JP2006219750A - 金型用アルミニウム合金およびそれを用いた加硫用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 タイヤ加硫の繰り返しによる汚れ物の堆積を抑制して、クリーニング作業なしでもタイヤの外観性の低下や表面欠陥の発生を引き起こすことなく長期にわたり使用が可能な金型を実現できる金型用アルミニウム合金、および、これを用いた加硫用金型を提供する。
【解決手段】 Alを主成分とし、Zn含有量が10重量%以上、かつ、Cu含有量が0.01重量%以下である金型用アルミニウム合金である。この金型用アルミニウム合金からなるか、または、少なくとも加硫される生ゴムと接触する表面に、この金型用アルミニウム合金からなる皮膜が形成されている加硫用金型である。タイヤ加硫用として好適に用いることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 Alを主成分とし、Zn含有量が10重量%以上、かつ、Cu含有量が0.01重量%以下である金型用アルミニウム合金である。この金型用アルミニウム合金からなるか、または、少なくとも加硫される生ゴムと接触する表面に、この金型用アルミニウム合金からなる皮膜が形成されている加硫用金型である。タイヤ加硫用として好適に用いることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金型用アルミニウム合金およびそれを用いた加硫用金型(以下、単に「Al合金」および「金型」とも称する)に関し、詳しくは、タイヤ加硫用に好適に使用可能な金型用アルミニウム合金、およびそれを用いた加硫用金型、特にはタイヤ加硫用金型に関する。
一般に、タイヤを製造するに際しては、成形された生タイヤに内側から圧力をかけて、その外表面を加熱された金型の内壁に密着させ、熱と圧力により生ゴムを加硫するタイヤ加硫用金型(モールド)が用いられる。タイヤ加硫用金型の表面には、タイヤの加硫を行うことで汚れ物が堆積し、いわゆるモールド汚れが生ずるが、これはタイヤの外観性の低下やベアー等の表面欠陥の原因となるため、ブラスト法やプラズマ法、溶液洗浄法等により、モールド汚れを除去する作業が必要となる(特許文献1、2参照)。
また、モールド汚れの洗浄に係る技術としては、例えば、所定の成分を含有するゴム組成物を成形することにより、ゴム組成物と一体化させて汚れ物を除去する方法も知られている(特許文献3参照)。
特開平8−323774号公報(特許請求の範囲等)
特開2001−293729号公報(特許請求の範囲、段落[0007]等)
特開2000−334747号公報(特許請求の範囲、段落[0003]〜[0009]等)
タイヤの加硫とともに金型に付着蓄積されるモールド汚れは、タイヤ加硫毎に抑制できるものではない。そのため従来は、上述のように、モールド汚れがタイヤ外観不良が発生する一定の基準(基準)に達した時点で、金型のクリーニングを行うことが必要となっていた。
しかしながら、クリーニングを行うためには、その都度モールドを一旦取り外してモールド降ろしを行うことが必要となるため、タイヤの生産性が著しく阻害されてしまうという問題があった。また、上記従来のモールドクリーニング法では汚れ物の除去が十分ではなく、特に、夏場においてはクリーニング周期を短縮しなければならなかった。
そこで本発明の目的は、タイヤ加硫の繰り返しによる汚れ物の堆積を抑制して、クリーニング作業なしでもタイヤの外観性の低下や表面欠陥の発生を引き起こすことなく長期にわたり使用が可能な金型を実現できる金型用アルミニウム合金、および、これを用いた加硫用金型を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、従来のモールド汚れの原因は、タイヤ配合中のZnOがイオン化してアルミニウムモールドに固溶し、このZnイオンがキャリアーとなってタイヤ配合中のS、S化合物およびアミン化合物がモールド表面に化学吸着して、汚れ物として堆積成長することによるものであることを見出した。
さらに、上記観点から検討した結果、モールドのAl合金中にZnを過剰に含有させることで、Znイオンが逆にタイヤ配合物に移行して、従来モールド表面に堆積していた汚れ物がタイヤ側に吸着されることとなることを見出し、これにより、モールド汚れの進行が大幅に抑制されることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の金型用アルミニウム合金は、Alを主成分とし、Zn含有量が10重量%以上、かつ、Cu含有量が0.01重量%以下であることを特徴とするものである。
本発明のAl合金においては、好適には、Ni含有量が1〜5重量%であり、B含有量が0.01〜5.0重量%であり、Tiおよび/またはAgの含有量が0.01〜5.0重量%であり、Mg含有量が0.01〜5.0重量%であり、さらには、Mn含有量が0.01〜5.0重量%である。
また、本発明の加硫用金型は、上記金型用アルミニウム合金からなるか、または、少なくとも加硫される生ゴムと接触する表面に、上記金型用アルミニウム合金からなる皮膜が形成されていることを特徴とするものである。本発明の加硫用金型は、タイヤ加硫用として好適に用いることができる。
本発明の金型用Al合金およびこれを用いた加硫用金型によれば、タイヤ加硫の繰り返しによる金型表面への汚れ物の堆積を抑制して、クリーニングの頻度を低減することでタイヤ生産性の向上を図ることができ、かつ、タイヤの外観性の低下や表面欠陥の発生などの問題を引き起こすこともない。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の金型用アルミニウム合金は、Alを主成分とし、Zn含有量が10重量%以上、かつ、Cu含有量が0.01重量%以下である。Zn含有量を10重量%以上としたことで、モールド側の過飽和Znの作用により、加硫時に発生する汚れ物をタイヤ配合物に移行して化学吸着することができる。即ち、タイヤ加硫毎に発生する汚れ物をその都度タイヤ側に吸着させてモールドから除去することができるので、モールド汚れの堆積を大幅に低減することが可能となる。従って、本発明によれば、具体的には例えば、モールドのクリーニング周期を2倍以上に延長することができ、従来に比しタイヤの生産性を著しく向上することができる。
本発明の金型用アルミニウム合金は、Alを主成分とし、Zn含有量が10重量%以上、かつ、Cu含有量が0.01重量%以下である。Zn含有量を10重量%以上としたことで、モールド側の過飽和Znの作用により、加硫時に発生する汚れ物をタイヤ配合物に移行して化学吸着することができる。即ち、タイヤ加硫毎に発生する汚れ物をその都度タイヤ側に吸着させてモールドから除去することができるので、モールド汚れの堆積を大幅に低減することが可能となる。従って、本発明によれば、具体的には例えば、モールドのクリーニング周期を2倍以上に延長することができ、従来に比しタイヤの生産性を著しく向上することができる。
一方、タイヤの加硫温度領域においては、Znを10重量%以上含有するAl合金にはタイヤ用ゴム組成物と化学結合するα相(このα相がタイヤ側へ移行する)が少なく、β相(ZnAl)が主となる。従って、本発明のAl合金は、タイヤ用ゴム組成物と化学結合することもないため、加硫密着の発生も防止することができる。
本発明のAl合金において好適には、Zn含有量は10.0〜15.0重量%であり、Cu含有量は0〜0.01重量%である。また、合金強度を確保する観点からは、Ni含有量を1〜5重量%とすることが好ましく、合金の粒界割れを防止するために、好適には、B含有量を0.01〜5.0重量%とする。さらに、ナノレベルの微細化を図るために、Tiおよび/またはAgの含有量を0.01〜5.0重量%とすることが好ましい。
さらにまた、合金強度を調整するために、Mg含有量は好適には0.01〜5.0重量%であり、耐熱性(200℃クリープ)を向上するために、Mn含有量を0.01〜5.0重量%とすることが好ましい。
上記Al合金からなる本発明の加硫用金型によれば、モールド汚れの堆積が抑制されるために、クリーニングなしでも長期にわたり使用することが可能となり、生産性を向上することができる。例えば、本発明を、図1に示すようなタイヤ加硫用金型10に適用した場合には、タイヤ外観性の低下や表面欠陥の発生等の問題を生ずることなく、効率的なタイヤの生産を行うことが可能となる。なお、図示するタイヤ加硫用金型10は、セクターモールド11とサイドモールド12とからなり、生タイヤ1を内部に装着して(a)、所定条件における加硫を行った後(b)、各モールド11、12を脱着することにより(c)、加硫タイヤ1を得ることができるものである。本発明の加硫用金型は、上記Al合金からなるものであればよく、これにより本発明の所期の効果を得ることができ、その用途や構造等については特に制限されるものではない。
本発明においては、また、従来の合金素材からなる加硫用金型の表面のうち少なくとも加硫される生ゴムと接触する部分に、上記Al合金からなる皮膜を形成することによっても、上記と同様の効果を得ることができる。この場合の皮膜形成方法としては、例えば、めっきやライニング加工などを用いることができるが、特に制限されるものではない。この場合、本発明の効果を適正に得る上で、かかる皮膜の厚みは、好適には100〜200μm程度とする。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例)
図1に示すタイヤ加硫用金型10のセクターモールド11およびサイドモールド12に、夫々下記の表1中に示すAl合金を下記の表2に従い適用して、タイヤの加硫を行った。
(実施例)
図1に示すタイヤ加硫用金型10のセクターモールド11およびサイドモールド12に、夫々下記の表1中に示すAl合金を下記の表2に従い適用して、タイヤの加硫を行った。
(従来例)
図1に示すタイヤ加硫用金型10のセクターモールド11およびサイドモールド12に、従来のAl合金(AC4C)およびSS400鋼材を下記の表2に従い適用して、タイヤの加硫を行った。
図1に示すタイヤ加硫用金型10のセクターモールド11およびサイドモールド12に、従来のAl合金(AC4C)およびSS400鋼材を下記の表2に従い適用して、タイヤの加硫を行った。
実施例および従来例の各金型につき、金型1組あたりのモールド汚れのクリーニング周期、金型とタイヤとの密着の有無およびベアー発生の有無につき、評価を行った。これらの結果を、下記の表2中に併せて示す。
上記表2の結果からわかるように、表1に示すAl合金を適用した加硫用金型を用いた実施例においては、従来の合金素材を用いた従来例の金型に比し、モールド汚れのクリーニング周期を大幅に延長することができ、生産性に優れることが明らかである。また、タイヤ密着やベアー発生等の問題もなく、効率のよいタイヤ製造が可能となることが確かめられた。
1 生タイヤ(加硫タイヤ)
10 タイヤ加硫用金型
11 セクターモールド
12 サイドモールド
10 タイヤ加硫用金型
11 セクターモールド
12 サイドモールド
Claims (9)
- Alを主成分とし、Zn含有量が10重量%以上、かつ、Cu含有量が0.01重量%以下であることを特徴とする金型用アルミニウム合金。
- Ni含有量が1〜5重量%である請求項1記載の金型用アルミニウム合金。
- B含有量が0.01〜5.0重量%である請求項1または2記載の金型用アルミニウム合金。
- Tiおよび/またはAgの含有量が0.01〜5.0重量%である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の金型用アルミニウム合金。
- Mg含有量が0.01〜5.0重量%である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の金型用アルミニウム合金。
- Mn含有量が0.01〜5.0重量%である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の金型用アルミニウム合金。
- 請求項1〜6のうちいずれか一項記載の金型用アルミニウム合金からなることを特徴とする加硫用金型。
- 少なくとも加硫される生ゴムと接触する表面に、請求項1〜6のうちいずれか一項記載の金型用アルミニウム合金からなる皮膜が形成されていることを特徴とする加硫用金型。
- タイヤ加硫用に用いられる請求項7または8記載の加硫用金型。
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JP2005036482A JP2006219750A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | 金型用アルミニウム合金およびそれを用いた加硫用金型 |
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---|---|---|---|---|
CN106738512A (zh) * | 2016-12-13 | 2017-05-31 | 柳州通为机械有限公司 | 斜胶轮胎模具 |
WO2017091004A1 (ko) * | 2015-11-24 | 2017-06-01 | 조병우 | 이형성을 향상시키기 위한 타이어 금형의 표면처리 방법 |
KR20200119605A (ko) * | 2019-04-10 | 2020-10-20 | (주)케이디엠씨 | 공압제어장치 매니폴드용 소재 및 이의 제조방법 |
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2005
- 2005-02-14 JP JP2005036482A patent/JP2006219750A/ja active Pending
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