルトにより、内燃機関本体側に固定されていることを特徴とする。
複数部品全体は軸方向において基準位置に配置されることで、所望のバルブ特性調節が可能となるが、この基準位置を決定するために馬蹄形のシムが用いられている場合には、脱落阻止部材を備えることによりシムが脱落するのを防止している。
しかし、この脱落阻止部材が容易に外せると市場でのシムの除去や交換が容易となる。このようにシムが除去されたり他のシムと置き換わると、複数部品全体の軸方向位置が出荷時の状態からずれてバルブ特性が変化し、機関性能に影響するおそれがある。
本発明では、上記脱落阻止部材が、圧入ピンにより、又は標準工具では操作できない特殊ボルトにより、内燃機関本体側に固定されている構成を採用することにより、シムの除去や交換を防止して、内燃機関のバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された多気筒(本実施の形態では4気筒)内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2における可変動弁機構の構成を示している。尚、図1は各気筒における縦断面を表している。図2はエンジン2の上部構成の平面図である。
本実施の形態のエンジン2は車両用であり、シリンダブロック4、ピストン6及びシリンダブロック4上に取り付けられたシリンダヘッド8を備えている。
シリンダブロック4に形成された各気筒2aには、シリンダブロック4、ピストン6及びシリンダヘッド8にて区画された燃焼室10が形成されている。尚、気筒数は1〜3でも良く、5以上の気筒数でも良い。又、本実施の形態のごとく直列4気筒でなくても、V型でも良く、その他の配置でも良い。
各気筒2aには、それぞれ2つの吸気バルブ12及び2つの排気バルブ16の4バルブが配置されている。吸気バルブ12は吸気ポート14を、排気バルブ16は排気ポート18を開閉する。全ての吸気ポート14は、吸気マニホールドを介してサージタンクに接続され、サージタンク側から供給された空気を各気筒2aに分配している。尚、各気筒2aの吸気ポート14に燃料を噴射するように各吸気ポート14又は吸気マニホールドにはそれぞれ燃料噴射弁23が配置されている。尚、このように吸気バルブ12の上流側にて燃料噴射する構成以外に、直接、各燃焼室10内に燃料を噴射する筒内噴射型ガソリンエンジンとして構成することもできる。
ここでエンジン2は、吸気バルブ12のバルブ特性としてバルブリフト量を連続的に変化させることで吸入空気量を調節している。尚、実際にはバルブ作用角も同時に変化しているので、以下、説明するバルブリフト量の変化はバルブ作用角の変化にも対応している。
尚、サージタンク上流側の吸気通路にはスロットルバルブが配置されているが、吸気バルブ12のバルブリフト量変化にて吸入空気量が調節されている時には、通常、全開状態とされている。スロットルバルブの開度制御としては、例えば、エンジン2の始動時にはスロットルバルブを全開にし、エンジン2の停止時にはスロットルバルブを全閉にする制御を行う。そして可変動弁機構の故障などにより吸気バルブ12のバルブリフト量調節が困難となった場合には、スロットルバルブの開度制御により吸入空気量を制御している。
吸気バルブ12のリフト駆動は、シリンダヘッド8に配置された仲介駆動機構120及びローラロッカーアーム52を介して、吸気カムシャフト45に設けられた吸気カム45aのバルブ駆動力が伝達されることにより可能となっている。このバルブ駆動力伝達において、スライドアクチュエータ100の機能により仲介駆動機構120による伝達状態が調節されることで、吸気バルブ12のバルブリフト量が連続的に調節される。尚、吸気カムシャフト45は、一端に配置されたバルブタイミング可変機構140(タイミングスプロケットを含む)とタイミングチェーン47とを介してエンジン2のクランクシャフト49の回転に1/2の回転数で連動している。
各気筒2aの排気バルブ16は排気カムシャフト46に設けられた排気カム46aの回転により、ローラロッカーアーム54を介して一定のバルブリフト量で開閉されている。尚、排気カムシャフト46は、一端に配置されたバルブタイミング可変機構142(タイミングスプロケットを含む)とタイミングチェーン47とを介してエンジン2のクランクシャフト49の回転に1/2の回転数で連動している。そして各気筒2aの各排気ポート18は排気マニホルドに連結され、排気を浄化用触媒コンバータを介して外部に排出している。
上述した吸気カムシャフト45、排気カムシャフト46、スライドアクチュエータ100、仲介駆動機構120及びバルブタイミング可変機構140,142は、シリンダヘッド8上に一体に組み込まれている。尚、これらの構成はシリンダヘッド8の本体に直接取り付けられるのではなく、シリンダヘッド8に属するカムキャリア上に配置されて、シリンダヘッド8の本体上に取り付けられても良い。
シリンダヘッド8上には吸気カムシャフト45及び排気カムシャフト46がそれぞれの軸受160,162上に平行に配置されて、カムキャップ160a,162aが取り付けられることにより回転可能に支持されている。更に各気筒毎に設けられた4つの仲介駆動機構120が吸気カムシャフト45と平行に配列されている。そしてこれら4つの仲介駆動機構120に共通する1本のロッカーシャフト130が、各仲介駆動機構120の内部を貫通することで、各仲介駆動機構120を揺動可能に支持している。このロッカーシャフト130はカムキャップ162aによりシリンダヘッド8上に固定されている。
電子制御ユニット(以下、ECUと称する)60は、デジタルコンピュータを中心に構成され、双方向性バスを介して相互に接続されたCPU、ROM、RAM、各種ドライバー回路、入力ポート及び出力ポート等の構成を備えている。ECU60の入力ポートへは、スロットル開度TA、アクセル開度ACCP、エンジン回転数NE、吸入空気量GA、エンジン冷却水温度THW、空燃比AF、基準クランク角G2等の各信号が入力されている。
更に、本実施の形態では、ECU60は、スライドアクチュエータ100においてボールネジシャフト100eの軸方向移動位置を検出するためのシャフト位置センサ100dから実ストローク量VLAを表すシャフト位置信号SLが入力されている。
ECU60の出力ポートは、駆動回路を介して各燃料噴射弁23に接続され、ECU60はエンジン2の運転状態に応じて各燃料噴射弁23の開弁制御を行い、燃料噴射時期制御や燃料噴射量制御を実行している。その他、点火時期制御などの各種制御を実行している。
更に、本実施の形態では、ECU60は、スライドアクチュエータ駆動回路62へ実制御量VLyを表す駆動信号Dsを出力することで、スライドアクチュエータ100によりボールネジシャフト100eを介してコントロールシャフト132の軸方向位置を調節している。このことで吸気バルブ12のバルブリフト量が調節される。
スライドアクチュエータ100は、モータ100a、ギア部100b及びボールネジ部100cから構成されている。モータ100aはスライドアクチュエータ駆動回路62からの給電制御により回転方向と回転量とが調節される。そしてこの回転がギア部100bにより減速されてボールネジ部100cに伝達され、コントロールシャフト132側に軸力を伝達するボールネジシャフト100eがモータ100aの回転方向に応じた軸方向に、モータ100aの回転量に応じた移動量で移動する。
ECU60は、シャフト位置センサ100dにて検出されるボールネジシャフト100eの実ストローク量VLAがエンジン2の運転状態に応じて設定される目標ストローク量VLAtに一致するように、実制御量VLy(駆動信号Ds)によりモータ100aの回転方向と回転量とを調節する。このことにより各気筒2aへの吸入空気量が調節される。
次に仲介駆動機構120について説明する。図3は仲介駆動機構120の斜視図を、図4は部分破断斜視図を示している。尚、図4の(A)は正面側の部分破断斜視図、図4の(B)は背面側の部分破断斜視図である。図5は分解斜視図、図6は仲介駆動機構120の外部と共に内部のスライダギア128も破断して示した部分破断斜視図である。
仲介駆動機構120は、図3において中央に設けられた入力部122、入力部122の一端側に設けられた第1揺動カム124、第1揺動カム124とは反対側に設けられた第2揺動カム126及び内部に配置されたスライダギア128(図4〜6)を備えている。このように入力部122は2つの揺動カム124,126により軸方向にて挟持された構成となっている。
入力部122のハウジング122aは内部に軸方向に空間を形成し、この空間の内周面には軸方向に右ネジ型螺旋状に形成されたヘリカルスプライン122b(図5)を形成している。ハウジング122aの外周面からは平行な2つのアーム122cが突出して形成されている。アーム122cの先端には、ハウジング122aの軸方向と平行なシャフト122eが掛け渡され、ローラ122fが回転可能に取り付けられている。尚、図1に示したごとく、ハウジング122aには、圧縮状態のスプリング121により付勢力が与えられていることにより、ローラ122fは吸気カム45a側に常に接触するようにされている。このような機能を果たすスプリング121は、例えばハウジング122aとシリンダヘッド8あるいはロッカーシャフト130との間に設けられている。
第1揺動カム124のハウジング124aは、内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジ型螺旋状に形成されたヘリカルスプライン124b(図5)を形成している。ハウジング124aの内部空間は、シャフト挿通孔を有するリング状の端面壁部124c(図4,6)にて一端が覆われている。また外周面からは略三角形状のノーズ124dが突出して形成されている。このノーズ124dの一辺はカム面124eを形成している。更にハウジング124aの外周面には軸直交方向にピン孔124fが形成されている。
第2揺動カム126のハウジング126aは、内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジ型螺旋状に形成されたヘリカルスプライン126b(図6)を形成している。ハウジング126aの内部空間は、シャフト挿通孔を有するリング状の端面壁部126cにて一端が覆われている。また外周面からは略三角形状のノーズ126dが突出して形成されている。このノーズ126dの一辺はカム面126eを形成している。更にハウジング126aの外周面からは軸方向に突出する連結アーム126fが一体に形成されている。この連結アーム126fの先端にはピン孔126gが軸直交方向に貫通状態で形成されている。
この連結アーム126fは、仲介駆動機構120を組み立てた場合には、入力部122を越えて第1揺動カム124の外周面まで到達して、ピン孔124f,126g同士が一致する長さに形成されている。
これらの第1揺動カム124および第2揺動カム126は、図5に示したごとく、入力部122に対して両側から各端面を同軸上で接触させるように配置され、全体が図3に示したごとく内部空間を有する略円柱状となる。この状態で圧入ピン127が連結アーム126fのピン孔126gを貫通して、第1揺動カム124側のピン孔124fに圧入されることにより、図7に示したごとく第1揺動カム124と第2揺動カム126とが一体化されて分離不能となる。
尚、図7は連結アーム126fにて一体化された構成を理解しやすくするために、入力部122の両側にある揺動カム124,126のみを示したものである。実際には図3に示したごとく、揺動カム124,126の間に入力部122が存在し、かつ内部空間にスライダギア128が配置されて、全体がロッカーシャフト130にて貫通されている。このように組み立てた後は、入力部122、揺動カム124,126及び内部空間内のスライダギア128からなる仲介駆動機構120は分解不可能となる。
入力部122及び2つの揺動カム124,126から構成される内部空間内に配置されているスライダギア128について説明する。スライダギア128の外形は図4,5に示されているごとくである。図8はスライダギア128を軸に沿って垂直に破断した状態の斜視図である。
スライダギア128は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジ型螺旋状の入力用ヘリカルスプライン128aが形成されている。この入力用ヘリカルスプライン128aの一端側には小径部128bを挟んで左ネジ型螺旋状の第1出力用ヘリカルスプライン128cが形成されている。この第1出力用ヘリカルスプライン128cとは反対側には小径部128dを挟んで左ネジ型螺旋状の第2出力用ヘリカルスプライン128eが形成されている。尚、2つの出力用ヘリカルスプライン128c,128eは、同じ外径であるが、入力用ヘリカルスプライン128aの溝部分の径よりも外径が小さく形成されている。
スライダギア128の内部には中心軸方向に貫通孔128fが形成されている。そして入力用ヘリカルスプライン128aの軸方向位置で、貫通孔128fの内周面には周方向に周溝128gが形成されている。この周溝128gには径方向に外部に貫通するピン挿入孔128hが1つ形成されている。
スライダギア128の貫通孔128f内には、図9の斜視図に示しているロッカーシャフト130が貫通することでスライダギア128を支持している。このようにしてロッカーシャフト130に支持されたスライダギア128は周方向に摺動可能である。図2に示したごとく、このロッカーシャフト130は4つの仲介駆動機構120に共通の1本が設けられている。そしてこの1本のロッカーシャフト130には各仲介駆動機構120に対応する位置に軸方向に長く形成された長孔130aが開口している。この長孔130aはロッカーシャフト130の内部空間まで貫通した状態で形成されている。
更にロッカーシャフト130の内部空間には、コントロールシャフト132が、軸方向に摺動可能に貫通して配置されている。コントロールシャフト132は丸棒状に形成されたものであるが、各仲介駆動機構120に対応する位置には、軸直角方向の支持穴132aが設けられている。この支持穴132aにはそれぞれコントロールピン134の基端部が挿入されることにより、ロッカーシャフト130の長孔130aを貫通するようにして、コントロールピン134を軸直角方向に突出して支持できるようにされている。更に、このコントロールピン134の先端側には、ロッカーシャフト130の外側からブッシュ136が自身の支持孔136aにコントロールピン134に貫かれることにより支持されている。
そしてコントロールシャフト132がロッカーシャフト130の内部に配置されている状態では、各コントロールピン134の先端及びこの先端に貫かれているブッシュ136は、図6に示したごとくスライダギア128の内周面に形成された周溝128gに挿入されている。尚、ブッシュ136の軸方向の幅は、周溝128gの幅と同一に形成されている。このことによりコントロールシャフト132とスライダギア128とは軸方向において相対的な位置は固定され、コントロールシャフト132の軸方向移動に連動してスライダギア128は軸方向に移動することになる。
尚、コントロールシャフト132の一端側(図2における左側)は付勢機構138の内部に設けられた押圧スプリングにより、スライドアクチュエータ100側へ付勢されている。尚、付勢機構138を設けずに自由端としても良い。
コントロールシャフト132の基端側(図2における右側)はスライドアクチュエータ100にて駆動されるボールネジシャフト100eに接続されている。このことによりコントロールシャフト132は軸方向での駆動力をスライドアクチュエータ100から受けることができる。
入力部122及び揺動カム124,126は軸受162により(揺動カム124,126と軸受162との間にシムが存在する場合にはシムを介して軸受162により)軸方向での移動は阻止されている。このため、コントロールシャフト132の軸方向移動により、スライダギア128は、入力部122及び揺動カム124,126の内部空間内で、コントロールシャフト132の移動量と同一の移動量で軸方向に移動する。スライダギア128の入力用ヘリカルスプライン128aと入力部122のヘリカルスプライン122bとのスプライン噛合と、スライダギア128の出力用ヘリカルスプライン128c,128eと揺動カム124,126のヘリカルスプライン124b,126bとのスプライン噛合とは、ねじれ角が異なる。実際には逆のねじれ角となっている。このため、図3,6で示した矢印のL方向にコントロールシャフト132が移動すると、入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの回転位相は相対的に近づく。逆に矢印のH方向にコントロールシャフト132が移動すると、入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの回転位相は相対的に遠ざかる。このことにより図10,11に示すごとく、吸気バルブ12のバルブリフト量をコントロールシャフト132の軸方向移動により調節することができる。
ここで図10は、スライドアクチュエータ100の駆動力を調節して、コントロールシャフト132を最大限L方向へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。図10の(A)が吸気バルブ12の閉弁時、図10の(B)が開弁時である。この場合には入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの相対的回転位相が制御上最も小さい状態となる。したがって図10の(B)に示すごとく吸気カム45aが最大限に入力部122のローラ122fを押し下げても、ノーズ124d,126dのカム面124e,126eによるロッカーローラ52aの押し下げ量は最小となり、吸気バルブ12のバルブリフト量は最小となる。図12に示すごとく、カム面124e,126eには揺動中心からの距離が一定のベース円部と揺動中心から次第に離れて行くリフト部とが存在する。図10の状態では、ローラ122fとノーズ124d,126dとの相対的回転位相が小さいので、ベース円部がロッカーローラ52aに当接することでリフトがなされない距離が長く、リフト部によりリフトされる距離が短い。したがって吸気ポート14から燃焼室10内への吸入空気量も最小限の状態となる。図10の例では吸気バルブ12は閉じたままとなっているので、吸入空気量は「0」となっている。
図11は、スライドアクチュエータ100の駆動力を調節して、コントロールシャフト132を最大限H方向へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。図11の(A)が吸気バルブ12の閉弁時、図11の(B)が開弁時である。この場合には入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの相対的回転位相が制御上最も大きい状態となる。このため図11の(B)に示すごとく吸気カム45aが最大限に入力部122のローラ122fを押し下げた時には、ノーズ124d,126dのカム面124e,126eによるロッカーローラ52aの押し下げ量は最大となり、吸気バルブ12のバルブリフト量は最大となる。すなわち図12に示したごとくローラ122fとノーズ124d,126dとの相対的回転位相が大きいので、ベース円部がロッカーローラ52aに当接している距離が短く、リフト部によりリフトされる距離が長くなる。したがって吸気ポート14から燃焼室10内への吸入空気量も最大限の状態となる。
そしてスライドアクチュエータ100により、図10の状態と図11の状態との間で連続的にコントロールシャフト132の軸方向位置を調節することで、吸気バルブ12のバルブリフト量を連続的に調節できる。すなわち本実施の形態ではスロットルバルブによることなく、吸入空気量の無段階調節が可能となる。
尚、前記図10の(B)に示したごとく最小のバルブリフト状態では吸気バルブ12は閉じたままであったが、或程度の開度が生じるようにしても良い。
上述した構成において、請求項との関係は、仲介駆動機構120がバルブ特性可変機構に、入力部122、揺動カム124,126及びスライダギア128が複数部品に、揺動カム124,126が出力部に、スライダギア128が中間伝達部に相当する。ロッカーシャフト130が支持軸に、連結アーム126f、圧入ピン127及びピン孔124f,126gにより第1揺動カム124と第2揺動カム126とが一体化されている構成が係合解除阻止手段に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).第2揺動カム126に入力部122を越えて軸方向に設けられた連結アーム126fが、圧入ピン127及びピン孔124f,126gによって、2つの揺動カム124,126を一体化して、揺動カム124,126の間の軸方向間隔を固定している。このことにより入力部122及び揺動カム124,126間にて相対的軸方向移動がなされることがなく、内部空間に配置されているスライダギア128を介して行われている複数部品間の係合(ここではヘリカルスプライン噛合)が解除されることが阻止されている。
そして間隔が固定された揺動カム124,126の間に挟持された入力部122は、相対的回転位相変化可能状態であるので、仲介駆動機構120によるバルブ特性調節機能は阻害されない。
仲介駆動機構120を改変しようとしても連結アーム126fにより揺動カム124,126が連結されているので、この連結を解除しなくてはならず、仲介駆動機構120は容易に改変されることはない。しかも圧入ピン127とピン孔124f,126gとによって連結アーム126fが第1揺動カム124に固定されているので、2つの揺動カム124,126を分離することは極めて困難である。
このようにして仲介駆動機構120が改変されることを一層確実に防止することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態の仲介駆動機構220を図13に、分解斜視図を図14に示す。本実施の形態では第1揺動カム224においても、第2揺動カム226においても連結アーム224f,226fが形成されている。この内で、第1揺動カム224側の連結アーム224fは、第2揺動カム226側の連結アーム226fよりも、径方向に高い位置から軸方向に形成されている。したがって図13に示したごとく仲介駆動機構220を組み立てた場合に、入力部222の外周面上にて、連結アーム224f,226f同士が先端を径方向にて重ねて接触させることができる。
第1揺動カム224側の連結アーム224fの先端には貫通孔224gが形成されており、第2揺動カム226側の連結アーム226fの先端には螺入孔226gが形成されている。図13のごとく連結アーム224f,226fの先端が重なると、貫通孔224gと螺入孔226gとは重複するように配置にされている。このため特殊ボルト227を貫通孔224gを介して螺入孔226gに螺入することにより、第1揺動カム224と第2揺動カム226とを一体化して、2つの揺動カム224,226の間隔を固定することができる。
ここで特殊ボルト227はボルトヘッド227aが5角形に形成されたボルトであり、標準工具、すなわち一般的に広く使われている工具では操作できない特殊形状のボルトである。尚、5角形以外の形状でも良く、標準工具で第1揺動カム224と第2揺動カム226とが分離できなければ良い。
尚、入力部222の構成は前記実施の形態1の入力部と同一であり、揺動カム224,226においても連結アーム224f,226f及び特殊ボルト227以外の構成は前記実施の形態1の揺動カムと同じである。その他、スライダギア128、ロッカーシャフト130、コントロールシャフト132及びコントロールピン134は前記実施の形態1と同じであるので同一の符号にて示している。
上述した構成において、請求項との関係は、仲介駆動機構220がバルブ特性可変機構に、入力部222、揺動カム224,226及びスライダギア128が複数部品に、揺動カム224,226が出力部に、スライダギア128が中間伝達部に相当する。ロッカーシャフト130が支持軸に、連結アーム224f,226f、特殊ボルト227、貫通孔224g及び螺入孔226gにより第1揺動カム224と第2揺動カム226とが一体化されている構成が係合解除阻止手段に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).2つの連結アーム224f,226fが特殊ボルト227にて接続されて、2つの揺動カム224,226が一体化されていることにより、揺動カム224,226の間の軸方向間隔が固定され、入力部222及び揺動カム224,226間にて相対的軸方向移動がなされることがない。したがって内部空間に配置されているスライダギア128を介して行われている複数部品間の係合(ここではヘリカルスプライン噛合)が解除されることが阻止されている。
そして入力部222については相対的回転位相変化可能状態であるので、仲介駆動機構220によるバルブ特性調節機能は阻害されない。
仲介駆動機構220を改変しようとしても連結アーム224f,226fにて揺動カム224,226同士が連結されており、この連結を解除しなくては改変できない。更に、連結アーム224f,226f同士は特殊ボルト227にて連結されているので、標準工具では連結を解除できず、2つの揺動カム224,226を分離することは極めて困難である。
このようにして仲介駆動機構220が改変されることを一層確実に防止することができる。
[実施の形態3]
本実施の形態の仲介駆動機構320を図15に、分解斜視図を図16に示す。本実施の形態の仲介駆動機構320では第1揺動カム324においても第2揺動カム326においても連結アームは形成されていない。尚、入力部322及び揺動カム324,326の内部構成、及びこれらの内部空間に存在するスライダギアの構成は前記実施の形態1,2の仲介駆動機構120,220と同じである。この他の構成について前記実施の形態と同一の形状である構成については同一の符号を付している。
第2揺動カム326には外周面に螺入孔326gが設けられて、この螺入孔326g部分でホルダ350が特殊ボルト327により取り付けられている。この特殊ボルト327は前記実施の形態2にて示した特殊ボルト227と同じく標準工具では操作できない特殊形状のボルトである。
このホルダ350は、仲介駆動機構320の軸方向に伸びる基体350aを設け、この基体350aの両端にカバー板350b,350cが一体に形成されている。このカバー板350b,350cの間隔は、入力部322と揺動カム324,326とを組み合わせた時の軸方向幅と同一あるいはわずかに大きく形成されている。このため図15のごとくホルダ350を特殊ボルト327にて第2揺動カム326へ取り付けて、入力部322及び揺動カム324,326の全体を軸方向両側にてカバーすると、入力部322及び揺動カム324,326の間での相対的軸方向移動が規制される。
上述した構成において、請求項との関係は、仲介駆動機構320がバルブ特性可変機構に、入力部322、揺動カム324,326及びスライダギアが複数部品に、揺動カム324,326が出力部に、スライダギアが中間伝達部に相当する。ロッカーシャフト130が支持軸に、ホルダ350、螺入孔326g及び特殊ボルト327により入力部322、揺動カム324,326及びスライダギアの全体をカバーする構成が係合解除阻止手段に相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ホルダ350により前記複数部品全体の軸方向両側をカバーすることにより、入力部322及び揺動カム324,326は分離しがたくなり、内部空間に配置されているスライダギアを介して行われている複数部品間の係合(ここではヘリカルスプライン噛合)が解除されることが阻止される。したがって仲介駆動機構320が容易に改変されることを防止することができる。
しかも、このホルダ350は特殊ボルト327にて第2揺動カム326に取り付けられているので、標準工具ではホルダ350を外すことはできず、揺動カム324,326を軸方向に移動させて入力部322から分離することは極めて困難である。
このようにして仲介駆動機構320が改変されることを一層確実に防止することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態の仲介駆動機構320を図17の斜視図に示す。本実施の形態の仲介駆動機構420では第1揺動カム424と第2揺動カム426とに連結アームが形成されていない点は前記実施の形態3の場合と同じである。これら2つの揺動カム424,426は入力部422を越えて連結バー450にて連結されている。すなわち2つの揺動カム424,426の外周面にはピン孔が設けられて圧入ピン452,454が連結バー450と2つの揺動カム424,426とのピン孔に圧入されていることにより、2つの揺動カム424,426が軸方向に相対的に移動して分離しないようにされている。
尚、この仲介駆動機構420の入力部422と揺動カム424,426との内部構成、及び内部空間内のスライダギアの構成は前記実施の形態1,2の仲介駆動機構120,220と同じである。この他の構成について前記実施の形態と同一の形状である構成については同一の符号を付している。
上述した構成において、請求項との関係は、仲介駆動機構420がバルブ特性可変機構に、入力部422、揺動カム424,426及びスライダギアが複数部品に、揺動カム424,426が出力部に、スライダギアが中間伝達部に相当する。ロッカーシャフト130が支持軸に、連結バー450、圧入ピン452,454及び各ピン孔により第1揺動カム124と第2揺動カム126とが一体化されている構成が係合解除阻止手段に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).連結バー450にて揺動カム424,426同士を連結することにより、入力部222の両側にある揺動カム424,426の軸方向での間隔を固定できることから、入力部422と揺動カム424,426とを分離しがたくなる。
しかも、この連結バー450は圧入ピン452,454にて揺動カム424,426に取り付けられているので、容易に連結を解除できず、揺動カム424,426を軸方向に移動させて入力部422から分離することは極めて困難である。
このようにして仲介駆動機構420が改変されることを一層確実に防止することができる。
[実施の形態5]
本実施の形態の仲介駆動機構520の斜視図を図18に、分解斜視図を図19に示す。本実施の形態の仲介駆動機構520では第1揺動カム524においても第2揺動カム526においても連結アームや連結バーのごとくの相互に直接連結する構成は存在しない。尚、この仲介駆動機構520の入力部522と揺動カム524,526との内部構成、及び内部空間に存在するスライダギアの構成は前記実施の形態1,2の仲介駆動機構120,220と同じである。この他の構成について前記実施の形態と同一の形状である構成については同一の符号を付している。
本実施の形態のロッカーシャフト530の外周面には、2つの揺動カム524,526の端面壁部524c,526cの間隔に適合した間隔で、周方向のリング状溝524d,526dが形成されている。このリング状溝524d,526dにCリング524e,526eを嵌合することにより、入力部522及び揺動カム524,526の軸方向での配列がロッカーシャフト530の軸方向に移動しないようにされる。更に仲介駆動機構520の入力部522及び揺動カム524,526の間についても分離しないように相互の間隔が固定される。
尚、リング状溝524d,526dの軸方向位置は、エンジンに組み込む前に、位置決め用の治具上に配置したロッカーシャフト530において各気筒毎に仲介駆動機構520の位置決めを行うことにより該当位置にリング状溝524d,526dを形成する。その後に、図19のごとくCリング524e,526eをリング状溝524d,526dに嵌合する。このことにより図18に示したごとく、各気筒毎に仲介駆動機構520をロッカーシャフト530上での設定位置に固定する。
上述した構成において、請求項との関係は、仲介駆動機構520、Cリング524e,526e及びリング状溝524d,526dがバルブ特性可変機構に、入力部522、揺動カム524,526及びスライダギアが複数部品に、揺動カム524,526が出力部に、スライダギアが中間伝達部に相当する。ロッカーシャフト530が支持軸に、Cリング524e,526eがストッパーに、Cリング524e,526e及びリング状溝524d,526dによる揺動カム524,526の軸方向移動の阻止構成が係合解除阻止手段に相当する。
以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).支持軸であるロッカーシャフト530のリング状溝524d,526dにCリング524e,526eを嵌め込むことにより、入力部522及び揺動カム524,526は分離しがたくなる。したがって仲介駆動機構520を含むバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
更に仲介駆動機構520全体も軸方向に移動できなくなり、仲介駆動機構520の軸方向位置が決定されることから、吸気バルブのバルブ特性が出荷時の状態から一層ずれ難くなる。
[実施の形態6]
本実施の形態の可変動弁機構の一部の斜視図を図20に、平面図を図21に示す。この可変動弁機構に用いられている仲介駆動機構620は形状的には前記実施の形態5の仲介駆動機構と差はない。尚、この仲介駆動機構620を用いた可変動弁機構はカムキャリア上に形成され、このカムキャリアがエンジンのシリンダヘッド本体に取り付けられている構成であるとする。この他の構成について前記実施の形態と同一の形状である構成については同一の符号を付している。
本実施の形態の可変動弁機構では、軸方向での仲介駆動機構620の基準位置を決定するのに、図22に示す馬蹄形シム650を用いている。図22において(A)は馬蹄形シム650の斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図、(D)は底面図、(E)は右側面である。馬蹄形シム650は、板状の基部650a、基部650aの外周に突出して設けられたピックアップ部650b、及びピックアップ部650bとは対向する側から基部650aの中心部まで形成された凹部650cを備えて、略馬蹄形に形成されている。
馬蹄形シム650としては厚さの異なる他種類が準備されており、この内から各気筒での仲介駆動機構620の基準位置を決定するのに適切な厚さの馬蹄形シム650が選択される。そして図23に示すごとく、軸受662、カムキャップ662aと揺動カム624,626との間に、ロッカーシャフト130を凹部650c内に挿入する状態で配置される。
したがって図示している馬蹄形シム650は全て同一の厚さとは限らない。尚、本実施の形態では軸受662及びカムキャップ662aにおいて第2揺動カム626側の面が基準面である。このため、まず各気筒で同一のバルブリフト量となるように軸受662、カムキャップ662aと第2揺動カム626との間のクリアランスを適切な厚さの馬蹄形シム650を選択して配置することで正確に決定する。その後、軸受662、カムキャップ662aと第1揺動カム624との間のクリアランスを埋める厚さの馬蹄形シム650を選択して配置する。
そして馬蹄形シム650の配置後には、図24に示すごとく回り止め部材672が特殊ボルト674によりカムキャップ662aの頂部に固定される。この特殊ボルト674は前記実施の形態2にて示した特殊ボルト227と同じく標準工具では操作できない特殊形状のボルトである。
回り止め部材672は図25に示すごとく、金属製の板であり中心に特殊ボルト674挿通用の貫通孔672aが形成され、この貫通孔672aの両側の外縁部には、それぞれ平行に突出する各2本の係止アーム672b,672cが形成されている。尚、図25の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は斜視図、(D)は右側面図である。
特殊ボルト674にてカムキャップ662aに固定された回り止め部材672は、図20,21に示したごとく、一方の2本の係止アーム672bの間に、第2揺動カム626側に配置されている馬蹄形シム650のピックアップ部650bを挿入した状態となる。更に、他方の2本の係止アーム672cの間に、第1揺動カム624側に配置されている馬蹄形シム650のピックアップ部650bを挿入した状態となる。
このことにより馬蹄形シム650がロッカーシャフト130を中心に回転することが無く、馬蹄形シム650の凹部650cからロッカーシャフト130が抜けて、馬蹄形シム650がロッカーシャフト130から脱落することがない。
上述した構成において、請求項との関係は、仲介駆動機構620、馬蹄形シム650、回り止め部材672及び特殊ボルト674の組み合わせがバルブ特性可変機構に相当する。入力部622、揺動カム624,626及びスライダギアが複数部品に、ロッカーシャフト130が支持軸に、回り止め部材672が脱落阻止部材に相当する。
以上説明した本実施の形態6によれば、以下の効果が得られる。
(イ).仲介駆動機構620は基準位置に配置されることで、所望のバルブ特性調節が可能となるが、この基準位置を決定するために馬蹄形シム650が用いられているため、回り止め部材672を備えることにより馬蹄形シム650が脱落するのを防止している。
この回り止め部材672が容易に外せると、市場での馬蹄形シム650の除去や交換が容易となり、バルブ特性が出荷時の状態からずれるおそれがある。しかし本実施の形態では回り止め部材672が標準工具では操作できない特殊ボルト674によりエンジン本体上に固定されている。このため馬蹄形シム650の除去や交換を防止して、エンジンのバルブ特性可変機構が容易に改変されることを防止することができる。
[実施の形態7]
本実施の形態の仲介駆動機構720を図26に、分解斜視図を図27に示す。本実施の形態のエンジンは各気筒に2バルブが配置されたエンジンであり、吸気バルブは各気筒1つであるため、仲介駆動機構720は、1つの入力部722と1つの揺動カム726との組み合わせとなっている。したがってスライダギア728についても1つの入力用ヘリカルスプライン728aと1つの出力用ヘリカルスプライン728eとの組み合わせとなっている。
揺動カム726の外周面には螺入孔726gが形成されており、係合解除阻止部材750のアーム750aが特殊ボルト727にて取り付けられている。ここで特殊ボルト727は前記実施の形態2にて説明した特殊ボルトと同じである。
アーム750aの先端には係止板750bが設けられている。この係止板750bは係合解除阻止部材750が揺動カム726に固定された時には図26に示したごとく、揺動カム726とは反対側の入力部722の軸方向端部を覆う位置に設けられている。
したがって図26のごとく仲介駆動機構720を構成した場合には、揺動カム726が入力部722を相対的回転位相変化可能状態で、軸方向に挟持する構成となる。
尚、入力部722の構成は前記実施の形態1の入力部と同一であり、揺動カム726は前記実施の形態3の第2揺動カムと同一である。この他の構成について前記実施の形態と同一の形状である構成については同一の符号を付している。
上述した構成において、請求項との関係は、仲介駆動機構720がバルブ特性可変機構に、入力部722、揺動カム726及びスライダギア728が複数部品に、揺動カム726が出力部に、スライダギア728が中間伝達部に相当する。ロッカーシャフト130が支持軸に、係合解除阻止部材750、螺入孔726g及び特殊ボルト727により揺動カム726が入力部722を軸方向に挟持している構成が係合解除阻止手段に相当する。
以上説明した本実施の形態7によれば、以下の効果が得られる。
(イ).揺動カム726が係合解除阻止部材750により入力部722を相対的回転位相変化可能状態で軸方向にて挟持している。このことにより、入力部722と揺動カム726の間の軸方向間隔が固定され、入力部722と揺動カム726との間での係合(ここではヘリカルスプライン噛合)が解除されることが阻止されている。
入力部722については相対的回転位相変化可能状態であるので、仲介駆動機構720によるバルブ特性調節機能は阻害されない。
仲介駆動機構720を改変しようとしても、揺動カム726が係合解除阻止部材750を用いて入力部722を挟持しているので、係合解除阻止部材750を排除しないと改変できない。更に、係合解除阻止部材750は特殊ボルト727にて揺動カム726に連結されているので、標準工具では連結を解除できず、入力部722の挟持状態を解除して入力部722と揺動カム726とを分離することはとは極めて困難である。
このようにして仲介駆動機構720が改変されることを一層確実に防止することができる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1において圧入ピン127の代わりに、あるいは前記実施の形態4において圧入ピン452,454の代わりに、前記実施の形態2に示した特殊ボルト227を用いても良い。
前記実施の形態2,3,6,7において、特殊ボルト227,327,674,727の代わりに、前記実施の形態1に示した圧入ピン127を用いても良い。
(b).前記実施の形態3においてホルダ350のカバー板350b,350cには専用の部材を用いたが、カバー板350b,350cの代わりに、前記実施の形態6の図23に示したごとくの馬蹄形シム650にカバー板を兼ねさせてもよい。すなわち基準位置を決定するために馬蹄形シム650を選択配置した後、仲介駆動機構620の軸方向両側に接触している2つの馬蹄形シム650を、プレートなどで接続固定してホルダーと同等の機能を果たさせても良い。前記実施の形態7の係止板750bについても、代わりに馬蹄形シムを用いても良い。
(c).前記実施の形態7において、揺動カム側にて入力部を挟持していたが、係合解除阻止部材を入力部に取り付けることで、入力部が揺動カムを相対的回転位相変化可能状態で軸方向にて挟持しても良い。
(d).前記各実施の形態では、吸気バルブの駆動に上述した可変動弁機構を適用したが、排気バルブに対して適用しても良く、又、吸気バルブと排気バルブとの両方に適用しても良い。
(e).エンジンはガソリンエンジンばかりでなく、ディーゼルエンジンにも適用できる。車両用ばかりでなく他の用途のエンジンにも適用できる。
実施の形態1のエンジン及び可変動弁機構の縦断面。 上記エンジンの上部構成を示す平面図。 ロッカーシャフト上に配置した仲介駆動機構の斜視図。 同じく部分破断斜視図。 同じく分解斜視図。 同じく部分破断斜視図。 同じく連結アームによる揺動カムの連結状態を示す斜視図。 スライダギアの垂直破断斜視図。 ロッカーシャフト及びコントロールシャフトの部分破断斜視図。 仲介駆動機構の動作説明図。 仲介駆動機構の動作説明図。 仲介駆動機構におけるカム面の構成説明図。 実施の形態2の仲介駆動機構の斜視図。 同じく分解斜視図。 実施の形態3の仲介駆動機構の斜視図。 同じく分解斜視図。 実施の形態4の仲介駆動機構の斜視図。 実施の形態5の仲介駆動機構の斜視図。 同じく分解斜視図。 実施の形態6の可変動弁機構の斜視図。 同じく平面図。 馬蹄形シムの構成説明図。 実施の形態6の可変動弁機構の組み立て説明図。 同じく可変動弁機構の組み立て説明図。 回り止め部材の構成説明図。 実施の形態7の仲介駆動機構の斜視図。 同じく分解斜視図。
符号の説明
2…エンジン、2a…気筒、4…シリンダブロック、6…ピストン、8…シリンダヘッド、10…燃焼室、12…吸気バルブ、14…吸気ポート、16…排気バルブ、18…排気ポート、23…燃料噴射弁、45…吸気カムシャフト、45a…吸気カム、46…排気カムシャフト、46a…排気カム、47…タイミングチェーン、49…クランクシャフト、52…ローラロッカーアーム、52a…ロッカーローラ、54…ローラロッカーアーム、60…ECU、62…スライドアクチュエータ駆動回路、100…スライドアクチュエータ、100a…モータ、100b…ギア部、100c…ボールネジ部、100d…シャフト位置センサ、100e…ボールネジシャフト、120…仲介駆動機構、121…スプリング、122…入力部、122a…ハウジング、122b…ヘリカルスプライン、122c…アーム、122e…シャフト、122f…ローラ、124…第1揺動カム、124a…ハウジング、124b…ヘリカルスプライン、124c…端面壁部、124d…ノーズ、124e…カム面、124f…ピン孔、126…第2揺動カム、126a…ハウジング、126b…ヘリカルスプライン、126c…端面壁部、126d…ノーズ、126e…カム面、126f…連結アーム、126g…ピン孔、127…圧入ピン、128…スライダギア、128a…入力用ヘリカルスプライン、128b…小径部、128c…第1出力用ヘリカルスプライン、128d…小径部、128e…第2出力用ヘリカルスプライン、128f…貫通孔、128g…周溝、128h…ピン挿入孔、130…ロッカーシャフト、130a…長孔、132…コントロールシャフト、132a…支持穴、134…コントロールピン、136…ブッシュ、136a…支持孔、138…付勢機構、140,142…バルブタイミング可変機構、160,162…軸受、160a,162a…カムキャップ、220…仲介駆動機構、222…入力部、224…第1揺動カム、224f…連結アーム、224g…貫通孔、226…第2揺動カム、226f…連結アーム、226g…螺入孔、227…特殊ボルト、227a…ボルトヘッド、320…仲介駆動機構、322…入力部、324,326…揺動カム、326g…螺入孔、327…特殊ボルト、350…ホルダ、350a…基体、350b,350c…カバー板、420…仲介駆動機構、422…入力部、424,426…揺動カム、450…連結バー、452,454…圧入ピン、520…仲介駆動機構、522…入力部、524,526…揺動カム、524c,526c…端面壁部、524d,526d…リング状溝、524e,526e…Cリング、530…ロッカーシャフト、620…仲介駆動機構、622…入力部、624,626…揺動カム、650…馬蹄形シム、650a…基部、650b…ピックアップ部、650c…凹部、662…軸受、662a…カムキャップ、672…回り止め部材、672a…貫通孔、672b,672c…係止アーム、674…特殊ボルト、720…仲介駆動機構、722…入力部、726…揺動カム、726g…螺入孔、727…特殊ボルト、728…スライダギア、728a…入力用ヘリカルスプライン、728e…出力用ヘリカルスプライン、750…係合解除阻止部材、750a…アーム、750b…係止板。

Claims (12)

  1. 相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置し、該複数部品間の相対的回転位相の調節により内燃機関のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構であって、
    前記複数部品間の相対的軸方向移動を規制することによって前記係合が解除されることを阻止する係合解除阻止手段が設けられていることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  2. 請求項1において、前記複数部品は、バルブカムからの駆動力が伝達されて揺動する入力部、該入力部からの駆動力が伝達されて揺動することでバルブ側へバルブ駆動力を出力する出力部、及び前記入力部と前記出力部とにそれぞれ係合することで前記入力部と前記出力部とを間接的に係合させて前記入力部の駆動力を前記出力部に伝達する中間伝達部を備え、
    前記係合解除阻止手段は、前記入力部と前記出力部との間の相対的軸方向移動を阻止することにより、前記複数部品間の係合解除を阻止することを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  3. 請求項2において、前記中間伝達部は、前記入力部及び前記出力部にて形成された内部空間に配置され、該内部空間内にて前記入力部及び前記出力部のそれぞれに係合し、コントロールシャフトにて前記内部空間内における軸方向位置が調節されることにより、前記入力部と前記出力部との間の相対的回転位相を変化させて内燃機関のバルブ特性を可変とすると共に、
    前記係合解除阻止手段は、前記入力部と前記出力部との軸方向間隔を維持させることにより、前記入力部及び前記出力部のそれぞれと前記中間伝達部との係合状態を維持して、前記複数部品間の係合解除を阻止することを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  4. 請求項3において、前記係合解除阻止手段は、前記入力部と前記出力部との一方が、他方を相対的回転位相変化可能状態で軸方向にて挟持する構成であることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  5. 請求項3において、前記出力部は、前記入力部に対して軸方向の両側に2つが配置されていると共に、前記係合解除阻止手段は、2つの前記出力部の軸方向での間隔を固定している構成であることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  6. 請求項5において、前記係合解除阻止手段は、2つの前記出力部の一方又は両方の外周から、前記入力部を越えて軸方向に連結アームが設けられ、該連結アームにより2つの前記出力部を一体化している構成であることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  7. 請求項6において、前記連結アームは、圧入ピンにより、又は標準工具では操作できない特殊ボルトにより、2つの前記出力部を一体化していることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  8. 請求項5において、前記係合解除阻止手段は、前記入力部を越えて、2つの前記出力部の外周を軸方向にて連結する連結バーにて2つの前記出力部を一体化している構成であることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  9. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記係合解除阻止手段は、ホルダにて前記複数部品全体の軸方向両側をカバーする構成であることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  10. 請求項3において、前記係合解除阻止手段は、前記支持軸にて軸方向に配列されている前記入力部及び前記出力部の配列の両端位置にて、前記配列の両端に位置する前記入力部又は前記出力部の軸方向移動を阻止するストッパーを配置した構成であることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  11. 請求項10において、前記ストッパーは、前記支持軸に設けられた周方向の溝に配置されるCリングであることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
  12. 相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置し、該複数部品間の相対的回転位相の調節により内燃機関のバルブ特性を可変とするバルブ特性可変機構であって、
    前記支持軸上において前記複数部品と内燃機関本体側の基準面との間に配置されて前記複数部品の軸方向位置を基準位置に調節する馬蹄形のシムと、該シムに係合することで該シムが前記支持軸から脱落するのを阻止する脱落阻止部材とを備えると共に、該脱落阻止部材は、圧入ピンにより、又は標準工具では操作できない特殊ボルトにより、内燃機関本体側に固定されていることを特徴とする内燃機関のバルブ特性可変機構。
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