JP2006125177A - 排水栓装置用レリース - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来問題を一掃して、コアコイルが座屈変形せず、操作性も良い構造簡単で廉価な排水栓装置用レリースを提供する。
【解決手段】 コアコイル1をアウターチューブ2内に摺動可能に挿通し、前記アウターチューブ2の端部に排水栓の支持部4への接続部5を設けた排水栓装置用レリースAにおいて、コアコイル1端部内に補強ピン6にコアコイル1の内径よりも僅か幅広な圧入係止部16を形成し、その圧入係止部16をコアコイル1内に圧入係止して、その補強ピン6で排水栓開閉操作時のコアコイル1の座屈変形を防止する。その補強ピン6を、超弾性合金製にして、補強ピン6が屈曲変形しても、その補強ピン6の超弾性機能で、コアコイル6を元の直線状に再現性をもって使用状態に復帰させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は浴槽、洗面器、流し等の上縁面に配設する操作部の遠隔操作で排水栓を上下動させて、排水口を開閉する排水栓装置用レリースに関するものである。
従来、この種の排水栓装置用のレリースには、図4に示すようにアウターチューブ2内にコアコイル1を摺動可能に挿通し、そのアウターチューブ2の端部に排水栓3の支持部4に接続する接続部5を設け、操作部の遠隔操作でコアコイル1がその支持部4内に接続部5から進入して、排水栓3の支軸13を押上げ、排水孔7を開閉する構成のものが知られている(後述ではA号と称する)(例えば、特許文献1参照)。
また、図5に示すように、前記接続部5に排水栓3の支持部4内に進入するガイド筒35を一体または一体的に立設し、遠隔操作によってコアコイル1がそのガイド筒35でガイドされながらそのガイド筒35から支持部4に進入して排水栓3の支軸13を押上げる構成のものも知られている(後述ではB号、C号と称する)(例えば、特許文献2、3参照)。
更に、図6に示すように、コアコイル1先端に有底筒状のプランジャー9を被嵌し、そのプランジャー9で排水栓3の支軸13を押上げる構成のものも知られている(後述ではD号と称する)。
しかしながら、前記A号では、コアコイル1自体がプランジャーになるため、排水栓3に作用する負荷を受けて排水栓開閉操作時にコアコイル1が支持部3内の空間で座屈する虞れがあった。
また、前記B号、C号においては、支持部4にレリースを接続する際に、操作部を誤って遠隔操作してコアコイル1をガイド筒35から突出させた状態で行う場合があり、その時に支持部4の底に開孔されている連結孔に挿入されずに支持部4の底にコアコイル1を突き当て、誤って座屈変形させてしまう虞れがある。
そして、前記D号は、コアコイル1と共にそのプランジャー9が接続部5内を進退する構成である。そのため、接続部5に接続されるアウターチューブ2に後退時のプランジャー9の下端が干渉するのを防ぐためにアウターチューブ2の接続部5に対する接続箇所を下方に後退させなければならず、その結果、接続部5がその分長尺化して、排水口金具100に袋ナット101等を介して接続される排水管Pに開孔されているレリース通孔8と、接続部5へのアウターチューブ2の接続箇所が接近して、排水管P内でのレリースの曲率半径(R1)が小さなものになり、コアコイル1の摺動抵抗が大きくなって、操作性を悪くする問題もあった。
尚、本願出願人が知っている前記の先行技術D号は、文献公知発明に係るものではないため、本願明細書には先行技術文献情報を開示しない。
特許第3140312号 特許第2548501号 特開2003−193529号
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、従来問題を一掃して、コアコイルが座屈変形せず、操作性も良い構造簡単で廉価な排水栓装置用レリースを提供することにある。
前記課題を解決するために講じた技術的手段は、コアコイルをアウターチューブ内に摺動可能に挿通し、前記アウターチューブの端部に排水栓の支持部への接続部を設けた排水栓装置用レリースにおいて、前記コアコイル端部内に補強ピンを挿入係止していることを特徴とする排水栓装置用レリースである(請求項1)。
補強ピンは、コアコイルの内径よりも僅かに小径なピンであり、コアコイル先端に挿入した後、コアコイルを加締て、補強ピンがコアコイルに係止されるように構成したり(前者)、請求項2記載のようにその補強ピンにコアコイルの内径よりも僅か幅広な圧入係止部を形成し、その圧入係止部がコアコイル内に圧入係止されるようにすると(後者)、好適なものである(請求項2)。
圧入係止部は、一端や一端側近傍に設けるのが好ましい。
前者のコアコイルの加締変形量は、アウターチューブに対するコアコイルの摺動性が阻害されない程度にすること言うまでもないものである。
以上の手段によれば、コアコイルに挿入係止される補強ピンが、排水栓開閉操作時のコアコイルの座屈変形を防止する(請求項1)。
そして、その補強ピンは、コアコイルの内径よりも僅か幅広な圧入係止部をコアコイルに圧入係止することによって自ずと係止される(請求項2)。
そして、前記補強ピンが、超弾性合金製であると最適なものになる(請求項3)。
超弾性合金の一例としては、耐蝕性に優れたニッケルチタン合金を挙げることができる。
この超弾性合金は、負荷荷重で大きく屈曲変形を起こしても常態時に復元する性質を有する。
それ故、補強ピンを直線棒状に形状記憶させておくことによって、アクシデント等によって補強ピンに負荷荷重が作用し曲がり変形を起こしてもコアコイルを元の直線形態に復元することができる。
本発明は以上のようにコアコイル端部内に補強ピンを挿入係止した簡単構造で排水栓開閉操作時のコアコイルの座屈を防止する排水栓装置用レリースを提供することができる。
しかも、請求項2にあっては、僅かに幅広な圧入係止部をコアコイルに係止して補強ピンがコアコイルに保持されるようになるので、補強ピンの組付けが専用の大型設備を使用することなく簡単に行なえ、溶接や加締に比して組付コストが低減でき、補強ピンの部品単価が廉価であることが相乗して、非常に安価に提供することができる。
その上、コアコイルは圧入係止部で僅かながら拡径するものの、アウターチューブや接続部に開孔されているレリース挿通孔内の摺動性を阻害する程拡径するものではないので、接続部に対するアウターチューブとの接続箇所を遠ざけて、その拡径するコアコイルとアウターチューブとが干渉しないようにする必要はなく、接続部が無用に長尺化して、排水管に開孔されているレリース通孔と接続部へのアウターチューブの接続箇所とが接近して排水管内でのレリースの曲げが窮屈なものになってしまうようなことがなくなり、コアコイルの摺動抵抗を所定に保持し、操作性を向上できる。
その上、その補強ピンを超弾性合金製にしているから、踏みつける等して排水栓に押圧力が掛かっている状態で排水栓の開閉操作をしてしまったり、操作部を押動操作している最中に排水栓に落下物の荷重が掛かったりして、コアコイルが補強ピンと屈曲変形するようなことがあっても、コアコイルを常態(直線状)に復元させることができる。
次に本発明排水栓装置用レリースの第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明すると、符号Aがその排水栓装置用レリースである。
排水栓装置用レリースAは、平鋼線を線間隙がないようにコイル状としたコアコイル1をアウターチューブ2内を挿通させ、そのアウターチューブ2の両端部に操作部(図示せず)、排水栓3の支持部4との接続部5を設けて構成されている。
この実施の形態のコアコイル1は、直径を0.35mm程度とする平鋼線を用いて直径を1.4mm程度とするコイル状に連続形成されている。
接続部5は、特許第3140312号公報等でも公知であり、アウターチューブ2の端部に回転案内用リング材15を介して接続金具25を接続して構成されている。
接続金具25は、図3に示すように全長に亘ってレリース挿通孔25aを開孔し、そのレリース挿通孔25aの一端に前記アウターチューブ2の端部に周設した鍔部12及び回転案内用リング材15の一半部を収容する収容凹部25cを確保する筒部25bを突設し、他端に排水栓3の支持部4や操作部に螺合する螺子軸部25dを突設した構成になっている。
回転案内用リング材15は、前記アウターチューブ2の鍔部12との対応面を同鍔部12に接近もしくは当接するように上記鍔部12近傍のアウターチューブ2に遊外嵌してあり、且つ鍔部12との対応面を図示するように鋭利形状にしている。
この鋭利部15aは回転案内用リング材15の前記鍔部12との対応先端面を尖頭状にすることで形成されている。
また、回転案内用リング材15は、前記鋭利部15aを始端とする環状段部15bを段設形成している。
そして、接続金具25には、図3に示すように前記環状段部15bよりも小径とする係止段部25eを環状段部15b下端に当接するように前記収容凹部25cの開放縁から周設することによって、回転案内用リング材15と共に、アウターチューブ2に対して回転可能に接続され、誤ってアウターチューブ2に引っ張り力が生じても鍔部12が回転案内用リング材15の鋭利部15aに喰込むことから抜けず、接続状態が維持するようになっている。
コアコイル1は、その端部に補強ピン6が挿入係止されている。
この補強ピン6は、直径を0.6mm程度とする所要長さ(21mm程度)の金属製細線(例えばバネ鋼)の一端若しくは一端近傍をコアコイル1の内径よりも僅か幅広にプレス加工や切削加工で0.75mm〜0.8mm程度幅の圧入係止部16を形成し、図2に示すようにコアコイル1内に圧入係止させることによってコアコイル1端部内に保持されて、コアコイル1の端部に剛性を付与するようになっている。
補強ピン6をコアコイル1に圧入係止するその手段の一例としては、図示しないがコアコイル1の端部を適宜なチャック手段で掴持しておき、一端に幅広な圧入係止部16を形成している補強ピン6をその他端側から圧入係止部16近傍まで挿入した後、圧入係止部16を例えばエアーシリンダ等の圧入手段でコアコイル1先端内に圧入係止するようにすることを挙げることができる。
前記支持部4は、図1に示すように内部中空な容体14内にスラストロック機構24を内蔵し、操作部の遠隔操作の度に容体14内に進入する排水栓装置用レリースAのコアコイル1がそのスラストロック機構24で排水栓3の支軸13を上下動可能に支持し、下端から挿入されるコアコイル1でその支軸13を押上げることによって上昇端でロックとロック解除を交互に繰り返して、排水孔7を開閉するようになっている。
尚、スラストロック機構24を操作部側に設けて、前記支持部4内でコアコイル1と排水栓3の支軸13とが連絡されるように構成してあっても良いものである。
前記コアコイル1に圧入係止された補強ピン6は、排水栓開閉操作時に前記支持部4内に進入して排水栓3の支軸13を押上げた時に下端域が接続金具25のレリース挿通孔25aの上端域に残留して全長が支持部4内に入り込まない程度の長さに設定されている。
以上のように構成されている排水栓装置用レリースAは、補強ピン6を圧入係止したコアコイル1部分が、閉栓時に接続金具25のレリース挿通孔25a及びアウターチューブ2内に跨って収められている(図2(ロ)参照)。
操作部を遠隔操作することによってコアコイル1が排水栓3の支軸13を押上げながら支持部4内に進入する時に、補強ピン6が筋となって剛性を付与し、支持部4内でのコアコイル1の座屈変形を防止する。
また、コアコイル1に補強ピン6が圧入係止されるため、コアコイル1において圧入係止部16が係止する部分が僅かながら部分的に拡径するが、ほんの僅かなものであるため、接続金具25のレリース挿通孔25aを拡径したり、アウターチューブ2の接続金具25との接続箇所を遠ざけずともに補強ピン6を圧入係止するコアコイル1部分をレリース挿通孔25a、アウターチューブ2内に摺動可能に案内することができる。そのため、図1に示すように排水管Pに開孔されているレリース通孔8と接続金具25へのアウターチューブ2の接続箇所とが離間して排水管P内でのレリースの方向変換が大きな曲率半径(R)をもって行え、コアコイル1の摺動抵抗を抑制し、操作性を向上できる。
次に排水栓装置用レリースAの第2の実施の形態を説明すると、この実施の形態は、前記補強ピン6を、ニッケルチタン合金からなる超弾性合金製にしたものである。
この超弾性合金製の補強ピン6は、図示しないが前記する金属製細線(例えばバネ鋼)と同等寸法のものを使用し、一端若しくは一端近傍をコアコイル1の内径よりも僅か幅広にプレス加工や切削加工で圧入係止部を形成して、コアコイル1に圧入係止されている。
このように、超弾性合金製の補強ピン6をコアコイル1に圧入係止すると、排水栓の開閉操作中に補強ピン6に予想以上に大きな負荷荷重が集中して屈曲変形するようなことがあっても、その補強ピン6の超弾性機能によって、コアコイル6を元の直線状の使用状態に復帰させることができる。
本実施の形態排水栓装置用レリースの使用状態を示す正面断面図で、一部切欠して示す。 排水栓装置用レリースにおけるコアコイルの端部部分の拡大斜視図で補強ピンを圧入係止する状態を示す。 排水栓装置用レリース端部の接続部の正面断面図で、(イ)は操作部を遠隔操作した状態を示す。(ロ)は操作部を遠隔操作していない時の状態を示す。 従来の排水栓装置用レリースの使用状態を示す正面断面図。 更に他の従来の排水栓装置用レリースを排水栓の支持部に接続する状態を示す正面断面図。 更に別の排水栓装置用レリースの使用状態を示す正面断面図。
符号の説明
A:排水栓装置用レリース 1:コアコイル
2:アウターチューブ 3:排水栓
4:支持部 16:圧入係止部
5:接続部

Claims (3)

  1. コアコイルをアウターチューブ内に摺動可能に挿通し、前記アウターチューブの端部に排水栓の支持部への接続部を設けた排水栓装置用レリースにおいて、前記コアコイル端部内に補強ピンを挿入係止していることを特徴とする排水栓装置用レリース。
  2. 前記補強ピンは、コアコイルの内径よりも僅か幅広な圧入係止部を形成し、その圧入係止部がコアコイル内に圧入係止されることを特徴とする請求項1の排水栓装置用レリース。
  3. 前記補強ピンが、超弾性合金製であることを特徴とする請求項1または2記載の排水栓装置用レリース。
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