JP2006125903A - 計量機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転用設定データに多数の設定項目があっても設定ミスもしくは設定変更漏れを容易に発見することができ、それを修正することで最終的に設定ミスもしくは設定変更漏れを防止することができる計量機器を提供する。
【解決手段】 基準品種を含む複数の品種の物品を計量する計量機器であって、複数のそれぞれの品種に対して計量機器の動作に関する複数の設定項目についての設定値を記した一覧表のデータを記憶する記憶手段(312)と、記憶手段に記憶されている一覧表のデータを視認可能な一覧表として表示する表示手段(3,4)と、一覧表を表示手段で表示する際に、任意の設定項目について基準品種以外の他の品種が基準品種と同じ設定値である場合には任意の設定項目についての他の品種の設定値を表示しないように表示手段を制御する制御手段(311)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の設定項目を有する運転用設定データを記憶している組合せ計量装置や重量式選別装置などの計量機器に関する。
生産ライン上に設置された組合せ計量装置や重量式選別装置などの計量機器は、常に1つの品種の物品だけに対応した設定で運転されるわけではない。通常、組合せ計量装置は包装機に連結され、組合せ計量装置で計量された物品が包装機に投入され、包装される。計量された物品もしくは包装物の内容量は常に一定ではなく変更される。また、数時間単位で物品と包材を入れ替えて計量と包装をおこなうこともある。重量式選別装置は、生産ラインの最終段階において、計量、梱包された物品の重量が所定重量範囲内であるか否かをチェックするものであり、いろいろな種類の物品を計量しなければならない。
組合せ計量装置と包装機とを連結したシステムにおいて、物品もしくは包装物の内容量を変更するとき、運転のための設定データを変更しなければいけない。変更すべき設定データを全て設定し直すのは煩雑である。そのため、高性能の組合せ計量装置もしくは包装機では、品種毎の運転用設定データを一括してプログラムとして入力しておき、品種番号を入力するだけで、運転用設定データがすべて切り替わるようにしている。便利なものでは組合せ計量装置と包装機が品種番号データの通信をおこない、片方の品種番号が変われば、自動的に他方の品種番号も変わるようにしているシステムもある。
高性能の重量式選別装置の場合も同様である。品種番号を入力するだけで、運転用設定データがすべて切り替わる。さらに、高機能の重量式選別装置では、前段に設置されている組合せ計量装置、包装機、検査装置(金属検出機、X線異物検出装置等)などからの品種番号データを通信手段で受け取り、品種番号を自動的に切り替えるものもある。
いずれにしても、初めて計量機器を設置する場合、運転のための各種設定が必要である。少量多品種の生産ラインでは、十数種類以上の品種の設定をおこなうため、プログラム方式で記憶できる品種の数が50品種以上の計量機器を設置することが一般的である。
なお、計量機器の運転用設定データに関する技術が記載された文献として、例えば特許文献1〜3がある。
特許文献1には、多品種のものを計量する多品種重量式選別装置において、品物の種類毎に計量タイミング、選別タイミング等を異ならせる技術が記載されている。
また、特許文献2には、多品種のものを計量する多品種重量式選別装置において、予め物品毎に物品長を記憶しておき、計量する物品の長さが記憶している物品長より長い場合に、物品が2つ連なっていると判断して、2つの物品を排除する技術が記載されている。
また、特許文献3には、組合せ計量装置において、動作パラメータを外部入力パラメータと内部生成パラメータとに区分し、外部入力パラメータ(図3の設定項目の一部に相当)に基づき内部生成パラメータ(図3の設定項目の一部に相当)を自動設定する技術が記載されている。この場合、内部生成パラメータを自動設定することで全ての動作パラメータを最適値に設定することは現実的に無理である。その理由は、高機能の計量機器は様々な物品を計量するが、その計量する物品の特性が様々であり、その特性によって動作パラメータの最適値も異なるからである。例えば、組合せ計量装置の組合せ精度に影響を与える計量ホッパへの投入量は、図3に示す分散フィーダ強度、分散フィーダ動作時間、リニアフィーダ強度、リニアフィーダ動作時間により決まり、それらの最適値は計量する物品の特性により大きく変わるからである。大きく影響を与える物品の特性とは、比重、粘着度(物品どうしのからみ具合)、大きさである。物品の特性が異なると、前述の分散フィーダ強度、分散フィーダ動作時間、リニアフィーダ強度、リニアフィーダ動作時間が同じであっても搬送量が異なるため、物品に合わせた最適値は計算できないのが現実である。したがって自動設定によりある程度の目安となる数値を求めた後、実運転で最適値を求め、設定値を確定するのが一般的に行われている方法である。
特公昭62−60948号公報 特開平6−198253号公報 特開2003−4517号公報
計量機器は高機能でかつ高精度に進化を続けているが、高機能、高精度になるほど運転のための設定項目は増え、その設定が難しくなる。しかし、機器の使用者であるユーザーは、簡単な操作を好む。そのため、運転レベルを切り替えることができ、各品種の運転のための設定値をあらかじめ記憶しておくプログラム方式が、計量機器では多く用いられている。運転レベルの切り替えとは、機器を操作・設定・変更できる範囲を、作業者の能力あるいは権限により変更する方法で、作業者は鍵とかパスワードで切り替える。例えば、運転レベルがレベル1からレベル3まであり、レベル1は、品種を切り替える権限と機器をON−OFFする権限を持ち、レベル2はレベル1の権限と運転のための設定データを変更できる権限を持ち、レベル3はレベル2の権限と機器のシステム変更ができるという全権限を持つというように、運転レベルが設定されている。末端の作業者は、レベル1の権限しか渡されず、プログラム方式で品種を切り替えて、機器をON−OFFするだけである。機器を据え付け後、生産ラインが変わらなければ、レベル1の内容の理解だけで済み、操作も簡単である。
しかしながら、製品市場は日々変わっており、新しい品種に応じて、生産者であるユーザーは計量する物品もしくは生産ラインの運転速度等の変更を繁多におこなわなければならない。したがって、レベル2の内容を理解した機器の使用者が、新しい品種に適した運転用設定データに変更する必要がある。しかし、運転用設定データの設定項目は通常、数十個以上あり、100個を超える場合もある。このように設定項目が非常に多いため、設定ミスもしくは設定変更漏れが生じやすく、またそれを防止するのも困難である。設定ミスもしくは設定変更漏れがあった場合、不良品を市場に出荷してしまったり、計量機器のメーカーの技術者が設定データを修正するまで生産ラインを停止しなければならないという問題が生じている。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、運転用設定データに多数の設定項目があっても設定ミスもしくは設定変更漏れを容易に発見することができ、それを修正することで最終的に設定ミスもしくは設定変更漏れを防止することができる計量機器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の計量機器は、基準品種を含む複数の品種の物品を計量する計量機器であって、複数のそれぞれの品種に対して前記計量機器の動作に関する複数の設定項目についての設定値を記した一覧表のデータを視認可能な一覧表として表示する表示手段と、前記一覧表を前記表示手段で表示する際に、任意の設定項目について前記基準品種以外の他の品種が前記基準品種と同じ設定値である場合には前記任意の設定項目についての前記他の品種の設定値を表示しないように前記表示手段を制御する制御手段とを備えている。
この構成によれば、他の品種が基準品種と同じ設定値である場合には他の品種の設定値を表示しないようにすることにより、基準品種から変更した設定値の確認が容易となるため、多数の設定項目があっても設定ミスもしくは設定変更漏れを容易に発見することができ、それを修正することで最終的に設定ミスもしくは設定変更漏れを防止することができる。
また、前記制御手段は、前記一覧表のデータの所定の設定項目について前記基準品種以外の他の品種の設定値を所定の条件に基づいて適正であるか否かを判定し、適正ではないと判定した設定値を他の設定値とは異なった表示状態で表示するように前記表示手段を制御することが好ましい。
これにより、他の品種の設定値の適否を自動的に判定し、適正ではないと判定した設定値を他の設定値とは異なった表示状態で表示することにより、注意して確認すべき設定値を容易に判別できるので、設定ミスもしくは設定変更漏れを防止できる効果がより大きくなる。
また、前記一覧表のデータを記憶する記憶手段を備えている。
また、前記表示手段は、前記一覧表を画面に表示するディスプレイ装置、または前記一覧表を印字することにより表示する印字装置である。
また、前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの第1の設定項目の設定値の大小関係と第2の設定項目の設定値の大小関係との間で予め定められた所定の関係を満足することであり、前記制御手段は、前記基準品種の第1の設定項目の設定値と前記他の品種の第1の設定項目の設定値の大小関係に対し、前記基準品種の第2の設定項目の設定値と前記他の品種の第2の設定項目の設定値の大小関係が前記所定の関係を満足するか否かにより前記他の品種の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する。
前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの1つ以上の所定の第1の設定項目の設定値から導出される値と、1つの所定の第2の設定項目の設定値との間で予め定められた大小関係を満足することであり、前記制御手段は、前記他の品種の第1の設定項目から導出される値に対し、前記他の品種の第2の設定項目の設定値が前記大小関係を満足するか否かにより前記他の品種の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する。
前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの1つ以上の所定の第1の設定項目の設定値から導出される値と、1つ以上の所定の第2の設定項目の設定値から導出される値との間で予め定められた大小関係を満足することであり、前記制御手段は、前記他の品種の第1の設定項目の設定値から導出される値に対し、前記他の品種の1つ以上の所定の第2の設定項目の設定値から導出される値が前記大小関係を満足するか否かにより前記他の品種の1つ以上の所定の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する。
前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの第1の設定項目の設定値と第2の設定項目の設定値との間で予め定められた大小関係を満足することであり、前記制御手段は、前記他の品種の第1の設定項目の設定値に対し、前記他の品種の第2の設定項目の設定値が前記大小関係を満足するか否かにより前記他の品種の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する。
本発明は、以上に説明した構成を有し、計量機器において、運転用設定データに多数の設定項目があっても設定ミスもしくは設定変更漏れを容易に発見することができ、それを修正することで最終的に設定ミスもしくは設定変更漏れを防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
この実施の形態1で説明する計量機器は、組合せ計量装置である。図1は、本発明の実施の形態における組合せ計量装置の構成を示す概略模式図である。
本実施の形態の組合せ計量装置は、装置上部の中央に、外部の供給装置10から供給される物品を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ11が設けられている。分散フィーダ11の周囲には、分散フィーダ11から送られてきた物品を振動によって各供給ホッパ13に送りこむためのリニアフィーダ12が設けられている。リニアフィーダ12の下方には、複数の供給ホッパ13、計量ホッパ14及びメモリホッパ15がそれぞれ対応して設けられ、円状に配置されている。供給ホッパ13はリニアフィーダ12から送りこまれた物品を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ14が空になるとゲートを開いて計量ホッパ14へ物品を投入する。計量ホッパ14にはロードセル等の重量センサ19が取り付けられており、この重量センサ19が計量ホッパ14内の物品の重量を計測する。ここでは、計量ホッパ14は、その保持している物品をメモリホッパ15と集合シュート16へ選択的に排出可能な構成になっている。メモリホッパ15は計量ホッパ14の斜め下方に配置され、空になると計量ホッパ14から物品が投入される。制御部31による組合せ演算により複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出すべきホッパ(以下、排出ホッパ)の組合せが求められ、その組合せに該当する排出ホッパから物品が集合シュート16上へ排出される。集合シュート16は、計量ホッパ14およびメモリホッパ15の下方に設けられ、また、その下部には集合ファンネル17が配設されている。計量ホッパ14およびメモリホッパ15から排出された物品は集合シュート16上を滑り集合ファンネル17で集められて集合ホッパ18に一旦溜められる。制御部31が図示されない包装機からの排出要求信号を受けて集合ホッパ18のゲートを開き、物品が包装機に送出される。また、分散フィーダ11上の物品の量を検出する光電式のレベルセンサ20が設けられている。また、上記からも明らかであるが、リニアフィーダ12及びその振動制御回路34(図2)と、供給ホッパ13,計量ホッパ14及びそれらのゲート駆動回路35(図2)と、重量センサ19及びA/D変換回路36(図2)と、メモリホッパ15及びそのゲート駆動回路37(図2)とを有する計量ユニット41(図2)が、複数備えられている。
操作設定表示器3は、例えばタッチパネル等で構成され、組合せ計量装置の操作およびその動作設定等を行うための入力手段と、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する表示手段とを備えている。印字部4は、プリンター等の一般的な印字装置で構成され、操作設定表示器3の入力手段から入力する信号により、演算制御部311を介して操作可能である。
制御部31は、CPU等からなる演算制御部311と、RAM及びROM等のメモリからなる記憶部312とで構成されている。演算制御部311は、記憶部312に記憶されている運転用プログラムを実行して、前述の供給装置10の制御および組合せ計量装置の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行う。組合せ演算では、複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から、物品の計量値の合計が目標重量に対して許容範囲となるホッパの組合せが1つ求められる。この組合せ演算では、計量ホッパ14内の物品の計量値には重量センサ19による計測値が用いられ、メモリホッパ15内の物品の計量値には、その上の計量ホッパ14において重量センサ19により計測されたときの値が記憶部312に保持されており、その値が用いられる。また、記憶部312には、運転用プログラム、後述する動作パラメータの一覧表のデータ、その他計量値データ等が記憶される。
図2は本実施の形態における組合せ計量装置の制御系統の概略を示すブロック図である。
組合せ計量装置の制御部31は、外部I/O回路39を介して包装機2(包装機の制御部)と信号の授受を行う。また、通信回路40を介して操作設定表示器3と信号の授受を行うとともに、印字部4へ印字するデータ等の信号を出力する。また、A/D変換回路33を介して入力される光学式レベルセンサ20の信号を基に、分散フィーダ11上の物品を一定量に保つように、供給装置10を制御する。また、振動制御回路32を介して分散フィーダ11の振動振幅およびその動作時間を制御し、振動制御回路34を介してリニアフィーダ12の振動振幅およびその動作時間を制御する。また、ゲート駆動回路35を介して供給ホッパ13および計量ホッパ14のそれぞれのゲートの開閉を行うためのパルスモータを制御する。また、計量ホッパ14に取り付けられた重量センサ19の計測値をA/D変換回路36を介して受け取る。また、ゲート駆動回路37を介してメモリホッパ15のゲートの開閉を行うためのパルスモータを制御する。また、ゲート駆動回路38を介して集合ホッパ18のゲートの開閉を行うためのパルスモータを制御する。
以上のように構成された本実施の形態における組合せ計量装置の動作について、まずその概略を説明する。組合せ計量装置の動作は制御部31の制御によって実現される。
まず、物品は、供給装置10によって組合せ計量装置の上方に搬送されてきて、分散フィーダ11上に載せられる。そして、分散フィーダ11の振動によって放射状に分散されて、分散フィーダ11に続くリニアフィーダ12を介して円状に複数配置された供給ホッパ13に物品が送られる。各供給ホッパ13の下方に位置する計量ホッパ14が空の場合に、各供給ホッパ13の物品が計量ホッパ14に投入される。また、各計量ホッパ14の下方に位置するメモリホッパ15が空の場合に、各計量ホッパ14の物品がメモリホッパ15に投入される。制御部31は、組合せ演算の結果から計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出ホッパを決定すると、排出ホッパに物品を集合シュート16上へ排出させる。物品は集合シュート16上を滑り集合ファンネル17で集められて集合ホッパ18に一旦溜められる。制御部31は包装機からの排出要求信号を受けて集合ホッパ18のゲートを開いて物品を包装機へ排出するとともに、包装機へ排出信号を出力する。包装機では、袋を製造しながら、この袋に組合せ計量装置から排出されてきた物品を充填して包装する。その際、組合せ計量装置からの排出信号を受けて、物品が充填された袋の上端および次の袋の下端を封止するシールを行う。
組合せ計量装置では、上記のような動作を行うための運転用設定データとして多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は操作設定表示器3を用いて行われ、設定されたパラメータの値(設定値)は記憶部312に記憶されている。
図3に、本実施の形態の組合せ計量装置の動作パラメータに関する主な設定項目とその設定値の一例を示す。
各設定項目について簡単に説明する。目標重量は、排出すべき目標とする重量であり、上限許容重量は、目標重量に対し排出を許容する最大重量を決める値であり、排出許容最大重量=目標重量+上限許容重量である。またここでは目標重量が排出許容最小重量である。速度は、排出品が1分間に包装機で包装される袋(パック)数(すなわち1分間の組合せ排出回数)である。自動零補正間隔は、重量センサ19の計量値の零点補正が行われる時間間隔である。分散フィーダ強度は分散フィーダ11の振動振幅に対応する値であり、リニアフィーダ強度はリニアフィーダ12の振動振幅に対応する値である。分散フィーダ動作時間、リニアフィーダ動作時間は、それぞれ分散フィーダ11、リニアフィーダ12の動作時間である。供給ホッパモータパターン、計量ホッパモータパターン、メモリホッパモータパターン、集合ホッパモータパターンは、それぞれのホッパのゲートを駆動するパルスモータの駆動パターンであり、その設定値(1,2,3)は予め決められた各パルスモータの駆動パターンの識別番号を示す。パルスモータの駆動パターンに応じてそれぞれのホッパのゲートの開動作および閉動作の動作態様が決まる。供給ホッパ開時間、計量ホッパ開時間、メモリホッパ開時間、集合ホッパ開時間は、それぞれのホッパのゲートの開動作を行った後、閉動作を開始するまでの時間である。供給ホッパ開遅延時間、計量ホッパ開遅延時間、メモリホッパ開遅延時間、集合ホッパ開遅延時間は、それぞれ包装機から排出要求信号を受けてから、供給ホッパ、計量ホッパ、メモリホッパ、集合ホッパそれぞれのゲートの開動作を開始させるまでの遅延時間である。安定時間は、計量ホッパ14へ物品を投入するために供給ホッパ13のゲートの開動作を開始させてから所定時間後に重量センサ19の計量値を制御部31が組合せ演算用の計量値として取得するように決められているところの上記所定時間であり、重量センサ19から物品の正確な計量値を取得するために設定される。排出信号ON時間は、排出信号を出力している時間であり、排出信号発信遅延時間は、集合ホッパのゲートを開く開動作を開始してから排出信号を出力し始めるまでの時間である。これらの設定項目はほんの一例を示したものであり、実際は数十個あるいは百個以上の多数の設定項目がある。
図4は、本実施の形態における操作設定表示器3の表示手段の画面に表示された動作パラメータの一覧表を示す図である。この一覧表には組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための設定項目およびその設定値が記録されており、図4で示された設定項目はほんの一例であり、実際の設定項目数は前述のように多数ある。品種番号1〜3は同じ種類の物品(A品)であるが目標重量が異なる。品種番号4,5,6はそれぞれB品、C品、D品であり、品種番号1〜3とは物品の種類が異なる。組合せ計量装置では、目標重量と物品の種類により設定内容が異なるので、品種番号は、目標重量と物品の種類に応じて付与している。言い換えれば、本実施の形態における品種は、目標重量と物品の種類によって区分されている。
図4の一覧表の表示例では、品種番号1を代表的な設定を行っている基準品種として、品種番号1についての設定値は全部表示し、品種番号2〜6については、基準品種の品種番号1と異なる設定値のみを表示するとともに、設定値が「チェックを要する」場合は、二重の取り消し線を付加することにより警告表示している。
このような表示内容になる過程を説明する。以下で述べる設定値の調整および変更等は、作業者が操作設定表示器3の画面を見ながら、操作設定表示器3に備えられているキーボード等の入力手段(この入力手段は画面上に表示されたものであってもよいし、あるいは画面の近傍に配置されてあるものでもよい)を操作して行う。
組合せ計量装置の据え付け時に、まず、品種番号1の運転のための各設定項目の設定値を実運転で調整し、図4のような設定になった。品種番号1は目標重量が100gで速度は80pack/分であったが、目標重量が150gの運転も必要であった。そこで品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーし、目標重量を変更するとともに、それに伴い変更が必要となる他の設定項目の設定値を変更し、品種番号2に関する設定値の作成を終了した。その結果、変更した設定項目の内容が品種番号2の欄に表示される。なお、このコピーという手法については、情報処理の技術分野では周知であるので、その説明を省略する。ここで、上記のように新しい品種番号2の設定内容を作成する場合、その作成中は、品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーした後、全ての設定項目についての設定値が表示されているが、設定変更後に終了操作を行うと、品種番号1の設定内容と異なる部分の設定値と、後述する図6の変換条件あるいは図7の条件を満足していない設定値のみが表示される。品種番号2の設定内容の作成終了時には、表示されていない部分も含めた一覧表の全てのデータは、記憶部312内に記憶されており、操作設定表示器3は画面に表示する際に、演算制御部311の処理により、基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され、設定値が同じである設定項目については基準品種以外の品種番号2の設定値を表示しないように制御される。ただし、設定値が同じであっても、後述する図6の変換条件あるいは図7の条件を満足していない設定値は「チェックを要する」ものとして表示されるように制御する。
同様にして品種番号3〜6に関する設定値も作成された。なお、品種番号5の目標重量は品種番号1と同一であるが、物品の種類が異なるためリニアフィーダ強度を変える必要があった。また、品種番号6は、品種番号1とは目標重量も物品の種類も異なるため、変更する設定値は多かった。
図5は、組合せ計量装置において、他の設定値の変更により自動的に演算され、変更される運転パラメータを示している。サイクルタイムは、1計量に何秒かかるかという1計量に要する時間である。速度はpack/分で設定しているので、サイクルタイムは、60000(msec)を速度で除算して計算される。
図6は、組合せ計量装置において、他の設定値(ここでは目標重量)の変更により、変更されるべき設定値と変換条件を示した表である。目標重量が増加すれば、供給ホッパへの物品の搬送量を増やさなければならない。そのため、分散フィーダの強度を大きく(振幅を大きく)、動作時間を長くして、リニアフィーダへの供給量を増やし、リニアフィーダでも同様に強度を大きく(振幅を大きく)、動作時間を長くして、供給ホッパへの供給量を増やす。このように搬送される物品の量が大きくなると、供給ホッパ、計量ホッパ、メモリホッパ、集合ホッパのゲートを動かすパルスモータの駆動パターンを変え、また、一般的にホッパ開時間を長くする。また、計量ホッパへの物品の投入量が増加すると、重量センサの計量信号が安定するまでの時間が長くなるため、安定時間を長くすることも必要である。なお、図6では目標重量が増加する場合の変換条件を示しているが、目標重量が減少する場合には変換条件は逆になる。また、目標重量が同一である場合は、図6の「変更されるべき設定値」が変更されない(同一である)ということも変換条件に含まれる。
図7は、組合せ計量装置において、設定の適合性がチェックされる設定値と適合性をチェックする条件を示した表である。供給ホッパモータパターン、計量ホッパモータパターン、メモリホッパモータパターン、集合ホッパモータパターンは、それぞれのホッパのゲートを駆動するパルスモータの駆動パターンであり、パルスモータの駆動パターンに応じてそれぞれのホッパのゲートの開動作および閉動作の動作態様が決まることは前述したが、これらのパルスモータの駆動パターンに応じて各ホッパの駆動時間(ゲートの開動作時間+閉動作時間)も決まる。この各ホッパの駆動時間(図7中の供給ホッパ駆動時間、計量ホッパ駆動時間、メモリホッパ駆動時間、集合ホッパ駆動時間)は、各々のパルスモータの駆動パターンとともに記憶部312に記憶されている。図7に示された条件は、一般的に当然の内容である。
図5の計算式、図6の変換条件を用いた判定方法、図7の条件を用いた判定方法は、予めプログラムとして記憶部312に記憶されており、このプログラムを演算制御部311が実行する。これにより、図5の計算式により速度からサイクルタイムを演算し、そのサイクルタイムを運転パラメータとして内部設定する。また、図4の新たに作成される品種番号2〜6のそれぞれについて随時、品種番号2〜6の目標重量が基準品種の品種番号1と目標重量が異なる場合に、品種番号2〜6の設定値が基準品種の品種番号1の設定値との関係において、図6の変換条件を満たしているか否かを判定するとともに、新たに作成される品種番号2〜6のそれぞれについて随時、図7の条件を満足するか否かを判定する。演算制御部311は、以上の判定の結果、図6の変換条件あるいは図7の条件を満足していない設定値を、「チェックを要する」ものとして操作設定表示器3の表示手段を制御して警告表示する。図4では、二重の取り消し線を付加することで警告表示している。
図4において、品種番号3の「安定時間」と「集合ホッパ開時間」の設定値を、警告表示している理由は、品種番号1に対し、目標重量が大きくなると、図6の変換条件から「安定時間」と「集合ホッパ開時間」が長くなるところが、図4の例では、逆に短くなっているためである。また、品種番号5の「リニアフィーダ強度」の設定値を、警告表示している理由は、品種番号1に対し、目標重量が同一であれば、図6の変換条件から「リニアフィーダ強度」も同一となるところが、図4の例では、小さくなっているためである。
以上のように、本実施の形態では、基準品種以外の品種番号2〜6については、基準品種の品種番号1と異なる設定値のみを表示(同じ設定値を非表示)することにより、基準品種の品種番号1から変更した設定値の確認が容易となるため、多数の設定項目があっても設定ミスもしくは設定変更漏れを容易に発見することができ、それを修正することで最終的に設定ミスもしくは設定変更漏れを防止できる。さらに本実施の形態では、基準品種以外の品種番号2〜6の設定値の適否を自動的に判定し、「チェックを要する」場合は二重の取り消し線を付加して警告表示することにより、注意して確認すべき設定値を容易に判別できるので、設定ミスもしくは設定変更漏れを防止できる効果がより大きくなる。
なお、「チェックを要する」設定値を警告表示する場合、二重の取り消し線を付加するようにしたが、これに代えて、設定値を太文字にしたり、太文字にし、かつ二重の取り消し線を付加するようにしてもよい。あるいは、(白黒)反転表示、下線を付す、あるいは文字の色を変えるなど、表示された他の設定値と異なった見分けやすい方法であればよい。
本実施の形態において、「チェックを要する」ものとして警告表示された設定値は、その設定値とすることで、必ず不具合が起こるということではない。警告表示することで、設定ミスもしくは設定変更漏れの可能性がある設定値に対し注意を促すようにしている。例えば図4において、品種番号5の「リニアフィーダ強度」を警告表示している理由は、品種番号1に対し、目標重量が同一であり、図6の変換条件から「リニアフィーダ強度」も同一となるところが、小さくなっているためであるが、品種番号5の物品が、滑りがよく、搬送しやすいものであれば、品種番号5のリニアフィーダ強度を、品種番号1のリニアフィーダ強度に対して小さくするのが適正である。
また、本実施の形態では、操作設定表示器3の画面に表示された例えば図4のような一覧表を、操作設定表示器3の入力手段による操作によって印字部4で印字することが可能である。これにより一覧表が印字された紙面を見ながら、同様に設定値を確認することが容易となり、最終的に設定ミスもしくは設定変更漏れを防止できる。
(実施の形態2)
この実施の形態2で説明する計量機器は、重量式選別装置である。図8は、本発明の実施の形態における重量式選別装置を側方から視た構成の概略を示す模式図であり、図9は、同重量式選別装置を上方から視た構成の概略を示す模式図である。
本実施の形態の重量式選別装置は、包装機等から図示されないコンベアによって搬送されてくる物品をその重量によって選別し振り分ける装置であり、調速コンベア51と、送込みコンベア52と、計量コンベア53と、振分コンベア54と、重量センサ55と、物品検出センサ56と、振分装置57と、制御装置70とを有している。また、振分コンベア54の両側および搬送方向には振り分けられた物品が入れられるバスケット80a,80b,80c(図9)が配置されている。
調速コンベア51は、包装機等から図示されないコンベアによって搬送されてくる包装品等の物品(P)を受け取り、コンベア51上の物品の間隔をほぼ一定に調整する。これにより、計量コンベア53上で複数の物品が同時に計量されることを防止することができる。包装機等から図示されないコンベアによって搬送されてくる物品の間隔がほぼ一定である場合には、調速コンベア51は不要である。
送込みコンベア52は、調速コンベア51によって搬送されてくる物品を順次連続して受け取り、計量コンベア53に移送する。計量コンベア53は、送込みコンベア52によって搬送されてくる物品を順次連続して受け取り、移送する。計量コンベア53はロードセル等からなる重量センサ55によって支持されていて、重量センサ55によって計量コンベア53上の物品の重量が計量される。また、送込みコンベア52側の計量コンベア53の端部に、送込みコンベア52から計量コンベア53へ移送されてくる物品を検出する物品検出センサ56が設けられている。この物品検出センサ56の検出信号に基づいて、物品が計量コンベア53上の所定位置に移送されてきたときに重量センサ55によって計量されるように構成されている。ここでは、物品検出センサ56として、光センサが用いられている。
振分コンベア53は、計量コンベア53によって搬送されてくる物品を順次連続して受け取り、移送する。この振分コンベア53上で振分装置57によって物品が振り分けられる。ここでは振分装置57として、振分コンベア54の両サイドに配置されているフリッパによって、搬送方向の左右両側および搬送方向の3方向に振り分ける、いわゆるフリッパ方式の振分装置が装着されている。なお、フリッパ方式の振分装置57に代えて、エアージェット、プッシャー等、他の方式の振分装置であってもよい。
図10は、制御装置70の構成の概略を示すブロック図である。
制御装置70は、制御部61と、コンベア駆動回路62と、A/D変換回路63と、I/O回路64と、振分装置駆動回路65と、表示部66と、入力部67と、印字部68とを有して構成されている。なお、ここでは61〜68をまとめて制御装置70としているが、61〜68の構成要素の全てが必ずしも図8で示された制御ボックス71内に設けられているとは限らない。
制御部61は、CPU等からなる演算制御部611と、RAM及びROM等のメモリからなる記憶部612とを有して構成されている。演算制御部611は、記憶部612に記憶されている運転用プログラムを実行して、重量式選別装置の全体の制御を行う。例えば、演算制御部611は、重量センサ55、物品検出センサ56及び記憶部612のデータに基づいて、コンベア駆動回路62と振分装置駆動回路65とを制御する。記憶部612には、運転用プログラム、後述する動作パラメータの一覧表のデータ、重量センサ55の計量値を蓄積した計量値データ、及び振分装置57が振り分けた物品の集計データ等が記憶される。
演算制御部611は、コンベア駆動回路62を制御することで、調速コンベア51、送込みコンベア52、計量コンベア53、振分コンベア54の運転速度等の動作を制御する。また、振分装置駆動回路65を制御することで、所定のバスケット80a〜80c内へ物品が振り分けられるように、また、後述の振分け時間、振分け遅延時間に基づいて振分装置57の動作を制御する。また、重量センサ55の計量信号をA/D変換回路63によってA/D変換して取得する。物品検出センサ56の検出信号をI/O回路64によって所定レベルの検出信号に変換して取得する。また、入力部67から信号を入力し、表示部66へ表示するデータ等の信号を出力し、印字部68へ印字するデータ等の信号を出力する。
入力部67は、キーボード等の一般的な入力装置で構成されており、入力部67からの信号により、演算制御部611を介して表示部66および印字部68を操作可能である。
表示部66は、液晶パネル等の一般的な表示装置で構成され、入力部67からの信号により、記憶部612に記憶されている動作パラメータの一覧表のデータ、重量センサ55の計量値を蓄積した計量値データ、及び振分装置57が振り分けた物品の集計データ等を画面に表示することができる。
印字部68は、プリンター等の一般的な印字装置で構成され、入力部67からの信号により、記憶部612に記憶されている動作パラメータの一覧表のデータ、重量センサ55の計量値を蓄積した計量値データ、及び振分装置57が振り分けた物品の集計データ等を印字することができる。
以上のように構成された本実施の形態における重量式選別装置の動作について、まずその概略を説明する。
包装機等から図示されないコンベアによって搬送されてきた物品は、順次連続して調速コンベア51上に搬送され、物品同士の間隔が一定に調整される。調速コンベア51から搬送されてきた物品は、順次連続して送込みコンベア52上に搬送され、計量コンベア53に移送される。送込みコンベア52から計量コンベア53への物品の搬送は物品検出センサ56によって検出される。計量コンベア53上に物品が搬入されると、この物品が計量コンベア53を支持する重量センサ55によって計量される。なお、ここでは、計量コンベア53の重量をオフセットするように重量センサ55の零点調整がなされている。
重量センサ55による物品の計量値(計量信号)はA/D変換回路63を介して制御部61に送信される。そして、制御部61では、計量値に基づいて振分装置駆動回路65を制御することで振分装置57の動作を制御し、物品をバスケット80a〜80cに振り分ける。具体的には、計量値が、後述の動作パラメータとして設定される基準値を中心とした上限許容値と下限許容値の範囲内、すなわち、(基準値−下限許容値)≦計量値≦(基準値+上限許容値)であると「適量」な物品と判断され、計量値が(基準値+上限許容値)を超えると「過量」な物品と判断され、計量値が(基準値−下限許容値)より少ないと「軽量」な物品と判断されて、それぞれの該当するバスケット80a〜80cに振り分けられる。例えば、「適量」な物品はバスケット80aに、「過量」な物品はバスケット80bに、「軽量」な物品はバスケット80cに振り分けられる。
重量式選別装置では、上記のような動作を行うための運転用設定データとして多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は入力部67の操作により行われ、設定されたパラメータの値(設定値)は記憶部612に記憶されている。
図11に、本実施の形態の重量式選別装置の動作パラメータに関する設定項目とその設定値の一例を示す。
各設定項目について簡単に説明する。速度は、1分間に選別しようとする物品の個数(パック数)である。品物長は物品の搬送方向における長さである。送込みコンベア速度、計量コンベア速度、振分コンベア速度は、それぞれ送込みコンベア52、計量コンベア53、振分コンベア54の運転速度である。基準値、上限許容値、下限許容値は、前述したように、「適量」、「過量」、「軽量」の判断基準となる値であり、図11の例のように、基準値が100g、上限許容値が5g、下限許容値が1gの場合、99g以上105g以下が「適量」、105gを超えると「過量」、99g未満が「軽量」と判断される。物品誤検出防止時間は、物品検出センサ56が一旦物品を検出してから所定時間内に再び検出しても制御部61ではその検出を無視するように決められているところの上記所定時間であり、物品の形状等によっては同一物品に対して物品検出センサ56が複数回の検出を行う(複数個の物品として誤検出する)場合があり、このような物品検出センサ56の誤検出動作に対処するために設定される。振分け時間は、振分装置57の駆動時間であり、振分け遅延時間は、物品検出センサ56で物品が検出されてから、その物品を振り分けるために振分装置57を駆動させるまでの時間である。これらの設定項目はほんの一例を示したものであり、実際は数十個以上の多数の設定項目がある。
図12は、本実施の形態における表示部66の画面に表示された動作パラメータの一覧表を示す図である。この一覧表には重量式選別装置を各品種に応じて運転するための設定項目およびその設定値が記録されており、図12で示された設定項目はほんの一例であり、実際の設定項目数は前述のように多数ある。品種番号1〜3は同じ種類の物品(A品)であるが速度および品物長が異なる。品種番号4,5,6はそれぞれB品、C品、D品であり、品種番号1〜3とは物品の種類が異なる。ここでは、速度(あるいは品物長)と物品の種類に応じて品種番号を付与している。言い換えれば、本実施の形態における品種は、速度(あるいは品物長)と物品の種類によって区分されている。
図12の表示例では、前述の実施の形態1における図4の表示例と同様、品種番号1を代表的な設定を行っている基準品種として、品種番号1についての設定値は全部表示し、品種番号2〜6については、基準品種の品種番号1と異なる設定値のみを表示するとともに、設定値が「チェックを要する」場合は、二重の取り消し線を付加することにより警告表示している。
このような表示内容になる過程については、実施の形態1の場合と同様であり、詳しい説明は省略する。ただし、設定値の調整および変更等は、作業者が表示部66の画面に表示された作成中の一覧表を見ながら、キーボード等の入力部67を操作して行う。また、「チェックを要する」ものとして警告表示される設定値は、後述する図14の変換条件あるいは図15の条件を満足していない設定値である。
図13は、組合せ計量装置における図5に相当するもので、本実施の形態の重量式選別装置において、他の設定値の変更により自動的に演算され、変更される運転パラメータを示している。計測タイミングは、物品検出センサ56で物品が検出されてから所定時間後に重量センサ55の計量値を演算制御部611が取得するように決められているところの上記所定時間であり、重量センサ55から物品の正確な計量値を取得するために設定される。零補正タイミングは、物品検出センサ56で物品が検出されてから所定時間後に重量センサ55の計量値を演算制御部611が取得し、その計量値を零点とする零点補正を行うように決められているところの上記所定時間であり、重量センサ55の零点を補正するために設定される。計測タイミングも零補正タイミングも計量コンベア速度に応じて自動的に変更される。
図14は、重量式選別装置において、他の設定値の変更により、変更されるべき設定値と変換条件を示した表である。送込みコンベア速度が速くなれば、物品誤検出防止時間を短くする。また、振分コンベア速度が速くなれば、振分装置57を動作させる振分け時間を短くし、振分け遅延時間も短くする。なお、図14では「影響を与える設定値」が増加する場合の変換条件を示しているが、減少する場合には変換条件は逆になる。また、「影響を与える設定値」が同一である場合は、「変更されるべき設定値」は変更されない(同一である)ということも変換条件に含まれる。また、図11、図12では示していないが、設定項目として他に、重量センサ56から出力される計量信号から、不要な振動成分(重量センサ56の固有振動、計量コンベア53の駆動モータの振動、計量コンベア53のプーリの振動、機器全体の振動)をとるための移動平均処理のための数値であるフィルタ係数がある。計量コンベア速度が速くなると、計量コンベア53の駆動モータの振動およびプーリの振動速度が速くなるので、フィルタ係数は小さくする。このフィルタ係数は、重量センサ56の計量信号をA/D変換回路63でデジタル信号に変換した後、演算制御部611で移動平均処理を行う際に用いられる。
図15は、重量式選別装置において、設定の適合性がチェックされる設定値と適合性をチェックする条件を示した表である。図14に示された条件は、一般的に当然の内容である。
図13の計算式、図14の変換条件を用いた判定方法、図15の条件を用いた判定方法は、予めプログラムとして記憶部612に記憶されており、このプログラムを演算制御部611が実行する。これにより、図13の計算式により、計量コンベア速度から計測タイミングおよび零補正タイミングを求め、運転パラメータとして内部設定する。また、図12の新たに作成される品種番号2〜6のそれぞれについて随時、品種番号2〜6と基準品種の品種番号1とで「影響を与える設定値」が異なる場合に、品種番号2〜6の設定値が基準品種の品種番号1の設定値との関係において、図14の変換条件を満たしているか否かを判定するとともに、新たに作成される品種番号2〜6のそれぞれについて随時、図15の条件を満足するか否かを判定する。演算制御部611は、以上の判定の結果、図14の変換条件あるいは図15の条件を満足していない設定値を、「チェックを要する」ものとして表示部66を制御して警告表示する。図12では、図4と同様、二重の取り消し線を付加することで警告表示している。
図12において、品種番号3の「振分コンベア速度」の設定値を警告表示している理由は、「振分コンベア速度」が「計量コンベア速度」より遅くなっており、「振分コンベア速度」と「計量コンベア速度」との関係において図15の条件を満足していない。そして、「計量コンベア速度」は「送込みコンベア速度」との関係において図15の条件を満足しているため、「計量コンベア速度」の設定値は適切であり、「振分コンベア速度」の設定値が適切でないと判断されているからである。また、品種番号6の「送込みコンベア速度」の設定値を警告表示している理由は、「送込みコンベア速度」が「計量コンベア速度」よりも早く、「送込みコンベア速度」は「計量コンベア速度」との関係において図15の条件を満足していない。そして、「計量コンベア速度」は「送込みコンベア速度」との関係において図15の条件を満足しているため、「計量コンベア速度」の設定値は適切であり、「送込みコンベア速度」の設定値が適切でないと判断されているからである。ここで、品種番号6の「送込みコンベア速度」の設定値は、基準品種の品種番号1の設定値と同一であり、図14の変換条件ないし図15の条件を満足していれば、表示されないものであるが、前述のように図15の条件を満足していないので「チェックを要する」ものとして警告表示されている。
以上のように、実施の形態2における図12に示す動作パラメータの一覧表の作成方法およびその表示方法は基本的に実施の形態1と同様であり、同様の効果が得られる。
また、実施の形態2でも、表示部66の画面に表示された例えば図12のような一覧表を、入力部67による操作によって印字部68で印字することが可能である。これにより一覧表が印字された紙面を見ながら、同様に設定値を確認することが容易となり、最終的に設定ミスもしくは設定変更漏れを防止できる。
なお、実施の形態1および実施の形態2において、動作パラメータの一覧表の画面表示については、作成中あるいは作成した設定値を確認したい品種を、基準品種の隣の欄に表示するようにしてもよい。また、全ての品種について表示するのではなく、作成中あるいは作成した設定値を確認したい品種についてのみ、基準品種とともに表示するようにしてもよい。また、以上のように表示された一覧表を、印字部4、68で印字するようにしてもよい。
また、実施の形態1において、操作設定表示器3の入力手段の操作によって、操作設定表示器3の画面表示または印字部4の印字表示を、一覧表の全ての設定値が表示された状態に切り替えられるようにしてもよい。同様に、実施の形態2においても、入力部67の操作によって、表示部66の画面表示または印字部68の印字表示を、一覧表の全ての設定値が表示された状態に切り替えられるようにしてもよい。
本発明は、運転のために設定すべき設定項目の多い組合せ計量装置や重量式選別装置等の計量機器に有用である。
本発明の実施の形態1における組合せ計量装置の構成の概略を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における組合せ計量装置の制御系統の概略を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における組合せ計量装置の動作パラメータに関する主な設定項目とその設定値の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1における操作設定表示器の画面に表示された動作パラメータの一覧表を示す図である。 本発明の実施の形態1における組合せ計量装置において、他の設定値の変更により自動的に演算され、変更される運転パラメータを示す図である。 本発明の実施の形態1における組合せ計量装置において、他の設定値の変更により、変更されるべき設定値と変換条件を示した表である。 本発明の実施の形態1における組合せ計量装置において、設定の適合性がチェックされる設定値と適合性をチェックする条件を示した表である。 本発明の実施の形態2における重量式選別装置を側方から視た構成の概略を示す模式図である。 本発明の実施の形態2における重量式選別装置を上方から視た構成の概略を示す模式図である。 本発明の実施の形態2における重量式選別装置の制御装置の構成の概略を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2における重量式選別装置の動作パラメータに関する設定項目とその設定値の一例を示す図である。 本発明の実施の形態2における表示部の画面に表示された動作パラメータの一覧表を示す図である。 本発明の実施の形態2における重量式選別装置において、他の設定値の変更により自動的に演算され、変更される運転パラメータを示す図である。 本発明の実施の形態2における重量式選別装置において、他の設定値の変更により、変更されるべき設定値と変換条件を示した表である。 本発明の実施の形態2における重量式選別装置において、設定の適合性がチェックされる設定値と適合性をチェックする条件を示した表である。
符号の説明
3 操作設定表示器
4 印字部
31 制御部
311 演算制御部
312 記憶部
61 制御部
66 表示部
67 入力部
68 印字部
611 演算制御部
612 記憶部

Claims (8)

  1. 基準品種を含む複数の品種の物品を計量する計量機器であって、
    複数のそれぞれの品種に対して前記計量機器の動作に関する複数の設定項目についての設定値を記した一覧表のデータを視認可能な一覧表として表示する表示手段と、
    前記一覧表を前記表示手段で表示する際に、任意の設定項目について前記基準品種以外の他の品種が前記基準品種と同じ設定値である場合には前記任意の設定項目についての前記他の品種の設定値を表示しないように前記表示手段を制御する制御手段とを備えた計量機器。
  2. 前記制御手段は、
    前記一覧表のデータの所定の設定項目について前記基準品種以外の他の品種の設定値を所定の条件に基づいて適正であるか否かを判定し、適正ではないと判定した設定値を他の設定値とは異なった表示状態で表示するように前記表示手段を制御する請求項1記載の計量機器。
  3. 前記一覧表のデータを記憶する記憶手段を備えた請求項1または2記載の計量機器。
  4. 前記表示手段は、前記一覧表を画面に表示するディスプレイ装置、または前記一覧表を印字することにより表示する印字装置である請求項1、2または3記載の計量機器。
  5. 前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの第1の設定項目の設定値の大小関係と第2の設定項目の設定値の大小関係との間で予め定められた所定の関係を満足することであり、前記制御手段は、前記基準品種の第1の設定項目の設定値と前記他の品種の第1の設定項目の設定値の大小関係に対し、前記基準品種の第2の設定項目の設定値と前記他の品種の第2の設定項目の設定値の大小関係が前記所定の関係を満足するか否かにより前記他の品種の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する請求項2記載の計量機器。
  6. 前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの1つ以上の所定の第1の設定項目の設定値から導出される値と、1つの所定の第2の設定項目の設定値との間で予め定められた大小関係を満足することであり、前記制御手段は、前記他の品種の第1の設定項目から導出される値に対し、前記他の品種の第2の設定項目の設定値が前記大小関係を満足するか否かにより前記他の品種の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する請求項2記載の計量機器。
  7. 前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの1つ以上の所定の第1の設定項目の設定値から導出される値と、1つ以上の所定の第2の設定項目の設定値から導出される値との間で予め定められた大小関係を満足することであり、前記制御手段は、前記他の品種の第1の設定項目の設定値から導出される値に対し、前記他の品種の1つ以上の所定の第2の設定項目の設定値から導出される値が前記大小関係を満足するか否かにより前記他の品種の1つ以上の所定の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する請求項2記載の計量機器。
  8. 前記所定の条件は、複数の設定項目のうちの第1の設定項目の設定値と第2の設定項目の設定値との間で予め定められた大小関係を満足することであり、前記制御手段は、前記他の品種の第1の設定項目の設定値に対し、前記他の品種の第2の設定項目の設定値が前記大小関係を満足するか否かにより前記他の品種の第2の設定項目の設定値が適正であるか否かを判定する請求項2記載の計量機器。
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