JP2006130869A - 吐出検査装置、液体滴吐出装置、及び吐出検査方法 - Google Patents

吐出検査装置、液体滴吐出装置、及び吐出検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体滴の吐出状態の検査を効率よく行えるようにする。
【解決手段】帯電されたインク滴Ipの導体部71への作用の度合いに応じたアナログ信号を、増幅部84によって生成する。増幅部84から出力されたアナログ信号をピークホールド回路86に入力する。このピークホールド回路86によって、アナログ信号のピーク値を保持させ、保持させたピーク値を出力させる。システムコントローラ126は、ピークホールド回路86から出力されたピーク値に基づき、ノズルnからのインク滴Ipの吐出状態を検査する。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ノズルから吐出される液体滴の吐出状態を検査する吐出検査装置及び吐出検査方法、並びに、ノズルから液体滴を吐出させる液体滴吐出装置に関し、特に帯電可能な液体滴を吐出させるものに関する。
液体滴吐出装置の一形態として、用紙、布、フィルムなどの媒体に対してインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタは、シアン(C)やマゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)等といった各色のインクを、液体滴(以下、インク滴ともいう。)の状態でノズルから吐出させる。そして、吐出されたインク滴によって媒体上にドットを形成して画像を印刷する。しかしながら、このようなインクジェットプリンタにあっては、インク滴が正常に吐出されなくなることがある。例えば、インク滴の飛行曲がりやインク滴の不吐出などの現象が生じることがある。このため、インク滴が正常に吐出されているか否かを検査する方法が種々提案されている。その一例として、ノズルから検出板へ向けて帯電したインク滴を吐出し、この帯電したインク滴が検出板に着弾した際の電流変化を検出してインク滴の吐出状態を検査する方法がある(例えば、特許文献1を参照。)。この方法では、電流を電圧に変換すると共に増幅し、増幅後の電圧値をアナログデジタル変換器で取得している。
特開平11−170569号公報
しかし、インク滴が検出板に着弾した際の電流変化は極めて短い時間に生じる。このため、前述した検査方法において、電流変化のピークを精度良く検出するためには、サンプリング周期が極めて短い高性能のアナログデジタル変換器が必要とされる。その結果、アナログデジタル変換器から送られてくる大量のデータを短時間で処理する必要が生じ、制御の遅延を招くことになってしまう。また、高性能のアナログデジタル変換器は、一般的なアナログデジタル変換器に比べて高価である。このため、液体滴吐出装置のコストアップにもつながってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、液体滴の吐出状態の検査を効率よく行えるようにすることにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
(A)液体滴を吐出するノズルと、
(B)検出用導体部を有し、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、
(C)前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部と、
(D)前記ピーク値出力部から出力されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
を有する吐出検査装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
すなわち、液体滴を吐出するノズルと、検出用導体部を有し、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部と、前記ピーク値出力部から出力されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、を有する吐出検査装置が実現できること。
このような吐出検査装置によれば、ピーク値出力部はアナログ信号のピーク値を保持するものであり、このピーク値出力部から出力されるピーク値に基づいて検査が行われる。このため、アナログ信号からピーク値を求める処理を簡略化でき、液体滴の吐出状態の検査を効率よく行うことができる。
かかる吐出検査装置であって、前記ピーク値出力部から出力されたピーク値をデジタル変換するアナログデジタル変換部を有し、前記コントローラは、前記アナログデジタル変換部によってデジタル変換されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査すること。
このような吐出検査装置によれば、アナログデジタル変換部によってデジタル変換されたピーク値に基づいて検査が行われるので、コントローラにおける検査処理の自由度を高めることができる。
かかる吐出検査装置であって、前記アナログデジタル変換部は、前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を、時間を異ならせて複数回デジタル変換し、前記コントローラは、複数の前記デジタル変換されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査すること。
このような吐出検査装置によれば、ピーク値出力部から出力されたピーク値が、電源電圧やノイズ等の変動要因によって変動しても、精度良く検査を行うことができる。
かかる吐出検査装置であって、前記コントローラは、前記デジタル変換されたピーク値と判断基準値との関係に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査すること。
このような吐出検査装置によれば、デジタル変換されたピーク値と判断基準値との関係に基づいて検査が行われるので、検査を容易に、且つ、短時間で行うことができる。
かかる吐出検査装置であって、前記コントローラは、前記デジタル変換されたピーク値と、値が異なる複数の前記判断基準値との関係に基づき、前記液体滴の吐出状態を検査すること。
このような吐出検査装置によれば、液体滴の吐出状態を容易に検査することができる。
かかる吐出検査装置であって、前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を比較値と比較し、比較結果を出力する比較部を有し、前記コントローラは、前記比較結果に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査すること。
このような吐出検査装置によれば、比較結果に基づく検査であるため、検査を短時間で行うことができる。
かかる吐出検査装置であって、前記比較部は、値が異なる複数の前記比較値に基づき、比較値毎の比較結果を出力するものであり、前記コントローラは、前記比較値毎の比較結果に基づき、前記液体滴の吐出状態を検査すること。
このような吐出検査装置によれば、液体滴の吐出状態を容易に検査することができる。
かかる吐出検査装置であって、前記アナログ信号生成部は、帯電された前記液体滴の移動によって前記検出用導体部に生じる誘導電流に応じたアナログ信号を生成するものであること。
このような吐出検査装置によれば、液体滴と検査用導体部とは非接触であるので、液体滴の検査用導体部への付着に伴い生じる処理、例えばメンテナンス処理を軽減できる。
かかる吐出検査装置であって、前記アナログ信号生成部は、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への着弾に応じたアナログ信号を生成するものであること。
このような吐出検査装置によれば、液体滴を検出用導体部に着弾させるので、液体滴の検出を確実に行える。
かかる吐出検査装置であって、前記ノズルは、印刷用の液体インクを前記液体滴として吐出すること。
このような吐出検査装置によれば、画像の高品位印刷が実現できる。
また、印刷用の液体インクを液体滴として吐出するノズルと、検出用導体部を有し、帯電された前記液体滴の移動によって前記検出用導体部に生じる誘導電流に応じた、又は、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への着弾に応じたアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部と、前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を、時間を異ならせて複数回デジタル変換するアナログデジタル変換部、又は、前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を、値が異なる複数の前記比較値と比較し、比較値毎の比較結果を出力する比較部と、前記アナログデジタル変換部によってデジタル変換された複数のピーク値と、値が異なる複数の判断基準値との関係に基づき、又は、前記比較値毎の比較結果に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する、コントローラと、を有する吐出検査装置を、実現することもできる。
このような吐出検査装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、媒体が位置付けられる媒体領域と吐出検査が行われる検査領域とを移動可能であって、液体滴を吐出するノズルと、前記検査領域に設けられた検出用導体部を有し、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部と、前記ピーク値出力部から出力されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、を有する液体滴吐出装置を実現することもできる。
このような液体滴吐出装置によれば、ピーク値出力部から出力されたピーク値に基づいて検査が行われるので、コントローラにおける検査処理の自由度を高めることができる。加えて、装置の出荷後においても液体滴の吐出状態の検査を行うことができる。
また、ノズルから液体滴を吐出させる吐出ステップと、帯電された前記液体滴の検出用導体部への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成させるアナログ信号生成ステップと、前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力させるピーク値出力ステップと、出力されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する検査ステップと、を有する吐出検査方法を実現することもできる。
===吐出検査装置について===
以下、吐出検査装置の実施形態について説明する。この吐出検査装置は、単体で構成される他、液体滴吐出装置に組み込むこともできる。そこで、本実施形態では、吐出検査装置が組み込まれた液体滴吐出装置の実施形態を説明することにする。なお、液体滴吐出装置には多くの種類があり、全ての液体滴吐出装置について説明することは困難である。このため、印刷装置としてのインクジェットプリンタ1を例に挙げて説明する。
===インクジェットプリンタ1について===
<インクジェットプリンタ1の構造について>
図1〜図5は、インクジェットプリンタ1の説明図である。すなわち、図1は、インクジェットプリンタ1の斜視図である。図2は、インクジェットプリンタ1の内部構成図である。図3は、ヘッド21が有するノズルnの配置を説明する図である。図4は、キャリッジ41の移動範囲を説明する図である。図5は、インクジェットプリンタ1における用紙Sの搬送部を説明するための側面図である。
まず、インクジェットプリンタ1の外観について説明する。図1に示すように、このインクジェットプリンタ1の前面部には、操作パネル2および排紙部3が設けられ、背面部には給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。排紙部3には、印刷済みの用紙S(媒体の一種に相当する。図2を参照。)が載せられる排紙トレー7が設けられている。給紙部4には、カット紙を保持するための給紙トレー8が設けられている。
<キャリッジ41について>
次に、インクジェットプリンタ1の内部構成について説明する。図2に示すように、インクジェットプリンタ1の内部にはキャリッジ41が設けられている。このキャリッジ41は、キャリッジ移動部によって所定の方向(以下、キャリッジ移動方向ともいう。)へ移動されるものである。そして、このキャリッジ41には、インクカートリッジ48を着脱可能に装着するためのカートリッジ装着部が設けられている。また、キャリッジ41には、ヘッド21が取り付けられている。インクカートリッジ48は、液体状のインクが収容された箱状の部材である。そして、このインクカートリッジ48には、イエロー(Y)やマゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)といったように、色の異なる複数種類のインクが収容されている。また、ヘッド21は、用紙Sに向けてインク滴Ip(液体滴に相当する。図11を参照。)を吐出するものである。このため、ヘッド21の用紙対向面(本実施形態では下面)には、インク滴Ipを吐出するための多数のノズルnが設けられている。
<ノズルnについて>
これらのノズルnは、液体滴吐出部に相当するものである。そして、図3に示すように、各ノズルnは、ヘッド21が有するノズルプレート210に設けられている。このノズルプレート210は、例えばステンレス板等によって構成される。本実施形態において、ノズルプレート210はアースされており、接地電位に調整されている。そして、各ノズルnは、吐出させるインクの色毎にグループ化されている。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎にグループ化されている。そして、グループ内の各ノズルは、所定ピッチで列状に設けられている。本実施形態において、1つのグループは、ノズルn(♯1)〜n(♯180)からなる180個のノズルnを有しており、これらのノズルnによってノズル列が構成されている。すなわち、このヘッド21は、ブラックインク用のノズル列211(K)と、シアンインク用のノズル列211(C)と、マゼンタインク用のノズル列211(M)と、イエローインク用のノズル列211(Y)とを有している。各ノズル列211は、互いに平行に設けられている。そして、各ノズル列211が用紙Sの搬送方向に沿う方向に並ぶように、ヘッド21はキャリッジ41に取り付けられる。つまり、各ノズル列211は、キャリッジ移動方向に所定間隔をあけて配置される。
<キャリッジ移動部について>
キャリッジ41を移動させるキャリッジ移動部は、例えば、図2に示すように、キャリッジモータ42と、一対のプーリ44,44´と、タイミングベルト45と、ガイド軸46とによって構成される。キャリッジモータ42は、DCモータなどにより構成され、キャリッジ41をキャリッジ移動方向に沿って移動させるための駆動源として機能する。ガイド軸46は、キャリッジ41をキャリッジ移動方向に沿って案内するための棒状部材である。タイミングベルト45は、一対のプーリ44,44´に掛け渡された状態で取り付けられている。そして、タイミングベルト45は、その一部がキャリッジ41に接続されている。一方のプーリ44は、キャリッジモータ42の回転軸に取り付けられている。このため、キャリッジモータ42が駆動されると、プーリ44は回転する。このプーリ44の回転によってタイミングベルト45が移動するので、キャリッジ41は、キャリッジ移動方向に沿って移動される。また、キャリッジ41の背面側には、キャリッジ41の位置を検出するためのリニア式エンコーダ51が設けられている。
また、図4に示すように、キャリッジ41は、印刷エリアAp(媒体領域に相当する。)とこの印刷エリアApから外れた非印刷エリアAnとの間で移動することができる。印刷エリアApは、用紙Sが位置付けられる場所であり、印刷可能な最大の用紙サイズに基づいて定められる。また、非印刷エリアAnは、例えば非印刷時にキャリッジ41が待機する場所である。本実施形態では、この非印刷エリアAnにクリーニングユニット30が設けられている。このクリーニングユニット30は、ヘッド21が有するノズルnの目詰まりを防止したり、目詰まりを解消させたりするためのものである。そして、このクリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、ワイピング装置33と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置31は、ヘッド21のノズルnの目詰まりを解消するために、ノズルnからインクを吸い出す装置であり、ポンプモータ(図示せず。)によって動作する。ワイピング装置33は、ヘッド21のノズル面、すなわち、ノズルnが設けられた面を拭き取るためのものである。キャッピング装置35は、待機時などにおいてヘッド21のノズル面を覆うものである。これらの中で、ワイピング装置33は、印刷エリアApに最も近い位置に設けられる。また、キャッピング装置35は、印刷エリアApから最も遠い位置に設けられる。そして、ポンプ装置31は、ワイピング装置33とキャッピング装置35の間に設けられる。
また、この非印刷エリアAnには、クリーニングユニット30の他に、導体部ユニット70も設けられている。具体的には、クリーニングユニット30の印刷エリアAp側の隣に設けられている。そして、この導体部ユニット70は、ノズルnからのインク滴Ipの吐出状態を検査する際に用いられるものである。従って、非印刷エリアAnは、検査領域に相当する。なお、この導体部ユニット70については、後で詳細に説明する。
そして、キャリッジ41の移動可能範囲は、ヘッド21の位置を基準に定められる。具体的に説明すると、印刷エリアAp側については、ヘッド21が有する全てのノズルが印刷エリアApを越えるまで、キャリッジ41は移動することができる。また、非印刷エリアAn側については、ヘッド21のノズル面がキャッピング装置35の真上に位置するまで、キャリッジ41は移動することができる。
<用紙Sの搬送部について>
次に、搬送部について説明する。図5に示すように、搬送部は、枚葉紙用の紙挿入口11A及びロール紙用の紙挿入口11Bからなる紙挿入口と、給紙モータ(図示せず。)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙搬送モータ15と、搬送ローラ17Aと、排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aと、フリーローラ18Bとを有する。
給紙ローラ13は、用紙Sをインクジェットプリンタ1の内部に搬送するためのローラであり、給紙モータによって駆動される。この給紙ローラ13によって、紙挿入口11Aに挿入された用紙Sは、矢印Aで示す方向に移動される。また、紙挿入口11Aに挿入されたロール紙は、矢印Bで示す方向に移動される。プラテン14は、印刷中の用紙Sを支持する支持部(媒体支持部)である。紙搬送モータ15は、用紙Sを紙搬送方向に送り出すためのモータであり、例えばDCモータで構成される。搬送ローラ17Aは、給紙ローラ13によってインクジェットプリンタ1内に搬送された用紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、紙搬送モータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、搬送ローラ17Aと対向する位置に設けられており、搬送ローラ17Aとの間に配置された用紙Sを、搬送ローラ17A側に押し付ける。排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをインクジェットプリンタ1の外部に排出するためのローラである。この排紙ローラ17Bは、紙搬送モータ15によって駆動される。例えば、図示しない歯車によって紙搬送モータ15からの動力が伝達される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられており、排紙ローラ17Bとの間に配置された用紙Sを、排紙ローラ17B側に押し付ける。
<インクジェットプリンタ1の電気的構成について>
次に、インクジェットプリンタ1の電気的構成について説明する。ここで、図6Aは、インクジェットプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。図6Bは、EEPROM129の一部を説明するための模式図である。このインクジェットプリンタ1は、図6Aに示すように、制御ユニット120を有している。そして、制御ユニット120は、アナログデジタル変換部(A/D変換部)88と、バッファメモリ122と、イメージバッファ124と、システムコントローラ126と、メインメモリ127と、キャリッジモータ制御部128と、EEPROM129と、搬送制御部130と、昇圧回路131と、原駆動信号発生部132とを有している。
バッファメモリ122は、ホストコンピュータ140から送信された印刷データPRT等の各種データを受信して一時的に記憶する。イメージバッファ124は、受信した印刷データPRTをバッファメモリ122より取得して記憶する。メインメモリ127は、制御用プログラム等が記憶されるものであり、ROMやRAMなどにより構成される。EEPROM129は、インクジェットプリンタ1毎に定められる固有情報等を記憶するものである。この固有情報としては、例えば制御用の判定基準値がある。本実施形態では、第1判定基準値と第2判定基準値とを記憶することができる。このため、EEPROM129には、第1判定基準値を記憶する第1判定基準値記憶領域129aと、第2判定基準値を記憶する第2判定基準値記憶領域129bが設けられている。なお、第1判定基準値及び第2判定基準値については、動作の説明時に説明する。
システムコントローラ126は、インクジェットプリンタ1の全体的な制御を行うものである。すなわち、システムコントローラ126は、メインメモリ127に記憶されている制御用プログラムを読み出し、この制御用プログラムに従って制御を行う。本実施形態において、システムコントローラ126は、キャリッジモータ制御部128を介してキャリッジモータ42を制御し、搬送制御部130を介して紙搬送モータ15等を制御する。また、システムコントローラ126は、原駆動信号発生部132を制御して、原駆動信号ODRVを発生させ、イメージバッファ124を制御して、イメージバッファ124に記憶された印刷データPRTを出力させる。さらに、システムコントローラ126は、印刷動作時において、リニア式エンコーダ51やロータリー式エンコーダ52の出力を参照する。
そして、このシステムコントローラ126は、ノズルnからのインク滴Ipの吐出状態を検査するコントローラに相当する。この検査時において、システムコントローラ126は、検査に必要な動作を各部に行わせる。例えば、キャリッジモータ42を制御してキャリッジ41を移動させたり、原駆動信号発生部132を制御して原駆動信号ODRVを発生させたり、イメージバッファ124を制御し、所望のノズルnから所定のインク滴Ipを吐出させるための検査用の印刷データPRTを出力させたりする。加えて、システムコントローラ126は、昇圧回路131の制御やアナログデジタル変換部88の制御も行う。このような検査時の動作も、メインメモリ127に記憶された制御用プログラムに従って行われる。従って、この制御用プログラムは、検査時の動作を実現させるためのコードを有する。なお、本実施形態において、インク滴Ipの吐出状態の検査は、印刷動作に伴って行われる。このため、インク滴Ipの吐出状態の検査については、印刷動作とともに後で説明する。
<ヘッド21の駆動について>
次に、インク滴Ipを吐出させる際のヘッド21の駆動について説明する。ここで、図7は、ヘッド21の動作を制御するヘッド制御部22の構成を説明するブロック図である。図8は、原駆動信号ODRV及び駆動信号DRVを説明する図である。ここで、原駆動信号ODRVは原駆動信号発生部132で発生される信号である。また、駆動信号DRVは、ヘッド21が有するピエゾ素子PZTに印加される信号であり、原駆動信号ODRVに基づき、印刷階調毎に生成される。
ヘッド制御部22は、制御ユニット120とヘッド21との間に設けられている。そして、ヘッド制御部22は、各ノズルnからインク滴Ipを噴射させるため、イメージバッファ124からシリアル伝送される印刷データPRTに基づき、対応するピエゾ素子PZTに駆動信号DRVを印加させる。このヘッド制御部22は、複数の第1シフトレジスタ221と、複数の第2シフトレジスタ222と、ラッチ回路群223と、デコーダ群224と、制御ロジック225と、複数のスイッチSWとを備えている。
原駆動信号ODRVは、ノズル毎の駆動信号DRVの基となる信号であり、各ピエゾ素子PZTに対して共通に用いられる。本実施形態における原駆動信号ODRVでは、ノズルnが一画素区間を横切る時間(単位周期T)内に、第1駆動パルスW1〜第6駆動パルスW6からなる6個の駆動パルスが発生される。ここで、第1駆動パルスW1から第6駆動パルスW6は同じ形状とされており、1つの駆動パルスがピエゾ素子PZTに印加されると、単位量のインク滴Ip(単位液体滴に相当する。)がノズルnから吐出される。
印刷データPRTは、ノズル数分の階調データによって構成されている。本実施形態において階調データは、2ビットのデータで構成されている。すなわち、階調データは、ドット無しを示すデータ[00]と、小ドットを示すデータ[01]と、中ドットを示すデータ[10]と、大ドットを示すデータ[11]とから構成される。便宜上、以下の説明では、階調データの内容まで表す場合には、括弧を付けて記載する。例えば、データ[00]の階調データは階調データ[00]で表し、データ[01]の階調データは階調データ[01]で表すことにする。
そして、階調データの上位ビットは、対応するノズルn用の第1シフトレジスタ221に記憶される。同様に、階調データの下位ビットは、対応するノズルn用の第2シフトレジスタ222に記憶される。そして、これらの階調データは、システムコントローラ126からのラッチ信号LATで規定されるタイミングで、ラッチ回路群223にラッチされる。このとき、ラッチ回路群223は、同じノズルnに用いられる階調データの上位ビットと下位ビットを組にしてラッチする。このラッチされた階調データは、デコーダ群224に入力される。デコーダ群224は、ラッチした階調データに応じた選択データを選択し、スイッチSWに出力する。ここで、選択データは、単位周期T内に発生される原駆動信号ODRVについて、ピエゾ素子PZTに印加される部分を定めるための情報である。この選択データは、階調データ毎に用意され、それぞれ制御ロジック225に記憶されている。従って、本実施形態では、ドット無しから大ドットまでの4種類の選択データが制御ロジック225に記憶されている。そして、この選択データは、システムコントローラ126からのチェンジ信号CHで規定されるタイミングで更新される。
デコーダ群224は、入力された階調データに対応する選択データを、対応するスイッチSWへ出力する。各スイッチSWは、原駆動信号ODRVのピエゾ素子PZTへの供給を制御する。本実施形態では、階調データ[01]の場合、第4駆動パルスW4がピエゾ素子PZTに印加されるように、原駆動信号ODRVの供給が制御される。これにより、単位量のインク滴Ipの吐出が1回行われる。また、階調データ[10]の場合、第3駆動パルスW3と第4駆動パルスW4がピエゾ素子PZTに印加されるように、原駆動信号ODRVの供給が制御される。これにより、単位量のインク滴Ipの吐出が2回行われる。同様に、階調データ[11]の場合、第1駆動パルスW1から第6駆動パルスW6の全てがピエゾ素子PZTに印加されるように、原駆動信号ODRVの供給が制御される。これにより、単位量のインク滴Ipの吐出が6回行われる。
===導体部ユニット70について===
次に、導体部ユニット70について説明する。ここで、図9は、導体部ユニット70の構造を説明する図である。図10は、吐出状態の検査が行われる際における、導体部ユニット70とノズル列211との位置関係を説明する図である。図11は、吐出されたインク滴Ipが導体部ユニット70の開口部74を通過する様子を説明するための図である。
<導体部71及び配線基板72について>
例示した導体部ユニット70は、第1導体部71A及び第2導体部71Bからなる導体部71と、長方形状の配線基板72と、検出部80とを有する。配線基板72には、長方形状の開口部74が配線基板72の厚さ方向を貫通した状態で設けられている。第1導体部71Aは、例えば線状の導電体によって構成される。本実施形態では、直径が0.2mm〜0.3mmのエナメル線によって構成されている。この第1導体部71Aは、開口部74を跨ぐようにして、この開口部74の長辺と平行な向きに掛け渡されている。第2導体部71Bも、例えば線状の導電体によって構成される。本実施形態では、第1導体部71Aと同じもので構成されている。すなわち、直径が0.2mm〜0.3mmのエナメル線によって構成されている。そして、この第2導体部71Bもまた、開口部74を跨ぐようにして、第1導体部71Aと平行な向きに掛け渡されている。
これらの第1導体部71A及び第2導体部71Bは、間隔SCだけ離して配置される。後述するように、これらの第1導体部71A及び第2導体部71Bは、帯電されたインク滴Ipの移動によって誘導電流IC(図12Aを参照。)を生じさせるものである。また、第1導体部71A及び第2導体部71Bの間隔SCは、第1導体部71A及び第2導体部71Bの中間を通るインク滴Ipによって、ともに誘導電流ICが生じるように定められる。なお、この間隔SCは、第1導体部71A及び第2導体部71Bの中間を通るインク滴Ipが接触しないようにも定められる。
この導体部ユニット70は、ノズル列211が開口部74の上方に位置し得るように、且つ、開口部74の長辺がノズル列211と平行に位置するように取り付けられる。言い換えれば、第1導体部71A及び第2導体部71Bとノズル列211とが平行となるように取り付けられる。また、導体部ユニット70の取り付け高さは、ヘッド21のノズル面を基準にして定められる。本実施形態では、ノズル面から第1導体部71A及び第2導体部71Bまでの距離Hが、1mm〜2mm程度となるように、取り付けられている。ここで、開口部74の長辺の長さLは、1番目のノズルn(#1)から180番目のノズルn(#180)までの距離、詳しくは、ノズルn(#1)におけるノズル列方向の外側の開口縁からノズルn(#180)におけるノズル列方向の外側の開口縁までの距離(以下、ノズル列長さDともいう。)よりも長く定められている。このため、ノズル列211が開口部74の上方に位置付けられたとき、ノズル列長さDは開口部74の範囲内に収まっている。これらの第1導体部71A及び第2導体部71Bは、インク滴Ipの吐出検査時において、100V〜200V程度の電圧が印加される。このため、第1導体部71A及び第2導体部71Bとヘッド21との間には、電圧印加に伴って非常に強い電界が形成されている。そして、インク滴Ipは、ヘッド21のノズル面に引き寄せられた電荷を媒介する形で帯電される。そして、この帯電されたインク滴Ipが、導体部71の近傍を通過する際に、第1導体部71A及び第2導体部71Bには、誘導電流ICが流れる。
<誘導電流ICについて>
ここで、図12Aは、導体部71(第1導体部71A,第2導体部71B)を流れる誘導電流ICの経時変化を示している。すなわち、図12Aの縦軸は誘導電流ICの大きさであり、横軸は時間である。また、図12Bは、ピエゾ素子PZTに印加された駆動パルスの数の違いに起因する誘導電流ICの違いを説明する図である。ノズルnから吐出されたインク滴Ipは、前述したように電界によって帯電される。そして、帯電されたインク滴Ipが導体部71に接近する際に誘導電流ICが発生し、最接近時を境にして、インク滴Ipが導体部71から離隔する際に逆方向に誘導電流ICが発生する。このような導体部71は、帯電されたインク滴Ipの導体部71への作用の度合いに応じた誘導電流ICを発生させる検出用導体部に相当する。なお、この誘導電流ICが発生するメカニズムは、静電誘導によるものと考えることができる。
そして、誘導電流ICの大きさを縦軸に時間を横軸に定めると、誘導電流ICは、山部及び谷部とを有し、インク滴Ipが導体部71に最も接近した時に山部から谷部へと切り替わる波形で表すことができる。つまり、正弦波の一周期のような波形となる。また、誘導電流ICの大きさ、つまり、山部におけるピークから谷部におけるボトムまでの大きさは、吐出されるインク滴Ipの量によって変動する。例えば、前述した第1駆動パルスW1から第6駆動パルスW6をピエゾ素子PZTへ印加させた場合の誘導電流ICの大きさPB(L)と、第1駆動パルスW1、第3駆動パルスW3、及び第5駆動パルスW5をピエゾ素子PZTへ印加させた場合の誘導電流ICの大きさPB(M)とを比較すると、前者(PB(L))の方が後者(PB(M))よりも大きい。このため、本実施形態では、吐出状態の検査時には、第1駆動パルスW1から第6駆動パルスW6をピエゾ素子PZTへ印加させるようにしている。
<検出部80について>
次に、検出部80について説明する。ここで、図13は、検出部80及びその周辺部の構成を説明するブロック図である。図14Aは、増幅部84及びピークホールド回路86の構成を説明するブロック図である。図14Bは、導体部71に生じる誘導電流IC、増幅部84から出力されるアナログ信号(増幅後信号)、及びピークホールド回路86から出力されるピーク信号を説明する図である。
検出部80は、スイッチ82と、増幅部84と、ピークホールド回路86と、第1保護抵抗RAと、第2保護抵抗RBと、第1コンデンサCAと、第2コンデンサCBとを有する。なお、増幅部84は、第1増幅回路84Aと、第2増幅回路84Bとを有する。同様に、ピークホールド回路86は、第1ピークホールド回路86Aと、第2ピークホールド回路86Bとを有する。
スイッチ82は、昇圧回路131と、第1保護抵抗RA及び第2保護抵抗RBとの間に設けられている。ここで、昇圧回路131は、電源の電圧を導体部71用の電圧(便宜上、導体用電圧ともいう。)に昇圧させるための回路である。昇圧前の電源としては、例えば原駆動信号ODRV用の電源が用いられる。本実施形態において、原駆動信号ODRV用の電源は40V程度の電圧である。そして、昇圧回路131は、この電源電圧を100V〜200Vまで昇圧する。なお、本実施形態では200Vまで昇圧している。また、この昇圧回路131の動作は、システムコントローラ126によって制御される。すなわち、システムコントローラ126は、オンオフ動作を制御するオンオフ制御信号を昇圧回路131に対して出力する。また、昇圧回路131は、このオンオフ制御信号に基づいて動作する。
スイッチ82は、導体用電圧の導体部71への印加を制御する。このスイッチ82は、システムコントローラ126からのスイッチ制御信号VHSWによって、動作が制御される。そして、スイッチ82がオン状態になると、昇圧回路131からの導体用電圧は、第1保護抵抗RA及び第2保護抵抗RBを通じて、第1導体部71A及び第2導体部71Bに供給される。導体用電圧の供給により、第1導体部71A及び第2導体部71Bの電位は、200Vとなる(便宜上、充電電位ともいう。)。ここで、第1導体部71Aは第1コンデンサCAを介して増幅部84に接続され、第2導体部71Bは第2コンデンサCBを介して増幅部84に接続されている。そして、これらの第1コンデンサCA及び第2コンデンサCBは、直流電流は通過させず、交流電流は通過させる。また、インク滴Ipの移動に伴って発生した誘導電流ICは、これらの第1コンデンサCA及び第2コンデンサCBを通過して増幅部84に入力される。
増幅部84は、第1導体部71A用の第1増幅回路84Aと、第2導体部71B用の第2増幅回路84Bとを有する。そして、第1増幅回路84Aは、第1導体部71Aに発生した誘導電流ICに基づき、第1アナログ信号を出力する。また、第2増幅回路84Bは、第2導体部71Bに発生した誘導電流ICに基づき、第2アナログ信号を出力する。なお、これらの第1増幅回路84A及び第2増幅回路84Bは同じ構成であるため、増幅部84として区別せずに説明する。この増幅部84は、図14Bの上段に示す誘導電流ICから、中段に示すアナログ信号を生成する。ここで、図14Bに示す誘導電流ICは、コンデンサCA,CBを通過した後のものである。そして、増幅部84は、誘導電流ICからアナログ信号を生成するにあたり、誘導電流ICの電圧への変換、変換された電圧の増幅、増幅された電圧の積分などを行う。ここで、増幅された電圧の積分を行うのは、インク滴Ipが導体部71に最も近づいた時点における電圧を最大にさせるためである。
すなわち、誘導電流ICは、時間t1で正方向の電流が発生を開始し、時間t2で最大となり、時間t3で電流の方向が切り替わる。その後、時間t4で負方向の電流が最大となり、時間t5で発生が終了する。誘導電流ICの電圧変換により、電流の大きさに応じた電圧が得られるので、変換された電圧は、時間t2と時間t4にピークを有する正弦波状となる。このため、この電圧信号を積分して得られた増幅部84から出力される信号は、時間t3にピークVpを有する山状となる。この出力信号を用いることにより、インク滴Ipの吐出状態を精度良く検出することができる。すなわち、インク滴Ipが導体部71に最も近づいた時点における、出力信号の電圧Vpは、インク滴Ipから導体部71までの間隔に応じて定まる。このため、インク滴Ipが導体部71に最も近づいた時点における、インク滴Ipと導体部71の間隔を精度良く取得することができる。
なお、本実施形態では、誘導電流ICの電圧への変換、変換された電圧の増幅、増幅された電圧の積分の順で処理を行っているが、この順に限られない。例えば、誘導電流ICの電圧への変換、変換された電圧の積分、積分された電圧の増幅の順で処理を行ってもよい。
ピークホールド回路86は、増幅部84から出力されたアナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するものである。そして、例示したピークホールド回路86は、第1増幅回路84A用の第1ピークホールド回路86Aと、第2増幅回路84B用の第2ピークホールド回路86Bとを有する。そして、第1ピークホールド回路86Aは、第1増幅回路84Aから出力された第1アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値(便宜上、第1ピーク値ともいう。)を出力する。同様に、第2ピークホールド回路86Bは、第2増幅回路84Bから出力された第2アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値(便宜上、第2ピーク値ともいう。)を出力する。なお、これらの第1ピークホールド回路86A及び第2ピークホールド回路86Bは同じ構成である。このため、以下の説明では、第1ピークホールド回路86Aと第2ピークホールド回路86Bとを区別せず、ピークホールド回路86として説明する。
このピークホールド回路86は、増幅部84から出力されたアナログ信号のピーク値を、継続して出力する。図14Bの下段に示す例において、ピークホールド回路86の出力は、時間t1から時間t3に亘って、すなわち、増幅部84からのアナログ信号がピーク値(電圧Vp)を示すまでの期間に亘って、アナログ信号に倣って電圧を上昇させる。そして、時間t3以降においてアナログ信号の電圧がピーク値よりも低くなっても、ピークホールド回路86はピーク値(電圧Vp)を保持し、保持したピーク値を出力する。このピークホールド回路86は、アナログ信号のピーク値を継続して出力できるものであれば、種々の構成を採ることができる。例えば、オペアンプ、ダイオード、コンデンサ、及び抵抗によって構成することができる。また、このピークホールド回路86は、アナログ信号のピーク値を、システムコントローラ126からリセットパルスが出力されるまで継続して出力する。図14Bの例では、時間t6でリセットパルスが出力されており、これに伴って、ピークホールド回路86の出力は、ベースレベルに戻っている。
以上説明した検出部80において、ピークホールド回路86は、アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部に相当する。また、ピークホールド回路86を除いた各部、すなわち、スイッチ82と、増幅部84と、第1保護抵抗RAと、第2保護抵抗RBと、第1コンデンサCAと、第2コンデンサCBは、導体部71及び昇圧回路131と共に、アナログ信号生成部を構成する。すなわち、これらの各部は、帯電されたインク滴Ipの導体部71への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成する。
<アナログデジタル変換部88について>
アナログデジタル変換部88は、ピークホールド回路86から出力されたピーク値を、デジタル変換してシステムコントローラ126に出力する。具体的には、ピークホールド回路86から出力された定電圧信号をデジタル変換し、ピーク値に対応するデジタル値を出力する。ここで、本実施形態では、ピークホールド回路86から出力されたピーク値(定電圧信号)をデジタル変換するので、比較的低速のアナログデジタル変換部88であっても十分な検出精度が得られる。また、このデジタル変換されたピーク値はシステムコントローラ126で処理される。このため、システムコントローラ126は、デジタル変換されたピーク値に基づいてきめ細かな制御が行える。例えば、正常な状態で測定された判定基準値とピーク値とを比較することで、システムコントローラ126は、インク滴Ipの飛行曲がりやノズルnの目詰まりの有無を判定することができる。すなわち、判定基準値とピーク値の差の度合いに基づき、そのノズルnが正常であるのか、インクの増粘等によって飛行曲がりが生じているのか、目詰まりが生じているのかを判定できる。
この場合において、複数の異なる判定基準値を準備しておき、ピーク値を各判定基準値と比較すると、処理が高速に行えて好ましい。例えば、ノズル毎に定められる第1判定基準値と第2判定基準値とを、EEPROM129の第1判定基準値記憶領域129aと第2判定基準値記憶領域129bにそれぞれ記憶させる。そして、システムコントローラ126には、ピーク値が第1判定基準値以上であれば正常、第1判定基準値未満であって第2判定基準値以上であれば飛行曲がり、第2判定基準値未満であればノズルnの目詰まりと判定させることにより、ノズルnの検査を数値の比較だけで行うことができる。これにより、ノズルnの吐出状態の検査を容易に行うことができる。例えば、時間の経過や使用の度合いに伴って変化する、ノズルnの状態を容易に検査することができ、高速化に適する。
===インク滴Ipの吐出検査について===
次に、インク滴Ipの吐出検査について説明する。本実施形態において、インク滴Ipの吐出検査はジョブ毎に行われる。ここで、ジョブとは、印刷指令の1単位であり、例えば、ホストコンピュータ140で実行されているアプリケーションプログラムからの1回の印刷命令によって定められる。具体的には、アプリケーションプログラム上で、1つの画像を10枚印刷する印刷命令が行われた場合には、1つの画像を10枚印刷する動作が1ジョブとなる。このように、インク滴Ipの吐出検査がジョブ毎に行われるため、吐出検査の説明は、印刷時の動作説明と共に行う。ここで、図15は、印刷時の動作を説明するフローチャートである。図16は、吐出検査の動作を説明するフローチャートである。図17は、吐出検査を説明するためのタイミングチャートである。図18は、オートクリーニング処理を説明するフローチャートである。そして、この印刷動作、及び、吐出検査動作は、メインメモリ127に記憶された制御用プログラムに従って、システムコントローラ126によって行われる。従って、この制御用プログラムは、印刷動作、及び、検査時の動作を実現させるためのコードを有する。
印刷動作は、1ジョブの印刷命令をインクジェットプリンタ1(システムコントローラ126)が受信することで開始される。図15に示すように、この印刷命令を受信すると、システムコントローラ126は、吐出検査(S100)を行う。図16に示すように、この吐出検査では、まず、吐出対象ノズル列が設定され(S202)、キャリッジ41を検査用ポジションに移動させる(S204)。例えば、図10に示すように、マゼンタインク用のノズル列211(M)を検査対象とする場合には、このマゼンタインク用のノズル列211(M)が第1導体部71Aと第2導体部71Bの中間に位置付けられるように、キャリッジ41を移動させる。なお、他のノズル列211が検査対象となった場合にも同様である。ノズル列211を検査位置に位置付けたならば、ノズルnからインク滴Ipを吐出させ、ピーク値の測定を開始する(S206)。
このピーク値の測定は、ノズルnからインク滴Ipを吐出させるステップと、帯電されたインク滴Ipの導体部71への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成させるステップと、このアナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力させるピーク値出力ステップと、出力されたピーク値に基づき、ノズルnからのインク滴Ipの吐出状態を検査する検査ステップとを有する。以下、詳細に説明する。
このピーク値の測定では、ノズルn毎に測定が行われる。例えば、最初に1番目のノズルn(#1)が測定対象とされ、このノズルn(#1)の測定が終了したならば、2番目のノズルn(#2)が測定対象とされる。測定対象のノズルnが定められたならば、第1導体部71A及び第2導体部71Bが充電される。ここで、システムコントローラ126は、昇圧回路131をオン状態にして200Vの導体用電圧を発生させる。続いて、システムコントローラ126は、スイッチ82をオン状態にして、第1導体部71A及び第2導体部71Bを充電する。これにより、第1導体部71A及び第2導体部71Bの電位は、導体用電圧に対応する200Vとなる。
続いて、図17に示すように、システムコントローラ126は、PTS信号を所定期間Hレベルにする(タイミングt11−タイミングt12)。つまり、PTSパルスを出力する。このPTSパルスは、キャリッジ41の静止時において、動作のタイミングを規定するパルスである。例えば、このPTSパルスの出力タイミングを基準に、原駆動信号ODRVの発生開始タイミングやアナログデジタル変換部88の動作タイミングが定まる。そして、このPTSパルスの発生を契機にシステムコントローラ126は、原駆動信号ODRVの発生を開始させる(タイミングt12)。すなわち、システムコントローラ126は、原駆動信号発生部132を制御して原駆動信号ODRVを発生させる。さらに、システムコントローラ126は、ヘッド制御部22を制御して、原駆動信号ODRV中の第1駆動パルスW1〜第6駆動パルスW6を、測定対象となるノズルn用のピエゾ素子PZTに印加させる。例えば、検査対象が1番目のノズルn(#1)であった場合、このノズルn(#1)用のピエゾ素子PZTに第1駆動パルスW1〜第6駆動パルスW6が印加される。その結果、測定対象のノズルnからは、単位量のインク滴Ipが6回吐出される。つまり、大ドット用のインク滴Ipが吐出される。
吐出されたインク滴Ipは、第1導体部71A及び第2導体部71Bの近傍を通過する。前述したように、このインク滴Ipの通過によって、第1導体部71Aと第2導体部71Bのそれぞれに誘導電流ICが生じる。この誘導電流ICは、増幅部84で増幅等され、第1アナログ信号及び第2アナログ信号として出力される。そして、ピークホールド回路は、第1アナログ信号のピーク値を第1ピーク値として出力し、第2アナログ信号のピーク値を第2ピーク値として出力する。ここで、第1導体部71A及び第2導体部71Bは、インク滴Ipとは非接触で誘導電流ICを生成する。このため、インク滴Ipの付着に伴う処理を低減できる。例えば、劣化等のトラブルが低減でき、メンテナンスを容易化できる。
アナログデジタル変換部88は、これらの第1ピーク値及び第2ピーク値をデジタル変換し、デジタル変換された第1ピーク値及び第2ピーク値をシステムコントローラ126に出力する。ここで、アナログデジタル変換部88は、PTSパルスの発生タイミングを基準にデジタル変換の開始タイミングを定める。すなわち、アナログデジタル変換部88は、PTSパルスの発生タイミングから所定時間経過後のデジタル変換を開始する。そして、この所定時間は、インク滴Ipが検出される時間に基づいて定められる。具体的には、インク滴Ipが第1導体部71A及び第2導体部71Bの近傍を通過する以降であって、第1アナログ信号及び第2アナログ信号がピーク値を示した後に定められる。
このとき、アナログデジタル変換部88は、第1ピーク値及び第2ピーク値を、時間を異ならせて複数回デジタル変換する。本実施形態では、タイミングt13,t15,t17で第1ピーク値のデジタル変換が行われ、タイミングt14,t16,t18で第2ピーク値のデジタル変換が行われる。このようにしてデジタル変換された複数の第1ピーク値及び複数の第2ピーク値は、それぞれシステムコントローラ126に出力される。そして、システムコントローラ126は、これらの複数の第1ピーク値及び複数の第2ピーク値に基づいてインク滴Ipの飛行曲がりの有無やノズルnの目詰まりの有無を判定する。ここで、変換前の第1ピーク値及び複数の第2ピーク値は、ピークホールド回路86から継続的に出力される。このため、比較的低分解能のアナログデジタル変換部88であっても、十分な測定精度が得られる。また、短時間に多くのデータを処理しなくても済むので、データの処理量を適宜に定めることもできる。また、デジタル変換を複数回行っているので、ピーク値が、電源電圧やノイズ等の変動要因によって変動しても、精度良く検査を行うことができる。
本実施形態では、ヘッド21が有する全てのノズルnについて測定を行った後に飛行曲がりやドット抜けの有無を判定するようにしている。このため、1つのノズルnの測定が終わったら次のノズルnの測定が同様にして行われる。例えば、最初に1番目のノズルn(#1)が測定対象とされ、このノズルn(#1)の測定が終了したならば、2番目のノズルn(#2)が測定対象とされる。詳しくは、1ms毎に測定対象のノズルnが切り替えられる。次のノズルnの測定に先立って、ピークホールド回路86がリセットされる。すなわち、システムコントローラ126は、ピークホールド回路86に対してリセットパルスを出力する。これにより、ピークホールド回路86がリセットされ、出力がベースレベルに戻る。なお、ピークホールド回路86のリセットを、PTSパルスによって行ってもよい。このようにすると、ピーク値の出力時間を長くできるので、デジタル変換のタイミングに自由度が増し、制御の容易化が図れる。
そして、1つのノズル列に属する全てのノズルnについて測定が行われたならば、システムコントローラ126は測定結果を転送する(S208)。例えば、メインメモリ127のワークエリアに転送する。測定結果を転送したならば、システムコントローラ126は、全てのノズル列について測定が終了したか否かを判断する(S210)。ここで、未測定のノズル列がある場合には、ステップS202に戻り、前述した処理を繰り返し行う。一方、全てのノズル列について測定が行われたならば、測定結果に基づき飛行曲がりやノズルの目詰まり(ドット抜け)の有無を判定する(S212)。
ここでの判定方法は種々考えられる。例えば、前述したように、第1判定基準値と第2判定基準値を用い、これらの判定基準値と第1ピーク値の平均値及び第2ピーク値の平均値との比較で飛行曲がりやノズルの目詰まりを判定することができる。また、正常な状態での判定基準値と第1ピーク値の平均値との差の度合い、及び、この判定基準値と第2ピーク値の平均値との差の度合いに応じて、インク滴Ipの飛行曲がりの有無、ノズルnの目詰まりの有無を判定することもできる。この判定もまた、例えば、EEPROM129に記憶された判定基準値に基づいて行うことができる。
そして、本実施形態は、間を通るインク滴Ipを同時に検出可能な第1導体部71A及び第2導体部71Bが設けられており、第1導体部71Aの誘導電流ICに基づく第1ピーク値と、第2導体部71Bの誘導電流ICに基づく第2ピーク値とを用いて判断を行っている。これにより、判定の精度(つまり、検査の精度)を高めることができる。例えば、インク滴Ipに飛行曲がりが生じ、第1導体部71Aに近い側をインク滴Ipが通過したとする。この場合、第2導体部71B側では、インク滴Ipは本来の位置よりも遠い位置を通過することになる。そして、ピーク値の大きさは、最接近時における導体部71(第1導体部71A,第2導体部71B)とインク滴Ipとの距離に応じて定まる。このため、図17に示す検査周期CY1の例のように、第1ピーク値の方が第2ピーク値よりも大きくなる。そして、システムコントローラ126は、第1ピーク値と第2ピーク値の大きさの違いに基づき、インク滴Ipの飛行曲がりの度合いを判断することができる。また、第2導体部71Bに近い側をインク滴Ipが通過した場合は、検査周期CY3の例のように、第2ピーク値の方が第1ピーク値よりも大きくなる。さらに、インク滴Ipが正常に飛行した場合には、検査周期CY2の例のように、第1ピーク値と第2ピーク値の大きさは揃う。なお、ノズルnに目詰まりが生じていた場合には、第1ピーク値と第2ピーク値は共に、正常な場合よりも小さくなる。このように、第1ピーク値及び第2ピーク値も判定要素とすることができるので、判定の精度を高めることができる。
以上のようにして、1つのノズルnに対する判定を行ったならば、システムコントローラ126は、他のノズルnに対する判定を行う。そして、ヘッド21が有する全てのノズルnに対する判定が行われたならば、システムコントローラ126は、飛行曲がりのノズルnや目詰まりのノズルnの有無に基づく判断をする。すなわち、飛行曲がりのノズルnや目詰まりのノズルnがない場合には、この吐出検査の処理を終了して給紙処理(S102,後述する。)に移行する。一方、飛行曲がりや目詰まりのノズルnがあった場合には、オートクリーニング処理に移行する(S216)。このオートクリーニング処理では、図18に示すように、目詰まり(ドット抜け)の有無に応じてクリーニング処理の内容を変えている。まず、目詰まりの有無が判断される(S302)。ここで、目詰まりがあった場合には、フラッシング動作が行われる(S304)。このフラッシング動作では、キャリッジ41(ヘッド21)をフラッシングポジションに移動させる。例えば、ノズル面がキャッピング装置35(図4を参照。)の真上に位置するように、キャリッジ41を移動させる。キャリッジ41を移動させたならば、フラッシング用の駆動パルスを連続的に各ピエゾ素子PZTへ印加する。これにより、各ノズルnからはインク滴Ipが連続的に吐出される。所定量のインク滴Ipを吐出させたならば、この駆動パルスの印加を停止させ、フラッシング動作を終了させる。一方、目詰まりがない場合には、つまり、飛行曲がりだけがあった場合には、ワイピング動作が行われる(S306)。このワイピング動作では、ワイピング装置33(図4を参照。)によってノズル面を払拭する。
フラッシング動作若しくはワイピング動作が行われたならば、オートクリーニングの実行回数が判定される(S218)。ここで、オートクリーニングの実行回数が上限回数に達したならばエラー処理をする。一方、この実行回数が上限回数未満であれば、飛行曲がりや目詰まりと判定された異常なノズルnについて、インク滴Ipの再測定を行う(S220)。すなわち、インク滴Ipを吐出させてピーク値を取得する。異常なノズルnについて再測定を行ったならば、測定結果を転送し(S222)、前述した処理を繰り返し行う。すなわち、目詰まり等が解消していれば給紙処理(S102)に移行し、していなければ上限回数に達するまでオートクリーニング処理(S216)や異常なノズルnの再測定(S220)等が行われる。
===印刷動作について===
吐出検査(S100)が終了したならば、給紙処理(S102)が行われる。この給紙処理は、印刷しようとする用紙Sをインクジェットプリンタ1内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)まで搬送する処理である。このため、システムコントローラ126は、給紙ローラ13を回転させて、印刷対象となる用紙Sを搬送ローラ17Aまで送る。また、システムコントローラ126は、搬送ローラ17Aを回転させて、給紙ローラ13から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。次に、往路印刷(S104)が行われる。この往路印刷において、システムコントローラ126は、キャリッジ41をガイド軸46に沿って一の方向に向かって移動させながら、ヘッド21からインク滴Ipを吐出させる。すなわち、印刷データに基づきヘッド21を駆動してインク滴Ipを吐出させる。ヘッド21から吐出されたインク滴Ipは、用紙Sに到達してドットとして形成される。次に、搬送処理(S106)が行われる。この搬送処理で、システムコントローラ126は、紙搬送モータ15を駆動して搬送ローラ17Aを回転させ、用紙Sを搬送方向に所定量だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド21は、先ほどの印刷した領域とは異なる領域に印刷をすることが可能になる。次に、排紙判断が行われる(S108)。この排紙判断は、印刷中の用紙Sに関する未処理の印刷データの有無で判断される。ここで、未処理の印刷データが無かった場合には、排紙処理が行われる(S116)。一方、未処理の印刷データがあれば復路印刷が行われる(S110)。この復路印刷では、往路印刷とは反対の方向にキャリッジ41を移動させて印刷を行う。復路印刷を実行した後、搬送処理を実行し(S112)、その後、排紙判断を行う(S114)。ここで、未処理の印刷データがあれば、排紙処理は行わずに、ステップS104に戻って、再度往路印刷を実行する(S104)。一方、未処理の印刷データがなければ、排紙処理を実行する(S116)。排紙処理を行った後、次に、印刷終了か否かを判断する印刷終了判断を実行する(S118)。ここでは、次にホストコンピュータ140からの印刷データに基づき、次に印刷すべき紙がないかどうかチェックする。つまり、1つのジョブが終了したか否かが判断される。ここで、1つのジョブが終了していない場合には、ステップS102に戻り、再び給紙処理を実行して、印刷を開始する。一方、ジョブが終了した場合には、一連の印刷処理を終了する。
この印刷処理において、本実施形態では1つのジョブ毎に吐出検査(S100)が行われているので、インク滴Ipの飛行曲がりやノズルnの目詰まりがない良好な状態で印刷を行うことができる。このため、高品位な画像を印刷させることができる。
===第2実施形態===
ところで、前述した第1実施形態は、ピークホールド回路86から出力されたピーク値をアナログデジタル変換部88で変換し、変換されたピーク値に基づく判定をシステムコントローラ126で行うものであった。この実施形態は、システムコントローラ126において種々の処理を行うことができ、処理の自由度を高めることができるものであった。しかし、この実施形態に限定されるものではない。例えば、ピーク値出力部としてのピークホールド回路86から出力されたピーク値を、比較値としての比較電圧と比較する比較部100を設け、この比較部100から出力された比較結果に基づいてノズルnからのインク滴Ipの吐出状態を検査させるようにしてもよい。以下、このように構成された第2実施形態について説明する。
ここで、図19Aは、第2実施形態のインクジェットプリンタ1における要部の構成を説明する図であり、第1実施形態における図13に対応するものである。図19Bは、ノズルnの状態と比較部100(第1比較回路102A,第2比較回路102B)からの出力の関係を説明する図である。第2実施形態のインクジェットプリンタ1では、第1実施形態におけるアナログデジタル変換部88に代えて、比較部100とセレクタ104とを設けている。比較部100は、第1ピーク値用の第1比較回路102Aと、第2ピーク値用の第2比較回路102Bとを有している。これらの第1比較回路102Aと第2比較回路102Bは同じ構成であり、第1ピーク値若しくは第2ピーク値と比較電圧とを比較し、比較結果を出力するものである。セレクタ104は、複数種類の比較電圧の中から特定の比較電圧を選択して出力するものである。このインクジェットプリンタ1では、飛行曲がり用の比較電圧と目詰まり用の比較電圧の何れかを選択して出力する。なお、このインクジェットプリンタ1において、飛行曲がり用の比較電圧は、目詰まり用の比較電圧よりも高い電圧に設定されている。また、比較部100とセレクタ104以外の部分は、第1実施形態で説明したインクジェットプリンタ1と同じ構成である。このため、説明は省略する。
比較部100は、ピークホールド回路86からピーク値(電圧信号)が出力されている期間に、このピーク値を目詰まり用比較電圧(比較値に相当する。)と飛行曲がり用比較電圧(他の比較値に相当する。)のそれぞれと比較する。このため、比較部100は、増幅部84からのアナログ信号がピーク値を示したタイミング以降において、ピーク値と比較電圧とを比較して比較結果を出力する。また、セレクタ104は、比較部100による比較動作の開始時点では飛行曲がり用比較電圧を出力し、その後、飛行曲がり用比較電圧から目詰まり用比較電圧へと、出力する電圧を切り替える。なお、比較部100による比較動作の開始タイミングやセレクタ104による比較信号の切り替え動作は、例えば、前述したPTSパルスの発生タイミングを基準にして制御される。
この第2実施形態では、図19Bに示すように、比較部100の出力は、ノズルnの状態に応じて変化する。例えば、ノズルnが正常である場合(すなわち、ノズルnからインク滴Ipが正常に吐出されている場合)、アナログ信号のピーク値は、飛行曲がり用の比較電圧及び目詰まり用比較電圧よりも高くなる。これにより、比較部100での比較結果に関し、飛行曲がり用比較電圧との比較結果、及び、目詰まり用比較電圧との比較結果のいずれも[0]となる。そして、ノズルnから吐出されるインク滴Ipに飛行曲がりが生じている場合、アナログ信号のピーク値は、飛行曲がり用の比較電圧よりも低くなり、目詰まり用比較電圧よりも高くなる。これにより、比較部100において、飛行曲がり用比較電圧との比較結果が[1]となり、目詰まり用比較電圧との比較結果が[0]となる。また、ノズルnから吐出されるインク滴Ipに目詰まりが生じている場合、アナログ信号のピーク値は、飛行曲がり用の比較電圧、及び、目詰まり用比較電圧のそれぞれよりも低くなる。これにより、比較部100において、飛行曲がり用比較電圧との比較結果、及び、目詰まり用比較電圧との比較結果のいずれもが[0]となる。
システムコントローラ126は、比較部100からの比較結果を監視しており、飛行曲がり用比較電圧との比較結果、及び、目詰まり用比較電圧との比較結果の組み合わせに基づいて、ノズルnの状態を判定する。そして、システムコントローラ126は、このような動作を吐出検査(S100,図15を参照。)にて行い、必要があればオートクリーニングを行う。
以上の構成を有する第2実施形態のインクジェットプリンタ1でも、ピークホールド回路86から出力されるピーク値に基づいて検査が行われるため、アナログ信号からピーク値を求める処理が簡略化され、インク滴Ipの吐出状態の検査を効率よく行うことができる。そして、この第2実施形態では、1回のインク滴吐出動作に対して、複数回の比較動作を行うことができる。例えば、値の異なる複数種類の比較値を用いた比較動作を行うことができる。この点でも、インク滴Ipの吐出状態の検査を効率よく行うことができる。
===その他の実施形態===
上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<導体部71について>
前述した各実施形態における導体部71は、帯電されたインク滴Ipが近傍を通過することにより、誘導電流ICを生じさせる第1導体部71Aと第2導体部71Bで構成されていた。つまり、非接触用で測定する導体部である。この導体部71に関し、インク滴Ipを着弾させる構成としてもよい。ここで、図20は、この構成を説明するための図である。このインクジェットプリンタ1では、矩形状の導電性板で構成された他の導体部71Cが、第1導体部71A及び第2導体部71Bに代えて用いられている。他の導体部71Cは、インク滴Ipの着弾によって電流が生じるものである。従って、このインクジェットプリンタ1でも、着弾によって生じた電流を電圧変換した後、増幅部84によって増幅してアナログ信号を取得する。そして、取得したアナログ信号のピーク値を、ピークホールド回路86で保持して出力する。このインクジェットプリンタ1では、他の導体部71Cにインク滴Ipを着弾させるものであるため、インク滴Ipの検査を確実に行える。
また、前述した第1実施形態及び第2実施形態において、導体部71は、第1導体部71Aと第2導体部71Bの複数本で構成されていた。この導体部71は、単数であってもよい。
<印刷システム1000について>
なお、前述した第1実施形態及び第2実施形態は、印刷装置としてのインクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、このインクジェットプリンタ1を有する印刷システムを構成することもできる。ここで、印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも有するシステムのことであり、液体滴吐出装置と吐出制御装置とを有する液体滴吐出システムの一形態に相当する。ここで、図21は、印刷システム1000の外観構成を示した説明図である。
印刷システム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、インクジェットプリンタ1と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。表示装置1104は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられる。インクジェットプリンタ1は、前述した構成を有する。入力装置1108は、例えば、キーボード1108Aとマウス1108Bが用いられる。読取装置1110は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられるが、これに限られるものではない。例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図22は、図21に示した印刷システム1000の構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。上述したインクジェットプリンタ1の動作を制御するコンピュータプログラムは、例えばインターネット等の通信回線を経由して、インクジェットプリンタ1に接続されたコンピュータ本体1102等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスクMO、ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記憶媒体に記憶された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。なお、以上の説明においては、インクジェットプリンタ1が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されて印刷システム1000を構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、印刷システム1000が、コンピュータ本体1102とインクジェットプリンタ1から構成されても良い。また、印刷システム1000が、表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。加えて、インクジェットプリンタ1が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を有していても良い。
この印刷システム1000において、インクジェットプリンタ1側にて行っていた処理の一部をコンピュータ本体1102側にて行ってよい。また、各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部又は全部をソフトウェアによって置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアによって置き換えてもよい。
<インク滴Ipの帯電について>
上記の実施形態では、導体部71からの電界によってインク滴Ipを帯電させる構成としたが、インク滴Ipを帯電させる構成は、導体部71を用いるものに限定されない。例えば摩擦帯電を用いてもよい。
<増幅部84について>
上記の実施形態では、導体部71に生じた誘導電流ICを増幅部84で増幅し、この増幅後のアナログ信号をピークホールド回路86に入力していたが、この構成に限定されない。増幅部84は、インク滴Ipの導体部71への作用によって生じた電気的変化を、ピークホールド回路86に入力し得る形態に変更できるものであればよい。また、ピークホールド回路86が、インク滴Ipの導体部71への作用によって生じた電気的変化を保持して出力することができる場合には、増幅部84は設けなくてもよい。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、インク滴Ipの吐出検査装置を、インクジェットプリンタ1に組み込んだ例について説明されていたが、吐出検査装置を単体で構成することもできる。この場合、吐出検査装置は、工場の検査工程等で用いられ、組み立て後のヘッド21やキャリッジ41が着脱可能に構成される。そして、組み立て後のヘッド21について目詰まり等の検査を行う。なお、この場合における判断基準値としては、例えば、正常なヘッド21からインク滴Ipを吐出させて取得したものが用いられる。また、本発明は、インクジェットプリンタ1に限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
インクジェットプリンタ1の斜視図である。 インクジェットプリンタ1の内部構成図である。 ヘッド21が有するノズルnの配置を説明する図である。 キャリッジ41の移動範囲を説明する図である。 用紙Sの搬送部を説明するための側面図である。 図6Aは、インクジェットプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。図6Bは、EEPROM129の一部を説明するための模式図である。 ヘッド制御部22の構成を説明するブロック図である。 原駆動信号ODRV及び駆動信号DRVを説明する図である。 導体部ユニット70の構造を説明する図である。 吐出状態の検査が行われる際における、導体部ユニット70とノズル列211との位置関係を説明する図である。 吐出されたインク滴Ipが導体部ユニット70の開口部74を通過する様子を説明するための図である。 図12Aは、導体部71を流れる誘導電流ICの経時変化を示す図である。図12Bは、ピエゾ素子PZTに印加された駆動パルスの数の違いに起因する誘導電流ICの違いを説明する図である。 検出部80及びその周辺部の構成を説明するブロック図である。 図14Aは、増幅部84及びピークホールド回路86の構成を説明するブロック図である。図14Bは、導体部71に生じる誘導電流IC、増幅部84から出力されるアナログ信号、及びピークホールド回路86から出力されるピーク信号を説明する図である。 印刷時の動作を説明するフローチャートである。 吐出検査の動作を説明するフローチャートである。 吐出検査を説明するためのタイミングチャートである。 オートクリーニング処理を説明するフローチャートである。 図19Aは、第2実施形態のインクジェットプリンタ1における要部の構成を説明する図である。図19Bは、ノズルnの状態と比較部100からの出力の関係を説明する図である。 導体部71にインク滴Ipを着弾させる構成を説明する図である。 印刷システム1000の外観構成を示した説明図である。 印刷システム1000の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ,2 操作パネル,3 排紙部,4 給紙部,
5 各種操作ボタン,6 表示ランプ,7 排紙トレー,8 給紙トレー,
11A 枚葉紙用の紙挿入口,11B ロール紙用の紙挿入口,
13 給紙ローラ,14 プラテン,15 紙搬送モータ,
17A 搬送ローラ,17B 排紙ローラ,
18A フリーローラ,18B フリーローラ,21 ヘッド,22 ヘッド制御部,
30 クリーニングユニット,31 ポンプ装置,33 ワイピング装置,
35 キャッピング装置,41 キャリッジ,42 キャリッジモータ,
44 プーリ,44´ プーリ,45 タイミングベルト,46 ガイド軸,
48 インクカートリッジ,51 リニア式エンコーダ,
52 ロータリー式エンコーダ,70 導体部ユニット,71 導体部,
71A 第1導体部,71B 第2導体部,71C 他の導体部,
72 配線基板,74 開口部,80 検出部,82 スイッチ,
84 増幅部,84A 第1増幅回路,84B 第2増幅回路,
86 ピークホールド回路,86A 第1ピークホールド回路,
86B 第2ピークホールド回路,88 アナログデジタル変換部,
100 比較部,102A 第1比較回路,102B 第2比較回路,
104 セレクタ,120 制御ユニット,122 バッファメモリ,
124 イメージバッファ,126 システムコントローラ,127 メインメモリ,
128 キャリッジモータ制御部,129 EEPROM,
129a 第1判定基準値記憶領域,129b 第2判定基準値記憶領域,
130 搬送制御部,131 昇圧回路,132 原駆動信号発生部,
140 ホストコンピュータ,210 ノズルプレート,211 ノズル列,
221 第1シフトレジスタ,222 第2シフトレジスタ,223 ラッチ回路群,
224 デコーダ群,225 制御ロジック,
1000 印刷システム,1102 コンピュータ本体,1104 表示装置,
1108 入力装置,1110 読取装置,
S 用紙,Ip インク滴,n ノズル,Ap 印刷エリア,An 非印刷エリア,
PRT 印刷データ,ODRV 原駆動信号,DRV 駆動信号,
PZT ピエゾ素子,SW スイッチ,T 単位周期,IC 誘導電流,
RA 第1保護抵抗,RB 第2保護抵抗,
CA 第1コンデンサ,CB 第2コンデンサ

Claims (13)

  1. (A)液体滴を吐出するノズルと、
    (B)検出用導体部を有し、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、
    (C)前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部と、
    (D)前記ピーク値出力部から出力されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
    を有する吐出検査装置。
  2. 請求項1に記載の吐出検査装置であって、
    前記ピーク値出力部から出力されたピーク値をデジタル変換するアナログデジタル変換部を有し、
    前記コントローラは、
    前記アナログデジタル変換部によってデジタル変換されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する、吐出検査装置。
  3. 請求項2に記載の吐出検査装置であって、
    前記アナログデジタル変換部は、
    前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を、時間を異ならせて複数回デジタル変換し、
    前記コントローラは、
    複数の前記デジタル変換されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する、吐出検査装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の吐出検査装置であって、
    前記コントローラは、
    前記デジタル変換されたピーク値と判断基準値との関係に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する、吐出検査装置。
  5. 請求項4に記載の吐出検査装置であって、
    前記コントローラは、
    前記デジタル変換されたピーク値と、値が異なる複数の前記判断基準値との関係に基づき、前記液体滴の吐出状態を検査する、吐出検査装置。
  6. 請求項1に記載の吐出検査装置であって、
    前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を比較値と比較し、比較結果を出力する比較部を有し、
    前記コントローラは、
    前記比較結果に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する、吐出検査装置。
  7. 請求項6に記載の吐出検査装置であって、
    前記比較部は、
    値が異なる複数の前記比較値に基づき、比較値毎の比較結果を出力するものであり、
    前記コントローラは、
    前記比較値毎の比較結果に基づき、前記液体滴の吐出状態を検査する、吐出検査装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の吐出検査装置であって、
    前記アナログ信号生成部は、
    帯電された前記液体滴の移動によって前記検出用導体部に生じる誘導電流に応じたアナログ信号を生成するものである、吐出検査装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の吐出検査装置であって、
    前記アナログ信号生成部は、
    帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への着弾に応じたアナログ信号を生成するものである、吐出検査装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の吐出検査装置であって、
    前記ノズルは、
    印刷用の液体インクを前記液体滴として吐出する、吐出検査装置。
  11. (A)印刷用の液体インクを液体滴として吐出するノズルと、
    (B)検出用導体部を有し、帯電された前記液体滴の移動によって前記検出用導体部に生じる誘導電流に応じた、又は、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への着弾に応じたアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、
    (C)前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部と、
    (D1)前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を、時間を異ならせて複数回デジタル変換するアナログデジタル変換部、又は、
    (D2)前記ピーク値出力部から出力されたピーク値を、値が異なる複数の前記比較値と比較し、比較値毎の比較結果を出力する比較部と、
    (E1)前記アナログデジタル変換部によってデジタル変換された複数のピーク値と、値が異なる複数の判断基準値との関係に基づき、又は、
    (E2)前記比較値毎の比較結果に基づき、
    (E3)前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する、コントローラと、
    を有する吐出検査装置。
  12. (a)媒体が位置付けられる媒体領域と吐出検査が行われる検査領域とを移動可能であって、液体滴を吐出するノズルと、
    (b)前記検査領域に設けられた検出用導体部を有し、帯電された前記液体滴の前記検出用導体部への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、
    (c)前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力するピーク値出力部と、
    (d)前記ピーク値出力部から出力されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査するコントローラと、
    を有する液体滴吐出装置。
  13. ノズルから液体滴を吐出させる吐出ステップと、
    帯電された前記液体滴の検出用導体部への作用の度合いに応じたアナログ信号を生成させるアナログ信号生成ステップと、
    前記アナログ信号のピーク値を保持し、保持したピーク値を出力させるピーク値出力ステップと、
    出力されたピーク値に基づき、前記ノズルからの前記液体滴の吐出状態を検査する検査ステップと、
    を有する吐出検査方法。

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