JP2006125142A - シンク - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時に鋼材の変質を生じることなく、シンク表面を保護して傷や汚れなどを付きにくくした、流し台などのシンクを提供する。
【解決手段】ステンレスなどの鋼材で形成されるシンク基体11の表面に対して、アルカリシリケート系塗料を塗布し、110℃〜300℃の比較的低い温度で乾燥焼付けを行うことによって保護膜12を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】ステンレスなどの鋼材で形成されるシンク基体11の表面に対して、アルカリシリケート系塗料を塗布し、110℃〜300℃の比較的低い温度で乾燥焼付けを行うことによって保護膜12を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、鋼材を母材として形成される、流し台、洗面台、ガーデンパンなどのシンクに関する。
鋼材、特にステンレス鋼材を母材とするシンクとして、従来はステンレスシンクとホーローシンクが知られている。
ステンレスシンクは、板状のステンレス材を例えばプレス加工することなどによって、水溜り部となる掘り込み構造が形成されたシンクであり、加工が容易であるという点で利点がある。その一方、ステンレスシンクはその表面が弱いので、簡単に傷が付きやすいというデメリットがあり、その傷に汚れが入り込んで汚れや色の付着原因となっている。
それに対し、ホーローシンクは表面が硬く傷が付きにくいので、上記のようなステンレスシンクの問題は生じない。しかし、ホーローシンクは、ステンレス材の表面にガラス材を含む塗料を塗布し、700℃程度の加熱処理を施して焼付けを行うことによって形成されるものである。そのため、ホーローシンクはステンレスシンクに比べて製造コストが高くなるという問題がある。また、加熱処理によってステンレス鋼材がクロム炭化物を析出して粒界腐食を生じ、シンクを歪ませたり、錆び易くするといった問題もある。さらにホーローシンクの場合、ガラス材を含有する膜厚が厚くなるので、シンク表面が割れやすくなるという問題もある。
一方、本出願人による下記特許文献1には、ステンレス鋼材に変質を生じさせない程度の温度処理によって、表面に無機質塗膜を形成する技術が開示されている。
特開平11−216402号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、製造時に鋼材の変質を生じることなく、シンク表面を保護して傷や汚れなどを付きにくくした、流し台などのシンクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るシンクは、鋼材によって形成されたシンク基体の表面に対し、アルカリシリケート系塗料が塗布されて110℃〜300℃で焼付けされた保護膜が形成されたものである。
前記鋼材としては特に限定されるものではないが、ステンレス鋼材を用いることが好ましい。
シンク基体の表面にアルカリシリケート系塗料を塗布して、110℃〜300℃で焼き付けた保護膜を形成することにより、製造時には鋼材の変質を生じるような高温には至らなくなるとともに、硬質の保護膜が得られることからシンク表面に傷が付きにくくなる。またさらには、親水性の保護膜が形成されるので、シンク表面に付着した汚れなどを水洗いによって簡単に除去できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1はシンク10の形成された流し台1を示す斜視図であり、図2はシンク10の断面構造を拡大した図である。この流し台1は、シンク10を形成するシンク基体11として、板状のステンレス鋼材が用いられており、プレス加工などによって掘り込み構造が形成されて、シンク10をなしている。そして図2に示すように、シンク内側となるシンク基体11の表面側には、アルカリシリケート系塗料によって形成された保護膜(保護層)12が設けられる。この塗料は、アルカリ金属シリケートを主成分とし、水を希釈剤とした無機質塗料であり、シンク基体11の表面に塗布された後、110℃〜300℃で焼付け処理がなされることにより、保護膜12となる。この保護膜12は、アルカリシリケート脱水縮合反応およびゲル化反応による硬化作用で硬化した後、優れた親水性を示すとともに、硬質の膜となる。例えば、保護膜12を、鉛筆硬度9H以上の硬さとすることもできる。
図3は流し台1の製造工程を示す工程図である。板状のシンク基体11はまずプロセスP1のプレス加工によってシンク10の掘り込み形状が形成され、続いてプロセスP2の塗布処理によってシンク基体11の表面にほぼ均一にアルカリシリケート系塗料が塗布される。そしてプロセスP3の乾燥焼付け処理において、アルカリシリケート系塗膜の乾燥硬化が行われ、シンク基体11の表面に保護膜12が形成される。
ここでプロセスP2およびP3には、例えば、上記特許文献1に開示された方法を適用することができ、従来のホーローシンクを製造する場合と比較すると、母材となるステンレス鋼材の変質を生じさせない程度の低い焼付け温度(110℃〜300℃)で塗料を硬化させることができる。
このように本実施形態においては、ステンレス鋼材の表面に対して、アルカリシリケート系塗料を塗布し、これを110℃〜300℃の比較的低い温度で硬化させて保護膜12を形成するので、ステンレスの変形や変質が生じていないシンク10が得られる。また、シンクを高温に昇温する必要がなくなるので、製造コストが抑えられる。
そしてシンク10の表面構造は、従来のステンレスシンクおよびホーローシンクのいずれとも相違する構造となる。すなわち、親水性を有し、かつ硬質の保護膜12は、ステンレス鋼材からなるシンク基体11に傷が付くことを防止するとともに、シンク表面に汚れや色が付着することを良好に防止するようになる。
例えば図4に示すように、保護膜12の表面に油汚れなどの汚れ13が付着している場合であっても、その部分に水を流せば(図4の矢印参照)、保護膜12の親水性によって流水14が保護膜12と汚れ13の間に流れ込み、保護膜12表面から汚れ13を除去することができる。したがって、アルカリシリケート系塗料によって形成される保護膜12により、シンク基体11への汚れの付着を防ぐだけでなく、保護膜表面に付着した汚れを簡単に除去できるようになる。
以上のように本実施形態のシンク10は、シンク基体11の表面にアルカリシリケート系塗料による保護膜12が形成された表面構造を有するので、製造時にはステンレス鋼材の変質を生じるような、従来のホーローシンクと同様の高温処理を行う必要がなくなり、ステンレス鋼材の変形や変質を防止するとともに、ホーローシンクのように製造コストが高騰化することを抑制するものである。そして保護膜12はシンク表面を、従来のステンレスシンクの表面よりも硬質のものとするので、シンク基体11の表面に傷が付くことを良好に防止する。そしてさらには、保護膜12の親水性により、シンク表面に付着した汚れなどが水洗いで簡単に除去できるようになり、従来のステンレスシンクやホーローシンクに比べて、使いやすいシンクが実現される。また、保護膜12の膜厚は、従来のホーローシンクの場合に形成される膜に比べて、シンク表面が割れやすいという問題も解決される。
なお、上記においては、シンク10がステンレス鋼材を母材として形成される場合を例示したが、これに限定されるものではなく、他の鋼材を母材として用いてもよい。ただし、ステンレス鋼材を用いると、シンク10が錆びにくくなるという利点があるので、ステンレス鋼材をシンク10の母材とすることが好ましい。
また、上記においては流し台1のシンク10を例示して説明したが、本発明が適用されるシンクは、流し台に限定されるものではなく、洗面台やガーデンパンなどの他のシンクであってもかまわない。
さらに、上記においてはシンク基体11の表面側のみに保護膜12を形成する場合を例示したが、シンク基体11の表裏両面に保護膜12を設けるようにしても構わない。
1 流し台
10 シンク
11 シンク基体
12 保護膜
13 汚れ
14 流水
P1,P2,P3 製造プロセス
10 シンク
11 シンク基体
12 保護膜
13 汚れ
14 流水
P1,P2,P3 製造プロセス
Claims (2)
- 鋼材によって形成されたシンク基体の表面に対し、アルカリシリケート系塗料が塗布されて110℃〜300℃で焼付けされた保護膜が形成されたシンク。
- 前記鋼材がステンレス鋼材である、請求項1記載のシンク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004318041A JP2006125142A (ja) | 2004-11-01 | 2004-11-01 | シンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004318041A JP2006125142A (ja) | 2004-11-01 | 2004-11-01 | シンク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006125142A true JP2006125142A (ja) | 2006-05-18 |
Family
ID=36720141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004318041A Pending JP2006125142A (ja) | 2004-11-01 | 2004-11-01 | シンク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006125142A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06115294A (ja) * | 1992-09-30 | 1994-04-26 | Natl House Ind Co Ltd | インテリア品 |
JP2004076071A (ja) * | 2002-08-13 | 2004-03-11 | Matsushita Electric Works Ltd | 防汚ステンレスシンク |
-
2004
- 2004-11-01 JP JP2004318041A patent/JP2006125142A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH06115294A (ja) * | 1992-09-30 | 1994-04-26 | Natl House Ind Co Ltd | インテリア品 |
JP2004076071A (ja) * | 2002-08-13 | 2004-03-11 | Matsushita Electric Works Ltd | 防汚ステンレスシンク |
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