JP2005175859A - スピーカ用振動板の駆動体および該駆動体を使用したスピーカ - Google Patents

スピーカ用振動板の駆動体および該駆動体を使用したスピーカ Download PDF

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Abstract

【課題】 音の放射方向への厚みを増すことなく、振動板の振動量を増加させられるスピーカ用振動板の駆動体と、該駆動体を使用したスピーカを提供する。
【解決手段】 板状体11,12によって側面視がほぼV字状に形成された駆動体10、
外周部がフレーム22に固着される振動板23、ヨーク15、マグネット16、プレート17からなる磁気回路18、この磁気回路18の周辺に配置されるボイスコイル20、ダンパー19から構成される駆動部Xと、前記駆動体10の磁気回路18が付設されるフレーム22とからなるもので、前記二股に分岐した駆動主体10の少なくとも一方の板状体11の端部11aを、前記駆動部Xを構成するボイスコイル20のボビン21に連結し、前記分岐部13に振動板23の中心部を固着してスピーカ14とする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、各種の音響機器に使用されるスピーカ用振動板の駆動体と、この駆動体を使用したスピーカに関するもので、より具体的には、音の放射方向への厚みを増すことなく、振動板の振動量を増加させられるスピーカ用振動板の駆動体および該駆動体を使用したスピーカに関するものである。
従来のスピーカ1は、図7に示すように、ヨーク2、マグネット3およびプレート4からなる磁気回路5と、前記磁気回路5の周辺に設けられるボイスコイル6、振動板7、ダンパー8からなる振動系と、前記磁気回路5に固定されるフレーム9とから構成されるもので、磁気回路5から振動板7であるコーン紙までを積み重ねるように組み立てられ、音の放射方向は、ボイスコイル6の駆動方向と同一としたものであって、振動板7はボイスコイル6によって直接駆動されるものである。
そこで、駆動部と振動板が近接する固定的な構造とする必要性を払拭するとともに、発音に至るまでの信号伝達経路を外部からの衝撃に影響され難いものとし、構造および設置の自由度を向上させることができ、かつ、より適切な発音動作の確保や種々の用途への適用等を可能とするスピーカが、特開2000−350285号公報(特許文献1)において提案されている。
この特許文献1に記載のスピーカは、振動板と、発生させる音に応じた力を発生する駆動部と、前記振動板を内部応力のある状態に支持すると共に、前記駆動部で発生された力により生じる波動を前記振動板へ伝達する支持伝達手段とを有するもので、具体的には、紙を内部応力がある状態に弾性変形させて支持部材の先端と挟着部によって2点支持し、支持支柱の一端を挟着部に連結接続するとともに、他端を駆動部ボックス内のスピーカ駆動部の所定部位に連結したものである。
そして、前記所定部位においては、ボイスコイルによる力を受ける円板を、その振動を抑制した状態で設け、ボイスコイルへ電気信号を供給して円板に対する力を発生させ、それによる波動を支持支柱、挟着部及び支持部材を介して紙へ伝達し、紙にて機械的な振動に変換して音を放出させるというものである。
特開2000−350285号公報(特許請求の範囲、図1)
前記特許文献1に記載のスピーカは、振動板を内部応力のある状態に支持し、その振動板へ駆動部で発生された力により生じる「波動」を伝達することとしたので、発生させようとする音が波動という形で伝達され、振動板にて機械的な振動に変換されるため、駆動部と振動板は近接している必要がなく、自由な形態で構成することができ、スピーカの構造及び設置の自由度を向上させることができるなどの効果が得られる。
しかしながら、駆動部と振動板との間が支持支柱で連結される方式であるので、駆動部の重量を絶えず考慮してスピーカ設計をする必要があり、スピーカを小型化および/または薄型化を図るには種々解決すべき課題がある。
すなわち、特許文献1に記載のスピーカは、ボイスコイルに接合させた円板から細い支持支柱を介して狭着部に波動を伝え、前記支持支柱の先端部とこの狭着部の間に弾性変形させて固着した紙(振動板)を振動させるものであるので、いわゆる共振のような現象であるため、振動板を確実に振動させるには、振動板の大きさに応じた、それ相応の大きな駆動源を必要とし、スピーカを小型化および/または薄型化を図ることはかなり難しいものである。
また、特許文献1に記載のスピーカにおいては、紙(振動板)を弾性変形させることが必須の条件とされているもので、内部応力が小さければ、振動板としての効果を発揮することができず、振動板としての効果を挙げるために内部応力を大きくすると、紙(振動板)を支持する支持支柱の強度を上げて、紙(振動板)が内部応力のない状態に戻ることを阻止する必要性が生じ、内部応力を強くするほど紙(振動板)と支持支柱との形状は、固定状態に近づいて振動ができなくなるという問題がある。
一方、近年、スピーカの要求にあって、音の放射方向への厚みを増すことなく、ボイスコイルの動作量に対する振動板の振動量を増加させることが要求されているが、従来の構造によれば、ボイスコイルの動作量に対する振動板の振動量は同じなので、振動板の振動量を増加させるには、磁気回路および振動系を大きくしてボイスコイルの動作量を大きくさせざるを得ず、その結果、音の放射方向はボイスコイルの駆動方向と同一であることから、スピーカの放射方向への厚みが大きくなるので、要求を満たすことはきわめて困難であった。
この発明はかかる現状に鑑み、音の放射方向への厚みを増すことなく、振動板の振動量を増加させられるスピーカ用振動板の駆動体および該駆動体を使用したスピーカを提供せんとするものである。
前記の目的を達成するため、この発明のスピーカ用振動板の駆動体は、
板状体によって側面視がほぼV字状の駆動主体を構成し、
二股に分岐した前記駆動主体の少なくとも一方の板状体の端部が、ボイスコイルのボビンとの連結部とし、前記分岐部が振動板の固着部として用いられること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のスピーカ用振動板の駆動体において、
前記駆動主体は、
相対する2枚の平面板で構成され、各平面板の上端部を互いに貼り合わせて側面視がほぼV字状となるよう構成されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載のスピーカ用振動板の駆動体において、
前記駆動主体は、
1枚の平面板を側面視でほぼV字状となるように折り曲げるとともに、当該折曲げ部を互いに貼り合わせて構成されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ用振動板の駆動体において、
前記駆動主体は、
ほぼV字状を構成する両面ともに同一素材であること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1又は2に記載のスピーカ用振動板の駆動体において、
前記駆動主体は、
ほぼV字状を構成する一方の面と他方の面が、互いに異なる素材であること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカ用振動板の駆動体において、
前記駆動主体は、
二股に分岐した他方の板状体の端部が、スピーカを構成するフレームに固着されて用いられるものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカ用振動板の駆動体において、
前記駆動主体は、
二股に分岐した各板状体の端部が、ボイスコイルのボビンとの連結部として用いられること
を特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項8に記載のスピーカは、
外周部がフレームに固着される振動板と
ヨーク、マグネット、プレートからなる磁気回路、この磁気回路の周辺に配置されるボイスコイル、ダンパーおよび板状体によって側面視がほぼV字状に形成された駆動体とから構成される駆動部と、
前記駆動体の磁気回路が付設されるフレームと
からなるものであって、
前記二股に分岐した駆動主体の少なくとも一方の板状体の端部が、前記駆動部を構成するボイスコイルのボビンに連結され、前記分岐部に前記振動板の中心部が固着されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項8に記載のスピーカにおいて、
前記駆動主体は、
二股に分岐した板状体の他方の端部が、前記フレームに固定されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項10に記載の発明は、
請求項8に記載のスピーカにおいて、
前記駆動部は、
複数で構成され、二股に分岐した板状体の各端部を、それぞれ異なった駆動部で同時に駆動させるよう構成されていること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項11に記載の発明は、
請求項8に記載のスピーカにおいて、
前記駆動主体は、
前記二股に分岐した前記駆動主体の少なくとも一方の板状体の端部が、前記駆動部を構成するボイスコイルのボビンに連結され、前記分岐部にはジョイントが装着され、このジョイントに前記振動板の中心部が固着され、分岐部と振動板の中心部との接続角度を可変としたこと
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項12に記載の発明は、
請求項8に記載のスピーカにおいて、
前記フレームは、
底面部の外周部に周壁部が鉛直に設けられたもので、この周壁部に前記駆動部のボイスコイルのボビンが前記底面部と平行となるよう設けられていること
を特徴とするものである。
さらに、この発明の請求項13に記載のスピーカは、
外周部がフレームに固着される振動板と
ヨーク、マグネット、プレートからなる磁気回路と、この磁気回路の周辺に配置されるボイスコイル、ダンパーおよび板状体によって側面視がほぼV字状に形成された駆動体とから構成される駆動部とから構成される複数の駆動部と、
前記複数の駆動部の磁気回路が付設されるフレームと、
からなるものであって、
前記フレームの周壁部に、各駆動部の磁気回路を構成するボイスコイルのボビンがフレームの底面部と平行かつ等間隔となるよう配置し、
各駆動部を構成するボイスコイルのボビンに、それぞれ二股に分岐した前記駆動主体の一方の端部を固着するとともに、他方の端部を前記フレームの周壁部に固着し、
各駆動主体の先端部を相互に連結し、その連結部に前記振動板の中心部を固着したこと
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項14に記載のスピーカは、
請求項13に記載のスピーカにおいて、
前記複数の駆動部は、
同一の大きさの2個で構成され、前記フレームの周壁部に、各駆動部の磁気回路が互いに対向し、かつ各ボイスコイルのボビンがフレームの底面部と平行となるよう配置され、
各駆動部を構成するボイスコイルのボビンに、それぞれ二股に分岐した前記駆動主体の一方の端部を固着するとともに、他方の端部を前記フレームの周壁部の一部に固着し、
各駆動主体の先端部を相互に連結し、その連結部に前記振動板の中心部を固着し、
前記各ボイスコイルを同極方向に振動させること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項15に記載のスピーカは、
請求項13に記載のスピーカにおいて、
前記複数の駆動部は、
同一の大きさの3個で構成され、前記フレームの周壁部に等間隔で、かつ各ボイスコイルのボビンがフレームの底面部と平行となるよう配置され、
各駆動部を構成するボイスコイルのボビンに、それぞれ二股に分岐した前記駆動主体の一方の端部を固着するとともに、他方の端部を前記フレームの周壁部の一部に固着し、
各駆動主体の先端部を相互に連結し、その連結部に前記振動板の中心部を固着し、
前記各ボイスコイルを同極方向に振動させること
を特徴とするものである。
この発明のスピーカ用振動板の駆動体は、板状体によって側面視がほぼV字状となる駆動主体を構成し、この駆動主体の上端部において二股に分岐する、少なくとも一方の板状体の端部を、ボイスコイルに連結させることによって振動板の駆動体として使用することができるようにしたもので、ボイスコイルの振動方向と振動板の振動方向とが約90度異なる構造のスピーカを得ることが可能となる。
また、この発明のスピーカは、板状体によって側面視がほぼV字状となる駆動主体を形成し、この駆動主体の上端部において二股に分岐する少なくとも一方の板状体の端部を、駆動部を構成するボイスコイルのボビンに連結させ、前記分岐部(貼り合わせ部)に振動板の中心部を固着されているので、ボイスコイルの振動方向と振動板の振動方向とが約90度異なる構造とすることができ、これによってスピーカの音の放射方向への厚みを厚くすることがなく、ボイスコイルの動作量に対する振動板の振動量を増加させることができる。
特に、この発明のスピーカは、従来のスピーカより小型の磁気回路を使用することができ、軽量化が図られ、かつ振動板には、従来のスピーカの形状、大きさのものが使用できるので、従来のスピーカと変わらない音質を得ることができ、小型、軽量な磁気回路を使用できるので、磁気回路のコスト低減を可能とした。
また、小型、軽量な磁気回路を使用できるので、請求項15に記載のように複数の駆動部のボイスコイルを同極方向に振動させることによって、振動板の動作する力を大幅に向上させ、振動の安定化を図ることができ、かつコストアップを少なく抑えることが可能となる。
さらに、振動板と駆動主体との接合に際し、ジョイントを使用することによって、振動が大きい場合にも振動板を直線的に振動させ、音の歪の要因となる横揺れを減らすことができるなどの効果を奏するものである。
この発明は、板状体を側面視がほぼV字状になるように形成して駆動主体とし、二股に分岐した板状体の少なくとも一方の端部を、ヨーク、マグネットおよびプレートからなる磁気回路と、この磁気回路の周辺に配置されるボイスコイルおよびダンパーとから構成される駆動部の、ボイスコイルのボビンに連結させて駆動体とし、また、この駆動体を使用して各種スピーカを構成することを要旨とするもので、この要旨を変更しない範囲内において種々変更を加えることができ、後述する実施例にのみ限定されるものではない。
この発明のスピーカ用振動板の駆動体10は、図1で明らかなように、側面視がほぼV字状で、平面視が矩形状となるように駆動主体10(なお、前記スピーカ用の駆動体と実質的に同一であるので同一符号とする。)を板状体で構成したもので、板状体で駆動主体
10を構成するには、たとえば、2枚の方形乃至矩形状の板状体11と12を相対させ、その上縁部同士を接着剤によって所要幅で貼り合わせて貼り合わせ部13を形成し、側面視がほぼV字状となるようにする方法と、図示しないが、1枚の矩形状の板状体をほぼ中央部で2つ折りし、互いに重畳する部位を接着剤で貼り合わせて貼り合わせ部を形成し、側面視ほぼV字状の駆動主体とする方法とがある。
前者の2枚の板状体11,12を使用する方法においては、板状体の素材として、紙パルプまたはアルミ、ベリリウム、ボロンなどの金属単板、ニッケルなどを素材とする発泡金属、さらには各種のプラスチックを単一で、あるいは組み合わせて使用することができるもので、同質であってもその厚みを変えることによって、あるいは異種同士を組み合わせることによって、駆動体や振動板の振動モードを自在にコントロールすることができ、また、後者の1枚の板状体を使用する方法は、駆動主体の製造がきわめて容易で、量産化によるコストダウンを図ることができる。
この駆動主体10を構成する板状体の厚みは、およそ0.2〜1.0mm程度とするもので、側面視がほぼV字状であれば、その大きさや形状には特段の制限はなく、適用せんとするスピーカに合わせて適宜選択できる。また、前記のように2枚の板状体11,12で駆動主体10を構成する場合には、当然板厚が異なるものでも使用でき、二股に分岐する駆動主体10のうち、各板状体の面積を変えることも、同一面積とすることもできるものである。
また、単一の板状体または2枚の板状体で駆動主体10を構成するに際し、いずれの場合においても、その上縁部に沿って所定の幅で接合接着して貼り合わせ部13(分岐部)を形成することによって、ボイスコイルと連結する板状体からの振動を振動板に確実に伝えることができる。
この駆動主体10は、図1においては、一方の板状体11が直線状に、他方の板状体12は緩やかな円弧を描くように形成されているが、ボイスコイルと直結する板状体は、ボイスコイルの動きに追従させるため直線状とすることが必要であるが、他方の板状体は直線状であっても円弧状であってもよく、必要であれは、各板状体に補強用のリブを設けることも可能である。
かかる構成のスピーカ用振動板の駆動体10は、少なくとも貼り合わせ部13で二股に分岐する一方の端部、具体的には直線状に保持される板状体11の基端部11aをボイスコイルに連結して使用するもので、以下、この発明のスピーカ用振動板の駆動体11を使用したスピーカの実施例について具体的に説明する。
図2は、この発明のスピーカ用振動板の駆動体10を使用したスピーカの一例を示すもので、スピーカ14は、図示のように前記駆動体10と、上面中央部にセンターポールを有するヨーク15、リング状のマグネット16及びリング状のプレート17からなる磁気回路18と、この磁気回路18に形成された磁気ギャップ内にダンパー19によって保持されるボイスコイル20と、このボイスコイル20を捲回したボビン21と、前記磁気回路18のプレート17上面に固着されたフレーム22と、振動板23とから構成されたものである。
このスピーカ14において、前記フレーム22は、側壁が上方に垂直に延びるメインフレーム22aと、このメインフレーム22aの上端部に繋がる拡径したサブフレーム22bとからなるもので、メインフレーム22aの上端部の一部には、内側に水平に延出するフランジ22cが設けられたものである。
そして、このフレーム22を構成するメインフレーム22aの、前記フランジ22cが突設された下部の外周壁に、前記磁気回路18のプレート17の上面を当接させて両者を接着剤で一体的に固着する。
その際、前記フランジ22cの下方の側壁には、前記磁気回路18のプレート17の内径とほぼ同径の透孔が形成されているので、側壁に磁気回路18を固着したのち、メインフレーム22aの内側からボイスコイル20を捲回したボビン21を磁気ギャップ内に挿入し、ダンパー19によってボイスコイル20を磁気ギャップ内に保持する。
したがって、図2に示す実施例においては、フレーム22の底面22dに対し、ボビン21は平行状態を保持している。
ついで、前記駆動体10を構成する直線状の板状体11の先端部11aを、前記ボビン21の頂部に設けたキャップ(図示せず)の中心上に固着し、他方の板状体12の先端部をメインフレーム22aの上部に設けたフランジ22cに固着し、メインフレーム22aの中心上に位置する前記各板状体11,12の貼り合わせ部13に、外周部を前記サブフレーム22bの開口部に固着した振動板23の中心部を固着し、スピーカとしたものである。
なお、この発明においては、スピーカを構成する部品中、前記磁気回路18と、この磁気回路18の周辺に配置されるボイスコイル20およびダンパー21を併せて駆動部Xという。
かかる構成のスピーカ14は、図示しないが錦糸線を介して入力端子からボイスコイル20に電気信号を入力すると、ボイスコイル20の駆動によってボビン21が図面上において左右方向に作動し、このボビン21に基端部11aが固着された駆動主体10の板状体11も同時に、磁気回路18が装着された側壁と対向する側壁に向かって左右方向に動作する。しかしながら、駆動主体10を構成する一方の板状体12は、その基端部がフレーム22に固着されているので、前記張り合わせ部13がフレーム22の中心部において実質的に上下動し、振動板23を上下方向に駆動させ、振動板23から音が放出される。
すなわち、前記駆動主体10の板状体12は、図3の振動模式図から明らかなように、図面上上下に動作(振動)することになって、ボイスコイル20の動作量hに対する板状体12の先端の上下への振動量Hは大きなものとなって放音する。したがって、ボイスコイル20の振動より、スピーカの音の放射方向への厚みを厚くすることなく、板状体12の振動を大きくすることが可能となる。
なお、駆動主体10を構成する板状体11または12の基端部の、ボイスコイル20のボビン21の上端部への固着手段については、両者が確実に一体的に結合するものであれば特段の制限はないが、たとえば、所要の径を有するボビン21の直径上で相対する部位にそれぞれ縦方向にスリットを形成し、このスリット内に板状体11の基端部11aを係合させ、接着剤によって両者を一体的に結合させる方法、あるいはボビン21の上端開口部にキャップを固着し、このキャップの表面に板状体の基端を接着固定する方法などがある。
図4は、この発明の駆動体を使用した他のスピーカの一例を示すもので、同一部位は同一符号で表示する。以下の実施例においても同様である。
このスピーカ24は、前記実施例1に示すスピーカ14が、駆動主体10の張り合わせ部13に直接振動板23の中心部が固着されているのに対し、前記張り合わせ部13と振動板23との中心部の連結に際し、ジョイント25を使用した点で異なるものである。
すなわち、このスピーカ24は、駆動主体10の張り合わせ部13の中心部に、ジョイント25の一端部を装着するとともに、このジョイント25の他端部を振動板23の中心部に装着し、両者の接続部分が自由に角度を変えられるように構成したもので、かかる構成を採用することによって、V字状の駆動体10の張り合わせ部13は円弧を描いて動作するのに対し、振動板23はボイスコイル20の動作方向に対する90度方向に直線的に動くもので、駆動量が大きい場合にはきわめて有効なものである。
なお、ジョイント25を使用しない場合でも、振幅量が少ない場合には、円弧状の動きは直線の動きに近いものとなる。
図5に示すスピーカ34は、実施例1に示すスピーカ14の駆動体10における一方の板状体12の基端部がフレーム22の内側に突出形成されたフランジ22cに接着固定されているのに対し、V字状の駆動体10を構成する各板状体11,12の基端部をボイスコイルで駆動するよう構成したものである。
すなわち、前記実施例1におけるフレーム22の駆動部Xの外側に、フレーム22の底部22dを延長して延出部22eを形成し、この延出部22eの外周部にメインフレーム22aと平行に側壁22fを形成し、この側壁に形成された透孔の外周部外側に、前記駆動部Xと同じ大きさの駆動部Xのプレート17aの上面部を当接固着したのち、ボイスコイル20aを捲回したボビン21aを、実施例1と同様の方法で固着し、前記ボビン21aの頂部に駆動体10を構成する板状体12の基端部を固着したものである。
なお、前記駆動部Xの磁気回路の駆動方向は、駆動部Xの駆動方向とは逆方向に設定されているものである。
かかる構成のスピーカ34は、駆動部Xと駆動部Xの磁気回路の駆動方向が互いに反対方向に設定されているので、実施例1のように駆動体10を構成する一方の板状体12の基端部をフレーム22に固着する場合に比べ、およそ1/2のボイスコイルの動作量で駆動体10の動作量を同じにすることができるので、振動板23の動作を安定化されることができるものである。
図6に記載のスピーカ44は、実施例1におけるスピーカ14が一つの駆動部Xで振動板23を駆動されるのに対し、二つの駆動部Xおよび駆動部Xで振動板23を駆動するものである。
すなわち、駆動部Xおよび駆動部Xは共に同じ大きさのもので、実施例1における駆動部Xの装着部位と対向するメインフレーム22aの側壁に駆動部Xが設けられたものである。なお、駆動部Xは、図示のように前記駆動体10aと、上面中央部にセンターポールを有するヨーク15a、リング状のマグネット16a及びリング状のプレート17aからなる磁気回路18aと、この磁気回路18aに形成された磁気ギャップ内にダンパー19aによって保持されるボイスコイル20aおよびこのボイスコイル20aを捲回したボビン21aとから構成されたものである。
そして、相対位置にある駆動部Xと駆動部Xのボビン21,21aにそれぞれ一方の板状体11、11aの基端部が固着され、他方の板状体12,12aの基端部がフレーム22のフランジ22cの固着された駆動体10と10aの張り合わせ部13および13aの先端部同士を互いに連結させ、その中央部に振動板23の中心部を固着してスピーカ44としたものである。
かかる構成のスピーカ44は、駆動部Xと駆動部Xに設けられたボイスコイル20,20aの振動方向を同じ磁極方向に駆動させることによって、駆動体10,10aの動作する力は、一つの時の2倍となり、さらに安定して振動板23を動作させることができるものである。
なお、実施例4においては、二つの駆動部X、Xをメインフレーム22aの対向する部位に配置したが、たとえば、三つの駆動部を120度の角度で、あるいは四つの駆動部を等間隔で配置し、各駆動部に固着される駆動体の張り合わせ部をフレーム22の中心部で互いに連結させ、当該連結部の中央部に振動板23の中心部を固着することによって、駆動体の動作する力を調整することができるものである。
以上述べたように、この発明のスピーカ用振動板の駆動体は、板状体によって上縁部に貼り合わせ部を有する側面視ほぼV字状の駆動主体を構成し、少なくとも二股に分岐する一方の端部をボイスコイルと連動させて振動板を駆動させるもので、このスピーカ用振動板の駆動体を使用してスピーカを構成することによって、音の放射方向への厚みを増すことなく、振動板の振動量を増加させることができるので、駆動体の大きさ、使用する振動板の素材や大きさなどを適宜選択することで、小型化や薄型化を図ることができる利点がある。

この発明にかかるスピーカ用振動板の駆動体の一例を示す斜視図である。 この発明にかかるスピーカの一例を示す概略説明図である。 図2に示すスピーカの振動模式図である。 この発明にかかるスピーカの他の例を示す概略説明図である。 この発明にかかるスピーカのさらに他の例を示す概略説明図である。 この発明にかかるスピーカのさらに他の例を示す概略説明図である。 従来のスピーカの概略説明図である。
符号の説明
10 スピーカ振動板の駆動体(駆動主体)
11,12 板状体
13 貼り合わせ部
14 スピーカ
15 ヨーク
16 マグネット
17 プレート
18 磁気回路
19 ダンパー
20 ボイスコイル
21 ボビン
22 フレーム
23 振動板

Claims (15)

  1. 板状体によって側面視がほぼV字状の駆動主体を構成し、
    二股に分岐した前記駆動主体の少なくとも一方の板状体の端部が、ボイスコイルのボビンとの連結部とし、前記分岐部が振動板の固着部として用いられること
    を特徴とするスピーカ用振動板の駆動体。
  2. 前記駆動主体は、
    相対する2枚の平面板で構成され、各平面板の上端部を互いに貼り合わせて側面視がほぼV字状となるよう構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板の駆動体。
  3. 前記駆動主体は、
    1枚の平面板を側面視でほぼV字状となるように折り曲げるとともに、当該折曲げ部を互いに貼り合わせて構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板の駆動体。
  4. 前記駆動主体は、
    ほぼV字状を構成する両面ともに同一素材であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカ用振動板の駆動体。
  5. 前記駆動主体は、
    ほぼV字状を構成する一方の面と他方の面が、互いに異なる素材であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ用振動板の駆動体。
  6. 前記駆動主体は、
    二股に分岐した他方の板状体の端部が、スピーカを構成するフレームに固着されて用いられるものであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカ用振動板の駆動体。
  7. 前記駆動主体は、
    二股に分岐した各板状体の端部が、ボイスコイルのボビンとの連結部として用いられること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカ用振動板の駆動体。
  8. 外周部がフレームに固着される振動板と
    ヨーク、マグネット、プレートからなる磁気回路、この磁気回路の周辺に配置されるボイスコイル、ダンパーおよび板状体によって側面視がほぼV字状に形成された駆動体とから構成される駆動部と
    前記駆動体の磁気回路が付設されるフレームと
    とからなるものであって、
    前記二股に分岐した駆動主体の少なくとも一方の板状体の端部が、前記駆動部を構成するボイスコイルのボビンに連結され、前記分岐部に前記振動板の中心部が固着されていること
    を特徴とするスピーカ。
  9. 前記駆動主体は、
    二股に分岐した板状体の他方の端部が、前記フレームに固定されていること
    を特徴とする請求項8に記載のスピーカ。
  10. 前記駆動部は、
    複数で構成され、二股に分岐した板状体の各端部を、それぞれ異なった駆動部で同時に駆動させるよう構成されていること
    を特徴とする請求項8に記載のスピーカ。
  11. 前記駆動主体は、
    前記二股に分岐した前記駆動主体の少なくとも一方の板状体の端部が、前記駆動部を構成するボイスコイルのボビンに連結され、前記分岐部にはジョイントが装着され、このジョイントに前記振動板の中心部が固着され、分岐部と振動板の中心部との接続角度を可変としたこと
    を特徴とする請求項8に記載のスピーカ。
  12. 前記フレームは、
    底面部の外周部に周壁部が鉛直に設けられたもので、この周壁部に前記駆動部のボイスコイルのボビンが前記底面部と平行となるよう設けられていること
    を特徴とする請求項8に記載のスピーカ。
  13. 外周部がフレームに固着される振動板と
    ヨーク、マグネット、プレートからなる磁気回路と、この磁気回路の周辺に配置されるボイスコイル、ダンパーおよび板状体によって側面視がほぼV字状に形成された駆動体とから構成される駆動部とから構成される複数の駆動部と、
    前記複数の駆動部の磁気回路が付設されるフレーム
    とからなるものであって、
    前記フレームの周壁部に、各駆動部の磁気回路を構成するボイスコイルのボビンがフレームの底面部と平行かつ等間隔となるよう配置し、
    各駆動部を構成するボイスコイルのボビンに、それぞれ二股に分岐した前記駆動主体の一方の端部を固着するとともに、他方の端部を前記フレームの周壁部に固着し、
    各駆動主体の先端部を相互に連結し、その連結部に前記振動板の中心部を固着したこと
    を特徴とするスピーカ。
  14. 前記複数の駆動部は、
    同一の大きさの2個で構成され、前記フレームの周壁部に、各駆動部の磁気回路が互いに対向し、かつ各ボイスコイルのボビンがフレームの底面部と平行となるよう配置され、
    各駆動部を構成するボイスコイルのボビンに、それぞれ二股に分岐した前記駆動主体の一方の端部を固着するとともに、他方の端部を前記フレームの周壁部の一部に固着し、
    各駆動主体の先端部を相互に連結し、その連結部に前記振動板の中心部を固着し、
    前記各ボイスコイルを同極方向に振動させること
    を特徴とする請求項13に記載のスピーカ。
  15. 前記複数の駆動部は、
    同一の大きさの3個で構成され、前記フレームの周壁部に等間隔で、かつ各ボイスコイルのボビンがフレームの底面部と平行となるよう配置され、
    各駆動部を構成するボイスコイルのボビンに、それぞれ二股に分岐した前記駆動主体の一方の端部を固着するとともに、他方の端部を前記フレームの周壁部の一部に固着し、
    各駆動主体の先端部を相互に連結し、その連結部に前記振動板の中心部を固着し、
    前記各ボイスコイルを同極方向に振動させること
    を特徴とする請求項13に記載のスピーカ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014091597A1 (ja) * 2012-12-13 2014-06-19 パイオニア株式会社 スピーカ装置

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