JP2006126014A - 感温蛍光材料、温度測定方法及び温度分布測定方法 - Google Patents

感温蛍光材料、温度測定方法及び温度分布測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光の温度変化による温度の決定を環境等の発光効率以外の影響を受けずに、低温における2次元の温度分布をリアルタイムで画像化することを可能にした感温蛍光材料を提供する。
【解決手段】蛍光の発光効率が温度依存する蛍光材料1と、同じく蛍光の発光効率が温度依存するが蛍光材料1とは異なった温度依存性を持つ蛍光材料2を混合させ、蛍光材料1からの蛍光1と蛍光材料からの蛍光2の強度の比が温度計測に用いることのできる蛍光材料。
【選択図】図5

Description

本発明は、蛍光による温度決定を可能にする感温蛍光材料及びその感温蛍光材料を用いた温度測定方法、温度分布表示方法に関する。
非接触で2次元の温度分布をリアルタイムに測定することは、接触温度計等では配線数が膨大となり対応困難であり、そのための計測技術が必要とされている。特に、大電流あるいは強電磁界等の電気的配線が雑音の影響を受けてしまう対象や、回転する対象など配線が困難な対象には、光学的に非接触で温度を測定することが望ましい。室温域などの−50℃以上では、物質の発する赤外線を画像化する熱画像装置が広く使われているが、それ以下の温度では赤外線強度が十分ではなく、実用化されていない。
このような低温の対象に対して、特開昭63−253225号公報には、より低温で蛍光の発光効率あるいは蛍光の減衰時間等が温度に依存することを利用して温度分布を可視化する温度測定器が開示されている。また、特開平6−229843号公報の光ファイバー温度計には、発光効率の決定は安定な光源の確保や受光路における光の減衰、受光センサの安定性等に左右されるため、長期的な温度の絶対値を決定するには環境温度の補正や制御が必要であることが述べられている。さらに、特開平9−178575号公報のファイバー温度計、特開2002−71473号公報の蛍光式ファイバー温度計、特開2002−340698号公報の積分球型光ファイバー温度計には、蛍光の減衰時間が温度により変化することを利用することにより、発光効率を用いる方法の持つ欠点を有しない方法が開示されているが、受信信号の差分をとって減衰時間を決定する必要がある。
特開昭63−253225号公報 特開平6−229843号公報 特開平9−178575号公報 特開2002−71473号公報 特開2002−340698号公報
特開平9−178575号公報、特開2002−71473号公報、特開2002−340698号公報に記載の各技術は、リアルタイムに温度の2次元分布を決定するためには、複雑かつ高速の信号処理が必要であり、また、特開昭63−253225号公報、特開平6−229843号公報に記載の各技術は、温度値を決定することができない。従って、温度分布の可視化において、温度値の決定とその変化をリアルタイムで観測することの双方を満足することは上記公知の技術からは困難である。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、対象物の2次元温度分布をリアルタイムで画像化することを可能にする方法を提供することを目的とする。
前記目的は、蛍光発光効率が温度依存性を有する第1の蛍光ピークと、蛍光発光効率が第1の蛍光ピークとは異なる温度依存性を有する第2の蛍光ピークを有する感温蛍光材料を用いることによって達成される。このような感温材料は、例えば、励起光に対して蛍光を発生する効率が温度に依存する蛍光材料1と、同様に蛍光を発するがその温度依存性が蛍光材料1とは異なる蛍光材料2を混合させることによって得ることができる。蛍光材料1からの蛍光1の強度と蛍光材料2からの蛍光2の強度の比は温度依存性を持つので、蛍
光を適当に選ぶことにより分光されたピークの比から温度計測が可能となる。
この時、少なくとも測定すべき温度範囲内で第1の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に減少し、第2の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に増加するものであるのが好ましい。また、蛍光発生の効率が励起光強度に依存しない感温蛍光材料を用いれば、励起光源と対象の間に障害物などの原因で減衰が生じたときも、得られる温度画像に影響が無い。
上記感温蛍光材料は塗料として用いることができ、対象物に塗布あるいはスプレーして対象の表面に感温材料膜を形成する。また、2液性の接着剤に混合して用いてもよい。
本発明による温度測定方法は、計測対象物に付着させた蛍光材料の、蛍光発光効率が温度依存性を有する第1の蛍光ピークのピーク強度を測定する工程と、計測対象物に付着させた蛍光材料の、蛍光発光効率が第1の蛍光ピークとは異なる温度依存性を有する第2の蛍光ピークのピーク強度を測定する工程と、第1のピーク強度と第2のピーク強度の比を演算する工程と、予め求めた第1の蛍光ピークのピーク強度と第2の蛍光ピークのピーク強度の比と温度との関係に前記演算した比を当てはめて測定対象物の温度を求める工程とを有する。
本発明による温度分布表示方法は、蛍光発光効率がそれぞれ異なる温度依存性を有する第1の蛍光ピークと第2の蛍光ピークを有する蛍光材料を付着させた計測対象物の蛍光像をカラー撮像する工程と、第1の蛍光ピーク波長に対応する第1の色分解画像と第2の蛍光ピーク波長に対応する第2の色分解画像を取得する工程と、第1の色分解画像と第2の色分解画像の対応する画素毎に受光強度の比を求める工程と、求めた受光強度の比を画素値として有する画像を形成する工程と、形成した画像を表示する工程とを有する。この時、求めた受光強度の比を、スケールの最大値を第1の色(例えば、赤)に対応させ最小値を第2の色(例えば、青)に対応させて中間の値を二つの色の中間色に対応させる処理を行ってカラー画像を形成すると、温度分布をカラー画像として表示することができる。
本発明によれば、二つの蛍光材料からの蛍光をスペクトラム分解し、そのピーク比を用いたり、蛍光を発する対象のカラー画像をRGBなどの色画像別に分解し異なった色画像間の比をとることにより、蛍光材料を塗布した表面の温度分布をリアルタイムで可視化することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
ここでは、蛍光材料として東京インテリジェントネットワークから購入可能なBL無機蛍光塗料(レッド)あるいはBL無機蛍光顔料(レッド)(以下、蛍光材料Fという)と、同じく東京インテリジェントネットワークから購入可能なBL無機蛍光塗料(グリーン)あるいはBL無機蛍光顔料(グリーン)(以下、蛍光材料Hという)を用いた。蛍光材料Fは励起光照射により赤く発光し、蛍光材料Hは励起光照射により緑に発光する。
図1は、蛍光材料F及び蛍光材料Hの発光スペクトラムを示す図である。励起光源としては紫外発光LED(発光波長約376nm)を用いた。蛍光材料Fはいくつかの蛍光ピークを持つが、625nm近傍のピークが一番高く、蛍光材料Hからの蛍光は525nm近傍にピークを持つ。それぞれの発光スペクトラムで最も高いピークを、それぞれ図1に示すごとく、ピーク1、ピーク2と呼ぶことにする。
図2は、蛍光材料Fの蛍光ピーク1と蛍光材料Hの蛍光ピーク2の高さの温度依存性を示す図である。励起光強度を一定にしたとき、蛍光材料Fのピーク1の高さ及び蛍光材料Hのピーク2の高さはそれぞれ発光効率の温度依存性に従って変化するが、ピーク1は温度が高くなるにつれて減少し、ピーク2は温度が高くなると増加する。このように、ピーク1とピーク2は、全く逆の温度依存性を示す。従って、赤の蛍光強度の緑の蛍光強度に対する比をスペクトラム上のピーク1とピーク2の高さの比で決定することにより、その比は温度の単調な増加関数になる事が容易に分かる。
このような二つの蛍光材料F、Hを混合してできた混合蛍光材料の蛍光スペクトラムは両者の混合比により変化する。図3は、蛍光材料Fと蛍光材料Hを混合した混合蛍光材料のスペクトルの混合比依存性を示す図である。図には、蛍光材料Fと蛍光材料Hの混合比を9:1、6:1、3:1、1:1とした場合の蛍光スペクトルを示した。混合蛍光材料はピーク1とピーク2を有するが、蛍光材料Fの割合が多いほどピーク1の高さが相対的に高くなり、蛍光材料Hの割合が多いほどピーク2の高さが相対的に高くなる。混合比率とほぼリニアーな蛍光変化を得ることができ、両者を適当な混合比率で混合することにより、測定系あるいは測定温度に適した最適な蛍光ピーク比を実現することができる。
例えば、蛍光材料Fと蛍光材料Hの混合比を比5:1とし、紫外発光LED(発光波長約376nm)を励起光源としてとった蛍光スペクトラムは室温と液体窒素温度で図4のようになる。室温ではピーク1とピーク2はほぼ同じ高さであるが、液体窒素温度ではピーク1の高さは低下し、ピーク2の高さは逆に増加する。蛍光ピーク1の高さを蛍光ピーク2の高さに対し連続的に温度の関数として測定した結果が図5であり、温度の単調増加関数となり、ピーク比から温度の決定が可能となる。
図6は、本発明による温度分布可視化装置の構成例及び温度分布可視化装置による処理の手順の概略を示した摸式図である。同図において、1はリアルタイムの温度変化測定を行う本発明の感温蛍光材料を塗布した対象物の観測面、2は励起光源、3はカラーCCDカメラ、4はレンズ、5はインターフェースケーブル、6はパーソナルコンピュータ(PC)、7はPC9の画面上に撮影したリアルタイム画像、8〜10はPC9によって取得されたR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3種類の分解画像、11はRの分解画像とGの分解画像との画像比であるR/Gのリアルタイム画像である。ここで、リアルタイム観測においては、温度分布の変動による画像の乱れを回避するために、一度に全ピクセルの画像を取り込むプログレシングスキャン方式により対象温度の早い変化に対するカメラ画像の信頼性を上げている。これらの測定は励起光以外の外光の影響を排除するため、暗室あるいは暗箱などでの測定が必要となる。
図7は、温度分布可視化装置による処理の手順の概略を示したフローチャートである。まず、本発明の感温蛍光材料を塗布した観測対象物に励起光を照射し、観測対象物の蛍光像をカラー撮像する(ステップ11)。次に、第1の蛍光ピーク波長に対応する第1の色分解画像と第2の蛍光ピーク波長に対応する第2の色分解画像を取得する(ステップ12)。第1の色分解画像と第2の色分解画像から、画素毎に第1の色分解画像と第2の色分解画像における受光強度の比を求める(ステップ13)。次に、求めた受光強度の比を各画素の画素値とする画像を形成し、表示する(ステップ14)。表示した画像は観測対象物の温度分布に対応した画像である。
本実施例の場合、第1の色分解画像における画素値と第2の色分解画像における受光強度の比を各画素の画素値とする画像は、画像R/Gである。この画像R/Gはそのままでも直接輝度に変換して明暗で温度をあらわす温度分布画像として用いることができるが、図5に示したピーク比の温度依存性を用いて、画素濃度が温度に対して線形になるように画像R/Gの各画素値を変換校正することで、より正確な温度分布画像とすることができ
る。具体的には、画像処理におけるリアルタイム性を損なわないように、比率を、最大値と最小値を例えば256と0(8bit)にスケーリングして、校正値により作成したルッ
クアップテーブルを参照する方法などがある。
なお、本実施例では、蛍光材料Fの蛍光スペクトルの赤領域の624nm近傍のピーク1の強度と、蛍光材料Hの蛍光スペクトルの緑領域の525nm近傍のピーク2の強度を利用しているため、R分解画像の各画素値とG分解画像の対応する画素毎の受光強度の比からなる画像R/Gを温度分布画像としたが、温度分布画像としてどの色分解画像とどの色分解画像の画素毎の受光強度の比を用いるかは使用する蛍光材料の蛍光ピークに応じて当然に異なってくる。例えば、青領域に蛍光ピークを有する蛍光材料の蛍光ピーク強度と赤領域に蛍光ピークを有する蛍光材料の蛍光ピーク強度の比が温度依存性を有する場合には、B分解画像とR分解画像の各画素の受光強度の比を画素値として有する画像B/Rあるいは画像R/Bを温度分布画像とすることができる。
より具体的には、画像のR分解画像の各ピクセルの受光値をG分解画像の各ピクセルの受光値で割り、最大値と最小値によりスケーリングする。この最大値を例えば赤に対応させ、最小値を青に対応させる。カラーディスプレーのR、G、Bのそれぞれの出力は通常各8ビットの分解能であるので、図8のように対応させると、最大値から最小値の比の画像を10ビットの分解能で、赤から黄色緑青と連続的に明確に視認することができる。
本発明の方法は、原理的に色の情報を温度決定に用いているために観測光路の減衰などに影響を受けないメリットを持つ。これに加えて、蛍光ピークの強度比が励起光強度に依存しないものが見いだされれば、励起光路における減衰にも影響を受けない優れた特性を持つことになる。この特性を持てば、蛍光発生の効率が励起光強度に依存しないために、励起光源と対象の間に障害物などの原因で減衰が生じたときも、得られる温度分布の画像に影響が無い。
図9は、本実施例で用いた混合蛍光材料の励起光強度依存性を示す図である。市販で黄色の蛍光塗料として販売されている混合塗料を比較に示すと、5倍程度の励起光強度の変化で市販混合塗料ではその比は50%も変化するのに対し、本実施例の塗料では3倍程度の変化に対して、2−3%程度の変化を見せるのみである。蛍光を発光させるための励起光源から対象への光路において紫外光を減衰あるいは散乱させる要因があったときなどに、本特許の混合塗料では、30%程度の励起光の変動は最終的に得られる比画像には影響を与えない。
本発明による感温蛍光材料の利用方法として最も簡単な方法は、蛍光塗料として用いる方法である。この場合、対象物に塗布あるいはスプレーして対象物の表面に感温蛍光材料膜を形成する。この場合、図10のフローチャートに示すような手順で、対象物の温度を求めることができる。すなわち、対象物に塗布した感温蛍光材料の第1の蛍光ピーク強度を測定し(ステップ21)、次に第2の蛍光ピーク強度を測定する(ステップ22)。次に、第1の蛍光ピーク強度と第2の蛍光ピーク強度の比を求め(ステップ23)、その求めたピーク強度比を温度に換算する(ステップ24)。
図11は、本実施例の感温蛍光材料をアクリル系の透明塗料等の溶剤に溶かして塗料として銅の小片に塗布し、その温度を観測した例を示す図である。本実施例の感温蛍光材料を塗布した銅の小片を熱リンクを介して冷却し、銅の小片の裏面につけたヒーターをON/OFFしながら蛍光ピーク1と蛍光ピーク2の強度比の変化を測定した。図の横軸は時間、縦軸は蛍光ピーク1と蛍光ピーク2の強度比から図5に示した校正曲線に基づいて決定した温度である。ヒーターのON/OFFに従い、温度の緩和が実際に観測できていることが分かる。ここでは0.5K程度のばらつきで測温が可能となっている。
上記の塗布方法では一般には剥離などの問題がある。そこで、2液性の接着剤等に混入して対象物に接着させれば、構造材そのものに感温機能を持たせることができる。この方法に従えば、本発明の感温蛍光材料を2液性の接着剤に混合し、そのまま固化させることにより蛍光感温ロッドとして使ったり、対象物に感温蛍光材料を付着させる使い方が可能になる。
実際に本発明の感温蛍光材料を2液系エポキシ接着剤に混合し、細いロッド状に固化させて蛍光感温ロッドを作製した。ロッドの寸法は、直径約5φ、長さ約200mmである。図12は、ブラックライトを励起光源として、作製した蛍光感温ロッドの蛍光の色変化を直接撮影した画像の図である。室温では一番左にあるように全体にオレンジ色に光り、先端を液体窒素に入れると全体に蒸発窒素ガスで冷却され中間の写真にあるように全体に暗いオレンジ色となり、最終的には一番右の写真に見られるように下部の液体窒素の液面に触れているところは黄色に光り、上部で温度がやや高く黄緑に光っている。上がる時間変化に従い右方向に色が変化する。
図13は、上記のようにして撮像した画像を本発明の温度分布可視化装置を使用して温度分布を可視化したR/G画像の例を示す図である。比演算の結果得られるR/G画像は8ビットの濃淡画像であり、視認性を上げるために図の上部にあるように、低温に対応する、比が1の部分を青に、温度が高い部分である比が1.8の部分を赤に対応させ、図8にあるようにリアルタイムでカラー画像に変換している。従って低温部は青く、高温部は黄色に可視化されている。同図に示すように、下の部分は低温なので青く、上の部分はまだ室温に近いため黄色に見えている。このように、本発明によると対象物の温度分布をリアルタイムで2次元的に可視化することが可能となる。また、図12の画像ではブラックライトが左側から照らしているためにロッドの右側と左側でややロッドの発光の明るさに差があるが、励起光強度と発光強度は比例関係にあるため割り算を行ったR/G画像ではそのムラが消えている。
本発明では、蛍光ピーク強度比の温度依存性を蛍光材料に固有な特性として与えることができれば、そのピーク強度比から温度が決定でき、しかも温度分布を2次元像として可視化することができる。しかし、一般に蛍光発光効率は励起光源の波長などに依存するため、蛍光による温度計測の信頼性を高めるには、感温蛍光材料の蛍光ピーク強度比に加え、励起光源を特定し、温度の関数としてR/Gの比率とともに感温蛍光材料を与えることが必要である。実際、本実施例で用いた感温蛍光材料においては、励起光がブラックライト、LEDの場合はその波長によりスペクトラムが異なり、その結果温度依存性も図14にあるように全く異なる。従って蛍光ピーク強度比の温度依存性の提供には、励起光の特定が必須である。
蛍光材料の蛍光のスペクトラムを示す図。 蛍光材料の蛍光ピーク強度の温度依存性を示す図。 2つの蛍光材料を混合した材料の蛍光スペクトルの混合比依存性を示す図。 室温と窒素温度で取得した混合蛍光材料の蛍光スペクトラムを示す図。 混合蛍光材料の2つの蛍光ピーク強度比の温度依存性を示す図。 本発明による温度分布可視化装置の構成例を示す図。 温度分布可視化装置による処理の手順の概略を示したフローチャート。 カラー画像形成方法の説明図。 本実施例で用いた混合蛍光材料の励起光強度依存性を示す図。 対象物の温度を求める手順を示したフローチャート。 本発明の方法によって測定した銅板の温度の時間変化を示す図。 本発明の感温蛍光材料を含んだロッドの蛍光画像を示す図。 本発明の感温蛍光材料を含んだロッドの蛍光画像から作成した温度分布可視化画像を示す図。 異なる励起光源により測定したスペクトラムより求めたピーク比の温度依存性を示す図。
符号の説明
1 蛍光材料を塗布した観測面
2 励起光源
3 カラーCCDカメラ
4 レンズ
5 インターフェースケーブル
6 パーソナルコンピュータ(PC)
7 PC画面上に撮影したリアルタイム画像
8,9,10 色分解画像
11 画像比R/Gのリアルタイム画像

Claims (13)

  1. 蛍光発光効率が温度依存性を有する第1の蛍光ピークと、蛍光発光効率が前記第1の蛍光ピークとは異なる温度依存性を有する第2の蛍光ピークとを有することを特徴とする感温蛍光材料。
  2. 請求項1記載の感温蛍光材料において、蛍光発光効率が温度依存性を有する第1の蛍光材料と、蛍光発光効率が前記第1の蛍光材料とは異なる温度依存性を有する第2の蛍光材料とが混合されていることを特徴とする感温蛍光材料。
  3. 請求項1又は2記載の感温蛍光材料において、前記第1の蛍光ピークと前記第2の蛍光ピークの強度比を温度の指標として用いることを特徴とする感温蛍光材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の感温蛍光材料において、少なくとも測定すべき温度範囲内で前記第1の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に減少し、前記第2の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に増加することを特徴とする感温蛍光材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の感温蛍光材料において、前記第1の蛍光ピークと前記第2の蛍光ピークの強度比が励起光強度に依存しないことを特徴とする感温蛍光材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の感温蛍光材料が塗布あるいは接着されていることを特徴とする温度計測対象物。
  7. 計測対象物に付着させた蛍光材料の、蛍光発光効率が温度依存性を有する第1の蛍光ピークのピーク強度を測定する工程と、
    前記計測対象物に付着させた前記蛍光材料の、蛍光発光効率が前記第1の蛍光ピークとは異なる温度依存性を有する第2の蛍光ピークのピーク強度を測定する工程と、
    前記第1のピーク強度と第2のピーク強度の比を演算する工程と、
    予め求めた前記第1の蛍光ピークのピーク強度と第2の蛍光ピークのピーク強度の比と温度との関係に前記演算した比を当てはめて前記測定対象物の温度を求める工程と
    を有することを特徴とする温度測定方法。
  8. 請求項7記載の温度測定方法において、少なくとも測定すべき温度範囲内で前記第1の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に減少し、前記第2の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に増加することを特徴とする温度測定方法。
  9. 請求項7又は8記載の温度測定方法において、前記蛍光材料は第1の蛍光材料と第2の蛍光材料の混合材料であり、前記第1の蛍光ピークは前記第1の蛍光材料に由来し、前記第2の蛍光ピークは前記第2の蛍光材料に由来することを特徴とする温度測定方法。
  10. 蛍光発光効率がそれぞれ異なる温度依存性を有する第1の蛍光ピークと第2の蛍光ピークを有する蛍光材料を付着させた計測対象物の蛍光像をカラー撮像する工程と、
    前記第1の蛍光ピーク波長に対応する第1の色分解画像と前記第2の蛍光ピーク波長に対応する第2の色分解画像を取得する工程と、
    前記第1の色分解画像と第2の色分解画像の対応する画素毎に受光強度の比を求める工程と、
    求めた受光強度の比を画素値として有する画像を形成する工程と、
    前記形成した画像を表示する工程と
    を有することを特徴とする温度分布表示方法。
  11. 請求項10記載の温度分布表示方法において、少なくとも測定すべき温度範囲内で前記第1の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に減少し、前記第2の蛍光ピークの強度は温度に対して単調に増加することを特徴とする温度分布表示方法。
  12. 請求項10又は11記載の温度分布表示方法において、前記蛍光材料は第1の蛍光材料と第2の蛍光材料の混合材料であり、前記第1の蛍光ピークは前記第1の蛍光材料に由来し、前記第2の蛍光ピークは前記第2の蛍光材料に由来することを特徴とする温度測定方法。
  13. 請求項10〜12のいずれか1項記載の温度分布表示方法において、求めた受光強度の比を、スケールの最大値を第1の色に対応させ最小値を第2の色に対応させて中間の値を二つの色の中間色に対応させる処理を行ってカラー画像を形成する工程を有し、前記形成したカラー画像を表示することを特徴とする温度分布表示方法。
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