JP2006125251A - ルーツ式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転時における吐出口側と吸入口側のクリアランスの差を小さくすることができるルーツ式圧縮機を提供すること。
【解決手段】ポンプ室24を形成する周壁部22aの内周面Nに樹脂被膜Jを形成した。この樹脂被膜Jの膜厚を、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い薄くなるように形成した。具体的には、樹脂被膜Jの膜厚は、吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い無段差状で徐々に薄くなるように形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】ポンプ室24を形成する周壁部22aの内周面Nに樹脂被膜Jを形成した。この樹脂被膜Jの膜厚を、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い薄くなるように形成した。具体的には、樹脂被膜Jの膜厚は、吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い無段差状で徐々に薄くなるように形成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ポンプ室内に吸入された流体をロータの回転によってロータ室外へ吐出するルーツ式圧縮機に関する。
一般に、水素と酸素を反応させて発電する燃料電池システムでは、圧縮機を用いて燃料電池に酸素が供給されている。酸素供給用の圧縮機としては、ルーツ式圧縮機が用いられる。前記ルーツ式圧縮機は、ハウジング内に形成されたポンプ室に、回転軸に固定された主動ロータと従動ロータとが収容されてなる。
このようなルーツ式圧縮機では、各ロータと、ポンプ室を形成するハウジング内面との直接的な摺接を防止するために、ハウジングの内周面に樹脂被膜がコーティングされている(例えば、特許文献1参照。)。このルーツ式圧縮機では、樹脂被膜と各ロータとの間に、吐出口側(高圧側)から吸入口側(低圧側)への空気の漏れを抑制しながらロータと樹脂被膜との干渉を防止するために適度なクリアランスが設けられている。このクリアランスと、前記樹脂被膜の膜厚は、ルーツ式圧縮機の常温時ではハウジングの周方向全体に亘って均一になっている。さらに、特許文献1に記載のルーツ式圧縮機は、ハウジングに設けられた冷媒通路を流通する冷媒により、ハウジング及び樹脂被膜を冷却可能に形成されている。
そして、特許文献1に記載のルーツ式圧縮機において、モータ等の駆動手段によって主動ロータが回転されると、従動ロータも主動ロータに追従して回転し、空気がポンプ室に形成された吸入口から該ポンプ室内に吸入される。さらに、主動ロータ及び従動ロータの回転により空気は圧縮され、その圧縮空気は、ポンプ室に形成された吐出口からポンプ室外へ吐出される。この圧縮過程において、空気は、ポンプ室内で圧縮されることにより温度が上昇し、各ロータ、樹脂被膜、及びハウジングは空気から熱を受ける。このとき、ハウジングは、冷媒通路を流通する冷媒により冷却されるため、ハウジング及び該ハウジングを介した樹脂被膜は低温に保たれるようになっている。したがって、樹脂被膜は、ほとんど熱膨張せず、その膜厚はハウジングの周方向全体に亘って均一に保たれるようになっている。
特開平6−229248号公報([0014]、図2)
ところで、特許文献1に記載のルーツ式圧縮機において、樹脂被膜は空気の熱を直接的に受けるため温度上昇してしまう。このとき、空気の圧縮比が高くなる吐出口側の樹脂被膜は、吸入口側の樹脂被膜よりも温度が高くなる。すなわち、樹脂被膜には、吐出口側と吸入口側とで温度差が生じてしまう。その結果、樹脂被膜は、その吐出口側は、吸入口側と比較して厚さ方向への線膨張率が大きくなり、吐出口側の膜厚が吸入口側の膜厚よりも厚くなってしまう。このため、ルーツ式圧縮機の運転時には、吐出口側と吸入口側とで膜厚に大きな差が生じてしまう。すなわち、ルーツ式圧縮機の運転時には、吐出口側と吸入口側とでクリアランスに大きな差が生じてしまう。すると、クリアランスを介した吐出口側から吸入口側への空気の漏れが大きくなり、圧縮比が大きく低下したり、該漏れによる駆動動力の増大等の不具合が発生してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転時における吐出口側と吸入口側のクリアランスの差を小さくすることができるルーツ式圧縮機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジング内に形成されたポンプ室に回転軸によって回転するロータを収容し、該ロータの回転によって前記ポンプ室の吸入口からポンプ室内に吸入された流体を前記ポンプ室の吐出口からポンプ室外へ吐出するルーツ式圧縮機である。そして、前記ポンプ室を形成する前記ハウジングの内周面に被膜を形成し、該被膜の膜厚を、前記ハウジングの周方向に沿って前記吸入口側から前記吐出口側へ向かうに従い薄く形成した。
この発明では、ルーツ式圧縮機の運転時、吐出口側と吸入口側との温度差による被膜の線膨張率の差は、ルーツ式圧縮機の常温時における被膜の膜厚の差により吸収される。すなわち、ルーツ式圧縮機の運転時に、吸入口側より高温となる吐出口側では、予め吸入口側より膜厚が薄く形成されているため、被膜が大きく熱膨張しても膜厚は厚くなりすぎない。一方、吐出口側より低温となる吸入口側では、予め吐出口側より膜厚が厚く形成されているが、被膜はわずかに熱膨張するだけであるため膜厚は厚くなりすぎない。その結果、吐出口側と吸入口側に温度差が生じ線膨張率に差が生じても、吐出口側と吸入口側の被膜の膜厚はほぼ同じとなり、吐出口側と吸入口側の膜厚の差を小さくすることができ、被膜とロータとの間に形成されるクリアランスの差も小さくすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のルーツ式圧縮機において、前記被膜は、無段差状に形成されている。この発明では、ルーツ式圧縮機の運転時に、熱膨張した被膜に、周方向に沿って段差が形成されることが防止され、膜厚が急激に変化する箇所が形成されることを無くすことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のルーツ式圧縮機において、前記被膜とロータとの間に形成されるクリアランスは、前記周方向に沿って前記吸入口側から吐出口側へ向かうに従い小さく形成されている。
この発明では、ルーツ式圧縮機の運転時に、仮にハウジングの熱膨張のみを考慮した場合、吐出口側と吸入口側の温度差によるハウジングの線膨張率の差は、ルーツ式圧縮機の常温時におけるクリアランスの差により吸収される。すなわち、ルーツ式圧縮機の運転時に、吸入口側より高温となる吐出口側では、予め吸入口側よりクリアランスが小さく形成されているため、ハウジングが熱膨張してもクリアランスは大きくなりすぎない。一方、吐出口側より低温となる吸入口側では、予め吐出口側よりクリアランスが大きく形成されているが、ハウジングはわずかに熱膨張するだけであるためクリアランスは大きくなりすぎない。その結果として、被膜を考慮してもクリアランスは、吐出口側と吸入口側とでほぼ同じとなり、被膜との協働で吐出口側と吸入口側のクリアランスの差を小さくすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のルーツ式圧縮機において、前記ハウジングの温度は、運転時には前記周方向に沿って吸入口側から吐出口側へ向かうに従い比例的に高くなり、前記被膜の膜厚は、前記周方向に沿って吸入口側から吐出口側へ向かうに従い比例的に薄くなるように形成されている。
この発明では、ルーツ式圧縮機の運転時に、ハウジングの温度が吸入口側から吐出口側へ向かって比例的に高くなるため、その温度勾配に対応して、膜厚は吸入口側から吐出口側へ向かって比例的に薄くなっている。したがって、ハウジングの温度分布の変化に即して被膜の膜厚を対応させることができる。
請求項5に記載の発明は、ハウジング内に形成されたポンプ室に回転軸によって回転するロータを収容し、該ロータの回転によって前記ポンプ室の吸入口からポンプ室内に吸入された流体を前記ポンプ室の吐出口からポンプ室外へ吐出するルーツ式圧縮機である。そして、前記ポンプ室を形成する前記ハウジングの内周面に被膜を形成し、該被膜の膜厚を、前記ハウジングの周方向に沿って均一に形成するとともに、前記被膜とロータとの間に形成されるクリアランスを、前記周方向に沿って前記吸入口側から吐出口側へ向かうに従い小さく形成した。
この発明では、ルーツ式圧縮機の運転時に、吐出口側と吸入口側の温度差によるハウジングの線膨張率の差は、ルーツ式圧縮機の常温時におけるクリアランスの差により吸収される。すなわち、ルーツ式圧縮機の運転時に、吸入口側より高温となる吐出口側では、予め吸入口側よりクリアランスが小さく形成されているため、ハウジングが大きく熱膨張してもクリアランスは大きくなりすぎない。一方、吐出口側より低温となる吸入口側では、予め吐出口側よりクリアランスが大きく形成されているが、ハウジングはわずかに熱膨張するだけであるためクリアランスは大きくなりすぎない。その結果、被膜が熱膨張しても、運転時における吐出口側と吸入口側のクリアランスの差を小さくすることができる。
本発明によれば、運転時における吐出口側と吸入口側のクリアランスの差を小さくすることができる。
以下、本発明を燃料電池システムの酸素供給用のルーツ式圧縮機に具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
まず、ルーツ式圧縮機14について具体的に説明する。図1に示すように、本実施形態のルーツ式圧縮機14は、ポンプ部Pと、モータ部Mとから構成されている。前記ポンプ部Pは、ロータハウジング22の後端(図1では右端)に軸支部材23が接合固定され、さらに、前記軸支部材23の後面(図1では右面)にギアハウジング25が接合固定されて形成されている。そして、ポンプ部Pにおいて、ロータハウジング22と、軸支部材23との間にポンプ室24が囲み形成され、ギアハウジング25と軸支部材23との間にギア室26が囲み形成されている。前記モータ部Mは、前記ロータハウジング22の前端(図1では左端)に仕切壁28を介してモータハウジング27が接合固定されて形成されている。そして、仕切壁28とモータハウジング27との間にモータ室29が囲み形成され、このモータ室29内には図示しない電動モータが設けられている。
まず、ルーツ式圧縮機14について具体的に説明する。図1に示すように、本実施形態のルーツ式圧縮機14は、ポンプ部Pと、モータ部Mとから構成されている。前記ポンプ部Pは、ロータハウジング22の後端(図1では右端)に軸支部材23が接合固定され、さらに、前記軸支部材23の後面(図1では右面)にギアハウジング25が接合固定されて形成されている。そして、ポンプ部Pにおいて、ロータハウジング22と、軸支部材23との間にポンプ室24が囲み形成され、ギアハウジング25と軸支部材23との間にギア室26が囲み形成されている。前記モータ部Mは、前記ロータハウジング22の前端(図1では左端)に仕切壁28を介してモータハウジング27が接合固定されて形成されている。そして、仕切壁28とモータハウジング27との間にモータ室29が囲み形成され、このモータ室29内には図示しない電動モータが設けられている。
ルーツ式圧縮機14において、前記モータハウジング27と、ロータハウジング22と、軸支部材23とには、回転軸たる駆動軸31がベアリング32を介して回転可能に支持されている。さらに、ロータハウジング22と、前記軸支部材23とには、前記駆動軸31と平行をなす回転軸たる従動軸35がベアリング36を介して回転可能に支持されている。
図1及び図2に示すように、前記ポンプ室24内において、駆動軸31には駆動ロータ39が取付固定され、従動軸35には従動ロータ40が取付固定されている。前記駆動ロータ39及び従動ロータ40は、駆動軸31及び従動軸35の軸方向(図1では左右側面方向)に直交する断面視が、双葉状(瓢箪状)に形成されている。そして、駆動ロータ39には、二条の山歯39aが形成され、両山歯39aの間には谷歯39bが形成されている。また、従動ロータ40には、二条の山歯40aが形成され、両山歯40aの間には谷歯40bが形成されている。
上記構成の駆動ロータ39の山歯39aは従動ロータ40の谷歯40bに噛合するようになっており、従動ロータ40の山歯40aは駆動ロータ39の谷歯39bに噛合するようになっている。駆動ロータ39及び従動ロータ40において、両山歯39a,40a側には、駆動ロータ39及び従動ロータ40の軸方向に貫通した貫通孔60,61が形成されている。該貫通孔60,61は、駆動ロータ39及び従動ロータ40の軸方向に直交する断面視が、略半円状をなすように形成されている。そして、この貫通孔60,61が各ロータ39,40に形成されることにより、各ロータ39,40は、中空部50,51を備えた中空ロータとなっている。
ポンプ室24において、ロータハウジング22には、空気をポンプ室24内へ吸入するための吸入口24a(図2参照)が形成されている。また、ポンプ室24には、前記吸入口24aと対向する位置に吐出口24bが形成されている(図2参照)。吐出口24bは、駆動ロータ39及び従動ロータ40の回転運動によりポンプ室24内で圧縮された空気をポンプ室24から吐出するために形成されている。また、前記ギア室26内において、駆動軸31の後部に固定された駆動ギア44と従動軸35の後部に固定された従動ギア45とは噛合連結されている(図1参照)。
そして、上記構成のルーツ式圧縮機14では、前記電動モータの回転駆動に基づき駆動軸31が回転すると、駆動ギア44と従動ギア45との噛合連結を通じて従動軸35が駆動軸31とは異なる方向へ回転する。すると、ポンプ室24内では、駆動ロータ39と従動ロータ40が、駆動軸31と従動軸35とが有する位相差(90度)をもって同期回転する。駆動ロータ39と従動ロータ40の同期回転に伴い、空気が吸入口24aからポンプ室24内へ吸入される。その後、駆動ロータ39及び従動ロータ40の外面と、ポンプ室24の内面とが協働することにより、ポンプ室24内に吸入した空気が圧縮される。そして、駆動ロータ39及び従動ロータ40の回転運動に基づき圧縮された空気は吐出口24bからポンプ室24外へ吐出される。
次に、前記ポンプ室24について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、常温(25度)時のルーツ式圧縮機14におけるポンプ室24について説明する。
ポンプ室24は、ロータハウジング22と軸支部材23とから囲み形成され、ロータハウジング22の内周面Nには被膜としての樹脂被膜Jが形成されている。詳細には、前記ロータハウジング22は、筒状をなす周壁部22aと、該周壁部22aの前端側のフロント部22bとから構成され、ポンプ室24は、前記周壁部22aと、フロント部22bと、軸支部材23とより囲み形成されている。ポンプ室24の内側は、駆動ロータ39及び従動ロータ40を回転可能に収容するために、両山歯39a,40aの回転軌跡(円筒状)に沿った筒状に形成されている。そして、ポンプ室24において、ロータハウジング22の内周面たる周壁部22aの内周面Nは、駆動軸31及び従動軸35の軸方向に直交する断面視が、双葉状(瓢箪状)に形成されている。
ポンプ室24は、ロータハウジング22と軸支部材23とから囲み形成され、ロータハウジング22の内周面Nには被膜としての樹脂被膜Jが形成されている。詳細には、前記ロータハウジング22は、筒状をなす周壁部22aと、該周壁部22aの前端側のフロント部22bとから構成され、ポンプ室24は、前記周壁部22aと、フロント部22bと、軸支部材23とより囲み形成されている。ポンプ室24の内側は、駆動ロータ39及び従動ロータ40を回転可能に収容するために、両山歯39a,40aの回転軌跡(円筒状)に沿った筒状に形成されている。そして、ポンプ室24において、ロータハウジング22の内周面たる周壁部22aの内周面Nは、駆動軸31及び従動軸35の軸方向に直交する断面視が、双葉状(瓢箪状)に形成されている。
図2に示すように、周壁部22aには、前記二つの回転軌跡が交差する位置に、突部43a,43bが駆動軸31及び従動軸35の軸方向に沿って形成されている。この突部43a,43bは、ポンプ室24の中央に向かって山状に突出形成されている。また、突部43aと突部43bは、互いに相対向する位置に形成されている。そして、周壁部22aには、一方の突部43aを貫通して吸入口24aが形成され、他方の突部43bを貫通して吐出口24bが形成されている。
ここで、ポンプ室24の駆動ロータ39側において、駆動軸31の回転中心R1からその径方向に沿った内周面Nまでの距離をL1とし、ポンプ室24の従動ロータ40側において、従動軸35の回転中心R2からその径方向に沿った内周面Nまでの距離をL2とする。距離L1は駆動ロータ39の回転方向(図2では時計方向)Y1に沿って、吸入口24a側から吐出口24b側に向かうに従い徐々に短くなっている。距離L2は従動ロータ40の回転方向(図2では反時計方向)Y2に沿って、吸入口24a側から吐出口24b側に向かうに従い徐々に短くなっている。この結果、回転中心R1,R2は、それぞれ各ロータ39,40が収容された側の内周面Nの円弧中心と一致せず若干位置ずれした位置に配置されている。そして、距離L1,L2は、吸入口24aの開口端となる位置が最も長く、吐出口24bの開口端となる位置が最も短くなっている。
また、ポンプ室24を形成する周壁部22aの内周面Nには、コーティングにより前記樹脂被膜Jが形成されている。前記樹脂被膜Jは、周壁部22aの内周面N全体に形成されている。この樹脂被膜Jは四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)より形成されている。樹脂被膜Jは、わずかな温度上昇で厚み方向へ大きく膨張するもの、すなわち、線膨張率の大きいものを使用するのが好ましい。
ここで、図3のグラフに、ルーツ式圧縮機14の常温時における樹脂被膜Jの膜厚比率の変化を示す。図3のグラフの横軸は位相(度)であり、縦軸は膜厚比率(%)である。前記位相(度)は、周壁部22aの内周面Nにおける位置を示す。すなわち、周壁部22aの内周面Nにおける吸入口24aの開口端を位相0度とし、周壁部22aの周方向に沿って吐出口24b側へ向かうに従い前記位相は大きくなり、吐出口24bの開口端を位相240度とする。一方、前記膜厚比率(%)は、各位相における樹脂被膜Jの膜厚の、前記位相0度における樹脂被膜Jの膜厚に対する比の値を示す(各位相における樹脂被膜Jの膜厚/位相0度における樹脂被膜Jの膜厚×100)。したがって、位相0度における膜厚比率は100%となる。そして、図3のグラフに示すように、樹脂被膜Jの膜厚比率は、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a(位相0度)から吐出口24b(位相240度)に向かうに従い、言い換えると、位相が大きくなるに従い比例的に低くなっている。すなわち、樹脂被膜Jは、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a(位相0度)から吐出口24b(位相240度)に向かうに従い膜厚が薄くなるように形成されている。
樹脂被膜Jは、前記位相0度における膜厚比率が最も高いため、膜厚が最も厚くなっている。そして、樹脂被膜Jは、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24aから吐出口24bに向かうに従い膜厚比率(膜厚)が徐変(徐々に変化)して、位相240度における膜厚比率が最も低くなるため膜厚が最も薄くなっている。そして、この樹脂被膜Jの膜厚(膜厚比率)は、前記周方向に沿って段階的に薄く(低く)なるのではなく無段差状に薄く(低く)なるように形成されている。なお、樹脂被膜Jの膜厚は、ルーツ式圧縮機14の使用条件(環境、使用頻度)や、各ロータ39,40の材質、ロータハウジング22の材質等により、その使用条件等に最適となるように適宜算出される。
次いで、図4のグラフに、ルーツ式圧縮機14の運転時における周壁部22aの温度比率の変化を示す。図4のグラフの横軸は前記位相(度)であり、縦軸は温度比率(%)である。前記温度比率(%)は、各位相における周壁部22aの温度の、前記位相0度における周壁部22aの温度に対する比の値を示す(各位相における周壁部22aの温度/位相0度における周壁部22aの温度×100)。したがって、位相0度における温度比率は100%となる。そして、図4のグラフに示すように、周壁部22aの温度比率は、前記位相0度となる吸入口24aの開口端が最も低く、位相240度となる吐出口24bの開口端が最も高くなる。周壁部22aの温度比率は、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a(位相0度)から吐出口24b(位相240度)に向かうに従い、言い換えると、位相が大きくなるに従い比例的に高くなっている。すなわち、周壁部22aは、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a(位相0度)から吐出口24b(位相240度)に向かうに従い温度が高くなっている。そして、前記樹脂被膜Jは、ルーツ式圧縮機14の運転時において、前記温度比率が低く樹脂被膜Jの線膨張率が低くなる吸入口24a側が前記膜厚比率(膜厚)が高く(厚く)形成されている。一方、樹脂被膜Jは、ルーツ式圧縮機14の運転時において、前記温度比率が高く樹脂被膜Jの線膨張率が高くなる吐出口24b側が前記膜厚比率(膜厚)が低く(薄く)形成されている。
ここで、駆動ロータ39及び従動ロータ40の山歯39a,40aの頂点と、駆動軸31及び従動軸35の径方向に沿った樹脂被膜Jとの隙間をクリアランスCLとする。そして、図7のグラフG1に、ルーツ式圧縮機14の常温時におけるクリアランス比率の変化を示す。図7の横軸は前記位相(度)であり、縦軸はクリアランス比率(%)である。前記クリアランス比率(%)は、各位相におけるクリアランスCLの、前記位相0度におけるクリアランスCLに対する比の値を示す(各位相におけるクリアランスCL/位相0度におけるクリアランスCL×100)。したがって、位相0度におけるクリアランス比率は100%となる。
ここで、前記距離L1,L2は、位相0度となる吸入口24aの開口端が最も長く、位相240度となる吐出口24bの開口端が最も短くなっている。そして、樹脂被膜Jは、その膜厚(膜厚比率)が、位相0度となる吸入口24aの開口端が最も厚く(高く)、位相240度となる吐出口24bの開口端が最も薄く(低く)なっている。したがって、図7のグラフG1に示すように、クリアランス比率は、位相0度となる吸入口24aの開口端が最も高く、位相240度となる吐出口24bの開口端が最も低くなっている。クリアランス比率は、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a(位相0度)から吐出口24b(位相240度)に向かうに従い、言い換えると、位相が大きくなるに従い比例的に低くなっている。すなわち、クリアランスCLは、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a(位相0度)から吐出口24b(位相240度)に向かうに従い小さくなっている。なお、このクリアランスCLにおける、吸入口24a側と吐出口24b側の差はわずかであり、クリアランスCLの差によって生じる吐出口24b側から吸入口24a側への空気の漏れは抑えられている。
次に、燃料電池システム10の酸素供給用に用いられたルーツ式圧縮機14の作用について動作とともに説明する。なお、ルーツ式圧縮機14の運転時には、ルーツ式圧縮機14は常温(25度)よりも高温となる。また、図7のグラフG2に、ルーツ式圧縮機14の運転時におけるクリアランス比率(%)を示す。前記クリアランス比率(%)は、グラフG1と同様に、各位相におけるクリアランスCLの、前記位相0度におけるクリアランスCLに対する比の値を示す。
ここで、前記燃料電池システム10は、図5に示すように、燃料電池11、酸素供給手段12、水素供給手段13を備えている。燃料電池11は、酸素供給手段12から供給される酸素(空気)と、水素供給手段13から供給される水素とを反応させて直流の電気エネルギー(直流電力)を発生する。前記酸素供給手段12は、圧縮空気を供給するためのルーツ式圧縮機14を備え、ルーツ式圧縮機14は酸素供給ポート(図示せず)に管路15を介して連結され、管路15の途中に加湿器16が設けられている。前記水素供給手段13は、水素ガス(いわゆる水素オフガス)を循環使用するためのポンプ17と、水素源としての水素タンク20を備えている。ポンプ17は燃料電池11の水素供給ポート(図示せず)に管路18を介して連結され、燃料電池11の水素排出ポート(図示せず)に管路19を介して連結されている。また、水素タンク20は管路21を介して管路18に連結されている。
さて、燃料電池システム10が発電し、ルーツ式圧縮機14の運転時には、空気が吸入口24aからポンプ室24内へ吸入され、駆動ロータ39及び従動ロータ40によって圧縮されながら吐出口24bから吐出される。ルーツ式圧縮機14の常温時、クリアランスCL(クリアランス比率)の差は、吸入口24a側と吐出口24b側とでわずかとなっており、クリアランスCLの差によって生じる吐出口24b側から吸入口24a側への空気の漏れは最小限に抑えられている(図7のグラフG1参照)。このため、空気は、圧縮比が低下することなく圧縮される。
そして、吸入口24aからポンプ室24内に吸入された空気は、吸入口24a側から吐出口24b側へ移送されるに従い徐々に圧縮されていき、その圧縮に伴い空気の温度も徐々に上昇していく。このため、温度上昇した空気の熱を受けて樹脂被膜J、さらには周壁部22aは温度上昇する。このとき、吸入口24a側は、吸入口24aを介してポンプ室24内に常温の空気が吸入されるため、流通する空気の空冷によりあまり温度上昇しない。一方、吐出口24b側は温度が高くなる。その結果、周壁部22aの吸入口24a側と吐出口24b側とで温度(温度比率)に差が生じる。また、駆動ロータ39及び従動ロータ40は回転しているため、全体が均一に熱膨張する。
その結果、図6に示すように、樹脂被膜Jの吐出口24b側は、吸入口24a側よりも温度が高いため、厚さ方向への線膨張率が大きくなる。その一方で、樹脂被膜Jの吸入口24a側は、吐出口24b側よりも温度が低いため、厚さ方向への線膨張率が小さくなる。ここで、ルーツ式圧縮機14の常温時における樹脂被膜Jの膜厚(膜厚比率)は、周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側に向かうに従い徐々に薄く(低く)なっており、吸入口24aの開口端は最も厚く(高く)、吐出口24bの開口端は最も薄く(低く)なっている(図3参照)。
このため、吐出口24b側は吸入口24a側より高温であるため、膜厚自体は常温時に比して厚くなるが、コーティング時の膜厚が薄いので全体として膜厚は厚くなりすぎない。一方、吸入口24a側は吐出口24b側より低温であるため、膜厚自体は常温時に比して厚くなるが、コーティング時の膜厚が厚いので全体として膜厚は厚くなりすぎない。したがって、周壁部22aの吸入口24a側と吐出口24b側とで熱膨張に差が生じても、吸入口24a側と吐出口24b側で予め形成された膜厚の差によって樹脂被膜Jの熱膨張の差を吸収することができる。すなわち、樹脂被膜Jの膜厚は、全体に亘ってほぼ均一となる。
また、周壁部22aの吐出口24b側は、吸入口24a側よりも温度が高いため、厚さ方向への線膨張率が大きくなる。その一方で、周壁部22aの吸入口24a側は、吐出口24b側よりも温度が低いため、厚さ方向への線膨張率が小さくなる。ここで、ルーツ式圧縮機14の常温時、クリアランスCL(クリアランス比率)は吸入口24a側から吐出口24b側に向かうに従い徐々に小さく(低く)なっている(図7のグラフG1参照)。そして、熱膨張した樹脂被膜Jは、その膜厚が周壁部22aの周方向全体に亘って均一になっている。このため、周壁部22aの吸入口24a側と吐出口24b側とで熱膨張に差が生じても、吸入口24a側と吐出口24b側で予め形成されたクリアランスCLの差によって周壁部22aの熱膨張の差を吸収することができる。
その結果、図7のグラフG2に示すように、ルーツ式圧縮機14の運転状態において、樹脂被膜J及び周壁部22aが熱膨張しても、吸入口24a側と吐出口24b側とでクリアランス比率に大きな差が生じることがなくなる。言い換えれば、吸入口24a側と吐出口24b側とでクリアランスCLの差を小さくすることができる。なお、ルーツ式圧縮機14の運転時におけるクリアランスCL(クリアランス比率)は、ルーツ式圧縮機14の運転状況に応じた周壁部22aの材質の選択や、樹脂被膜Jの膜厚(膜厚比率)の調整等によって、限りなくゼロに近づけることが可能である。また、樹脂被膜Jが熱膨張するため、常温時と比べてクリアランスCLを小さくすることができる。したがって、クリアランスCLを介した吐出口24b側から吸入口24a側への空気の漏れが最小限に抑えられ、各ロータ39,40と樹脂被膜Jとの間のシール性が悪化することが防止される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)樹脂被膜Jの膜厚を、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い徐々に薄くした。このため、吸入口24a側と吐出口24b側とで樹脂被膜Jの熱膨張に差が生じても、熱膨張後の樹脂被膜Jの膜厚を周壁部22aの周方向全体に亘って均一にすることができる。したがって、吸入口24a側と吐出口24b側とで生じるクリアランスCLの差を小さくすることができる。その結果、各ロータ39,40と樹脂被膜Jとの間のシール性の悪化を防止することができ、吐出口24b側から吸入口24a側への空気の漏れによる圧縮比の低下、空気の漏れによる駆動動力の増加、各ロータ39,40と周壁部22aの内周面Nとの直接的な摺接を防止することができる。
(1)樹脂被膜Jの膜厚を、周壁部22aの周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い徐々に薄くした。このため、吸入口24a側と吐出口24b側とで樹脂被膜Jの熱膨張に差が生じても、熱膨張後の樹脂被膜Jの膜厚を周壁部22aの周方向全体に亘って均一にすることができる。したがって、吸入口24a側と吐出口24b側とで生じるクリアランスCLの差を小さくすることができる。その結果、各ロータ39,40と樹脂被膜Jとの間のシール性の悪化を防止することができ、吐出口24b側から吸入口24a側への空気の漏れによる圧縮比の低下、空気の漏れによる駆動動力の増加、各ロータ39,40と周壁部22aの内周面Nとの直接的な摺接を防止することができる。
(2)特に、樹脂被膜Jが熱膨張することにより、常温時と比較してクリアランスCLを小さくすることができる。したがって、吐出口24b側から吸入口24a側への空気の漏れを最小限に抑えることができる。
(3)周壁部22aの内周面Nと駆動ロータ39及び従動ロータ40と間の距離L1,L2が、回転方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い短くなるように形成した。このため、内周面Nに樹脂被膜Jをコーティングしたとき、周壁部22aの吸入口24a側と吐出口24b側とでクリアランスCLに差を生じさせることができる。
(4)樹脂被膜Jの膜厚は、吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い無段差状に薄くなるように形成されている。このため、例えば、樹脂被膜Jの膜厚が段階的に薄くなり、膜厚の変化する位置が段差状に形成される場合と比較して、クリアランスCLの均一化に寄与することができる。
(5)樹脂被膜Jは、吸入口24a側から吐出口24b側に向かって膜厚が薄くなるように形成されている。このため、樹脂被膜Jが、吸入口24a側から吐出口24b側に向かって均一の膜厚となるように形成されている場合と比較して、樹脂被膜Jの材料費を節約できる。
(6)クリアランスCLを、周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い小さくなるように形成した。このため、周壁部22aが熱膨張したとき、吐出口24b側と吸入口24a側の線膨張率の差をクリアランスCLの差により吸収することができる。したがって、樹脂被膜Jは、熱膨張しても膜厚がほぼ均一となるため、樹脂被膜Jとの協働でクリアランスCLを周方向へ均一とすることができる。
(7)ルーツ式圧縮機14の運転時に、周壁部22aの温度が吸入口24a側から吐出口24b側へ向かって比例的に高くなるが、その温度勾配に対応して樹脂被膜Jの膜厚を吸入口24a側から吐出口24b側へ向かって比例的に薄く形成した。したがって、周壁部22aの温度分布の変化に即して樹脂被膜Jの膜厚を対応させて、周壁部22aの温度により熱膨張した膜厚を周方向全体に亘って均一にしやすくすることができる。
(8)被膜として樹脂被膜Jを形成した。このため、内周面Nへの樹脂被膜Jのコーティング作業を容易に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 樹脂被膜Jを、その膜厚が、周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い均一となるように形成し、さらに、クリアランスCLを、周方向に沿って吸入口24a側から吐出口24b側へ向かうに従い小さくなるように形成してもよい。このように構成した場合、ルーツ式圧縮機14の運転時に、吐出口24b側と吸入口24a側の温度差による周壁部22aの線膨張率の差は、ルーツ式圧縮機14の常温時におけるクリアランスCLの差により吸収される。そして、ルーツ式圧縮機14の運転時に、樹脂被膜Jにおいて、吐出口24b側と吸入口24a側に温度差が生じ膜厚に差が生じても、吐出口24b側と吸入口24a側とのクリアランスCLの差を小さくすることができる。その結果、各ロータ39,40と樹脂被膜Jとの間のシール性の悪化を防止することができ、吐出口24b側から吸入口24a側への空気の漏れによる圧縮比の低下、空気の漏れによる駆動動力の増加、各ロータ39,40と周壁部22aの内周面Nとの直接的な摺接を防止することができる。
○ 実施形態のルーツ式圧縮機14を、燃料電池システム10の水素供給手段13におけるポンプ17として使用して、流体としての水素を圧縮移送してもよい。また、ルーツ式圧縮機14を、空調装置の冷媒圧縮用の圧縮機に使用して、流体として冷媒を圧縮移送してもよい。
○ 実施形態において、図8に示すように、樹脂被膜Jを、吸入口24a側から吐出口24b側に向かうに従い膜厚が段階的に薄くなるように形成してもよい。
○ 実施形態において、ルーツ式圧縮機14の常温時におけるクリアランスCLを、吸入口24a側と吐出口24b側とで同じに設定してもよい。具体的には、クリアランスCLを、周壁部22aの周方向全体に亘って均一にしてもよい。
○ 実施形態において、ルーツ式圧縮機14の常温時におけるクリアランスCLを、吸入口24a側と吐出口24b側とで同じに設定してもよい。具体的には、クリアランスCLを、周壁部22aの周方向全体に亘って均一にしてもよい。
○ 実施形態において、フロント部22b及び軸支部材23にも樹脂被膜Jをコーティングしてもよい。
○ 実施形態において、ロータハウジング22を吸入口24a側半分と吐出口24b側半分とに2分割し、吸入口24a側を線膨張率の大きい材料により形成し、吐出口24b側を、吸入口24a側より線膨張率の小さい材料により形成してもよい。このとき、クリアランスCLを周方向に沿って均一とする。この場合、樹脂被膜Jが熱膨張して膜厚が全体的に均一となった状態で、周壁部22aの吸入口24a側は、線膨張率が大きいが低温であるため少しだけ熱膨張し、周壁部22aの吐出口24b側は線膨張率が小さいが高温であるため少しだけ熱膨張する。その結果、クリアランスCLは周方向全体に亘って均一となる。又は、ロータハウジング22を吸入口24a側から吐出口24b側へと複数の分割体に分割し、吸入口24a側の分割体を線膨張率が最も大きい材料により形成し、吐出口24b側に向かうに従い線膨張率を小さくした材料により形成してもよい。
○ 実施形態において、ロータハウジング22を吸入口24a側半分と吐出口24b側半分とに2分割し、吸入口24a側を線膨張率の大きい材料により形成し、吐出口24b側を、吸入口24a側より線膨張率の小さい材料により形成してもよい。このとき、クリアランスCLを周方向に沿って均一とする。この場合、樹脂被膜Jが熱膨張して膜厚が全体的に均一となった状態で、周壁部22aの吸入口24a側は、線膨張率が大きいが低温であるため少しだけ熱膨張し、周壁部22aの吐出口24b側は線膨張率が小さいが高温であるため少しだけ熱膨張する。その結果、クリアランスCLは周方向全体に亘って均一となる。又は、ロータハウジング22を吸入口24a側から吐出口24b側へと複数の分割体に分割し、吸入口24a側の分割体を線膨張率が最も大きい材料により形成し、吐出口24b側に向かうに従い線膨張率を小さくした材料により形成してもよい。
○ 実施形態において、三葉状の駆動ロータ39及び従動ロータ40を用いたルーツ式圧縮機14としてもよい。
○ 実施形態において、駆動ロータ39及び従動ロータ40を駆動軸31及び従動軸35の軸方向に複数個、取付固定した多段式のルーツ式圧縮機14としてもよい。
○ 実施形態において、駆動ロータ39及び従動ロータ40を駆動軸31及び従動軸35の軸方向に複数個、取付固定した多段式のルーツ式圧縮機14としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記被膜は、樹脂被膜である請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のルーツ式圧縮機。
(1)前記被膜は、樹脂被膜である請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のルーツ式圧縮機。
CL…クリアランス、J…被膜としての樹脂被膜、N…内周面、14…ルーツ式圧縮機、22…ハウジングとしてのロータハウジング、22a…周壁部、24…ポンプ室、24a…吸入口、24b…吐出口、31…回転軸としての駆動軸、35…回転軸としての従動軸、39…駆動ロータ、40…従動ロータ。
Claims (5)
- ハウジング内に形成されたポンプ室に回転軸によって回転するロータを収容し、該ロータの回転によって前記ポンプ室の吸入口からポンプ室内に吸入された流体を前記ポンプ室の吐出口からポンプ室外へ吐出するルーツ式圧縮機において、
前記ポンプ室を形成する前記ハウジングの内周面に被膜を形成し、該被膜の膜厚を、前記ハウジングの周方向に沿って前記吸入口側から前記吐出口側へ向かうに従い薄く形成したルーツ式圧縮機。 - 前記被膜は、無段差状に形成されている請求項1に記載のルーツ式圧縮機。
- 前記被膜とロータとの間に形成されるクリアランスは、前記周方向に沿って前記吸入口側から吐出口側へ向かうに従い小さく形成されている請求項1又は請求項2に記載のルーツ式圧縮機。
- 前記ハウジングの温度は、運転時には前記周方向に沿って吸入口側から吐出口側へ向かうに従い比例的に高くなり、前記被膜の膜厚は、前記周方向に沿って吸入口側から吐出口側へ向かうに従い比例的に薄くなるように形成されている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のルーツ式圧縮機。
- ハウジング内に形成されたポンプ室に回転軸によって回転するロータを収容し、該ロータの回転によって前記ポンプ室の吸入口からポンプ室内に吸入された流体を前記ポンプ室の吐出口からポンプ室外へ吐出するルーツ式圧縮機において、
前記ポンプ室を形成する前記ハウジングの内周面に被膜を形成し、該被膜の膜厚を、前記ハウジングの周方向に沿って均一に形成するとともに、前記被膜とロータとの間に形成されるクリアランスを、前記周方向に沿って前記吸入口側から吐出口側へ向かうに従い小さく形成したルーツ式圧縮機。
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