JP2006125776A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】 シーズヒータの表面温度を高めることができ、また、シーズヒータの耐久性を高めることができるグロープラグを提供することを目的とする。
【解決手段】 シーズヒータ20は、先端側が閉じたシースチューブ21内に、直列接続された発熱コイル24と制御コイル23とが配設され、マグネシア粉末22が充填されることによって、コイルとシースチューブ21の内周面との接触による短絡が防止されている。発熱コイル24の外径Aは、制御コイル23の外径Bよりも大きく構成されており、発熱コイル24がシースチューブ21の内周面に近づくことにより熱伝導効率が高められ、シーズヒータ20としての表面温度を高くすることができる。また、制御コイル23とシースチューブ21の内周面とが離れるため、接触による短絡が起きにくい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの始動を補助するためのグロープラグに関するものである。
一般に、ディーゼルエンジンの始動を補助するためのグロープラグとして、シーズヒータを用いたシース型グロープラグが知られている。シーズヒータは、先端が閉じたシースチューブの内部に発熱コイルを収容し、その一方の電極は、シースチューブの内面に電気的に接続されている。さらにシースチューブ内にはマグネシア粉末が充填されており、発熱コイルとシースチューブの内面との間での絶縁がなされている。このシーズヒータは、筒形状の主体金具の軸孔内に、先端側を突出させた状態で後端側の周囲が取り囲まれて保持されており、シースチューブと主体金具とは導通される。また、発熱コイルの他方の電極は、主体金具と絶縁した状態でその軸孔内を挿通される中軸の一端に電気的に接続されている。そして、主体金具と、その後端から突出した中軸の他端との間に電圧を印加することで、発熱コイルが通電されて発熱する。
従来、このように構成されるシーズヒータを用いたグロープラグでは、発熱コイルに印加する電圧を外部より調整することで、発熱コイルの発熱温度の調整が行われていた。近年、発熱コイルの過度の温度上昇を制御するため、温度上昇とともに自己の抵抗値が増加することで発熱コイルに流す電流を制限する制御コイルを、発熱コイルと直列に接続して内蔵したシーズヒータが提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中のHCやNOx成分の量を低減させるには、グロープラグの絶対温度を高く維持して燃焼ガスをより早く高温で燃焼し、また燃焼室が十分暖まるまで加熱することが必要である。そのためには、発熱コイルの外径を大きくしてその外周をシースチューブの内面により近づけ熱伝導効率を高めることが有効である。一方で、車両の保証期間延長を目指し、グロープラグの長時間稼働に対する耐久性の向上が求められている。そのためには、発熱コイルへの電流を制御し、発熱コイルでの発熱量をディーゼルエンジンにとって必要十分な温度域に留まるように抑制する必要がある。すなわち、制御コイルが発熱コイルの発熱によって加熱され、抵抗値が高まることで発熱コイルを流れる電流の制御が可能になるという特性を利用する。したがって、排気ガス中の有害成分を低減すること、およびグロープラグとしての加熱性能を維持したまま耐久性を向上させること、という要求を満たすことができる。
特公平8−14373号公報
しかしながら、発熱コイルおよび制御コイルの外径を大きくしてシースチューブの内面と発熱コイルの外周との間隙が、より狭くなると、シーズヒータの製造の際にシースチューブの内面に発熱コイルや制御コイルの外周が接触して短絡が発生する虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、シーズヒータの表面温度を高めることができ、また、シーズヒータの耐久性を高めることができるグロープラグを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のグロープラグは、軸線方向に沿って延びる軸孔を有する主体金具と、先端側が閉じ、後端側が前記主体金具の前記軸孔内にて保持されたシースチューブと、前記シースチューブ内において、前記先端側に配置される発熱コイルと、前記発熱コイルの後方側に接合部を介し、これと直列接続される制御コイルとを備え、前記制御コイルの平均外径は、前記発熱コイルの最大外径より小さいことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のグロープラグは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記発熱コイルの最大外径とは、前記接合部よりも先端側の部位のうち、前記発熱コイルの発熱の際に最も温度が高くなる部位を含み、最も外径の大きな部位における前記発熱コイルの外径であることを特徴とする。
請求項1に係る発明のグロープラグでは、発熱コイルをシースチューブの内周面に近づけて熱伝導効率を高めることで、発熱コイルの発熱量を上げることなくグロープラグの表面温度を高くすることができる。ここで、接合部を介し発熱コイルと直列に接続された制御コイルの平均外径を、発熱コイルの最大外径よりも小さくすれば、制御コイルとシースチューブの内周面との距離を離すことができるので、制御コイルの接触による短絡の虞を低減することができる。すなわち、発熱コイルおよび制御コイルをシースチューブ内に配置する際に、発熱コイルがシースチューブの内周面と接触しないように留意すれば足りるので、工数を減らし生産コストを低減することができる。
また、制御コイルの温度が上昇し、抵抗値が増大した結果、制御コイルへの分圧が大きくなり、コイル全体へ流れる電流が低減するため、発熱コイル自体の発熱量は下がるが、制御コイルより発熱コイルの外径を大きくしたことによる熱伝導効率の良さから、グロープラグの表面温度を従来のものと同等にすることができる。すると、発熱コイルにかかる負荷が低減されるので、発熱コイル自体の耐久性を向上させることができる。
また、請求項2に係る発明のグロープラグでは、請求項1に係る発明の効果に加え、発熱コイルの最大外径が、発熱コイルの発熱の際に最も温度が高くなる部位を含み、最も外径の大きな部位における発熱コイルの外径であるが、その最も温度が高くなる部位とはすなわち発熱コイルがシースチューブの内周面に最も近づく部位であるため、制御コイルの平均外径をこれより小さくすれば、制御コイルは発熱コイルよりもシースチューブの内周面と離れることとなる。すると、発熱コイルや制御コイルとシースチューブとの接触による短絡を防止する上では、シースチューブと発熱コイルとの接触がないように留意すれば足りるため、工数を減らし生産コストを低減することができる。
以下、本発明を具体化したグロープラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1,図2を参照して、本実施の形態のグロープラグ100の構造について説明する。図1は、グロープラグ100の部分断面図である。図2は、シーズヒータ20の部分断面図である。なお、軸線O方向において、シーズヒータ20の配置された側(図1における下側)をグロープラグ100の先端側として説明する。
図1に示すように、本実施の形態のグロープラグ100は、例えばディーゼルエンジンの燃焼室に取り付けられ、エンジン始動時の点火を補助する熱源として利用される。グロープラグ100はいわゆるシース型のグロープラグであり、主体金具40の軸孔43内に丸棒状のシーズヒータ20の後端側を保持している。
主体金具40は、軸線O方向に貫通する軸孔43を有する長細い筒状の金属部材であり、胴部44の後端側にエンジンヘッドの取付孔(図示外)に螺合する雄ねじ部41が形成されている。また、主体金具40の後端には、エンジンヘッドへの取り付けの際に使用される工具が係合する、軸線断面六角形状の工具係合部42が形成されている。主体金具40の軸孔43は後端付近を除き略同径に形成され、その軸孔43には中軸30が挿通されており、その両端部分は拡径されて形成されている。
中軸30は、軸線O方向に沿って延びる円柱状の鉄系素材(例えばSCM435(Fe−Cr−Mo鋼))からなる金属棒であり、その両端部分は軸孔43からそれぞれ突出されている。中軸30の先端にはその胴部分よりも小径の係合部31が形成されており、後述するシーズヒータ20の制御コイル23の電極が溶接されている。この状態で中軸30の係合部31を含む先端部分は、シーズヒータ20のシースチューブ21内に挿入され、固定されている。また、中軸30の外周面とシースチューブ21の内周面との間には耐熱性ゴム等からなる絶縁体32が介在され、両者間の絶縁がなされている。シーズヒータ20の後端部分は、主体金具40の軸孔43の拡径された部分の後端側に圧入されており、中軸30はその軸孔43内にて主体金具40と非接触状態となるように位置決めされている。
中軸30の後端側には環状のOリング7および絶縁リング50が嵌められ、この絶縁リング50は主体金具40の後端にて拡径された部分に係合されている。Oリング7が主体金具40の軸孔43の内周面と、中軸30の外周面と、絶縁リング50の先端側の面とに当接することによって軸孔43内の気密性が保たれている。また、絶縁リング50によって、中軸30と主体金具40の軸孔43とが非接触となり、両者の絶縁が保たれている。さらに、絶縁リング50の後端より突出した中軸30の後端部分には、キャップ状のピン端子60が嵌合されている。絶縁リング50を主体金具40に対して押圧した状態でピン端子60の外周が加締められることによって、シーズヒータ20と主体金具40と中軸30とが位置決め固定されている。
次に、図2を参照して、シーズヒータ20の詳細について説明する。図2に示すように、シーズヒータ20は、先端を球面状に閉じた導電性金属からなる円筒状のシースチューブ21の内部に、螺旋状に巻かれた導電性の発熱コイル24および制御コイル23が配設され、絶縁材料としてのマグネシア粉末22が充填された構造を有する。発熱コイル24の一方の電極はシースチューブ21の内面に溶接され、接合部25を形成し固定されている。また、発熱コイル24の他方の電極は制御コイル23の一方の電極と接合部26にて接合され、両者が電気的に直列に接続されている。制御コイル23の他方の電極は、上述したように中軸30の係合部31に溶接されており、中軸30と電気的に接続されている。そして充填されたマグネシア粉末22により、シースチューブ21の内周面と、発熱コイル24および制御コイル23とが、導通部分(接合部25)を除き絶縁された状態で維持される。
こうしたシーズヒータ20の製造の際には、互いに接合された発熱コイル24と制御コイル23とがシースチューブ21内に配設され、マグネシア粉末22が充填された後に、シーズヒータ20の外周に対しスエージング加工が施される。これにより、シーズヒータ20の外径が小さくされるとともに、マグネシア粉末22の充填密度が高められると同時にシースチューブ21内の余分な気体を押し出し、シースチューブ21と、発熱コイル24および制御コイル23との熱伝導効率が高められる。
発熱コイル24はFe−Cr−Alの合金からなり、電圧を印加されると発熱する。また、制御コイル23はCo−Ni−Feの合金からなり、温度の上昇に伴って、その抵抗値が高くなる特性を有する。本実施の形態では、発熱コイル24の外径(図2における外径A)は、制御コイル23の外径(図2における外径B)よりも大きく構成されている。こうすることにより、発熱コイル24の外周をシースチューブ21の内周面に近づけ、シースチューブ21への熱伝導効率を高めてシーズヒータ20の表面温度を高くしている。
また、制御コイル23の外径Bを発熱コイル24の外径Aよりも小さくしたことで、制御コイル23の蓄熱効率を高めている。これにより、制御コイル23がシースチューブ21の外部の温度変化の影響を受けにくくし、より発熱コイル24の温度変化に合わせた抵抗値変化が生じるようにして、より確実に、発熱コイル24への印加電圧の制御が行われるようにしている。なお、発熱コイル24の発熱量は、制御コイル23のコイル形成長(制御コイル23のコイルを形成する部分の総合長さ)やコイル軸線長(軸線O方向の長さ)等を変えることによって調整される。
さらに、本実施の形態では、発熱コイル24のコイル軸線長、線径を制御コイル23と比べて短くしている。シーズヒータ20の作製の際には、長細いシースチューブ21内にその軸線Oに沿って発熱コイル24および制御コイル23を挿入するが、シースチューブ21の内周面と発熱コイル24とが接触しないように留意すれば、発熱コイル24よりも外径の小さな制御コイル23がシースチューブ21の内周面と接触する虞が低減される。
もっとも、シースチューブ21の先端が球面状に閉じられていることから、発熱コイル24の外径は先端側ほど小さくなる。また、制御コイル23との接合部26付近の発熱コイル24の外径も、制御コイル23との無理な接合がなされないように、その外径が小さくなるように加工される場合もある。そこで本実施の形態では、発熱コイル24の外径Aの基準として、もっとも外径の大きな部位における外径、すなわち最大外径を基準としている。また、制御コイル23は中軸30係合部31に溶接されるが、係合部31の径により制御コイル23の外径が一定しない場合もある。しかし、制御コイル23の全長に対し、係合部31と係合する部分の制御コイル23の長さは短く、制御コイル23の全体の外径への影響が少ないことから、本実施の形態では制御コイル23の外径Bの基準を、制御コイル23の外径の平均値、すなわち平均外径としている。
シースチューブ21内に配設する発熱コイル24および制御コイル23の構成をこのようにすれば、発熱コイル24に流れる電流を低減しつつもグロープラグとしての発熱性能を低下させることなく、そして後述する実施例1の結果から明らかなように、発熱コイル24の耐久性(いわゆる寿命)を高めることができる。
このように、シーズヒータ20に内蔵する発熱コイル24の最大外径よりも制御コイル23の平均外径を小さくしたことによる効果を実施例1,2に示す評価試験を行って確認した。
[実施例1]
以下に示す評価試験では、後述する外径の異なる発熱コイルと制御コイルを組み合わせて接合し、グロープラグの完成時の寸法において内径が3.5mmとなるようにシースチューブ内に配設して5種類のサンプルを作製した。なお、シースチューブの肉厚は0.5mmとなるようにしている。そして各サンプルのシースチューブ内にマグネシア粉末を充填し、更に中軸、絶縁体を挿入した後、スエージング加工を施すことによって、外径が4.4mm、内径が3.1mmのシーズヒータをそれぞれ完成させた。そして各シーズヒータを組み付けた各グロープラグに対し、DC11Vの電圧を60秒印加した後の各シーズヒータの最高発熱部の温度を測定した。なお、最高発熱部はシーズヒータの軸線O方向において最も温度の高い部位であり、後述する実施例2に示す試験によって、その部位をシーズヒータの先端よりの位置であることを確認した。さらに、各サンプルに対し、DC13Vを3分間印加後に1分間放置するサイクルを1サイクルとし、発熱コイルに断線が発生したときのサイクル数を確認した。
なお、5種類のサンプルの構成について説明すると、第1のサンプルは、発熱コイルの最大外径および制御コイルの平均外径がともに2.4mmである、比較例としての従来のシーズヒータを用いたグロープラグである。第2,第3のサンプルは、発熱コイルの最大外径を2.6mm、制御コイルの最大外径を2.4mmとしたシーズヒータを用いたグロープラグであり、第4のサンプルは、発熱コイルの最大外径および制御コイルの平均外径をともに2.6mmとしたシーズヒータを用いたグロープラグである。第5のサンプルは、発熱コイルの最大外径を2.4mm、制御コイルの平均外径を2.3mmとしたシーズヒータを用いたグロープラグである。この評価試験の結果を以下に示す。
Figure 2006125776
この評価試験の結果、従来のグロープラグと同等の第1のサンプルでは、スエージング加工を施してもシースチューブの内周面に発熱コイルおよび制御コイルが接触して短絡(ショート)が発生することはなかった(表1中「○」で示す。)。そして最高発熱部の表面温度は950℃であり、耐久性は10000サイクルを越えた。
第2のサンプルでは、制御コイルの平均外径は変更せず発熱コイルの最大外径を大きくしたが、シースチューブの内周面に対し接触してショートすることはなかった。また、第1のサンプルと同条件で最高発熱部の表面温度を測定したところ980℃となった。また、第2のサンプルでも耐久性は10000サイクルを越えた。この評価試験により、シーズヒータの製造の際には発熱コイルとシースチューブの内周面との接触がないように留意すれば足りることがわかった。また、シースチューブの内周面と発熱コイルとが近づくことにより熱伝導効率が高くなるので、発熱コイルおよび制御コイルへの電流が小さくなってもシーズヒータの発熱性能が損なわれてしまうことはない。
次に、第3のサンプルでは第2のサンプルと同様に発熱コイルの最大外径のみを大きくした。シースチューブに対するショートは発生しなかった。第1のサンプルとの比較のため、制御コイルのコイル形成長およびコイル軸線長を従来のものより長くして発熱コイルに流れる電流が小さくなるように調整し、最高発熱部の表面温度を950℃とした。このとき、発熱コイルの耐久性は13000サイクルを越えた。この評価試験により、シースチューブの内周面と発熱コイルとが近づくことにより熱伝導効率が高くなるので、シーズヒータの表面温度が従来と同等であるためには発熱コイルに流れる電流が下がればよい。その結果、発熱コイルにかかる熱負荷が低減されるので、発熱コイルの耐久性が向上することがわかった。
第4のサンプルでは、発熱コイルの最大外径および制御コイルの平均外径を、共に従来のものより大きくしたところ、スエージング加工後にショートが発生するサンプルがでた(表1中「△」で示す。)。ショートを防止するにはシーズヒータの製造の際に、発熱コイルおよび制御コイルがシースチューブの内周面に接触することがないように留意する必要があり、工数が増え生産コストの増加を招く虞があって好ましくないことがわかった。
また、第4のサンプルで、ショートが発生しなかったものを用いて評価試験を続行した。このとき、第3のサンプルと同様に、最高発熱部の表面温度が950℃となるように制御コイルの長さ(コイル形成長およびコイル軸線長)を調整した。発熱コイルの耐久性は12000サイクルを越えたが、第3のサンプルよりも耐久性が低下した。これは、発熱コイルだけでなく制御コイルもシースチューブの内周面に近づくため、制御コイルの熱が逃げやすくなり、発熱コイルに流れる電流の調整機能が低下することによるものである。
次に、第5のサンプルでは、発熱コイルの最大外径を従来のものと同じくし、制御コイルの平均外径を小さくした。シースチューブに対するショートは発生しなかった。第1のサンプルと比較できるように、シーズヒータの最高発熱部の温度が950℃となるように制御コイルの長さ(コイル形成長およびコイル軸線長)を調整したところ、発熱コイルの耐久性は11000サイクルを越えた。制御コイルの平均外径を小さくすることでシースチューブに対する熱伝導効率が下がり、発熱コイルから制御コイルに伝導された熱が逃げにくくなる。このため、より発熱コイルの温度変化に合わせた電流の調整がなされるため、発熱コイルへの負担が低減されて耐久性が向上することがわかった。
[実施例2]
実施例2に示す評価試験では、シーズヒータの最高発熱部を特定するために行った試験である。第2のサンプルを用い、DC11Vの電圧を印加して60秒後に、シースチューブの先端から2mm,4mm,6mm,8mm,10mm,12mm,14mm,16mmの各位置(温度測定位置)において表面温度を測定した。その結果、各温度測定位置にて測定されたシースチューブの表面温度は、順に、985.7℃,985.3℃,960.9℃,925.2℃,909.9℃,888.9℃,834.5℃,740.5℃であった。これを図3に示すようにグラフ化した。
図3に示すように、シースチューブの先端から4mmを越えた位置より後端側に向けて、表面温度が徐々に低下していくことがわかる。また、シースチューブの先端から2〜4mmの位置では表面温度がほぼ同じであり、上記各温度測定位置のなかで最も温度の高い位置付近であることがわかる。これよりこの部位が最高発熱部としてふさわしいと判断され、実施例1において表面温度の測定を行うこととした。なお、シースチューブは先端が球面状に加工されているため、その球面状の部位の内周面と発熱コイルとの距離は一定せず、熱伝導効率にばらつきが出る虞がある。そこで、シースチューブの最高発熱部としては、シースチューブの先端から2mm未満の球面状の部位を除くことが望ましい。
また、上記のように、最高発熱部としてシースチューブの先端の球面状の部位を除く場合、最高発熱部では、シースチューブの内部において発熱コイルからシースチューブへの熱伝導効率が最も大きい部位であるといえる。すなわちその部位は、発熱コイルの最も外径の大きな部位が最もシースチューブの内周面に近い部位であるといえる。つまり、本発明において、発熱コイルの最大外径とは、発熱コイルの最高発熱部を含み、最も外径の大きい部位であるといえる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、シースチューブ21の先端は球面状に閉じられるとしたが、円錐状であってもよい。また、発熱コイル24の外径は、発熱コイル24の先端側において、必ずしも先細り状に加工されていなくともよい。
本発明は、発熱コイルと制御コイルとを収容したシーズヒータを組み付けたグロープラグに適用することができる。
グロープラグ100の部分断面図である。 シーズヒータ20の部分断面図である。 最高発熱部を特定するための試験結果を示すグラフである。
符号の説明
21 シースチューブ
23 制御コイル
24 発熱コイル
26 接合部
40 主体金具
43 軸孔
100 グロープラグ

Claims (2)

  1. 軸線方向に沿って延びる軸孔を有する主体金具と、
    先端側が閉じ、後端側が前記主体金具の前記軸孔内にて保持されたシースチューブと、
    前記シースチューブ内において、前記先端側に配置される発熱コイルと、
    前記発熱コイルの後方側に接合部を介し、これと直列接続される制御コイルと
    を備え、
    前記制御コイルの平均外径は、前記発熱コイルの最大外径より小さいことを特徴とするグロープラグ。
  2. 前記発熱コイルの最大外径とは、前記接合部よりも先端側の部位のうち、前記発熱コイルの発熱の際に最も温度が高くなる部位を含み、最も外径の大きな部位における前記発熱コイルの外径であることを特徴とする請求項1に記載のグロープラグ。
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