JP2006124196A - 粒状結晶の製造装置および光電変換装置ならびに光発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 量産性や低コスト性に優れた高品質な粒状結晶を製造することができる粒状結晶の製造装置を提供するとともに、それによって製造された粒状シリコン結晶を用いて作製された、変換効率特性に優れた光電変換装置を提供する。
【解決手段】 坩堝1のノズル部5からシリコン等の結晶材料の融液4を粒状に排出して落下させ、粒状の融液8を落下中に冷却、凝固させて粒状結晶を製造する粒状結晶の製造装置において、坩堝1およびノズル部5を、金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成することにより、結晶の品質を低下させる金属不純物の溶出を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は粒状結晶の製造装置に関し、特に、光電変換装置用途の粒状シリコン結晶を得るのに好適な粒状結晶の製造装置およびその製造装置を用いて製造された粒状シリコン結晶を用いた、変換効率特性に優れた光電変換装置ならびに光発電装置に関するものである。
光電変換装置は、性能面での効率の良さ、資源の有限性への配慮、あるいは製造コストの低さ等といった市場ニーズを捉えて開発が進められている。現在実用化されている主な太陽電池の材料としては、単結晶または多結晶の大きなバルクを切断して、光電変換素子となる結晶基板を作製して用いている。
しかしながら、この結晶基板を用いる光電変換素子では、バルク結晶を結晶基板に切断する際に結晶材料の切断ロスが多いという点で、省資源の観点から問題がある。このことから、今後の市場において有望な省資源型の光電変換装置の一つとして、粒状シリコン結晶を用いた光電変換装置が有望視されている。
粒状シリコン結晶を作製するための原料としては、例えば単結晶シリコンを粉砕した結果として発生するシリコンの微小粒子や、流動床法で気相合成された高純度シリコン等が用いられている。これらの原料から粒状シリコン結晶を作製するには、それら原料をサイズあるいは重量によって分別した後に、赤外線や高周波を用いて容器内で溶融し、この溶融物を液滴(粒状の融液)として自由落下させる方法(例えば、特許文献1,特許文献2および特許文献4を参照。)がある。また、溶融したシリコンを飛散させて粒子状の結晶にする方法(例えば、特許文献3を参照。)もある。
国際公開第99/22048号パンフレット 米国特許第4188177号明細書 特開平5−78115号公報 米国特許第6432330号明細書
結晶材料を容器例えば坩堝内で溶融した後、坩堝に設けたノズル孔から加圧して噴出させ、粒状の融液として落下させて粒状結晶を得る製造装置の坩堝には、グラファイトを使用しているとされている。これは、加工が容易で、純度も高いものが多いためであるが、一方で、強度的に弱く、また分子結合力も小さいため、結晶材料にシリコンを用いた場合には、シリコンとの反応が起こり、シリコンが炭素で汚染されるという問題がある。また、炭素による汚染は、坩堝のグラファイトからの直接的な接触によるものに留まらず、雰囲気の酸素ガスとの反応でグラファイトが一酸化炭素を生成してシリコンの融液に溶け込んでいくことも知られている。また、こういった坩堝のみならず、ヒータもグラファイトで形成されており、高温に加熱されて活性になっていることから、ヒータからの炭素の汚染を防ぐために、坩堝には酸素と結合して一酸化炭素になりにくいSiCコート等を施すことが試されている。
本発明は、以上のような従来の技術における問題に鑑み、これらを解決すべくなされたものであり、その目的は、繰り返して結晶材料を溶融する際の溶融時間を短縮することにより同じ坩堝を用いて粒状結晶を製造するサイクル回数を増加させ、安定して高効率に結晶化させることができると同時に、低コストで高い結晶性を持った例えば単結晶シリコンからなる粒状シリコン結晶を製造するのに好適な粒状結晶の製造装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、本発明の粒状結晶の製造装置を用いて製造された粒状シリコン結晶を用いることで、量産性に富む特性の良好な光電変換装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、本発明の光電変換装置を用いて、特性の優れた低コストの光発電装置を提供することにある。
本発明の粒状結晶の製造装置は、坩堝のノズル部から結晶材料の融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状の融液を落下中に冷却して凝固させることによって粒状結晶を製造する粒状結晶の製造装置において、前記坩堝および前記ノズル部は、金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の粒状結晶の製造方法は、上記構成において、前記結晶材料がシリコンであることを特徴とするものである。
また、本発明の光電変換装置は、導電性基板の一主面に、第1の導電型の粒状シリコン結晶が多数個、下部を前記導電性基板に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁物質を介在させるとともに上部を前記絶縁物質から露出させて配置されて、これら粒状シリコン結晶に第2の導電型の半導体層および透光性導体層が順次設けられた光電変換装置であって、前記粒状シリコン結晶は、上記本発明の粒状結晶の製造装置を用いて製造されたものであることを特徴とするものである。
また、本発明の光発電装置は、上記本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことを特徴とするものである。
本発明の粒状結晶の製造装置によれば、坩堝のノズル部から結晶材料の融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状の融液を落下中に冷却して凝固させることによって粒状結晶を製造する粒状結晶の製造装置において、坩堝およびノズル部は金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成されていることにより、従来よく用いられていたグラファイト坩堝を用いた場合と較べて、不純物溶出を削減することができる。
また、本発明の粒状結晶の製造装置によれば、結晶材料がシリコンであるときには、坩堝およびノズル部が金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成されていることにより、融液の状態で極めて反応性が高いシリコンに対しても不純物の生成および混入を抑制する効果が大きく、安定して高効率に結晶化させることができると同時に高い結晶性を持った粒状シリコン結晶を容易に安定して量産することができる。
また、本発明の光電変換装置によれば、導電性基板の一主面に、第1の導電型の粒状シリコン結晶が多数個、下部を前記導電性基板に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁物質を介在させるとともに上部を前記絶縁物質から露出させて配置されて、これら粒状シリコン結晶に第2の導電型の半導体層および透光性導体層が順次設けられた光電変換装置であって、前記粒状シリコン結晶は、本発明の粒状結晶の製造装置を用いて製造されたものであることにより、良好な結晶性を有する粒状シリコン結晶が安定して高効率に低コストで製造されるものであるので、これを用いて量産性に富む電気特性に優れた良好な光電変換装置を提供することができる。
また、本発明の光発電装置によれば、本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことにより、高効率でかつ低コストの光発電装置を提供することができる。
以下、本発明の粒状結晶の製造装置およびそれにより製造した粒状シリコン結晶を用いた光電変換装置の実施の形態の例について、模式的に図示したそれぞれの図を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の粒状結晶の製造装置の実施の形態の一例における坩堝部の断面を模式的に表した断面図である。また、図2は本発明の粒状結晶の製造装置の実施の形態の一例を示す断面図である。また、図3は本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。なお、本発明の光電変換装置において半導体の粒状結晶として粒状シリコン結晶を用いるので、以下は粒状結晶として粒状シリコン結晶を例に説明する。
図1に示した本発明の粒状結晶の製造装置の例において、坩堝1は、結晶材料である例えばシリコンの融液4との反応を抑えるため、石英等からなる内壁部材1aと、この内壁部材1aの外側に配設される外壁部材1bとから構成される。この外壁部材1bは、坩堝1の強度を確保するために設けられるものであり、鋳込み成形法やホットプレス法等で緻密化された炭化珪素質焼結体で形成されている。
従来、反応性の高いシリコンの融液4との反応を抑えるために、坩堝1には、酸化アルミニウム質焼結体や、微粉末の緻密化に有効なAl,B,Ca,Cr,Fe,Li,Ni等の金属助剤を用いた炭化珪素質焼結体、あるいは窒化ボロン,グラファイト等が用いられていた。
また、坩堝1の先端(底部)側には、ノズル孔6を有するノズル部5が設けられている。つまり、一方端に小径部を有する外壁部材1bとは別体に結晶材料の融液4を排出するためのノズル孔6を有するノズル部5が設けられており、このノズル部5には、金属助剤を用いた炭化珪素質焼結体や、ダイヤモンド,酸化アルミニウム質焼結体,石英,立方晶窒化ボロン等からなるものが使用されていた。
しかしながら、結晶材料の中でもシリコンは反応性に富む材料であり、ノズル部材5および外壁部材1bとの接触により、従来用いられていたグラファイトや金属助剤を用いた炭化珪素質焼結体から炭素や成分金属等の他の不純物が混入して汚染されることが問題となっていた。例えば、周囲のグラファイト壁面から剥落した炭素は、シリコンの融液4内に固溶し、同時に金属助剤に由来する金属不純物も混入してしまう。また、炭素の汚染は、ノズル部5および外壁部材1bとの直接的な接触によるものに留まらず、ノズル部5および外壁部材1bと雰囲気中の酸素ガスとの反応で一酸化炭素を生成し、シリコンの融液4に溶け込むことも知られている。こういった坩堝1の構成材料からの炭素の汚染を防ぐために、また、前述のようなグラファイトよりなるヒータ9からの炭素の汚染を防ぐために、坩堝1の融液4との接触部にSiCコート等を施すことが試されている。また、同様に、金属助剤を用いた炭化珪素質焼結体からも、金属助剤に由来する金属不純物の混入があった。これらの不純物は、結晶品質を低下させ、これらにより汚染された粒状シリコン結晶を用いた光電変換装置の変換効率を悪化させるものである。
この問題を解決するため、本発明の粒状結晶の製造装置は、坩堝1およびノズル部5を、金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成した。これにより、グラファイト製の坩堝と較べて坩堝1の部材からの不純物の溶出をほとんどなくすように低減することができる。本発明の粒状結晶の製造装置によれば、まず、シリコン等の結晶材料の融液4と接触する炭化珪素質焼結体からなる坩堝1から金属助剤を無くしたことにより、融液4への直接の金属汚染が回避される。さらに、炭化珪素は炭素と珪素との結合力が強く、その中の炭素が酸素と反応して一酸化炭素になりにくいので、炭化珪素質焼結体から炭素が一酸化炭素となってシリコン等の結晶材料の融液4に混入することを防ぐこともできる。
なお、図1および図2に示す例では、坩堝1の外壁部材1bとノズル部5とを一体的に形成しているが、このように坩堝1の外壁部材1bとノズル部5とを一体的に形成することが重要である。この場合には、外壁部材1bとノズル部5とを一体的に形成することにより、研削によるロスをなくし、坩堝1の本体部材の強度を高めるとともに、内壁部材1aを例えば極めて高純度化の可能な石英とすることにより、シリコン等結晶材料の融液4または結晶材料の蒸気への金属不純物および炭素不純物の混入をさらに抑制することができる。
さらに、外壁部材1bとノズル部材5とを一体化したことにより、組み立てが不要で量産性に富んでいるものとなる。また、外壁坩堝1bとノズル部材5との接合隙間がないので、その隙間からの融液4の漏れ等も回避することができる。
また、本発明の粒状結晶の製造装置における坩堝1は、外壁部材1bおよび内壁部材1aとノズル部5との全体を金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成してもよく、この場合には、グラファイトよりも高強度であるので薄肉化でき、仕上げに際しても表面層を一部だけ研削すればよいので、材料ロスを低減することができるとともに、薄肉化できることによって坩堝1全体の熱容量が減るためヒータ9による熱制御が容易になる。そして、何よりも金属助剤を用いていないことにより、金属不純物に極めて敏感なシリコン等の品質劣化を回避することができ、作製した粒状シリコン結晶を用いた太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
なお、坩堝1およびノズル部5を、金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成するには、熱硬化性樹脂等の高耐熱性樹脂を混合して焼結したり、2000℃を超える高温で高純度粉末を焼結したりすることで形成することができる。
この結果、本発明の粒状結晶の製造装置によれば、接触している坩堝1の壁材から融液4への不純物の混入を抑制する効果が大きく、粒状結晶を安定して高効率に結晶化させることができると同時に高い結晶性を持った粒状結晶を安定して容易に量産することができるものとなる。そして、生産効率を上昇させることによって、これにより得られた粒状シリコン結晶を用いて、高効率で低コストの本発明の光電変換装置を供給することができるようになる。
このような坩堝1に結晶材料、例えばシリコン原料を投入して、抵抗加熱ヒータあるいは高周波コイルによるヒータ9でシリコン原料全体を溶融して融液4とする。溶融したシリコンの融液4を上部からアルゴンガス等で例えば0.5MPa以下で加圧して、ノズル部5のノズル孔6から押し出すことにより、シリコンの融液4を排出して、多数の粒状の融液8にする。多数の粒状に排出されたシリコンの融液8は、雰囲気を調整された石英管2内を自由落下し、落下中に凝固して、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンの粒状結晶となって収納部3に収容される。
この本発明の粒状結晶の製造装置により得られた粒状シリコン結晶は、太陽電池として好適な本発明の光電変換装置を作製するために使用される。従って、溶融させる結晶材料としてのシリコンには、所望の半導体用添加不純物を含有させておくのが望ましい。すなわち、所望の導電型および抵抗値になるように、第1の導電型とするためのドーパント、例えばp型ドーパントがドーピングされていることが望ましい。シリコンに対するp型ドーパントとしては、ホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウムがあるが、シリコンに対する偏析係数が大きい点やシリコン溶融時の蒸発係数が小さい点からは、ホウ素を用いることが望ましい。
自由落下しながら固化した粒状の融液8は、この時点ではほぼ球形状のものの他にも涙型や流線型,連結型等の種々の形状をした多結晶シリコンであることが多い。このままの粒状結晶を用いて太陽電池等の光電変換装置を作製した場合は、良好な単結晶でないことから良好な光電変換特性を得られないこととなる。この原因は、この多結晶シリコン中に含有されるFe,Cr,Ni,Mo等の金属不純物と多結晶シリコン中の結晶粒界における再結合効果によって十分なキャリア寿命が得られないことによるものである。これを改善するために、これら粒状結晶を温度制御した加熱炉の中で再溶融させて、酸素・窒素雰囲気下で降温することにより再結晶化させて作製された、不純物を抑えた単結晶シリコンからなる粒状シリコン結晶を用いることが行なわれている。
この再溶融・再結晶化のために、粒状シリコン結晶をシリコンの融点(1415℃)以上で、好ましくは1480℃以下の温度まで加熱する。この加熱の間に粒状シリコン結晶の内部のシリコンが溶融する。このとき、粒状シリコン結晶の表面に形成される珪素化合物被膜(酸窒化膜)によって、内部のシリコンが溶融するときにそれを内部に保持するとともに粒状結晶の形状を維持することが可能である。ただし、1480℃を超える温度まで昇温させることは、内部のシリコン溶融時に粒状結晶の形状を安定に保つことが難しくなり、この粒状結晶を載置する台板等と融着反応しやすくなるので望ましくない。
この後、熱アニール等を行ないながらゆっくりと冷却し固化させることで得られる粒状シリコン結晶は、本発明の光電変換装置を作製するために好適に使用される。
次に、本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を図3を参照しつつ説明する。図3に示した本発明の光電変換装置の例は、本発明の粒状結晶の製造装置によって上記のようにして得られた粒状シリコン結晶21を用いて作製されたものである。図3に示す本発明の粒状シリコン結晶21を用いた光電変換装置においては、導電性基板22の一主面、この例では上面に、第1の導電型、例えばp型の粒状シリコン結晶21が多数個、その下部を例えば接合層23を介することによって導電性基板22に接合され、それら粒状シリコン結晶21の隣接するもの同士の間に絶縁物質24を介在させるとともにその上部を絶縁物質24から露出させて配置ささて、これら粒状シリコン結晶21に第2の導電型、ここではn型の半導体層25および透光性導体層26が順次設けられた構成となっている。
ここで、第1の導電型の粒状シリコン結晶21はp型であることが好ましい。例えば、シリコン結晶材料にp型を呈する不純物であるBやAlを1×1014〜1×1018atoms/cm程度添加したものである。この粒状シリコン結晶21の粒径は、10μmより小さ過ぎると取り扱いが困難となる傾向があり、500μmより大き過ぎると多結晶基板に比較して使用するシリコン材料の削減効果が十分に得られないものとなることから、10〜500μmが好ましく、さらには50〜400μmが望ましい。
導電性基板22は、少なくとも表面が導電性であればよく、例えばガラスセラミックス等の絶縁性基板の表面に金属層を形成したものでもよく、金属基板でもよいので、基板材料に関する選択肢を広げることができる。導電性基板22として好ましくは、銀,アルミニウム,銅等の光に対する高反射率を有する金属から成る基板であり、または少なくとも表面がアルミニウム等の金属層となっている基板である。導電性基板22がアルミニウム基板の場合は、アルミニウムとシリコンとの接合により、Al−Si共晶から成る接合層23が形成されるとともに、アルミニウムがシリコンに対する良好なp型ドーパントであるため界面にp層が形成されることでBSF効果が発現されることから好適なものである。また、Al−Si共晶から成る接合層23によって、粒状シリコン結晶21と導電性基板22との強い接合強度を得ることができる。
粒状シリコン結晶21の表面に第2の導電型の半導体層25を形成するには、粒状シリコン結晶21の導電性基板22への接合に先立って、工程コストの低い熱拡散法により形成することが好ましい。この第2の導電型の半導体層25を形成するには、ドーパントとしては、n型であればV族のP,As,Sbを、p型であればIII族のB,Al,Ga等を用い、例えば石英管を用いた拡散炉に粒状シリコン結晶21を収容し、ドーパントを導入しながら加熱して、第1の導電型の粒状シリコン結晶21の表面に第2の導電型の半導体層25を形成する。
次に、導電性基板22の上に、表面に半導体層25が形成された粒状シリコン結晶21を多数個配置する。次に、これを還元雰囲気中にて全体的に加熱して、Al−Siの共晶温度である577℃以上に加熱することにより、Al−Siの共晶から成る接合層23を形成して、粒状シリコン結晶21を導電性基板22に接合層23を介して接合させる。
次に、導電性基板22の一主面に接合された多数個の粒状シリコン結晶21の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板22上にポリイミド樹脂等の絶縁物質24をムラ無く全面にコーティングする。また、この絶縁物質24は、粒状シリコン結晶21の上部は露出させるように付与されることにより、粒状シリコン結晶21の上部に半導体層25を介して形成される透光性導体層26との有効な接触を可能とする。一方、粒状シリコン結晶21間の絶縁物質24の表面形状は、粒状シリコン結晶21側が高くなっている凹形状をしており、この光電変換装置の上に付与されるモジュールの封止樹脂との屈折率の差により、粒状シリコン結晶21の無い非受光領域における光の乱反射を促進することができ、光電変換素子としての粒状シリコン結晶21への光の入射量を増やして、変換効率を向上させることができる。
さらに、透光性導体層25の上に電極27を形成し、多数個の粒状シリコン結晶21で発生した光電流を効率的に収集できるようにする。なお、透光性導体層26は、錫ドープ酸化インジウム膜,酸化スズ膜,酸化亜鉛膜等から成り、膜厚を850Å程度に制御することで反射防止効果を有するものとなる。透光性導体層26は、量産に適した信頼性の高い膜質を得るにはスパッタリング法で形成するのが通常であるが、CVD法,ディップ法,電析法等により形成することもできる。透光性導体層26は、第2の導電型の半導体層25の上に上部電極として形成されるとともに、絶縁物質24上にも形成され、個々の粒状シリコン結晶21により形成された光電変換素子を並列につなぎ合わせることができる。
その後、前述のように透光性導体層25上に銀ペースト等を櫛状に塗布してグリッド状の電極27を形成することで、本発明の光電変換装置が得られる。このようにして、導電性基板22を一方の電極にし、電極27を他方の電極とすることにより、太陽電池として機能する本発明の光電変換装置が得られる。
この本発明の光電変換装置は、低コストかつ高効率であることに加えて、基板に柔軟性に富む例えばアルミニウム金属板を使用することにより、表面が耐候性フィルムでラミネートされた光電変換モジュールにおいて、耐候性フィルムの上面より雹や霰による衝撃が加えられたときに、多結晶シリコン基板を用いたものでは多結晶シリコン基板そのものにクラックが入る等の破壊モードを回避することができるため、軽量かつ高耐候性の光電変換システムを供給できるだけでなく、設置架台やコンバータ等のトータルシステムにおいても効果を発揮しうるものである。
この本発明の実施例として坩堝1の外壁部材1bおよびノズル部5を、金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成した坩堝1を用い、不活性雰囲気中でシリコン原料を18g充填して1450℃の温度に昇温し溶解した。なお、坩堝1の内壁部材1aは、内径19mmφ,外径25mmφ,長さ143mmの寸法に加工された石英を用いて、別部材として外壁部材1bの内側に装着した。高周波コイルを用いたヒータ9は、投入する高周波電力として10kVAの電力を投入できる装置とした。
また、比較例として、従来のグラファイト製の外壁部材1bと、金属助剤として数十ppmのCrやFeを含有した5質量%のアルミナを用いた炭化珪素質焼結体からなるノズル部5とを組み立てて形成した坩堝1も用いた。
なお、どちらもレーザ加工により開口した100μmのノズル孔6を形成しており、融液4にガス圧力を加えて、一気に融液4の全量をノズル孔6から噴出して、粒状の融液8として排出した。
この粒状シリコン結晶21を石英ボートに乗せて、リン熱拡散法により粒状シリコン結晶21の表面におよそ1μmの厚さのn型の半導体層25層を形成した。
この粒状シリコン結晶21を、50mm×50mm×500μm厚の純アルミニウムから成る導電性基板22上に最密六方状に多数個配置し、600℃の窒素あるいは窒素水素の還元雰囲気炉で接合させた。このとき、アルミニウムから成る導電性基板22と粒状シリコン結晶21との界面には、Al−Si共晶から成る接合層23が形成されており、強い接合強度を呈していた。
次に、多数個の粒状シリコン結晶21が接合されて配設された導電性基板22上にポリイミド樹脂から成る絶縁物質24を塗布し、窒素雰囲気中で熱乾燥させた。このとき、絶縁物質24の粘度を制御することで、粒状シリコン結晶21の隣接するもの同士の隙間を毛管現象で隙間無く充填するように塗布することができた。
この上に上部電極として透光性導体層26を、スズドープ酸化インジウム膜のスパッタリング法によって全面に85nmの厚みで形成した。
最後に、銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成して、フィンガー電極およびバスバー電極からなる電極27を形成した。そして、大気中500℃で焼成を行ない、最後にハンダディップして電極27上にハンダ層を形成した。
このようにして作製した本発明の実施例および比較例による粒状シリコン結晶21を用いた光電変換装置の電気特性をAM1.5のソーラーシミュレーターで評価した結果、実施例においては、金属不純物や炭素不純物の混入を低減させたことによって少数キャリアのライフタイムの長い高品質の粒状シリコン結晶で作製したことにより、14%の変換効率を得ることができた。
一方、比較例として、グラファイト製の外壁部材1bと炭化珪素質焼結体から成るノズル部5とを組み立てて形成した坩堝1を用いて作製した粒状シリコン結晶21を用いた光電変換装置では、粒状シリコン結晶21の炭素含有率が高く、結晶品質を低下させていることが分かり、作製した光電変換装置の変換効率は13%を下回っており、実施例によるものよりも劣っていた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、坩堝およびノズル部を金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成し、内側の一部をCVD法による炭化珪素で被覆してもよく、その場合には、被覆された炭化珪素はさらに高純度とすることができるとともに表面粗度を滑らかにすることができるので、さらに効果的に不純物の混入を防ぐことができる。
本発明の粒状結晶の製造装置の実施の形態の一例における坩堝部の断面を模式的に表した断面図である。 本発明の粒状結晶の製造装置の実施の形態の一例を説明する断面図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・坩堝
1a・・・内壁部材
1b・・・外壁部材
2・・・石英管
3・・・収納部
4・・・融液
5・・・ノズル部
6・・・ノズル孔
8・・・半導体粒子
9・・・ヒータ
21・・・粒状シリコン結晶
22・・・導電性基板
23・・・接合層
24・・・絶縁物質
25・・・半導体層
26・・・透光性導体層
27・・・電極

Claims (4)

  1. 坩堝のノズル部から結晶材料の融液を粒状に排出して落下させるとともに、この粒状の融液を落下中に冷却して凝固させることによって粒状結晶を製造する粒状結晶の製造装置において、前記坩堝および前記ノズル部は、金属助剤を用いない炭化珪素質焼結体で一体的に形成されていることを特徴とする粒状結晶の製造装置。
  2. 前記結晶材料がシリコンであることを特徴とする請求項1記載の粒状結晶の製造装置。
  3. 導電性基板の一主面に、第1の導電型の粒状シリコン結晶が多数個、下部を前記導電性基板に接合され、隣接するもの同士の間に絶縁物質を介在させるとともに上部を前記絶縁物質から露出させて配置されて、これら粒状シリコン結晶に第2の導電型の半導体層および透光性導体層が順次設けられた光電変換装置であって、前記粒状シリコン結晶は、請求項2記載の粒状結晶の製造装置を用いて製造されたものであることを特徴とする光電変換装置。
  4. 請求項3記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した光発電装置。
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