JP4020422B2 - 車両用曲がりシフトレバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レバーパイプの少なくとも一部に曲がり部をもつ車両用曲がりシフトレバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両曲がりシフトレバーでは、ノブボタンの動きをディテントピンに伝えるため、ケーブルが用いられる。ディテントピンが固定されるケーブルエンドが円柱形(または、角柱形)をしていると、曲がり部で引っ掛かるため、ケーブルエンドを上方からレバーパイプ内に挿入して車両用曲がりシフトレバーを組立ることができない。
そのため、従来の車両用曲がりシフトレバーは、レバーパイプ下端が開放されている。従来の車両用曲がりシフトレバーの組立方法は、ケーブルエンドをレバーパイプ内に下から挿入する工程と、ケーブル付勢用スプリングをレバーパイプ内に下から入れる工程と、ケーブル付勢用スプリングを圧縮させつつケーブル付勢用スプリングの下端をビス等で係止する工程とを、有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の車両用曲がりシフトレバーとその組立方法には、つぎの問題点(課題)がある。
ケーブル付勢用スプリングを圧縮させつつケーブル付勢用スプリングの下端をビス等で係止するため、車両用曲がりシフトレバーの組立が困難である。
本発明の目的は、組立が従来より容易な、車両用曲がりシフトレバーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 少なくとも一部に曲がり部をもつレバーパイプと、
一端にケーブルエンドを有するケーブルと、
を有する車両用曲がりシフトレバーであって、
前記ケーブルエンドは、ディテントピンが挿入されるピン挿入用穴が設けられるケーブルエンド本体と、ディテントピンが前記ピン挿入用穴から抜けることを防止する規制部材と、からなり、
前記ケーブルエンドは、軸方向中間部の径が軸方向端部の径よりも大とされた樽形状であり、前記レバーパイプ内を通過できる外形を有する、車両用曲がりシフトレバー
【0005】
上記(1)の車両用曲がりシフトレバーでは、ケーブルエンドがレバーパイプ内を通過できる外形を有するので、レバーパイプの一端を閉塞した後にケーブルをレバーパイプの開放側からレバーパイプ内に挿入して、車両用曲がりシフトレバーを組み立てることができる。そのため、レバーパイプの一端を閉塞してレバーパイプの開放側からケーブル付勢スプリングをレバーパイプ内に入れた後にケーブルをレバーパイプの開放側からレバーパイプ内に挿入する場合、ケーブル付勢スプリングを自動的にケーブルでレバーパイプの閉塞側端に押し付けることができる(自動的にケーブル付勢スプリングを圧縮させることができる)。したがって、車両用曲がりシフトレバーの組み立てが従来より容易である
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の車両用曲がりシフトレバーとその組立方法を、図1〜図3を参照して、説明する。
本発明実施例の車両用曲がりシフトレバー(以下、単にシフトレバーという)10は、車両の内装部材であるインスツルメントパネル部位に配置されていてもよく、車両のフロアに配置されていてもよい。また、シフトレバー10は、ストレート式のシフトレバー装置に用いられてもよく、ゲート式のシフトレバー装置に用いられてもよい。本発明実施例および図示例では、車両用曲がりシフトレバー10が、車両の内装部材であるインスツルメントパネル部位に配置され、ストレート式のシフトレバー装置に用いられる場合を例にとって説明する。
【0007】
シフトレバー10は、図1に示すように、少なくとも一部に曲がり部21をもつレバーパイプ20と、一端にピン側ケーブルエンド33を有するケーブル30とを、有する。シフトレバー10は、さらに、ケーブル付勢スプリング40と、ノブボタン51を有するシフトノブ50と、レバー支持部60を、有する。
【0008】
レバーパイプ20は、金属製である。レバーパイプ20の軸方向一端部は閉じられている(以下、レバーパイプ20の端部のうち、閉じられている端部を閉塞側端部20aという)。レバーパイプ20の閉塞側端部20aは、別部材のキャップ(図示略)等で塞がれていてもよく、軸方向と直交する方向にレバーパイプ20を押し潰して塞がれていてもよい(図示例では、軸方向と直交する方向にレバーパイプ20を押し潰して塞がれている場合を示している)。レバーパイプ20には、図2に示すように、パイプ側貫通穴71が設けられている。パイプ側貫通穴71は、レバーパイプ20をレバーパイプ20の軸方向と直交する方向に貫通する。パイプ側貫通穴71は、レバーパイプ20の軸方向に延びる長穴である。
レバーパイプ20は、図1に示すように、図示略のベースプレートから車両後方に延び、延び方向先端部で上方に湾曲し、上方に延びている。ただし、レバーパイプ20の形状はこの形状に限定されるものではなく、少なくとも一部に曲がり部21をもっていればよい。レバーパイプ20の端部のうち開放している端部(以下、開放側端部という)20bには、シフトレバー10を操作するためのシフトノブ50が取り付けられている。
曲がり部21は、直線状に延びるレバーパイプ20を形成した後、レバーパイプ20をレバーパイプ20の軸方向と異なる方向に曲げることで形成される。曲がり部21は、レバーパイプ20の1箇所に形成されていてもよく、レバーパイプ20の複数箇所に形成されていてもよい。
【0009】
ケーブル30は、ノブボタン51の押圧・押圧解除操作をディテントピン70に伝えるケーブルである。ケーブル30は、レバーパイプ20に、レバーパイプ20の開放側から挿入される。
ケーブル30は、ケーブルインナー31と、ケーブルアウター32と、ケーブルインナー31の一端部に取り付けられるピン側ケーブルエンド33と、ケーブルインナー31の他端部に取り付けられるノブ側ケーブルエンド34を、有する。
【0010】
ケーブルインナー31は、レバーパイプ20内をレバーパイプ20の軸方向に移動可能である。
ピン側ケーブルエンド33は、図2に示すように、ケーブルインナー31とは別部材である。ピン側ケーブルエンド33は、レバーパイプ20内を通過できる外形を有している。レバーパイプ20内を通過できる外形とは、たとえば、樽形状、軸方向の一部にフランジが設けられた形状等である(図示例では、樽形状である場合を示している)。
ピン側ケーブルエンド33は、ピン側ケーブルエンド本体33aと、ピン側ケーブルエンド本体33aに取り付けられる規制部材33bと、からなる。
ピン側ケーブルエンド本体33aには、ディテントピン70が挿入されるピン挿入用穴33cが設けられている。ピン側ケーブルエンド本体33aは、ディテントピン70を保持している。
規制部材33bは、ディテントピン70がピン挿入用穴33cから抜けることを防止している。規制部材33bには、ケーブル付勢スプリング40を確実に取り付けるためのガイドピン33dが設けられている。
ノブ側ケーブルエンド34は、図3に示すように、ケーブルインナー31とは別部材である。ノブ側ケーブルエンド34は、レバーパイプ20の曲がり部21を通過不能な外形を有している。
【0011】
ケーブル付勢スプリング40は、たとえば、コイルスプリングからなる。ケーブル付勢スプリング40は、図2に示すように、レバーパイプ20内に配置される。ケーブル付勢スプリング40の一端は、レバーパイプ20の閉塞側端部20aの内面に当てられている。ケーブル付勢スプリング40の他端は、ピン側ケーブルエンド33に当てられている。
【0012】
シフトノブ50は、図3に示すように、レバーパイプ20の開放側端部20bとその近傍に取り付けられる。シフトノブ50は、たとえば樹脂製である。
シフトノブ50は、ノブボタン51を有する。
ノブボタン51は、シフトノブ50に移動可能(直線動可能または回動可能)に支持される。ノブボタン51は、ノブ側ケーブルエンド34に接触するカム面51aを有する。
ノブボタン51を押圧すると(シフトノブ50内に押し込むと)、ノブ側ケーブルエンド34がノブボタン51により押され、ノブ側ケーブルエンド34とケーブルインナー31とピン側ケーブルエンド33が、ケーブル付勢スプリング40の付勢力に抗してレバーパイプ20内をレバーパイプ閉塞端側に移動する。
ノブボタン51の押し込みを解除したとき、ノブ側ケーブルエンド34とケーブルインナー31とピン側ケーブルエンド33は、ケーブル付勢スプリング40の付勢力により、レバーパイプ20内をレバーパイプ開放端側に移動する。
【0013】
レバー支持部60は、図1に示すように、レバーパイプ20の閉塞側端部20aとその近傍に設けられる。レバー支持部60は、樹脂製である。レバー支持部60は、図示略のシャフトに揺動可能に支持される。
レバー支持部60には、図2に示すように、支持部側貫通穴72が設けられている。支持部側貫通穴72は、レバー支持部60をレバーパイプ軸方向と直交する方向に貫通する。支持部側貫通穴72は、レバーパイプ軸方向に延びる長穴である。支持部側貫通穴72は、パイプ側貫通穴71とともに、ディテントピン70挿通用の長穴73を形成する。
【0014】
ディテントピン70は、金属製である。ディテントピン70は、レバーパイプ20軸方向と直交する方向に延びている。ディテントピン70は、長穴73を挿通している。ディテントピン70の長手方向の一端部または両端部は、図示略のベースプレートに設けられる図示略のディテント溝に入り込む。ディテントピン70は、ピン側ケーブルエンド33に保持されている。
【0015】
ここで、本発明実施例の、車両用曲がりシフトレバー10の組立方法を説明する。
曲がり部21を有するレバーパイプ20を製造し、パイプ側貫通穴71を形成し、レバーパイプ20の閉塞側端部20aを閉塞する工程と、
レバー支持部60をインサート成形し、レバー支持部60を図示略のベースプレートに組付けた後に、ケーブル付勢スプリング40をレバーパイプ20内にレバーパイプ20の開放端から入れる工程と、
ケーブル30をピン側ケーブルエンド33を挿入側端にしてレバーパイプ20内に挿入する工程と、
ディテントピン70を貫通穴73に挿入する工程と、
を有する。
【0016】
つぎに、本発明実施例の作用を説明する。
ピン側ケーブルエンド33がレバーパイプ20内を通過できる外形を有するので、レバーパイプ20の閉塞側端部20aを閉塞した後にケーブル30をレバーパイプ20の開放側からレバーパイプ20内に挿入して、シフトレバー10を組み立てることができる。そのため、レバーパイプ20の閉塞側端部20aを閉塞してケーブル付勢スプリング40を開放側からレバーパイプ20内に入れた後にケーブル30を開放側からレバーパイプ20内に入れる場合、ケーブル付勢スプリング40を自動的にケーブル30で閉塞側端に押し付けることができる(ケーブル30をレバーパイプ20内に挿入しケーブル30を押し込むことで自動的にケーブル付勢スプリング40を圧縮させることができる)。したがって、車両用曲がりシフトレバーの組み立ては容易である。
また、レバーパイプ20の閉塞側端部20aを閉塞するので、レバー支持部60をインサート成形するときに、樹脂がレバーパイプ20内に入り込むことはない。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の車両用曲がりシフトレバーによれば、ケーブルエンドがレバーパイプ内を通過できる外形を有するので、レバーパイプの一端を閉塞した後にケーブルをレバーパイプの開放側からレバーパイプ内に挿入して、車両用曲がりシフトレバーを組み立てることができる。そのため、レバーパイプの一端を閉塞してレバーパイプの開放側からケーブル付勢スプリングをレバーパイプ内に入れた後にケーブルをレバーパイプの開放側からレバーパイプ内に挿入する場合、ケーブル付勢スプリングを自動的にケーブルでレバーパイプの閉塞側端に押し付けることができる(自動的にケーブル付勢スプリングを圧縮させることができる)。したがって、車両用曲がりシフトレバーの組み立てが従来より容易である
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の車両用曲がりシフトレバーの断面図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面図である。
【符号の説明】
10 車両用曲がりシフトレバー
20 レバーパイプ
21 曲がり部
20a 閉塞側端部
20b 開放側端部
30 ケーブル
31 インナーケーブル
32 アウターケーブル
33 ピン側ケーブルエンド
34 ノブ側ケーブルエンド
40 ケーブル付勢スプリング
50 シフトノブ
51 ノブボタン
60 レバー支持部
70 ディテントピン

Claims (1)

  1. 少なくとも一部に曲がり部をもつレバーパイプと、
    一端にケーブルエンドを有するケーブルと、
    を有する車両用曲がりシフトレバーであって、
    前記ケーブルエンドは、ディテントピンが挿入されるピン挿入用穴が設けられるケーブルエンド本体と、ディテントピンが前記ピン挿入用穴から抜けることを防止する規制部材と、からなり、
    前記ケーブルエンドは、軸方向中間部の径が軸方向端部の径よりも大とされた樽形状であり、前記レバーパイプ内を通過できる外形を有する、車両用曲がりシフトレバー
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