JP2006129155A - 電気音響変換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐振動、耐衝撃特性に優れた電気音響変換器を提供する
【解決手段】 ボイスコイルボビン(4)が固着された振動板(1)と、この振動板の周囲に接合されたエッジ(2)と、ボイスコイルボビン(4)を介して振動板を振動させる磁気回路(30)と、エッジの周囲を支持すると共に磁気回路を接着剤(20)により固着して保持する枠部(3A,3B)を有するフレーム(3)と、を備え、接着剤を、その硬化後のショアD硬度が50以下であるアクリル系接着剤とし、磁気回路の側面(6a)のみを前記フレームと固着し、側面と枠部の内面(3A5)と接着剤とにより構成される固着部であって、側面と内面との距離を0.2mm以下として接着剤を充填した固着部を有するよう構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】 ボイスコイルボビン(4)が固着された振動板(1)と、この振動板の周囲に接合されたエッジ(2)と、ボイスコイルボビン(4)を介して振動板を振動させる磁気回路(30)と、エッジの周囲を支持すると共に磁気回路を接着剤(20)により固着して保持する枠部(3A,3B)を有するフレーム(3)と、を備え、接着剤を、その硬化後のショアD硬度が50以下であるアクリル系接着剤とし、磁気回路の側面(6a)のみを前記フレームと固着し、側面と枠部の内面(3A5)と接着剤とにより構成される固着部であって、側面と内面との距離を0.2mm以下として接着剤を充填した固着部を有するよう構成した。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電気音響変換器に係り、特に、耐振動,耐衝撃性に優れた細幅(細長)形状のスピーカに関する。
大画面の薄型表示装置(例として液晶やPDP等を用いたテレビジョン装置)が普及するに伴い、この大画面を生かすべく、臨場感に優れた多チャンネルのサラウンド効果を得るために複数のスピーカを薄型表示装置と共に鑑賞室(居間等)に設置する例が増えてきている。
その場合、広い設置スペースを要しない小さいスピーカが好まれ、特に、優れた音響特性を発揮しつつ柱状に形成されたスピーカは最適である。
その場合、広い設置スペースを要しない小さいスピーカが好まれ、特に、優れた音響特性を発揮しつつ柱状に形成されたスピーカは最適である。
このような柱状スピーカの例として、特許文献1(本願出願人の出願)に記載の指向特性や音響特性に優れた小型の細幅スピーカがある。
このスピーカは、振動板の幅が約10mm,長さが約95mmであり、フレーム外形も幅が約30mm,長さが約130mmであって、極めて小型のものである。
具体的には、このスピーカは、枠部を有する細長の略箱状フレームを有し、その枠部に振動板を固定すると共に、箱状部に磁気回路を納めて成る構成としたものである。
このスピーカは、振動板の幅が約10mm,長さが約95mmであり、フレーム外形も幅が約30mm,長さが約130mmであって、極めて小型のものである。
具体的には、このスピーカは、枠部を有する細長の略箱状フレームを有し、その枠部に振動板を固定すると共に、箱状部に磁気回路を納めて成る構成としたものである。
また、この箱状フレームの底面をなくして略枠状としたフレームを有し、その枠部に振動板を固定すると共に、枠部の内側面に磁気回路の側面を接着により固定した構成の細幅スピーカもあり、これについて本願出願人は、特願2003−085189(未公開)において提案している。
通常、これらの箱状あるいは枠状フレームは、強度保持のためにアルミニウム等の金属のダイキャストで形成されているが、コストダウンのための省材料化や軽量化を目的として、細長スピーカとしては、底面を形成しない枠状フレームを用いるのが主流となってきている。
特開2003−47089号公報
通常、これらの箱状あるいは枠状フレームは、強度保持のためにアルミニウム等の金属のダイキャストで形成されているが、コストダウンのための省材料化や軽量化を目的として、細長スピーカとしては、底面を形成しない枠状フレームを用いるのが主流となってきている。
ところで、上述した細長スピーカは、その細身であるという特徴に加えて、小型軽量でありながら極めて優れた指向特性や音響特性を有する。そのため、上述した室内でのサラウンド鑑賞用に限らず、様々な用途への適用が検討されている。
特に、特許文献1に記載されたスピーカは、その長手方向を軸とした場合のその軸廻りの指向性が、角度に拘わりなく極めて平坦である。
特に、特許文献1に記載されたスピーカは、その長手方向を軸とした場合のその軸廻りの指向性が、角度に拘わりなく極めて平坦である。
この優れた指向性を十分に発揮できる好適な適用例として、車(2輪,4輪)鉄道車両あるいは航空機等の高速移動体への搭載が検討されている。
例えば、4輪自動車については、ダッシュボード,ハンドル周りあるいは後方キャビンに省スペースで配置可能であり、聴取者(運転者や各席の同乗者)に対して体型や着座姿勢等によらず高品位な再生音響を提供できる。
鉄道車両や航空機については、前席の背もたれの後面に横向きに配置すれば、体型や着座姿勢に影響されずに高品位な再生音響が提供される。
例えば、4輪自動車については、ダッシュボード,ハンドル周りあるいは後方キャビンに省スペースで配置可能であり、聴取者(運転者や各席の同乗者)に対して体型や着座姿勢等によらず高品位な再生音響を提供できる。
鉄道車両や航空機については、前席の背もたれの後面に横向きに配置すれば、体型や着座姿勢に影響されずに高品位な再生音響が提供される。
しかしながら、スピーカは、これら高速移動体に搭載された場合、室内で使用される場合よりもはるかに強い外部からの力を受ける。
具体的には、移動体の移動に伴う衝撃と振動であり、移動体搭載用のスピーカとしては一般的に次の耐性が要求される。
即ち、振動については、所謂3軸の各方向に7Gの加速度が与えられる振動を20時間連続して受けても不具合がないことであり、衝撃については、数百Gの衝撃加速度が付与されても不具合がないことである。これについては例えば900Gの衝撃力に耐えれば十分とされる。
具体的には、移動体の移動に伴う衝撃と振動であり、移動体搭載用のスピーカとしては一般的に次の耐性が要求される。
即ち、振動については、所謂3軸の各方向に7Gの加速度が与えられる振動を20時間連続して受けても不具合がないことであり、衝撃については、数百Gの衝撃加速度が付与されても不具合がないことである。これについては例えば900Gの衝撃力に耐えれば十分とされる。
従来の枠状フレームを備えたスピーカは、そのフレームの内周面と、磁気回路を構成するコ字状断面形状を有するヨークの側面とをエポキシ接着剤で接着したものであるが、接着面であるフレーム枠の内周面の面積を大きくするには限界があり、また、磁気回路は質量が大きいものであるから、接着強度は、室内での使用で不具合のない程度に確保されているものであった。
よって、上述した、移動体搭載用のスピーカに要求される耐振性や耐衝撃性を備えるものではなく、通常の移動体に加わる振動や衝撃力を与えると、特に、振動板の振動方向の衝撃や振動の場合に接着剤に過大の剪断力が加わって耐えられず、フレーム及び質量の大きい磁気回路を固着している接着剤と、それぞれの接着面との間で剥離が生じる場合があり、磁気回路がフレームから脱落してしまう可能性があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、フレームに磁気回路の側面のみを固定してなるスピーカであっても、移動体搭載用途に十分適用可能な、耐振動、耐衝撃特性に優れた電気音響変換器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の構成を有する。
即ち、請求項1に係る発明は、ボイスコイルボビン(4)が固着された振動板(1)と、該振動板(1)の周囲に接合されたエッジ(2)と、前記ボイスコイルボビン(4)を介して前記振動板(1)を振動させる磁気回路(30)と、前記エッジ(2)の周囲を支持すると共に前記磁気回路(30)を接着剤(20)により固着して保持する枠部(3A,3B)を有するフレーム(3)と、を備えた電気音響変換器であって、
前記接着剤(20)を、その硬化後のショアD硬度が50以下であるアクリル系接着剤とし、前記磁気回路(30)の側面(6a)のみを前記フレーム(3)と固着し、前記側面(6a)と前記枠部(3A,3B)の内面(3A5)と前記接着剤(20)とにより構成される固着部であって、前記側面(6a)と前記内面(3A5)との距離を0.2mm以下として前記接着剤(20)を充填した固着部を有するよう構成したことを特徴とする電気音響変換器(10)である。
また、請求項2に係る発明は、前記固着部の前記内面(3A5)及び前記側面(6a)のいずれかを凹部(6d)として成ることを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器(10)である。
即ち、請求項1に係る発明は、ボイスコイルボビン(4)が固着された振動板(1)と、該振動板(1)の周囲に接合されたエッジ(2)と、前記ボイスコイルボビン(4)を介して前記振動板(1)を振動させる磁気回路(30)と、前記エッジ(2)の周囲を支持すると共に前記磁気回路(30)を接着剤(20)により固着して保持する枠部(3A,3B)を有するフレーム(3)と、を備えた電気音響変換器であって、
前記接着剤(20)を、その硬化後のショアD硬度が50以下であるアクリル系接着剤とし、前記磁気回路(30)の側面(6a)のみを前記フレーム(3)と固着し、前記側面(6a)と前記枠部(3A,3B)の内面(3A5)と前記接着剤(20)とにより構成される固着部であって、前記側面(6a)と前記内面(3A5)との距離を0.2mm以下として前記接着剤(20)を充填した固着部を有するよう構成したことを特徴とする電気音響変換器(10)である。
また、請求項2に係る発明は、前記固着部の前記内面(3A5)及び前記側面(6a)のいずれかを凹部(6d)として成ることを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器(10)である。
本発明によれば、磁気回路の側面のみを固定した電気音響変換器であっても、移動体搭載用途に十分適用可能な優れた耐振動性や耐衝撃性が得られるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図10を用いて説明する。
図1は、本発明の電気音響変換器の実施例を示す図である。
図2は、本発明の電気音響変換器の実施例を示す断面図である。
図3は、本発明の電気音響変換器の実施例における振動板を説明する斜視図である。
図4は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるボイスコイルを説明する斜視図である。
図5は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるフレームを説明する平面図である。
図6は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する斜視図である。
図7は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する断面図である。
図8は、本発明の電気音響変換器の実施例における要部を説明する断面図である。
図9は、本発明の電気音響変換器の実施例1を説明する斜視図である。
図10は、本発明の電気音響変換器の実施例2を説明する斜視図である。
図1は、本発明の電気音響変換器の実施例を示す図である。
図2は、本発明の電気音響変換器の実施例を示す断面図である。
図3は、本発明の電気音響変換器の実施例における振動板を説明する斜視図である。
図4は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるボイスコイルを説明する斜視図である。
図5は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるフレームを説明する平面図である。
図6は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する斜視図である。
図7は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する断面図である。
図8は、本発明の電気音響変換器の実施例における要部を説明する断面図である。
図9は、本発明の電気音響変換器の実施例1を説明する斜視図である。
図10は、本発明の電気音響変換器の実施例2を説明する斜視図である。
実施例の電気音響変換器である細幅スピーカについて説明する。
図1(a)は、その平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A半断面図である。また、図2は、図1(a)におけるB−B断面図である。
この電気音響変換器10は、振動板1とエッジ2とフレーム3とを有して構成されている。
図1(a)は、その平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A半断面図である。また、図2は、図1(a)におけるB−B断面図である。
この電気音響変換器10は、振動板1とエッジ2とフレーム3とを有して構成されている。
振動板1は、長径と短径とを有し、対向する長辺とその端部を連結する略円弧状部とからなる長丸状の部材である(図3参照)。
エッジ2は、振動板1の外周と接合され、その振動板1をフレーム3に対して振動自在に保持する部材であり、振動板1に相応する部分を開口し一部に凹凸を有する枠状部材である(図6参照)。
フレーム3は、各部材を支持する略枠状の支持体であり、長手及び短手の枠部とエッジ2の外周とが接合され、このエッジ2を支持するものである(図5参照)。
また、このフレームはアルミニウムのダイキャストにより形成される。
振動板1の外周部下端には、図4に示すようなトラック型のボイスコイルボビン4が固着されている。このボイスコイルボビン4の外周面には、ボイスコイル5が巻回されている。
ボイスコイルボビン4は、後述する磁気回路の磁気空隙Gに釣り下げられ、音声信号電流と磁束とにより駆動力を発生する。
エッジ2は、振動板1の外周と接合され、その振動板1をフレーム3に対して振動自在に保持する部材であり、振動板1に相応する部分を開口し一部に凹凸を有する枠状部材である(図6参照)。
フレーム3は、各部材を支持する略枠状の支持体であり、長手及び短手の枠部とエッジ2の外周とが接合され、このエッジ2を支持するものである(図5参照)。
また、このフレームはアルミニウムのダイキャストにより形成される。
振動板1の外周部下端には、図4に示すようなトラック型のボイスコイルボビン4が固着されている。このボイスコイルボビン4の外周面には、ボイスコイル5が巻回されている。
ボイスコイルボビン4は、後述する磁気回路の磁気空隙Gに釣り下げられ、音声信号電流と磁束とにより駆動力を発生する。
フレーム3の枠状部分の内面には磁気回路が取り付けられている(図1(b),図2参照)。
この磁気回路は、鉄をプレスして形成したコ字状のヨーク6と、そのヨーク6の内側に固定されたマグネット7と、このマグネット7の先端に、振動板1の主振動部(概ね凹部凸部が設けられている範囲)1Aに対向するように設けられたポールピース8とから構成されている。
この磁気回路は、鉄をプレスして形成したコ字状のヨーク6と、そのヨーク6の内側に固定されたマグネット7と、このマグネット7の先端に、振動板1の主振動部(概ね凹部凸部が設けられている範囲)1Aに対向するように設けられたポールピース8とから構成されている。
次に、(1)振動板,(2)エッジ及び(3)フレームについて詳述する。
(1)振動板1について
振動板1は、上述のように、長径と短径とを有し、対向する長辺とその端部を連結する略円弧状部とからなる長丸状の部材であって、凹凸形状を備えた主振動部1Aとその周囲に形成されたフランジ部1Bとを備えている。長手方向の端部角はR形状になっている。
主振動部1Aには、振動方向Vに凹凸とされた凹部及び凸部が、長径方向に連続して形成されている。即ち、交互に連続した凸部11a〜11fと凹部12a〜12dとが形成されている。
また、この凹部12a〜12dの深さD1は、中央部を除きほぼ同じ深さに形成されている。
(1)振動板1について
振動板1は、上述のように、長径と短径とを有し、対向する長辺とその端部を連結する略円弧状部とからなる長丸状の部材であって、凹凸形状を備えた主振動部1Aとその周囲に形成されたフランジ部1Bとを備えている。長手方向の端部角はR形状になっている。
主振動部1Aには、振動方向Vに凹凸とされた凹部及び凸部が、長径方向に連続して形成されている。即ち、交互に連続した凸部11a〜11fと凹部12a〜12dとが形成されている。
また、この凹部12a〜12dの深さD1は、中央部を除きほぼ同じ深さに形成されている。
この振動板1は、ボイスコイル5の動作時の発熱に耐えることから、また、振動板としての機械的特性が優れていることからポリイミド(PI)フィルムにより形成されている。
振動板1のほぼ中央部には、短手方向に溝部9が設けられている。この溝部9の深さD2は、主振動部1Aの長手方向端部に設けられた肩部14の深さ方向寸法Cとほぼ同じに設定されている。
振動板1のほぼ中央部には、短手方向に溝部9が設けられている。この溝部9の深さD2は、主振動部1Aの長手方向端部に設けられた肩部14の深さ方向寸法Cとほぼ同じに設定されている。
(2)エッジ2について(図2,図6,図7参照)
エッジ2は、上述のように、振動板1の外形にほぼ相応する部分を開口した開口部2Aを有する略枠状に形成された部材である。
具体的には、図2,図6に示すように、上述の開口部2Aを設けた平坦部2Bと、平坦部2Bの外側に、断面が略円弧状となるようにトラック状に突出形成されたロール部2Cと、このロール部2Cの外側における長手方向側部にロール部2Cの突出方向とは逆の方向に折り返すように立ち上げたフランジ部2Dとを備えている。このロール部2Cは、その断面形状が、エッジ2の短手側、即ち、ロール部2Cの円弧状部において徐変するように形成されている。
ここで、トラック状とは、エッジ2の長手方向に沿って互いに対向する一対の長手部と、この一対の長手部をその両端側で連結する一対の略円弧状部とからなる形状を意味する。
エッジ2は、上述のように、振動板1の外形にほぼ相応する部分を開口した開口部2Aを有する略枠状に形成された部材である。
具体的には、図2,図6に示すように、上述の開口部2Aを設けた平坦部2Bと、平坦部2Bの外側に、断面が略円弧状となるようにトラック状に突出形成されたロール部2Cと、このロール部2Cの外側における長手方向側部にロール部2Cの突出方向とは逆の方向に折り返すように立ち上げたフランジ部2Dとを備えている。このロール部2Cは、その断面形状が、エッジ2の短手側、即ち、ロール部2Cの円弧状部において徐変するように形成されている。
ここで、トラック状とは、エッジ2の長手方向に沿って互いに対向する一対の長手部と、この一対の長手部をその両端側で連結する一対の略円弧状部とからなる形状を意味する。
(3)フレーム3について
フレーム3は、上述のように、各部材を支持する略枠状に形成された支持体であり、長手方向の一対の長手枠3Aと短手方向の一対の短手枠3Bとを連結して成るものである(図5参照)。
短手枠3Bには、このフレームを他の部材に固定するための締結孔3B1が設けられている。
また、短手枠3Bの内方側には、長手枠3Aにも連接して円弧状の端部を有する鍔部3B2が設けられている(図1(b),図5参照)。
長手枠3Aの外側面には、壁部3A1aと突き当てになる底部3A1bとからなる段部3A1が設けられている(図2参照)。
フレーム3は、上述のように、各部材を支持する略枠状に形成された支持体であり、長手方向の一対の長手枠3Aと短手方向の一対の短手枠3Bとを連結して成るものである(図5参照)。
短手枠3Bには、このフレームを他の部材に固定するための締結孔3B1が設けられている。
また、短手枠3Bの内方側には、長手枠3Aにも連接して円弧状の端部を有する鍔部3B2が設けられている(図1(b),図5参照)。
長手枠3Aの外側面には、壁部3A1aと突き当てになる底部3A1bとからなる段部3A1が設けられている(図2参照)。
図2において、エッジ2は、当図の上方向からフレーム3に載置され、長手方向においては、エッジ2のフランジ2Dの内側の面とフレーム3の長手枠3Aの壁部3A1aとを接着剤で固着する。
一方、短手方向においては、エッジ2の長手方向の端部にある平坦部2Eの下面とフレーム3の鍔部3B2の上面とを接着剤で固着する。
これらの固着により、フレーム3とエッジ2とが一体化し、振動板1はフレーム3に対してエッジ2を介して振動自由になるように支持されている。
一方、短手方向においては、エッジ2の長手方向の端部にある平坦部2Eの下面とフレーム3の鍔部3B2の上面とを接着剤で固着する。
これらの固着により、フレーム3とエッジ2とが一体化し、振動板1はフレーム3に対してエッジ2を介して振動自由になるように支持されている。
以上説明した構成において、フレーム3への磁気回路の取付は、ヨーク6の側面6aとフレーム3の長手枠3Aの内側面3A5とを両者の間に充填した接着剤20で固着することで行っている。ここで、ヨーク6の側面6aとは、ヨーク6における振動板の振動方向に概ね沿った方向に形成された面を意味する。
固着の際は、ヨーク6を図2の下方からフレーム3の枠内に挿入し、ヨーク6の端面6bがフレーム3の長手枠3Aに設けられた段部3A6に当接してヨーク6の振動板振動方向の位置決めが行われる。
ここで、ヨークの側面6a間距離Wyは、フレーム3の内側面3A5間距離Wfに対して等しいかまたは0.4mmまで(片側0.2mmに相当)の隙間を有するように設定されて両部材が嵌合されている。固着に用いる接着剤20とこの嵌合とについて以下に詳述する。
固着の際は、ヨーク6を図2の下方からフレーム3の枠内に挿入し、ヨーク6の端面6bがフレーム3の長手枠3Aに設けられた段部3A6に当接してヨーク6の振動板振動方向の位置決めが行われる。
ここで、ヨークの側面6a間距離Wyは、フレーム3の内側面3A5間距離Wfに対して等しいかまたは0.4mmまで(片側0.2mmに相当)の隙間を有するように設定されて両部材が嵌合されている。固着に用いる接着剤20とこの嵌合とについて以下に詳述する。
<接着剤について>
移動体搭載用のスピーカが満足すべき耐振動,耐衝撃特性(以下、単に耐振動,耐衝撃特性とも称する)は、上述したように、いわゆる3軸各方向に、7Gの加速度が与えられる振動を各20時間連続して受けても不具合がないことであり、衝撃については、数百Gの衝撃加速度が付与されても不具合がないことであり、これについては例えば900Gの衝撃力に耐えれば十分とされる。
従来のエポキシ系接着剤は、接着強度は高いものの、接着剤硬化後の硬度がショアD70〜80程度で比較的硬い接着剤である。
移動体搭載用のスピーカが満足すべき耐振動,耐衝撃特性(以下、単に耐振動,耐衝撃特性とも称する)は、上述したように、いわゆる3軸各方向に、7Gの加速度が与えられる振動を各20時間連続して受けても不具合がないことであり、衝撃については、数百Gの衝撃加速度が付与されても不具合がないことであり、これについては例えば900Gの衝撃力に耐えれば十分とされる。
従来のエポキシ系接着剤は、接着強度は高いものの、接着剤硬化後の硬度がショアD70〜80程度で比較的硬い接着剤である。
発明者らが鋭意検討した結果、実施例のスピーカにおける、鉄をプレスして形成するヨーク6とアルミニウムのダイキャストにより形成するフレーム3との僅かなすきまばめによる面接着においては、耐振動性,耐衝撃性を満足する接着剤の特性として、硬化後の硬度が低い方が良いことが明らかになった。また、同時に、この良好な接着強度が得られる好ましい接着面間隙間は0.2mm以下であることが判明した。
具体的には、接着面間距離が0.2mm以下であり、硬化後のショアD硬度が50以下であると、ショアD硬度70〜80程度のエポキシ系接着剤と比較して約5倍以上の耐振動,耐衝撃特性が得られることがわかった。
この硬化後硬度が得られ、必要な接着強度が得られる接着剤はアクリル系の接着剤から選定することができる。
この硬化後硬度が得られ、必要な接着強度が得られる接着剤はアクリル系の接着剤から選定することができる。
<嵌合について>
嵌合については、嵌合部の好ましい複数の実施例を参照してその詳細を説明する。
(実施例1)
実施例1のヨーク6は、図8にその断面を示すように、側面6aに深さdの凹部6dが形成されている。そして、側面6aが対向するフレーム3の内面3A5との隙間は略0(ゼロ)とされている。また、この凹部6dの深さは0.2mm以下とされている。
この凹部6dは、接着剤20を保持する溜まり部として機能するのみならず、奥部6dの深さdを0.2mm以下にすることで接着剤20の硬化後の厚さがその深さdとなって接着強度を良好に発揮させることができ、さらに、ヨーク6側の接着面積を増加させる機能を有するものである。
凹部6dは、ヨーク6を形成する工程における曲げ工程前に、ハーフパンチを施すことにより、所望の形状にて容易に形成することができる。
嵌合については、嵌合部の好ましい複数の実施例を参照してその詳細を説明する。
(実施例1)
実施例1のヨーク6は、図8にその断面を示すように、側面6aに深さdの凹部6dが形成されている。そして、側面6aが対向するフレーム3の内面3A5との隙間は略0(ゼロ)とされている。また、この凹部6dの深さは0.2mm以下とされている。
この凹部6dは、接着剤20を保持する溜まり部として機能するのみならず、奥部6dの深さdを0.2mm以下にすることで接着剤20の硬化後の厚さがその深さdとなって接着強度を良好に発揮させることができ、さらに、ヨーク6側の接着面積を増加させる機能を有するものである。
凹部6dは、ヨーク6を形成する工程における曲げ工程前に、ハーフパンチを施すことにより、所望の形状にて容易に形成することができる。
図9に、この凹部6dを形成したヨーク6を備えた磁気回路30を矢印方向にフレーム3に装着する状態を斜視図として示している。
この図に示されるように、ヨーク6は、その側面6aにおける周囲近傍を除く部分を凹部6dとして成るものである。
接着剤20をこの凹部6dに塗布充填して磁気回路30をフレーム3に挿入する。
この図に示されるように、ヨーク6は、その側面6aにおける周囲近傍を除く部分を凹部6dとして成るものである。
接着剤20をこの凹部6dに塗布充填して磁気回路30をフレーム3に挿入する。
(実施例2)
実施例2は、図10に示すように、ヨーク6において、凹部6dを囲む周状の側面6aの一部を切り欠き、接着剤導入口6eを設けたものである。この例では、3カ所の接着剤導入口6eを形成している。
この実施例によれば、ヨーク6(磁気回路30)をフレーム3に挿入した後に、接着剤導入口6eから接着剤を注入することができるので、作業性がより良い例である。3つの導入口を、注入する口と内部の空気を排気する口とに分けることで、スムーズに接着剤20を凹部6dに注入することができる。従って、この導入口6eは複数設けることが好ましい。
実施例2は、図10に示すように、ヨーク6において、凹部6dを囲む周状の側面6aの一部を切り欠き、接着剤導入口6eを設けたものである。この例では、3カ所の接着剤導入口6eを形成している。
この実施例によれば、ヨーク6(磁気回路30)をフレーム3に挿入した後に、接着剤導入口6eから接着剤を注入することができるので、作業性がより良い例である。3つの導入口を、注入する口と内部の空気を排気する口とに分けることで、スムーズに接着剤20を凹部6dに注入することができる。従って、この導入口6eは複数設けることが好ましい。
(実施例3)
上述した実施例1及び実施例2は、凹部をヨーク6側に形成したものであるが、実施例3として、この凹部をフレーム3側に設けてもよい。この場合も同様の効果を得ることは言うまでもない。
フレーム3側に凹部を設けることは、ダイキャストの金型にその凹部に対応する凸部を形成することで可能であるが、成形時の金型の順抜きが難しい場合には、金型をスライド構造にする必要があり、金型構造の簡略化に関しては、凹部はヨーク側に設ける方が好ましい。
また、接着面間距離が所定距離(0.2mm)以下で確保されていれば、凹部は必ずしも設ける必要はないが、上述したように、接触面積が増加して強度が増すので、設けておくことが好ましい。
上述した実施例1及び実施例2は、凹部をヨーク6側に形成したものであるが、実施例3として、この凹部をフレーム3側に設けてもよい。この場合も同様の効果を得ることは言うまでもない。
フレーム3側に凹部を設けることは、ダイキャストの金型にその凹部に対応する凸部を形成することで可能であるが、成形時の金型の順抜きが難しい場合には、金型をスライド構造にする必要があり、金型構造の簡略化に関しては、凹部はヨーク側に設ける方が好ましい。
また、接着面間距離が所定距離(0.2mm)以下で確保されていれば、凹部は必ずしも設ける必要はないが、上述したように、接触面積が増加して強度が増すので、設けておくことが好ましい。
上述した各実施例において、ヨーク6の側面の幅Wyとフレームの内面の幅Wfとにおける、成形による寸法のばらつきを考慮した好ましい関係は、以下の通りである。
即ち、凹部を形成しない場合は、0≦Wf―Wy≦0.4 (式1)である。
また、凹部を形成する場合は、0≦Wf―Wy≦0.2、かつ、0<d≦0.2 (式2)であり、凹部を形成した式2の場合が最も好ましい。この式2の場合に、凹部及び凹部以外のヨーク側面6aのいずれにおいても、フレーム3側との間に0.2mm以下の隙間が得られる。
即ち、凹部を形成しない場合は、0≦Wf―Wy≦0.4 (式1)である。
また、凹部を形成する場合は、0≦Wf―Wy≦0.2、かつ、0<d≦0.2 (式2)であり、凹部を形成した式2の場合が最も好ましい。この式2の場合に、凹部及び凹部以外のヨーク側面6aのいずれにおいても、フレーム3側との間に0.2mm以下の隙間が得られる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
フレームと接着する磁気回路を構成する部材は、ヨークに限るものではない。
磁気回路の外側に配置される部材の側面とフレームとが固着される構成であればよい。
実施例で説明した、硬化後ショアD硬度が50以下のアクリル系接着剤で磁気回路とフレームとを固着する構成、あるいは、ヨーク又はフレームの接着面に凹部を設ける構成については、磁気回路の側面をフレームに接着固定する態様であれば、細長のスピーカに限らず、楕円,丸型等の他形状のスピーカに適用することができる。
磁気回路の外側に配置される部材の側面とフレームとが固着される構成であればよい。
実施例で説明した、硬化後ショアD硬度が50以下のアクリル系接着剤で磁気回路とフレームとを固着する構成、あるいは、ヨーク又はフレームの接着面に凹部を設ける構成については、磁気回路の側面をフレームに接着固定する態様であれば、細長のスピーカに限らず、楕円,丸型等の他形状のスピーカに適用することができる。
1 振動板
1A 主振動部
1B フランジ部
2 エッジ
2A 開口部
2B 平坦部
2C ロール部
2D フランジ部
2E (ロール部外側の)平坦部
3 フレーム
3A 長手枠
3A1 段部
3A1a 壁部
3A1b 底部
3A5 内側面
3A6 段部
3B 短手枠
3B1 締結孔
3B2 鍔部
4 ボイスコイルボビン
5 ボイスコイル
6 ヨーク
6a 側面
6b 端面
6d 凹部
6e 接着剤導入口
7 マグネット
8 ポールピース
9 溝部
10 電気音響変換器
11a〜11f 凸部
12a〜12d 凹部
14 肩部
20 接着剤
30 磁気回路
D1,D2,d 深さ
CL1,CL2 中心軸
G 磁気空隙
V 振動方向
LA 長手領域
SA 短手領域
Wf (フレームの)内側面間距離
Wy (ヨークの)側面間距離
1A 主振動部
1B フランジ部
2 エッジ
2A 開口部
2B 平坦部
2C ロール部
2D フランジ部
2E (ロール部外側の)平坦部
3 フレーム
3A 長手枠
3A1 段部
3A1a 壁部
3A1b 底部
3A5 内側面
3A6 段部
3B 短手枠
3B1 締結孔
3B2 鍔部
4 ボイスコイルボビン
5 ボイスコイル
6 ヨーク
6a 側面
6b 端面
6d 凹部
6e 接着剤導入口
7 マグネット
8 ポールピース
9 溝部
10 電気音響変換器
11a〜11f 凸部
12a〜12d 凹部
14 肩部
20 接着剤
30 磁気回路
D1,D2,d 深さ
CL1,CL2 中心軸
G 磁気空隙
V 振動方向
LA 長手領域
SA 短手領域
Wf (フレームの)内側面間距離
Wy (ヨークの)側面間距離
Claims (2)
- ボイスコイルボビンが固着された振動板と、
該振動板の周囲に接合されたエッジと、
前記ボイスコイルボビンを介して前記振動板を振動させる磁気回路と、
前記エッジの周囲を支持すると共に前記磁気回路を接着剤により固着して保持する枠部を有するフレームと、を備えた電気音響変換器であって、
前記接着剤を、その硬化後のショアD硬度が50以下であるアクリル系接着剤とし、
前記磁気回路の側面のみを前記フレームと固着し、
前記側面と前記枠部の内面と前記接着剤とにより構成される固着部であって、前記側面と前記内面との距離を0.2mm以下として前記接着剤を充填した固着部を有するよう構成したことを特徴とする電気音響変換器。 - 前記固着部の前記内面及び前記側面のいずれかを凹部として成ることを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004315816A JP2006129155A (ja) | 2004-10-29 | 2004-10-29 | 電気音響変換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004315816A JP2006129155A (ja) | 2004-10-29 | 2004-10-29 | 電気音響変換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006129155A true JP2006129155A (ja) | 2006-05-18 |
Family
ID=36723341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004315816A Pending JP2006129155A (ja) | 2004-10-29 | 2004-10-29 | 電気音響変換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006129155A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102164331A (zh) * | 2010-02-22 | 2011-08-24 | 三菱电机工程株式会社 | 电磁转换器 |
-
2004
- 2004-10-29 JP JP2004315816A patent/JP2006129155A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102164331A (zh) * | 2010-02-22 | 2011-08-24 | 三菱电机工程株式会社 | 电磁转换器 |
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